1【提出理由】

当社は、2025年5月30日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2025年6月30日開催予定の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2【報告内容】

1.本株式併合の目的

当社が2025年4月18日付で公表した「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付けの開始に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「当社意見表明プレスリリース」といいます。)においてお知らせいたしましたとおり、公開買付者は、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2025年4月21日から2025年5月21日までの20営業日を公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)として、当社の普通株式に対する金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)及び関係法令に基づく公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施しました。

そして、当社が2025年5月22日付で公表した「株式会社BCJ-92による当社株式に対する公開買付けの結果並びにその他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、公開買付者は、本公開買付けの結果、本公開買付けの決済の開始日である2025年5月27日付で、当社株式12,101,090株を取得し、その結果、公開買付者は、当社株式12,101,090株(所有割合(注1):45.06%)を所有するに至りました。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年5月9日に提出した2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載の2025年3月31日現在の発行済株式総数(26,863,974株)から、当該決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(7,993株)を控除した株式数(26,855,981株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下所有割合の計算において同じです。)をいいます。

 

 

当社意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、当社は、2024年8月8日に、ベインキャピタルより初期的意向表明書を受領したため、当社の企業価値向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)よりベインキャピタルが本公開買付けの意思を有している旨の通知を受けた同年7月3日から2025年4月18日現在において、当社は、公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしませんが、(ア)伊藤忠商事及びANAホールディングス株式会社(以下「ANAホールディングス」といいます。)は、2025年4月18日現在に至るまで、それぞれ当社株式を8,956,500株(所有割合:33.35%)、5,373,200株(所有割合:20.01%)所有し、伊藤忠商事及びANAホールディングスが所有する当社株式を合計すると、14,329,700株(所有割合:53.36%)に上ること、(イ)当社の取締役1名(髙端優氏)が伊藤忠商事との兼職者であること、当社の取締役3名(阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏)が伊藤忠商事の出身者であること、当社の取締役1名(鶴由貴氏)が伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であること、当社の取締役1名(米倉隆氏)がANAホールディングスの出身者であること及び当社の取締役1名(原田茂氏)がANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であること、並びに(ウ)初期的意向表明書によれば、その提出時点では、公開買付者が伊藤忠商事及びANAホールディングスとの間で公開買付けへ応募しない旨の契約を締結予定とされていたこと、本公開買付けの成立後に、当社が、伊藤忠商事及びANAホールディングスから自己株式取得を実施予定とされていたこと並びに本取引後に伊藤忠商事及びANAホールディングスが、公開買付者に対して再出資を行う可能性があるとされていたこと等から、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保する観点から、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会決議により、(ⅰ)当社取締役会において本取引の承認をするべきか否か(本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを含む。)について検討し、当社取締役会に勧告を行うこと及び(ⅱ)当社取締役会において、本取引の実施について決定すること(本公開買付けについて当社取締役会が賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を目的として、鈴木伸一氏(当社独立社外取締役)、高橋均氏(当社独立社外監査役)及び松本真輔氏(中村・角田・松本法律事務所弁護士)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました(本特別委員会の構成、付与された権限並びに検討の経緯及び判断内容については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

また、当社は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所(現在の森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をいい、以下単に「森・濱田松本法律事務所」といいます。)を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ2024年8月30日、2024年9月12日に選任し、本特別委員会において、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。

 

さらに、当社は、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所の法的助言を踏まえ、本取引について当社内で検討、交渉及び判断を行うにあたり、上記(イ)の取締役7名は、本取引と利害関係を有すると考えられることから、当社取締役会においては、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うための二段階目の審議及び決議にのみ参加し、また、本取引に関する協議・交渉には一切参加しないこととする旨を決議いたしました。なお、当社の役職員(1名)による本取引に関して公開買付者に提出する当社の事業計画の作成への関与について、当該役職員は、当社の業務統括部長の地位にあり、当社における定量面での検討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠な人員であるところ、当該役職員は伊藤忠商事からの出向者であるものの、独立した特別委員会の設置等公正性を担保するための措置を講じていること、当該役職員は伊藤忠商事との交渉には関与せず、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与すること、当該事業計画は別途特別委員会で承認すること、その他本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)に独立性の観点から問題がないことを前提として、当該役職員が当社の事業計画の作成に限り関与することを、2024年8月30日開催の取締役会及び2024年9月6日開催の本特別委員会により、承認しております。

 

その上で、当社は、大和証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、ベインキャピタルとの交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、森・濱田松本法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、当社グループを取り巻く事業環境及び当社グループの事業の状況、本取引の意義・目的、本取引が当社に与える影響並びに本取引後の経営方針の内容等を踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。

また、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会決議により本特別委員会を設置して以降、本特別委員会は、ベインキャピタルとの間で、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。

具体的には、本特別委員会は、2024年8月8日にベインキャピタルより初期的意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、2024年9月18日にベインキャピタルに対し本取引の背景・目的・意義等について書面による質問をしたところ、同月25日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、当該回答を踏まえて、本特別委員会が2024年10月11日に書面による追加の質問をしたところ、同月17日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。その後、本特別委員会は、2024年12月3日にベインキャピタルより本公開買付価格を1,643円(提案日の前営業日である2024年12月2日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,381円に対して18.97%(小数点以下第三位を四捨五入。以下プレミアム率の計算において同じです。)のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を含む意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、同月11日にベインキャピタルに対し本意向表明書に記載の当社の課題・想定される施策、本取引のストラクチャー等について書面による質問をしたところ、同日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、同月12日開催の本特別委員会において、本特別委員会は、ベインキャピタルから当該回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。さらに、当該質疑応答を踏まえて、本特別委員会にて検討・協議を進め、同月17日に書面による追加の質問をしたところ、同月18日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、受領した回答を踏まえて、本特別委員会にて検討・協議を進め、同月24日に書面による追加の質問をしたところ、同月26日にベインキャピタルから当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。

 

また、本特別委員会は、ベインキャピタルとの間で協議・交渉を行うことと並行して、伊藤忠商事及びANAホールディングスからも意見聴取を行っております。具体的には、伊藤忠商事については、2024年12月3日にベインキャピタルより本意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、同月11日に伊藤忠商事に対し本取引の必要性、ベインキャピタルを当社へ紹介した経緯・背景・理由、本取引のストラクチャー等について書面による質問をしたところ、同月18日に伊藤忠商事から当該質問事項について書面による回答を受領いたしました。さらに、同月19日開催の本特別委員会において、本特別委員会は、伊藤忠商事から当該回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。ANAホールディングスについては、2024年10月24日開催の本特別委員会において、本特別委員会からANAホールディングスに対し、本取引に関する意向・懸念や本取引以外の選択肢等について質問を行い、ANAホールディングスから当該質問事項に対する回答を受けるとともに、これに対する質疑応答を行いました。その後、2024年12月3日にベインキャピタルより本意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、同月12日にANAホールディングスに対し本取引後の再出資の有無・理由、本取引のストラクチャー等について書面による質問をしたところ、同月16日開催の本特別委員会において、ANAホールディングスから当該質問への回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。

