第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、鋼製品事業、デンタル事業、書庫ロッカー事業を核として多様化する顧客ニーズに対応し、満足いただける質の高い製品・サービス提供を通じて、より快適なくらしの創造をめざし、社会の発展に貢献することを基本方針としております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、高品質で顧客満足度の高い製品とサービスを提供することを企業理念として、技術開発、品質管理等更なる向上を追求し、「ものづくり」、「商品提供」に取り組んでまいります。

また、営業活動の強化、新製品の開発、管理部門の効率化、財務体質の向上等経営全般にわたる改善、効率化を推進し、収益力のある企業体質の構築に努めてまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、持続的な成長を目指し、収益性と資本効率を重視してまいります。その指標として、売上高経常利益率と自己資本比率を重要な経営指標と位置づけ、経営課題に取り組んでまいります。

 

(4) 会社の経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く経営環境においては、物価上昇及び金融資本市場の変動等の影響が続くものと見込まれます。

このような環境のもと、収益力を確保し、長期安定成長を図るため、当社グループが対処すべき課題として、多様化する顧客ニーズに応える高品質商品の提供、新製品の開発、低コスト生産体制の確立、営業活動の強化、管理部門の効率化等があげられます。

これらの課題に対し、従来以上に積極的に取り組むことにより経営基盤の強化を図っていきたいと考えております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視、管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続等の体制をその他のコーポレ一ト・ガバナンスの体制と区別しておりません。

なお、当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針につきましては、次のとおりであります。

当社は、若手人員を主な対象として採用活動を行ってきましたが、多様な価値観を受け入れ、新たな価値を生み出す風土を醸成するため、他業種からの中途採用も含めた幅広い人材を対象とした採用活動に取り組んでまいります。

 

(3)リスク管理

当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針を定めていないことから、サステナビリティ関連のリスク管理における詳述な記載はいたしません。

   なお、当社が認識する事業等のリスクに関する詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照

  ください。

 

(4)指標及び目標

当社グループの人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標は定めておりません。今後更なる人材育成及び社内環境の整備に努めてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)鋼製品関連事業、書庫ロッカー関連事業について

当社グループの主な事業である鋼製品関連事業、書庫ロッカー関連事業におきましては、いずれも鋼材を主要原材料としておりますが、鋼材等の仕入価格が上昇した場合、収益圧迫要因となる可能性があります。

 

(2)デンタル関連事業について

当社グループの取扱い製品・商品は、歯科医療に直接・間接に使用されますが、国内における歯科医療はその大半が健康保険による診療となるため、医療保険制度の動向が歯科材料の需要にも影響を与える可能性もあり、制度の変更があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)地震等自然災害リスク

当社グループは、国内に複数の製造、販売拠点を有しており、大規模な地震や津波等の自然災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)減損会計リスク

当社グループは、不動産等の各種資産を保有しております。それらの時価が著しく下落し、将来キャッシュ・フローが簿価を下回る場合には、減損会計の適用により固定資産の減損損失を計上することになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しているものの、物価の上昇や金融資本市場の変動等の影響による下振れリスクなど、先行き不透明な状況が続いております。

このような環境のもとで当社グループは、積極的な営業活動に取り組み、技術開発力の強化、経費の節減等諸施策を積極的に展開いたしました結果、当連結会計年度の業績は、売上高59億1百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益5億72百万円(同3.4%増)、法人税等調整額58百万円の計上により親会社株主に帰属する当期純利益4億33百万円(同15.6%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(鋼製品関連事業)

鋼製品関連事業部門の売上高は16億16百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は2億77百万円(前年同期比10.1%増)となりました。耐火金庫では指紋・静脈認証耐火金庫に次いで最もセキュリティーを強化した虹彩・顔認証耐火金庫の拡販に努めました。また、操作履歴機能付指紋認証キーボックス等高付加価値製品の販売促進等積極的な営業展開に努めました結果、売上は前年同期実績を上回りました。

 

(デンタル関連事業)

デンタル関連事業部門の売上高は19億89百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は2億54百万円(前年同期比17.3%減)となりました。各種歯科用ユニット等の新規開拓及び買替需要に対する営業活動等積極的に展開いたしましたが、前年同期実績を下回りました。

 

(書庫ロッカー関連事業)

書庫ロッカー関連事業部門の売上高は20億15百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は1億70百万円(前年同期比67.6%増)となりました。札幌工場・川島工場の生産性向上、新規開拓推進等に努めました結果、前年同期実績を上回りました。

