第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、2025年4月14日開催の取締役会において、当年度の具体的な取り組み事項を示す「2025年度テイツーグループ成長戦略」の策定について決議を行いました。

 

1.グループビジョン、経営方針及び事業領域

当社は、2021年期初に長期的な当社グループの目指す方向について、「リユースで地域と世界をつなぐ」をグループビジョンとして掲げました。このビジョンには、リユースを中核事業と捉え、リアル店舗に加えてECや地方創生活動により出店エリア外の地域にも活動領域を拡大し、やがてリユース品を中心とした出店とEC展開を海外に向けて発信することで持続可能な社会づくりに微力ながら貢献したいという気持ちが込められております。

本年度からは、これまでの実績をもとに当該グループビジョンを立体的に捉えて進化させた『リユースで地域と世界をつなぐ 〜360度リユース〜』を提唱してまいります。

「360度リユース」とは、当社グループがリユース品を取り扱う事業活動にとどまらず、当社グループが関わる地方創生活動(まちづくり・地域ブランディング・関連する企業/団体の再生)を通じて関わるすべてのステークホルダーに「満足」を届けることを目指す全方位的な戦略です。

 

2.事業領域ごとの戦略

グループビジョンの実現に向けて、これまで当社は「リユースを拡大する、EC領域に注力する、経営基盤を強化する」の3点を経営方針として示し、当社が取り組む事業領域を、リユース店舗領域、リユースEC領域、リユースBtoB領域、グローバル領域、IPビジネス領域の5領域と識別して、それぞれに経営資源の配分を行ってまいりました。2025年度に、各事業領域において取り組む成長戦略は次のとおりです。

 

(1) リユース店舗領域

① ショッピングモール出店

集客力が極めて高く、初期出店コストが低いモール出店を展開することにより、既存のロードサイド店舗でご支持いただいているお客様とのコミュニティをさらに拡大します。

② 地方ロードサイド出店

販売チャネルの拡大に合わせて、未開拓エリアでの買取強化を推進します。

③ 商材多様化の推進

当社が扱う主要取扱商材の将来的な市場縮小も見据えながら、個別取扱商材の入れ替えや自社商材多様化の取り組みを引き続き推進します。

④ 店舗DXの推進

店舗オペレーション負担の軽減と労働環境の改善を意図して、買取のポイント払いや運営実務の一部電子化等への取り組み、各種商品管理にかかるシステム投資を継続します。

 

(2) リユースEC領域

① 山徳社の営業拠点集約によるEC事業強化

100%子会社山徳の営業拠点を集約し、当期よりさらなる事業強化を図ります。

② 商品調達力の強化

前期までに「ふるいちオンライン」等の単体EC事業について通期黒字化を実現したことから、今後は商品ラインナップを強化することで一層の事業拡大を指向してまいります。そのためには、全社の買取能力を強化することが求められます。それを実現するために、新たな出店戦略による買取チャネルの拡大に取り組み、総合的な事業バランスの構築を推進してまいります。

 

(3) リユースBtoB領域

① オリジナルビジネスツールの拡販

自社オリジナルビジネスツールのトレーディングカード読取査定機「TAYS(テイズ)」、トレーディングカード在庫検索機等の拡販に継続して取り組みます。

② フランチャイズ業務委託取引の拡大

自社オリジナルビジネスプラットフォームとして蓄積してきた、商品・店舗運営・システム・物流の各種ノウハウを活用した、フランチャイズ業務委託取引の拡大にチャレンジします。

 

(4) グローバル領域

① 海外出店

これまでの国内事業展開のノウハウを生かして、ビジネスパートナー企業との連携を視野に海外実店舗の出店と催事活動等を展開してまいります。

② 商品供給

国内での活動にとどまらず、国内調達した商品を海外にも効果的に展開することで、顧客コミュニティの拡大を指向します。

 

(5) IPビジネス領域

① IPビジネスの展開

当社のビジネスモデルと高いシナジーを持つ出版物等の知的財産権を活用したIPビジネス商品の取り扱いに引き続きチャレンジしながら、関連する企業との連携を強化・推進してまいります。

 

(6) その他の主要な取組事項

① M&A戦略の推進

当社グループの主力ビジネスであるリユースまたはエンターテインメント事業の成長を、より一層加速させるために関連企業との資本提携や業務提携等様々な連携の在り方を模索してまいります。

② 人財育成施策の実施

直営店舗の出店加速に対する人財育成を意図した店長育成施策の抜本的な改善実施や次世代経営者人財育成施策の実施等、成長を加速させるために人財に対する投資を継続実施します。

