第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針、経営環境

国内の経営環境は気候変動や地政学リスク等様々な要因を背景に物価上昇が加速し、これに伴う家計の購買力低下などが見られました。また、米国においては人材不足の深刻化や、高インフレが続いたことによる消費者の高額品や非必需品の支出控えなど、厳しい局面となりました。加えて、日米間の金利差の拡大等から円安が進んだことも当社の事業環境に大きく影響しております。

インターネットを取り巻く環境は、Eコマース市場や各種インターネット関連サービス市場等が成長を続けております。また、IoT、AIに代表されるデジタル技術は進化し続けており、様々な場面においてデジタル化が進んでおります。ゴルフ市場においても進化するデジタル技術や生活スタイルの変化に伴い、ゴルファーの需要スタイルも多様化し日々変化しております。

このような環境の中、引き続きゴルフ市場が進化を続ける米国において、当社グループの米国事業の更なる成長を加速させるべく、米国のゴルフレッスンサービス及びクラブフィッティングサービスの早期立て直し及びゴルフ弾道測定器事業の成長促進を進めてまいります。また、国内事業の安定的な成長により、グループ全体の収益基盤の拡充及び財務基盤の立て直しを図ることに注力してまいります。

 

(2)対処すべき課題

① 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、当連結会計年度において、営業損失823百万円、経常損失862百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失1,698百万円を計上した結果、百万円の債務超過となりました。

その結果、親会社株主に帰属する当期純損失が、複数の金融機関と締結している金銭消費貸借契約及び優先株主と締結している優先株式投資契約にそれぞれ定められる財務制限条項である親会社株主に帰属する当期純損失が800百万円を超える損失とならないことという利益維持基準を下回ったこと、及び連結純資産の部の金額が金銭消費貸借契約に定められる財務制限条項である連結純資産の部の金額を850百万円以上の金額に維持するという純資産維持基準を下回ったことにより、財務制限条項に抵触しました。

このような状況により、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該事象又は状況を解消するための対応策を実行することにより、事業の収益改善及び財務制限条項への抵触の解消に努めてまいる所存であります。なお、当該対応策につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 継続企業の前提に関する事項」に記載しております。

 

② マーケティング戦略の強化

当社グループの事業拡大を進めるためには、マーケティング戦略の強化が不可欠であり、事業の根幹を成す「GDOクラブ会員」との関係強化に重点を置いております。また、日々進化するマーケティングソリューションを効果的かつ迅速に展開するためにも事業サービスを超えた横断的な連携の強化に集中してまいります。

 

③ システムの安定稼働

当社グループにとって、ビジネスの基盤であるシステムの安定稼働は今後も重要な課題であります。コンピュータウイルスなどの侵入、近年高度化・複雑化する情報改ざんや不正侵入などの不正アクセス等の脅威に対して、適切なセキュリティ対策を講じてまいります。また、システムの可用性の向上等に関する取組みを積極的に進めることで、高度な情報システム環境の維持・運用を行ってまいります。

 

 

④ ステークホルダーとの関係強化

当社グループは、株主の皆様のみならず、お取引先企業、お客様及び従業員との間に生まれる信頼と共栄の関係を継続させることが、長期的に株主価値の最大化を実現するものと考えております。制度開示における重要事実公開手順を踏まえた上で、業績結果、財務内容、将来ビジョンや経営戦略などについて、ステークホルダーに対し迅速かつ的確に情報発信してまいります。また、CSR活動やサステナビリティを意識した経営を通じてステークホルダーの信頼と満足を得る企業価値の向上を図ってまいります。

 

⑤ 個人情報の保護管理強化

当社グループの事業は、当社サービスの顧客の様々な活動により支えられており、顧客の個人情報の保護管理において大きな責務を負っています。個人情報保護法を遵守すべく定めた、情報セキュリティ基本方針及び個人情報保護方針に基づき、あらゆる管理体制強化を図ってまいります。当社グループが保有する情報資産をあらゆる脅威から保護し、適切な安全管理を実現するために構築した、情報セキュリティマネジメントシステムを最大限活かし、情報資産を安全かつ適正に管理・運用してまいります。

 

⑥ ゴルフ業界における確固たる地位の構築

競合する企業との差別化を図り、当社グループならではの付加価値を示していくためには、今以上に認知度を高めていかなければならないと考えております。ゴルフ業界の中でオンリーワンの存在として業界の繁栄に貢献していけるような企業を目指します。そのためには、テクノロジーとデータを駆使した革新的なゴルフビジネスの開発と共に国内外ビジネスでこれまで以上の売上規模を獲得していくことが重要であると認識しております。

 

⑦ グローバル展開の推進

当社グループは、今後の持続的な成長のために海外事業展開を重要な戦略と位置づけております。2019年以降、米国を中心に本格的な事業展開に着手しており、これら事業の売上・利益拡大に向けて、引き続き海外子会社の経営管理面での充実を図ってまいります。またこれに関連して、海外事業展開に不可欠なグローバル人材の開発・育成を進め、海外事業の飛躍的成長のための土台を構築してまいります。