 

(不動産賃貸関連事業)

不動産賃貸関連事業部門の売上高は1億65百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は1億44百万円(前年同期比8.4%増)となりました。

 

(その他の事業)

その他の事業の売上高は1億12百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は23百万円(前年同期比2.0%減)となりました。

 

生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

鋼製品関連事業

1,534,625

3.5

デンタル関連事業

1,381,837

△1.4

書庫ロッカー関連事業

2,011,962

10.2

合計

4,928,424

4.6

 

(注) 1 金額は、販売価格で表示しております。

 

② 受注状況

当社は見込み生産方式を主体としており、販売高に占める受注生産高の割合が僅少なため、受注実績の記載は行っておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

鋼製品関連事業

1,616,656

4.7

デンタル関連事業

1,989,987

△3.3

書庫ロッカー関連事業

2,015,861

9.3

不動産賃貸関連事業

165,750

5.8

その他

112,748

4.2

合計

5,901,003

3.3

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

コクヨ㈱

582,786

10.2

576,705

9.8

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度に比べ3億26百万円増加し、62億5百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度に比べ20百万円減少し、18億51百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度に比べ3億46百万円増加し、43億53百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前年同期に比べ1億90百万円増加11億70百万円19.4%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益6億1百万円、売上債権の減少額87百万円、減価償却費78百万円の収入があった一方、退職給付に係る資産の増加額2億円、棚卸資産の増加額5百万円法人税等の支払額98百万円等の支出があったことにより、3億29百万円の収入(前年同期は3億78百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出18百万円、投資有価証券の取得による支出4百万円等の支出により、22百万円の支出(前年同期は5億1百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出66百万円、配当金の支払額48百万円等により、1億16百万円の支出(前年同期は1億13百万円の支出)となりました。

 

(経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

(1) 経営成績の分析

①売上高及び売上総利益

当連結会計年度の売上高については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載のとおりであります。

当連結会計年度の売上総利益は、60百万円増加し、17億27百万円(売上総利益率は前年同期比0.1ポイント減少し29.3%)となりました。

②営業利益

売上総利益の増加等により、前年同期比10百万円増加し、5億18百万円となりました。

③経常利益

補助金収入45百万円等の営業外収益が54百万円あり、経常利益は前年同期比18百万円増加5億72百万円となりました。

④税金等調整前当期純利益

前年同期比47百万円増加し、6億1百万円となりました。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

法人税、住民税及び事業税が1億5百万円及び法人税等調整額が58百万円、前年同期比58百万円増加4億33百万円となりました。

 

(2) 資本の財源及び資金流動性に係る情報

①キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における当社グループの資金状況については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

②財政状態の分析
イ 資産

流動資産は28億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金の増加1億90百万円、受取手形及び売掛金の減少1億10百万円、電子記録債権の増加13百万円、その他の流動資産の増加22百万円等により、1億19百万円増加しました。

固定資産は33億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券の増加41百万円、退職給付に係る資産の増加2億円、建物及び構築物(純額)減少26百万円等により、2億6百万円増加しました。

ロ 負債

流動負債は12億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ、未払金の増加31百万円、その他流動負債増加44百万円、支払手形及び買掛金の減少1億65百万円等があり、71百万円減少しました。

固定負債は5億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ、繰延税金負債の増加69百万円、その他の固定負債の減少24百万円等により、50百万円増加しました。

ハ 純資産

純資産合計は43億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金の増加3億84百万円、自己株式の増加66百万円、その他有価証券評価差額金の増加25百万円等により、3億46百万円増加しました。

③財政政策

   当社は現在、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金にて全て賄っております。

当社は、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的かつ継続的な成長を重視し、売上高経常利益率3%以上、自己資本比率60%以上の達成を目標値としております。当期における実績につきましては、売上高経常利益率9.7%、自己資本比率69.0%となっております。今後もこれらの指標を重要な経営指標と位置づけ、経営課題に取り組んでまいります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用に影響を与える事項について、合理的と考えられる様々な要因に基づく見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、不確実性が含まれるため実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、製品の品質水準の維持改善、技術開発及びコストダウンのために、主に製造部門において研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発費の総額は、168百万円であります。

セグメントごとの状況は、鋼製品関連事業が33百万円、デンタル関連事業が77百万円、書庫ロッカー関連事業が57百万円であります。