当社は、2025年5月9日付の取締役会決議において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2025年6月2日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
2025年4月8日付当社プレスリリース「三井化学株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果及び親会社の異動に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、三井化学株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2025年2月5日から2025年4月7日までを買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。本公開買付けが成立した結果、本公開買付けの決済の開始日である2025年4月14日をもって、公開買付者は当社株式4,606,986株(所有割合(注):68.15%)を所有するに至りました。
(注)「所有割合」は、当社が2025年2月4日に公表した「2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の当社株式の発行済株式総数(6,767,174株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(6,638株)を控除した株式数(6,760,536株)を分母として計算しております。また、小数点以下第三位を四捨五入しております。
本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、2025年2月4日付プレスリリース「三井化学株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)においてお知らせしたとおりですが、以下に改めてその概要を記載いたします。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
本意見表明プレスリリースにてお知らせいたしましたとおり、当社は、2024年10月24日に公開買付者から、本取引の背景及び目的、本取引のストラクチャー等について記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)の提出を受けました。当社においてかかる提案について慎重に検討を行った結果、デュー・ディリジェンスその他の本取引に向けた具体的な検討及び協議を開始することを決定するとともに、2024年11月上旬、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとして株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)を、それぞれ選任いたしました。また、当社は、公開買付者の連結子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当しないものの、公開買付者は、当社との資本業務提携に基づき当社株式を937,474株(所有割合:13.87%)所有していた当社の主要株主かつ筆頭株主であり、当社の役員に公開買付者の役職員を兼任する者がいること等を考慮し、当社の取締役会において本取引の是非を検討するに際して、本取引に関する当社の意思決定過程の恣意性を排除し、その公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、西村あさひの助言を踏まえ、2024年11月20日付で、当社の取締役会における決議により、当社の社外取締役である久慈正一氏、川本祥子氏、外部有識者である岡田孝太郎氏(弁護士・東京国際法律事務所)の3名によって構成される、公開買付者及び当社並びに本取引の成否から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました(特別委員選任の経緯を含め、本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。また、当社は、公開買付者から独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、2024年11月25日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会により、かかる検討体制につき独立性の観点から問題がないことについて承認を受けております。
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、プルータス及び西村あさひの助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の公正性・妥当性等に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
当社は、2024年12月26日に、公開買付者から、(1)本公開買付けにおける当社株式1株当たりの価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を当社株式1株当たり900円(同提案日の前営業日である2024年12月25日の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場における当社株式の終値604円に対して49.01%(小数点第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値655円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して37.40%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値703円に対して28.02%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値772円に対して16.58%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、買付予定数の上限を設定せず、また、買付予定数の下限をいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」を充足する2,911,600株(所有割合:43.07%)に設定する旨の第1回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第1回提案に対し、2025年1月8日に、第1回提案において公開買付者が当社に提示した公開買付価格は当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者において公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については公開買付者より開示される予定の公開買付届出書における、当社一般株主に対する説明内容を確認の上、協議させていただく可能性がある旨を回答いたしました。その後、当社は、同年1月16日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり980円(同提案日の前営業日である同年1月15日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値650円に対して50.77%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値643円に対して52.41%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値683円に対して43.48%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値743円に対して31.90%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限設定については、公開買付届出書における、当社一般株主に対する説明内容を確認してほしい旨の第2回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第2回提案に対し、同年1月17日に、第2回提案において公開買付者が当社に提示した第2回提案の公開買付価格は依然として当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者において公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、公開買付届出書の内容における一般株主に対する説明内容等を確認させていただく中で、本特別委員会として改めて協議をさせていただく可能性がある旨の回答及び買付予定数の下限、本件の意義目的等に関する追加質問事項書を提出いたしました。