第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症流行の社会的抑制が緩和されたことで個人消費が回復し、またインバウンド需要の回復とあわせて持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化等により、依然として先行き不透明な状況にあります。

 EC市場は堅調に拡大をしており、物流施設への旺盛な需要が継続しております。物流不動産の売買市場につきましても、引き続き好調で、新規参入の不動産ディベロッパーが大幅に増加し、纏まった面積を有する物流施設の開発用地は仕入れ競争が過熱しております。投資効率を優先するあまり、テナントの使い勝手を軽視した物流施設も散見されており、今後は物流施設の二極化が進むものと捉えております。

 また、将来的な金利上昇の観測がJ-REIT全般に不透明感を与えております。現物不動産市況には、まだ影響を与えていないものの、不動産・J-REIT市場を今後も注視し、国内における投資を進めてまいります。

 このような事業環境のもと、不動産管理事業セグメントでは、中小型倉庫のマスターリース事業の強化を継続的に進めております。オーナー、不動産仲介会社及び金融機関等との連携を強化し、既存の中小型倉庫の取得と土地の有効活用によるマスターリース付きの新築倉庫の建築提案を通じてマスターリース事業の面積の拡大を図ってまいります。

 物流投資事業セグメントでは、今中期経営計画期間に売却予定の物件の総額は、コミットメント額である2,000億円を超え、2,100億円に達する見込みであり、次の中期経営計画である2027年7月期以降の売却案件の優良な開発素地の仕入れに注力しております。物流投資事業は、キャピタルゲインを確保するだけでなく、アセットマネジメント事業及び不動産管理事業のストック収益基盤を拡大する成長ドライバーでもありますので、中期的な優良案件の獲得を目指してまいります。

 アセットマネジメント事業セグメントでは、私募ファンドを運営する連結子会社のストラテジック・パートナーズ株式会社においては、不動産投資法人の資産運用のために必要となる取引一任代理等の認可を取得いたしました。アセットマネジメント事業の施策の一つである「中・小型倉庫私募リートの組成」に向けて、不動産投資法人を設立して、来春以降の運用開始を目指してまいります。

 海外事業セグメントでは、インドネシアにおいて2号案件として、マルチ型物流施設の開発用地の売買契約を締結いたしました。経済成長の著しい東南アジアでの事業展開を今後も積極的に推進してまいります。

 EC市場の拡大とは対比的にトラックドライバーは減少しております。国内生産年齢人口の減少に加え、物流業界における2024年問題と、物流を取り巻く環境は大きく変化しております。当社としましては、この事業環境の中、さらに付加価値の高いサービスを提供し、顧客の発展に貢献することを目指し、物流インフラプラットフォームの実現を事業ビジョンに掲げております。そのため、物流不動産に係るサービスに加え、物流施設内の管理システム及びロボティクス対応、配送マッチングプラットフォームや人材採用サポートなど、様々なソリューションを提供する企業グループへの成長を目指してまいります。

 当第1四半期連結累計期間の事業活動の結果、売上高6,534百万円(前年同期比3.3%減)、営業損失85百万円(前年同期は244百万円の営業利益)、経常損失448百万円(前年同期は90百万円の経常利益)、事業損失(注)107百万円(前年同期は377百万円の事業利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失423百万円(前年同期は32百万円の四半期純利益)となりました。

 

なお、当第1四半期連結会計期間より、持分法適用関連会社の損益及びM&Aに伴う償却を考慮し、経営判断の客観的指標として「事業利益」を導入いたしました。「事業利益」の算定方法は下記の通りです。

 

(注)事業利益又は損失(△)=営業利益又は損失(△)+持分法投資損益+のれん償却費(連結子会社・持分法適用会社)+事業投資による損益

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、当第1四半期連結会計期間より、ストックビジネスとフロービジネスを明確にするため、また、海外ビジネスの事業の位置づけを明確にするため、報告セグメントを従来の「不動産管理事業」、「物流投資事業」及び「アセットマネジメント事業」の3区分から「不動産管理事業」、「物流投資事業」、「アセットマネジメント事業」及び「海外事業」の4区分に変更しております。また、持分法適用関連会社の損益を考慮し、報告セグメントごとの利益又は損失の算定方法を変更しております。変更後の報告セグメントごとの利益又は損失の算定方法は下記の通りです。

 

セグメント利益又は損失(△)=営業利益又は損失(△)+持分法投資損益

 

前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分及び変更後の報告セグメントごとの利益又は損失の算定方法に基づき作成したものを開示しております。

 

① 不動産管理事業

 不動産管理事業につきましては、高稼働を維持しつつ収益性の向上を目指した結果、2023年10月末時点での管理面積は約190万坪となりました。マスターリース物件が前期に引き続き高い稼働率を維持したこと、管理面積が堅調に推移したことから、安定的に収益が計上されました。その結果、売上高は5,702百万円(前年同期比6.0%減)、セグメント利益は481百万円(前年同期比2.1%増)となりました。

 

② 物流投資事業

 物流投資事業につきましては、当社開発物件であるロジスクエア各物件のリーシング及び建設を進めているところであり、セグメント損失は209百万円(前年同期は62百万円のセグメント損失)となりました。

 

③ アセットマネジメント事業

 アセットマネジメント事業につきましては、CREロジスティクスファンド投資法人と私募ファンドの2023年10月末時点での受託資産残高は281,440百万円となりました。これにより、アセットマネジメントフィー等が順調に計上されました。その結果、売上高は271百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は136百万円(前年同期比13.6%減)となりました。

 

④ 海外事業

 海外事業につきましては、東南アジアで共同パートナーとともに開発物件の土地取得、リーシング及び建設を進めているところであり、売上高は4百万円(前年同期比29.8%増)、セグメント損失は134百万円(前年同期は16百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産の部

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は110,517百万円となり、前連結会計年度末に比べ859百万円増加いたしました。これは主に仕掛販売用不動産が8,628百万円、現金及び預金が5,824百万円減少した一方、販売用不動産が10,347百万円、前渡金が2,984百万円、未収消費税等が2,100百万円増加したことによるものであります。固定資産は29,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ125百万円増加いたしました。これは主に長期前払費用が112百万円、投資有価証券が94百万円減少した一方、投資その他の資産のその他が277百万円、繰延税金資産が178百万円増加したことによるものであります。繰延資産は10百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円減少いたしました。これは社債発行費が1百万円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は139,804百万円となり、前連結会計年度末に比べ983百万円増加いたしました。

 

② 負債の部

 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は35,187百万円となり、前連結会計年度末に比べ170百万円減少いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が3,508百万円増加した一方、買掛金が3,402百万円、役員賞与引当金が295百万円減少したことによるものであります。固定負債は67,556百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,570百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2,262百万円、受入敷金保証金が332百万円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は102,744百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,399百万円増加いたしました。

 

 

③ 純資産の部

 当第1四半期連結会計期間末の純資産は37,060百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,416百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失423百万円の計上と配当金731百万円の支払いに伴い利益剰余金が1,154百万円、投資有価証券の時価評価に伴いその他有価証券評価差額金が245百万円減少したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。