文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、「さまざまな事情で暮らす、さまざまな方にとって、購入先や価格帯で手に入れやすいコンタクトレンズを提供したい。」というポリシーを持ち、より高品質な商品をよりお買い求めやすい価格でご提供できるよう商品開発力向上を図っております。また、当社の強みである「WEBマーケティング」、「品質管理」及び「営業力」を活かせる事業をM&Aにより取得し事業規模の拡大を図ってまいります。
現状の経営方針・経営戦略等は以下のとおりです。
⑤ 更なる業績の拡大に向け、M&Aなどによる事業の多様化を積極的に推進する。
(2) 目標とする経営指標
当社グループが重視する経営指標は、売上高、営業利益であります。売上高の伸長、営業利益率の改善を経営上の重要課題として捉えております。
コンタクトレンズ市場全体は緩やかながら成長基調にあるものと推測しておりますが、価格、販路、広告戦略等々における各メーカー間の競争が激化していることに加え、市場のニーズから乱視用、遠近両用などの多機能レンズが発売されるなど、製品力強化の必要性も高まっており、当社もそれらに対応すべく販売力、製品力強化に注力しております。
こうした状況の中、「SINCERE 1DAY S」など当社ブランドのクリアレンズの販売が拡大傾向で推移したことや、M&Aによるシステム事業獲得が業績に貢献し当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比9.7%増の6,539,394千円となりました。為替が円安で推移したもののシステム事業の獲得や為替施策の実施により、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度比28.6%増の484,853千円となりました。なお、当該連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度比1.1ポイント増の7.4%となりました。
当社は、お客様に必要とされる高いブランド力と商品価値を築くことにより、適正価格の維持を実現して営業利益率を確保すると共に、業務効率化と経営資源の選択と集中を図ることにより営業利益率の改善に取り組んでまいります。また、M&Aなどにより事業の多様化などを積極的に推進し売上高及び利益の拡大を図ってまいります。
当連結会計年度における我が国経済は、行動規制緩和により経済活動は正常化し、さらにインバウンド需要の高まりも加わり、緩やかながら景気は回復基調の動きが見られました。しかしながら、不安定な国際情勢による資源・エネルギー価格の高騰や為替変動による物価上昇など、先行きは不透明な状況が継続しております。
コンタクトレンズ業界におきましては、急速な少子高齢化に伴う人口減少が進んでいるものの、スマートフォン等、デジタル機器の普及により近視人口の急激な増加・若年化が進んでいることや、カラーコンタクトレンズ市場の拡大もあり、コンタクトレンズ市場全体は緩やかながら成長基調にあるものと推測され、価格、販路、広告戦略等々における各メーカー間の販売促進が激化するものと思われます。
また、利便性を求める最終消費者のニーズが掘り起こされ、インターネット通販によるコンタクトレンズ購入割合が高まるという流通環境の変化が起きており、今後もこの状況が加速するものと予測されます。
このような経営環境の変化に対応するため、当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。
① 商品開発力の強化
今後、日本国内の少子高齢化が進展することは確実であり、コンタクトレンズユーザーの主要部分を占める若年層が減少することは否めず、コンタクトレンズメーカー各社の競争が激化することが想定されます。
このような状況で競争力を高め、勝ち残っていくためには、新素材を活用した、より高機能で良好な装用感を得られるコンタクトレンズの開発、細分化するニーズを着実に捉えた商品スペック、デザインの整備が必要であります。当社グループにとって、時代とともに変化する購買傾向に即した商品を開発し、販売することは、コンタクトレンズの販売を行う上で最も重視しなければならない課題であります。当社グループは、消費者のニーズの的確な把握、商品開発における柔軟性の確保に努めてまいります。
② 人材の確保
当社は高度管理医療機器であるコンタクトレンズ製造販売会社であり、かつ、最終消費者のニーズが目まぐるしく変化する美容という分野に属するカラーコンタクトレンズを扱い、経営戦略上、幅広い販売チャネル展開を実施しています。
当社にとって多種多様な優秀な人材の確保は、重要な経営課題であり、中長期的な企業価値向上に向けては何よりも欠かせないものと考えております。今後も市況に鑑みながら、採用活動を継続し、ニューノーマルの時代を見据え、多彩な人材が多様な働き方を選択できる人事制度や環境を整備していくことで、当社グループの持続的な成長を支える組織体制の盤石化を図ってまいります。
③ 当社ブランド商品の認知度向上
「ひとみに、誠実に」の企業理念の下、更なる品質向上に努め、販売チャネルごとの販促活動戦略により、当社ブランド商品の認知度向上を図ることが必要であると考えております。
当社ブランド商品の認知度向上は、お客様の当社ブランド商品への信頼性を高め、大手企業と連携した事業展開を有利に進め、当社グループを支える優秀な人材確保に寄与するものと考えております。今後も費用対効果を慎重に検討の上、広告宣伝活動及びプロモーション活動の強化を図ってまいります。
④ 海外事業展開の見直し