 

本公開買付価格については、本特別委員会は、2024年12月3日以降、ベインキャピタルとの間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、本特別委員会は、ベインキャピタルから、2024年12月3日、ベインキャピタルが当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの途中経過を踏まえて、当社の事業、財務及び将来計画に関する多面的な分析を行い、当社が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として、本公開買付価格を1,643円とすることの提案を含む本意向表明書を受領いたしました。しかし、本特別委員会は、同月10日、当該提案価格は、当社の企業価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準とはいい難いとして、提案内容の再検討を要請いたしました。これを受けて、ベインキャピタルから、同月18日、本公開買付価格を1,660円(提案日の前営業日である2024年12月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,472円に対して12.77%のプレミアムを加えた価格)としたいことを含む本取引に関する提案を受けました。しかし、本特別委員会は、同月20日、当該提案価格は、足元の株価に対するプレミアム水準も類似案件と比較して不十分であり、当社の企業価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準とはいい難いとして、本公開買付価格の引上げに関する再検討を要請いたしました。その後、同月25日、ベインキャピタルから本公開買付価格を1,710円(提案日の前営業日である2024年12月24日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,482円に対して15.38%のプレミアムを加えた価格)とすることの提案を受けました。しかし、本特別委員会は、同日、当該提案価格は、当社の企業価値が十分に反映されておらず、また、伊藤忠商事が本公開買付けに応募せず、みなし配当による税務メリットを享受するストラクチャーへ変更することで本公開買付価格の大幅な引上げが可能であることから本公開買付価格の大幅な引上げ及びストラクチャーを含む諸条件について再検討を要請いたしました。これを受けて、2025年1月8日、ベインキャピタルから伊藤忠商事が本公開買付けに対して一部不応募とするストラクチャーに変更すること及び本公開買付価格を1,800円(提案日の前営業日である2025年1月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,478円に対して21.79%のプレミアムを加えた価格)とする提案を受けました。これに対し、同月10日、本特別委員会は、当該提案価格が本公開買付けに対して応募推奨の意見を表明することができる水準であると判断し、合意に至りました。本特別委員会における判断の詳細は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

 

以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、随時、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社がベインキャピタルに対して提示し、また、大和証券が当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、ベインキャピタルとの交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、ベインキャピタルから本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、ベインキャピタルとの交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。

 

そして、当社は、2025年1月10日付で、本特別委員会から、答申書(以下「2025年1月10日付答申書」といいます。)の提出を受けております(2025年1月10日付答申書の概要については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年1月14日付の本取引公表後、各取引先に速やかに連絡を取り、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の依頼を行っており、2025年2月21日時点で、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち1社を除いて、承諾又は同意が得られていること、加えて、残り1社についても承諾又は同意を拒否されているわけではなく、当社は、承諾又は同意の取得に向けた調整を進めていることから、承諾又は同意が得られる見込みである旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年2月21日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月上旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、2025年2月26日、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社から、本公開買付け開始にあたり合意が必要となる契約書の草案を受領し、当該契約書の内容について協議を継続していたものの、2025年3月13日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年3月下旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。その後、当社は、ベインキャピタルに対して、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先のうち承諾又は同意を得られていない1社からの承諾又は同意の取得に関する協議は継続中であり、当社の2025年3月13日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」の公表以降、当該協議は大きく進展しているが、2025年3月31日時点で、未だ当該承諾又は同意は得られていない旨を報告しました。当該報告を踏まえ、2025年3月31日付プレスリリース「株式会社BCJ-92による当社株券等に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」でもお知らせのとおり、当社はベインキャピタルより、本公開買付けを開始する時期については、2025年4月中旬になるものと見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2025年4月17日、当社は、ベインキャピタルより、上記以降も当該残り1社との協議が大きく進展していることを踏まえ、2025年4月21日に本公開買付けを開始したとしても、公開買付期間満了の日の前日までに、当該承諾又は同意を取得できる目途はついたと判断し、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧(注2)のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨(注3)のうち、当該残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

(注2) 「本公開買付前提条件⑧」とは、国内外の競争法令等(日本、オーストリア、ドイツ、オランダ及び米国)及び日本における外国為替及び外国貿易法に基づき必要な許認可等の取得(以下「本クリアランス」といいます。)が完了していることをいいます。

(注3) 「本公開買付前提条件⑨」とは、公開買付者が当社に対して通知した当社の取引先から、公開買付者が合理的に満足する内容により、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意が得られていることをいいます。

 

 

以上の経緯の下、当社は、2025年1月14日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年1月10日付で大和証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、2025年1月10日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。

 

その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。

 

当社グループを取り巻く事業環境のなかで、当社グループは、コロナ禍収束に伴う急激な航空旅客需要の回復に対応すべく応需能力の強化に努めるとともに、コロナ禍で毀損した財務基盤の回復を目指し、上記に記載した当社中期経営計画の取組みに加えて、人的リソース不足への対応、内部管理体制の強化、在庫管理の最適化、部材のリードタイムの長期化による生産納期への影響及びキャッシュ・フロー改善等、従来から存在していた課題に早急に対応する必要があります。

当社としては、抜本的な構造改革を行うことで、当社中期経営計画への取組みや上記経営課題への対応を加速させることが可能となるところ、当社が上場をしており、当社に少数株主が存在している現在の状況では、当社の少数株主の利益を図る観点から、機動的な経営資源の活用や意思決定の柔軟性及びスピードには一定の制約があると認識しております。しかしながら、本取引により当社が非公開化することで、そうした制約を受けずに、短期的な業績にとらわれない中長期的な視点での取組みや意思決定の迅速化を実現することができると考えております。また、当社は、上場企業である限り発生する上場維持費用、金融商品取引法上の開示及び監査に対応するリソース・費用、IR費用等の株主対応に関する経営資源を事業への投資に振り向けることができると考えております。また、ベインキャピタルがこれまで培ってきた、国内外の投資先及び昭和飛行機工業などの近接領域における投資事例の経営ノウハウ、事業改革支援の経験及びベインキャピタルが保有する人材面と資金面を中心とした経営資源等を活用することにより、当社中期経営計画への取組みや経営課題への対応をはじめとした各種施策の実行が可能になると考えております。さらに、ベインキャピタルは、本取引により当社を非公開化した後は、過去の投資実績の経験等を踏まえ、当社に対して豊富な経験に基づくハンズオン経営支援、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMIの支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定とのことであり、それらの支援により、当社単独では成しえない成長を実現することができると考えております。当社としては、本取引を通じて当社が非公開化し、ベインキャピタルとの協働が可能となることで、以下(a)~(c)のような施策の実施が可能となり、当社の企業価値向上に資するものと判断いたしました。