その後、当社は、同年1月21日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり1,050円(同提案日の前営業日である同年1月20日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値654円に対して60.55%、同年1月20日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値639円に対して64.32%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値678円に対して54.87%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値732円に対して43.44%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限設定に関する一般株主への説明については、改めて提出する上記追加質問事項書への回答内容を確認してほしい旨の第3回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第3回提案に対し、同年1月22日に、第3回提案において公開買付者が当社に提示した第3回提案の公開買付価格は依然として当社の一般株主の利益に十分に配慮したものとはいえないことから、公開買付者において公開買付価格を再考いただきたい旨とともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、追加質問事項書への回答内容及び公開買付届出書における一般株主に対する説明内容等を確認させていただく中で、それらが十分でない場合には、本特別委員会として買付予定数の下限の引き上げを要請させていただくことを予定している旨を回答いたしました。その後、当社は、同年1月24日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を当社株式1株当たり1,080円(同提案日の前営業日である同年1月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値644円に対して67.70%、同年1月23日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値640円に対して68.75%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値674円に対して60.24%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値728円に対して48.35%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限については変更せず、改めて提出する追加質問事項書への回答内容を確認してほしい旨の第4回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第4回提案に対し、同年1月27日に、第4回提案において公開買付者が当社に提示した第4回提案の公開買付価格は一定程度評価できる水準であるものの、中長期的に当社株式を継続保有する当社の一般株主の利益確保の観点を十分に考慮して、更なる引き上げを要請するとともに、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、同日時点における追加質問事項書に対する回答内容及び公開買付届出書における一般株主に対する説明内容等を踏まえても、強圧性の問題を完全に払拭できないと考えていることから、買付予定数の下限についても引き上げを要請いたしました。その後、当社は、同年1月28日に、公開買付者から、(1)本公開買付価格を1,100円(同提案日の前営業日である同年1月27日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値667円に対して64.92%、同年1月27日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値650円に対して69.23%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値673円に対して63.45%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値723円に対して52.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格です。)とし、(2)本公開買付けにおける買付予定数の下限を3,119,000株(所有割合:46.14%)に設定する旨の第5回提案を受領しました。本特別委員会は、公開買付者の第5回提案に対し、同年2月3日に、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件について応諾する旨を回答いたしました。
その上で、当社は、2025年2月4日、プルータスから2025年2月3日付で取得した株式価値算定書(以下「対象者株式価値算定書」といいます。)の内容、西村あさひから受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2025年2月3日付の答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら(本答申書の概要については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。
当社が属するライフサイエンス及び医療分野においては、技術の進歩が著しく、DNAチップ、次世代シークエンサー等の網羅的かつ超高速遺伝子解析技術が普及し、それらを利用した新しい薬剤・診断ツールが次々と開発されてきています。特に、がんの分野で薬剤効果を予測するコンパニオン診断や再発予測などの「個別化医療」が進んでいます。
一方で、世界的な超高齢化社会を迎えるにあたり、労働力の減少、年金や社会保障の問題など、様々な社会問題を抱えています。特に、国民医療費は年々増加し、国の財政の多くを占めており、これを解決するためには、より効果的な個別化医療に加えて、予防医療のための(病気にならないための)新しい診断ツールの開発が期待されています。
このような状況の中、当社の検査診断事業のコンテンツの拡充及び売上の向上、更に受託解析サービスの事業拡大を中長期的に維持発展させていくためには、情報化時代に即した、最新の技術を取り入れるとともに、より一層の研究開発投資と売上拡大のための施策を講じることが急務であります。
当社は、このような不透明な経営環境の中、上記課題を解決し、両社のシナジー効果を最大限に発揮するためには、両社の資本関係をより強固なものとした上で、両社が中長期的なビジョンを共有し、一体となって事業展開を行うことが必要であると考えました。
当社が本取引により公開買付者の完全子会社となることで実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
① 両社の独自技術や材料を組み合わせた新しい検査診断サービス及び新規事業(創薬やヘルスケア分野事業)の創生
当社のDNA、RNAを中心とする遺伝子解析技術と公開買付者グループ(2024年12月末時点で、公開買付者、公開買付者の子会社127社、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)4社並びに関連会社及びジョイント・ベンチャー(共同支配企業)25社からなり、以下「公開買付者グループ」といいます。)が有するライフサイエンス関連技術との融合により、検査・診断領域において、当社が中心となって新たな特徴のある検査・診断コンテンツの開発・事業創出が期待できます。また、検査・診断の開発の過程で得られた新たなバイオマーカーをシーズとした創薬事業や、新規測定技術をベースとした医療分野以外のライフサイエンス及びヘルスケア分野事業など、新たな領域における事業創出への展開が期待できます。
② 公開買付者の海外ネットワークを利用した、海外市場への進出及び事業コラボレーションの拡大
公開買付者グループの有する海外の企業・研究関連機関とのネットワーク、更にはCVC機能の活用がより促進されることで、当社の診断コンテンツの海外市場への進出及び事業コラボレーションの拡大が期待できます。
③ 研究開発投資による検査診断コンテンツの大幅な拡充及び新規技術開発、研究開発の推進
当社は、2023年1月に肺がんコンパクトパネルⓇ(4遺伝子)を、2024年2月に肺がんコンパクトパネルⓇ(7遺伝子)をそれぞれ発売し、高い検出感度(1%)等の優れた特徴から順調に販売を拡大しています。今後、さらなる診断事業拡大のために、その他のがん及びがん以外の疾患を対象に新しい遺伝子検査サービスについて研究開発投資を行う必要があり、公開買付者グループのグループファイナンスを利用することにより、より迅速に、検査診断コンテンツの大幅な拡充及び新規技術開発、研究開発の推進が期待されます。
④ 公開買付者の経営資源を利用した人材確保と体制整備、及び知的財産等の活用
当社が公開買付者グループの傘下に入ることで、顧客・取引先等のステークホルダーに対する認知度や信用力の向上が見込まれます。更に、公開買付者の有する経営管理ノウハウ・アドミ支援サービスを受けることにより、当社の経営基盤を強化し、人材確保と体制整備、及び知的財産等の活用することが可能となり、企業価値の向上が期待できます。
