当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「正直を売る」を基本理念として「お客様に、鮮度・品質・価格において満足される商品を提供すること」また「取引先、地域社会、従業員に対して信頼される企業グループであり続けること」を経営の基本方針としております。
当社グループはこの基本方針のもと、「より良い商品をより安く」提供しつづけることをモットーに、お客様、株主の皆様及び取引先の期待に応え、より豊かな社会の実現に貢献したいと考えております。
(2) 経営戦略等
当社グループをとりまく経営環境が非常に厳しい中にあって、以下の戦略を継続し事業拡大・収益力アップを図ってまいります。
① 1都3県でのドミナント化によるシェアの拡大
当社グループは、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)を中心に出店を行ってまいります。これは、購買力の高い地域に経営資源を集中させ効率的な商品供給体制を作る事により、お客様に、他社と差別化できる、より低コストで良い商品を提供し、シェアの拡大を図るためです。
② ローコストオペレーションとキャッシュ・フロー重視
ローコスト運営を徹底させるために、費用対効果を第一義に考え、投資の適正配分と、経費コントロールを実施してまいります。併せて、在庫日数の短縮とロス率の改善を図り、収益力アップと共に、キャッシュ・フローを重視した運営を行ってまいります。
③ 専門店を指向した業態戦略
業態といたしましては、食品事業、ディスカウント事業、専門店事業の3区分を事業の基本とし、より多様化するお客様のニーズに応え、各店舗の収益力と集客力の向上を図っております。
食品事業につきましては、店舗を小型店と大型店に分類して、店舗規模に応じた最適な運営を行い、一層お客様のニーズに応える体制とするとともに、製造と販売の機能と役割を明確化したうえで製造業務の効率性をさらに高めることにより製造原価の低減を図るとともに、仕入原価並びに関連コストの削減を図ることにより原価率の改善を進めてまいります。
ディスカウント事業につきましては、付加価値の高い独自商品を開発し、従前以上に価格競争力を強化しつつ、ローコスト運営を徹底してまいります。
専門店事業につきましては、㈱ユアペティア、㈱おうちDEPO、㈱サイクルオリンピックの3社を中心に進化させ、積極的に単独店舗としても出店してまいります。
④ グループの効率的運営と業容拡大施策
当社グループは、継続的な利益の確保と運営の効率化を図るため、2006年9月1日より、当社を持株会社とする持株会社制となっております。今後も経営の効率化を図るため、会社組織・事業分類の再編を推し進め、安定した収益確保を目指します。
また、投資活動におきましても、業容拡大のため既存店の改装・新規出店等の設備投資を行うと共に、持株会社制の利点を活かし、有効なM&Aも活用してまいります。
(3) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境におきましては、少子高齢化による労働力の減少や人件費の高騰、業種・業態の垣根を越えた顧客獲得競争の激化に加え、お客様の価値観が一層多様化し、売場環境も激しく変化するなど一層の厳しさが増すものと想定しております。
このような環境の中、当社グループにおきましては、お客様のライフスタイルや消費行動の変化を注視し、地域社会のライフラインを守るために安定した商品供給に努めてまいります。
同時に、EDLP政策を継続するとともに独自商品の拡大を進め、店舗規模や地域特性に応じて、専門店事業への業態の見直しを含めた臨機応変な事業展開を行うことにより、営業力を強化してまいります。
また、作業改善による店舗運営効率の改善とともに、グループ間における業務の効率化を進め、ローコスト運営を徹底してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2025年度の日本経済は、緩やかな回復が見込まれるものの、物価上昇や海外経済の動向など、不明確な要素も抱えており、小売業界では厳しい経営環境が続くものと思われます。このような環境の中で、当社グループでは一層の経営効率の改善と次なる成長への基盤確立を目指してまいります。
食品分野におきまして、㈱Olympic・㈱OSCあまいけ・㈱三浦屋の3社は、統合による高いシナジー効果創出に向けて連携して商品力の強化に取り組んでまいります。㈱Olympic(食品部門)では製造業務の効率性をさらに高めるとともに季節や地域のお客様ニーズに対応した商品構成の見直しを伴う売場の改装を行うなど、既存店舗の集客力の向上に努め、お客様が買い物しやすい店づくりを進めてまいります。㈱OSCあまいけでは商品力を強化し、販売力強化をするとともに、自動発注システム導入などで業務効率化を推進してまいります。㈱三浦屋では、集客力向上策として毎月恒例の「地方フェア」を充実させ、地域ならではの銘菓や旬の味覚を積極的に展開してまいります。同社の外販部門では、賞味期限切迫品の販売規範を策定し、更なる食品ロス削減に取り組みながら、病院・老健施設・保育園に栄養と安心安全を大事にした献立の提案をすることにより、新規顧客の開拓に努めてまいります。