 

(a) 既存事業成長実現に向けた設備投資を可能とする財務安定化及びその前段階としての財務の見える化の推進

ベインキャピタルは、高い水準で推移している当社の財務レバレッジ改善のためには、①金融機関との交渉による当社成長を阻害しない条件での借換え、②キャッシュフロー創出力の改善による有利子負債の圧縮及び③EBITDAの改善が必要と考えているとのことです。当社としても、拡大する需要に対応するための運転資金及び設備投資資金の確保は重要と考えているところ、本取引が実施される場合には、ベインキャピタルの信用力を背景に当社にとって最適な資金調達手段をとることができると考えております。

また、ベインキャピタルは、経営判断や事業運営上必要な重要な数値及び指標の管理を適切にすべく、必要な指標の設定及びそのモニタリング体制の構築を実施し、「財務の見える化」を推進する予定とのことです。当社としても、人的リソースや内部管理体制の整備の不足によって、これらの経営指標等の管理が適切になされていないことが重要な課題の一つと認識しており、ベインキャピタルが有する経営管理のノウハウや高度な専門性を有する人材の受け入れにより、かかる課題を解決することができると考えております。

 

 

(b) ハンズオンでの中長期的な成長戦略の検討、策定及び推進

ベインキャピタルは、当社の中長期的な成長戦略として、内装品事業の更なる深化、整備・機器製造事業の安定成長、M&Aによるスケール拡大、コスト管理、生産性改善、シート事業の抜本的見直し等による収益性向上、在庫の滞留の解消等による運転資本の効率化等の各施策をハンズオンで行う予定とのことです。

当社は、内装品事業については既に強固なポジションを確立しているものの、応需能力・サプライチェーンの強化に加え、顧客基盤の拡大に向けた営業機能の強化及び既存機の改修やスペアパーツといったアフターマーケットの販売を強化することによって更なる成長の余地があると見込んでおります。また、棚卸資産の積み上がりの解消による運転資本の効率化も当社の主要な経営課題の一つと認識しておりますが、ベインキャピタルが有する経営ノウハウや高度な専門性を有する人材の受け入れにより、これらの解決に資するものと認識しております。さらに、当社では整備・機器製造事業をコア事業と位置づけており、選択と集中による受注拡大と収益力強化に加え、人員強化が必要であると考えており、ベインキャピタルが有する専門性を有する人材の受け入れにより、かかる課題を解決することができると考えております。また、中長期的にはM&Aの活用も有効であると考えられるところ、ベインキャピタルのM&Aのノウハウ、潜在的な投資対象のネットワーク等を活用することで有効なM&Aの実施の確度を高めることができると考えております。

このように、ベインキャピタルが提案する上記の各施策は、このような当社の現状の経営環境の認識とも一致しており、製造業における豊富な支援実績を有するベインキャピタルの経営支援を受けることによって中長期的な企業価値の向上を実現することが可能と考えております。

 

(c) 上記(a)及び(b)を可能とする人財の補強

上記(a)及び(b)の各施策を実行する上では、高度な専門性を有する人的リソースの補強が急務であるところ、ベインキャピタルは、日本国内だけで100名を超える経営人材プールを有し、これまでの投資先においても経営幹部人材を多数採用しているとのことです。また、経営幹部人材だけでなく、現場レベルの人材強化にも注力しているとのことです。ベインキャピタルは、本取引後に当社の役職員とも必要なポジションや人数について協議の上、必要な人材について、同社が有する世界的なネットワークを活用した外部人材の登用や外部コンサルティング会社等の活用も行う予定とのことです。上記のとおり、当社として多くの経営課題を抱える中、いずれの施策にも人的リソースが必要であるところ、ベインキャピタルから各種の人材の派遣や人材の採用、教育、生産性向上のノウハウの提供を受けることにより経営課題を解決するとともに、更なる成長に向けて人材リソースを投入することが可能になると考えております。

 

なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、上場会社としての知名度・ブランド力低下による、取引先その他ステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下や人材採用の不安定化、また、資本市場からの資金調達を行うことができなくなる点が挙げられます。しかしながら、当社はいわゆるB to Bビジネスを営むものであり、当社の知名度・ブランド力については、事業活動を通じて獲得・維持されている部分が多いため、当社の非公開化によって重大な影響を受けることはなく、むしろ本取引の実行後はベインキャピタルのネットワークを活用した人材採用が可能となること、また、資本市場からの資金調達については、本取引によって、ベインキャピタルの信用力を背景に適宜最適な資金調達手段の活用が可能となることから、当社が、本取引を通じて非公開化を行うデメリットは限定的であると考えております。さらに、当社は、本取引及び当社の株主を公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業(以下、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業を総称して「本不応募合意株主」といいます。)のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)後に、公開買付者が本不応募合意株主との間で本公開買付けへ応募しない旨を合意している当社株式(以下「不応募合意株式」といいます。)を当社が取得すること(以下「本自己株式取得」といいます。)によって、当社の筆頭株主である伊藤忠商事(2024年9月30日現在)及び当社の第2位株主であるANAホールディングス(2024年9月30日現在)が当社の株主ではなくなることに伴う、当社の企業価値への影響についても検討いたしました。しかしながら、当社は、両株主からの意見聴取も踏まえ、これらの株主が当社株式を所有していることを前提とした取引関係はなく、当社の非公開化後も事業上の取引の継続には特段懸念はないと認識しているため、当社の非公開化に伴い、当社の企業価値が毀損されるおそれはないと考えております。

 

また、当社は、本取引の代替となる財務体質の改善を含む企業価値向上策として、公募増資及び第三者割当増資の方法も検討いたしましたが、これらの方法は当社株式の希薄化が生じることで、当社の既存株主の利益を毀損する可能性があること、これらの方法は当社の上場維持を前提としているため、当社の少数株主の利益を図る観点から、非公開化を前提とした本取引と比較して抜本的な構造改革が困難であること、これらの方法を利用する際には、当社の筆頭株主である伊藤忠商事及び当社の第2位株主であるANAホールディングスの意向が重要であるところ、伊藤忠商事及びANAホールディングスは本取引へ賛同していること等から、公募増資及び第三者割当増資の方法は選択し得ないものと判断いたしました。

 

また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(ア)大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果の上限を上回り、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内であること。

