1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名 称  日本製鉄株式会社

所在地  東京都千代田区丸の内二丁目6番1号

 

2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1) 本公開買付けに関する意見の内容

当社は、2026年1月30日開催の当社取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨決議いたしました。なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

 

(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、公開買付者が2025年8月1日付「黒崎播磨株式会社株式(証券コード5352)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(公開買付者が2025年11月13日に公表いたしました「(開示事項の変更)『黒崎播磨株式会社株式(証券コード5352)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ』の一部変更について」において変更された事項を含みます。以下「2025年8月1日付公開買付者プレスリリース」といいます。)にて公表しておりましたとおり、2025年8月1日開催の取締役会において、東京証券取引所プライム市場及び証券会員制法人福岡証券取引所(以下「福岡証券取引所」といいます。)本則市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本前提条件(詳細は下記(注1))が充足された場合(又は公開買付者により放棄された場合)、本公開買付けを実施することを決議し、2026年2月上旬頃までに本公開買付けを開始することを目指していたとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式を15,632,004株(所有割合(注3):46.42%)所有する当社の筆頭株主(注4)であり、公開買付者の完全子会社である日鉄テックスエンジ株式会社(所有株式数16,128株、所有割合:0.05%)を通じた間接所有分と合わせて当社株式15,648,132株(所有割合:46.47%)を所有することにより、当社を実質的に支配していることから連結子会社としているとのことです。

(注1) 「本前提条件」とは、①本取引の実行に必要な競争法及び投資規制法令等上のクリアランスの取得が完了(注2)していること、②当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見表明を行い、かつ、当社の株主に対しても本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議がなされ、本公開買付けの開始時点においてもそれが変更、追加又は修正されず有効であること、③本特別委員会(当社取締役会が本公開買付けに関して設置した特別委員会をいいます。以下同じです。)が、当社取締役会に対して、本公開買付けに賛同すること、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること及び本取引を行うことについて、肯定的な内容の答申を提出し、本公開買付けの開始時点においても当該答申の内容が変更、追加又は修正されず有効であること、④本取引のいずれかが法令等に違反するものではなく、また、司法・行政機関等に対して、本取引のいずれかを制限又は禁止することを求める旨のいかなる申立て、訴訟又は手続も係属しておらず、本取引のいずれかを制限又は禁止する旨のいかなる司法・行政機関等の判断等も存在しておらず、かつ、その具体的なおそれもないこと、⑤当社によって公表(法第166条第4項)されていない当社の業務等に関する重要事実(法第166条第2項)が存在しないこと、⑥法第27条の11第1項ただし書に定める当社又はその子会社の業務又は財産に関する重要な変更その他の本公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情が生じていないこと、並びに⑦その他本取引の実行が客観的に不可能又は著しく困難となる事実が発生又は判明していないことをいうとのことです。

 

(注2) 本取引実施のために必要となる又は望ましいと公開買付者が合理的に判断する国内外の競争法及び国外の投資規制法令等上の届出その他国、地方公共団体その他の公的機関及び行政機関等(以下「公的機関等」といいます。)に対する手続につき、法令等上の待機期間が存在する場合には、当該待機期間(当該手続を所管する公的機関等により延長された場合には、当該延長後の期間を含みます。)が満了することを、また、公的機関等の許可、認可、免許、承認、同意、登録、判断等の取得を要する場合には、当該取得がなされることを、個別に又は総称していうとのことです。

(注3) 「所有割合」とは、当社が2026年1月30日付で公表した「2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2025年12月31日現在の当社の発行済株式総数(36,458,112株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(2,782,185株)を控除した株式数(33,675,927株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下同じです。

(注4) 筆頭株主であることは、当社が2025年11月14日に提出した第135期半期報告書の「第3 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」の「(5) 大株主の状況」に記載された2025年9月30日時点の所有株式数によります。

 

本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を6,818,596株(所有割合:20.25%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。

 

今般、公開買付者は、国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、本書提出日、本前提条件がいずれも充足されていることを確認し、本公開買付けを2026年2月2日に開始することを決定したとのことです。

 

なお、買付予定数の下限である6,818,596株(所有割合:20.25%)は、当社第3四半期決算短信に記載された2025年12月31日現在の発行済株式総数(36,458,112株)から、当社第3四半期決算短信に記載された2025年12月31日現在の当社が所有する自己株式数(2,782,185株)を控除した株式数(33,675,927株)に係る議決権数(336,759個)に3分の2を乗じた数(224,506個、小数点以下を切り上げ)に当社株式1単元(100株)を乗じた株式数(22,450,600株)について、当該株式数から、本書提出日現在、公開買付者が所有する当社株式数(15,632,004株)を控除した株式数(6,818,596株)としているとのことです。これは、本取引においては当社の株主を公開買付者のみとすることを目的としているところ、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載された会社法第180条に基づく株式併合(以下「本株式併合」といいます。)の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、当該手続が確実に実行可能となるよう、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権の数の3分の2以上を所有することとなるように設定したとのことです。

公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式数を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。

 

 

また、公開買付者は、2025年8月1日付公開買付者プレスリリースにおいて、本公開買付けが、適用される米国の法令及び各種規制を遵守するものとして実施できない限り、本公開買付けを、米国において若しくは米国に向けて又はいかなる米国人(米国1933年証券法レギュレーション S に規定される「米国人」を意味します。以下同じです。)に対しても行わない旨を公表しておりましたが、その後、2025年11月13日付「(開示事項の変更)「黒崎播磨株式会社株式(証券コード5352)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」の一部変更について」(以下「2025年11月13日付公開買付者プレスリリース」といいます。)にて公表しておりましたとおり、2025年8月1日以降、本公開買付けに向けた対応を進める過程において、米国の法律事務所の助言に基づき、事実関係及び法令の適用について改めて検討した結果、適用される米国の法令及び各種規制を遵守することが可能である旨を確認できたことから、本公開買付けを、米国において若しくは米国に向けて又は米国人に対しても行う方針に変更したとのことです。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、1950年4月1日に八幡製鐵株式会社、富士製鐵株式会社としてそれぞれ設立され、両社は1970年3月31日に合併し、商号を新日本製鐵株式會社に変更したとのことです。新日本製鐵株式會社は、2012年10月1日に、1949年7月1日に設立された住友金属工業株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、商号を新日鐵住金株式会社に変更し、その後、2019年4月1日に、商号を現在の日本製鉄株式会社に改め、2020年4月1日に日鉄日新製鋼株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、本書提出日現在に至っているとのことです。また、公開買付者は、1950年10月2日付で東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所に、1950年10月5日付で福岡証券取引所に、その後、1952年1月21日付で証券会員制法人札幌証券取引所にそれぞれ株式を上場し、本書提出日現在、公開買付者の株式は、東京証券取引所においては、2022年4月の新市場区分への移行後、それまでの市場第一部に代わりプライム市場に、株式会社名古屋証券取引所においては、2022年4月の新市場区分への移行後、それまでの市場第一部に代わりプレミア市場にそれぞれ上場しているとともに、福岡証券取引所本則市場及び証券会員制法人札幌証券取引所本則市場にもそれぞれ引き続き上場しているとのことです。

公開買付者は、2025年9月30日現在、当社を含む501社の連結子会社及び114社の持分法適用関連会社等を有しているとのことです(公開買付者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社等を総称して、以下「公開買付者グループ」といいます。)。公開買付者グループでは、製鉄事業を主体に、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業及びシステムソリューション事業を加えた4セグメント体制を敷いているとのことです。公開買付者グループは、「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。」という基本理念に則り、将来にわたって日本の産業競争力を支える「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指して成長し続けることを念頭に、2021年3月5日付で中長期経営計画(2021年度~2025年度)(以下「公開買付者経営計画」といいます。)を策定しているとのことです。公開買付者経営計画では、4つの柱として、(ⅰ)「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」、(ⅱ)「海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進」、(ⅲ)「カーボンニュートラル(注5)への挑戦」及び(ⅳ)「デジタルトランスフォーメーション戦略の推進」を掲げているとのことです。さらに、公開買付者グループは、2025年12月12日付で「2030中長期経営計画」(2026年度~2030年度)を策定しており、当該計画では、(ⅰ)国内におけるさらなる収益基盤強化による収益力向上、及び(ⅱ)海外におけるグローバル成長戦略の実行による飛躍的利益拡大を戦略として掲げ、これらの戦略を支える経営基盤をさらに強化するため、最先端技術の開発推進、業務刷新・効率化、人材競争力の強化等にも取り組むこととしているとのことです。

(注5) 「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理等による「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを指すとのことです。

 

 

一方、当社は、1918年10月に耐火煉瓦の製造販売を目的に黒崎窯業株式会社として設立されました。1949年5月に東京証券取引所、株式会社大阪証券取引所(2003年12月に大阪証券取引市場の上場は廃止)、同年6月に福岡証券取引所に当社株式を上場、2000年4月にハリマセラミック株式会社との合併を経て商号を現在の黒崎播磨株式会社に変更し、現在に至っております。なお、当社は2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、本書提出日現在において、東京証券取引所プライム市場に上場しております。

当社グループは、本書提出日現在、当社、連結子会社12社、持分法適用関連会社3社により構成されており、鉄鋼業をはじめとする素材産業各分野に対して工業窯炉で使用される耐火物(注6)全般の製造販売、高性能・省エネルギー工業炉の設計・施工及び半導体製造装置や電子部品業界向けセラミックスの製造販売を行っております。当社グループは、「熱を操り、社会を支え、豊かな未来をつくる ~黒崎播磨グループは総合セラミックス企業として世界の産業発展に貢献し、持続可能な社会と未来の人々の幸福を実現します~」という存在意義のもと、「卓越した技術力と課題解決力を追求し、世界から選ばれ続けるグローバルリーダー」を目指す姿として掲げ、鉄鋼業をはじめとする素材産業各分野の発展を支える耐火物メーカーとして、インド、欧州、北米、アジアを中心にグローバルに成長を続けてまいりました。

当社グループは100年を超える歴史の中で長年顧客とともに課題解決に取り組むことで培ってきた高い技術開発力・ノウハウを活かし、高機能・高付加価値の耐火物製品を取り扱っております。加えて、大型工業炉やバイオマス発電向け省エネルギー工業炉の設計・施工、電子部品の焼成工程に不可欠な部材・精密部品用セラミックスの開発も行っており、総合セラミックス企業として、高度な顧客ニーズに応えた製品・サービスの提供に向けて、継続的な研究開発投資を実施しております。高炉各社が脱炭素に向けて電炉への切り替えや水素還元技術の実装化等の製造プロセス改革に取り組む中で、耐火物について、高耐用製品や操業条件に適した製品等、製鉄プロセスの変化に合わせた要求仕様の高度化が進展しており、当社グループの高機能耐火物は必要不可欠となっております。また、環境負荷の低いハイブリッド車やEV(注7)の品質を高める軽量化・高強度化を可能とする高級鋼の需要が伸長すると見込まれる中で、その製造に必須の高機能耐火物の需要も増加すると予想されることから、こうした分野においても、当社グループの技術を活かした着実な新規需要の捕捉が可能なポジションを確保しております。カーボンニュートラルの観点では、当社の持つ「熱を操る技術」を活用し、CO排出量削減と高耐用化を実現した不定形耐火物「Dry-Free®」や耐火煉瓦「TOUGHMAX™」、ロケットの積載重量軽減による燃料節約に資する軽量かつ頑丈な超低熱膨張セラミックス「NEXCERA®」等を開発しており、日々の生活空間から宇宙・最先端分野に至るまで、環境価値の高い差別化製品を提供し、脱炭素社会の実現に貢献しております。

当社グループを取り巻く経営環境につきまして、国内では、耐火物の主たる顧客である鉄鋼業において、日本鉄鋼連盟発表によると建設向け・製造業向けともに鋼材需要が低調であること(国内鋼材需要は製造業向け・土木建築向けともに漸減傾向にあり、国内鋼材需要は2018年度に約6,200万トンでしたが、2024年度には約5,000万トンに減少)に加え、中国による鋼材の過剰生産と全世界に向けての低価格での高水準の輸出継続の影響を受け、日本の2024年度国内粗鋼生産量は8,295万トンと3年連続で減少し、1970年度以降ではコロナ禍の2020年度(8,278万トン)に次ぐ過去2番目に低い水準にとどまりました。また、世界鉄鋼協会発表による2024暦年の粗鋼生産量は、インドは前年に比べ6.3%増の1億4,960万トンであったものの、世界全体では18億8,260万トンと前年比0.8%減少しております。今後は高炉から電炉への切り替え、EV化の進展等、社会・産業構造の変化を受け、国内外の耐火物メーカーとの競争激化が想定される中、当社グループにおける技術力・製品開発力・コスト競争力の強化に注力し、国内外の競合他社に対する優位性を一層強化・拡大することが、当社グループにとって必要であると認識しております。

 

かかる状況の中、当社グループは2021年3月24日に2025年を最終年度とする経営計画「黒崎播磨グループ2025経営計画について」(以下「2025経営計画」といいます。)を公表し、持続的な成長の追求に取り組んでまいりました。2025経営計画策定後、世界的な原材料価格の高止まり、ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー・食糧価格の高騰に起因するインフレ・金利上昇・急激な円安進行、半導体不足等部品供給網の混乱を背景とした自動車生産台数減に伴う国内外主要顧客での粗鋼生産量の減少等大きな環境変化に直面したものの、コスト上昇分の販売価格への転嫁と徹底したコストダウンの推進、インドを中心とした海外耐火物事業での需要取込みに鋭意取り組んだことにより、2022年度末時点において2025経営計画における最終年度の数値目標である、売上高1,500億円及び経常利益120億円を前倒しで達成する結果となったことから、2023年7月28日に2025経営計画の見直しを行い「2025経営計画見直しに関するお知らせ」(以下「2025見直し経営計画」といいます。)を公表いたしました。2025見直し経営計画では「鉄と産業を支える世界第一級の総合セラミックス企業」を目指し、国内需要の構造的変化に対応した国内耐火物事業の抜本的体質強化、マザー拠点(注8)としての競争力の維持・向上、当社グループの高い技術力を活かしたインド・東南アジアでの拡販、パートナー企業との連携による欧州・米州での事業拡大を掲げ、各種施策を推進し、設備投資計画の増額及び財務目標の上方修正を行い、当社グループの強みを活かしたグローバル戦略の推進による耐火物市場での企業価値・プレゼンスの更なる向上を図ってまいりました。その結果、2025見直し経営計画における最終年度の数値目標のうち経常利益150億円については、既に2事業年度連続で超過達成を果たしております。