ディスカウント分野におきましては、家電から生活雑貨、さらにはインテリア、衣料品、スポーツ、アウトドア、そのほか靴やバッグなど多種多様な商品をいつでも揃えられるお店として引き続き多くのお客様のニーズに応えて行くとともに、店舗改装、レイアウト変更等を通じてお客様がお買い物しやすい売場づくりを進めてまいります。
専門店分野におきましては、ペット専門会社の㈱ユアペティアでは、専門的知識を持つ㈱動物総合医療センター、㈱ユアペティア・サロンとの連携により、商品開発やサービスの更なる向上を図り、ペットに関する総合サービスを提供することで「ゆりかごから旅立ちまで」ペットオーナーのインフラとなる企業を目指してまいります。
DIY・ガーデニング専門会社の㈱おうちDEPOでは、職人さんにとって便利でお得なお店として、職人さんの求める品揃えを追求し、早朝営業、お声掛け、商品の積込サービス、資材カットサービス等を行うと同時に、一般のお客様が気軽にお買い物いただけるようなお店づくりにも努めてまいります。
住宅設備専門会社の㈱OSCホームファシリティでは、「お客様のお困りごと解決」をコンセプトとして、住宅の電気・ガス・水回り・外装、内装工事を中心としたリフォーム工事を、お客様に寄り添って快適な住まいを実現するお手伝いをしてまいります。
自転車販売会社の㈱サイクルオリンピックと自転車企画製造会社の㈱OSCサイクルでは、独自商品の「Root One」・「FREE POWER」・「ReaLine骨盤トレーニングサドル」の販売強化に加え、商品のPB化・OEM化をさらに推進し、他社との差別化を強化することで、より一層の独自性を打ち出してまいります。
なお、今後の事業成長のために顧客増加策を積極的に展開するとともに、お客様のニーズを的確に把握し、それに伴った商品を提供するための売場を展開していくために「OSC倶楽部」として会員制度を設立し、モバイルアプリを導入することによるポイント制度を導入すべくシステム開発を始めております。今後は会員様の購入履歴およびご利用状況等のデータを詳細に分析したうえで、その結果をサービス品質の向上に活用してまいります。
また持続可能な社会の実現に向けた取り組みとしてエネルギー効率の向上を目指し、省エネルギー性能に優れた冷凍・冷蔵設備や照明設備・太陽光発電を導入するとともに、EMS(エネルギーマネージメントシステム)による電力使用の最適化を図ることで、エネルギーの効率的な利用を推進し、資源の有効活用と環境負荷の低減を目指しております。また、食品廃棄物削減の取り組みとして、肥料・飼料・メタンへのリサイクルを推進し、循環型社会の実現に貢献しながら、社会の持続的な成長に貢献してまいります。
これらの課題への取り組みを通じ、当社グループの基本理念である「正直を売る」をお客様への変わらぬお約束とし、「Olympicの商品だから、安心して買える、信頼できる」とのご評価をいただけるようグループ全社全従業員が一丸となって取り組むことで、企業価値の向上に努めてまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、当面の目標として営業収益2,000億円を達成することとしております。
また、規模の拡大と併せて、より一層重視する項目として収益力の向上を目指しており、営業収益経常利益率10%を実現することを目標としております。
当社グループは「正直を売る」を基本理念として「お客様に、鮮度・品質・価格において満足される商品を提供すること」また「取引先、地域社会、従業員に対して信頼される企業グループであり続けること」を経営の基本方針としております。
当社グループはこの基本方針のもと、「より良い商品をより安く」提供しつづけることをモットーに、お客様、株主の皆様及び取引先の期待に応え、より豊かな社会の実現に貢献したいと考えております。
また、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方として、サステナビリティに関する取り組みを、社会貢献にとどまらず中長期的な企業価値向上のための重要課題と位置づけております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社では、中長期的な企業価値の向上のために、サステナビリティに関連するリスク及び機会に対処するためのガバナンス体制の構築は重要な課題と認識しており、今後、サステナビリティを巡る課題に適切に対応していくための体制整備や基本方針の策定に努めてまいります。