当社グループの更なる発展のためには海外売上高の伸長が不可欠であると考えております。当社は近年の中国をはじめとするアジア各国の経済成長に伴うコンタクトレンズ市場の拡大を見込み、積極的に海外へ事業展開してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に端を発し、更には地政学的な問題など、取り巻く状況は当初の想定から大きく変化しております。
引き続き海外展開は必要と考えておりますが、今後は資金・人的リソースの配分を効率的に行いながら、サービスの展開と収益力強化に努めてまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループが外部環境の変化に対応しつつ持続的な成長を達成するためには、業務効率の改善を図りつつも、内部管理体制の維持・強化が必要であると考えております。そのために、グループ各社の経営陣の監督の下、業務フローの共通化やコンプライアンスの遵守の徹底等により内部管理体制を強化するとともに、コーポレートガバナンス・コードに沿った各種施策に取り組むことによりグループ経営体制を強化してまいります。
⑥ コンプライアンス経営体制の強化
当社グループは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、当社の継続的な成長や社会的信用の構築に不可欠であると認識しております。そのため、役員及び社員は、常に倫理観を持って行動するよう、定期的にコンプライアンスに関する研修を行っております。また内部監査部門、監査等委員会、会計監査人との連携を強化し、内部統制の充実を図ることがコンプライアンス強化につながると考え、連携強化を図っております。
⑦ 企業買収
当社は、成長戦略の一環としてM&Aによる事業の多様化を推進しております。当事業年度においては、連結子会社である株式会社タロスシステムズの株式49%を取得し完全子会社化いたしました。当社は、M&Aを検討する際には、当社事業とのシナジー、事業戦略との整合性、買収後の収益性、買収プロセスの透明性、買収後の統合効果等に留意し、今後も、M&Aによる一層の事業拡大を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのサステナビリティを含めたガバナンスに関する基本的な考え方は、
当社グループは、事業活動を通じて、環境・社会・人の3つの側面からSDGsの達成に貢献し企業価値の向上に取り組んでまいります。人的資本や知的財産への投資等については、自社の経営戦略・経営課題との整合性を意識しつつ、これらをはじめとする経営資源の配分や、事業戦略の実行が企業の持続的な成長に資するよう、分かりやすく具体的に情報を開示するよう努めてまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略については、現状当社グループにおける女性従業員の割合は約27%であり執行役員が1名(女性管理職比率は17%)となっています。また、外国人の割合は約4%であります(2024年12月31日時点)。また、中途採用は勿論、外国籍を有する方の雇用を適材適所で行っており、これらグループ従業員の多様性に合わせ、そのライフスタイルに対応すべく、各種社内制度の拡充を図ることで人材の多様性確保に努めております。当社グループは従業員全員を重要経営資源と位置づけており、その多様性を確保しつつ、これを受け入れる意識の醸成に引き続き注力してまいります。
当社は、コンプライアンス体制の充実・強化、増大するリスク管理への対応のために、代表取締役社長を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、適宜開催し議論を行っております。
当社は、提出日現在において、人材育成方針や社内環境整備方針に関する具体的な指標及び目標は設定しておりません。具体的な目標設定や状況の開示については、今後の課題として検討してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業を営む、コンタクトレンズ業界につきましては、長期的な視点に立ちますと、日本の人口減少は否めず、市場の縮小や構造変化等が予想されます。このような状況の中、国内シェアの向上や海外販路を開拓する等により、グループの業績向上のために事業活動を行っておりますが、予期せぬ市況環境の変化等に的確に対応できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループが実施する、顧客とその業界の動向モニタリング、影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化の時期・規模に応じた影響度を以て顕在化する可能性があると認識しております。
当社グループのコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害が発生する可能性があります。当社グループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、海外協力工場において製造を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があった事が原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の損失等、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。
