文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「eギフトを軸として、人、企業、街の間に、さまざまな縁を育むサービスを提供する」というビジョン、「キモチの循環を促進することで、よりよい関係でつながった社会をつくる」というミッションのもと、eギフトプラットフォーム事業を展開しております。eギフトプラットフォーム事業を通して世の中に新しい価値を生み出し続けることで、社会的責任を果たしながら、継続的な企業価値向上に向け取り組んでまいります。
当社グループは、主な経営指標として、eギフトの流通額及び各サービスの利用企業数(又は会員数)等のKPI(Key Performance Indicator)を重視しております。当社グループは、①eギフト発行企業数の増加やジャンルの拡張等による魅力的なコンテンツの拡充、②eギフト利用企業数と流通先の増大、③eギフト利用企業・発行企業双方に対する新規サービスの拡充という利用企業・発行企業双方におけるメリットを高め、プラットフォームとしての地位を確固たるものとし、また、そのプラットフォームの④地理的な横展開を図ることにより、成長性や収益性を向上させることを目指してまいります。
当社グループは、『eGift System』サービスを通じてeギフトの発行企業へ、『giftee』サービス及び『giftee for Business』サービスにより、eギフトの利用企業・利用者へサービスを展開しており、その双方の相互作用による利便性向上を喚起し、eギフト市場経済圏を構築しております。
当連結会計年度においては、個人・法人・自治体等の間におけるオンライン上でのコミュニケーションの機会が増加し、そのツールとしてのeギフトの需要が継続して拡大いたしました。
今後も急速な成長を続けるeギフト市場の中で、eギフトプラットフォーマーとして市場を牽引する取り組みを推進してまいります。
そうした中、当社グループが対処すべき課題として、以下を重要視してまいります。
① 事業パートナーとの提携の強化について
当社グループは、eギフトの発行企業や流通企業を事業パートナーとして位置付けております。今後も、既存の事業パートナーとの提携強化及び新たな事業パートナーの拡大によって、双方にメリットのある取り組みを進め、eギフトを活用する個人及び事業者の様々なニーズに対応してまいります。
② 多彩な収益機会の確保及び拡大について
当社グループは、『giftee』サービスから始まり、『eGift System』サービス、『giftee for Business』サービス、『地域通貨』サービス等のサービスを展開し、多彩な収益機会の確保及び拡大に努めてまいりました。今後も、各既存サービスの強化に加え、効果的なマーケティングを行うための新たなシステムの開発や新たな利用用途の提案に取り組む等、新規収益機会の創出を図り、収益ポートフォリオの最適化を目指してまいります。
③ 継続的な事業(サービス)創出について
当社グループは、拡大する国内eギフト市場において、様々な顧客のニーズを捉え、継続的な成長を実現するためには、既存事業の成長を図るだけではなく、様々な新規事業に取り組み続けることが重要であると考え、新規サービスを展開してまいりました。引き続き、新事業(サービス)を創出することで、顧客の様々なニーズへの対応力を向上させ、既存事業及び新規事業の成長を図ってまいります。
④ 当社グループの一気通貫のビジネスモデルの継続について
当社グループは、eギフトの「生成・流通・販売・決済・実績管理」まで、一気通貫で行える『eGift System』をSaaSサービスとして提供しており、様々な顧客のニーズに対応することが可能であると考えております。当社グループの強みである一気通貫のビジネスモデルを維持していくためにも、システムの安定性は不可欠であり、顧客及びトラフィック等を考慮したインフラ環境の更なる整備により、今後も引き続きシステムの安定性の確保及び効率化に取り組んでまいります。
⑤ 人材の確保・育成について
優秀な人材を数多く確保・育成することは当社グループの事業を展開するうえで重要であると認識しております。特に、サービスの利便性及び機能の向上に貢献する優秀なエンジニアや、収益基盤を強化するサービスの販売を担う営業担当者を、継続的に採用することが課題であると認識しております。
当社グループは、最適な人材の確保・育成のため、知名度の向上、教育・研修の拡充、採用活動の柔軟化に努めてまいります。
⑥ 内部管理体制の強化について
当社グループは、成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
⑦ 情報管理体制の強化について
当社グループは、システム開発やシステム運用、又はサービス提供の遂行過程において、機密情報や個人情報を取り扱う可能性があり、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、情報システム管理規程等に基づき管理を徹底しておりますが、今後も社内教育・研修の実施やシステムの整備などを継続して行ってまいります。
当社グループは、「キモチの循環を促進することで、よりよい関係でつながった社会をつくる」ことをミッションにeギフトを軸として、人、企業、街の間に、さまざまな縁を育むサービスやソリューションを通じた社会課題の解決に取り組むとともに、持続的成長の実現に取り組んでおります。事業を推進する中で、ステークホルダーにとって重要であると同時に、当社グループにとって経営インパクトの大きい課題として、下記のマテリアリティ(重要課題)を特定しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、様々な要因により実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
