文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社の企業理念
一.企業活動を通じて社会に貢献し、親しまれ、信頼される会社を目指します。
一.過去にとらわれることなく、常に前進する会社を目指します。
一.創造的で活力のある会社を目指します。
企業理念の実践を通じて、大きな相乗効果を創出し、企業価値の増大を図り、安定的な収益体質を確立して、その成果を株主、従業員、お客様、取引先、地域社会等、全てのステークホルダーに対して適正に配分し、存在価値のある企業を目指してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、安定的な収益基盤の確立及び事業拡大を目指し、売上高、営業利益、営業利益率を経営指標としておりますが、「中期経営計画2027」の数値目標として、これまでの中期経営計画で採用していた営業利益率に加え、資本コストを意識した経営を実現するため、新たに自己資本利益率(ROE)を設定いたしました。
また、最近の業績動向を踏まえ、今後の成長戦略をより積極的に推進し、従業員のさらなるモチベーション向上を図るため、「中期経営計画2027」の目標数値を上方修正しております。さらなる企業価値の向上に積極的に取り組み、株主共同の利益の最大化を図ってまいります。
(参考)
・「中期経営計画2027」数値目標
(修正前)
(修正後)
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社は、2025年2月期から2027年2月期を対象とした「中期経営計画2027」を策定しております。
以下のとおり、当社の目指すべき姿、戦略的推進事項を設定し、取り組むとともに、2027年2月期に営業利益130,000千円を目指してまいります。
〔当社の目指すべき姿〕
・環境等に左右されることなく、常に安定的な利益の確保に努める
・当社の強みを正しく捉え、環境の変化に対応し、さらなる企業価値向上に努める
・全社員が自身と会社の成長を実感でき、働きがいのある職場環境づくりに努める
〔戦略的推進事項〕
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものです。
(1)ガバナンス
当社は、「
サステナビリティに関する取り組みについては、中長期的な企業価値の向上に向け、重要な経営課題の一つと考えており、リスク管理委員会にて議論を行っております。リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長、常勤取締役及び執行役員を構成員としており、報告・議論された内容については、取締役会に対し定期的な報告を行っております。
(2)戦略
・人的資本
当社は、目指すべき姿として、「全社員が自身と会社の成長を実感でき、働きがいのある職場環境づくりに努める」と定めており、会社が持続的に成長を図る上で、全社員の継続的な成長が不可欠であると考えております。
より働きがいのある企業にするため、生産性向上による時間外労働の削減や有給休暇の取得促進等、職場環境の向上に努めており、有給休暇については、政府が目標とする「2028年までに取得率70%」を達成するため、半日単位・1時間単位で取得できる制度を導入するなど、従業員が有給休暇を取得しやすい環境を整備しております。また、目標の達成状況に応じて金融機関に支払う保証料率が引き下げられる私募債「SDGs リンク・ボンド」を発行し、「社員の年次有給休暇の取得率」を目標値に設定するなど、全社で取得率向上に向けて取り組んでおります。
「働きがいのある職場環境」を実現するためには、福利厚生制度の充実だけではなく、従業員の資産形成支援も重要であると考えており、給与や賞与からの天引きで従業員が自社株を購入することができる従業員持株会を設け、毎月の拠出額に対して10%の奨励金を会社より支給しております。
また、2022年5月より従業員の労働意欲の向上や中長期的な企業価値向上への貢献意欲を従来以上に高めるためのインセンティブとして、従業員向け譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。
・人材育成及び社内環境整備
人材育成に関しては、従業員一人ひとりが目標を持って成長し続けていくために、計画的な教育・研修を実施しております。また、従業員の自律的なスキルアップの環境整備として、専門知識や専門技術並びに一般教養等の能力向上を目的とした自己啓発学習支援制度を当事業年度において導入し、受講費用の一部を経済的に支援しております。
(3)リスク管理
当社では、リスク管理委員会にてサステナビリティに関するリスクを洗い出し、目標に対する進捗や評価について報告・議論を行いながら、継続的にPDCAサイクルを回しております。
特に気候変動は、氷菓・アイスクリーム類の製造販売が中心の当社にとって特に重要な課題であり、事業活動に対して様々なリスク及び機会をもたらす可能性があることから、柔軟に対応していくことが重要であると考えております。また、リスクについては、異常な高温状態・風水害の増加による原料確保の困難化、さらなる電力料や運送コストの増加などが考えられます。
(4)指標及び目標
・気候変動
当社はCO2削減など定量的な数値目標は設定しておりませんが、物流拠点である豊栄工場においてはPPAモデルによる自家消費型太陽光発電を、アイスクリーム製造工場である新潟工場においては自己所有型太陽光発電システムを導入し、太陽光パネルによる遮熱効果と電力の再生可能エネルギーへの切り替えにより、CO2排出削減に取り組んでおります。また、上記2工場では、環境保護の一環として、冷媒をフロンガスからアンモニア・CO2を使用する最新の省エネ自然冷媒冷凍機ユニットへの入れ替えを行っており、今後も環境負荷軽減に向けた取り組みを進めてまいります。