③ テイツーグループSDGs宣言に基づく取り組み

グループビジョン定義の一節である「リユースを通じて社会貢献を果たす」を踏まえて、2023年4月に公表した「テイツーグループSDGs宣言」に基づき、本業であるリユース事業を成長させることを通じて、持続可能な社会の実現へ向けて、社会貢献を果たしてまいります。

 

当社グループは、こうした一連の『リユースで地域と世界をつなぐ 〜360度リユース〜』の活動を通じて、会社活動と社会活動がシンクロする未来を引き続き創造してまいります。

 

3.指標となる数値目標

2024年4月に公表した2029年2月期末の目標数値である、売上高500億円、営業利益25億円を引き続き中長期目標数値として設定しております。

 

(単位:百万)

2025年2月期
(実績)

2026年2月期
  (2025年4月公表予値)

2029年2月期
(2025年4月公表目標値)

売上高

36,477

40,000

50,000

営業利益

911

1,100

2,500

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、「満足を創る」を経営理念とし、「満足を創る」ことで社会に貢献することを使命としております。経営理念を踏まえて、本業であるリユース業等を通じて社会貢献するため、当社グループもSDGsの考えに賛同し、「誰一人取り残されない」持続可能な世界の実現を目指し、目標達成に向けて出来ることから一つずつ、着実に取り組みを進めてまいります。

当社グループのサステナビリティに関する重要な課題やリスクについては、取締役会にて審議・決議しております。

当社グループでは、取り組みを推進するにあたり、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視、または管理するための過程、統制及び手続等の体制をコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。コーポレート・ガバナンスの詳細は、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](1)[コーポレート・ガバナンスの概要]」をご参照ください。

 

(2) 戦略

短期、中期及び長期にわたり会社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処する取り組みについて、当社グループでは、従前からの取り組み実績や、業界・取引先の取り組み、社会情勢等を踏まえ、社内協議を経て当社グループとしての重点取り組み課題(マテリアリティ)を以下のとおり決定しております。

環境(Environment)

重点課題(マテリアリティ)

SDGs目標

1.脱炭素への取り組み

7.

エネルギーをみんなに そしてクリーンに

2.エネルギー効率化

12.

つくる責任 つかう責任

3.廃棄物の発生抑制

13.

気候変動に具体的な対策を

 

15.

陸の豊かさも守ろう

 

社会(Social)

重点課題(マテリアリティ)

SDGs目標

1.社会的な包摂の促進

1.

貧困をなくそう

2.質の高い教育機関の創出

4.

質の高い教育をみんなに

3.廃棄物の発生抑制

5.

ジェンダー平等を実現しよう

 

10.

人や国の不平等をなくそう

 

地域(Region)

重点課題(マテリアリティ)

SDGs目標

1.地方創生の実現

8.

働きがいも 経済成長も

2.地域活性化への貢献

9.

産業と技術革新の基盤をつくろう

 

11.

住み続けられるまちづくりを

 

17.

パートナーシップで目標を達成しよう

 

ここから導かれるテーマとして次のとおり2つ設定し、これらテーマに沿って課題解決への取り組みを推進いたします。

①循環型社会実現への貢献

リユース業として、脱炭素および循環型経済(サーキュラーエコノミー)を目指す社会の実現に次のような点で貢献します。

・リユース業を通し、ゲームソフトやCD、DVD、トレカ、本、ホビー等様々な商品の処分に伴うCO2排出量削減に貢献

・取扱商品の多様化により、多くの種類の商品のリユースを推進することで資源の循環的利用を促進

・コミックなどの本、CD、DVD、ゲーム、ホビーなどを買い取り選別して国内外へ販売することで廃棄物の発生抑制に貢献

 

②地域社会・経済への貢献

人を呼ぶ・人を集める様々なエンターテインメントコンテンツを通し、「地域活性化」「地方創生」への様々な働きかけを行い、ともに経済成長を目指し、社会的包摂の実現や質の高い教育機会の実現に貢献します。

(ⅰ)社会的な包摂の促進

・産官学民と連携してeスポーツ普及活動を実施することで不登校の子供たちや引きこもり、障がいのある人たちの活躍の場を創出。

・店舗で余剰品となり従来廃棄していた商品を提供し障がい者自立支援活動に貢献。

・特定非営利活動法人岡山県社会就労センター協議会「岡山セルプセンター」を通じて、県内障がい者自立支援事業所の商品仕入れ、古本市場での店頭販売を実施。

・障がい者の多機能型事業所を運営する、株式会社ありがとうファームのパートナー企業として、廃棄対象商品を活用した「おもちゃ市」を定期開催。障がい者の所得環境の改善、地域の子どもたち、恵まれない家庭の子どもたちの笑顔を創造するプロジェクトを推進。