なお、当社株式の非公開化により、当社は、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪失することになります。しかしながら、当社が公開買付者グループの傘下に入ることで、公開買付者グループのグループファイナンスの供与により、投資のための資金調達が見込まれ、また、当社における人材採用面で重要となる当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、必ずしも非上場化することでブランド力等を失うわけではないことから、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的であると考えております。なお、公開買付者が当社を完全子会社とすることによるディスシナジーは特段想定しておりません。
また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格(1,100円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しております。
(a) 当該価格が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されているプルータスによる対象者株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果の中央値を上回る水準にあること。
(b) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値685円に対して60.58%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値661円に対して66.41%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値670円に対して64.18%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値716円に対して53.63%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日から2024年11月30日までに公表された、日本国内における上場会社に対する買付予定数に上限を設けていない公開買付けの事例135件(マネジメント・バイアウト(MBO)(注)、親会社による子会社の非公開化を目的とした取引の事例を除きます。)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日の終値に対して41.78%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.60%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して43.33%、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して46.36%)と比較しても、公表日前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムについて、同種事例の中央値を上回っていることを考慮すれば、遜色のない合理的なプレミアムが付されていると考えられること。
(注)「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が対象者の役員である取引、又は公開買付者が対象者の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって対象者の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
(c) 当該価格が、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること、買付予定数の下限を含めたその他の取引条件についても当該措置が採られた上で決定されており、関連する内容のプレスリリース等での開示を含めて少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
(d) 当該価格は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。また、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施するための手法として株主総会決議による本株式併合を行う場合、本株式併合の実施の可否は理論上確実ではないものの、①公開買付者から、本特別委員会に対して、当社の定時株主総会における議決権行使率や公開買付者が同種と考えている事案の分析等を踏まえた本スクイーズアウト手続に係る議案が承認される蓋然性に関する説明がなされたこと、②公開買付届出書を通じて一般株主に対してもそれらの説明がなされること、③本特別委員会の要請により、本株式併合に係る株主総会の議決権行使率が90%(小数点以下第一位を四捨五入。以下、議決権行使率の計算において同じです。)以上とならない限り本株式併合の実施が確実に承認される水準まで買付予定数の下限が引き上げられたこと、④上記のとおり妥当であると認められる本公開買付価格での売却機会を一般株主に対して提供する本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化することにより一般株主の利益を保護する観点等に鑑みると、買付予定数の下限を含めたその他の取引条件についても不合理であるとはいえないと判断されていること。
以上の経緯のもとで、当社は、2025年2月4日開催の取締役会において当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
当社取締役会における決議の方法については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったことから、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、当社は、公開買付者の要請を受け、2025年5月9日付の取締役会決議において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者のみとし、当社株式を非公開化するために、本株式併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決定いたしました。本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
当社株式2,253,000株を1株に併合いたします。
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の処理の方法につきましては、その合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第235条第1項の規定により当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。かかる売却手続に関し、当社は、会社法第235条第2項において準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当該端数の合計数に相当する株式を公開買付者に売却することを予定しております。この場合の売却価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2025年6月22日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様の所有する当社株式の数に、本公開買付価格と同額である1,100円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
② 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
三井化学株式会社(公開買付者)
③ 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者が売却に係る代金の支払いのための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に係る資金を、手元資金により賄うことを予定しているとのことです。当社は、本取引の実行手続において、公開買付者が2025年2月5日に提出した公開買付届出書及びそれに添付された預金残高証明書を確認することによって、公開買付者における資金が確保されていることを確認しております。また、公開買付者によれば、同日以降、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は生じておらず、また今後発生する可能性も認識していないとのことです。以上により、当社は、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払のための資金を確保する方法については相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、2025年7月上旬を目途に会社法第235条第2項において準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年7月下旬を目途に当該当社株式を公開買付者に売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年8月上旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。なお、当該売却代金は、本株式併合の効力発生日の前日である2025年6月22日時点の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対し、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付する予定です。