(注6) 鉄やガラスを溶かす溶解炉の内張りや、窯道具等、高温による熱や腐食に耐えるための素材です。

(注7) 「EV」とは「Electric Vehicle」の略で、バッテリーに蓄えた電気をモーターに供給して走行する電気自動車の総称です。

(注8) 海外に複数の生産拠点を持つ多国籍企業において、母工場として、他の生産拠点の技術や体制のモデルとなる拠点の総称です。

 

なお、公開買付者と当社の資本関係は1956年に公開買付者(当時の商号は八幡製鐵株式会社)が当社(当時の商号は黒崎窯業株式会社)の株主として資本参加し、当社株式を4,160,000株(持株割合(注9):52.00%)所有するに至ったことに始まります。2000年4月に当社はハリマセラミック株式会社との間で当社を吸収合併存続会社、ハリマセラミック株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、公開買付者の所有する当社株式数は39,080,012株(持株割合:44.45%)となりました。その後、2017年10月に当社は当社株式10株を1株とする株式併合を実施し、2018年3月末時点では、公開買付者が当社株式を3,908,001株(持株割合:42.88%)所有するに至り、2019年3月には公開買付者が国際財務報告基準を適用するにあたり、当社は公開買付者の連結子会社となりました。その後、2024年4月に当社は当社株式1株を4株とする株式分割を実施し、2025年12月末時点では、公開買付者が当社株式を15,632,004株(持株割合:42.88%)所有するに至り、本書提出日現在においても公開買付者が所有する当社株式数及び持株割合に変更はありません。

(注9) 「持株割合」とは、各時点における当社の発行済株式総数に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております(なお、各時点の自己株式数を把握することが困難であるため、発行済株式総数から自己株式数を控除しておりません。)。

 

公開買付者は、国内鉄鋼市場が人口減少に伴う内需の縮小等を背景とした厳しい事業環境下(国内鋼材需要は製造業向け・土木建築向けともに漸減傾向にあり、日本鉄鋼連盟発表による国内鋼材需要は2018年度に約6,200万トンでしたが、2024年度には約5,000万トンに減少。)にあるなか、足元から迅速かつ的確に環境変化に対応し競争に打ち勝っていくためには、公開買付者と当社の経営リソースを持ち寄り、更なる一体化・最適化を推進していくことにより競争力の一層の強化を図ることが必須と考えているとのことです。しかしながら、現状においては公開買付者と当社がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っていることから、技術情報の共有、経営資源の補完及び相互活用等に関して、一定の制約があることは否めないとのことです。公開買付者グループの一層の成長のためには、当社と海外展開や鉄源工程(製鉄プロセスにおける高炉・製鋼などの耐火物を使用する工程)の機能・技術等の面でより一体的なマネジメント体制を築き、グループ一貫での海外事業収益最大化と鉄源工程における競争力強化を実現するとともに、効率的かつ安定的な経営体制を構築する必要があるとのことです。

公開買付者は、こうした観点から2025年5月28日、当社の完全子会社化が望ましいと判断したとのことです。

 

その上で公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることにより、以下の施策の実現が可能と考えているとのことです。

 

ⅰ.公開買付者グループ全体での更なる海外事業収益の最大化

当社は、国内耐火物市場が縮小していく中で、海外事業を成長の柱とすべく、インド・欧州・ブラジル等において製造・販売拠点を確保してきたと認識しているとのことです。本取引により、今後の当社における海外展開への公開買付者グループのリソースの活用拡大や、公開買付者グループの海外展開との連携等を通じ、当社が従来から事業を展開するインド・欧州・ブラジル等に北米も加え、公開買付者グループ一貫での更なる海外収益の拡大を実現できると考えているとのことです。

 

ⅱ.公開買付者グループ全体での鉄源競争力の強化

a.耐火物製品について

当社は、これまでの公開買付者との共同開発や使用評価を踏まえた品質改善について、耐火物の高耐用化(長寿命化)など一定の成果を得ておりますが、より一体的なマネジメント体制下で、両社連携強化による競争力向上や、カーボンニュートラルに向けた製造プロセス変化をとらえた電気炉向け等の耐火物開発の加速化を図ることで、公開買付者グループ一貫での鉄源競争力強化・収益拡大が可能になると考えているとのことです。

b.耐火物整備作業について

国内の各種工業炉耐火物整備機能について、作業量減少や築炉工(耐火物整備員)不足等の問題が深刻化・顕在化することが見込まれており、中長期的な視点で製鉄事業に不可欠な整備機能の維持に向けた取り組みが必要であると考えているとのことです。公開買付者は、当社が企業規模や経営体制の観点で国内の耐火物整備を担う企業のなかで競争力を有していると考えており、将来的な公開買付者の耐火物整備体制の見直し時においても当社を中核企業とすることで、公開買付者と当社の双方でのメリットが期待できると考えているとのことです。

 

なお、公開買付者は、本取引の実施に伴う当社の上場廃止等のデメリットについても検討したとのことです。上場廃止に伴い、設備投資等の際に株式市場における資金調達手段が限定されるデメリットは想定されますが、資金需要に対しては親会社による子会社への資金調達等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えているとのことです。本取引により当社が公開買付者の完全子会社となり、公開買付者との更なる連携強化を図ることによって当社の中長期的な企業価値向上に資するものと考えているとのことです。また、本取引により公開買付者及び当社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、当社の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えているとのことです。

 

公開買付者は、2025年3月下旬に社内の関係部門を構成員とする本取引に関する検討体制を構築し、事業環境や本取引の意義、公開買付者による完全子会社化を目指すこと等について社内検討を行った上で、年4月4日、当社の完全子会社化を含めた公開買付者及び当社の中長期的かつ持続的な企業価値の向上施策に係る検討を開始したい旨の初期的な打診(以下「本初期的打診」といいます。)を当社に対して行ったとのことです。その後、同年5月28日、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任し、また、同年5月28日、当社に対して公開買付け及び株式売渡請求又は株式併合による完全子会社化の提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、同日、当社より、本提案書を受領したこと、同日付で設置した本特別委員会を含め適切な社内体制を整備し、公正性担保措置を実施の上で、本提案書に係る提案内容につき検討する旨の連絡を受領したとのことです。その後、本提案書を提出した日以降、当社との間で、本取引の意義及び目的等に関して、協議及び説明を行ってきたとのことです。

 

また、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンス(以下「本デュー・ディリジェンス」といいます。)を2025年6月上旬から同年7月上旬まで実施するとともに、並行して、本特別委員会から同年6月12日に本取引に関する質問を受領したため、同年6月20日付の書面回答を行い、また、当該回答の内容を受けて本特別委員会から受領した同年6月30日付の追加質問に対して、同年7月1日に当社及び本特別委員会との間で質疑応答を行うとともに、同年7月8日に書面にて回答を行う等、当社及び本特別委員会との間で、本取引の意義及び目的に関する詳細な協議・検討や、本取引後の経営体制・事業方針、本取引における諸条件について、複数回にわたり協議を実施したとのことです。公開買付者は、本デュー・ディリジェンスの結果及び当社を取り巻く外部環境、並びに当社より受領した事業計画及び当社の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果、当社に対して同年7月4日に、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」とのことです。)を3,500円(同年7月3日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値である3,360円、3,136円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)、2,726円及び2,645円に対して、それぞれ4.17%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、11.61%、28.39%及び32.33%のプレミアムを加えた価格)(なお、公開買付者が提案した価格は、当社が中間及び期末配当を行わないことを前提とした価格とのことです。以下同じです。)とすることを含む正式な提案を行ったとのことです。これに対して、公開買付者は、同年7月9日に、当社から、公開買付者の提案価格は当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果は公開買付価格に反映されるべきものであると考えているとして、価格の引上げを検討するように要請されたとのことです。これを受けて、公開買付者は、当社から価格引上げの再検討を要請されたことを踏まえ、同年7月11日に、本公開買付価格を3,700円(同年7月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値である3,495円、3,240円、2,824円及び2,683円に対して、それぞれ5.87%、14.20%、31.02%及び37.91%のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、公開買付者は、同年7月16日に、当社から、公開買付者の提案価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、著しく不十分なものであると考えているとして、本公開買付価格の再検討を改めて要請されたとのことです。これを受けて、公開買付者は、当社から価格引上げの再検討を要請されたことを踏まえ、同年7月18日に、本公開買付価格を4,050円(同年7月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値である3,430円、3,338円、2,913円及び2,725円に対して、それぞれ18.08%、21.33%、39.03%及び48.62%のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、公開買付者は、同年7月23日に、当社から、公開買付者の提案価格は公開買付価格として引き続き十分なものとは判断できないと考えているとした上で、当社の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、本公開買付価格を4,300円とする旨の提案を受領したとのことです。これに対して、公開買付者は、同年7月23日に、当社の意向も尊重し、最大限検討した結果、最終提示価格として、本公開買付価格を4,200円(同年7月22日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値である3,440円、3,366円、2,954円及び2,743円に対して、それぞれ22.09%、24.78%、42.18%及び53.12%のプレミアムを加えた価格)とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、公開買付者は、同年7月24日に、当社から、最終的な意思決定は同年8月1日までの金融、経済、市場、その他状況も勘案し、本特別委員会の答申を踏まえた上での同年8月1日に開催予定の当社取締役会での決議によることを前提として、公開買付者の提案価格は、当社の本源的価値や当社の一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待等を総合的に反映したものと評価していると考え、当該時点における当社の考えとして、本公開買付価格を4,200円とすることに応諾する方針で検討する旨の回答を受領したとのことです。

 

以上の検討・協議・交渉の結果、公開買付者及び当社の間で、本公開買付価格を4,200円とすることについての考えが一致したことから、公開買付者は2025年8月1日開催の取締役会において、本前提条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されたこと)を条件に、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

なお、公開買付者は、2025年8月1日付公開買付者プレスリリースにおいて、本公開買付けが、適用される米国の法令及び各種規制を遵守するものとして実施できない限り、本公開買付けを、米国において若しくは米国に向けて又はいかなる米国人に対しても行わない旨を公表しておりましたが、2025年11月13日付公開買付者プレスリリースにて公表しておりましたとおり、2025年8月1日以降、本公開買付けに向けた対応を進める過程において、米国の法律事務所の助言に基づき、事実関係及び法令の適用について改めて検討した結果、適用される米国の法令及び各種規制を遵守することが可能である旨を確認できたことから、本公開買付けを、米国において若しくは米国に向けて又は米国人に対しても行う方針に変更したとのことです。

そして、公開買付者は、2025年12月3日、当社に対して、国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が2026年1月中旬頃までには完了するものと見込んでいることから、本公開買付けを2026年2月2日に開始することを予定している旨の連絡を行い、その後、公開買付者は、2026年1月6日に、当社に対して、同日(現地時間)付で、本取引の実行に必要な国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が全て完了したことを受け、その他の本前提条件が充足されていること又は公開買付者により放棄されていることを前提に、本公開買付けを2026年2月2日から開始したい旨の連絡をしたとのことです。また、公開買付者は、当社より2026年1月30日、同日時点において未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実が存在しない旨の報告を受けたとのことです。

そして、今般、公開買付者は、国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が全て完了し、その他の本前提条件が全て充足されたことを確認したことから、本公開買付けを2026年2月2日から開始することとしたとのことです。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、本取引を通じて当社を完全子会社化した後、公開買付者グループと当社グループの連携を加速させるとともに意思決定を効率化し、経営の効率化も進めることで、上記「①本公開買付けの概要」に記載の施策を実現させ、当社グループを含む公開買付者グループ全体の企業価値向上に努めるとのことです。なお、当社グループの具体的な経営方針や従業員の処遇方針について、現時点で本取引をきっかけとした変更を検討している事項はないとのことです。

 

④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯

当社は、上記「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者から、2025年4月4日に、本初期的打診を受け、その後、同年5月28日に、本提案書を受領しました。これを受けて、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者は当社を連結子会社としている当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、同年5月28日開催の当社取締役会において、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。

 

また、当社は、本取引の公正性を担保するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も得つつ、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2025年5月28日開催の当社取締役会決議により、加藤卓二氏(当社社外取締役、西部ガスホールディングス株式会社代表取締役社長 社長執行役員)、赤木由美氏(当社社外取締役、九州旅客鉄道株式会社取締役 常務執行役員)及び大格淳氏(当社社外監査役、西日本鉄道株式会社取締役 専務執行役員)の3名から構成される本特別委員会(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ア)本取引の目的は正当性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、及び(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引は少数株主にとって不利益でないと考えられるかについて諮問いたしました。なお、東京証券取引所が同年7月22日を施行日として有価証券上場規程の一部を改正したことに伴って、当社は、同年7月29日開催の当社取締役会において、上記の諮問事項(エ)について、「上記(ア)から(ウ)のほか、本取引は一般株主にとって公正であると考えられるか」に変更をしております(以下、変更後の諮問事項を「本諮問事項」と総称します。)。

また、当社は、本特別委員会の設置にあたり、(a) 諮問事項の検討にあたって、本特別委員会は、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関等に委託することができるものとし、その場合の当該委託に係る合理的な費用は当社が負担するものとする、(b) 本取引に関する当社取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする、(c) 本特別委員会に対して、本取引に係る取引条件等について、必要に応じて、公開買付者と交渉を行う権限を付与する、及び(d) 本特別委員会は、当社の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。)を行うことができるものとすることを決議しております(本特別委員会の設置等の経緯については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

