(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、小売及び小売周辺業務を主な事業内容とし、更に外食事業等の事業活動を展開いたしております。経営の重要な基本的な考え方及び方針は、以下の3点とし事業活動を進めております。
① お客様満足度の高い会社
絶えずお客様の目線で考え、行動することを基本に、生活向上や楽しさを実現する商品の開発や、売り場づくりの充実をはかります。
② 社員満足度の高い会社の実現
一人ひとりの社員の個性や創造性が発揮でき、生きがい・働きがいを感じる職場風土の実現を目指します。
③ 地域社会や環境との共生をはかる会社の実現
住みよい、暮らしに優しいまちづくりへの貢献を行い、環境の保全や高齢者・社会的弱者等に十分な配慮をした施設や商品提供・売場づくりに力を入れてまいります。
「お客様に最高のご満足を提供させていただく」ため、SM(フレンドマート)タイプを中心とした出店・統廃合と関連施設の充実により、滋賀県を主として、京阪神・北陸・東海地区でリージョナルチェーンとしての基盤をより強固にしてまいります。また、キャッシュ・フロー経営を重視した投資・財務戦略を推進してまいります。
収益拡大に向けて、商品開発・商品管理のレベルを上げると共に、エリア特性を重視した店づくりに注力し、個店毎の競争優位性の発揮に取り組みます。又、利益確保のための発注精度の向上や作業効率の改善への取組を強化し生産性向上を図ってまいります。
次期におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの国内外経済の不透明な状況に左右される懸念が大きく、日常生活と消費行動への影響は未知数ではありますが、引き続き厳しい経営環境が続くものと思われます。
このような状況の下、全社を挙げて生産性の改善と販売力の強化に取り組み、積極的な改装による活性化を図りストア・ロイヤルティを高めてまいります。
当社グループの営業成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因について主なものは以下の通りであります。また、当社として必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、投資家が、当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社はこれらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び万一発生した場合には適切な対応に努め、事業活動に支障を来たさないよう努力してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
また、各リスクが顕在化する可能性の程度や時期については合理的に予見することが困難であるため記載していませんが、当社グループはこれらのリスクに対する管理体制を、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 に記載のとおり整備し、リスクマネジメント活動を行っています。
(1)異常気象・災害等
当社における営業は、一般消費者を対象とするものであり、景気や消費動向に加えて冷夏・暖冬等の天候不順により当社の経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。
また、災害等に対しては緊急時の社内体制を整備していますが、大規模な地震、風水害等の自然災害が発生した場合、当社の営業活動に著しい支障が生じ、財政状態及び経営成績等が影響を受ける可能性があります。
(2)法的規制等
当社は、大規模小売店舗立地法や独占禁止法の他、食品の安全管理、環境・リサイクルなどに関する法令等に充分留意した営業活動を行っていますが、万一、これらに違反する事由が生じた場合には、企業活動が制限される可能性があります。また、法令上の規制に対応するため、経営コストが増加する可能性があります。したがって、これらの法令等の規制は当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)個人情報の保護
当社グループでは小売業・レストラン業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しております。また、自社ポイントカード(HOPカード)制度に基づき、加入されている多くのカード会員様の個人情報も保有しており、データをコンピューター管理しております。
個人情報はもとより、情報の取り扱いについては、情報管理責任者を選任し、情報の利用・保管などには、社内規定等の整備や従業員教育などにより、その徹底を図っていますが、万一、個人情報の流失が発生した場合には、当社の評価を低下させ、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業
当社グループでは海外事業を展開していますが、相手国の政策変更、政治社会経済環境の変化により、経営成績及び財政状態等が影響を受ける可能性があります。
(業績等の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2020年2月21日から2021年2月20日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により消費活動が停滞し、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当小売業界におきましては、「巣ごもり消費」により食品中心に一部の押し上げ要因や政府による各種施策の効果もあり回復の兆しが見られたものの、各業態の垣根を越えた店舗間の競争激化、ネット購買行動の伸長、物流コストの上昇、人手不足等からの人件費の増加など業界を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況の下、「株式会社平和堂」は地域に密着したライフスタイル総合(創造)企業を目指し、既存店の活性化を積極的に進め、お客様のご期待にお応えする商品や売場展開、サービスの向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は4,393億26百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は140億37百万円(前年同期比34.2%増)、経常利益は150億53百万円(前年同期比32.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は97億24百万円(前年同期比59.4%増)の結果となりました。
セグメント概況は次のとおりであります。
[小売事業]
グループ中核企業である「株式会社平和堂」は、「巣ごもり消費」による食品の伸長、野菜相場高の効果もあり増収となりました。食品の管理ロス抑制による粗利益率改善、及び「新たな生活様式」に準じた費用の見直し、店舗・本部の作業時間削減に向けた取り組みの強化により費用を大幅に削減し増益となりました。