(2)端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、本株式併合の効力発生日の前日である2025年6月22日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,100円を乗じた金額となる予定です。当社は、以下の点から、本公開買付価格である1株当たり1,100円は当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a) 当該価格が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されているプルータスによる対象者株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、DCF法に基づく算定結果の中央値を上回る水準にあること。
(b) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年2月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値685円に対して60.58%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値661円に対して66.41%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値670円に対して64.18%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値716円に対して53.63%のプレミアムが加算されたものであり、かつ、経済産業省が公正M&A指針を公表した2019年6月28日から2024年11月30日までに公表された、日本国内における上場会社に対する買付予定数に上限を設けていない公開買付けの事例135件(マネジメント・バイアウト(MBO)、親会社による子会社の非公開化を目的とした取引の事例を除きます。)におけるプレミアムの中央値(公表日前営業日の終値に対して41.78%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.60%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して43.33%、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して46.36%)と比較しても、公表日前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムについて、同種事例の中央値を上回っていることを考慮すれば、遜色のない合理的なプレミアムが付されている価格と考えられること。
(c) 当該価格が、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること、買付予定数の下限を含めたその他の取引条件についても当該措置が採られた上で決定されており、関連する内容のプレスリリース等での開示を含めて少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
(d) 当該価格は、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。また、本スクイーズアウト手続を実施するための手法として株主総会決議による本株式併合を行う場合、本株式併合の実施の可否は理論上確実ではないものの、①公開買付者から、本特別委員会に対して、当社の定時株主総会における議決権行使率や公開買付者が同種と考えている事案の分析等を踏まえた本スクイーズアウト手続に係る議案が承認される蓋然性に関する説明がなされたこと、②公開買付届出書を通じて一般株主に対してもそれらの説明がなされること、③本特別委員会の要請により、本株式併合に係る株主総会の議決権行使率が90%以上とならない限り本株式併合の実施が確実に承認される水準まで買付予定数の下限が引き上げられたこと、④上記のとおり妥当であると認められる本公開買付価格での売却機会を一般株主に対して提供する本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化することにより一般株主の利益を保護する観点等に鑑みると、買付予定数の下限を含めたその他の取引条件についても不合理であるとはいえないと判断されていること。
以上に加えて、当社は、2025年2月4日開催の当社取締役会において、当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議をした後、本臨時株主総会の招集を決定した2025年5月9日付の取締役会決議時点に至るまでに、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。以上のことから、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しませんが、2025年2月5日において、公開買付者は、(ⅰ)当社株式を937,474株(所有割合:13.87%)所有していたこと、(ⅱ)監査等委員でない社外取締役(非業務執行・非常勤)1名及び監査等委員である社外取締役(非業務執行・非常勤)1名を当社に派遣していることを踏まえ、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
また、以下の記述中の公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである株式会社KPMG FAS(以下「KPMG」といいます。)に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日付で株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、KPMGは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。
公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ当社との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、KPMGから本公開買付価格の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者が2025年2月3日付でKPMGから取得した買付者株式価値算定書の概要については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータスに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日に、対象者株式価値算定書を取得いたしました。なお、プルータスは、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
なお、当社は、本取引に際して実施されている本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、本「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、プルータスから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
当社がプルータスから取得した対象者株式価値算定書の詳細については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、西村あさひを選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。
