当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記
載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当中間連結会計期間におけるわが国経済について、景気は緩やかに回復していますが、米国の通商政策等による不透明感がみられます。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっています。加えて、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要があります。
当社グループが事業を展開しております医療業界は、「経済財政運営と改革の基本方針2024」、いわゆる「骨太方針2024」(2024年6月21日)において、日本の高齢者人口の更なる増加と人口減少に対応するため、質の高い効率的な医療・介護サービスの提供体制を確保するとともに、政府を挙げて医療・介護DXを推進し、「全国医療情報プラットフォーム」を構築するほか、電子カルテの導入や電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DX、PHR[1]の整備・普及を強力に進めることとされております。
また、デジタル庁が策定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(2024年6月21日アップデート)において、「健康・医療・介護」分野の国による関与(予算措置等)が、他の民間分野への波及効果が大きい準公共分野として引き続き指定されており、無駄・不便を除去し、利便性を実感できる具体的な成果が重要であり、「デジタル化」が「当たり前」であると受け止められることを目指しています。このことから、その中核を担う電子カルテシステム[2]を含む医療情報システムは今後も普及拡大していくものと考えております。
このような状況の中、当社グループの連結売上高は、主力製品である電子カルテシステムの販売が好調であったことや、ユーザー数の増加に伴い保守サービスも堅調に推移したことから、前年同期比で増加しました。利益面におきましては、上記の売上高の増加のほか、医薬品・医療機器開発支援において販売費及び一般管理費が減少したことなどから、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比で大幅に増加しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は9,199百万円(前年同期比14.0%増)、売上総利益は2,284百万円(前年同期比21.5%増)、営業利益は1,230百万円(前年同期比66.0%増)、経常利益は1,239百万円(前年同期比66.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は707百万円(前年同期比90.4%増)となり、いずれも過去最高となりました。また、受注状況につきましては、受注高7,588百万円(前年同期比18.3%増)、受注残高4,572百万円(前年同期末比9.8%増)となり、受注高は過去最高となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
〔ヘルスケアソリューション事業〕
電子カルテシステムは、医療機関向けの自社パッケージ製品である「MI・RA・Isシリーズ」を中心に、様々なベンダー製の医事会計システム等の部門システムに加えてハードウエア等を組み合わせ、主に中小病院向けに販売しております。中でも、当社の子会社である株式会社シーエスアイは電子カルテシステムの新規ユーザを順調に獲得しており、更に、既存ユーザの「MI・RA・Is V(ファイブ)」[3]への更新も拡大しております。また、株式会社デジタルソリューションなどでは、医療情報システムの受託開発・運用管理、医療機関向け料金後払いシステムの販売等に取り組んでおります。そして、新規事業として進めている、スマートフォンサービス「ドクターコネクト」は、患者が自分の疾患を管理し担当医師との情報共有を進め、受診予約機能や電子カルテシステムとの連携機能により、より良い治療への貢献を目指し、展示会や学会などを通じてサービスの普及及びユーザの獲得を進めております。
当中間連結会計期間におきましては、電子カルテシステムの売上増加に伴う利益増加などにより、セグメント利益は前年同期比で増加しました。
当社グループの大半を占めるヘルスケアソリューション事業の経営成績につきましては、前記の状況により、受注高7,312百万円(前年同期比17.9%増)、受注残高4,497百万円(前年同期末比10.9%増)、売上高8,883百万円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益1,196百万円(前年同期比49.9%増)となりました。
〔マーケティングソリューション事業〕
デジタルマーケティング[4]支援は、企業や組織向けのWebサイト再構築(リブランディング)やWebプロモーション支援(Web広告の企画・制作・運用。SNSを含む。)、並びにデジタルマーケティング人材の育成等を行い、加えて、デジタルサイネージは、公共・商業施設向けの販売等を行っております。
当中間連結会計期間におきましては、デジタルマーケティング支援における受注が順調に推移したことなどにより、売上高は前年同期比で増加しました。
マーケティングソリューション事業の経営成績につきましては、受注高275百万円(前年同期比29.2%増)、受注残高74百万円(前年同期末比32.5%減)、売上高316百万円(前年同期比57.1%増)、セグメント利益31百万円(前年同期セグメント損失32百万円)となりました。
[1]PHR Personal Health Record
[2]電子カルテシステム 1999年4月22日に「真正性・見読性・保存性」の担保を条件として、厚生省(当時)が容
認した紙カルテを電子的なシステムに置き換えたものを指す。当社グループの電子カルテシステムは、診療記録
システム・オーダリングシステム・看護支援システム等から構成されている。なお、オーダリングシステムと
は、医師が検査や投薬等の指示(オーダー)を入力し、オーダー受取者がこれに従って処理・処置を行うシステ
ムをいう。
[3]MI・RA・Is V 2024年1月より販売を開始した、電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」の
最新バージョン。医療機関で発生したデータを活かして、医療安全の向上に寄与し、医療従事者の方々の仕事効
率向上を図り、医療機関の経営を支援することを目標に、「医療安全」「仕事効率の向上」「経営支援」をコン
セプトとして開発。
[4]デジタルマーケティング 検索エンジンやWebサイト、SNS、メール、モバイルアプリなどデジタル技術を活用し
たマーケティングのことを指す。
b. 財政状態
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は8,955百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,488百万円増加いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が1,383百万円増加したことによるものであります。固定資産は3,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産が52百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は12,679百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,427百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は3,728百万円となり、前連結会計年度末に比べ891百万円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が101百万円減少したものの、買掛金が700百万円、未払法人税等が246百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ261百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が260百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,280百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円増加いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は7,398百万円となり、前連結会計年度末に比べ798百万円増加いたしました。これは主に新株の発行により資本金が184百万円、資本剰余金が181百万円増加したことや、親会社株主に帰属する中間純利益の計上707百万円及び剰余金の配当272百万円により利益剰余金が434百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.4%(前連結会計年度末は54.2%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加額、法人税等の支払額、長期借入金の返済による支出、配当金の支払額などの要因により一部相殺されたものの、税金等調整前中間純利益の計上、仕入債務の増加額、新株予約権の行使による株式の発行による収入などにより、前連結会計年度末から24百万円増加し、当中間連結会計期間末の残高は3,851百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は629百万円(前年同期は451百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権の増加額1,372百万円があったものの、税金等調整前中間純利益の計上1,205百万円、仕入債務の増加額701百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は237百万円(前年同期は353百万円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出241百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は340百万円(前年同期は1,046百万円の獲得)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入336百万円があったものの、長期借入金の返済による支出390百万円、配当金の支払額270百万円があったことによるものであります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、0百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。