(イ)本公開買付けの開始予定の公表日(2025年1月14日)の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の1,421円に対して26.67%、同日までの過去1ヶ月間(2024年12月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,482円(小数点以下を四捨五入。以下終値単純平均値の計算において同じです。)に対して21.46%、同日までの過去3ヶ月間(2024年10月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,360円に対して32.35%、同日までの過去6ヶ月間(2024年7月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,361円に対して32.26%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、本公開買付価格には本件と類似の事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること。具体的には、一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の当社のPBRは約2.6倍となっている。M&A指針が公表された2019年6月28日以降に公表され、2024年12月25日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした公開買付け事例のうち、対象会社のPBRが2.5倍以上の事例26件におけるプレミアム率は、基準日の終値に対しては10~20%及び20~30%のプレミアムが付された事例がそれぞれ5件、直近1ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が9件、直近3ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が7件、直近6ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が6件となっており、最頻値となっている。本公開買付価格は、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日の終値及び直近1ヶ月の終値単純平均値に対して20~30%の最頻値のプレミアムが付されており、直近3ヶ月の終値単純平均値及び直近6ヶ月の終値単純平均値に対して最頻値を超える30~40%台のプレミアムが付されていることから、本件と類似の事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること。

(ウ)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主利益が確保されていると認められること。

(エ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2025年1月10日付答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

 

 

以上より、当社は、2025年1月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

その後、当社は、ベインキャピタルより、2025年4月17日、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

これに対し、当社は、2025年4月17日、本特別委員会に対して、2025年1月10日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2025年4月17日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年1月10日以後、2025年4月17日までの事情を勘案して検討を行った結果、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の答申書(以下「2025年4月18日付答申書」といいます。)を提出いたしました。

その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年4月18日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年1月14日以降、当社の経営環境に重要な状況変化は生じておらず、また、引き続き、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられ、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当であると認められること等から、2025年4月18日現在においても、2025年1月10日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2025年4月18日開催の当社取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

 

なお、上記の各当社取締役会における決議の方法は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式(但し、不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかったことから、当社は、公開買付者からの要請により、2025年5月30日開催の当社取締役会において、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとし、当社株式を非公開化するために、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、下記「2.本株式併合の割合」に記載のとおり、本株式併合を実施することとし、本株式併合を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。

なお、本株式併合により、公開買付者及び本不応募合意株主以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定です。

 

 

2.本株式併合の割合

当社株式について、1,001,600株を1株に併合いたします。

 

3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由

上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び本不応募合意株主以外の株主の皆様の所有する株式の数は1株に満たない端数となる予定です。本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、また、当社株式が2025年7月17日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられること、及び当社において自己株式数を増加させる必要も存しないことなどを踏まえて、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することを予定しております。

この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2025年7月21日時点の当社の最終の株主名簿において株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,800円を乗じた金額に相当する金銭が、各株主の皆様に交付されるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。

 

② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称

株式会社BCJ-92

 

③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性

公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計額に相当する当社株式の取得に要する資金を、公開買付親会社からの出資により賄うことを予定しているところ、当社は、公開買付者が、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出した、公開買付者に対して金270億円を限度として出資を行う用意がある旨の公開買付親会社による2025年4月17日付出資証明書、公開買付親会社に対して金270億円を限度として出資を行う用意がある旨のBCPE Phoenixによる2025年4月17日付出資証明書、BCPE Phoenixに対して金270億円を限度として出資を行う用意がある旨のBCPE Phoenix Holdings Cayman, L.P.による2025年4月17日付出資証明書、BCPE Phoenix Holdings Cayman, L.P.に対して金270億円を限度として出資を行う用意がある旨のBain Capital Asia Fund V, L.P.による2025年4月17日付出資証明書を確認することによって、公開買付者の資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本公開買付けの開始以降、公開買付者の財務状況に著しい変動を生じさせる事由等、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことです。

以上により、当社は、公開買付者による本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。

 

 

④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み

当社は、本株式併合の効力発生後、2025年8月を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却し、公開買付者において当該当社株式を買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年9月を目途に、公開買付者に当該当社株式を売却し、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年10月を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。

当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却により得られた代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。

 

(2) 端数処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

本株式併合においては、上記「(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、各株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,800円を乗じた金額に相当する金銭を、株主の皆様に交付することを予定しております。

当社は、以下(ⅰ)から(ⅳ)に記載の本公開買付価格に関する交渉経緯、第三者算定機関による当社株式に係る株式価値算定結果、本特別委員会からの2025年4月18日付答申書の提出や当社株式の株価水準等を総合的に考慮した上、本公開買付価格(1,800円)は当社の一般株主が享受すべき利益が確保されたものであり、合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(ⅰ)大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内であること。

 

(ⅱ)本公開買付けの開始予定の公表日(2025年1月14日)の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の1,421円に対して26.67%、同日までの過去1ヶ月間(2024年12月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,482円(小数点以下を四捨五入。以下終値単純平均値の計算において同じです。)に対して21.46%、同日までの過去3ヶ月間(2024年10月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,360円に対して32.35%、同日までの過去6ヶ月間(2024年7月11日から2025年1月10日まで)の終値単純平均値1,361円に対して32.26%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、本公開買付価格には本件と類似の事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること。具体的には、一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の当社のPBRは約2.6倍となっている。M&A指針が公表された2019年6月28日以降に公表され、2024年12月25日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした公開買付け事例のうち、対象会社のPBRが2.5倍以上の事例26件におけるプレミアム率は、基準日の終値に対しては10~20%及び20~30%のプレミアムが付された事例がそれぞれ5件、直近1ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が9件、直近3ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が7件、直近6ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が6件となっており、最頻値となっている。本公開買付価格は、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日の終値及び直近1ヶ月の終値単純平均値に対して20~30%の最頻値のプレミアムが付されており、直近3ヶ月の終値単純平均値及び直近6ヶ月の終値単純平均値に対して最頻値を超える30~40%台のプレミアムが付されていることから、本件と類似の事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること。

 

 

(ⅲ)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、少数株主利益が確保されていると認められること。

 

(ⅳ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、下記「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2025年4月18日付答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

 

また、当社は、2025年4月18日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議した後、本臨時株主総会の招集を決議した2025年5月30日開催の当社取締役会における決議時点に至るまで、本公開買付価格の算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。

以上より、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。

 

(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置の経緯

上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保する観点から、2024年8月30日開催の取締役会決議により、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業並びに本取引との間に利害関係を有さない、鈴木伸一氏(当社独立社外取締役)、高橋均氏(当社独立社外監査役)及び松本真輔氏(中村・角田・松本法律事務所弁護士)の3名から構成される特別委員会を設置いたしました。鈴木伸一氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有しており、かつ当社の社外取締役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していることから、高橋均氏は、商法・会社法、金融商品取引法及び企業法務に精通し、大学教授として法理論と実務の両面に関する幅広い見識を有しており、かつ当社の社外監査役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していることから、松本真輔氏は、弁護士としてM&Aに関する専門的知識・経験を有していることから、それぞれ本特別委員会の委員に選定しております。当該取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングスの出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。

また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、2024年9月6日開催の取締役会において、上記取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名を加えた取締役9名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議しました。

 

本特別委員会は、委員間の互選により、本特別委員会の委員長として、鈴木伸一氏を選定しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、鈴木伸一氏及び高橋均氏については開催回数に応じた報酬のみとしており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。松本真輔氏については稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