マテリアリティの特定アプローチ
STEP1 マテリアリティ課題候補のリストアップ
SASBスタンダードやSDGsなどの国際的なフレームワークやガイドライン、業種別のマクロトレンドなどを参照しながら環境・社会・経済面での課題を広範囲にリストアップしました。
STEP2 課題の抽出と重要度評価
上記STEP1でリストアップした課題について、特に当社グループの事業に関連性の高い分野を抽出したうえで、「ステークホルダーとの関連性」と「事業へのインパクト」の2軸で評価し、優先順位づけを行いました。

STEP3 マテリアリティ(重要課題)の特定
上記STEP2で抽出・評価した課題のうち、より重要性の高い課題について、『サービス・ソリューションを通じた社会課題の解決』と持続的成長を支える基盤である、『環境』・『社会』・『ガバナンス』の4項目に分類・整理し、マテリアリティとして特定いたしました。特定したマテリアリティは、取締役会による承認を受け、決定いたしました。
(1) ガバナンス
当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、長期的かつ安定的な株主価値の向上に努めております。
全てのステークホルダーを尊重し、企業の健全性、透明性を高めるとともに、長期的かつ安定的な株主価値の向上に努めるため、迅速で合理的な意思決定体制及び業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。
ガバナンス体制図

サステナビリティガバナンス体制図

(2) 戦略
① 気候変動に対する方針、戦略
a.自社サービス・ソリューションの活用による環境への貢献
eギフトは、オンラインで購入され、オンラインで贈られます。そのため、eギフトを贈ると物理的なギフトを贈る際に発生する、配送や梱包材等に係るCO2排出量を削減することができます。
当社グループは、eギフトサービスの更なる利用拡大による環境負荷の軽減に取り組んでまいります。
b.事業活動で排出される環境負荷の削減
当社グループは自社事業活動において、再生可能エネルギーを利用しているクラウドサービスの活用及び、リモートワークの導入ならびに社内業務のペーパーレス化等の取組みを推進することで、環境負荷の軽減に取り組んでおります。
また、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題の1つととらえ、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が提唱するフレームワークに則り、気候変動による事業リスクと機会の把握・特定をいたしました。(注)
今後も、気候変動に関するガバナンスや事業戦略の更なる強化を目指すとともに、TCFD提言に基づく気候変動に関する情報開示の充実を進めてまいります。
(注) TCFD提言に基づく情報開示は当社ホームページにて開示しております。
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループは、性別や年齢、国籍、文化、価値観など、様々な背景を持つ人財が活躍していくことで新たな価値を創造し、提供していくことができると考え、人的資本への投資として、人財開発・育成を重視しています。役職員一人ひとりがお互いを認め合い、個々の多様性を受け入れ、能力を最大限に発揮して活躍できるよう、人財開発・育成を通した、個と組織の強化に取り組んでいます。
a.人権に関する考え方
国内外の事業の持続的成長を実現する上で、人権の尊重は極めて重要な要素であると捉えています。このような考え方の下、国際的な人権の原則・基準に従い、全ての役職員・ビジネスパートナーにおいて人権と個性を尊重する以下のような取組みを進めることで、人権が尊重される社会の実現に寄与します。
(1)あらゆる差別の禁止
(2)ハラスメントの禁止
(3)強制労働/人身売買/児童労働の禁止
(4)結社の自由並びに労働者の団結権・団体交渉権をはじめとする労働基本権の尊重
(5)労働安全衛生の管理
(6)過剰・不当な労働の禁止
(7)法令要件を遵守した給与規程に則った正当な賃金の支払
(8)表現の自由とプライバシーの保護
b.採用に関する考え方
当社グループの成長戦略の実現のためには、グループ各社で人財を採用し、活躍いただくことが重要であると考えており、創業より当社のビジョンミッションに共感し、行動指針を実行できる人財の採用・育成に取り組んでまいりました。性別、人種、グループ各社の企業文化など多様性を尊重し、今後も、引き続き積極的な採用を図ることで、グループ全体で新たな価値創造を加速させることを目指していきます。
c.適切な人事考課とフィードバックプロセスの構築
従業員一人一人が中長期的な視点で自己成長及び、より大きな事業インパクトを目指すため、年度単位での目標設定を行います。日頃の上司との1on1で目標の進捗確認を行い、環境の変化に応じて必要な軌道修正をする期間があります。
(1)人事考課プロセス
・目標設定 ― 年度目標を定めた上で半期の目標を設定
・期中フィードバック ― 設定した目標に対する進捗、達成に向けたアクションを確認。また、環境の 変化等を踏まえ必要に応じて目標を修正