なお、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、同年5月28日、上記の権限に基づき、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定しております。

 

また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びに当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否からの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。

さらに、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

当社は、上記のとおり検討体制を整備した上で、SMBC日興証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応及びその他に対する法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限に尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってきました。

また、当社は、2025年5月28日に公開買付者から本提案書を受領して以降、本特別委員会の意見を聴取し、その承認及び指示・要請を受けながら、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。

具体的には、当社及び本特別委員会は、同年5月28日に本提案書を受領したことを受け、本特別委員会における検討・協議を進め、同年6月12日に、公開買付者に対し、本取引の提案の背景・目的、本取引のシナジー、本取引のデメリット、本取引後の当社の経営方針、ストラクチャー等に関して書面による質問をしたところ、同年6月20日に当該質問書について書面での回答を受け、その後、当該回答の内容を踏まえ同年6月30日付で行った追加での書面の質問事項に対し、同年7月1日開催の本特別委員会において、公開買付者から回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。

 

本公開買付価格については、当社は、同年7月4日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、同年7月4日、公開買付者が、当社に対する本デュー・ディリジェンスの結果及び当社を取り巻く外部環境、並びに当社より受領した事業計画及び当社の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果である正式な提案として、公開買付者から、本公開買付けにおける本公開買付価格を3,500円(提案実施日の前営業日である同月3日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値3,360円に対するプレミアム率は4.17%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,136円に対するプレミアム率は11.61%、過去3ヶ月間の終値単純平均値2,726円に対するプレミアム率は28.39%、過去6ヶ月間の終値単純平均値2,645円に対するプレミアム率は32.33%です。)とすることを含んだ本取引の諸条件に関する提案を受けました。これに対し、当社及び本特別委員会は、同年7月9日、公開買付者に対し、当該本公開買付価格は、当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果は公開買付価格に反映されるべきものであると考えていることから、価格の引上げを検討するよう要請いたしました。これを受けて、公開買付者から、同年7月11日に、本公開買付価格を3,700円(提案実施日の前営業日である同月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値3,495円に対して5.87%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,240円に対して14.20%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,824円に対して31.02%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,683円に対して37.91%のプレミアム)とする再提案を受けました。これに対し、本特別委員会は、同年7月16日に、本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、著しく不十分なものであることから、本公開買付価格の再検討を改めて要請しました。これを受けて、公開買付者から、同年7月18日に、本公開買付価格を4,050円(提案実施日の前営業日である同月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値3,430円に対して18.08%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,338円に対して21.33%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,913円に対して39.03%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,725円に対して48.62%のプレミアム)とする再提案を受けました。これに対し、当社及び本特別委員会は、同年7月23日に、公開買付価格として引き続き十分なものとは判断できないと考えていることから、当社の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、公開買付者に対して4,300円を提案いたしました。その後、当社及び本特別委員会は、同年7月23日、公開買付者より、最終提示価格として、本公開買付価格を4,200円(提案実施日の前営業日である同月22日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値3,440円に対するプレミアム率は22.09%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,366円に対するプレミアム率は24.78%、過去3ヶ月間の終値単純平均値2,954円に対するプレミアム率は42.18%、過去6ヶ月間の終値単純平均値2,743円に対するプレミアム率は53.12%です。)とする旨の提案を受けました。その結果、当社及び本特別委員会は、同年7月24日に、公開買付者の提案価格は、当社の本源的価値や当社一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待等の様々な評価要素を総合的に反映したものと評価していると考え、当該時点における当社の考えとして、本公開買付価格を4,200円とすることに応諾する方針で検討する旨を回答いたしました。

以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにSMBC日興証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーであるプルータス・コンサルティング及び中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってまいりました。具体的には、当社が公開買付者に対して提示し、また、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングが当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画(注10)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。さらに、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉を行うにあたっては、(ア)当社及び本特別委員会が取得する株式価値算定書上、是認される価格を本公開買付価格とすること、(イ)当社の株主の皆様にとってできる限り有利な金額とすることを基本方針としております。

 

(注10) 当該事業計画は、当社が本取引の検討開始後に作成したものです。また、当該事業計画の作成にあたっては、当社及び公開買付者の兼務者である従業員3名が関与しているものの、当該3名の知識及び経験を踏まえると、当該3名が関与せずに作成された当社の事業計画の十分性、実現可能性に係る懸念が大きく、当該3名を事業計画の作成過程に関与させる必要性が高いことを踏まえ、内容の妥当性について利害関係のない上長による確認を行うこと等を条件に、当該3名は、事業計画の作成過程に関与しております。以上の取扱いについては、本特別委員会の承認を得ております。

 

そして、当社は、2025年8月1日付で、本特別委員会から、(ア)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当であると認められる、(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められる、(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていることが認められる、及び(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引は一般株主にとって公正であると考えられる旨の2025年8月1日付答申書の提出を受けております。なお、本特別委員会は、年7月31日付でプルータス・コンサルティングから当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から妥当であると考える旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)」といいます。)の提出を受けております(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の概要については、下記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。

 

(ⅲ)判断内容

以上の経緯の下で、当社は、2025年8月1日開催の当社取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、2025年7月31日付でSMBC日興証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(SMBC日興証券)」といいます。)及びフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、2025年8月1日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。

その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の完全子会社化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。

当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて公開買付者が当社を完全子会社化し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで当社が実現可能と考える具体的なシナジーは以下のとおりです。

 

Ⅰ.海外事業収益の最大化

国内人口減少の加速、中国による鋼材の過剰生産と全世界に向けての低価格での高水準の輸出継続、ブロック経済化の進展に伴い、間接輸出も含めた国内鉄鋼需要の低下及び鉄鋼輸出の大幅な減少が進行することにより、国内耐火物需要の縮小が見込まれております。こうした環境の下、当社は海外事業を成長の柱とすべく、インド・欧州・米国・ブラジル等において製造・販売拠点を確保してまいりました。今後当社が更なる海外事業展開に注力していく中で、公開買付者との連携を一層強化しそのリソース活用を拡大できることは、競合他社にない当社の強みとなります。特に、グローバルで見ても数少ない成長市場である北米での積極的な事業拡大を図る公開買付者と具体的な施策を共有し緊密に連携することで、公開買付者の技術導入により大幅な増加が期待される高機能耐火物需要や公開買付者グループの大規模な設備投資に伴う需要を的確に捕捉することが可能になると考えております。また、大規模なM&A等の機会において、公開買付者の資金調達力等を機動的に活用することによって、更なるグローバル収益の拡大を、当社が単独で展開する以上のスピードと柔軟性をもって実現することも可能になるものと想定しております。

 

 

Ⅱ.耐火物に関するソリューション提案力の強化

当社は、これまでも公開買付者と連携の上、その操業・鋼品質向上に資するべく、高機能耐火物及び整備作業・周辺装置等の提供を通じて、耐火物に関するソリューション提案をしてきておりますが、本取引により当社が公開買付者の完全子会社となりさらに踏み込んだ操業情報の開示を受けられるようになることで、公開買付者の鉄源競争力強化に向け、耐火物の開発を含めたソリューション提案力を強化し、当社の収益拡大につなげることができると考えております。

 

Ⅲ.耐火物整備事業の安定化

各種工業炉耐火物整備作業を請け負う国内築炉業界においては、築炉工不足の顕在化、高炉休止・電炉移行の進展等の大きな経営環境の変化に晒されており、中長期的な視点での構造的対策が必要な状況と認識しております。

本取引を契機に、当社の耐火物整備事業の中核企業としての位置づけが明確になれば、人材の確保を含め当社事業の安定に資すると考えております。

 

一方、本取引の実施に伴う当社のディスシナジーについて、当社が元々公開買付者グループの1社であることが公知の事実であることに鑑みれば、当社が公開買付者の完全子会社となることに伴う受注減少等の影響は限定的と想定しております。なお、上場廃止に伴い、株式等資本市場における資金調達手段は限定されますが、むしろ親会社である公開買付者の資金調達力を機動的に活用できることから、本取引のディスシナジーとはならないと考えております。

総じて、本取引により公開買付者及び当社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、当社の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えております。

 

また、以下の理由により、本公開買付価格である4,200円は、当社の本源的価値を反映した、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社を取り巻く足元の事業環境を映した株価推移に鑑みても、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却及び利益確保の機会を提供するものであると総合的に判断いたしました。

 

(ア) 当該価格が、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯な交渉を重ねた結果合意された価格であること。

 

(イ) 当該価格が、下記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(SMBC日興証券)におけるSMBC日興証券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内にある価格であること。また、下記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地より公正であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)が発行されていること。

 

 

(ウ) 当該価格が、下記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)におけるプルータス・コンサルティングによる当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であること。また、下記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地より公正であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)が発行されていること。

 

(エ) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年7月31日の東京証券取引所における当社株式の終値3,450円に対して21.74%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値3,447円に対して21.85%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値3,054円に対して37.52%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,804円に対して49.79%、同直近12ヶ月間の終値単純平均値2,564円に対して63.81%のプレミアムが加算されたものであること。本公開買付価格は、類似事例(経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)が公表された2019年6月28日以降2025年6月30日までに公表された子会社の完全子会社化を目的とした公開買付け案件で、対象者の時価総額が1,000億円以上の案件を選定した上で、買付け前の株価が1株当たり連結簿価純資産額1倍以上という条件から抽出した案件17件(プレミアム水準の中央値は直前日の終値対比で約25.97%、直前日の過去1ヶ月の平均終値対比で約31.57%、直前日の過去3ヶ月の平均終値対比で約34.12%、直前日の過去6ヶ月の平均終値対比で約28.97%、直前日の過去12ヶ月の平均終値対比で約32.97%))との比較において、当社株式の株価が上昇しているという直近の状況はあるものの、直前日の過去3ヶ月、過去6ヶ月及び過去12ヶ月の平均終値対比で、遜色のないプレミアムが付されているものと認められること。

 

(オ) 当該価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2025年8月1日付答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

 

以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年8月1日開催の当社取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。

また、上記取締役会においては、(ⅰ)本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月1日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、従前の意見の変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及び、(ⅱ)かかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。

 

その後、2025年12月3日、当社は、公開買付者から、国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が2026年1月中旬頃までには完了するものと見込んでいることから、本公開買付けを2026年2月2日に開始することを予定している旨の連絡を受け、本公開買付けに関する諸条件について改めて検討を行う準備を開始いたしました。そして、当社は、本特別委員会に対して、2025年8月1日付答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。その後、2026年1月6日、当社は、公開買付者から、国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が完了したことから、その他の本前提条件が充足されていること又は公開買付者により放棄されていることを前提に、本公開買付けを2026年2月2日に開始したい旨の連絡を受領いたしました。当該連絡を受け、本特別委員会は、2025年8月1日以降に本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うとともに、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年8月1日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2026年1月29日に、当社取締役会に対して、従前の意見に変更がない旨の2026年1月29日付答申書を提出いたしました。

その上で、当社は、本特別委員会から提出された2026年1月29日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2026年1月30日においても、2025年8月1日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。

以上より、当社は、2026年1月30日開催の当社取締役会において、当社の審議及び決議に参加した取締役の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。

2025年8月1日開催及び2026年1月30日開催の当社取締役会における各取締役会決議における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(3) 算定に関する事項

① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対し、当社株式の価値算定を依頼し、2025年7月31日付で、本株式価値算定書(SMBC日興証券)(注1)を取得しました。

 

SMBC日興証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、SMBC日興証券は、当社グループ及び公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員ですが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しています。また、本特別委員会は、2025年5月28日開催の第1回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして承認しております。

 

なお、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案し、またSMBC日興証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

 

(注1) SMBC日興証券は、本株式価値算定書(SMBC日興証券)の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者算定機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(SMBC日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、本株式価値算定書(SMBC日興証券)で使用している、SMBC日興証券に提供された当社の事業計画及びその他将来に関する情報(以下「本事業計画等」といいます。)は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

SMBC日興証券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が存在し、類似上場会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行い、当社はSMBC日興証券から2025年7月31日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しております。

 

本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法:       2,804円~3,447円

類似上場会社比較法:   1,615円~2,239円

DCF法:        3,063円~5,397円

 

市場株価法では、2025年7月31日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における直近1ヶ月間の終値単純平均値3,447円、直近3ヶ月間の終値単純平均値3,054円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,804円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,804円~3,447円と算定しております。

類似上場会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として品川リフラクトリーズ株式会社(現品川リフラ株式会社。以下同じです。)及び東京窯業株式会社(呼称:株式会社TYK)を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,615円~2,239円と算定しております。

 

DCF法では、SMBC日興証券がDCF法による算定の前提とした当社の財務予測は、耐火物、ファーネス、セラミックス等当社の事業において、国内における粗鋼生産量の減少や、インドにおける粗鋼生産量の増加等グローバルでの事業環境の見通し、直近までの業績及び将来成長のための各施策を勘案の上で当社が作成したものであり、合理的に将来予測が可能な期間として、2026年3月期から2031年3月期までを予測期間としております。SMBC日興証券は、当社が作成した本事業計画等を基に、2026年3月期から2031年3月期までの6期分の事業計画等における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を3,063円~5,397円と算定しております。

割引率については、株主資本コスト及び負債コストに基づく加重平均資本コスト6.59%~8.05%を適用しており、継続価値は永久成長法及びマルチプル法に基づき93,743百万円~180,198百万円と算定しております。永久成長法においては、当社を取り巻く長期的な経済見通し等を踏まえて永久成長率0.00%~1.00%、マルチプル法においては、M&Aにおける算定実務において一般的であるEV/EBITDA倍率を採用し、業界各社の水準等を踏まえ5.8倍~7.0倍としております。