(ⅱ)地域活性化への貢献

・岡山県真庭市の小学校再生プロジェクトに参画し、2019年3月に閉校した旧二川小学校にマンガ本10万冊を寄贈し、「ふるいち二川マンガ館」として、地域に愛された学校施設の運営をサポートしている。

・「トキワ荘マンガミュージアム」のある東京都豊島区の商店街との連携事業として、エンタメ商品の原点であるマンガの聖地:トキワ荘マンガミュージアムに隣接した当社店舗を、地域の皆様のご協力のもと出店。2023年度にはコーヒー等の飲料を飲みながら店内の古書を楽しんでいただくことができる「ふるいちトキワ荘通り店『蔵』」をオープン。店内には無料Wi-Fiを完備する等、来店者へのサービスも強化。マンガ文化を全国で発信する「ふるいち」の聖地及び世界に向けた発信拠点として活動に注力し、地域に新たな観光名所が創出され観光客の来訪、地域経済やまちの活性化に貢献している。

・地域・行政・学校と事業者との仲介役を担っており、ビジネスマッチングを実現、地域経済の発展に寄与。

(ⅲ)質の高い教育機会の実現

・日本eスポーツ連合地方支部の一般社団法人岡山県eスポーツ連合のパートナー企業として、県下の高校生を対象とした全国初のeスポーツリーグの大会を支援している。同大会では、競技によるポイントに加え、マナーポイント(減点のみならず加点もあり)も順位に反映されることになっており、大会を通じて、「教育(学び)」「平等・公平」「地方創生」の精神が育まれる機会の創出が期待される。

・中四国最大級の規模となる「OKAYAMA esports Festival2022」を岡山県eスポーツ連合と連携して開催。同団体がスポンサーを務める岡山県高校生eスポーツリーグの関係者や県内の大学生、専門高校岡山ビジネスカレッジの生徒とともに運営を実施。プレー参加だけでなく、裏方を務める学生にも、大会を通じて「教育(学び)」「平等・公平」「地方創生」の精神が育まれる機会を創出。次年度以降も継続して関連イベントのサポートを実施。

・岡山ビジネスカレッジにおいて、中四国専門学校初のeスポーツ専門学科を完全バックアップする超実践カリキュラムの作成、プロプレイヤーによる授業及びeスポーツビジネスやITスキルなどを総合的に学べる環境整備への貢献を目指す。

(ⅳ)地方創生に向けた活動

・eスポーツイベントを単なる競技や体験で終わらせることなく、不登校の子ども達や引きこもりや障がいのある人、養護学校生、高齢者に対象を広げ、フレイル対策や認知症予防、健康増進を目指し、社会的包摂促進を指向。

 

 

人的資本・人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。

人的資本への対応

当社では「満足を創る」の経営理念を元に、男女問わず社員一人一人の満足が実現できるよう、人事評価制度や働きやすい環境づくりを通じて、全ての社員へ満足できる環境の実現に努めてまいりました。

人事評価制度においては、報酬と役割定義を連関させた定義表を設け、社員のモチベーションを向上させる透明性のある制度運用を行っております。また、人事ポリシーを『一人ひとりの自律的な成長へのチャレンジが、テイツーの原動力』と定め、年功序列ではない全ての社員の努力を評価する納得性の高い人事制度を志向しております。

施策として、社員の成長を支援するオンデマンド型のe-ラーニング、パート・アルバイトスタッフのステップアップを支援する社員登用制度・契約社員登用制度を導入しており、自発的な成長意欲を会社として受け入れる体制が作られております。昨年からは「店長育成プログラム」と呼ばれる若手向けのクラスアップ支援研修もスタートし、永続的な会社の成長にリンクした施策も始まりました。

働きやすい環境づくりの取り組みにおいては、長期に渡って勤務した社員に対して付与される「リフレッシュ休暇」の制度がございます。長期休暇を取ることにより日常の業務活動を離れ、身・心・頭のリフレッシュを図ることが可能です。また、当連結会計年度からは、幅広い人材活用を視野に入れ「60歳から65歳への定年延長」を行うのと同時に、女性社員の活躍を促すため「子の看護休暇」「育児のための時間外労働・深夜業の制限」「育児短時間勤務」の申出期間を小学校就学始期の到達までから中学校就学始期の到達まで延長いたしました。

なお、連結子会社につきましては、業容・人事制度の違いにより、当社グループにおける一律の記載が困難であるため、提出会社のみの内容を記載しております。

 