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組み】

当社グループは「ゴルフで世界をつなぐ Connect the world with GOLF」というミッションを掲げ、ゴルフ専門のITサービス企業として事業を行っております。人々の心と身体の健康に寄与できるゴルフの可能性を信じ、より多くの人にその楽しさに触れてもらうことを使命ととらえ、テクノロジーとエンターテインメントを融合させた各種サービスをグローバルに展開しております。当社グループでは、サステナビリティ経営のテーマとして、「ゴルフ、スポーツを通じて人々の心身の健康に働きかける」ことを掲げ、あらゆるステークホルダーにとって重要でありかつ当社グループの強みを活かしながら、社会と企業のサステナビリティに貢献できることは何か、という基準に照らし、「社会」、「環境」、「健康」、「人」の4項目を、サステナビリティ活動の柱として定義しました。また、当社グループはサステナビリティ活動への取組みに際して常にパートナーシップを重視し、社会地域コミュニティ、取引先、パートナー、ゴルフ業界全体、従業員等あらゆるステークホルダーと協力して持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 


 

(1)ガバナンス

当社グループでは、代表取締役社長を委員長とする部門横断機関であるサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会では、当社グループにおけるサステナビリティ全般に係るリスク及び機会、これに対する取組みを検討し、その進捗を取締役会に報告しております。取締役会では、サステナビリティ委員会からの報告に基づき必要な議論を実施した上で、サステナビリティ活動の承認、モニタリング及び必要な助言を行っております。

さらに、2024年12月期から当社のサステナビリティ経営のテーマである「ゴルフ、スポーツを通じて人々の心身の健康に働きかける」ことや、サステナビリティ委員会において検討され特定された当社グループサステナビリティ全般におけるリスク及び機会、これに対する取組みを具体化する施策を検討するために、部門横断で選抜された多様なメンバーによって組成された3つの分科会を立ち上げました。これらはそれぞれ「従業員向け施策検討チーム」、「顧客向け施策検討チーム」、「アライアンス施策検討チーム」としてサステナビリティ委員会の下に設置されております。今後この分科会から発想された具体的な施策を当社のサステナビリティ活動に取り込みながら推進していくことを想定しております。

 


 
  2024年12月期におきましては、サステナビリティ委員会は13回開催され、取締役会への報告及び取締役会における議論は2回実施されました。活動実績は以下のとおりです。
 

開催日

議論の内容

2024/2/1

有価証券報告書におけるサステナビリティ開示内容の検討

2024/2/27

有価証券報告書におけるサステナビリティ開示内容の検討

2024/4/9

今期のサステナビリティ活動における注力テーマについて(「健康」及び「人」)

2024/5/14

2024年12月期サステナビリティ活動方針を取締役会へ報告

2024/6/4

人材の多様性に関する現状調査

2024/6/18

人材の多様性に関する現状調査

2024/7/16

現状のサステナビリティ課題に関する集中討議(3時間)

2024/7/30

サステナビリティ課題についての取組み検討

2024/8/27

サステナビリティ委員会における議論を取締役会へ報告

2024/9/24

サステナビリティアライアンスの検討、分科会の組成について

2024/10/8

分科会の組成及び健康経営に係る検討

2024/11/19

分科会の組成に関する具体案の検討

2024/12/17

分科会の組成に関する具体案の検討

 

 

(2)リスク管理及び戦略

当社グループは、サステナビリティ経営の柱として、「社会」、「環境」、「健康」、「人」の4項目を設定しております。4つのマテリアリティは、当社と従業員を含む全てのステークホルダーにとっての重要度及びこれらに対して当社グループの強みを活かして貢献できるかという基準で選択しております。それぞれの項目について、リスクと機会を識別し評価及び管理すべくサステナビリティ委員会が主導し検討しております。

 

社会

リスク

・資本・イデオロギー格差の拡大に伴う社会の分断化

→富裕層のスポーツであるというラベリング、ゴルフレジャーの硬直化、ゴルフレジャー参加者の画一化、参加人口の減少、ゴルフ人気の低下

・価値観の多様化に伴うレジャーの多様化

→コロナ禍に獲得した新規ゴルファーのゴルフ離れ

機会

・ゴルフ場を活用した地域社会コミュニケーションの促進
(ゴルフ場を多種多様な人々が交流できる場として提供する)

→ゴルフ場の有用性をアピールすることや、ノンゴルファーがゴルフ場を訪れる機会を創造することでゴルフスポーツ参加へのハードルを下げる

・ゴルフの楽しみ方の多様化を推進

→カジュアルゴルフの提案、インドアシミュレーションゴルフ、eスポーツ等、既存のゴルフの新しい遊び方の提案によりゴルファーのすそ野の広がり

→フットゴルフ、スピードゴルフ等、ゴルフ自体の多様性の提案による新たな顧客層の獲得

戦略及び

取組み

・GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスの運営

当社が運営受託するGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスにおいて、ドレスコードフリーを採用しカジュアルゴルフを提唱。初心者サポート企画としてラウンド時の基本的なマナーを教える企画を定期的に実施してゴルフラウンドに対するハードルを下げる取組みを実施しております。
GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスでは、近隣の住民が参加できるゴルフ以外のイベントを開催し、地域社会の交流の場として、ゴルフ場の新しい活用方法を提示しております。