SMBC日興証券がDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画等においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりませんが、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、2027年3月期においては、2026年3月期にて前年度下期に特因的に大きかった建設用耐火物売上に伴う売上債権の回収が進むことによるフリー・キャッシュ・フローの大幅な黒字が見込まれるところ、そうした特因が無くなることにより、前年度比49%の減少を見込んでおります。2028年3月期においては、成長市場での投資を含む設備投資支出の増加及び運転資本の増減額の増加を見込んでいることにより、前年度比で更に73%減少するものの、2029年3月期においては、前年度比で運転資本の増減額の減少が見込まれる中で設備投資支出額が減少することにより、前年度比292%の増加を見込んでおります。2030年3月期においては、成長市場での投資を含む設備投資支出の増加及び運転資本の増減額の増加が見込まれることにより、前年度比36%の減少となるものの、2031年3月期においては、設備投資支出の減少に伴い、前年度比49%の増加を見込んでおります。

本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。なお、当社は、2025年6月24日に開示した「固定資産の譲渡に伴う特別利益の計上ならびに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」において、2026年3月期の業績予想の修正を公表しておりますが、SMBC日興証券が当社株式の価値算定を行うにあたっては、当該業績予想の修正の影響を反映しております。

なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

2031年

3月期

売上高

180,000

175,424

188,148

186,827

192,651

200,283

営業利益

15,000

15,135

17,616

16,733

17,716

19,320

経常利益

15,000

15,510

18,014

17,166

18,365

20,083

EBITDA

19,820

20,066

22,905

22,353

23,549

25,519

フリー・キャッシュ・フロー

21,099

10,751

2,913

11,427

7,268

10,856

 

 

 

本事業計画等については、当社の経営陣の最善の予測と判断に基づき、合理的に作成又は回答され、本事業計画等に従って、当社の財務状況が推移することを前提としており、SMBC日興証券は、本事業計画等の実現可能性について独自の調査をすることなく、本事業計画等及びそれに関連する資料に依拠しております。また、SMBC日興証券は、本取引の実行による当社、公開買付者及びその他取引関係者に対する課税関係への影響については考慮しておりません。

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の概要

当社は、2025年7月31日付で、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)(注2)を取得しております。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、本事業計画等に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり4,200円が、当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、本事業計画等を含む財務情報の分析及び検討並びに当社との質疑応答を経て、SMBC日興証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、SMBC日興証券におけるフェアネス・オピニオンに関する承認手続を経て発行されております。

 

(注2) SMBC日興証券は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、公開されている情報、SMBC日興証券がレビューの対象とし、SMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券が当社と協議した情報その他SMBC日興証券が検討した一切の情報が、全て正確かつ完全であることを前提とし、これらの情報の正確性及び完全性に依拠しており、それらの情報自体又はその正確性及び完全性について独自に検証を行っておらず、また、検証の責任又は義務を負うものではなく、それらの情報の正確性及び完全性につき何らの保証を与えるものではありません。SMBC日興証券は、当社の経営陣が、SMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券と協議した情報を不正確又は誤解を招くようなものとする事実又は状況を一切認識していないことを前提としております。SMBC日興証券は、当社とその関係会社のいかなる資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、SMBC日興証券による独自の評価、鑑定又は査定は行っておらず、また、それらについていかなる評価、鑑定又は査定の提供も受けておりません。本事業計画等については、当社の経営陣の最善の予測と判断に基づき合理的に作成又は回答され、本事業計画等に従って、当社の財務状況が推移することを前提としており、SMBC日興証券は、本事業計画等の実現可能性について独自の調査をすることなく、本事業計画等及びそれに関連する資料に依拠しております。また、SMBC日興証券は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、本取引の実行に必要な一切の政府、監督官庁その他による同意又は許認可(契約上のものであるか否かを問いません。)が、当社若しくは公開買付者に悪影響を与えることなく得られるものであることを前提としております。SMBC日興証券は、法律又は会計若しくは税務の専門家ではなく、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、本取引の適法性・有効性及び会計又は税務上の処理の妥当性について独自に検討及び分析を行っておらず、本取引が全ての法律上、会計上、税務上の適正な手続を経て、適切かつ有効に実行されることを前提としております。また、SMBC日興証券は、本取引の実行による当社、公開買付者及びその他取引関係者に対する課税関係への影響については考慮しておりません。SMBC日興証券は、本取引に関して、当社のファイナンシャル・アドバイザーを務めており、そのサービスの対価として当社から手数料を受領する予定です(その相当部分が本取引の完了を条件としております。)。また、当社は、SMBC日興証券の実費を負担すること、及びSMBC日興証券の関与から発生する一定の損害についてSMBC日興証券に補償することに合意しております。SMBC日興証券及びその関係会社は、当社、公開買付者又はそれらの関係会社に対して、投資銀行業務その他の証券/金融商品取引関連業務及び銀行業務等を行い又は将来において行い、かかる業務の提供に対して報酬等を受領しており、また、将来においても受領する可能性があります。また、通常の業務の過程において、当社、公開買付者又はそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む各種金融商品を自己の勘定又は顧客の勘定において随時取引し又は所有することがあります。

 

本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本取引実行後の当社株式の価値又は株価水準について意見を述べるものではありません。SMBC日興証券は、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定(本事業計画等を含みます。)、当社が本取引を遂行するという事業上の意思決定、又は本取引に代替する取引と比較しての相対的優位性について意見を述べることを要請されておらず、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)においてもかかる点についての意見を述べておりません。SMBC日興証券は、当社の、普通株式以外の有価証券の保有者、債権者、その他の利害関係者にとって本取引又は本公開買付価格が公正であることについての検討を要請されておらず、かかる検討は行っておりません。また、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本取引の当事者のいかなる役員、取締役若しくは従業員又はそれらの者の中で一定の職位の者に対する報酬の金額、性質その他の側面に関する、本公開買付価格との比較における公正性(財務的見地からの公正性か否かを問いません。)について、何らの意見又は見解も表明するものではありません。さらに、SMBC日興証券は当社又は当社取締役会に対して、本取引に関する第三者の意思表明を勧誘する義務を負っておらず、また、そのような勧誘をしておりません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に記載されたSMBC日興証券の意見は、当社の株主に対して本取引に関して議決権その他の株主権の行使について何ら意見を述べ又は推奨を行うものではなく、また、当社の株主やその他の利害関係者に対して、当社株式の本公開買付けへの応募、譲渡、譲受その他これらに関連する事項について何ら勧誘又は推奨するものではありません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提としており、また、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の作成日までにSMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券が入手した情報に基づいております。今後の状況の変化により本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明の内容は影響を受けることがありますが、SMBC日興証券はその意見を更新、変更又は再確認する義務を負いません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に記載された意見は、当社取締役会が本公開買付価格を検討するにあたり参考情報を提供することのみを目的として当社取締役会に対してのみ提供されたものです。従って、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明の内容は、当社取締役会のためのかかる目的以外のいかなる目的にも使用されてはなりません。

 

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

本特別委員会は、諮問事項の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対し、当社株式の価値算定及び本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年7月31日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得いたしました。

プルータス・コンサルティングは、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数の第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータス・コンサルティングを独自の第三者算定機関として選任しております。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

プルータス・コンサルティングは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の株式価値の算定を行い、本特別委員会は2025年7月31日付でプルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得しております。

 

本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法:       2,804円~3,450円

類似会社比較法:     1,831円~2,637円

DCF法:        3,210円~4,794円

 

市場株価法では、2025年7月31日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における基準日の終値3,450円、直近1ヶ月間の終値単純平均値3,447円、直近3ヶ月間の終値単純平均値3,054円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,804円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,804円~3,450円と算定しております。

類似会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似会社として品川リフラクトリーズ株式会社及び株式会社ヨータイを選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,831円~2,637円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した本事業計画等を基に、2026年3月期から2031年3月期までの6期分の事業計画等における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を3,210円~4,794円と算定しております。

DCF法の前提とした当社の財務予測は、耐火物、ファーネス、セラミックス等当社の事業において、国内における粗鋼生産量の減少や、インドにおける粗鋼生産量の増加等グローバルでの事業環境の見通し、直近までの業績及び将来成長のための各施策を勘案の上で当社が作成したものであり、合理的に将来予測が可能な期間として、2026年3月期から2031年3月期までが予測期間とされております。

割引率については、株主資本コスト及び負債コストに基づく加重平均資本コスト5.5%~6.7%を適用しており、継続価値は倍率法に基づき131,434百万円~194,539百万円と算定しております。倍率法においては、EBIT及びEBITDAの倍率を採用し、業界各社の水準等を踏まえ6.9倍~9.8倍及び5.1倍~7.5倍としております。

プルータス・コンサルティングがDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画等においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりませんが、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、2027年3月期においては、2026年3月期にて前年度下期に特因的に大きかった建設用耐火物売上に伴う売上債権の回収が進むことによるフリー・キャッシュ・フローの大幅な黒字が見込まれるところ、そうした特因が無くなることにより、前年度比50%の減少を見込んでおります。2028年3月期においては、成長市場での投資を含む設備投資支出の増加及び運転資本の増減額の増加を見込んでいることにより、前年度比で更に78%減少するものの、2029年3月期においては、前年度比で運転資本の増減額の減少が見込まれる中で設備投資支出額が減少することにより、前年度比380%の増加を見込んでおります。2030年3月期においては、成長市場での投資を含む設備投資支出の増加及び運転資本の増減額の増加が見込まれることにより、前年度比39%の減少となるものの、2031年3月期においては、設備投資支出の減少に伴い、前年度比51%の増加を見込んでおります。

 

本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。なお、2025年6月24日に開示した「固定資産の譲渡に伴う特別利益の計上ならびに通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」において、2026年3月期の業績予想の修正を公表しておりますが、プルータス・コンサルティングが当社株式の価値算定を行うにあたっては、当該業績予想の修正の影響を反映しております。

なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

2031年

3月期

売上高

180,000

175,424

188,148

186,827

192,651

200,283

営業利益

15,000

15,135

17,616

16,733

17,716

19,320

経常利益

15,000

15,510

18,014

17,166

18,365

20,083

EBITDA

19,820

20,066

22,905

22,353

23,549

25,519

フリー・キャッシュ・フロー

21,741

10,930

2,361

11,329

6,923

10,466

 

 

本事業計画等については、当社の経営陣の最善の予測と判断に基づき、合理的に作成又は回答され、本事業計画等に従って、当社の財務状況が推移することを前提としており、プルータス・コンサルティングは、本事業計画等の実現可能性について独自の調査をすることなく、本事業計画等及びそれに関連する資料に依拠しております。また、プルータス・コンサルティングは、本取引の実行による当社、公開買付者及びその他取引関係者に対する課税関係への影響については考慮しておりません。ただし、プルータス・コンサルティングは、算定の基礎とした本事業計画等について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本事業計画等については、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の概要

本特別委員会は、2025年7月31日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)(注3)を取得しております。本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、本事業計画等に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり4,200円が、当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、プルータス・コンサルティングが、当社から、当社グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での当社グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。

 

(注3) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を作成するにあたって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としており、また、その正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではないため、これらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の基礎資料として用いた本事業計画等が、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としております。本特別委員会は、当社が本取引のために当該事業計画を作成するにあたり、事業計画案の内容及び重要な前提条件等について説明を受けるとともに、最終的な当該事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認しております。プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。

プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではないため、本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものではありません。

プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けていないため、当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っておりません。

本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものであるため、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。

本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではないため、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)に依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。

プルータス・コンサルティングは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有していないため、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものでありません。

本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータス・コンサルティングに供され又はプルータス・コンサルティングが入手した情報に基づいて同日時点における意見を述べたものであり、今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータス・コンサルティングはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。

本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)に明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。

 

③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、野村證券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。

 

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

野村證券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2025年7月31日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(公開買付者)」といいます。)(注4)を取得したとのことです。なお、野村證券は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関し、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、下記に記載の諸要素を総合的に考慮し、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

野村證券により上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりとのことです。

 

市場株価平均法:    2,804円から3,504円

類似会社比較法:    2,258円から3,219円

DCF法:       2,819円から4,480円

 

市場株価平均法では、2025年7月31日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値3,450円、直近5営業日の終値単純平均値3,504円、直近1ヶ月の終値単純平均値3,447円、直近3ヶ月の終値単純平均値3,054円、直近6ヶ月の終値単純平均値2,804円を基に、当社株式1株当たり株式価値の範囲を2,804円から3,504円までと算定しているとのことです。

類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たり株式価値の範囲を2,258円から3,219円までと算定しているとのことです。

DCF法では、当社から受領し、公開買付者にて修正の上提供された2026年3月期から2031年3月期までの6期分の事業計画における収益や投資計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2026年3月期以降の当社の将来予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,819円から4,480円までと算定しているとのことです。なお、DCF法の前提とした当社の事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されていないとのことです。

公開買付者は、野村證券から取得した本株式価値算定書(公開買付者)における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年6月上旬から2025年7月上旬まで実施した本デュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2025年8月1日、本公開買付価格を4,200円とすることを決定したとのことです。

なお、本公開買付価格である4,200円は、本公開買付けの開始予定についての公表日(2025年8月1日)の前営業日である2025年7月31日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値3,450円に対して21.74%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月の終値単純平均値3,447円に対して21.85%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月の終値単純平均値3,054円に対して37.52%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月の終値単純平均値2,804円に対して49.79%のプレミアムを加えた価格であるとのことです。

また、本公開買付価格である4,200円は、本書提出日の前営業日である2026年1月30日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値4,185円に対して0.36%のプレミアムを加えた金額とのことです。

 

(注4) 野村證券は、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社より受領し、公開買付者にて修正の上提供された当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2025年7月31日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。

 

(4) 上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場及び福岡証券取引所に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所及び福岡証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の、本スクイーズアウト手続が実施された場合には、当社株式は東京証券取引所及び福岡証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場及び福岡証券取引所において取引することはできません。

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下のいずれかの方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式売渡請求

本公開買付けの成立により、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。

本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して本株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主が所有する当社株式の全てを取得することのことです。そして、公開買付者は、本売渡株主が所有していた当社株式1株当たりの対価として、各本売渡株主に対して本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において、かかる本株式売渡請求を承認する予定です。上記手続に関連する一般株主の皆様の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、かかる申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。

 

 