(3) リスク管理

当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理するためのプロセスを個別に定めておりませんが、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ⑥内部統制システムの整備の状況 当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制」に記載のリスク管理に基づき、取締役会及び監査等委員会にてリスク管理を行っております。

 

(4) 指標及び目標

循環型社会実現への取り組み

サステナビリティに関する指標及び目標について、当社グループを取り巻く事業環境の変化等により合理的な指標及び目標を立てることが困難であるため、具体的な数値目標を設定しておりませんが、リユース(再利用)を事業の中核に位置付け、リアル店舗網とECより全国地域をエリアに事業展開し、海外への販路拡大を目指しています。また、地域におけるリユース活動を促進、リユースを通じて社会貢献を果たし、安心・安全な循環型社会の実現を目指しております。なお、実績については以下の通りです。

2025年度の商材構成比は、中古:新品の構成比が52.3:46.5でした。当社グループは、同業他社と比べ、新品の構成比が高いことが特徴であり、循環型商材となり得る新品を取り扱うことで、お客様が購入した新品が中古品となっても、当社グループで買取が可能な循環システムを構築しており、本業を通して循環型社会実現への貢献につながっております。

持続可能な社会の実現に向けて、新品から中古品買取という循環システムが100%達成可能な取り組みを目指してまいります。

◆当社中古品販売によるCO2排出量削減貢献量(2024年度)

算出対象中古品

単位

削減貢献量

本・トレーディングカード

t-CO2

6,638

ゲームソフト・ゲーム機・CD・DVD・ホビー

6,951

13,589

 

注)日本製紙連合会・LCA小委員会『紙・板紙のライフサイクルにおけるCO2排出量』(2011年3月18日発表)、環境省『3R原単位の算出方法』によりりそな総合研究所株式会社が削減貢献量想定算式を構築し、当社が算出したもの

 

また、当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、男女問わず社員一人一人が満足できる環境を達成するため、指標・目標を以下のとおり設定しております。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

新卒採用における女性社員の採用割合

40%

25.0%

契約社員登用試験における女性の登用者の割合

30%

8.3%

全社に占める女性社員比率

15%

10.2%

有休取得率

40%

42.4%

 

注)本項目につきましては業容・人事制度の違いにより、当社グループにおける一律の記載が困難であるため、提出会社のみの内容を記載しております。

 

当社連結子会社であります株式会社山徳では、「健康維持・増進の支援」「ワーク・ライフ・バランスの実現」「健康意識の向上」の推進を方針としており、健康経営に関する取り組みが認められ、経済産業省・日本健康会議が実施する健康経営優良法人認定制度において、2024年から健康経営優良法人(中小規模法人部門)に認定されております。健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実施している法人を顕彰する制度です。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて主な事項を以下に記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化について

当社グループが展開する事業「マルチパッケージ販売事業」は、少子高齢化の進展やコンテンツ配信市場の拡大、情報技術及び情報通信インフラの進化等の市場変化において大きな影響を受ける可能性があります。当社では、これらの事業環境変化に対し取扱商材の見直し等の検討を実施しておりますが、今後の事業環境の変化と当社の事業戦略によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 自然災害について

当社グループの本社、物流倉庫、店舗所在地において、大規模な地震、台風等の自然災害あるいは予期せぬ事故等が発生した場合、当該施設及び流通網に倒壊等物理的な損害が生じて、営業活動が阻害され、当社グループの売上高及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 業績の変動要因

①中古商材の仕入について

当社は、店頭にて一般消費者等より中古商材を仕入(買取)しておりますが、中古商材は新品商材と異なり仕入量の調整が難しいという特性を有しており、仕入量及び品質の両面において安定的な調達ができない場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②新品家庭用ゲームソフト・ハード販売の季節変動について

当社は、中核商材として新品家庭用ゲームソフト・ハードを取扱っておりますが、新品家庭用ゲームソフト・ハードの販売には季節変動があり、年末年始及び春休み・夏休みに売上が集中する傾向があります。また、当該商品は、各商品メーカーの商品開発等の遅延による発売延期等によっても、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③出退店について

当社は、「古本市場」「ふるいち」「トレカパーク」を中心とした多様な業態の店舗運営に加えてECサイト運営を行っております。計画通りに出店物件を確保できない場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、既存店舗において立地環境や競合環境等の変化によって店舗の採算が悪化した場合には、退店によって経営成績に影響を与える可能性があります。