・期末評価 ―半期の目標達成度合いを評価
(2)評価結果のフィードバック
半期の評価結果を具体的事実に基づき適切に伝えることで、来期以降に向けて更なるパフォーマンス発揮を促すことを目的としています。フィードバックを通じて、評価対象者の成長やビジョンの実現に向けてアドバイスや動機づけを行っています。
d.研修及び育成に資する機会の提供
当社は、全従業員・役職・職種などのカテゴリ別に向け、能力開発提供機会やフォローアップの場として、e-ラーニングなど外部の教育機関と提携しながら、様々な研修及び定例の会議を従業員へ提供しています。
e.ワークライフマネジメントの向上に向けた取組み
従業員一人ひとりの多様で柔軟な働き方を実現するためにワークライフマネジメントに関する制度を導入しています。
f.健康経営
従業員が心身ともにベストなコンディションで業務に従事できることを目指し、様々な取り組みを行っています。
g.従業員エンゲージメントの向上
従業員一人ひとりがいきいきと働き、自らの成長と働きがいを感じられる職場づくりや各種制度等の導入などにより、従業員エンゲージメントの向上を目指しています。
また、定期的に、全従業員を対象とした社員意識調査を実施し、従業員エンゲージメントの指標である働きがいを定量的に把握し、課題の抽出と改善に向けた取り組みを継続しています。
当社は、経営の健全性を維持しつつ事業を推進し企業価値向上をしていくにあたり、その妨げとなる可能性のある様々なリスクについて適切に管理するため「リスク管理規程」を定めており、全社的な管理体制を整えております。
また、経営に対して大きな影響を及ぼすリスクに適切かつ迅速に対応するため、コーポレート本部長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、サステナビリティに関するリスクを含め、事業活動を行う上で対処すべきリスクを認識・特定して、対策を協議しております。
特定した重要なリスクについては、リスクマネジメント委員会を中心に、全社リスクに統合して分析や把握を行うことでリスクの低減、未然防止等を図っております。主な重要リスクは「
マテリアリティ(重要課題)に関連する評価指標や実績は、サステナビリティ・ESG運営サイトにて公開しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社は、政府が掲げる2030年までの達成目標である女性管理職比率30%、男性育休取得率85%に対し、女性管理職比率は既に目標を達成、男性育休取得率も82%と目標達成に向けて順調に推移しております。
今後も、性別や国籍等に基づく具体的な指標として、政府が目標とする水準を維持していく考えです。
様々な背景をもつ従業員一人ひとりが限られた時間の中で、その能力を最大限発揮できること、また、心身の健康を維持し、いきいきと働くことができる職場環境を構築しており、引き続き各取組の継続や見直しを通じて、持続的な企業価値の向上及び、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(注)指標については「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには次のようなものがあり、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものです。
(特に重要なリスク)
(1) システム障害について
当社グループは、主にインターネット通信を利用してサービスを提供しておりますが、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、アクセス数の急激な増大、ソフトウエアの不具合、コンピュータウィルス、不正アクセス、停電、自然災害、事故等により、システム障害が発生する可能性があります。当社グループでは、定期的なバックアップや稼働状況の監視により事前防止又は回避に努めておりますが、こうした対応にも関わらず、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、当社グループの社会的評価が低下する恐れがあるほか、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、当社グループが提供するサービスに関して個人情報を取得する場合があります。当社グループでは、個人情報の保護に関する法律に従い、個人情報の管理を行うとともに、当社は情報セキュリティ及び個人情報について適切な保護体制を構築するため、プライバシーマークを取得しております。このような対策にも関わらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) 人材の確保・定着及び育成について
当社グループは、競争力の向上及び今後の事業展開のため、優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の確保・定着及び育成が計画通りに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因になる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは顧客ニーズに応じた新しいサービスを継続的に提供していくことにより、競争力の向上を図り、既に構築しているeギフトプラットフォームの先行者優位性を活かし、更なる成長に取り組んでおります。しかしながら、eギフト市場は成長過程にあるため、新たなビジネスモデルの登場や、予期せぬ要因によって市場拡大が阻害されるような状況が生じた場合、加えて、新規参入等により競争が激化し、当社グループが競争力や優位性を保つことが難しくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(重要なリスク)