また、当社は、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこととすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認をしない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)こととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)ベインキャピタル及び公開買付者との間で取引条件等についての交渉(当社役職員やアドバイザー等を通じた間接的な交渉を含む。)を行うこと、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任若しくは指名すること(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)すること(なお、特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができる。)、(ⅲ)本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めること、(ⅳ)必要に応じ、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に合理的に必要な情報を受領すること、及び(ⅴ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項を行うことについて権限を付与することを決議しております

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年9月6日より2025年1月10日までの間に合計27回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。具体的には、本特別委員会は、ベインキャピタルから、本取引を提案するに至った経緯、本取引の目的、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行い、また、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。

また、本特別委員会は、ベインキャピタルに対して提示する事業計画及び大和証券が当社の株式価値の算定において基礎とする事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認及び承認を行いました。

その上で、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から、その独立性及び専門性に鑑み、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けています。さらに、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券の独立性及び専門性に鑑み、当社の依頼により、当社のファイナンシャル・アドバイザーである同社から説明を受け、公開買付者からより高い価格を引き出すための交渉方針について審議・検討しました。また、本特別委員会は、当社がベインキャピタルから本公開買付価格に関する提案を受領する都度、適時に報告を受け、当社の依頼により当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から説明を受け、当社に対して複数回に亘り、ベインキャピタルに対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、ベインキャピタルに対する交渉方針を審議・検討すること等により、ベインキャピタルとの間の本公開買付価格に関する協議・交渉に実質的に関与しました。

その結果、当社は、2025年1月8日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,800円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である1,643円から1,800円にまで引き上げております。

 

さらに、本特別委員会は、大和証券から、2025年1月14日付当社プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、森・濱田松本法律事務所から受けた法的見地からの助言及び大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年1月10日付で提出を受けた本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年1月10日付答申書を提出しております。

(a) 答申内容

1. 当社取締役会において、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することを決議することが妥当であると考えられる。

2. 当社取締役会における本取引についての決定(本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することの決定、及び、本スクイーズアウト手続を実施することの決定)は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

(b) 検討

ⅰ.本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの検討

(ア)当社グループを取り巻く事業環境

当社グループを取り巻く事業環境についての当社の認識(詳細については、当社意見表明プレスリリースをご参照ください。)については、本特別委員会としては異存はない。

 

(イ)ベインキャピタルの提案内容の検討

上記「1.本株式併合の目的」に記載のベインキャピタルの本取引後の施策の提案について、本特別委員会は、かかるベインキャピタルからの提案内容について、ベインキャピタルに対して複数回にわたり質問事項を送付し、ベインキャピタルから書面での回答を受けるとともに、ベインキャピタルから直接説明を受け、質疑応答を行う等して検討した結果を踏まえ、以下のとおり判断する。

すなわち、まず、当社としては、抜本的な構造改革を行うことで、当社中期経営計画への取組みや経営課題への対応を加速させることが可能となるところ、当社が上場をしており、当社に少数株主が存在している現在の状況では、当社の少数株主の利益を図る観点から、機動的な経営資源の活用や意思決定の柔軟性及びスピードには一定の制約があるものと考えられる。そこで、本取引により当社が非公開化することで、そうした制約を受けずに、短期的な業績にとらわれない中長期的な視点での取組みや意思決定の迅速化を実現することができるものと考えられる。加えて、当社は、上場企業である限り発生する上場維持費用、金融商品取引法上の開示及び監査に対応するリソース・費用、IR費用等の株主対応に関する経営資源を事業への投資に振り向けることができるものと考えられる。

また、ベインキャピタルがこれまで培ってきた、国内外の投資先及び昭和飛行機工業などの近接領域における投資事例の経営ノウハウ、事業改革支援の経験及びベインキャピタルが保有する人材面と資金面を中心とした経営資源等を活用することにより、当社中期経営計画への取組みや経営課題への対応をはじめとした各種施策の実行が可能になるものと考えられる。

さらに、ベインキャピタルは、本取引により当社を非公開化した後は、過去の投資実績の経験等を踏まえ、当社に対して豊富な経験に基づくハンズオン経営支援、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMIの支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定とのことであり、それらの支援により、当社単独では成しえない成長を実現することができるものと考えられる。

 

当社としては、本取引を通じて当社が非公開化し、ベインキャピタルとの協働が可能となることで、以下の①~③のような施策の実施が可能となり、当社の企業価値向上に資するものと考えられる。

① 既存事業成長実現に向けた設備投資を可能とする財務健全化及びその前段階としての財務の見える化の推進

ベインキャピタルは、高い水準で推移している当社の財務レバレッジ改善のためには、(ⅰ)金融機関との交渉による既存借入金の借換え、(ⅱ)キャッシュフロー創出力の改善による有利子負債の圧縮及び(ⅲ)EBITDAの改善が必要と考えているとのことである。当社としても、拡大する需要に対応するための運転資金及び設備投資資金の確保は重要と考えているところ、本取引が実施される場合には、ベインキャピタルの信用力を背景に当社にとって最適な資金調達手段をとることができると考えられる。なお、金融機関からの借換えについては、ベインキャピタルから当社の成長戦略を阻害しない条件での提案を受領しており、今後金融機関とも協議を進める予定である。

また、ベインキャピタルは、経営判断や事業運営上必要な重要な数値及び指標の管理を適切にすべく、必要な指標の設定及びそのモニタリング体制の構築を実施し、「財務の見える化」を推進する予定とのことである。当社としても、人的リソースや内部管理体制の整備の不足によって、これらの経営指標等の管理が適切になされていないことが重要な課題の一つと認識しており、ベインキャピタルが有する経営管理のノウハウや高度な専門性を有する人材の受入れにより、かかる課題を解決することができるものと考えられる。

② ハンズオンでの中長期的な成長戦略の検討、策定及び推進

ベインキャピタルは、当社の中長期的な成長戦略として、内装品事業の更なる深化、整備・機器製造事業の安定成長、M&Aによるスケール拡大、コスト管理、生産性改善、シート事業の抜本的見直し等による収益性向上、在庫の滞留の解消等による運転資本の効率化等の各施策をハンズオンで行う予定とのことである。

当社は、内装品事業については既に強固なポジションを確立しているものの、顧客基盤の拡大に向けた営業機能の強化及びレトロフィットやスペアパーツといったアフターマーケットの販売を強化することによって更なる成長の余地があると見込んでいる。また、現在不採算事業となっているシート事業に関しても立て直しが急務と考えている他、棚卸資産の積上がりの解消による運転資本の効率化も当社の主要な経営課題の一つと認識しているが、ベインキャピタルが有する経営ノウハウや高度な専門性を有する人材の受入れにより、これらの解決に資するものと考えられる。さらに、当社では整備・機器製造事業をコア事業と位置づけており、中長期視点でのキャパシティ・人員強化が必要であると考えており、そのための方策としてM&Aの活用も有効であると考えられるところ、ベインキャピタルのM&Aのノウハウ、潜在的な投資対象のネットワーク等を活用することで有効なM&Aの実施の確度を高めることができると考えられる。