④基幹系システムについて

当社は、基幹系システムとして「新本部(顧客情報)システム」を使用し商品在庫の個別管理や購買履歴の分析等を行っており、これらのシステムは営業面において大きく貢献しております。当社は、これらのシステムの運用・保守を専門知識のある業者にメンテナンスを委託し、クラウドサービス上にシステムを保管したうえで十分な稼動監視を実施しておりますが、大規模な災害や広域的な通信障害が長時間にわたり発生した場合、プログラムに予期せぬ障害が発生した場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤電子商取引による販売について

個人向け電子商取引の市場規模は依然拡大傾向にあります。また、電子決済・認証等についてもその普及には大きな期待がもたれております。電子決済・認証等についても様々な仕組みが利用されており、電子商取引にかかるシステム開発コスト・利用コストの増加及び法的規制等により、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

⑥システムトラブルによるリスクについて

当社の営むインターネット通信販売は、インターネット網を利用した電子商取引を主体としており、取引及び顧客情報の安全性については、十分なシステム管理運営を行っております。しかしながら、災害・事故・悪意のある不正なアクセス(いわゆるハッキング)等により、当該電子商取引システムが障害を受けた場合には、当社内にとどまらず、ネットワークを通じて利用者のコンピュータへ影響が及ぶ懸念があります。これらの事態が生じた場合には、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 法的規制

①再販価格維持制度について

当社は、中核商品の一つとして中古商材の書籍及びCDを取扱っておりますが、当該商品は新品の段階で「再販価格維持制度」(以下「再販制度」という。)の適用対象となっております。再販制度とは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第23条の4に基づき著作物等を発行する事業者が販売の相手方と再販売価格(定価)を決めてこれを維持する契約をしても、同法は適用されないという制度であります。公正取引委員会は、2001年3月23日に、同制度の廃止を促す意見に対して、国民の知る権利を阻害する可能性があるなど、文化・公共面での影響が生じるおそれがあるとし、国民的合意が形成されていないことから同制度を残置することが適当である旨の発表を行いました。これにより、当社の取扱商材への影響は当面ないものと考えられます。しかしながら、今後において制度の改正又は廃止等が行われた場合、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

②古物営業法について

当社が行っている中古商材の買取及び販売事業は、「古物営業法」による規制を受けております。監督官庁は営業所が所在する都道府県ごとの都道府県公安委員会であり、同法及び関連諸法令による規制の要旨は次のとおりであります。

a.事業を開始する場合には、営業所が所在する都道府県ごとの都道府県の公安委員会の許可を必要とする(同法第3条)

b.買取に際して、相手方の住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書の交付を受ける必要がある(同法第15条)

c.取引年月日、古物の品目及び数量、古物の特徴、相手方の住所、氏名、職業、年齢等を帳簿等に記録する必要がある(同法第16条)

当社は、以下を独自のルールとして、健全な店舗運営を行っておりますが、不測の事態により事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

a.すべての買取について本人確認を行う。

b.同一顧客から同一アイテムの買取を2点以上行わない。

c.その他、盗品の疑いがある場合には、買取を行わない。

③大規模小売店舗立地法について

当社の出店政策につきましては、「大規模小売店舗立地法(以下「立地法」という。)」の規制を受ける場合があり、出店計画に影響を与える場合があります。

立地法の概要は、以下のとおりであります。

a.対象となる店舗は1,000㎡超のもの

b.調整対象の事項は、地域社会との調和・地域づくりに関する事項として

・駐車需要の充足その他による周辺の地域の住民の利便及び商業その他の業務の利便のために配慮すべき事項(交通渋滞、駐車、駐輪、交通安全その他)

・騒音の発生その他による周辺の生活環境の悪化の防止のために配慮すべき事項

c.本法の運用主体は、都道府県、政令指定都市とする。同時に市町村の意思の反映を図ることとし、また、広範な住民の意思表明の機会を確保する。

④消防法について

マルチパッケージ販売事業で展開する店舗では、公共の施設として消防法の適用を受けております。店舗には消防法に定める防火管理者を各店舗に設置し、火災防止に努めると同時に、従業員に対しても教育を実施しております。しかしながら今後の法令の改正等があった場合、対応準備コストが必要となり、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤特定商取引に関する法律について

当社の営むインターネット通信販売は、「特定商取引に関する法律」における通信販売業に該当しております。「特定商取引に関する法律」は、インターネット通信販売において、広告に必要な記載事項及び誇大広告の禁止等を定めており、当社は当該法律を遵守しておりますが、法令の改正等があった場合、対応準備コストが必要となり、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 人材の確保と育成

当社は積極的な事業展開を図っていくため、必要な人材の確保と早期育成が重要な経営課題と認識しております。能力開発制度の充実や社員の自立的な成長を基本とする人事制度等により早期の人材育成を図っておりますが、事業展開のスピードに見合った人材採用と育成が計画通りに進まない場合には、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 個人情報の保護