なお当社は現段階においてサステナビリティ関連とその他のコーポレート・ガバナンス体制の区別はしておりません。現状のコーポレート・ガバナンス体制の概要については
(2)戦略
当社の事業活動に関連するテーマとして、二酸化炭素排出の削減、資源の有効活用、働きがいのある職場環境の実現に取り組んでまいります。
①二酸化炭素排出の削減
店舗等の事業所への省エネ設備の導入、太陽光発電設備の設置等
②資源の有効活用
食品の製造・販売経路における食品ロスの削減、プラスチック容器等の削減及びリサイクル等
③働きがいのある職場環境の実現
ITシステム導入による業務改善、能力開発研修の充実等
また、人的資本への投資につきましては、専門部署として人財開発部を設置し、効果的な人材育成施策を策定・実施しております。さらに知的財産への投資につきましては、独自商品の開発、ブランド価値の向上を図る観点から、特許・商標等の取得を積極的に行っております。
(3)リスク管理
当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理するためのプロセスを個別に定めておりませんが、現状のリスク管理体制の詳細は、
(4)指標及び目標
当社では、現状において人材の育成及び社内環境整備に関する方針の指標並びに当該指標を用いた目標を定めておりませんが、当社が中長期的に成長を続けていくためには、優秀な人材の確保、育成並びに生産性の向上が不可欠であると認識しており、具体的な指標及び目標については今後の当社の重要な課題として継続的に検討を進めてまいります。
なお、当社では上記(2)戦略の③働きがいのある職場環境の実現 に記載しております人財育成施策として当該年度に下記の研修を行っております。
|
分類 |
研修名 |
対象者 |
開催数 |
のべ参加数 |
|
階層別 |
経営マネジメント塾 |
新任役員 |
3回 |
18名 |
|
階層別 |
新任店長・GL研修 |
新任管理職 |
1回 |
20名 |
|
階層別 |
主任候補者研修 |
入社3年目社員 |
1回 |
37名 |
|
フォローアップ |
1~3年目フォロー研修 |
入社1~3年目社員 |
5回 |
237名 |
合わせて自己啓発の一環として業務スキル習得のための通信教育を設定しており、当該事業年度の受講者は6名となっております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループの事業等については以下の事項以外にも様々なリスクが考えられ、ここに記載された項目がすべてではありません。
また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 景気動向及び同業他社との過当競争による影響について
小売業全体といたしましては、オーバーストア状態は変わらず、同業他社との激しい競争に直面しております。また、世界的な経済の状態と、それに伴う雇用情勢の変化等が、個人消費の動向に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、鮮度・品質・価格の商品力、販売力の強化によって他社との差別化を図っておりますが、当社グループの経営成績は、景気及び個人消費支出の動向並びに同業他社との競争による影響を受ける可能性があります。
(2) 店舗の出店に対する法的規制等について
当社グループは、引き続き関東の1都3県を中心に出店してまいります。
小売業に対する法規制には2000年6月1日に施行された「大規模小売店舗立地法」(以下「大店立地法」という)があります。出店に際しては、店舗面積1,000㎡を超える新規出店並びに増床について「大店立地法」による規制が行われます。周辺の地域の生活環境の保持の見地から出店に関しての営業諸条件が規制される可能性があり、当社グループの今後の出店計画に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 借入金の金利の変動について
当社グループは、金融機関より借入れをしており、現行の金利水準が大幅に変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 減損会計について
当社グループは、減損会計が適用される資産を保有しており、今後の地価の動向や各店舗の業績の推移によっては減損損失が計上され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 敷金及び保証金等のリスクについて
当社グループの出店については、自社所有物件を除き、ディベロッパー又は出店土地所有者に対し、敷金、保証金又は建設協力金として資金を差入れております。そのため、資金差入先の財政状態により差入れた資金の一部又は全額が回収できなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 食品の安全性について