当社グループは保有する知的財産権について適切な保護及び管理を行っておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害し、市場において当社グループの競争力に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないように留意し、調査を行っておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、対価の支払や損害賠償請求等の訴訟等、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。
当該リスクが突発的に顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は極めて低いと認識しております。
当社グループは、個人情報や研究開発情報等の機密情報の取扱いについては、個人情報保護規程、知的財産管理規程の制定・運用による管理や、内部監査の実施等により、厳重な管理体制を敷いておりますが、何らかの原因により、漏洩事故が発生した場合には、損害賠償責任を負うばかりか社会的信用を失うこととなり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、情報の機密保持管理体制の適切な運用に努めており、かかるリスクが顕在化する蓋然性は低いと認識しております。
当社グループが事業活動を行うには、医薬品医療機器等法に基づく医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業の許可及び医療機器製造業の登録が必要となり、その許可取得及び登録をしております。これらの許可及び登録を受けるため、又は更新するための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現時点において、当該許可及び登録が取消しになる事由の発生並びにその認識はしておりません。しかしながら、法令に抵触し当該許可及び登録が取消しになる事態となった場合には、規制の対象となる製品を回収し、加えて、その製品の販売中止及び対象事業の活動中止が求められる可能性が生じ、回収損失等が発生するだけでなく、事業活動に支障を来すこととなり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、関連する法律等が改正された場合、その内容によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。更に、同業他社が違反等により摘発された場合、若しくはメディア報道等からコンタクトレンズ業界全体が社会問題視される場合、風評被害により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、当社グループの法規制等に起因するリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しておりますが、その顕在化の内容、時期等を当社グループが制御できるものではないことから、その影響度を事前に見積ることは困難であると認識しております。
なお、現時点の許認可等の取得状況は以下のとおりです。
当社グループは、複数の海外協力工場から商品の調達を行っておりますが、供給元とは、生産数の変動や供給体制等の情報を常に共有し、安定的な供給が受けられるよう努めております。商品の供給元のうち、Visco Vision Inc. への依存度が高い状況にあります。同社とは良好な関係を築いておりますが、外的要因により不測の事態が発生した場合には、必要な商品の調達が困難になることも考えられ、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループが実施する、影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・規模に応じた影響度を以て顕在化する可能性があると認識しております。
当社グループは海外協力工場から商品を調達しており、仕入額の約半数においては円建て決済へと移行しそのリスクは半減されておりますが、残りのおよそ半数は米国ドル建てで決済しております。従って、米国ドルの円に対する為替相場の変動により当社グループの輸入取引価額が変動し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内でデリバティブ取引によるリスクヘッジを行う方針としておりますが、これによって全てのリスクを回避できるとは限らず、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループではヘッジ会計を採用していないデリバティブ取引が存在するため、当該デリバティブ取引の各四半期末及び期末時点での残高について期末為替レートを以て時価評価を行い、そのデリバティブ評価損益は営業外損益に計上されます。
従って、期中に為替相場が大きく変動した場合、各四半期の経常利益及び当期純利益は著しく変動する可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。
当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。また、提起される恐れは認識しておりませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。