・ゴルフの多様な楽しみ方を提案

スピードゴルフ:2017年に一般社団法人日本スピードゴルフ協会を設立して以降、スピードゴルフの国内外の大会を主催するなど、新しいゴルフの楽しみ方としてスピードゴルフの普及に取組んでおります。

スノーゴルフ:冬の時期に雪でクローズになるゴルフ場を活用し、地域の雇用の確保や観光事業の活性化に貢献するために、2016年から毎年ゴルフ5美唄カントリーコースにてスノーゴルフイベントを開催しております。

フットゴルフ:スポーツの楽しみを普及し人々の健康と暮らしの豊かさを向上するために、(株)湘南ベルマーレと提携し、サッカーとゴルフを融合させたフットゴルフの大会を開催するなど、ゴルフの多様性を提案する取組みを実施しております。

環境

リスク

・気候変動に伴う異常気象の激甚化、災害の発生

→ゴルフ場を含む広域の被災、真夏のゴルフ需要の減少、ゴルファーの健康被害の懸念

・過去のゴルフ場開発に対する環境負荷マイナスイメージ

→ゴルフのイメージダウン

機会

・ゴルフ場の里山としての機能の見直し

→生物多様性や整備された自然としてのゴルフ場がもたらす自然環境への好影響を発信することで、ゴルフ場の存在価値を見直しゴルフへのマイナスイメージの払拭

・ゴルフ場を活用した地域社会コミュニケーションの促進

→ゴルフ場をゴルフに限らない用途で開放することで、ゴルフスポーツを身近なものとして参加ハードルを下げる

戦略及び

取組み

・GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスの運営

ゴルフ場の開発に伴う自然環境破壊などのマイナスイメージを払拭し、ゴルフ場の現代的意義を改めて見直しこれを社会に対して発信するために、当社ではGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスの運営を受託し、実際に都市型ゴルフ場を運営することで、ゴルフ場がどのようにして地域社会や自然環境に対して貢献することができるのかを検証しております。

GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスにはここにしか生息していない生物の固有種が存在しており、茅ヶ崎市の協力を得て近隣の小学生を招待して昆虫観察会を開催するなど、ゴルフ場の生物多様性の維持に対する機能を見直し、これを発信する活動を実施しております。

健康

リスク

・日本国内における少子高齢化の進行

→ゴルファーの高齢化に伴うゴルファー人口の減少
・夏場のゴルフプレーに関する健康への影響

→ゴルファーの健康被害やゴルフ場、イベント主催の安全管理責任

機会

・ゴルフスポーツを通じて心身の健康にもたらされる好影響を発信
・高齢になっても続けられる生涯スポーツとしてゴルフの価値を普及

→ゴルフ自体の価値向上、ゴルファー人口の増加、ゴルフ業界の活性化

戦略及び

取組み

・ゴルフスポーツを通じた心身の健康への貢献

ゴルフの健康価値にフォーカスし身体のみならず精神の健康にも寄与する生涯スポーツとしての価値をより普及していくために、当社の全ての事業が存在しております。当社のメディアを通じて様々なゴルフに関する情報を発信し、当社でゴルフ用品を購入し、ゴルフ場を予約してゴルフプレーをし、技術向上のためのゴルフレッスン、ゴルフ練習場におけるシミュレーターの供給に至るまでゴルフスポーツにまつわるあらゆる情報・環境を提供しております。今後もゴルフを通じて人々の健康という価値に貢献するために様々な取組みを実施してまいります。

リスク

・人材の流出、人材の硬直化、人材多様性の低下

→事業の硬直化、事業革新性の低下

・従業員の心身の健康に対する脅威

→生産性の低下

機会

・革新的で自由な働き方を推進
・従業員の一人ひとりのキャリアへの向き合いをサポート

→多様な人材の確保

・従業員の心身の健康に対してゴルフを通じた当社ならではの取組み

→ゴルフ自体の価値の向上、企業生産性の高まり

戦略及び

取組み

人的資本に係る方針・戦略・取組みにつきましては、後述いたします。

 

 