当社グループは、インターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は、新技術の開発やそれを利用した新サービスの導入が相次ぐ変化の激しい業界です。このため、当社グループは、新技術及び新サービスの開発を継続的に行うとともに、優秀な人材の確保に取り組んでおります。しかし、環境変化への対応が遅れた場合、あるいは、新技術及び新サービスの開発に対応するために多大な支出が必要となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(6) M&A、資本業務提携等について
当社グループは、自社の成長を加速させるため、M&A、資本業務提携等を検討・推進しております。検討に当たっては、対象企業の財務内容や契約関係等について事前調査を行い、リスクを検討した上で進めておりますが、対象企業における偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査によって把握できなかった問題が生じた場合や、事業展開が計画通りに進まない場合、投資の回収が困難になること等により、のれん等の減損処理を行うなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、eギフトプラットフォームを活用し、ポイントサービスや決済サービス等の新サービスの提供を検討しており、今後も事業規模の拡大及び収益基盤の強化のため、新サービスもしくは新規事業の展開に積極的に取り組んでまいりますが、これにより、人材の採用やシステム開発等の追加的な投資が発生し、安定的な収益を生み出すには時間を要することがあります。また、新サービスに係るシステム開発が想定通り進捗しない場合や、新規事業の展開が当初の計画通りに進まない場合には、減損損失の計上が必要となる等、投資を回収できなくなる可能性があります。さらには、新サービス、新規事業の内容によっては固有のリスク要因が加わる可能性や、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主にアラブ首長国連邦、マレーシア及びベトナム並びにインドネシアに子会社を有しており、収益基盤の拡大のため、今後も海外へのサービス展開を推進していく予定であります。海外での事業展開においては、予期しない法律等の制定や政治・経済・社会情勢の悪化、文化・宗教・ユーザー嗜好・商慣習の違い、為替相場の変動等の潜在リスクが存在するため、これらの潜在リスクに対処できるよう慎重に検討してまいります。しかしながら、不測の事態の発生により、当社グループの海外展開に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、個人ユーザーがeギフトを購入することができる『giftee』サービスを提供しております。当該サービスの利用規約では、当社グループが不適切と判断する行為を行った場合、会員資格の停止又は取り消しを行うことができる旨を定めております。加えて、1日に決済可能な金額の上限を定めるといった対策を講じておりますが、他人になりすましたアクセスや他人のクレジットカードを利用する等の不正な決済手段によるeギフトの購入等の不正な行為に利用される可能性もあります。こうした状況が過度に生じた場合、当社グループ又は当社グループのサービスに対するレピュテーションが低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、eギフトプラットフォーム事業を主力事業としており、eギフトの発行企業及び利用企業に対してサービスを提供しております。
当社グループの事業拡大のためには、eギフトの発行企業及び利用企業それぞれの利便性追求を通じて顧客満足度を向上させ、継続的な利用を維持するとともに、新規顧客の獲得によるeギフトの発行企業及び利用企業の規模の拡大が必要になります。このため、既存顧客への新たな提案の実施、並びに新規顧客獲得に向けた広告・宣伝活動を展開しておりますが、既存顧客との継続取引や新規顧客の獲得が順調に進捗しない場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。特に、eギフトの利用企業は、販売促進活動の一環としてeギフトを活用していることから、法人顧客の販売促進活動が停滞した場合、eギフトの販売が計画通りに進まず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、通常、eギフト発行企業及びeギフト利用企業から、eギフトの発行額に一定の手数料率を乗じて算出した販売手数料・発行手数料を受領しておりますが、特定の販売先及びeギフトコンテンツからは、eギフトの発行額のうちユーザーが使用せずに有効期限を迎えたeギフトの発行額を手数料として受領しております。