「個人情報の保護に関する法律」の施行に伴い、当社は個人情報保護方針・社内規程・マニュアル等を制定し、役職員及び取引先の研修・指導やセキュリティ管理ソフトの導入等によって、個人情報の取扱いに関し細心の注意を払うよう留意してまいりました。しかしながら、個人情報の漏洩等の事故が発生した場合には、当該個人からの賠償請求等がなされること及び当社に対する信頼感の低下に伴う売上高減少等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 各都道府県の条例について

当社の事業は、国が定める法律による規制のほかに、各都道府県が定める条例により規制を受ける場合があります。条例は地域の特性等を考慮のうえ定められており、地域環境の変化によって内容の強化等改正がなされる場合も考えられます。当社は定められた条例を遵守し地域の秩序が守られるよう取り組んでおります。

(例) 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の場合

当社事業に関連する主な条項の概略は次のとおりであります。

(条例の記載内容は一部割愛しております)

・不健全な図書類等の販売の規制

図書類、映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し、犯罪を誘発するような場合は販売・観覧をしないように努めなければならない。

・古物買受けの制限

青少年からの古物を買受けてはならない。青少年が保護者の委託等による場合はその限りでない。

・深夜外出の制限

深夜の時間帯に営業に係る施設内及び敷地内にいる青少年に対し、帰宅を促すよう努めなければならない。

なお、当社は、統一された自主規制を定め、全国に店舗展開を行っております。

 

(8) 差入保証金について

当社の直営店はローコストでスピーディな出店を行うことを目的に、ほぼ全ての店舗において賃貸物件を利用しており、貸主に対して敷金を差入れております。また、地主(貸主)に建物の建築を依頼し賃借を行う場合には、建築費の一部を貸主に対し建設協力金として貸付け、契約期間内に賃料と相殺で当社に返済される契約を締結する場合があります。これらの契約は、貸主の経済的破綻等により敷金又は建設協力金の返還が不能になる場合があります。このような場合は当社に損失が発生する可能性があります。また、借主である当社側の都合による契約の中途解約の場合等、契約内容に従って返還請求権の放棄や違約金の支払いが必要となる場合があります。

 

(9) 店舗の業績推移について

当社は、固定資産及びリース償却資産の購入を含む一定の初期投資を要する店舗を出店し運営しております。各店舗の業績推移如何によっては投資資金回収が困難となり、減損処理又は撤退による特別損失の発生により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 短時間労働者に対する厚生年金適用拡大等について

厚生労働省は、将来にわたる年金財政の安定化等を目的に、短時間労働者(正社員以外の労働者で、一週間の所定労働時間が正社員より短い労働者)に対する厚生年金への加入基準を拡大する改正を行われました。

当社は多くの短時間労働者を雇用しており、今後当該年金制度が変更され、厚生年金適用基準の拡大が実施された場合には、短時間労働者への就労希望者の減少等の発生及び当社が負担する保険料の増加等により、当社の店舗運営や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 重要な会計方針及び見積りによるリスクについて

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下の通りであります。

・固定資産の減損

・商品の滞留評価

・繰延税金資産の回収可能性

・引当金

・資産除去債務

当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

重要な会計方針の見積り及び仮定についての詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)重要な会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

経営成績等の概要

(1) 経営成績 

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な個人消費やインバウンド需要の拡大を背景に、経済活動の緩やかな回復がみられました。一方で、不安定な国際情勢や、円安の進行、高止まりする原材料価格・エネルギー価格、物価の上昇など、依然として経済の先行きが不透明な状況が継続しております。

当社が属するリユース業界においては、SDGs推進の動きとそれに伴うリユースへの意識の向上、物価上昇の影響を受けてリユース品の需要が増加していることなどを背景に、堅調に市場全体が拡大しております。

このような状況のなか、当社グループは、「リユースで地域と世界をつなぐ」をグループビジョンとして掲げ、2024年4月10日に公表した「2024年度テイツーグループ成長戦略」で定義した「リユース店舗領域」、「リユースEC領域」、「リユースBtoB領域」「グローバル領域」「IPビジネス領域」の各領域において、グループ全体の成長を目指し、各種施策を推進しました。

「リユース店舗領域」においては、2023年度と同水準の新規出店を継続実施し、イオンモールを中心に小型パッケージの「ふるいち」屋号店舗を10店舗出店しました。また、インバウンド需要への対応として、一部のトレカ専門店にゲームやホビーなどの商材を追加投入してリニューアルオープンするなど、既存店舗のブラッシュアップにも積極的に取り組みました。