当社グループでは、お客様に安心して食品をお買い求めいただくために、食中毒の未然防止、食品の検査体制の充実、商品履歴の明確化に努めておりますが、万が一、食中毒の発生、加工食品の原材料汚染、牛肉のBSE問題、鳥インフルエンザ、産地偽装、放射能汚染に係る風評等の不可抗力的な事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害・事故・感染症等について
当社グループは、小売業を主とする多店舗展開を行っておりますが、自然災害や火災等の事故、感染症等の拡大により、店舗の継続営業に支障をきたす可能性があります。この場合、当該被災店舗の営業活動を一時休止せざるを得ない状況も予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、直接的な被災が無かった場合においても、自然災害や事故等によりライフラインに打撃を受けた場合の復旧状況や、感染症等の拡大による「緊急事態宣言」の発令によっては営業活動に制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、小売事業の割合が高く、小売事業以外の事業に関しては重要性が乏しいと考えられるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気は緩やかに回復しているとされる一方で円安や資源高により物価の上昇基調が続いており、先行き一段の物価上昇圧力が強まるとともに、米国の今後の政策の不確実性や世界的な金融引締めによる景気への影響が懸念され、本格的な景気回復及び消費喚起についてはいまだ不透明な状況が続いております。
小売業におきましては一部にインバウンド需要の増加はあったものの、物価高騰の影響で個人消費は依然として低調に推移しております。また、不安定な国際情勢を背景とした円安や原材料・エネルギー価格の高止まり、食料品及び消費財の値上げが続いていることから実質賃金の減少が続いており、節約志向の動きが強まっていることが個人消費回復の足かせになっていると考えられ、異業種・異業態との競合・価格競争も一層加速しております。これに加えて労務費や物流費の上昇もあり、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いております。
このような環境のなか、当社グループではお客様のニーズにお応えしつつ、一層の経営効率の改善と次なる成長への基盤確立を目指して様々な施策を実施してまいりました。
食品分野におきましては、業務効率化を目的として、㈱Olympic・㈱OSCあまいけ及び当期に完全子会社化した㈱三浦屋のシステム統合をいたしました。㈱Olympic(食品部門)では、製造と販売の機能と役割を明確化し、製造業務の効率性を高め、製造原価の低減、仕入原価並びに関連コストの削減を図ることにより原価率の改善を進めてまいりました。㈱OSCあまいけでは、㈱OSCベーカリー・㈱オー・エス・シー・フーズの商品を導入することにより品揃えの強化を図り、競争力を上げてまいりました。㈱三浦屋では、費用対効果を考慮した集客・販売計画を推進し、効果的なMDに取組んでまいりました。同社外販部門(給食事業)では、月毎の行事食、春夏秋冬の季節の食材を用いた商品を拡販すること、また、地元産の食材を使用した商品の開発にも取り組んでまいりました。
ディスカウント分野におきましては、日用必需品を中心とした品揃えにより、季節や地域のお客様のニーズの変化に対応して、商品構成の見直しを伴う売場改装を行うなど、既存店舗の集客力の向上に努めたうえで、店舗運営の効率化などによるコスト削減により経営効率を改善してまいりました。
専門店分野におきましては、ペット専門会社の㈱ユアペティアでは、動物病院を経営する㈱動物総合医療センターと連携した総合サービスのペットショップとして業務展開するとともに、ご来店いただいたお客様に高いご満足を提供できるよう、㈱ユアペティア・サロンにトリミング・ペットホテル事業を移管し、役割と機能を明確にすることでサービスの向上に努めてまいりました。また、デジタルサイネージの導入、ペットイベントへの出店等、認知度向上を目指し新たな挑戦をスタートしました。
DIY・ガーデニング専門会社の㈱おうちDEPOでは、職人さんにとって便利な店をコンセプトとし、プロのお客様のきめ細かい需要に応えてまいりました。
また、住宅設備専門会社の㈱OSCホームファシリティでは、エアコンの取付けや電気・ガス・水回りなどの住宅設備機器の販売と設置を行う専門店「住まサポ」を、今年度に7店舗新規出店を行い17店舗まで拡大するとともに、㈱おうちDEPOと協同して外構・内装工事などの住まいのリフォーム事業を強化してまいりました。