(3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針

当社グループが社会に対して継続的に価値を提供していく上で、最も重要な資本は人材であるとの認識のもと、継続的な価値提供には当社グループの理念に共感し、これを実践する人材を多く有することが不可欠なものであると考えております。2022年には、各部門の長を中心とする人材マネジメントプロジェクトを発足し、「多様性を認め合い、人生を楽しむことに寛容な社会を目指して挑戦し続ける仲間を称賛し、応援する」という「人事ポリシー」を定めると共に、「こんな社員の集まりでありたい」という宣言である「人物像」を定めました。また、これらを体現するための新たな人事制度を設計し2023年1月より運用を開始し、「人事ポリシー」や「人物像」を当社の採用、評価、人材育成の基準にすると共に、一人ひとりが多様性を認め合い、人生を豊かにする働き方を実現することに日々挑戦しています。
 これらの「人事ポリシー」、「人物像」を踏まえた当社の人材開発方針として、「自ら行動する者に機会と場を提供する」こととし、社員の自律を支援し中長期的な成長と学びの機会を提供することとしております。 さらに、性別や年齢、国籍で職種や役職を規定することなく、それぞれの多様な価値観を尊重しながら、全ての従業員が働きやすく能力を発揮しやすい職場環境を整えることを目指して、従業員がイキイキと働き、主体的にキャリア形成できる環境の整備に努めております。
 

(4)戦略及び取組み

① 人事ポリシーと人物像の浸透

「人事ポリシー:ミッション/ビジョンの達成・実現に向けて経営の意思としての人や組織に対する考え方」と「人物像:当社社員・管理職はこういう人であってほしいという個人及び組織としての目指すべき姿」は、当社の採用・評価・人材育成の基準となるべき方針であります。これを全従業員に深く浸透させ、常に「人物像」を意識して行動できるよう、各等級における人物像の体現度合いを可視化し、基本グレード定義を噛み砕き、各グレードの視座や責任・影響範囲を具体化しております。

■ リーダーシッププリンシプルの設定

当社の人材育成に係る基本方針である「人物像」の解像度をあげるため、当該「人物像」を踏まえた当社管理職として求められる思考と行動をリーダーシッププリンシプルとして設定しております。

■ マネジメントサーベイの実施

さらに、現時点での行動の特徴を確認し強化すべきポイント等を管理職に自己認識してもらうために上司と部下の視点から管理職を評価する「マネジメントサーベイ」を実施しております。サーベイの結果は管理職にフィードバックすることにより、リーダーシッププリンシプルに対する実現度合いを客観的に認識させる契機としております。
 

② キャリア支援施策の実施

■ キャリアデザイン制度

全従業員を対象とし、キャリアコンサルタントとの個別面談を実施し、当社における経験のみならず自らの社会人としての業務経験を棚卸しし、アウトプットとしてキャリアシートを作成する取組みを実施しました。当社としてはこれにより、従業員のキャリア自律を促すことで、キャリアの一部としての組織エンゲージメント・ワークエンゲージメントの向上がもたらされ、タレントマネジメントの円滑化に資すると期待しております。

■ ジョブチャレンジ制度

当社では、キャリア自律に向けた配置戦略を実施すべく社内公募制度、ジョブローテーション、インターンシップ制度を設けております。

 

③ 多様性を認め合い人生を豊かにする働き方を実現するための主な取組み

■ フレキシブルで仕事とプライベートのメリハリをつけた働き方のための制度整備

・レイアップ勤務(私用を含む非連続の勤務)が可能
・スルー勤務(6時間以内であれば休憩なしで勤務)が可能
・アーリーバード(早朝に業務を開始、早くに終了する勤務)が可能
・ゴルフ休暇(年4日)
・私傷病休暇(年10日)

・子の看護休暇(未就学児一人につき年5日(最大10日))


(5)指標及び目標

人材の多様性及び働き方の多様性に関する指標については、第1「企業の概況」の5「従業員の状況」の
(4)「管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に
記載しております。なお、目標につきましては検討中であります。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ゴルフ市場について

① ゴルフという特定分野への依存

当社グループは、専門性の高いサービス提供を行うために、ゴルフというジャンルに特化したサービス提供を行っております。このような当社グループにとっては、国内・海外のゴルフ業界の成長性は、当社グループのビジネスの成長と密接な関連性を有しますが、ゴルフ業界においては、ゴルフ場利用者数の減少やゴルフプレーヤーの高齢化が問題視されており、業界全体として若年層や女性ゴルファーの開拓に取組んでおります。その具体的なあらわれとして、乗用カートの利用やセルフプレーの増加が進んでおりますが、ゴルフプレー料金は昨今増加傾向にあります。また、当社をはじめとした企業が提供するインターネットを利用したゴルフ場予約の普及等により、ゴルフプレーを手軽に生涯スポーツとして楽しむ環境も整いつつあります。今後これらの取組みにもかかわらずゴルフプレー者数が急激に減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、ゴルフプレー料金の増加傾向に加えて、ゴルフ用品の価格競争は長期化しており、業界各社の事業リスクは増加する傾向があります。国内・海外のゴルフ業界が今後予測どおりに成長しない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 季節変動及び天候によるリスク

ゴルフは屋外スポーツであるため、気候の穏やかな春・秋にゴルフプレー者数は増加し、気候の厳しい夏・冬に減少する傾向があります。このため、当社グループの四半期ごとの経営成績は、これら季節変動の影響を受ける可能性があります。また、冬場における予想外の降雪や夏場における台風又は落雷等により、ゴルフ場の営業日数や利用者数が変動し、当社グループのゴルフ用品販売やゴルフ場送客人数等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自然災害及び感染症等によるリスク