② 株式併合

公開買付者は、本公開買付けの成立後、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を、2026年4月下旬を目途に開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者からこれらの要請を受けた場合には、これらの要請に応じる予定です。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定とのことです。

なお、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、公開買付者のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することを企図し、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。また、当社は、公開買付者から当該要請を受けた場合には、当該要請に応じる予定です。

また、本株式併合に関連する一般株主の皆様の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求できる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、当該申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

公開買付者及び当社は、当社が公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の一般株主の皆様との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しております。

なお、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を15,632,004株(所有割合:46.42%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりませんが、公開買付者及び当社において以下の措置を講じていることから、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされているとのことであり、当社としても同様に判断しております。

また、以下の記載のうち公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は2025年7月31日付で野村證券から、当社の株式価値の算定結果に関する本株式価値算定書(公開買付者)を取得しているとのことです。詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「③公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

当社は、上記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を選任し、当社株式の価値算定及び本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年7月31日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しております。本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

なお、SMBC日興証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

 

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
A.2025年8月1日付答申書
(ⅰ)設置等の経緯

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2025年5月28日に開催された当社取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も得つつ、その時点の当社の社外取締役を含む取締役全員に対して、公開買付者から本取引に関する初期的な意向を受けた旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明いたしました。また、当社は、並行して、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否からの独立性を有することを確認した上で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、加藤卓二氏(当社社外取締役、西部ガスホールディングス株式会社代表取締役社長 社長執行役員)、赤木由美氏(当社社外取締役、九州旅客鉄道株式会社取締役 常務執行役員)及び大格淳氏(当社社外監査役、西日本鉄道株式会社取締役 専務執行役員)の3氏を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員長には、委員間の互選により、加藤卓二氏が選定されており、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。

その上で、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年5月28日開催の当社取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、諮問事項について諮問いたしました(なお、東京証券取引所が2025年7月22日を施行日として有価証券上場規程の一部を改正したことに伴って、当社は、2025年7月29日開催の当社取締役会において、諮問事項の一部を変更しております。詳細は上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」をご参照ください。)。また、当社は、本特別委員会の設置にあたり、(a) 諮問事項の検討にあたって、本特別委員会は、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関等に委託することができるものとし、その場合の当該委託に係る合理的な費用は当社が負担するものとする、(b) 本取引に関する当社取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする、(c) 本特別委員会に対して、本取引に係る取引条件等について、必要に応じて、公開買付者と交渉を行う権限を付与する、及び(d) 本特別委員会は、当社の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。)を行うことができるものとすることを決議しております。

なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2025年5月28日から2025年8月1日までの間に合計11回、合計約10時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、諮問事項に係る職務を遂行いたしました。

具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2025年5月28日、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定いたしました。

また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。

さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。

その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行いました。

本特別委員会は、2025年6月12日に、公開買付者に対し、本取引の提案の背景・目的、本取引のシナジー、本取引のデメリット、本取引後の当社の経営方針、ストラクチャー等に関して書面による質問をしたところ、2025年6月20日に当該質問書について書面での回答を受け、その後、当該回答の内容を踏まえ2025年6月30日付で行った追加での書面の質問事項に対し、2025年7月1日開催の本特別委員会において、公開買付者から回答に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行いました。

本特別委員会は、2025年6月23日に、当社に対し、当社の現状と課題、本取引のシナジー、本取引のデメリット、手続の公正性等に関して書面による質問をしたところ、2025年7月3日に当該質問書について書面での回答を受け、その後、当該回答の内容を踏まえ追加で行った質問事項に対し2025年7月9日付で追加での書面回答を受けました。

加えて、本特別委員会は、公開買付者との交渉の基礎となり、また、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる当社株式の価値評価の基礎ともなる本事業計画等の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「②当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」及び下記「⑦特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングは、本事業計画等の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングから、それぞれが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しております。

また、「(3) 算定に関する事項」の「①当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」及び上記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、当社はSMBC日興証券から本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の提出を受け、本特別委員会はプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の提出を受けておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングから、それぞれ本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っております。

 

本特別委員会は、2025年7月4日に当社が公開買付者から最初の本公開買付価格の提案を受領して以降、当社が公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領する都度、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、SMBC日興証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、SMBC日興証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、公開買付者との交渉を担当するSMBC日興証券に対して指示・要請を行う等しております。

本特別委員会は、2025年8月1日付当社プレスリリース等のドラフトについて、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所及び当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から複数回説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)2025年8月1日付答申書の判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言、並びに2025年7月31日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、2025年8月1日付で、2025年8月1日付答申書を提出しております。2025年8月1日付答申書の内容は大要以下のとおりです。

 

(A)答申内容

(ア)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当であると認められる。

(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められる。

(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていることが認められる。

(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引は一般株主にとって公正であると考えられる。

 

 

(B)答申の理由

1.当委員会(本特別委員会を指す。以下同じ。)における検討の方針

(1) 本取引における利益相反性

本取引は、公開買付者(当社の親会社であり、当社の支配株主に当たる。)が、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的として行う取引であるから、その結果として当社株式が上場廃止となる見込みがある取引である。

そのため、本取引のうち本公開買付けは、公開買付者が支配株主である公開買付けに該当し、本取引のうち本スクイーズアウト手続は、支配株主が関連する株式併合又は株式売渡請求の承認に該当する。そのため、本取引は、一般株主にとって公正なものであることに関し、特別委員会による意見書の入手を行うことが必要となる取引(有価証券上場規程第441条第1項柱書)に該当する。

そして、本取引を実行しようとするに当たって、公開買付者としてはできるだけ安い金額で当社株式を取得しようとするインセンティブが生じ、一般株主としてはできるだけ高い金額で当社株式を売却しようとするインセンティブが生じるから、当社の支配株主である公開買付者と当社の一般株主との間で利益相反関係が生じ得る状況にある。

 

(2) 当委員会として踏まえるべき規律

本取引は、支配株主による従属会社の完全子会社化の取引であるから、M&A指針の適用対象となる取引である(M&A指針1.4)。そこで、当委員会としては、諮問事項を検討するに当たっては、M&A指針が求める下記の2つの原則(M&A指針2.3)が充足されているか否かの観点から検証する必要があるものと整理した。

① 企業価値の向上(望ましいM&Aか否かは、企業価値を向上させるか否かを基準に判断されるべき)

② 公正な手続を通じた一般株主利益の確保

 

(3) 諮問事項の整理と検討方法

以上を踏まえて諮問事項を整理すると、諮問事項の(ア)は、本取引が上記(2)の①の要請を充たしているかの検討を依頼するものである。

また、諮問事項の(ウ)は、本取引において上記(2)の②が確保されているか否かの検討を依頼するものであり、諮問事項の(イ)は、上記(2)の②の中でも一般株主にとってとりわけ重要である、本公開買付価格その他の条件の公正性・妥当性が確保されているか否かの検討を依頼するものである。

その上で、諮問事項の(エ)は、諮問事項の(ア)から(ウ)までの検討結果を踏まえて、本取引が一般株主にとって公正であるかを問う諮問事項である。

そこで、以下では、諮問事項(ア)から(ウ)のそれぞれを検討し答申を行った上で、これらを踏まえて最後に諮問事項(エ)について答申する。

 

2.企業価値の向上(諮問事項の(ア)関係)

(1) 検討の方向性

当委員会は、本取引の目的の合理性を検証するに当たって、まずは本取引により期待されるシナジー(本取引のメリット)を、次いで本取引のデメリットの有無を検討することが、明確性の観点からも好ましいものと考えた。

それと同時に、本取引が、一般株主に当社の株主としての地位から退出していただく効果を有するものであることから、単に本取引にメリットがあるというだけではなく、本取引を実施するには上場廃止が避けられないのか、及び上場廃止をせずに本取引と同様の効果をもたらす代替取引がないのかという観点からの検討も行った。

 

 

(2) 本取引により期待されるシナジー

ア 当社の課題と望ましいM&A

当委員会は、当社グループを取り巻く経営環境について、本ヒアリング等(当委員会が実施した関係者に対するヒアリングや説明の聴取等の総称をいう。以下同じ。)において、当社から、大要下記のような説明を受けている。また、このような説明は、2025年8月1日付当社プレスリリースの内容とも合致している。

① 国内では、耐火物の主たる顧客である鉄鋼業において、日本鉄鋼連盟発表によると建設向け・製造業向けともに鋼材需要が低調であること(国内鋼材需要は製造業向け・土木建築向けともに漸減傾向にあり、国内鋼材需要は2018年度に約6,200万トンであったが、2024年度には約5,000万トンに減少)に加え、中国による鋼材の過剰生産と全世界に向けての低価格での高水準の輸出継続の影響を受け、日本の2024年度国内粗鋼生産量は8,295万トンと3年連続で減少し、1970年度以降ではコロナ禍の2020年度(8,278万トン)に次ぐ過去2番目に低い水準にとどまっていること。

② 世界鉄鋼協会発表による2024暦年の粗鋼生産量は、インドは前年に比べ6.3%増の1億4,960万トンであったものの、世界全体では18億8,260万トンと前年比0.8%減少していること。

③ 今後は高炉から電炉への切り替え、EV化の進展等、社会・産業構造の変化を受け、国内外の耐火物メーカーとの競争激化が想定される中、当社グループにおける技術力・製品開発力・コスト競争力の強化に注力し、国内外の競合他社に対する優位性を一層強化・拡大することが、当社グループにとって必要であると認識していること。

当委員会は当社の社外役員から構成されており、常日頃から当社取締役会での議論を通じて、当社の強みや課題について議論を重ねてきているが、上記のような当社からの説明については、従前の当社取締役会での議論と矛盾するものではなく、当委員会としても首肯できる内容である。

したがって、当委員会としては、当社の企業価値の向上に関する基本的な視座として、国内外の耐火物メーカーとの競争激化に鑑み、当社グループにおける技術力・製品開発力・コスト競争力を強化し、国内外の競合者に対する優位性を一層強化・拡大するようなシナジーを創出させるM&Aであれば、当社の企業価値の向上に資するものと考える。

 

イ 本取引により期待されるシナジーに関する当社の説明

上記アのような基本的な視座をもとに、当委員会として、本取引の目的について複数回に亘り質問書を送付し、当社から回答書を受領した結果、当社から、本取引について以下のシナジーが実現可能であると考えている旨の説明を受けた。なお、かかるシナジーについては、2025年8月1日付当社プレスリリースにおいても詳細に記載がされている。

 

① 海外事業収益の最大化

・国内人口減少の加速、中国による鋼材の過剰生産と全世界に向けての低価格での高水準の輸出の継続、ブロック経済化の進展に伴い、間接輸出も含めた国内鉄鋼需要の低下及び鉄鋼輸出の大幅な減少が進行することにより、国内耐火物需要の縮小が見込まれている。こうした環境の下、当社は海外事業を成長の柱とすべく、インド・欧州・米国・ブラジル等において製造・販売拠点を確保してきた。

・今後当社が更なる海外事業展開に注力していく中で、公開買付者との連携を一層強化しそのリソース活用を拡大できることは、競合他社にはない当社の強みとなる。特に、グローバルで見ても数少ない成長市場である北米での積極的な事業拡大を図る公開買付者と具体的な施策を共有し緊密に連携することで、公開買付者の技術導入により大幅な増加が期待される高機能耐火物需要や公開買付者グループの大規模な設備投資に伴う需要を的確に捕捉することが可能になると考えている。また、大規模なM&A等の機会において、公開買付者の資金調達力等を機動的に活用することによって、更なるグローバル収益の拡大を、当社が単独で展開する以上のスピードと柔軟性をもって実現することも可能になるものと想定している。

 

② 耐火物に関するソリューション提案力の強化

・当社は、これまでも公開買付者と連携の上、その操業・鋼品質向上に資するべく、高機能耐火物及び整備作業・周辺装置等の提供を通じて、耐火物に関するソリューション提案をしてきた。

・本取引により当社が公開買付者の完全子会社となりさらに踏み込んだ操業情報の開示を受けられるようになることで、公開買付者の鉄源競争力強化に向け、耐火物の開発を含めたソリューション提案力を強化し、当社の収益拡大につなげることができると考えている。

③ 耐火物整備事業の安定化

・各種工業炉耐火物整備作業を請け負う国内築炉業界においては、築炉工不足の顕在化、高炉休止・電炉移行の進展等の大きな経営環境の変化に晒されており、中長期的な視点での構造的対策が必要な状況と認識している。

・本取引を契機に、当社の耐火物整備事業の中核企業としての位置づけが明確になれば、人材の確保を含め当社事業の安定に資すると考えている。

 

ウ シナジーに関する公開買付者の説明

当委員会は、当社のみならず公開買付者からも本取引の目的について説明を聴取する必要があると考え、公開買付者に対し、本取引の目的について複数回に亘り質問書を送付して回答書を受領するとともに、口頭での質疑応答も実施した。その結果、公開買付者から、本取引の実施後に公開買付者が企図している当社の企業価値向上策及び想定している効果として、以下の内容の説明を受けた。なお、かかる説明についても、2025年8月1日付当社プレスリリースにおいて詳細に記載がされている。

 

① 公開買付者グループ全体での更なる海外事業収益の最大化

・当社は、国内耐火物市場が縮小していく中で、海外事業を成長の柱とすべく、インド・欧州・ブラジル等において製造・販売拠点を確保してきたと認識している。

・本取引により、今後の当社における海外展開への公開買付者グループのリソースの活用拡大や、公開買付者グループの海外展開との連携等を通じ、当社が従来から事業を展開するインド・欧州・ブラジル等に北米も加え、公開買付者グループ一貫での更なる海外収益の拡大を実現できると考えている。

② 公開買付者グループ全体での鉄源競争力の強化

ⅰ.耐火物製品について

・当社は、これまでの公開買付者との共同開発や使用評価を踏まえた品質改善について、耐火物の高耐用化(長寿命化)など一定の成果を得ている。

・より一体的なマネジメント体制下で、当社及び公開買付者の連携強化による競争力向上や、カーボンニュートラルに向けた製造プロセス変化をとらえた電気炉向け等の耐火物開発の加速化を図ることで、公開買付者グループ一貫での鉄源競争力強化・収益拡大が可能になると考えている。