既存店の活性化として改装投資を計画的に進めアル・プラザ香里園(大阪府寝屋川市)、フレンドマート安土店(滋賀県近江八幡市)など計8店舗(食品大規模4店舗、食品小規模2店舗、非食品2店舗)において売場の改装を実施、商圏の特性に合わせた品揃えや売場展開の変更、老朽化した什器の入れ替え等、ストア・ロイヤルティの向上に努めてまいりました。また、新規出店として、9月にららぽーと愛知東郷店(愛知県東郷町 売場面積2,220㎡)、11月に平和堂石山(滋賀県大津市 売場面積5,350㎡)、フレンドマート米原駅前店(滋賀県米原市 売場面積823㎡)を開設いたしました。
管理面では、人手不足による採用難が継続する中、営業業務改革プロジェクトや本部業務改革プロジェクトといった部署を中心に、店舗・本部の作業時間削減に向けた取り組みの強化をすすめてまいりました。
中国湖南省で小売事業を展開する「平和堂(中国)有限公司」は、新型コロナウイルス感染症による営業縮小や不採算店舗の閉店もあり減収・減益となりました。
滋賀県でスーパーマーケットを展開する「株式会社丸善」は、「巣ごもり消費」による食品の伸長、費用抑制により増収となり黒字に転じました。
書籍、CD・DVD販売やCD・DVDのレンタル業を展開する「株式会社ダイレクト・ショップ」は、「巣ごもり消費」により書籍販売が好調であったものの、前期に立ち上げた新規フィットネス事業が新型コロナウイルス感染症拡大により休業を余儀なくされ、増収・赤字決算となりました。
以上の結果、小売事業の営業収益は4,211億77百万円(前年同期比2.1%増)、経常利益は157億93百万円(前年同期比31.2%増)となりました。
[小売周辺事業]
惣菜・米飯および生鮮品の製造加工を営む「株式会社ベストーネ」は、小売事業の好業績に支えられ増収となり、前期に稼働した久御山食品センターの費用増加も一巡したため経常増益となりました。
ビル管理事業を営む「株式会社ナショナルメンテナンス」は、新型コロナウイルス感染症関連業務の増加や新規外部物件の受注獲得により増収となり、受注内容の見直しによる費用抑制により経常増益となりました。
以上の結果、小売周辺事業の営業収益は56億44百万円(前年同期比0.3%減)、経常利益は4億60百万円(前年同期比152.6%増)となりました。
[その他事業]
外食事業を展開する「株式会社ファイブスター」は、新型コロナウイルス感染症拡大による環境変化が影響し、減収・赤字決算となりました。
以上の結果、その他事業の営業収益は125億4百万円(前年同期比18.4%減)、経常損失は72百万円(前年同期経常利益3億92百万円)となりました。
当連結会計年度の総資産は297,845百万円(前期末比0.3%増)、負債は130,228百万円(前期末比4.9%減)、純資産は167,616百万円(前期末比4.7%増)の結果となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して65億30百万円増加し、248億16百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
[主な内容]
当連結会計年度における営業収益の内訳は、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3 外食事業の金額については、その他事業の内数であります。
当連結会計年度における仕入高の内訳は、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3 外食事業の金額については、その他事業の内数であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)に記載しております。
2 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8億19百万円増加(前期末比0.3%増)し、2,978億45百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が59億55百万円増加し、商品及び製品が16億15百万円、有形固定資産が14億29百万円、投資有価証券が9億28百万円、敷金及び保証金が7億88百万円、無形固定資産が3億56百万円減少したこと等であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ67億21百万円減少(前期末比4.9%減)し、1,302億28百万円となりました。この主な要因は、預り金が44億39百万円、未払法人税等が21億11百万円増加し、短期借入金が132億11百万円減少したこと等であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ75億41百万円増加(前期末比4.7%増)し、1,676億16百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が78億88百万円増加したこと等であります。
3 当連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
売上高は、前連結会計年度に比べ65億円増加(前年同期比1.6%増)し、4,122億39百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ35億73百万円増加(前年同期比34.2%増)し、140億37百万円となりました。また、売上高営業利益率は0.8%pt上昇し、3.4%となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べ36億73百万円増加(前年同期比32.3%増)し、150億53百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を合わせた税金費用合計は46億23百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ36億23百万円増加(前年同期比59.4%増)し、97億24百万円となりました。
なお、当期の事業全体及びセグメント別の分析につきましては、(業績等の概要)(1)経営成績に記載のとおりであります。
また、キャッシュ・フローにつきましては、(業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
4 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規出店及び既存店舗の改装といった設備投資、情報システム投資によるものであります。
短期運転資金は自己資本または金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資については自己資本または金融機関からの長期借入れを基本としております。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。