国内・海外において大規模な自然災害等が発生した場合、国内ゴルフ用品販売サービスや国内・海外ゴルフレッスンサービスにおいては、店舗及び物流センターの設備の損壊、ライフラインや交通網の壊滅等により当社グループの事業活動に支障をきたすリスクが考えられます。国内ゴルフ場予約サービスにおいては、被災地域の状況により交通網の寸断、提携ゴルフ場の施設の崩壊等により復旧までに相当の時間を要することも予想されます。また、COVID-19を含む感染症等の発生や蔓延により、遠距離移動や日々の行動が制限される等のリスクが考えられます。これら自然災害や感染症等に伴う状況が長期化する場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)インターネットビジネスの事業リスクについて

① Eコマース及びインターネット

当社グループは、国内のインターネット利用環境において「ゴルフ関連の総合ポータルサイト」としてEコマースによるビジネスを展開しております。総務省発表(2024年7月)の情報通信白書のデータによれば、国内のインターネットの人口普及率は引き続き80%を超え、スマートフォンの利用率がパソコンの利用率を上回る状況となっております。こうしたインターネット利用者に対する快適な利用環境が維持・拡大され、Eコマース市場も共に成長していくことが当社グループにとっても重要となります。しかしながら、何らかの理由により、長期にわたりインターネット接続環境の悪化や利用停止となる状況が生じた場合、又はEコマースをめぐる法的な規制によりEコマースの優位性が喪失し、Eコマースの市場成長が鈍化した場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② モバイル端末及びソーシャルメディア

スマートフォンやタブレット端末の急速な浸透により、モバイル端末を通じた情報の取得やEコマース(モバイルコマース)は普及が進んでおります。また、Facebook、X(旧Twitter)、Instagram及びYouTube等に代表されるソーシャルメディアの急成長やサービスのクラウド化等、通信・端末・コンテンツを含めた環境は構造変化の途上にあります。当社グループでは2005年2月よりモバイル端末でのサービス提供を開始し、その対応を強化すると共にソーシャルメディアを通じたマーケティングを積極的に進めております。しかしながら、モバイル端末利用の衰退や当社グループのモバイル端末向けサービスへの対応の遅れ、サービスの不具合等により当社グループのモバイル端末向けサービスが長期間提供不能に陥った場合や、ソーシャルメディア関連の規制等により、マーケティング戦略の見直しを余儀なくされた場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネット広告及びデジタルマーケティング

インターネット広告事業は、将来の国内・海外の市場規模を正確に予想することは困難であり、当社グループの各サービスに対する今後の需要も不確定であるといえます。また、広告市場は景気動向の影響を受けやすいものと考えられることから、市場が拡大したとしても景気が悪化した場合には当社グループの広告事業が順調に成長しない可能性もあります。

さらに、デジタルマーケティングの手法は高度化が進んでおり、インターネット広告の中でも、リターゲティング広告や行動ターゲティング広告等、その手法は多様化を見せております。そのため、新たな広告商品の開発費用やこれら広告商品の取扱企業との提携にかかる費用負担等が必要な場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 個人情報保護

当社グループは、国内・海外のウェブサイト上の各サービスの中で、各会員情報等の個人情報を取得しております。当社グループでは、国内・海外における個人情報の保護に関する法律を遵守すべく徹底した情報管理を継続的に行い、高度なセキュリティ技術の活用、各種社内教育及びガイドラインの充実等、個人情報の保護に関する研究及び対策の徹底を行っております。また、国内においてウェブサイト上の個人情報保護の第三者認証機関である一般社団法人日本プライバシー認証機構より「TRUSTeマーク」を取得しております。

これらの個人情報については、利用目的を限定した上で業務委託先企業等と共有することがあるため、個人情報管理体制の強化、理解促進、委託先企業の監督を継続的に行い、かつ内部監査を定期的に実施する等、個人情報の適切な利用と保護の徹底に努めております。しかしながら、以上のような対策を講じたとしても、当社グループ・業務委託先企業等の過失等により、個人情報の漏洩等の事象が発生した場合には、損害賠償請求や社会的信用の下落等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ システムトラブル

国内・海外における当社グループのサービスの多くはインターネット環境下において稼働しているため、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しております。当社グループは主要なシステムを強固なセキュリティ対策が施されているクラウドデータセンター内に設置しておりますが、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断又は電力が長期間供給停止の事態に陥った場合には、当社グループの営業やサービス提供は一時的に不可能となるおそれがあります。また、日々のシステムを管理している会社が倒産や業務継続不能となる等のほか、ハードウエアやソフトウエアの不具合、当社グループへのインターネットアクセスの急激な増加、その他予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムが使用不可能となった場合にも、当社グループは営業やサービス提供を行うことができなくなり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、ハッカーによる外部侵入等を要因として、システム停止を余儀なくされた場合、又は機密情報の漏洩等が引き起こされた場合には、損害賠償請求や社会的信用の下落等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ 知的財産