当社グループは、本社、1箇所の物流拠点及び子会社の事業拠点を有しております。各事業拠点においては、地震、台風等の大規模災害による停電及び感染症への対策は実施しておりますが、その被害及び流行の程度によっては事業拠点の損壊や停止、システム障害の発生等により、当社グループの資材や商品の購入、販売及び物流における遅延や停止等の事業運営上の支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また仕入先、販売先に同様の影響が生じた場合も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。
当社の親会社である株式会社ユカリアは、2024年12月31日時点において、当社発行済株式総数の59.0%(4,050,000株)を所有しております。親会社グループは医療機関の経営支援、医療周辺事業、高齢者施設運営を主たる事業としております。
当社グループは、親会社グループにおいて唯一のコンタクトレンズ事業を営む会社であり、当社グループと親会社グループとの間に競合関係はなく、取引もないため、当社グループの事業活動に影響を与えるものはありません。また、当社グループの経営判断については当社グループが独自に検討のうえ決定しております。なお、当社の親会社である株式会社ユカリアは当社発行済株式総数の50%超を当面保有する方針ではありますが、漸次的に持分を減少させる予定であります。
現在、親会社グループとの関係について大きな変更を想定しておりませんが、将来において、親会社グループとの関係に大きな変化が生じた場合は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
永続的な成長のために新規事業は重要であり、M&Aによる事業の多様化を推進しております。M&Aにあたっては、対象企業の詳細な事前調査を行い、十分にリスクを検討した上で決定しておりますが、当初の予測とは異なる状況が発生し当初想定した収益が見込めなくなった場合、減損損失の計上が必要になる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析に当たっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、行動規制緩和により経済活動は正常化し、さらにインバウンド需要の高まりも加わり、緩やかながら景気は回復基調の動きが見られました。しかしながら、不安定な国際情勢による資源・エネルギー価格の高騰や為替変動による物価上昇など、先行きは不透明な状況が継続しております。このような環境下、当社は、外部環境の変化に対し耐性のある事業を推進することで収益の確保に注力いたしました。
コンタクトレンズ業界におきましては、急速な少子高齢化に伴う人口減少が進んでいるものの、1日使い捨てタイプコンタクトレンズへのニーズのシフトや、高機能新素材レンズの普及により1人当たりの購入単価は上昇傾向にあります。また、スマートフォン等、デジタル機器の普及により近視人口の急激な増加・若年化が進んでいます。さらに、カラーコンタクトレンズ市場の拡大等もあり、コンタクトレンズ市場は緩やかながら拡大しているものと推測しております。このような環境の下、各メーカー間における価格、販路、広告戦略等々の競争が激化していることに加え、市場のニーズから乱視用、遠近両用などの多機能レンズが発売されるなど、製品力強化の必要性も高まっており、当社もそれらに対応すべく販売力、製品力強化に注力しております。コンサルティング事業については、事業運営委託を受けた医療脱毛クリニックの業績も、価格競争など厳しい事業環境下ではありますが堅調に推移いたしました。また、前連結会計年度末より新たなセグメントとして加わったシステム事業においては、2023年11月にM&Aにて獲得したリユース業界向けPOSシステムのリーディングカンパニーである株式会社タロスシステムズの業績を当連結会計年度の期首より連結しております。
このような状況下、M&Aの効果と、主軸のコンタクトレンズ事業が堅調に推移したことにより、売上高は6,539,394千円(前連結会計年度比9.7%増)となりました。利益面では、一部製品の円建て仕入の実施や、為替予約により、期中における為替変動への耐性を強化することで着実な利益確保に邁進しました。さらに、新セグメントのシステム事業においても利益を創出し、営業利益は484,853千円(同28.6%増)、経常利益は468,254千円(同4.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は301,747千円(同2.1%増)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。なお、前連結会計年度末より新たに報告セグメントとして追加したシステム事業については、前年同期比較は行っておりません。
(コンタクトレンズ事業)
当社ブランド製品につきまして、クリアレンズは当社主力製品であるシリコーンハイドロゲル素材コンタクトレンズ「シンシアワンデーS」が眼科医、ユーザーから高評価を得たことから取扱店舗数も継続して伸長し、売上高は1,391,629千円(前連結会計年度比3.9%増)となり、結果、クリアレンズの売上高は3,198,783千円(同2.9%増)となりました。カラーレンズは、クリアレンズ同様、シリコーンハイドロゲル素材の「シンシアワンデーSクレシェ」が336,916千円(同18.1%増)と大幅に増加したことに加えて、「シンシア2ウィークSクレシェ」の売上も好調に推移し708,135千円(同5.7%増)となりました。プライベートブランド商品の売上高につきましては、カラーレンズは、346,730千円(同47.1%減)と減少したものの、クリアレンズは、1,812,175千円(同24.3%増)と増加いたしました。その結果、コンタクトレンズ事業の売上高は6,074,315千円(同2.9%増)となりました。セグメント利益は、628,997千円(同9.1%増)となりました。