後者において、今後、特定の販売先の手数料の算出方法がeギフトの発行額に一定の手数料率を乗じて算出する前者の方法に変更された場合や、ユーザーのeギフトの使用率が大幅に上昇し未使用の発行額が減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループにおいて、事業の継続に重要な影響を及ぼす固有の法規制はなく、一般的に適用される法規制に従って業務を行っております。しかしながら、今後法令等の制定や改正等により、当社グループにおいて対応が必要となる場合、業務の一部に制約を受ける場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは「eギフトプラットフォーム事業」のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は41,185百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,020百万円増加いたしました。流動資産は30,988百万円となりました。主な内訳は、売掛金及び契約資産11,219百万円、現金及び預金10,977百万円であります。固定資産は10,196百万円となりました。主な内訳は、のれん4,604百万円、投資有価証券3,844百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は32,902百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,043百万円増加いたしました。流動負債は23,464百万円となりました。主な内訳は、短期借入金9,000百万円、預り金6,120百万円、買掛金4,471百万円であります。固定負債は9,437百万円となりました。主な内訳は、長期借入金9,232百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,282百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円減少いたしました。これは主に、資本金が41百万円増加、資本剰余金が41百万円増加、新株予約権が289百万円増加、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が510百万円減少したことによるものです。
なお、YouGotaGift.com Ltd.他4社は、当連結会計年度より連結子会社となりました。みなし取得日を当連結会計年度末としているため、当連結会計年度は貸借対照表のみ連結しております。
② 経営成績の状況
当社グループは、スマートフォン等のオンライン上で送付・使用することができるeギフトの生成・流通・販売を行っております。個人・法人・自治体等の間におけるオンラインでのコミュニケーション機会は年々増加の傾向にあり、オンラインコミュニケーションのツールとしてのeギフトの需要が拡大しております。
このような環境の中、当社グループは「eギフトを軸として、人、企業、街の間に、さまざまな縁を育むサービスを提供する」というビジョンの下、個人向けの『giftee』サービス、法人向けの『giftee for Business』サービス、eギフトの生成システムを提供する『eGift System』サービス、及び主に自治体向けに地域通貨等の電子化のソリューションを提供する『地域通貨』サービスの4つのサービスを展開してまいりました。
『giftee』サービスでは、個人の需要の着実な獲得により、会員数は232万人(前期比18万人増)となりました。
『giftee for Business』サービスでは、eギフトをマーケティング等に利用する法人、加えて補助金や支援金の配付手段として活用する自治体による利用が増加したことにより、利用企業・自治体(DP)数は2,028社(前期比250社増)、実施案件数16,327件(前期比2,611件増)と前期に引き続き過去最高値を更新いたしました。
『eGift System』サービスでは、飲食・小売業界に加え、幅広いジャンルの法人での導入が進み、利用企業(CP)数は267社(前期比19社増)となりました。
『地域通貨』サービスは、前年に全国旅行支援に係る売上を計上した影響から、売上高は前年比で減少いたしましたが、全国旅行支援に係る影響を除くと前年比で増加しております。
この結果、当連結会計年度における売上高は9,554百万円(前年同期比32.2%増)、売上総利益は7,184百万円(前年同期比22.5%増)、営業利益は1,743百万円(前年同期比37.6%増)、経常利益は1,579百万円(前年同期比27.5%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は510百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益129百万円)となりました。