国内・海外において当社グループが行う事業の中には、特許権、著作権等の様々な知的財産権が関係しております。必要な知的財産権が取得できなかった場合や、適切な利用許諾を得られない場合には、技術開発やサービスの提供が困難となる可能性があります。

当社グループは有価証券報告書提出日現在において、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたり、またそのような通知を受けておりません。しかしながら、将来当社グループの事業活動に関連して第三者が知的財産権の侵害を主張する可能性がないとはいえません。当社グループの属する市場がさらに成長し、ITの進展とあいまって、事業活動が複雑多様化するにつれ、競合も進み、知的財産をめぐる紛争件数が増加する可能性があります。このような場合、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求、又はロイヤリティの支払請求を受けることにより、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

なお、将来当社グループにて重要な知的財産を保有する可能性もあり、その際には適切な保護管理策を講じる予定でありますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難でもあり、当社グループの重要な知的財産権が第三者に不当に侵害された場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 許認可及び法的規制

当社グループは、国内のEコマース事業における景品表示法にかかる規制をはじめとした、国内・海外での事業運営に関して多様な法的規制を受けております。また、国内における中古用品販売事業活動においては古物商の許認可を、旅行事業活動においては旅行業登録(第2種)を、また当社独自のポイントサービス事業活動においては資金決済法に基づく前払式支払手段(第三者型)発行者登録をそれぞれ取得し事業を行っております。当社グループはこれら国内・海外の関連法令の遵守に努めており、有価証券報告書提出日現在において事業運営上に支障をきたす事態は生じておりませんが、違反その他の事由により改善勧告を受けた場合やこれら許可等が停止や取消となった場合及び当社グループの事業に関わる各種法的規制の見直しや新たな制定等による規制強化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合リスクについて

当社グループの属する国内・海外のインターネット及びゴルフ市場において、当社グループと競合する企業は多数存在しております。今後も市場の拡大に伴い、新規事業者の参入や既存ゴルフメーカー等のインターネット事業への進出等、競合状態は一層厳しくなることが予想されます。これら同業他社との価格競争やその他景気動向の影響により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、急激な為替の変動により生産コストが上昇して商品価格が高騰した場合、ゴルフクラブ等の仕入価格の上昇が予想されますが、競合下においての消費者への完全な価格転嫁は困難なものと予想され、その場合にも当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)在庫リスクについて

当社グループでは、適切な在庫管理と販売予測により、品切れによる販売機会ロス削減と過剰在庫の防止を行っておりますが、販売予測を誤った場合には在庫不足又は過剰在庫となるリスクや、COVID-19を含む感染症等の発生や蔓延による生産拠点の不稼働、原材料確保の困難等によるサプライチェーンの混乱が生じ、これによる各種メーカーにおける商品供給量低下のリスクは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)設備投資に係るリスクについて

当社グループは、国内・海外それぞれの事業戦略に則り、自己資金及び借入金による設備投資を実行しておりますが、投資対象が期待とおりの投資リターンを生まない場合、借入過多によるバランスシート悪化及び成長のための再投資資金の枯渇をもたらし、結果として当社グループの成長力に影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産は減損会計対象であることから、投資した資産から減損損失が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)業務提携・M&Aに係るリスクについて

当社グループでは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、当社グループのサービスと親和性の高い国内・海外企業との業務・資本提携やM&Aを通じた事業の拡大に取組んでおります。しかしながら、被買収企業との融合又は提携先との関係構築・強化が予定どおり進捗しない場合、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合、何らかの理由により当該業務提携が解消された場合には、投資に要した資金、時間その他の負担に見合った利益を回収できない可能性があり、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、会計基準に従ってかかるのれんを今後一定の期間にわたり償却いたしますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断される場合には、当該のれんについて減損損失を計上する必要があり、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)カントリーリスクについて

当社グループは、北米、アジア等の各国で事業を行っており、今後も海外市場での事業展開及び拡大は当社グループの重要な経営課題であります。また、海外事業展開においては、各国の法令、政治・社会情勢、文化、宗教、商慣習の違いに起因するリスクに対処する必要がありますが、これらのリスクに適切に対処できず、想定どおりの成果を上げることができない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)優秀な人材の確保及び育成について

当社グループは、引き続き成長を続ける段階にあり、国内・海外における事業戦略の構築と推進、新たなマーケティング施策の構築等、会社運営を円滑に行う上で貴重な人的資源を適宜確保し、育成していく必要があります。しかしながら、これらの人材が社外に大量に流出した場合には、業務運営に支障が生じ、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)財務・会計に係るリスクについて