(コンサルティング事業)
コンサルティング事業につきましては、2022年末に事業譲渡を受けた、医療法人緑風会が運営する医療脱毛クリニックの運営管理サポートによるもので、売上高は60,000千円(前連結会計年度は60,000千円)、セグメント利益は30,796千円(前連結会計年度比102.8%増)となりました。
(システム事業)
システム事業につきましては、今後、市場ニーズの高まりにより成長が見込まれるリユース業界向けPOSシステムのリーディングカンパニーである、株式会社タロスシステムズの株式51%を2023年11月に取得して連結子会社とし、2024年3月に同社株式の49%を追加取得し完全子会社としております。「メルカリShop」、「駿河屋マーケットプレイス」など大手EコマースプラットフォームとAPI連携、連携強化を果たすなどユーザー拡大に注力し、売上高は405,078千円、セグメント利益は57,516千円となりました。
生産、受注及び販売の状況
当社グループは、製品の生産を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは、製品の生産を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 財政状態
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ16,702千円増加し、5,496,335千円となりました。主な要因は、流動資産の現金及び預金が305,986千円減少したものの、株式会社タロスシステムズ株式の追加取得により無形固定資産ののれんが239,708千円、投資その他の資産のデリバティブ債権が113,759千円それぞれ増加したことによるものであります
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ196,798千円減少し、2,799,092千円となりました。主な要因は、流動負債の買掛金が99,630千円増加したものの、流動負債の短期借入金が150,000千円、固定負債の長期借入金が96,637千円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ213,501千円増加し、2,697,242千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益301,747千円の計上及び剰余金の配当88,799千円により、利益剰余金が212,948千円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ305,986千円減少し、1,888,377千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に法人税等の支払額179,322千円、棚卸資産の増加額32,704千円等の減少要因に対し、税金等調整前当期純利益468,254千円の計上等の増加要因により435,074千円の収入(前連結会計年度は246,147千円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の取得による支出367,010千円等の減少要因により、421,472千円の支出(前連結会計年度は376,771千円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入れによる収入127,700千円の増加要因に対し、長期借入金の返済による支出226,567千円、短期借入金の純減額150,000千円等の減少要因により、332,688千円の支出(前連結会計年度は1,177,427千円の収入)となりました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用及びM&Aであり、その資金については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金を基本としております。
資金の流動性につきましては、予測不能な事態が生じない限り、安定的な資金運用が可能であると認識しております。なお、資金の流動性保持の観点から、取引銀行5行と当座貸越契約を締結しております。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(棚卸資産の評価)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(のれん及び顧客関連資産の減損)
当社グループは、のれん及び顧客関連資産について、その効果の発現する期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社等の業績や事業計画をもとに毎期検討しておりますが、将来において当初想定した収益が見込めなくなり減損の必要性を認識した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産について、当該資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来の利益計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。