・人的資本
当社は、2022年度策定の一般事業主行動計画(「女性活躍推進法」に基づく)において以下の目標を掲げ、各種施策に取組んでおります。
このような取り組みを重ね、持続的な成長と企業価値向上を目指すとともに、これらのリスクに対し柔軟な対応と当社がとるべき社会貢献と利益創出の最大化を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.食の安全性
当社は、お客様に安心・安全な製品をお届けするべく、製品の品質及び安心安全に対する取り組みを経営の最重要事項と考え、日々向上に努めており、製造工場である新潟工場及び三条工場ではISO22000:2005認証を取得しております。今後もさらなる品質保証・管理体制強化を図ってまいります。しかし、異物混入などによる不具合品の流通、製造工程において想定外の問題が発生した場合、製品の回収や製造の停止などのリスクが考えられ、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2.経済情勢・消費動向及び市場競争力
当社では、新製品開発力の強化を図り、お客様に安心・安全、魅力のある製品の開発を行うとともに、製造工場においてはコストダウンを図り、競争力ある製品製造に努めております。
しかし、当社製品を販売している市場は日本国内であり、国内における景気後退やそれに伴う需要の減少、消費動向に影響を与えるような不測の事態の発生、消費者の嗜好の変化・多様化等により、当社の業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
3.流通の変化と競合
当社の商品は、主に卸売業、小売業との継続的な取引に基づいて流通し、お客様のもとへ届けられております。しかし、これらの業界や一部特定企業の経営状態や販売政策等の変化によって、販売機会の喪失や販売価格に影響を与える可能性があります。
4.季節的要因及び気候的要因
当社は、事業の特性上、売上高が夏季期間に偏りがあり、特に第2四半期会計期間の売上高は他の四半期会計期間の売上高と比べ著しく高くなる傾向にあります。そのため、夏季期間において冷夏その他異常気象等が発生した場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
5.OEM供給のリスク
顧客企業へのOEM供給は、顧客企業の業績など当社が管理できない要因により大きな影響を受けます。顧客企業の業績不振、調達方針の変更、予期できない契約打ち切り、値下げ要求などが、当社の業績と財務状況に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が緩やかに改善しているほか、インバウンド消費の拡大等により回復の兆しが見られました。しかしながら、急激な為替相場の変動やウクライナ・中東情勢の長期化など、不安定な国際情勢により物価上昇が続き、個人消費の落ち込みが見られるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内食品業界においては、原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇に伴う商品価格の値上げが継続的に行われており、消費者の節約志向は依然として強く、今後も厳しい経営環境が続くことが予想されます。
このような状況の中、当社は、厳しい環境の変化に対応するため、「中期経営計画2027」において7つの戦略的推進事項と当社が目指すべき将来像を掲げ、全社一丸となって中期経営計画の達成に取り組んでまいりました。事業環境等に左右されることなく常に安定的な利益の確保に努める経営戦略と、全社員が自身と会社の成長を実感できる働きがいのある職場環境づくりを両立し、さらなる企業価値向上に取り組んでまいります。
当事業年度の売上高は、主力のアイスクリーム部門において、既存取引先への拡販等が順調に推移していることに加え、全国的に平年よりも気温が高かった影響等もあり、かき氷製品や新潟県内で高い知名度を誇る「もも太郎」等の氷菓を中心に自社ブランド品が好調に推移いたしました。月別では、7月~8月は全国各地の大雨・台風による悪天候や新潟県内の梅雨明けが平年より遅れた影響を受けたものの、製造コスト上昇に伴う自社ブランド品の価格改定が寄与いたしました。9月~11月はアイスクリームの売上が落ち込むことから例年閑散期であるものの、OEM売上が伸長したことにより好調に推移いたしました。この結果、売上高は4,484百万円(前期比5.3%増)となりました。
財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ114百万円増加し、当事業年度末の資金は329百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは34百万円の収入(前期は169百万円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益122百万円、減価償却費163百万円、売上債権の減少額71百万円、棚卸資産の増加額270百万円、未収消費税等の増加額23百万円、未払消費税等の減少額25百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは80百万円の支出(前期は531百万円の支出)となりました。これは主にアイスクリーム等製造に伴う設備投資による支出76百万円、無形固定資産の取得による支出4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは160百万円の収入(前期は3百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増額115百万円、社債の発行による収入100百万円、リース債務の返済による支出31百万円、配当金の支払額23百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおり冷凍食品製造事業の単一セグメントであり、生産、受注及び販売の実績につきましては、部門別に記載しております。