このように、ベインキャピタルが提案する上記の各施策は、当社グループを取り巻く事業環境についての当社の認識とも合致しており、製造業における豊富な支援実績を有するベインキャピタルの経営支援を受けることによって中長期的な企業価値の向上を実現することが可能と考えられる。

 

③ 上記①及び②を可能とする人財の補強

上記①及び②の各施策を実行する上では、高度な専門性を有する人的リソースの補強が急務であるところ、ベインキャピタルは、日本国内だけで100名を超える経営人材プールを有し、これまでの投資先においても経営幹部人材を多数採用しているとのことである。また、経営幹部人材だけでなく、現場レベルの人材強化にも注力しているとのことである。ベインキャピタルは、本取引後に当社の役職員とも必要なポジションや人数について協議の上、必要な人材について、同社の既存の人員を当社に派遣するのみならず、同社が有する世界的なネットワークを活用した外部人材の登用や外部コンサルティング会社等の活用も行う予定とのことである。当社として多くの経営課題を抱える中、いずれの施策にも人的リソースが必要であるところ、ベインキャピタルから各種の人材の派遣や人材の採用、教育、生産性向上のノウハウの提供を受けることによりこれらの経営課題を解決するとともに、更なる成長に向けて人材リソースを投入することが可能になると考えられる。

 

(ウ)本取引に伴う当社の非公開化によるデメリットについての検討

本取引は当社の非公開化を目的として行われるものであるが、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、上場会社としての知名度・ブランド力低下による、取引先その他ステークホルダーへの影響、従業員のモチベーション低下や人材採用の不安定化、また、資本市場からの資金調達を行うことができなくなる点が挙げられる。

しかしながら、当社はいわゆるB to Bビジネスを営むものであり、当社の知名度・ブランド力については、事業活動を通じて獲得・維持されている部分が多いため、当社の非公開化によって重大な影響を受けることはなく、むしろ本取引の実行後はベインキャピタルのネットワークを活用した人材採用が可能となること、また、資本市場からの資金調達については、本取引によって、ベインキャピタルの信用力を背景に適宜最適な資金調達手段の活用が可能となることから、当社が、本取引を通じて非公開化を行うデメリットは限定的であると考えられる。

また、本特別委員会は、本取引及び本自己株式取得によって、伊藤忠商事及びANAホールディングスが当社の株主ではなくなることに伴う、当社の企業価値への影響についても、伊藤忠商事及びANAホールディングスに対して質問事項を送付し、書面で回答を受け、又は直接説明を受け、質疑応答を行う等して検討した。

この点、当社は、両株主からの意見聴取も踏まえ、これらの株主が当社株式を所有していることを前提とした取引関係はなく、当社の非公開化後も事業上の取引の継続には特段懸念はないと認識しているとのことである。また、伊藤忠商事は、同社からの出向者については、一定の引継ぎ期間を設けるなど誠実に協議するとのことであり、海外における販売代理店契約については現行契約の維持を想定しているとのことである。また、ANAホールディングスも同社からの出向者については継続する必要がある者がいれば協議に応じるとのことであり、シート事業及び整備事業に係る取引については継続を希望しているとのことである。

したがって、伊藤忠商事及びANAホールディングスが当社の株主ではなくなることに伴う、当社の企業価値への影響は限定的であると考えられる。

(エ)小括

以上より、当社は、本取引を通じて非公開化することにより、ベインキャピタルの支援を受けて当社中期経営計画の取組みや喫緊の経営課題に対応するための各種施策を実行することが可能となるものと考えられる一方、本取引を通じた当社の非公開化によるデメリットは限定的であると考えられることから、本取引を通じた非公開化は、当社の企業価値の向上に資するものと考えられる。

 

 

ⅱ.本取引の手続の公正性の検討

以下の点より、本取引においては、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考えられる。

(ア)当社において独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められること

(イ)当社は、外部専門家(森・濱田松本法律事務所及び大和証券)の独立した専門的助言を取得しているものと認められること

(ウ)当社は、本取引についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者算定機関である大和証券からの株式価値算定書の取得をしているといえること

(エ)当社は、利害関係を有する役職員を可能な限り本取引の検討・交渉過程から除外し、当社を除く公開買付関連当事者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制を構築しているものと認められること

(オ)当社は公開買付者との間で本公開買付契約を締結する予定であり、同契約においては、当社が公開買付期間が終了するまでの間に、賛同意見表明に係る取締役会決議の変更等を行うこと、同契約締結日から本株式併合の効力発生日までの間に、公開買付者以外の者に対して競合取引に関する提案、勧誘を行うことが原則として禁止されているが、対抗公開買付けが開始された場合であって、かつ、対抗公開買付けが開始されているにもかかわらず、なお賛同意見表明を維持することが、当社の取締役としての善管注意義務に違反すると当社の取締役会がその旨の弁護士の意見を踏まえた上で合理的に判断し、本特別委員会から賛同意見表明を撤回若しくは変更することは適当である旨の答申を受けた場合には、当社は、当該弁護士の意見の内容を公開買付者に開示した上で、公開買付者に対し本公開買付価格の変更について協議を申し入れることができ、公開買付者が当該申入れの日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の末日のいずれか早い日までに本公開買付価格を対抗公開買付けの買付価格以上の価格に変更しない場合には例外が認められており、対抗的買収提案者が当社と接触等を行うことを過度に制限するような内容の合意等を行っているとは認められないこと、ベインキャピタルによれば、本公開買付けの公開買付期間は法令で定める最短期間である20営業日に設定する予定とのことであるが、本公開買付けの予告から本公開買付け開始までの期間を含めると、実質的には法令で定める最短期間よりも長期(少なくとも30営業日以上)にわたる期間設定となる予定とのこと、M&Aに関する事実を公表し、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められること、当社は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックまでは行っていないが、積極的なマーケット・チェックについては、M&Aに対する阻害効果の懸念や情報管理の観点等からの実務上の問題も指摘されており、常に積極的なマーケット・チェックを行うことが望ましいとまではいえないこと、本取引においては、上記のとおり間接的なマーケット・チェックは行われているものと認められるほか、上記(ア)から(エ)まで及び下記(キ)及び(ク)のとおり、他に十分な公正性担保措置が講じられていることを踏まえると、積極的なマーケット・チェックが行われていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えられること

(カ)本取引において、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定は予定されていないが、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合には、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、本公開買付けの成立が不安定なものとなることで、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があり、また、上記(ア)から(オ)まで及び下記(キ)及び(ク)のとおり、他に十分な公正性担保措置が講じられていることを踏まえると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えられること

 

(キ)本取引においては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められること

(ク)本取引においては、強圧性の排除のために経済産業省の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」において望ましいとされる実務上の対応がなされているものと認められること