なお、西村あさひは、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、西村あさひに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社は、当社の取締役会において本取引の是非を検討するに際して、本取引に関する当社の意思決定過程の恣意性を排除し、その公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、2024年11月20日に、当社の取締役会における決議により、久慈正一氏(当社社外取締役)、川本祥子氏(当社社外取締役)及び岡田孝太郎氏(弁護士・東京国際法律事務所)の3名から構成される、公開買付者及び当社並びに本取引の成否から独立した本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員の報酬については、当社の取締役会において時間単位又は固定額の報酬を想定した合理的な範囲の報酬の負担を決議しており、成功報酬は採用しておりません。また、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。)。なお、当社の社外取締役(監査等委員を含みます。)は4名(久慈正一氏、川本祥子氏、橋詰和寛氏及び岡村友之氏)であるところ、橋詰和寛氏及び岡村友之氏の2名は公開買付者の役職員との兼任であることを考慮し、公開買付者と当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、委員に選任することは適当ではないと考え、独立性を有する久慈正一氏及び川本祥子氏の2名は本特別委員会の委員とすべきものと判断いたしました。一方で審議の充実の観点からは、本特別委員会の員数は3名以上とすることが望ましいため、当社において久慈正一氏及び川本祥子氏の2名に加え、外部有識者1名を当該委員として選任することを検討いたしました。その上で、当社は、長年にわたりM&A等を専門として企業法務に関する職務に携わり、その経験を通じて、上場会社を完全子会社とすることを目的とした取引について豊富な知見を有する外部有識者である岡田孝太郎氏を本特別委員会の委員として選任いたしました。
当社は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)に関する事項、(ⅱ)本取引の取引条件の公正性・妥当性に関する事項、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性に関する事項、(ⅳ)本取引を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないか、(ⅴ)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下「本諮問事項」と総称します。)について諮問いたしました。更に、当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件について妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しております。
加えて、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)適切な判断を確保するために、当社の財務アドバイザー、第三者評価機関、法務アドバイザーその他のアドバイザー(以下「アドバイザー等」という。)を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅱ)適切な判断を確保するために、本特別委員会のアドバイザー等を選任する権限、(ⅲ)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限及び(ⅳ)必要に応じて、本取引の取引条件等の交渉を行う権限を付与いたしました。これを受けて、本特別委員会は、当社の第三者算定機関であり、かつ、ファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス及び当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひにつき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、当社の第三者算定機関兼ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして承認し、また本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
本特別委員会は、2024年11月25日より2025年2月3日までの間に合計10回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われました。具体的には、本特別委員会は、(ⅰ)公開買付者に対する、本取引の目的・背景、本取引の条件及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、(ⅱ)当社に対する、プルータスによる当社株式の株式価値算定の前提とした当社から提供を受けた事業計画(2025年3月期から2033年3月期までの9期分)(以下「本事業計画」といいます。)の内容及び策定方法、並びに公開買付者の提案内容及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、並びに(ⅲ)プルータスに対する、当社株式の株式価値算定に関する事項のヒアリング等を行っております。また、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひから、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けております。
更に、本特別委員会は、プルータスから受けた財務的見地からの助言を踏まえ、公開買付者からより高い価格を引き出すための交渉方針について審議・検討するとともに、当社が公開買付者から本公開買付価格に関する提案を受領する都度、適時に報告を受け、プルータスから受けた財務的見地からの助言も踏まえて、公開買付者に対する交渉方針を審議・検討すること等により、公開買付者との間の本公開買付価格に関する協議・交渉に実質的に関与いたしました。
本特別委員会は、以上の経緯で本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年2月3日、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
(a)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)に関する事項について
(ア) 本取引の目的等
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の当社の事業内容に照らして、当社が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、ライフサイエンス及び医療分野における著しい技術の進歩及び様々な社会問題解決のため予防医療に係る新しい診断ツールの開発が期待されている事業環境下において、当社の検査診断事業のコンテンツの拡充及び売上の向上、更に受託解析サービスの事業拡大を中長期的に維持発展させていくためには、情報化時代に即した、最新の技術を取り入れるとともに、より一層の研究開発投資と売上拡大のための施策を講じることが急務であるとの経営課題を認識している点について、不合理な点は認められない。
そして、公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、①公開買付者の「ライフ&ヘルスケア・ソリューション」事業での新領域への展開、②当社の診断事業の拡大・加速、③当社の経営基盤強化をシナジーとして想定している。また、公開買付者は、上記シナジーに関する具体的な当社の企業価値向上施策として、2024年10月24日に、本意向表明書並びに本特別委員会からの書面質問及びインタビューに対する回答として、(ⅰ)公開買付者の資金・人材や研究関連機関・ベンチャー企業とのネットワークの活用によるヘルスケア分野で激化する人材獲得競争における競争力の確保、事業規模の拡大にあたってのオペレーション強化及びセールス&マーケティング活動におけるアクションの幅広さや柔軟性の確保、(ⅱ)公開買付者による法務、知財、経営管理機能、グループファイナンス、HR、物流等のアドミ支援サービスの提供及び公開買付者の各種コーポレート機能・基盤の活用、(ⅲ)新規テーマ開発によるパイプライン拡充、(ⅳ)公開買付者の欧米、アジア拠点や、各拠点が保有するステークホルダーとの関係などを活用することによる、肺がんコンパクトパネルⓇの海外展開、及び(ⅴ)公開買付者のCVC等との連携による中長期的な開発テーマパイプライン・技術基盤の拡充を挙げているところ、上記シナジー及び企業価値向上施策の説明について不合理な点は認められず、当該企業価値向上施策による各シナジーの発現が合理的に見込まれると考えられる。