自転車販売会社の㈱サイクルオリンピックと自転車企画製造の㈱OSCサイクルでは、独自商品「FREE POWER」および「Root One」に加え、一般自転車のPB化・OEM化を推進し、独自商品のラインナップを拡充してまいりました。これにより、店舗販売の強化を図るとともに、ECサイトの充実を進め、他社との差別化を推進しております。今後も、競争力のある商品展開を行い、市場における優位性を確立してまいります。
これらの方針に基づきながら、厳しい経営環境の中でも事業の成長・拡大を目指して新規出店を積極的に推進いたしました。食品分野におきましては2024年6月に「Olympic朝霞泉水店」(埼玉県朝霞市)、2024年11月に「Olympic荒川一丁目店」(東京都荒川区)を出店いたしました。 専門店におきましては㈱OSCファストフードサービスが2024年7月にOSCデオシティ新座の店内にウェルピックを出店いたしました。また㈱OSCホームファシリティは「住まサポ」を2024年3月に小金井店、2024年6月に川崎鹿島田店、2024年8月に三ノ輪店、2024年9月に梅島店、朝霞台店、高井戸店、洋光台店をOlympicの店内へ出店いたしました。
これに加えて新規出店だけでなく既存店の売場改装を行い、業容拡大に向けて積極的な営業活動を行ってまいりました。
管理面では、前年に続き高い水準の賃上げを実施したうえでグループ全体を通じた店舗運営における作業改善による業務の効率化を進め、費用対効果を検討しながら徹底した経費の削減に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ47億20百万円増加し、697億23百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ53億49百万円増加し、445億68百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ6億28百万円減少し、251億55百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高に営業収入を加えた営業収益は986億38百万円(前期比8.5%増)、営業総利益は373億8百万円(前期比6.9%増)となり、買収関連費用の計上もあり営業利益は51百万円(前期比73.1%減)、経常損失は1億64百万円(前期は51百万円の経常利益)となり、減損損失を計上したこと等により税金等調整前当期純利益は1億95百万円(前期は4億82百万円の税金等調整前当期純損失)、法人税等を計上した結果親会社株主に帰属する当期純損失は67百万円(前期は4億77百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、EBITDA(営業利益+減価償却費及びのれん償却費)は23億21百万円(前期は23億16百万円)でありました。
また、提出会社の経営成績におきましては、当社は2007年2月期に会社分割による持株会社体制に移行したため、各事業子会社からの配当収入、不動産賃貸収入、管理受託収入等が収益の中心となっており、当事業年度の経営成績は、営業収入は138億35百万円(前期比3.0%増)となり、営業利益は11億88百万円(前期比17.9%増)、経常利益は10億64百万円(前期比11.5%増)、当期純利益は10億80百万円(89.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、37億24百万円と前連結会計年度末に比べ13億22百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6億49百万円(前連結会計年度は17億77百万円)となりました。
これは税金等調整前当期純利益1億95百万円に対して、減価償却費の計上が20億52百万円、投資有価証券売却益の計上が4億54百万円、棚卸資産の増加額が9億25百万円あったこと等が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、36億5百万円(前連結会計年度は21億17百万円)となりました。
これは有形固定資産売却による収入が5億52百万円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が14億72百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が22億47百万円あったこと等が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、42億78百万円(前連結会計年度は1億65百万円)となりました。
これは長期借入金の返済による支出が60億32百万円、配当金の支払いが4億58百万円あった一方で、長期借入による収入が86億57百万円、セール・アンド・リースバックによる収入が25億66百万円あったこと等が主な要因であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは小売事業の割合が高いことから、セグメント別ではなく商品種類別の売上高を記載しております。