「リユースEC領域」においては、株式会社TORICOとの業務提携シナジーを有効活用した、自社ECサイト「ふるいちオンライン」のコスト構造見直しや売上増により、EC部門単体での黒字化を実現しました。加えて、グループ会社の山徳社におきましては、業容の更なる拡大を目指して倉庫機能を備えた新社屋を竣工しております。

「リユースBtoB領域」においては、トレーディングカード読取査定機のTAYS(テイズ)やトレカ自販機の外販を推進するとともに、トレーディングカードの販売を支援するシステムとして開発を進めてきたトレーディングカード在庫検索機の直営店舗での運用を段階的に開始しました。また、TAYSにつきましては、出願しておりました特許申請が認可されました。

「グローバル領域」においては、事業提携パートナーであるTORICO社や買取王国社など他企業との連携を有効的に活用し、海外の現地調査を行うなど、海外販路の可能性を積極的に探求しました。

「IPビジネス領域」においては、TORICO社との業務提携を通じた事業シナジーを意識した取り組みとして、同社が開催するイベント限定グッズを当社の一部店舗で販売するなど、従来の枠にとらわれない新しい取り組みに着手しました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高364億7千7百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益9億1千1百万円(前年同期比31.6%減)、経常利益9億1千9百万円(前年同期比35.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億1百万円(前年同期比11.8%減)となりました。

 

また、当社はマルチパッケージ販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、28億1千5百万円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの原因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、14億6千2百万円となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益7億5千9百万円、仕入債務の増加額4億7千万円、減価償却費の増加額3億8千1百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、14億3千6百万円となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得による支出9億9千5百万円、関係会社株式の取得による支出3億2千万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は、1千5百万円となりました。

主な要因は、短期借入金の増加額7億円、長期借入れによる収入5億円、自己株式の売却による収入4千5百万円に対し、長期借入金の返済による支出9億7千1百万円、配当金の支払額2億5千5百万円等であります。

 

販売及び仕入の実績

(1) 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2024年3月1日

至 2025年2月28日)

前年同期比

(%)

金額(千円)

構成比(%)

中古品

 

 

 

2,574,878

7.1

△3.0

ゲーム

6,410,300

17.6

7.7

トレカ

6,776,781

18.6

△2.4

ホビー

1,248,135

3.4

23.8

その他

2,057,760

5.6

△2.4

中古品計

19,067,855

52.3

2.2

新品

 

 

 

21,310

0.1

2.5

ゲーム

6,719,337

18.4

△8.9

トレカ

8,201,422

22.5

16.6

ホビー

1,838,860

5.0

38.1

その他

187,537

0.5

△20.9

新品計

16,968,468

46.5

6.0

その他

369,579

1.0

△16.1

レンタル

71,674

0.2

△19.7

合計

36,477,578

100.0

3.6

 

 

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2024年3月1日

至 2025年2月28日)

前年同期比

(%)

金額(千円)

構成比(%)

中古品

 

 

 

914,166

3.8

△15.8

ゲーム

3,629,992

15.1

1.9

トレカ

3,607,260

15.0

△18.9

ホビー

630,810

2.6

6.2

その他

837,555

3.5

△5.4

中古計

9,619,785

39.9

△9.0

新品

 

 

 

2,535

0.0

△83.3

ゲーム

6,286,310

26.1

△8.6

トレカ

6,452,582

26.8

14.4

ホビー

1,595,268

6.6

42.9

その他

138,507

0.6

△0.8

新品計

14,475,205

60.1

5.0

その他

△100.0

レンタル

7,412

△42.4

合計

24,102,402

100.0

△1.1

 

 

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成においては、損益又は資産・負債の状況に影響を与える見積り、判断を必要としております。過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで、継続的に見積り、判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

①貸倒引当金

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

②ポイント引当金

物品等の買取によって付与したポイントに関し、将来のポイントサービスの利用による売上値引に備えるため、過去の使用実績に基づき将来使用されると見込まれる金額を計上しております。

③株主優待引当金

株主優待制度に基づく発生に備えるため、翌連結会計年度において発生すると見込まれる額を計上しております。

④退職給付に係る負債

退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。

数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により翌連結会計年度から費用処理しております。また、過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(8年)により発生時から費用処理しております。

⑤減損会計の適用

当社グループは、独立採算管理が可能である店舗ごとに資産をグループ化しております。

収益性の低下等により減損の兆候が認められる店舗については、将来キャッシュ・フローを見積り、割引前将来キャッシュ・フローと帳簿価額を比較し、帳簿価額を下回った場合、固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として、特別損失に計上しております。