また、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、本取引により公開買付者の完全子会社となることで、①両社の独自技術や材料を組み合わせた新しい検査診断サービス及び新規事業(創薬やヘルスケア分野事業)の創生、②公開買付者の海外ネットワークを利用した海外市場への進出及び事業コラボレーションの拡大、③研究開発投資による検査診断コンテンツの大幅な拡充及び新規技術開発、研究開発の推進、④公開買付者の経営資源を利用した人材確保と体制整備、及び知的財産等の活用が実現可能となると考えているところ、上記公開買付者の提示するシナジー及びその企業価値向上施策と相互に矛盾抵触せず、整合的であるとともに、内容として不合理な点は認められず、シナジーの発現が合理的に見込まれるものと認められる。また、本特別委員会は、公開買付者が当社の検査診断事業であるコンパクトパネルの事業を高く評価していると考えられるところ、当社のコンパクトパネル以外の事業展開も期待して中長期に当社株式を保有している一般株主が存在すると考えられることに鑑み、上記当社の想定しているシナジーである新規事業の創生に関して、公開買付者の考え方を確認するため、インタビュー及び複数回の書面質問を行った。この点について、公開買付者は、市場拡大が見込まれる再生医療領域におけるバイオマーカー探索・遺伝子解析や培養細胞の品質評価・有効性評価等における当社技術の活用による価値創出等、中長期的な新領域展開のアイデアを含む回答を行い、当該想定についても内容として不合理な点は認められず、シナジーの発現に寄与することが合理的に見込まれるものと認められる。
公開買付者は、経営方針について、本意向表明書並びに本特別委員会からの書面質問及びインタビューに対する回答として、経営体制について、現社内取締役には引き続き経営への参画を要請しつつ、公開買付者グループから取締役会の過半数の取締役を派遣することを想定している旨、当社従業員について合理的かつ止むを得ない事情のある場合を除き従前どおりの処遇にて継続雇用する旨、グループファイナンス制度に加入することが検討されている旨、公開買付者グループに対するものと同様の経営に対する規律を保つ旨、本取引後においても当社の既存の顧客や調達先等の取引先との取引を継続することを想定している旨、その他重大な経営方針の変更について現状は想定していない旨説明しており、企業価値を毀損する不合理な点は認められない。
上場廃止の影響について、公開買付者は、公開買付者グループへの参画による当社の信用力や財務的安全性の向上が見込まれ、当社従業員の公開買付者への出向等の方策により、従業員のリテンションは維持でき、本取引後の公開買付者の活用によるシナジーの実現により、既存の顧客に対してより付加価値の高いサービス・製品を提供することができ、信用力・財務的安全性の向上により、安心して取引関係が構築されることを期待することができ、増資や社債発行といった直接金融による資金調達手段の限定は生じるもののグループファイナンスの供与が想定され、グループガバナンスに則った運営も考慮すると、信用力・認知度、人的リソース、取引関係、資金調達、ガバナンスその他事項について特段のデメリットや懸念事項は想定していないものとしている。
また、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社における意思決定に至る過程及び理由」に記載のとおり、エクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、上場会社であることに伴う社会的な信用の向上等のメリットを喪失することになる一方で、グループファイナンスの供与による資金調達が見込まれること、当社における人材採用面で重要となる当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、必ずしも非上場化することでブランド力等を失うわけではないことから、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的と考えている。
上記、両社の検討について、直接金融による資金調達手段の限定については、公開買付者のグループファイナンスの供与により影響は限定的と考えられ、また、当社の社会的信用については、当社が上場会社であることではなく当社の事業活動を通じて獲得・維持されており、上場会社でなくなることで直ちに失われてしまうものとは認められず、むしろ公開買付者グループへの参画により信用力や認知度の向上も期待できること等からすると、上場廃止の影響が限定的であるとの認識に、特段不合理な点は認められない。
なお、本特別委員会は、公開買付者と当社が既に資本業務提携契約に基づく業務提携を実施しているところ、一般論として、当社の企業価値及び株主価値の向上を実現するために、当該資本業務提携の継続や更なる第三者割当増資等の代替取引により両社が上場を維持した上で相互に事業成長することも可能とも考えられるところ、そうした代替的な取引ではなく、当社を完全子会社化する必要性の有無及び内容について、インタビュー及び複数回の書面質問を行った。
その結果、公開買付者は、当社が公開買付者に提示した本事業計画の達成には当社の従来の体制・機能の拡充に向けた資源投下や機能整備が必要であり、本取引の実行によりそうした面での貢献が可能である旨、公開買付者は現状の資本業務提携に基づき経営管理システムとその運用の強化、拡販に向けた施策、その他体制の強化について支援をしているが、これらの実現のためには人員の更なる投入や有経験者によるハンズオンで各種強化を行う必要がある旨、現在の資本関係においては利益供与とみなされない範囲での限定的な公開買付者による支援の提供に制限される一方で、当社が公開買付者のグループ会社となることでより積極的に支援が可能である旨を回答した。また、公開買付者は、特に当社の完全子会社化を企図する理由について、当社の上場維持のための労力・コストの負担がなくなることにより本業に専念・集中できる旨、公開買付者以外の株主が残存し当社の生んだ利益の一部が公開買付者以外にも還元される状況では公開買付者として十分な人材派遣や支援をすることができない旨を回答した。
公開買付者による当該回答について、当社を完全子会社とする本取引を実施した場合における上記企業価値向上施策によるシナジーの発現への期待や、本件において上場廃止によるデメリットが限定的であると考えられることに鑑みると、公開買付者の支援が制限される他の代替取引によらず、本取引の実行により当社の経営課題に対応し、企業価値向上を目指すという判断は不合理なものとは認められない。
以上を踏まえれば、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められる。
(イ) 小括
以上のとおり、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は正当性・合理性を有するものであると考えられる。
(b)本取引の取引条件の公正性・妥当性に関する事項について
(ア) 本取引の取引条件等
本公開買付価格及び買付予定数の下限等の取引条件は、プルータス及び西村あさひの助言を踏まえ、本特別委員会と公開買付者との間の真摯な取引条件の交渉の結果決定されており、本取引の取引条件に係る協議・交渉過程については、本特別委員会が実質的に関与している。また、当該取引条件の交渉の結果として、本公開買付価格は、公開買付者が第1回提案において提案した当社株式1株当たり900円から1,100円まで合計で200円の引き上げ、買付予定数の下限は、公開買付者が第1回提案において提案した2,911,600株(所有割合:43.07%)から3,119,000株(所有割合:46.14%)まで207,400株(所有割合:3.07%)の引き上げを引き出している。
以上を踏まえると、本取引の取引条件に関する協議・交渉の過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。
当社は、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」のとおり、公開買付者及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータスに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2025年2月3日に、対象者株式価値算定書を取得している。対象者株式価値算定書によれば、市場株価法661円から716円、DCF法779円から1,275円と算定されているところ、本公開買付価格である1株当たり1,100円は、市場株価法に基づく算定結果の上限を上回っており、また、DCF法に基づく算定結果の中央値を上回る水準であり、かつ、プルータスによる対象者株式価値算定書及び算定に用いた当社の本事業計画の内容に関する説明及び質疑応答の結果等からすると、プルータスが当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理と認められる点はないと考えられる。また、その他に、本事業計画の策定に当たり設定された仮定及びそれに基づく計画数値についても特段不合理な点は認められない。
以上のほか、本特別委員会は対象者株式価値算定書の内容を検討するとともに、プルータスから、対象者株式価値算定書の内容について説明を受け、質疑応答を行った。この結果、プルータスが当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理な点は認められなかった。
また、本公開買付価格である1株当たり1,100円は、本公開買付けの公表日の直前営業日(2025年2月3日)の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値685円に対して60.58%、過去1ヶ月(2025年1月6日から2025年2月3日)の終値単純平均値661円に対して66.41%、過去3ヶ月(2024年11月5日から2025年2月3日)の終値単純平均値670円に対して64.18%、過去6ヶ月(2024年8月5日から2025年2月3日)の終値単純平均値716円に対して53.63%のプレミアムを加えた価格となっており、合理的なプレミアムが付された価格であると考えられる。