① 金利及び流動性・調達リスク

国内・海外の当社グループの設備投資及び経常運転資金は主として自己資金の他、借入金による間接調達によりまかなっております。将来的に金融市場において、政府の経済政策や金融政策等の影響により基準金利としている長短金利が上昇することで、借入残高にかかる金利支払負担が増大した場合には、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、突発的な内部及び外部環境の変化等により、資金調達ができなかった場合には、事業の継続ができなくなる等、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 会計リスク

繰延税金資産は、将来にわたり十分な課税所得を得る前提にて計上を行っておりますが、内部及び外部要因にて前提とする課税所得の確保が困難と判断された場合、その取崩しにより当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、国内・海外において訴訟等が提起された場合、偶発損失引当の計上により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性もあります。

    

 

③ 為替リスク

当社グループの海外取引のうちアジア向けは原則日本円建、欧米向けは原則米国ドル建でありますが、当社グループの今後の海外取引の拡大に伴い米国ドル建取引が増加する場合には、為替予約を活用したとしても為替変動リスクを被る可能性があり、為替変動が当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは外貨建資産(未予約の現預金等)を保有しており、これを円建資産に転換する場合、財務諸表作成のために換算する場合には、為替変動の影響を受ける可能性があります。

 

(10)継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、当連結会計年度において、営業損失823百万円、経常損失862百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失1,698百万円を計上した結果、百万円の債務超過となりました。

その結果、親会社株主に帰属する当期純損失が、複数の金融機関と締結している金銭消費貸借契約及び優先株主と締結している優先株式投資契約にそれぞれ定められる財務制限条項である親会社株主に帰属する当期純損失が800百万円を超える損失とならないことという利益維持基準を下回ったこと、及び連結純資産の部の金額が金銭消費貸借契約に定められる財務制限条項である連結純資産の部の金額を850百万円以上の金額に維持するという純資産維持基準を下回ったことにより、財務制限条項に抵触しました。

このような状況により、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該事象又は状況を解消するための対応策を実行することにより、事業の収益改善及び財務制限条項への抵触の解消に努めてまいる所存であります。なお、当該対応策につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 継続企業の前提に関する事項」に記載しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2024年1月1日2024年12月31日)における当社グループは、ゴルフ専門のITサービス企業として、圧倒的な情報量とゴルフに特化したサービス力を強みに、ゴルファーにより快適で楽しいゴルフライフを提供してまいりました。

これらの結果、当連結会計年度(2024年1月1日2024年12月31日)の業績は売上高57,006百万円前年同期比7.7%増)となりました。利益面につきましては、国内における当初計画に即したIT投資の実施、海外におけるGOLFTECコーチ増員及び事業拡大に向けた投資等費用が先行する形となり営業損失823百万円(前年同期は営業利益380百万円)となりました。また、為替差益677百万円があった一方で支払利息733百万円等があり経常損失862百万円(前年同期は経常利益353百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,698百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益158百万円)となりました。

 

 主要セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

「国内」セグメント 

当連結会計年度における「国内」セグメントの業績は、コロナ禍でのゴルフ特需からの反動を乗り越え、下期に向けて徐々に回復に向かい、売上高29,065百万円前年同期比2.0%増)となりました。一方、販管費については当初の計画に即したIT投資の実施やセキュリティ強化に伴う投資等からセグメント利益は1,724百万円前年同期比2.1%減)となりました。


「海外」セグメント 

当連結会計年度における「海外」セグメントの業績は、ゴルフ弾道測定器の販売が進み売上高27,941百万円前年同期比14.4%増)となりました。また、GOLFTEC事業においてマクロ環境の悪化等を背景に売上成長が計画に対して限定的となった一方、コーチ増員や育成等費用が先行する形となり、セグメント損失は2,548百万円前年同期はセグメント損失1,382百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の財政状況は、総資産47,152百万円となり、前連結会計年度末に比べ452百万円増加しました。負債は、前連結会計年度末に比べ2,188百万円増加の47,155百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,735百万円減少し、△3百万円となりました。
  主要な勘定残高は、建物及び構築物が1,690百万円、短期借入金及び1年内返済長期借入金が2,469百万円増加しました。また、資本剰余金が118百万円増加し、為替換算調整勘定が167百万円減少しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度と比較して610百万円減少し2,183百万円(前連結会計年度末比21.9%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,956百万円の収入(前年同期は4,564百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,007百万円、その他の負債の減少1,168百万円があった一方、非資金項目である減価償却費3,514百万円、のれん償却額1,243百万円によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,071百万円の支出(前年同期は3,542百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,542百万円、無形固定資産の取得による支出1,574百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、502百万円の収入(前年同期は692百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額2,100百万円があった一方、長期借入金の返済による支出1,527百万円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

該当事項はありません。

 

ロ.仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内

13,463

103.8

海外

6,853

110.1

合計

20,316

105.8

 

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

ハ. 受注実績

当社グループは、受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。また、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。

 

ニ. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

国内

29,065

102.0

海外

27,941

114.4

合計

57,006

107.7

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性及びリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので留意ください。

 

 