⑥商品の滞留評価

当社グループの商品の滞留評価について、営業循環過程から外れた滞留の商品として、帳簿価額を処分可能見込額まで切り下げることにより、収益性の低下を反映しております。営業循環過程から外れた滞留の商品は、商品のカテゴリーごとに、営業循環過程にある期間(正常期間)における販売見込数量を超過する在庫としております。

⑦繰延税金資産の回収可能性

当社グループの繰延税金資産について、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の事業計画、過去の課税所得の発生状況及びタックス・プランニング等により評価を行っております。

⑧契約負債

当社グループは、商品の販売時に付与したポイントを履行義務として認識し、将来の失効見込み等を考慮して履行義務に配分した取引価格を契約負債として収益から控除して繰り延べ、顧客のポイント利用に従い収益を認識しております。

⑨資産除去債務

当社グループは、店舗等の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務等につき、有形固定資産の除去に要する将来キャッシュ・フローを見積った金額に基づいて資産除去債務として計上しております。有形固定資産の除去に要する将来キャッシュ・フローは、除去サービスを行う業者からの見積額や類似の特性を有する店舗の過去実績等を勘案して算定しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの経営成績について、売上高364億7千7百万円、売上総利益123億1千2百万円、営業利益9億1千1百万円、経常利益9億1千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5億1百万円となりました。

①売上高

当社事業におきましては、新規出店の継続に加え、当期前半に低粗利商品及び低回転商品の在庫を一掃した成果や、当期後半にトレカ相場上昇の影響を受けたこと等により、連結決算移行後4期連続で増収となり、当連結会計年度の売上高は364億7千7百万円となりました。

②営業利益

当連結会計年度の営業利益は9億1千1百万円となりました。前期より続く中古トレカの粗利益の低下及び出店などの投資や、諸費用高騰による販管費の増加により、前年同期を下回る成績となりました。

③経常利益

当連結会計年度は9億1千9百万円の経常利益となりました。営業外収益の主なものは、受取賃貸料4千9百万円であり、営業外費用の主なものは、不動産賃貸費用4千万円、支払利息2千8百万円であります。

④親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は5億1百万円となりました。減損損失1億5千4百万円を特別損失として計上しております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2[事業の状況]の3[事業等のリスク]」をご参照ください。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

「第2[事業の状況]の1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、経営環境の変化に対応するための資金の流動性を確保することで安定した財務基盤を維持することに努めております。

主な資金需要は、仕入資金、人件費、販売費及び一般管理費等の営業経費に加えて、新規出店や既存店舗改装費用、システム改修等に係る投資であります。

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金は、主に営業活動により得られた資金のほか、増資、金融機関からの借入及び社債により調達しております。

①連結貸借対照表

(資産の部)

当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末と比較して1千7百万円増加し、92億9千2百万円となりました。これは主に商品が減少した一方で現金及び預金、売掛金の増加によるものであります。

当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末と比較して9億5千3百万円増加し、40億8千8百万円となりました。これは主に建設仮勘定の増加、投資有価証券の増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度末の総資産額は133億8千万円となり、前連結会計年度末と比較して9億7千1百万円増加いたしました。

(負債の部)

当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末と比較して3億8千7百万円増加し、47億3千1百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金及び未払法人税等が減少した一方で買掛金及び短期借入金が増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末と比較して2億4千4百万円増加し、25億2百万円となりました。これは主に資産除去債務の増加、長期借入金の増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度末の負債総額は72億3千3百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億3千1百万円増加いたしました。

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比較して3億3千9百万円増加し、61億4千7百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は45.9%となりました。

②連結キャッシュ・フロー計算書

「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社の重要な契約等は以下のとおりであります。

(1) 業務提携契約

当社は、業務提携店との間に業務提携基本契約を締結しております。

①契約の名称

業務提携基本契約

②契約の本旨

古本市場事業の営業許諾

③使用を許諾する商標・商号

業務提携店における古本市場事業を行うに際し、「古本市場」等の標章、ロゴマーク、意匠、デザイン、その他営業用シンボル、著作物の使用を許諾する。

④ロイヤルティ

開店支援料      1,000千円

ロイヤルティ     売上高に対し業務提携基本契約において定めた料率

 

(2) その他の契約

当社は、仕入先との間に下記の契約を締結しております。

 

相手先

契約の内容

契約年月日及び期間

㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント

家庭用ゲーム機器・ソフト等の商品の売買に関する取引基本契約

1999年11月1日

1年ごとの自動更新

 

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。