ⅱ.耐火物整備作業について

・国内の各種工業炉耐火物整備機能について、作業量減少や築炉工(耐火物整備員)不足等の問題が深刻化・顕在化することが見込まれており、中長期的な視点で製鉄事業に不可欠な整備機能の維持に向けた取り組みが必要であると考えている。

・公開買付者は、当社が企業規模や経営体制の観点で国内の耐火物整備を担う企業の中で競争力を有していると考えており、将来的な公開買付者の耐火物整備体制の見直し時においても当社を中核企業とすることで、公開買付者と当社の双方でのメリットが期待できると考えている。

 

 

エ 評価

当社及び公開買付者が本取引の実施後に企図している当社の企業価値向上策(上記イ及びウ)は、互いに矛盾することもなく、本取引に関与する当事者間でも本取引のシナジーに関する認識が一致していることが認められるところ、当該各シナジーには、以下のとおり合理性が認められる。

 

① 海外事業収益の最大化

当社及び公開買付者はいずれも、北米における事業拡大による海外事業の収益力強化を予測している。

北米は人口増加に伴い、鉄鋼需要の拡大が期待される地域であり、現在も電気炉製鉄所の新設が相次ぐ、極めて重要な市場である。そのため、北米において、公開買付者グループの事業基盤を活用し、耐火物製品の輸出拡大及び現地企業との連携を深めることにより、当社の海外事業の収益力を強化することができるという予測には、合理性が認められる。

② 耐火物に関するソリューション提案力の強化

当社及び公開買付者は、カーボンニュートラルに向けた製造プロセス変化をとらえた電気炉向け等の耐火物開発の加速化によるソリューション提案力の強化を通じた、鉄源競争力強化・収益拡大を予測している。

当社は、従前から公開買付者の高級鋼製造に伴う過酷な製鋼操業に対応してきたことから、耐用性の高い耐火物の開発を得意とし、これを強みとしている。当社が公開買付者の完全子会社となり、これまでよりも踏み込んだ情報開示を受けることは、カーボンニュートラルに資する電気炉向け等の耐火物開発を加速化させると考えられる。

そのため、カーボンニュートラルに資する耐火物開発の加速化により、当社のソリューション提案力の強化を通じた鉄源競争力強化・収益拡大が達成されるという予測には、合理性が認められる。

③ 耐火物整備事業の安定化

当社及び公開買付者は、当社が公開買付者の耐火物整備事業の中核企業となることにより、人材の確保を含めた当社事業の安定に資するとの予測を立てている。

当社は、耐火物整備事業において国内トップクラスのシェアを有しており、他の競合企業と比較して企業規模が大きいことに加え、他の競合企業にはない材工一体の強みを有する。当社が公開買付者の完全子会社となり、世界トップクラスの鉄鋼メーカーである公開買付者の企業グループにおいて、耐火物整備事業の中核企業となり、その事実が対外的に明確化されることにより、当社の耐火物整備事業におけるポジションは、これまで以上に優位なものとなると考えられる。

そのため、本取引は、人材の確保を含めた当社の耐火物整備事業の安定に資するものと考えられ、当社及び公開買付者の上記予測には合理性が認められる。

 

以上のとおり、当社及び公開買付者の予測は、客観的な事実及び統計数値に基づいているほか、当社の従前の開示内容と矛盾した点もない。また、当委員会の委員は、全員が当社の社外役員を務めており、これまで社外役員として認識してきた当社の事業に関する情報から得た知見とも整合的であり、合理的なものであると認められる。

その上で、本取引に関与する当事者は、本取引のシナジーとして、当社グループにおける技術力・製品開発力・コスト競争力の強化を挙げており、上記アで検討した当社の事業課題の解決に関する基本的な視座に照らしても、本取引のシナジーについては、当社の企業価値の向上に資するものであると認められる。

 

 

(3) 本取引によるデメリットの有無

上記(2)のような指摘ができる一方で、本取引は当社株式の非公開化を伴うものであるから、そのような非公開化に伴って大きなデメリットがあるようであれば、かかるデメリットも勘案した上で、本取引の目的の合理性を検証する必要がある。

そこで、当委員会として、本取引の結果としてあり得るデメリットについて当社及び公開買付者に対して質問したところ、以下の内容の回答を得た。

 

① エクイティ・ファイナンスによる資金調達が困難になること

当社及び公開買付者からは、上場廃止後の資金需要に対しては公開買付者による当社への資金調達等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、当該デメリットによる影響は限定的と考えているとの説明がされている。この点は、公開買付者の企業規模や従前の当社におけるエクイティ・ファイナンスの実績を考えると、当該説明に合理性が認められる。

② 従業員のモチベーション低下又は人材確保への悪影響

公開買付者からは、当社従業員に関する処遇方針について、現時点で本取引に伴って変更を検討している事項はないとの説明がされている。また、当社からは、当社経営・人材登用の自立性・多様性(柔軟性)が確保され、将来の成長を説明できれば、当該懸念は低減すると想定しているとの説明がされている。

当社及び公開買付者の上記説明に加えて、上記(2)エ③のとおり本取引により業界における当社のポジションがこれまで以上に優位なものとなると考えられることを踏まえれば、上記デメリットは発生したとしても限定的なものにとどまると考えられる。

③ 上場会社であることによる対外的な信用が得られなくなること、及びブランドイメージの低下

当社からは、上記デメリットが生じる懸念は有していないとの説明がされている。当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、本取引の実行後においても事業遂行によりこれを獲得・維持することが可能であるため、上記デメリットが発生する可能性は低く、また発生したとしても限定的なものにとどまると考えられる。

④ 公開買付者グループの同業他社を含む主要顧客・取引先との関係の希薄化

当社からは、当社が元々公開買付者グループの1社であることが公知の事実であることに鑑みれば、当社が公開買付者の完全子会社となることに伴う受注減少等の影響は限定的と想定しているとの説明がされている。また、公開買付者からは、本取引の実施が当社の既存取引先との関係に支障を及ぼすことがないよう、当社とよく協議の上対処したいとの意向が示されている。

主要顧客・取引先は、当社が従前から公開買付者の連結子会社であることを認識の上でこれまで当社と取引をしてきたこと及び公開買付者から既存の取引関係に支障を生じさせないよう当社とよく協議して対応したいとの意向が示されていることからすれば、上記デメリットが発生する可能性は低く、また発生したとしても限定的なものにとどまると考えられる。

⑤ 当社の経営の自由度が狭められることの懸念

公開買付者からは、本取引の実行後に当社に関する一体的なマネジメント体制を構築することを想定しているところ、当該一体的なマネジメント体制は、当社と公開買付者の両者一貫の視点から見て競争力強化に資する施策を迅速かつ機動的に実行できる体制であり、管理強化を目的とした体制ではないため、当社の自立性や多様性と両立できると考えていると説明がなされている。

当社及び公開買付者が予測する本取引のシナジーのうち、カーボンニュートラルに資する耐火物開発は、当社の経営の自立性・多様性が維持され、自由かつ多様な発想に基づく開発が行われることによって可能となるものである。したがって、公開買付者の上記説明には合理性が認められ、上記デメリットが発生する可能性は低いものと考えられる。

 

⑥ 当社の事業若しくは資産の譲渡・分離その他のM&A取引等又は事業の一部縮小・撤退

公開買付者からは、上記について現時点で検討している事項はないと説明がされており、上記デメリットが発生する可能性は限定的と考えられる。

 

以上からすれば、本取引により期待されるシナジーは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。

 

(4) 上場廃止の不可欠性及び代替取引の有無

ア 上場廃止の不可欠性

上記(2)及び(3)から、本取引によるシナジーは当社の課題に応え、かつデメリットを上回るものと考えることができる。

もっとも、本取引は当社の上場廃止を前提とするものであり、当社の一般株主は強制的に当社の株主である地位を失う効果をもたらすものである。そこで、当委員会としては、上場廃止を伴わずに本取引と同様の効果を実現することができないか、仮にそれが可能であれば、上場廃止を伴う本取引を行う必然性はないのではないかという点を、さらに検討する必要があるものと考えた。

この点について、公開買付者からは、本ヒアリング等において、現状においては公開買付者と当社がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っていることから、技術情報の共有、経営資源の補完及び相互活用等に関して、一定の制約があることは否めず、公開買付者グループの一層の成長のためには、当社と海外展開や鉄源工程の機能・技術等の面でより一体的なマネジメント体制を築き、グループ一貫での海外事業収益最大化と鉄源工程における競争力強化を実現するとともに、効率的かつ安定的な経営体制を構築する必要があるとの説明を受けた。

確かに、現在の資本関係において、本取引の実施後に想定されるような施策を、公開買付者の経営資源を用いて行った場合でも、生み出される価値の全てが公開買付者グループに取り込まれる結果にならないケースも想定されるという指摘は的を射ている。

そして、公開買付者も上場会社として、自らの株主に対して、経営資源の投下について説明責任を果たすべき立場にあることからすると、現在の資本関係のままでは当社への経営資源の投下を慎重に進めざるを得ないという公開買付者の説明も納得できるものである。

したがって、本取引により企図される企業価値向上策を実施する前提として、本取引による上場廃止を経ることもやむを得ない。

 

イ 代替取引の有無

さらに別の観点として、当社において、本取引の代替となるような実現可能性のある取引が検討されているのであれば、上場廃止を伴う本取引の合理性は減じられることになる。

しかし、当委員会は、本ヒアリング等において、当社に対して本取引の代替となる取引の有無を確認したところ、本取引の代替となるような実現可能性のある取引についての具体的な検討はなされていないとの回答を受けた。

従って、企業価値の向上の観点から、本取引の代替となるような具体的な取引は、現時点で特に存在しないものと考えられる。

 

 

(5) 小括

以上で検討したとおり、当委員会は、本取引の目的の合理性を検証するために、まず、当社の事業の課題及び当社にとっての課題解決に資する施策に求められる要素(当社の課題と望ましいM&A)を検討した。

次いで、当委員会は、当社及び公開買付者が本取引の実施後に企図する企業価値向上策について仔細に検討した。これらのシナジー項目に関する当社及び公開買付者の説明は、前提となる当社の事業に関する現状認識や当社の重要な課題に関する説明も含めて、客観的な事実及び統計数値に基づいていること、当社取締役会における従前の議論や当委員会のメンバーが社外役員として認識してきた当社の事業に関する情報から得た知見とも整合的であること、並びに当社グループにおける技術力・製品開発力・コスト競争力の強化に資するものであり、当社の事業課題の解決に資することが認められることから、総じて合理的なものと認められる。

なお、当委員会としては、経済産業省作成の2023年8月31日付「企業買収における行動指針」も指摘するとおり、企業価値の向上に資するか否かについては定性的な説明を受けるにとどまらず、具体的な検討を行うことが必要であると考えているところ、本取引に関して予測されているシナジー(具体的には、海外事業収益の最大化及び耐火物に関するソリューション提案力の強化)は、定性的なストーリーに留まることなく、北米という特定地域における収益力強化やカーボンニュートラルに資する電気炉向け等の耐火物開発といった具体性を伴った内容となっている。

その上で、当委員会は、本取引により期待されるシナジーは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができること、上場廃止を伴うこともやむを得ないこと及び本取引の代替となる具体的な取引が特段存在しないことを確認した。

以上のような検討を経て、当委員会としては、本取引が当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は正当と認められるものと考える。

 

3.取引条件の公正性・妥当性(諮問事項の(イ)関係)

(1) 検討のアプローチ

M&A指針は、特別委員会に対して、M&Aにおける条件の妥当性の検討に当たって、①買付者との取引条件に関する協議・交渉過程において、企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況を確保すること、②取引条件の妥当性の判断の重要な基礎となる株式価値算定の内容と、その前提とされた財務予測や前提条件等の合理性を確認すること、③買収対価の水準だけでなく、買収の方法や買収対価の種類等の妥当性についても検討することを求めている(M&A指針3.2.2)

そこで、当委員会としても、上記①②③を通じて、本取引における条件の公正性・妥当性の検討を行う。

 

(2) 交渉状況の確保

ア 交渉の方針・目線

当社及び当委員会は、各アドバイザーからの助言や当社株式の価値の試算結果等を踏まえ、(ア)当社及び当委員会が取得する株式価値算定書上、是認される価格を本公開買付価格とすること、(イ)一般株主にとってできる限り有利な金額とすることを基本方針として公開買付者との協議及び交渉を行うことを確認した。

M&A指針においても、(a)「M&Aを行わなくても実現可能な価値」は、一般株主を含む全ての株主がその持株数に応じて享受すべきであり、他方で、(b)「M&Aを行わなければ実現できない価値」については、M&Aによって一般株主はスクイーズアウトされることとなるものの、一般株主もその価値のしかるべき部分を享受するのが公正であると指摘されている(M&A指針2.2.1)。

そこで、当委員会は、上記の指摘を前提に交渉に臨んだ。

 

 

イ 交渉の経過及び主要な論点

当社は、本公開買付価格について、2025年7月4日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねた。具体的な交渉の経過は以下のとおりである。

① 2025年7月4日、公開買付者から、本公開買付けにおける本公開買付価格を3,500円とすることを含む本取引の諸条件に関する提案を受けた。

② これに対し、当社は、当委員会の承認を得た上で、2025年7月9日、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果は公開買付価格に反映されるべきものであると考えていることから、提案価格の引上げを検討するよう要請した。

③ 2025年7月11日、公開買付者より、本公開買付価格を3,700円とする再提案を受けた。

④ これに対し、当社は、当委員会の承認を得た上で、2025年7月16日、当該提案価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、著しく不十分なものであることから、提案価格の再検討を改めて要請した。