(ケ)総括

以上より、本取引においては、積極的なマーケット・チェックは行われておらず、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定されていないものの、それ以外に十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているものと考えられる。

 

ⅲ.本取引の取引条件の妥当性の検討

本取引の条件については、下記(ア)のとおり、買収方法及び買収対価の種類については妥当性があると考えられる。また、下記(イ)のとおり、本公開買付価格及びそれと同額とされる本スクイーズアウト手続の対価は妥当であると考えられる。

(ア)買収の方法及び買収対価の種類の妥当性

本取引は、当社の非公開化を目的として、市場価格に一定のプレミアムを付した価格で本公開買付けを行い、本公開買付けが成立した場合には、速やかに本株式併合による本スクイーズアウト手続を行うという方法により行われる。このように公開買付け後に株式併合により非公開化を行う方法は上場会社の非公開化において一般的に採用されている方法の一つである。また、本取引においては、不応募合意株主が本公開買付けに応募せず、本株式併合の効力発生後に本自己株式取得に応じて不応募合意株式を売却するという方法により、当社の株主を公開買付者のみとする方法が予定されているが、これは、本自己株式取得価格を、みなし配当の益金不算入規定が適用されることを考慮して、仮に不応募合意株主が本公開買付けに応募した場合の取引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引き後手取り額が同額となる金額に設定することにより、公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることを企図するものとのことであり、妥当であると考えられる。

以上より、本取引の買収方法は妥当であると考えられる。

また、本取引における買収対価の種類については、公開買付者はベインキャピタルが設立する非上場の特別目的会社であり、換金が困難な株式を対価とすることは一般株主の利益にならないと考えられることから、公開買付者の株式ではなく、金銭を買収対価とすることには妥当性があると考えられる。

したがって、買収方法及び買収対価の種類については、妥当性があると考えられる。

(イ)買収価格の妥当性

① 本株式価値算定書におけるDCF法による算定の基礎とされている事業計画(以下「本事業計画」という。)の合理性

以下の点より、本事業計画の策定目的、策定手続及び内容につき特に不合理な点は認められない。

・ 本事業計画については、本特別委員会による承認の下、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠な伊藤忠商事からの出向者である役職員(業務統括部長)1名が関与しているものの、それ以外には利害関係を有する役職員は関与しておらず、本事業計画の策定手続についても特に不合理な点は認められないこと

・ 本事業計画は、本取引の取引条件の妥当性を客観的かつ合理的に検証する目的で策定されたものと認められること

・ 本事業計画の内容についても特に不合理な点は認められないこと

 

② 大和証券の算定結果の検討

本特別委員会としては、以下のとおり、本株式価値算定書について、算定の方法及び内容のいずれについても不合理な点は認められず、信用できるものと判断する。

・ 大和証券が採用した市場株価平均法及びDCF法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、大和証券による各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められないこと

・ 大和証券による市場株価平均法及びDCF法の各算定内容に不合理な点は認められないこと

・ 公開買付価格は、本株式価値算定書の市場株価平均法による算定結果の上限を超えており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内にある価格であることが認められること

・ 大和証券は、類似会社比較法を採用していないが、これは当社には適切に比較可能な上場会社が存在しないと判断したことによるものであり、そう判断した理由に関する大和証券の説明に特に不合理な点は認められないこと

③ プレミアム分析

本公開買付価格は、本公開買付けの予告についての公表予定日の前営業日である2025年1月10日の当社株式の終値に対して26.67%、2025年1月10日から直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して21.46%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して32.35%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して32.26%のプレミアムが付されたものである。

一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の当社のPBRは約2.6倍となっている。M&A指針が公表された2019年6月28日以降に公表され、2024年12月25日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした公開買付け事例のうち、対象会社のPBRが2.5倍以上の事例26件(以下「本件類似事例」という。)におけるプレミアム率は、基準日の終値に対しては10~20%及び20~30%のプレミアムが付された事例がそれぞれ5件、直近1ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が9件、直近3ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が7件、直近6ヶ月の終値単純平均値に対しては20~30%のプレミアムが付された事例が6件となっており、最頻値となっている。

本公開買付価格は、公表予定日の前営業日の終値及び直近1ヶ月の終値単純平均値に対して20~30%の最頻値のプレミアムが付されており、直近3ヶ月の終値単純平均値及び直近6ヶ月の終値単純平均値に対して最頻値を超える30~40%のプレミアムが付されていることから、本件類似事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められる。

④ 公開買付者との真摯な交渉

本特別委員会は、公開買付者との間で本取引の取引条件に関する協議・交渉を行っており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち、独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で、公開買付者との間で真摯な交渉が行われ、最終的に本公開買付価格に合意したものと認められる。

⑤ 小括

上記のとおり、本株式価値算定書におけるDCF法による算定の基礎とされている本事業計画の策定目的、策定手続及び内容について特に不合理な点は認めらない。また、本株式価値算定書はその算定方法及び算定内容について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断される。

 

本公開買付価格1,800円は、かかる本株式価値算定書の市場株価平均法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内であること、本公開買付価格には本件類似事例との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められること、公開買付者と当社の間における独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で真摯な交渉が実施された結果合意されたものであること、直近1年間の当社株式の場中高値(1,661円)を上回っていること等からすれば、妥当であると考えられる。

 

ⅳ.勧告内容

上記ⅰ.のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられること、上記ⅱ.のとおり、本取引においては一般株主の利益を確保するための公正な手続が実施されており、上記ⅲ.のとおり、本取引の買収方法及び買収対価の種類には合理性があり、本公開買付価格は妥当であると認められる。したがって、当社取締役会が本公開買付けに賛同するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することが、妥当であると考えられる。

 

ⅴ.当社取締役会における本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないかの検討

上記ⅰ.のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられること、上記ⅱ.のとおり、本取引においては一般株主の利益を確保するために公正な手続が実施されており、上記ⅲ.のとおり、本取引の取引条件については、買収方法及び買収対価の種類には合理性があり、本公開買付価格及び本スクイーズアウト手続の対価は妥当であると認められること等からすれば、当社取締役会が本取引の実施についての決定(本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び、本スクイーズアウト手続を実施することの決定)をすることは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

当社は、ベインキャピタルより、2025年4月17日、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

当社は、これを受けて、2025年4月17日、本特別委員会に対して、2025年1月10日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。

 

