連結財務諸表の連結注記事項「継続企業の前提に関する事項」に記載されているとおり、当社グループは、当連結会計年度において、営業損失823,718千円、経常損失862,458千円及び親会社株主に帰属する当期純損失1,698,531千円を計上した結果、3,035千円の債務超過となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純損失が、複数の金融機関と締結している金銭消費貸借契約及び優先株主と締結している優先株式投資契約にそれぞれ定められる財務制限条項である親会社株主に帰属する当期純損失が800,000千円を超える損失とならないことという利益維持基準を上回ったこと、及び連結純資産の部の金額が、金銭消費貸借契約に定められる財務制限条項である連結純資産の部の金額を850,000千円以上の金額に維持することという純資産維持基準を下回ったことにより、財務制限条項に抵触しました。
このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当社グループは、当該事象又は状況を解消すべく、以下のとおり対応を進めてまいります。
(1)事業の収益改善
当社グループのうち、特に大幅なセグメント損失を計上している海外セグメントの収益改善に注力してまいります。具体的には、レッスン事業につきましては、新規顧客獲得強化に向けた顧客ニーズに沿ったレッスンサービスの提供、店舗の稼働率改善に向けたプラクティスビジネスの推進及びクラブメーカーとの協力施策によるフィッティングビジネス拡大を重点項目とし、ゴルフ弾道測定器事業においては、周辺機器(マット、ネット、プロジェクター、ケース等)の販売及び米国以外の海外チャネルの拡大を加速させ、ソフトウェアビジネスの成長促進を推し進めてまいります。また、グループ全体としても、引き続きコスト管理の徹底、マーケティング施策の最適化を推し進めてまいります。
(2)財務制限条項への抵触による権利行使猶予
財務制限条項に抵触した金銭消費貸借契約については当該金融機関に対して期限の利益喪失請求の権利行使を猶予いただくよう、優先株式投資契約については当該優先株主に対して償還請求権の権利行使を猶予いただくよう、それぞれ申し入れをしております。
しかしながら、これらの対応策は実施途上であり、期限の利益喪失請求の権利行使猶予及び償還請求権の権利行使猶予について当該金融機関及び優先株主との合意が得られていないため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1)子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2)その他有価証券
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2.デリバティブ等の評価基準及び評価方法
デリバティブ
時価法
3.棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1)商品
主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
(2)仕掛品、貯蔵品
個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
4.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)
定率法
ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりとなっております。
建物 3~47年
構築物 10~30年
機械装置及び運搬具 7年
工具、器具及び備品 2~15年
(2)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
ただし、ソフトウエア(自社利用分)については、社内における見込利用可能期間(3~5年)に基づく定額法
(3)リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零(ただし、残価保証がある場合は当該金額)とする定額法を採用しております。
5.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2)ポイント引当金
将来のポイントの使用による販売促進費の発生に備えるため、使用実績率に基づき将来利用されると見込まれるポイントに対し見積り額を計上しております。
(3)株主優待引当金
株主優待制度に基づく費用の発生に備えるため、翌期において発生すると見込まれる額を計上しております。
(4)役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支給に備えるため、内部規定に基づき期末要支給額を計上しております。
(5)役員株式給付引当金
役員株式給付規定に基づく当社の取締役及び執行役員に対する将来の当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額を計上しております。
6.重要な収益及び費用の計上基準
当社は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2021年3月26日)を適用しており、顧客との契約から生じる収益について、下記の5ステップアプローチに基づき、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、もしくは、移転するにつれて当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。
・ステップ1:顧客との契約を識別する
・ステップ2:契約における履行義務を識別する
・ステップ3:取引価格を算定する
・ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
・ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社の収益の主要な区分におけるそれぞれの収益認識基準は、以下のとおりです。
① ゴルフ用品販売
当社は、店舗及びインターネットを通じてゴルフクラブ及びゴルフ関連商品を販売しております。
ゴルフクラブ及びゴルフ関連商品については、顧客との契約に基づき商品を顧客に引き渡すことを履行義務としております。商品の引渡時点において顧客が当該商品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該商品の引渡時点で収益を認識しております。なお、インターネットを通じての販売については、出荷時点から当該商品の支配が顧客に移転するまでの期間が通常の期間であるため、出荷時点で収益を認識しております。当社の商品の販売契約における対価は、顧客との契約に基づき、履行義務を充足してから、概ね2ヶ月以内に顧客から短期的な決済手段で支払を受けており、1年以内に代金を回収していることから、重大な金融要素は含んでおりません。
また、ゴルフクラブ及びゴルフ関連商品について、一定の条件の下で、買戻し及び返品を認めております。返品権付の販売として変動対価の定めに従い、予想返品額を収益から控除し、同額の返金負債を計上すると共に、返品される製品を回収する権利について資産を認識しております。
② ゴルフ場予約
当社は、ゴルフ場に対してゴルフ場予約サービスを提供しております。当社は、ゴルフ場に対しては、ゴルフ場予約サービスを提供する義務を負っていることから、顧客がゴルフ場を利用した時点で履行義務が充足されると判断しており、その時点で収益を認識しております。
当社は、ゴルフ場予約サービスの対価として、ゴルフ場から手数料を受領しております。顧客との契約に基づき、履行義務を充足してから2ヶ月以内に顧客から支払を受けており、1年以内に代金を回収していることから、重大な金融要素は含んでおりません。
さらに、ゴルフ場予約サービス提供のうち、当社の役割が代理人に該当する取引について当該対価の総額から第三者に対する支払額を差し引いた純額で収益を認識しております。
③ ゴルフレッスン