本取引においては、本公開買付け後に本スクイーズアウト手続の実施が予定されているが、買付予定数の下限は3,119,000株(所有割合:46.14%)と設定されており、本公開買付けがかかる下限で成立した場合に公開買付者の所有割合が60.00%となるよう設定されているため、本公開買付けが成立した後、本スクイーズアウト手続を実施するための手法として本臨時株主総会による株式併合を行う場合、当該株式併合に係る議案が可決されるか否かは理論上確実ではない。
この点について、本特別委員会は、本意向表明書において、2,913,300株(所有割合:43.09%)を買付予定数の下限として設定する想定が記載されていたため、第1回特別委員会から検討を開始し、公開買付者に対するインタビューにおいても、買付予定数の下限の見直しの有無や、本公開買付け後に公開買付者が有する議決権が総株主の議決権の3分の2を下回るおそれがある下限が本公開買付けの目的の達成のために必要かつ適当と考えた理由、強圧性の問題に対する考え方等を質問するとともに、公開買付届出書における一般株主への説明の充実を求めた。また、第1回提案において買付予定数の下限を2,911,600株(所有割合:43.07%)に設定する旨の取引条件が当初提案されたところ、本特別委員会は一般株主に対する公開買付者の説明の想定を確認し、2025年1月27日付回答書において、同日時点での公開買付者の説明状況を踏まえ買付予定数の下限の引き上げを要請した。
これに対して、公開買付者は、買付予定数の下限を3,119,000株(所有割合:46.14%)に引き上げつつ、①当社における直近5事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が42%から56%と比較的低い水準にあり、本スクイーズアウト手続として想定される株式併合に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があることを公開買付者の選定した事案に基づき説明し、また、②当社の株主構成を踏まえて、本公開買付けの成立を安定的なものとし本取引の成立の蓋然性を最大化すること、及び③本公開買付けの後に、公開買付者が総株主の議決権の3分の2を所有するに至らない場合においても上記株式併合の議案が現実的に承認されるよう、株式併合に係る株主総会の議決権行使率が90%以上にならない限り公開買付者が実際に行使される当社の総議決権の3分の2以上の議決権を所有する水準となるよう買付予定数の下限を設定している旨を説明した。また、公開買付者は、株式併合の議案が当社株主総会に付議された場合、3,500株を保有する当社取締役が賛成の議決権行使を行うと見込んでいる。
更に、当該株式併合が承認されない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除く。)を取得し、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本公開買付けにおける応募状況や当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、並びに株主総会における議決権行使率等も踏まえた上で、株式併合その他本スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、市場内取引、公開買付け以外の市場外買付け(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)において認められる場合に限る。)により、当該追加取得を行う時点での市場株価を考慮して決定する価格(ただし、当該価格は、本公開買付価格と比較して、経済的に当該追加取得を行う時点での株主に不利益と評価されることのない、合理的な価格(当社が株式併合又は株式分割をするなど、調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり、本公開買付価格と同額)。)にて、公開買付者の所有割合、当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、並びに市場株価等も踏まえて可能な限り速やかに適宜当社株式を追加取得し、追加取得後速やかに当社株式の非公開化を行う予定であるとしている。
上記のとおり、本公開買付けは、当社の少数株主に対して、当社の企業価値を適正に評価した合理的なプレミアムが付された本公開買付価格での売却機会を提供するものであると考えられるところ、本公開買付けの成立を安定的なものとし本取引の成立の蓋然性を最大化することにより本公開買付けに応募する少数株主の利益を保護する観点から、上記の公開買付者の説明は不合理とまでは認められず、当該買付予定数の下限の設定がいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件を上回る水準に設定されていることも踏まえると、本取引の実施方法として直ちに不合理であるとまではいえない。
また、本スクイーズアウト手続は会社法第179条に基づく株式売渡請求又は会社法第180条に基づく株式併合により行われる予定であり、当該手続上は、本取引に反対する株主に株主買取請求権又は価格決定請求権が確保されている。また、(i)本公開買付けが成立した場合には株式売渡請求又は株式併合による本スクイーズアウト手続を行う旨及び(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることが開示される予定である。このように、当社株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているといえ、一定の合理性が認められる。
以上を総合すると、本スクイーズアウト手続に係る取引条件は、公正かつ妥当であるといえる。
なお、公開買付者は、本取引に係る資金を、手元資金で賄うことを予定しており、金融機関等からの調達は想定していないとのことであり、当社の財務状況に重大な悪影響を及ぼすおそれはない。
このほか、以上に記載した条件のほかには、本取引に係るその他の取引条件について、他の類似事例と比較して、当社の少数株主にとって不利益となる事情は認められない。
(イ) 小括
以上より、当社の企業価値は適正に評価されており、また、本公開買付価格、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される対価の額を含めて、本取引に係る取引条件は適正に設定されていると評価できるから、本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)は、公正・妥当であると考えられる。
(c)本取引に係る手続の公正性に関する事項について
(ア) 本取引に係る手続等
独立した特別委員会の設置に関して、①設置時期については、本特別委員会は2024年11月20日に本特別委員会を設置する旨の決議を行い、その後、2024年11月25日に第1回の特別委員会が開催され、2024年12月26日の公開買付者からの初回価格提案前の段階から本特別委員会が本取引への関与を開始しており、本取引に係る取引条件の形成過程の初期段階から、本特別委員会が本取引に対して関与する状態が確保されており、②委員構成については、当社の社外取締役(監査等委員)であり、かつ東京証券取引所が求める独立役員にも該当する久慈正一氏及び川本祥子氏の2名に加えて、社外有識者であり、弁護士としてM&Aに関する専門性を有する岡田孝太郎氏を、当社及び公開買付者からの独立性を確認した上で、委員に選任し、本特別委員会の委員はそれぞれ独立性を有することが確認されており、専門性・属性にも十分配慮して選任されており、③本特別委員会の設置、権限及び職責、委員の選定や報酬の決定の各過程において、当社の独立社外取締役が主体性をもって実質的に関与する形で行われる体制が確保されており、④当社の取締役会が選任したアドバイザー等が独立性及び十分な専門性を有しているとして、本特別委員会が当該アドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した上で、当該アドバイザー等を利用しており、⑤本特別委員会は、公開買付者との間の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与してきたことが認められ、⑥非公開情報も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて本取引の是非や取引条件の妥当性について検討・判断を行うことのできる体制を整備しており、⑦成功報酬は採用せず、⑧当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを併せて決議しており、本取引については取締役会が特別委員会の意見を尊重して意思決定を行うことのできる体制が確保されており、⑨一連の本取引の協議・交渉過程に橋詰和寛氏及び岡村友之氏は当社取締役の立場としては関与しておらず、本公開買付けへの賛同の意見表明及び株主に対する本公開買付けへの応募推奨に係る取締役会決議にも橋詰和寛氏及び岡村友之氏は参加しないことで当社において公開買付者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されており、公正M&A指針に配慮した上で、独立性を有する特別委員会が設置され、有効に機能していることが認められる。