⑤ 2025年7月18日、公開買付者より、本公開買付価格を4,050円とする再提案を受けた。

⑥ これに対し、当社は、当委員会が定めた、4,200円以上の提案を引き出すために最善の交渉を行うという交渉方針に従い、2025年7月23日、4,050円は公開買付価格として引き続き十分なものとは判断できないと考えていることから、当社の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、公開買付者に対して4,300円を提案した。

⑦ 2025年7月23日、当社は、公開買付者より、最終提示価格として、本公開買付価格を4,200円とする旨の提案を受けた。

⑧ その結果、当社は、2025年7月24日、公開買付者の提案価格は、当社の本源的価値や一般株主による本取引の経済条件に対する期待等の様々な評価要素を総合的に反映したものと評価していると考え、当委員会の承認を得た上で、当該時点における当社の考えとして、本公開買付価格を4,200円とすることに応諾する方針で検討する旨を回答した。

 

以上の交渉経過において、当委員会は、公開買付者からの上記①、③及び⑤の各価格提案の都度委員会を開催し、当社及びSMBC日興証券から各提案内容の詳細について説明を受けた上で、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる当社の株式価値の試算結果、各提案価格のプレミアム水準、類似案件(下記(3)エ(イ)において定義される。以下同じ。)におけるプレミアム水準並びに各アドバイザーからの助言等を踏まえ、各提案に対する回答の内容・方法等について、本公開買付価格を一般株主にとってできる限り有利な価格とするための意見を述べるとともに、当該意見が反映された回答の内容・方法等を承認することにより、価格交渉に実質的に関与した。さらに、当社は、上記のとおり当委員会の承認を得た内容・方法等に従って、各価格提案に対する回答を行った。

交渉上の主要な論点は、当社から公開買付者に対し、価格提案を行うか否か及び価格提案を行う場合にどのような価格をどのような根拠により、いずれのタイミングで提案するかという点であった。

 

上記の各点について、当委員会は、2025年7月23日の委員会において、初回の提案価格3,500円からその時点の提案価格4,050円(上記⑤)までに、既に550円の引上げがされており、更なる引上げを引き出すためには当社からの価格提示が効果的であると判断した。公開買付者に対する価格提示を行うに当たっては、その前提として、公正性・妥当性が認められる価格水準を検討する必要があるところ、当委員会は、以下の事情及び各アドバイザーからの助言等を踏まえ、4,200円を公正性・妥当性が認められる価格水準と判断した。

・4,200円は、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる当社の株式価値の試算結果のうち市場株価法及び類似(上場)会社比較法の上限を超え、DCF法のレンジの範囲内となり、またプルータス・コンサルティングのDCF法による試算結果の中央値を超える価格となる見込みであること

・過去3ヶ月の平均終値に対して35%、過去6ヶ月の平均終値に対して50%を超える、類似案件と比較して遜色ないプレミアム水準に至る見込みであること

そこで、当委員会は、4,200円以上の提案を引き出すために最善の交渉を行うことを以後の交渉方針として定めた。当社は、この方針を受けて、公開買付者から4,200円以上の提案を引き出すため、(公正性・妥当性が認められる最低価格という趣旨ではなく、あくまで交渉上の戦術として)上記⑤の提案に対して4,300円という価格を提示した。

さらに、当社は、上記⑦のとおり公開買付者からの4,200円の提案を受け、改めて当委員会の承認を得た上で、当該時点における当社の考えとして、当該提案価格に応諾する方針で検討する旨を回答した。

 

ウ 交渉状況の評価

本公開買付価格に関する交渉経緯については、上記ア及びイのとおりであり、当社は、事前に個別の回答内容について当委員会にて討議し、当委員会の了承を得た内容をもって回答し、又は当委員会が予め定めた交渉方針に従って回答することにより、価格交渉において当委員会の意見を最大限尊重し、また当委員会が主要な論点の検討・判断を含めた価格交渉の全体に実質的に関与する形で一貫して価格交渉が行われた。

以上の交渉プロセスは、M&A指針において推奨される、特別委員会が交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと(M&A指針3.2.4.4)そのものである。

また、以上の交渉プロセスを経て、公開買付者から3,500円による初回提案がなされた後、3回に亘る提案価格の引上げを引き出し、最終的な本公開買付価格は4,200円となっており、初回の提案価格から700円もの上積みがなされた。

以上のとおり、当委員会がM&A指針で推奨される手法により価格交渉に実質的に関与し、当社が当委員会の意見を最大限尊重して価格交渉を行った結果、初回の提案価格から大幅な引上げがなされたこと、並びに下記(3)のとおり、本公開買付価格が本株式価値算定書の市場株価法及び類似(上場)会社比較法による算定の上限を超えており、かつ、DCF法の算定結果の算定の範囲内(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)との関係では中央値を超える水準)にあることを踏まえれば、当社及び当委員会が確認した方針のとおり、本株式価値算定書上、是認される価格を本公開買付価格とすること及び本公開買付価格を一般株主にとってできる限り有利な価格とすることを目指した交渉がなされたことが認められる。

従って、本取引の公開買付者との取引条件に関する協議・交渉過程において、企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況が確保されていたと評価することができる。

 

 

(3) 株式価値算定及びプレミアム

ア 事業計画

本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たっては、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる算定結果が中心的な資料となるが、これらはいずれも本事業計画を基礎資料としているから、本事業計画が信用するに足りるかどうかが最初に問題となる。

まず、本事業計画は、当社が本取引の検討開始後に、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる株式価値算定の基礎資料とすることを目的として作成したものである。本答申書(2025年8月1日付答申書を指す。以下同じ。)提出日が属する2026年3月期は、2022年3月期から2026年3月期までを実行期間とする当社の「2025経営計画」及び「2025見直し経営計画」の最終年度であり、2027年3月期以降の経営計画は未策定であること、本取引のような取引類型においては、第三者算定機関による株式価値算定の基礎資料として、経営計画が未策定の事業年度に関する事業計画を対象会社が新たに作成することは一般的であることを踏まえれば、本取引の検討開始後に作成されたことは本事業計画の合理性に疑義を生じさせる事情とはならない。

次に、本事業計画の作成経緯について、当委員会は、本ヒアリング等において当社に質問書を送付して回答書を受領し、本事業計画の作成方法・作成過程を検証したが、策定に関して恣意的な点は見当たらなかった。具体的には、当委員会は、当社より、本事業計画の作成過程に当社及び公開買付者の兼務者である従業員3名(経営企画部長(執行役員)、総務部長兼リスクマネジメント部長(執行役員)及び耐火物グローバル営業本部グローバル・マーケティング部長(参与))が関与することを確認したものの、当該3名が関与せずに策定された本事業計画の十分性、実現可能性に係る懸念が大きく、当該3名を本事業計画の作成過程に関与させる必要性が高いことを踏まえ、内容の妥当性について利害関係のない上長による確認を行うこと等を条件に、当該3名の本事業計画の作成過程への関与を承認した。なお、当委員会は、本事業計画の作成過程において、上記3名以外に公開買付者の関係者が関与していないことを、当社のみならず公開買付者に対しても確認している。

また、当委員会は、本事業計画の内容について、本事業計画が意図的に当社の株式価値評価を押し下げるために抑制されていないか(本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)を検証した。具体的には、当社独自のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングより事業計画に関する検討ポイントについてのレクチャーを受けた上で、当社より本事業計画の内容及び前提(事業内容や事業環境等についてどのような前提を置いているかを含む。)、期間(2026年3月期から2031年3月期までの6年間)の設定に関する考え方等についての詳細な説明を受けた。また、プルータス・コンサルティングは、当社との間で複数回のインタビューを行い、本事業計画の内容(過去実績と比較して不整合がないことを含む。)、前提及び作成経緯等を分析及び検討した上で、当該分析・検討の内容及び結果を当委員会に説明した。当委員会は、当該説明を踏まえ、本事業計画の内容、前提及び作成経緯等に不合理な点はなく、本事業計画は恣意的にアグレッシブ又は保守的に策定されているものではないことを確認した。

当社の社外役員から構成される当委員会としても、常日頃から当社取締役会での議論を通じて認識・理解している当社の事業を踏まえ、本事業計画の内容・前提及びそれらに関する当社の説明等に違和感がないことを確認した。例えば、近時、公開買付者によるUnited States Steel Corporationの買収が公表されているが、これに伴って当社グループの北米事業も一定の成長が見込まれるところ、本事業計画においてはこうした事情も適切に勘案されている。また、本事業計画では、耐火物、ファーネス、セラミックス等当社の事業において、国内における粗鋼生産量の減少や、インドにおける粗鋼生産量の増加等グローバルでの事業環境の見通し、直近までの業績及び将来成長のための各施策も勘案の上で作成されており、この点も合理的である。

 

なお、本事業計画は、当社の「2025見直し経営計画」と平仄が取れており、また公表済みの2026年3月期の業績予想とも一致していることから、本事業計画が公表されている直近の数値と大幅に異なるという事実はない。また、本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないが、プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券による株式価値算定においては、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれている。その具体的内容は2025年8月1日付当社プレスリリース記載されているとおりであるが、2026年3月期から2031年3月期の各事業年度において、増減について具体的な変動項目・数値を挙げて説明がされており、当該説明は具体性を持った合理的なものであると認められる。

さらに、本取引は合併のように当事者双方が相手方のデュー・ディリジェンスを行うタイプの取引ではなく、当社は公開買付者側のデュー・ディリジェンスを行ったわけではない。そのため、本取引による企業価値向上効果について、現時点において当社が定量的に数値を見込むことは難しいという事情があるから、本事業計画はスタンドアローン・ベースのものとなっているが、そのことは不合理なものではない(M&A指針3.3.2.1参照)。

以上からすれば、本事業計画については、策定プロセス、策定方法のいずれからみても、公開買付者の恣意的な圧力が介在した事実は認められない上、内容も合理的なものと認められる。

 

イ 算定プロセス

当委員会は、プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券に対して複数回に亘ってヒアリングを実施し、当社株式の株式価値の算定方法及び評価プロセス並びに株式価値算定等に関する考察過程等について詳細な説明を受け、株式価値算定について検討した。

 

(ア)算定方法の選択

プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、以下の理由から、市場株価法、類似(上場)会社比較法及びDCF法をそれぞれ採用した。

・市場株価法:当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在すること

・類似(上場)会社比較法:当社には比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であること

・DCF法:将来の事業活動の状況を株式価値評価に反映すること

上記の算定方法は、本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定方法であり、かつ、各算定方法の採用の理由に不合理な点は認められないため、両算定機関が上記各算定方法を用いて当社の株式価値を算定したことについて不合理な点は認められない。

 

(イ)算定内容の合理性

① 市場株価法

プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券は、市場株価法において、2025年7月31日を基準日として、基準日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値を採用しているところ、市場株価法においてこれらの値を採用することは一般的であり、市場株価法による算定の内容に不合理な点は認められない。

 

 

② 類似(上場)会社比較法

プルータス・コンサルティングは、類似上場会社として品川リフラクトリーズ株式会社及び株式会社ヨータイを選定し、EV/EBIT倍率及びEV/EBITDA倍率を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値を算定している。またSMBC日興証券は、類似上場会社として品川リフラクトリーズ株式会社及び東京窯業株式会社(呼称:株式会社TYK)を選定し、EV/EBITDA倍率を採用して、当社株式の1株当たりの株式価値を算定している。

両算定機関による類似上場会社の選定手順、採用した比較指標、倍率の計算根拠等に関する説明に不合理な点は認められない。

 

③ DCF法

(ⅰ)プルータス・コンサルティングのDCF法による算定

プルータス・コンサルティングは、割引率についてWACCを採用し、WACCのレンジを5.5%~6.7%としており、これらの数値の計算根拠等について不合理な点は認められない。

また、プルータス・コンサルティングは、継続価値の算定について、倍率法を採用し、倍率法における比較指標としてEV/EBIT倍率及びEV/EBITDA倍率を採用の上、同倍率をそれぞれ6.9倍~9.8倍及び5.1倍~7.5倍と計算し、継続価値を131,434百万円~194,539百万円と算定しているところ、これらの算定方法・比較指標の選択及び計算根拠並びにそれらの考え方等について不合理な点は認められない。

加えて、その他のDCF法における算定プロセス及び前提条件等についても不合理な点は認められない。

以上より、プルータス・コンサルティングのDCF法による算定の内容について不合理な点は認められない。

 

(ⅱ)SMBC日興証券のDCF法による算定

SMBC日興証券は、割引率についてWACCを採用し、WACCのレンジを6.59%~8.05%としており、これらの数値の計算根拠等について不合理な点は認められない。

また、SMBC日興証券は、継続価値の算定について、永久成長率法及びマルチプル法を採用し、永久成長率法における永久成長率として0.00%~1.00%を採用している。また、倍率法においては、比較指標としてEV/EBITDA倍率を採用し、同倍率を5.8倍~7.0倍と計算している。その上で、継続価値を93,743百万円~180,198百万円と算定している。これらの算定方法・比較指標の選択及び計算根拠並びにそれらの考え方等について不合理な点は認められない。

加えて、その他のDCF法における算定プロセス及び前提条件等についても不合理な点は認められない。

以上より、SMBC日興証券のDCF法による算定の内容について不合理な点は認められない。

 

(ウ)プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券による株式価値算定の差異

上記(ア)及び(イ)に記載のプルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券による株式価値算定には、類似(上場)会社比較法における類似上場会社の選定、DCF法における継続価値の算定方法(永久成長率法の採否、倍率法における比較指標の選択等)等の点において差異が認められる。

しかし、当委員会は、プルータス・コンサルティングより、これらはいずれも両算定機関の算定に当たっての専門的判断に基づき生じた合理的な差異であり、両算定機関による株式価値算定の合理性に疑義を生じさせる事情ではない旨の説明を受けている。

 

 

(エ)小括

以上のような検証の結果、当委員会は、プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券が作成した本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本株式価値算定書(SMBC日興証券)に不合理な点は認められず、信用できるものと評価した。

 

ウ 当社株式に関する株式価値評価

以上を前提に、当社株式の算定結果を検討する。まず、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)によれば、各算定方法による当社株式の株式価値は下記の表1のとおりである。