当社は、顧客に対してゴルフレッスンサービスを提供しております。当社のゴルフレッスンサービスは、顧客のゴルフ技術の向上を目的としたトータルゴルフレッスンサポートであり、レッスンの提供によりサービスに対する支配が顧客に移転するため、契約期間にわたって履行義務が充足されると判断しており、その期間にわたって収益を認識しております。
ゴルフレッスンにおけるサービス提供に関する対価は、ゴルフレッスンの提供前に受領しており、契約負債を認識しております。
④ ゴルフ練習場事業
当社は、ゴルフ練習場に対してゴルフ練習場システムの設置・導入サービスを提供しております。当社は、ゴルフ練習場に対しては、ゴルフ練習場システムの設置・導入サービスを提供する義務を負っていることから、顧客がゴルフ練習場を利用した時点で履行義務が充足されると判断しており、その時点で収益を認識しております。
当社は、ゴルフ練習場システムの設置・導入サービスの対価として、ゴルフ練習場から手数料を受領しております。顧客との契約に基づき、履行義務を充足してから2ヶ月以内に顧客から支払を受けており、1年以内に代金を回収していることから、重大な金融要素は含んでおりません。
上記の当社が提供している商品やサービスにおいて、当社はポイント制度を運用しております。当該ポイントが重要な権利を顧客に提供する場合、付与したポイントを履行義務として識別し、ポイントの使用により将来商品又は各種サービスが提供されるまで収益の計上を繰り延べしております。また、顧客が当社の商品又は各種サービスの購入時に利用できるクーポンにつきまして、顧客に支払われる対価として、売上高から減額しております。
7.ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
(2)ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段 為替予約
ヘッジ対象 外貨建金銭債権債務等
(3)ヘッジ方針
内部規定に基づき、外貨建金銭債権債務等に係る為替変動リスクについてヘッジしております。
(4)ヘッジ有効性評価の方法
為替相場の変動によるキャッシュ・フローの変動を完全に相殺するものと想定されるため、有効性の評価は省略しております。
(重要な会計上の見積り)
(関係会社株式の評価)
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社では決算日において、関係会社株式14,419,101千円を計上しており、減損の検討を行っております。減損の検討は、下記のように実施しております。
時価を把握することが極めて困難と認められる関係会社株式については、株式の実質価額(1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額)が取得原価に比べて50%程度以上低下した場合に、実質価額が著しく下落したと判断し、回復可能性が十分な根拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行うこととしております。また、これらの株式について、会社の超過収益力等を反映して、財務諸表から得られる1株当たり純資産額に比べて高い価額で当該会社の株式を取得している場合、超過収益力等が見込めなくなったときには、これを反映した実質価額が取得原価の50%程度を下回っている場合に、減損処理を行うこととしております。
当社は、2018年12月期に海外におけるレッスン・クラブフィッティング販売サービスを拡大し、企業価値を最大化するために、GolfTEC Enterprises LLCの発行済株式の60%を取得し、GDO Sports, Inc.へ現物出資したのち、2022年11月30日に「GOLFTEC ANYWHERE」の実現のため、GDO Sports, Inc.によるGolfTEC Enterprises LLC株式の出資持分を98%に拡大しました。
GolfTEC Enterprises LLCの株式は当該会社の超過収益力を反映して、財務諸表から得られる1株当たり純資産額に比して高い価額で取得していることから、GDO Sports, Inc.株式の実質価額には、GolfTEC Enterprises LLCの株式取得時に見込んだ超過収益力が含まれております。そのため、当社はGDO Sports, Inc.株式の評価に当たり財政状態の悪化により実質価額が50%程度以上低下した場合、またGolfTEC Enterprises LLC株式は当該会社の超過収益力を反映して、財務諸表から得られる1株当たり純資産額に比して高い価額で当該会社の株式を取得しており、超過収益力が減少し、超過収益力を反映した実質価額が取得原価の50%程度以上低下した場合、当該株式の実質価額が著しく低下したとして減損処理を行うこととしています。ただし、これらの株式の実質価額について、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、減損処理しないこととしています。最新の事業計画の基礎となるゴルフ市場における需要の獲得、新規出店等の仮定が、取得時点のものとの間に重要な乖離が生じていないという、取得時の中期事業計画の達成状況を把握することにより、当初見込んだGolfTEC Enterprises LLCの超過収益力が減少していないかを判断しております。
当事業年度において、GDO Sports, Inc.株式の減損処理について検討した結果、GolfTEC Enterprises LLC株式の実質価額が著しく低下していないと判断したことにより、GDO Sports, Inc.株式に関して、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合に該当しないと判断し、GDO Sports, Inc.株式につき減損は不要としております。
これらは事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、実質価額が著しく低下することにより、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き、減損損失を行う可能性があります。
(貸借対照表関係)
前事業年度において区分掲記しておりました投資その他の資産の「長期前払費用」(前事業年度97,620千円)については、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より投資その他の資産の「その他」に含めて表示しております。
前事業年度において区分掲記しておりました投資その他の資産の「破産更生債権等」(前事業年度6,974千円)については、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より投資その他の資産の「その他」に含めて表示しております。
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分掲記したものを除く)
2 次の関係会社等について、金融機関からの借入に対し債務保証を行っております。
※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度16.7%、当事業年度17.3%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度83.3%、当事業年度82.7%であります。
主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※2 関係会社との取引高は、以下のとおりであります。
子会社株式及び関連会社株式
子会社株式及び関連会社株式で市場価格のあるものはありません。
(注)市場価格のない子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(※)上記については、市場価格がなく、時価を把握することが困難と認められるものであります。
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。