また、当社は法務アドバイザーである西村あさひから必要な法的助言を取得し、第三者算定機関兼財務アドバイザーであるプルータスから価格交渉等についての助言及び対象者株式価値算定書を取得している。
他の買収者による買収提案の機会の確保(マーケット・チェック)として、公開買付期間は41営業日に設定されており、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することが企図され、公開買付者及び当社は、対抗的買収提案者と接触することを一切禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っていない。
更に、「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」条件が設定されており、一般株主の過半数が取引条件について満足していることを直接確認することを通じて、一般株主による判断機会の確保をより重視し、また取引条件の形成過程における当社の交渉力が強化され、一般株主にとって有利な取引条件で本取引が行われることに資する。
特別委員会及び本取引に関する情報についても、公正M&A指針が求める情報を十分に開示するものと認められる。
本取引においては、買付予定数の下限において本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続のための本臨時株主総会について、本株式併合の実施の可否は理論上確実ではないものの、公開買付者が選定した事案における株主総会の議決権行使状況等の公開買付者による説明や、公開買付届出書を通じて一般株主に対してもそれらの説明がなされること、本特別委員会の要請により、株主総会の議決権行使率が90%以上とならない限り株式併合の実施が確実に承認される水準まで買付予定数の下限が引き上げられたこと、本公開買付価格のプレミアム水準等に鑑みると、一般株主に対する強圧性は限定的と考えられる。また、株式売渡請求及び株式併合の手続については、当社株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているといえ、一定の合理性が認められる。
(イ) 小括
以上のとおり、本取引においては公正M&A指針に定められる各公正性担保措置に則った適切な対応が行われており、その内容に不合理な点は見当たらない。したがって、本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられる。
(d)本取引を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないか
以上のとおり、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられ、また、本取引の取引条件は公正・妥当であり、また本取引に係る手続は公正であると考えられるから、本取引を行うこと(当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
(e)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非
以上のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は正当性・合理性を有すると考えられるから、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは妥当であり、また本取引の取引条件は公正・妥当であり、本取引に係る手続は公正であると考えられるから、当社取締役会が当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することも妥当であると考えられる。
⑤ 当社における独立した検討体制の構築
上記「1.本株式併合の目的」の「(1)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年10月24日に本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の提案書を受領した後、西村あさひから受けた助言を踏まえ、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、公開買付者の役職員を兼務しておらず、かつ過去に公開買付者の役職員としての地位を有していたことのない当社役員2名(的場亮氏、佐藤慶治氏)及び職員6名の計8名のみから構成されるものとしております。また、かかるプロジェクトチームは、本特別委員会とともに当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に専属的に関与しており、かかる取扱いを継続しております。
また、かかる取扱いを含めて、当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、2024年11月25日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会の承認を得ております。
⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認
当社取締役会は、西村あさひ及びプルータスから受けた助言及び対象者株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引に関して、当社の企業価値向上、本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、上記「1.本株式併合の目的」の「(3)当社の意思決定の内容」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格(1,100円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年2月4日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した取締役(橋詰和寛氏及び岡村友之氏を除く4名。監査等委員を含みます。)の全員一致で、当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対し公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、当社の取締役6名(的場亮氏、佐藤慶治氏、橋詰和寛氏、久慈正一氏、川本祥子氏、岡村友之氏。監査等委員を含みます。)のうち、橋詰和寛氏及び岡村友之氏の2名は公開買付者の役職員を兼任していることから、公開買付者と当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における本取引の検討に関する審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場において、本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する数を上回る買付予定数の下限の設定
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けにおいて、3,119,000株(所有割合:46.14%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(3,119,000株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。かかる買付予定数の下限(3,119,000株)は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」(当社決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(6,767,174株)から、同日現在の自己株式数(6,638株)及び2025年2月5日現在の公開買付者が所有する当社株式の数(937,474株)を控除した株式数(5,823,062株)の過半数に相当する株式数(2,911,532株))を上回るものとなるとのことです。
このように、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととし、当社の少数株主の皆様の意思を重視した買付予定数の下限の設定を行っているとのことです。
⑧ 取引保護条項の不存在
公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
⑨ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を41営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を、法定の最短期間である20営業日よりも長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
2025年6月23日(予定)
以 上