当事業年度における生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
当事業年度における仕入販売部門の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当社は、受注から引渡しまでの期間が短いため、受注実績の記載を省略しております。
当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 物流保管部門には、48,272千円の運賃収入を含んでおります。
2 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
主力のアイスクリーム部門において、既存取引先への拡販等が順調に推移していることに加え、全国的に平年よりも気温が高かった影響等もあり、かき氷製品や新潟県内で高い知名度を誇る「もも太郎」等の氷菓を中心に自社ブランド品が好調に推移いたしました。この結果、売上高は4,484百万円となりました。
各部門別の売上高については、以下のとおりであります。
(アイスクリーム部門)
当事業年度のアイスクリーム部門の売上高は、3,200百万円(前期比7.9%増)となりました。かき氷製品や新潟県内で高い知名度を誇る「もも太郎」等の氷菓や復刻発売した「ビバオール」を中心に自社ブランド品が好調に推移いたしました。また、OEM受注も堅調に推移し、新潟工場は高い稼働率を維持しております。
(仕入販売部門)
当事業年度の仕入販売部門の売上高は、672百万円(前期比1.3%減)となりました。観光需要の回復に伴い、ホテル・飲食店向けの業務用商品が好調に推移した一方で、一部取引先が仕入ルートをメーカーとの直接取引等に変更したことによるものです。
(和菓子部門)
当事業年度の和菓子部門の売上高は、374百万円(前期比2.2%増)となりました。和菓子部門の主力製品である新潟銘菓「笹だんご」が僅かに減少したものの、大福のOEM受注が増加したことによるものです。
(物流保管部門)
当事業年度の物流保管部門の売上高は、237百万円(前期比2.0%減)となりました。冷凍品の保管需要は依然として高いものの、季節ごとに需要が大きく変動することから、効率的な保管スペースの確保が課題となっております。
売上原価は、原材料価格やエネルギーコストの高止まりや人件費の高騰等により製造コストが上昇傾向にある中で、製造ロスの削減など原価改善活動に努めたことにより、3,616百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、売上高の増加に伴う運搬保管費の増加や人件費の高騰等により、771百万円となりました。この結果、営業利益は96百万円となりました。
営業外収益は、主に土地の不動産賃貸料13百万円、営業外費用は、主に短期借入金の支払利息13百万円を計上しております。この結果、経常利益は123百万円、当期純利益は119百万円となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ368百万円増加し、3,289百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加額114百万円、売掛金の減少額71百万円、商品及び製品の増加額249百万円等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は前事業年度末に比べ252百万円増加し、1,893百万円となりました。これは主に短期借入金の増加額115百万円、社債の増加額100百万円、リース債務の増加額44百万円等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末に比べ115百万円増加し、1,395百万円となりました。これは主に繰越利益剰余金の増加額95百万円、その他有価証券評価差額金の増加額16百万円等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく数値は、当社における過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる事項に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
財務諸表の作成のための重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社における資金需要の主なものは、原材料仕入、商品仕入のほか、生産効率化のための設備投資や情報化投資等であり、その資金は、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入、社債の発行により調達しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
該当事項はありません。
当社は、食品製造業として、アイスクリーム、和菓子等の分野において、新製品開発や既存製品の改良、品質の向上等を研究するため製品開発室を設置しております。当事業年度においては、新製品11品、リニューアル4品を発売いたしました。今後の活動につきましては、引き続き製品開発室を中心とした製品開発委員会で、安心・安全でおいしい製品をお客様目線で開発し、魅力ある「高付加価値製品」の創作に取り組んでまいります。