販売実績
当連結会計年度の部門別の売上高は、次のとおりであります。
|
部門の名称 |
売上高(百万円) |
構成比(%) |
前期比(%) |
|
食品部門 |
60,206 |
65.8 |
118.8 |
|
非食品部門 |
31,351 |
34.2 |
92.5 |
|
合計 |
91,557 |
100.0 |
108.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ、47億20百万円増加し、697億23百万円となりました。
流動資産は33億19百万円増加し、196億60百万円となりました。これは主に現金及び預金が12億21百万円増加し、商品が11億76百万円増加したことによるものであります。
固定資産は14億円増加し、500億63百万円となりました。これは主にのれんが11億14百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ、53億49百万円増加し、445億68百万円となりました。
流動負債は11億28百万円増加し、282億6百万円となりました。これは主に買掛金が4億17百万円増加、短期借入金が5億74百万円増加したことによるものであります。
固定負債は42億20百万円増加し、163億61百万円となりました。これは主に長期借入金が23億45百万円増加、長期リース債務が17億30百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ、6億28百万円減少し、251億55百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと、配当金の支払いにより利益剰余金が減少したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.6ポイント下がり、36.1%となりました。
b.経営成績
(営業収益)
営業収益は、原材料価格の上昇やエネルギーコストの上昇により、景気の先行きの不透明感が依然として高く、消費マインドが低下するなか事業の成長・拡大を目指した新規出店及び、買収による新規連結効果もあり、前連結会計年度に比べ8.5%増の986億38百万円(売上高は8.3%増の915億57百万円)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、独自性のある商品で店舗の魅力を高めると同時に、従来からのチラシに頼らず毎日お求めやすい価格で商品をご提供し続けるEDLP政策を継続しながらも、食品分野におきましては製造業務の集中化による生産性の向上を進めて利益率の改善を目指しましたが、売上総利益率は0.7ポイント悪化いたしました。売上総利益は前連結会計年度に比べ6.0%増の302億27百万円となり、営業総利益は前連結会計年度に比べ6.9%増の373億8百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、グループ全体を通じて店舗運営の効率化を進めながら生産性の向上に努めるとともに、原材料価格やエネルギー価格の高止まり等の影響等を見据えて可能な限り経費の削減を進めましたが、買収による新規連結及び買収関連費用の一括計上もあり、前連結会計年度に比べ7.4%増の372億57百万円となりました。
(営業利益、経常利益)
営業利益は、前連結会計年度に比べ73.1%減の51百万円になりました。
経常損失は、1億64百万円(前期は51百万円の経常利益)になりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は、投資有価証券売却益4億54百万円を計上した一方で、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき2億29百万円の減損損失を計上したこと等により、67百万円(前期は4億77百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動における運転資金は、主に日々回収されます売上金と自己資金によって賄われており、グループ各社の資金運用を効率的に行うため、各社が作成した資金繰り計画を親会社がコントロールしております。
また、設備やM&A等の投資に関する資金につきましては、自己資金の利用に加え国内の金融機関からの借入れ並びにリースの活用等により資金調達を行っており、当連結会計年度末の有利子負債の残高は323億86百万円となりました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 「(1)連結財務諸表」注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。