当連結会計年度における経営成績の詳細は次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は9,554百万円(前年同期比32.2%増)となりました。これは、主に『giftee for Business』サービスの売上が伸長したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は2,369百万円(前年同期比74.3%増)となりました。これは、主に『eGift System』サービスの導入企業増加に伴う売上高拡大により保守原価、減価償却費が増加したことによるものです。その結果、当連結会計年度の売上総利益は7,184百万円(前年同期比22.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は5,440百万円(前年同期比18.3%増)となりました。これは、主に事業拡大に伴い積極的に採用した人材に係る人件費の増加、サーバー費用等の支払手数料増加によるものです。その結果、当連結会計年度の営業利益は1,743百万円(前年同期比37.6%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益は51百万円となりました。また、営業外費用は215百万円となりました。これは、主に持分法による投資損失83百万円によるものです。この結果、当連結会計年度の経常利益は1,579百万円(前年同期比27.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度において、特別利益は15百万円となりました。これは、新株予約権戻入益15百万円を計上したためです。特別損失は1,519百万円となりました。これは、主に減損損失1,250百万円、投資有価証券評価損264百万円を計上したためです。この結果、税金等調整前当期純利益は76百万円(前年同期比85.8%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税714百万円、法人税等調整額△128百万円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は510百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益129百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10,977百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,878百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は3,593百万円(前年同期は3,734百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、減損損失1,250百万円、仕入債務の増加額1,011百万円であり、支出の主な内訳は、前渡金の増加額5,607百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,531百万円(前年同期は1,046百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出732百万円、投資有価証券の取得による支出586百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得た資金は10,997百万円(前年同期は102百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、短期借入れによる収入25,700百万円、長期借入れによる収入9,216百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出16,700百万円、社債の償還による支出7,000百万円であります。
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業セグメントは、eギフトプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.前連結会計年度のPIPO (SG) Pte. Ltd.の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度の当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループでは、eギフトプラットフォーム事業として、eギフトの生成・流通・販売に関する各種サービスを展開しております。
当社グループは、『eGift System』サービスを通じてeギフトの生成者へ、『giftee』サービス及び『giftee for Business』サービス並びに各種事業パートナーとの協業により、eギフトの利用者様へサービスを展開しており、その双方の相互作用による利便性向上を喚起し、eギフト市場経済圏を構築しております。この方針のもと、サービスの利便性向上・営業力の強化に取り組み、顧客企業数の増加及びeギフト流通額の増加を図ってまいりました。以上の状況から、当連結会計年度においても、売上高は堅調に推移しております。今後も、『eGift System』利用顧客企業数及びeギフト利用顧客数の更なる深耕に注力し、eギフトプラットフォーム事業の更なる成長を図ってまいります。なお、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
短期資金需要については、当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、運転資金は自己資本を基本としております。
中長期資金需要については、当社グループでは、成長機会を捉え、より強固な事業基盤を構築するため、M&A等の実施が有効な戦略であると考えております。そのための資金調達手段として、金融機関からの借入を行っております。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。