本特別委員会は、2025年4月17日開催の特別委員会において、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について2025年1月10日以後、2025年4月17日までの事情を勘案して検討を行った結果、本公開買付前提条件⑧のうち、外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件及び本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については2025年4月17日現在充足してないものの、当社は、ベインキャピタルより、外国為替及び外国貿易法に係るクリアランスの完了及び当該残り1社からの承諾又は同意の取得の目途はついたと判断している旨の連絡を受けており、当社においても同様の判断をしており、これらが本取引後に当社の企業価値に重大な悪影響を与える可能性は低いと考えていること、米国のトランプ政権による関税引上げが当社の事業に悪影響を与える可能性はあるものの、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの判断に重要な影響を与えるものではなく、引き続き、本取引は当社の企業価値の向上に資すると考えられること、本取引においては当社の一般株主の利益を確保するための公正な手続が実施されていると考えられること並びに本取引の買収方法及び買収対価の種類には妥当性があり、本公開買付価格及び本スクイーズアウト手続の対価は妥当であると考えられること等からすれば、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年4月18日付答申書を提出しました。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年1月10日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、大和証券につき、独立性及び専門性に問題がないことから、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。

 

③ 当社における独立した法律事務所からの助言

上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けております。また、本特別委員会において、森・濱田松本法律事務所の独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス、昭和飛行機工業及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。森・濱田松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

 

④ 当社における独立した検討体制の構築

上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社は、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2024年8月8日に、ベインキャピタルより初期的意向表明書を受領した以降、本取引に関する検討(当社株式の価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを検討の上、設置し、そのメンバーは、当社取締役会及び本特別委員会の承認を得て事業計画の作成に関与した当社の下記役職員1名を除き、公開買付者、伊藤忠商事、ANAホールディングス及び昭和飛行機工業の役職員を兼職しておらず、かつ過去に各社の役職員としての地位を有していたことのない当社の取締役1名(木村敏和氏)をはじめとする当社の役職員により構成されるものとし、かかる取扱いを継続しております。

当社は、2024年8月30日開催及び2024年9月6日開催の取締役会において、森・濱田松本法律事務所の法的助言を踏まえ、本取引について当社内で検討、交渉及び判断を行うにあたり、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本取引と利害関係を有すると考えられる取締役7名は、当社取締役会においては、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うための二段階目の審議及び決議にのみ参加し、また、本取引に関する協議・交渉には一切参加しないこととする旨を決議いたしました。なお、当社の役職員(1名)による本取引に関して公開買付者に提出する当社の事業計画の作成への関与について、当該役職員は、当社の業務統括部長の地位にあり、当社における定量面での検討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠な人員であるところ、当該役職員は伊藤忠商事からの出向者であるものの、独立した特別委員会の設置等公正性を担保するための措置を講じていること、当該役職員は伊藤忠商事との交渉には関与せず、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与すること、当該事業計画は別途特別委員会で承認すること、その他本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)に独立性の観点から問題がないことを前提として、当該役職員が当社の事業計画の作成に限り関与することを、2024年8月30日開催の取締役会及び同年9月6日開催の本特別委員会により、承認しております。

これらの取扱いを含めて、当社の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

当社は、森・濱田松本法律事務所から得た法的助言、大和証券から得た財務的見地からの助言、本特別委員会から入手した2025年1月10日付答申書、ベインキャピタルとの間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容並びにその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり本取引の目的は合理的であるものと判断し、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法による算定結果のレンジの上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であり、本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられている等の理由より、本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が認められるものと判断し、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することを決議しております。

 

また、上記「1.本株式併合の目的」のとおり、本公開買付けは、本公開買付前提条件が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合に、速やかに開始されることが予定されており、2025年1月14日現在、公開買付者は、本クリアランスに係る手続を所管する当局における手続等に要する期間を正確に予想することは困難であるものの、2025年2月中旬を目途に本公開買付けの開始を目指しているとのことでした。このため、当社は、上記取締役会において、本特別委員会に対して、2025年1月10日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しております。

上記の取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングスの出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておりません。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記の取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名を加えた取締役9名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議いたしました。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

その後、当社はベインキャピタルより、2025年4月17日、(ⅰ)本公開買付前提条件⑧のうち外国為替及び外国貿易法に係る本クリアランスの完了という条件、並びに、本公開買付前提条件⑨のうち、残り1社からの、本取引及びその結果としての公開買付者による当社の完全子会社化に関して必要とされる承諾又は同意の取得という条件については、本公開買付前提条件としては放棄する旨、(ⅱ)その他の本公開買付前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提に、本公開買付けを2025年4月21日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

当該連絡を受け、本特別委員会は、2025年1月10日以降に本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年1月10日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2025年4月18日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2025年4月18日付答申書を提出いたしました。

その上で、当社は、本特別委員会から提出された2025年4月18日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2025年4月18日現在においても、2025年1月10日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2025年4月18日開催の当社取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを、推奨する旨の決議をいたしました。

上記の取締役会においては、当社の取締役のうち、髙端優氏は伊藤忠商事との兼職者であり、阿部俊之氏、恒松孝一氏及び渡辺樹一氏は伊藤忠商事の出身者であり、鶴由貴氏は伊藤忠商事と顧問契約を締結している法律事務所の所属弁護士であり、米倉隆氏はANAホールディングスの出身者であり、原田茂氏はANAホールディングスの子会社である全日本空輸株式会社との兼職者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点より、審議及び決議に参加しておりません。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

 

また、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記の取締役会の審議及び決議に参加しなかった取締役7名のうち、一身上の都合により欠席した社外取締役1名(鶴由貴氏)を除いた6名を加えた取締役8名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議いたしました(なお、当該取締役会決議後に鶴由貴氏に決議の内容を説明したところ、同氏からも決議内容に賛成する旨の意見表明を受けております。)。また、上記の取締役会には、監査役4名全員が出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。

 

⑥ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、当社意見表明プレスリリース「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

また、公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間である20営業日と設定していますが、本公開買付けの開始予定を公表した2025年1月14日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる期間設定となるため、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会は確保されるように配慮されており、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。

さらに、本公開買付契約においては、当社が公開買付期間が終了するまでの間に、賛同意見表明に係る取締役会決議の変更等を行うこと、同契約締結日から本株式併合の効力発生日までの間に、公開買付者以外の者に対して競合取引に関連する提案、勧誘を行うことが原則として禁止されておりますが、当社意見表明プレスリリース「4.本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「(1) 本公開買付契約」の(a)に従って当社が賛同意見表明の変更等を行うことができる場合には例外が認められており、対抗的買収提案者が当社と接触等を行うことを過度に制限するような内容の合意等は行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しています。

なお、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討するいわゆる積極的なマーケット・チェックまでは行っておりませんが、積極的なマーケット・チェックについては、M&Aに対する阻害効果の懸念や情報管理の観点等からの実務上の問題も指摘されており、常に積極的なマーケット・チェックを行うことが望ましいとまではいえないこと、本取引においては、上記のとおり間接的なマーケット・チェックは行われているものと認められるほか、他に十分な公正性担保措置が講じられていることを踏まえると、積極的なマーケット・チェックが行われていなくても、それのみにより本取引における手続の公正性が損なわれるものではないと考えております。

 

4.本株式併合がその効力を生ずる日

2025年7月22日(予定)

 

以 上