① 当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上は、国内セグメント、海外セグメント共に成長いたしました。国内セグメントでは、コロナ禍でのゴルフ特需を乗り越え、当社オリジナルサービスの強化等により下期に向け徐々に回復に向かい、売上は前年同期比2.0%増と成長いたしました。海外セグメントでは、ゴルフ弾道測定器事業におけるゴルフ弾道測定器や、ネットやマットといった周辺機器のセット販売等が進んだことから売上は前年同期比14.4%増となりました。以上の結果、売上高は前年同期比7.7%増加し57,006百万円となりました。

また、売上総利益は海外セグメントにおいて、米国内における物価高等マクロ環境の変化の影響を受け、売上原価に含まれるゴルフレッスン店舗における店舗運営費用やコーチ人件費等が増加し、売上総利益率が低下しました。これらの結果、売上総利益は前年同期比2.9%増にとどまり18,348百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費及び営業利益)

国内セグメントでは、継続的に売上に連動するマーケティングコストのコントロールや固定費の見直し等徹底的に行う一方で、期初の計画に沿ってお客様の利便性向上のためのシステム関連投資や、インターネット事業を行う当社にとって必要不可欠であるセキュリティ強化等を実施いたしました。また、海外セグメントでは、米国内におけるマクロ環境の悪化等を背景に売上成長が限定的となった一方、前年度からの課題であったレッスンコーチ不足解消のための増員や育成等の費用が先行する形となりました。

以上の結果、販売費及び一般管理費は前年同期比9.9%増加し19,171百万円営業損失は823百万円となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

営業外損益は38百万円の損失(純額)となりました。主に、為替差益677百万円を計上したことにより、営業外収益は802百万円となりました。また、主に支払利息733百万円を計上したことにより、営業外費用は841百万円となりました。

以上の結果、経常損失は862百万円となりました。

 

(特別損益及び税金等調整前当期純利益)

特別損益は145百万円の損失(純額)となりました。主に役員退職慰労引当金戻入額133百万円等を計上したことにより特別利益は195百万円となりました。また、訴訟関連損失119百万円、減損損失96百万円等を計上したことにより特別損失は340百万円となりました。

以上の結果、税金等調整前当期純損失は1,007百万円となりました。

 

(法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等は、国内事業における課税所得がプラスとなったことにより690百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純損失は1,698百万円となりました。1株当たり当期純損失は、117円86銭となりました。

 

(重要な非財務指標)

当社グループは当社ウェブサイトの総ビジター数、ユニークビジター数(注)を、当社グループの成長に重要な影響を与える指標と位置づけております。

2025年2月末における当社ウェブサイトの総ビジター数は1,688万人、ユニークビジター数は674万人となりました。当社ウェブサイトを視聴しながら、「GDOゴルフショップ」においてゴルフ用品を購入したり、当社ゴルフ場予約サービスを利用してゴルフ場予約を行い、また当社の媒体価値が高まっていくことで新たな広告収入を喚起することが見込まれます。

 (注)当社ウェブサイトを特定の期間のうちに訪れた正味の人数

 

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は47,152百万円となり、前連結会計年度末に比べ452百万円増加しました。流動資産は売掛金が増加したこと等により15,007百万円となり、前連結会計年度末に比べ235百万円増加となりました。固定資産は建物及び構築物の増加等により32,145百万円となり、前連結会計年度末に比べて217百万円の増加となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、流動負債が26,880百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,919百万円増加となりました。これは主に短期借入金及び1年以内長期借入金が増加したこと等によります。固定負債は20,275百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,731百万円の減少となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は△3百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,735百万円の減少となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性について

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、主な事業内容における資金需要とそれに対する施策は以下のとおりです。

ゴルフ用品販売サービスにおける運転資金需要は、通常、売掛金年齢、在庫回転率及び仕入規模に多大な影響を受けますが、当社グループの場合は、インターネットによる販売を主なものとしているため、仕入から売上計上のサイクルが極めて近く、在庫回転率は概ね月商の2~3ヶ月前後で推移しております。

ゴルフ場予約サービス及び、広告サービスについては、仕入コストが極めて少額であり、売上金額の大部分が売上総利益となるため、営業キャッシュインフローとなります。売上計上と資金回収の期間は概ね2ヶ月以内であると同時に、ほぼ毎月において定額的な収入となるため、当社の安定的な資金源として大きく貢献しております。なお、昨今のゴルフ場の経営破たんにより、貸倒れとなるケースが一部ありますが、金額としては極めて少額であり、当社の財政に大きな影響を及ぼす要因にはなっておりません。

経費面において、人件費やシステム投資等の固定費に加え、インターネットマーケティング費用の増大から変動販売費の割合が増加する傾向にありますが、更なる変動販売費比率の厳格管理により、適度な資金を維持しております。

当社の資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入金により充足されており、今後は売上成長に伴う更なる運転資金需要も見込まれております。現在、当社と金融機関との関係は極めて良好であり、資金運用面及び情報提供において、金融機関から積極的な支援を得ております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。