この算定結果と比較すると、本公開買付価格である1株当たり4,200円は、(ⅰ)市場株価法及び類似(上場)会社比較法の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社株式の本源的価値を表すものとされるDCF法により算定された当社1株当たり株式価値の中央値を超える水準にある。

 

<表1 プルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値>

算定方法

基準日

1株当たり株式価値

市場株価法

2025年7月31日

2,804円~3,450円

類似会社比較法

2025年7月16日

1,831円~2,637円

DCF法

2025年7月16日

3,210円~4,794円

 

 

また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)によれば、各算定方法による当社株式の株式価値は下記の表2のとおりである。

 

<表2 SMBC日興証券による当社株式の株式価値>

算定方法

基準日

1株当たり株式価値

市場株価法

2025年7月31日

2,804円~3,447円

類似上場会社比較法

2025年7月31日

1,615円~2,239円

DCF法

2025年7月31日

3,063円~5,397円

 

 

この算定結果と比較すると、本公開買付価格である1株当たり4,200円という価格が、(ⅰ)市場株価法及び類似上場会社比較法の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すものとされるDCF法により算定された当社1株当たり株式価値のレンジの範囲内の水準にある。

また、当委員会はプルータス・コンサルティングから2025年7月31日付で、本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得し、当社はSMBC日興証券から2025年7月31日付で、本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の親会社である公開買付者及びその関係会社並びに自己株式として保有する当社を除く当社株式を有する株主に対して財務的見地より公正であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しており、かかる事実も本公開買付価格の公正性を裏付けるものであると評価できる(M&A指針3.3.2.2)。

以上から、当委員会としても、本公開買付価格は、プルータス・コンサルティング及びSMBC日興証券により算定された当社株式価値評価との比較の観点からしても、一般株主にとって公正な水準に達していると考える。

 

 

エ プレミアムの検討

(ア)プレミアム

続いて、本公開買付価格は、2025年7月31日(以下「直前日」という。)までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、それぞれ下記の表3のようなプレミアムを加えた金額となっている。

 

<表3 本公開買付価格のプレミアム>

参照値

株価

プレミアム

直前日の終値

3,450円

21.74%

直前日の過去1ヶ月の平均終値

3,447円

21.85%

直前日の過去3ヶ月の平均終値

3,054円

37.52%

直前日の過去6ヶ月の平均終値

2,804円

49.79%

直前日の過去1年の平均終値

2,564円

63.81%

 

 

(イ)他の案件との比較

M&A指針も指摘するとおり、公開買付け全般について、株価に対していくらのプレミアムが適正であるかについて一義的・客観的な基準を設けることはできない(M&A指針2.2.2)。

そのため、当委員会としても、上記のようなプレミアムが付されていることをもって、直ちに本公開買付価格の公正性・妥当性を認定することはできない。

もっとも、プレミアム水準が類似の事例と遜色ないレベルであることは、一般的には、価格の妥当性を裏付ける1つの根拠事実になるものと考えられる。

そこで、当委員会は、プルータス・コンサルティングに対して、2019年6月28日のM&A指針公表後2025年6月30日までに公表された公開買付けのうち、親会社から子会社に対する買付けかつ子会社の時価総額が1,000億円を超える事例を選定した上で、買付け前の株価が1株当たり連結簿価純資産額1倍以上という条件から抽出した案件(全17件。以下「類似案件」という。)におけるプレミアム水準がどの程度であったかのデータの提供を求めた。

なお、当委員会は、公開買付者が本答申書提出日の過去1年間に公開買付けを通じた連結子会社の完全子会社化を公表した事例として、公開買付者による山陽特殊製鋼株式会社の完全子会社化事例を確認したところ、当該事例における買付け等の価格は、同社の1株当たり連結簿価純資産額を下回る水準であり、当該事例と本公開買付けでは事情が異なるため、当該事例が類似案件に含まれていない点には合理性が認められることを確認した。

その上で、提供されたデータによれば、こうした類似案件におけるプレミアムの水準の中央値は、下記の表4のとおりである。

 

<表4 類似案件17件のプレミアム>

プレミアム

中央値

直前日の終値

25.97%

直前日の過去1ヶ月の平均終値

31.57%

直前日の過去3ヶ月の平均終値

34.12%

直前日の過去6ヶ月の平均終値

28.97%

直前日の過去1年の平均終値

32.97%

 

 

 

こうした他の類似案件と、上記の表3に記載された本公開買付価格のプレミアム水準の比較の観点からみると、本公開買付価格のプレミアム水準は、当社株式の株価が上昇しているという直近の状況はあるものの、直前日の過去3ヶ月、過去6ヶ月及び過去1年の平均終値においては、類似案件と比較して遜色ないプレミアム水準であると認められる。

 

オ 小括

以上のとおり、本公開買付価格については、下記のような事情が認められるところである。

① 上記ウで述べたとおり、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本株式価値算定書(SMBC日興証券)の市場株価法及び類似(上場)会社比較法による算定の上限を超えており、かつ、DCF法の算定結果の算定の範囲内(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)との関係では中央値を超える水準)にあること。

② 上記ウで述べたとおり、当社及び当委員会が本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得していること。

③ 上記エで述べたとおり、類似案件とのプレミアムの比較の観点からすると、直前日の過去3ヶ月、過去6ヶ月及び過去1年の平均終値においては、類似案件と比較して遜色ないプレミアム水準であると認められること。

④ 当社の上場来高値を上回る水準であること。

既に述べたとおり、M&A指針においては、一般株主が(a)「M&Aを行わなくても実現可能な価値」のほか、(b)「M&Aを行わなければ実現できない価値」のしかるべき部分を享受することで公正な取引条件を実現できるものと指摘しており、当委員会は当該指摘を前提に交渉に臨んだが、上記の各事情からすれば、本公開買付価格は、スタンドアローン・ベースで算定された当社株式の株式価値と比べても、相応の上積みがされた金額であると認められることから、当委員会としては、本公開買付価格が、上記(a)及び(b)の要請を充たす水準にあるものと考える。

 

(4) スキーム等の妥当性

続いて、買収の方法や買収対価の種類等の妥当性についても検討を行った。本公開買付けは現金を対価とするものであり、かつ、本スクイーズアウト手続において、本公開買付けに応募しなかった一般株主に交付する金銭の額は本公開買付価格と同額に設定することが想定されているから、株式対価の取引は採用されていない。

当社の一般株主には公開買付者の株式を保有することを望まない者が含まれている可能性があることに加え、一般論として金銭の方が株式より流動性が高いという利点があるから、株式対価ではなく現金対価の取引とすることも合理的であると考えられる。

さらに、上記2.(4)イのとおり、本取引の代替となる取引も特に見当たらない。

したがって、本取引のスキームは、当社の一般株主にとって適切な投資回収の機会を与えるという意味からも、合理的なものであると考えることができる。

 

(5) 小括

以上のとおり、本取引の交渉状況に疑義はなく、株式価値算定、プレミアム水準及び上場来最高値との関係でも本公開買付価格は公正性・妥当性が認められる水準にある。

また、本取引においては、一般株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されている。

したがって、結論として、本公開買付価格を含めた本取引全体について、当社の一般株主からみて、本取引の条件の公正性・妥当性が確保されていると認められる。

ただし、本公開買付けは公表から開始までに相応の期間を要することが想定されていることから、当委員会としては、本公開買付けの開始時点で、改めて本取引についての条件の公正性・妥当性について追加の検討を行う予定である。

 

 

4.公正な手続を通じた一般株主利益の確保(諮問事項の(ウ)関係)

次に、本取引において、公正な手続を通じた一般株主利益の確保が認められるか否かを、M&A指針で挙げられている公正性担保措置の採用・運用状況を確認することを通じて検討する。

 

(1) 特別委員会の設置

当委員会は、当社の独立社外取締役2名、独立社外監査役1名の計3名により構成される委員会である。

当委員会は、2025年8月1日付答申書の各所に記載のとおり、諮問事項の検討に当たって、M&A指針で特別委員会が果たすべきとされている役割(具体的には、①対象会社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、M&Aの是非について検討・判断するとともに、②一般株主の利益を図る観点から、(ⅰ)取引条件の妥当性及び(ⅱ)手続の公正性について検討すること)を実施している(M&A指針3.2.2)。

このほか、当委員会では下記のような配慮がされている(M&A指針3.2.4参照)。

① 当委員会は、取引条件が公開買付者と当社との間で決定される前の段階で設置されていること(M&A指針3.2.4.1)

② 当委員会は、委員全員が公開買付者からの独立性及び本取引の成否からの独立性が確保されているほか、委員の中で、当社との間で本取引が成立した場合に成功報酬を受け取る旨を合意している者は存在しないこと、M&A指針で最も特別委員会の委員としての適格性があるとされる社外取締役と、社外取締役を補完するものとして適格性を有するとされる社外監査役のみによって構成されていること(M&A指針3.2.4.2)

③ 当社が公開買付者と本公開買付価格について協議する場合には、事前に当委員会に確認を求めており、これにより、当委員会は、適時に交渉状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行って、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること(M&A指針3.2.4.4)

④ 当委員会は、複数のリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、2025年6月5日、当社及び公開買付者から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、同日、当社及び公開買付者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、手続の公正性や企業価値評価に関する専門的知見に基づき検討・判断をしてきたこと(M&A指針3.2.4.5)

⑤ 当委員会は、本答申書における関係各所において詳細に触れているとおり、一般株主に代わり、本取引について予定されている開示文書や想定されるシナジーに関する重要な情報を入手し、さらに両当事者にヒアリングを行って本取引に関する詳細な確認を行い、これらを踏まえて検討・判断を行ったこと(M&A指針3.2.4.6)

⑥ 当社取締役会は、当委員会に対する諮問事項について決議するに際し、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、当委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に当委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする旨を決議していること(M&A指針3.2.5)

 

以上の当委員会の設置及び運用の状況からすれば、当委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。

 

 

(2) 当社における意思決定プロセス

当社の取締役・監査役13名のうち、現に公開買付者の役職員を兼任している役員1名(後藤貴紀監査役)は、本取引に関する当社取締役会の審議及び決議に参加していない。

また、当社による本取引の検討過程において、(ⅰ)本事業計画の策定、(ⅱ)本デュー・ディリジェンスへの対応、(ⅲ)シナジーのディスカッション、(ⅳ)当委員会の運営事務局への参画の限りにおいて当社及び公開買付者の兼務者((ⅰ)から(ⅲ)の行為に関与した者が2名、(ⅰ)から(ⅳ)の行為に関与した者が1名)が関与した事実が認められるが、以下の点を勘案すれば、これらの事実も当社における意思決定プロセスの公正性に疑義を差し挟む事情であるとまでは認められない。

① 上記(ⅰ)の行為について、当該関与者が関与せずに策定された本事業計画の十分性、実現可能性に係る懸念が大きく、当該関与者を本事業計画の作成過程に関与させる必要性が高いことに加え、内容の妥当性について利害関係のない上長による確認、並びにSMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる検証を行うことが関与の条件とされていること

② 上記(ⅱ)及び(ⅲ)の行為について、本デュー・ディリジェンスへの対応及びシナジーのディスカッションにおける当社の利益、営業面の価値、企業統治・法務等の網羅性確保のため、当該関与者を関与させる必要性が認められることに加え、内容の妥当性について、利害関係のない上長による確認を行うことが関与の条件とされていること

③ 上記(ⅳ)の行為について、当該関与者は当社取締役会の運営実務を統括する立場であることから、取締役会運営と密接に関わる当委員会の運営への関与の必要性が認められることに加え、(a) 当委員会及び当委員会と取締役会の配置日程調整・配布資料準備等の本特別委員会開催準備支援への関与のみを可能とすること、(b) 当委員会への出席は妨げられないものの、本公開買付価格その他の取引条件に係る公開買付者との交渉に関する議論を実施する場合には退席すること、並びに(c) 可能とされる範囲の関与に留まっていることについて、利害関係のない上長による確認を行うことが関与の条件とされていること

④ 当該関与者はいずれも、本公開買付価格その他の取引条件に係る公開買付者との交渉には関与していないこと

 

以上に鑑み、当社における意思決定プロセスに、公正性に疑義のある点は見当たらない。

 

(3) 外部専門家の専門的助言等の取得

ア リーガル・アドバイザーからの助言の取得

当社取締役会は、意思決定につき、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士から助言を受けている。

同法律事務所の独立性については、2025年5月28日開催の第1回委員会において、当委員会が本ヒアリング等において直接同法律事務所所属の弁護士から、同法律事務所並びに公開買付者及び当社との間に継続的な取引関係がないこと、また成功報酬制が採用されていないことを確認することにより、同法律事務所が公開買付者及び当社の関連当事者並びに本取引の成否と重要な利害関係を有しないことを確認しており、当社は弁護士による独立したアドバイスを取得したと認められる(M&A指針3.3.1)。

 

イ 第三者評価機関からの株式価値算定書の取得

本公開買付価格の公正性を担保するために、当社株式の株式価値に関する資料として、当社取締役会が独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券から本株式価値算定書(SMBC日興証券)を、また当委員会が独立した第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得している。

本株式価値算定書の内容及びこうした算定の前提となる本事業計画の内容が合理的であることは、上記3.で述べたとおりである。

 

SMBC日興証券の独立性については、2025年5月28日開催の第1回委員会において、当委員会が本ヒアリング等において直接SMBC日興証券から、SMBC日興証券が公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないことを確認しており、SMBC日興証券としての独立性が確保されている(M&A指針3.3.2.3)。なお、SMBC日興証券の報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているものの、本取引と同種の取引において成功報酬制が採用されることが一般的な実務慣行となっていること等を踏まえると、成功報酬制が採用されていることをもって独立性が否定されるわけではないと考えられる。

加えて、プルータス・コンサルティングの独立性についても、2025年6月5日開催の第2回委員会において、当委員会が直接プルータス・コンサルティングから、プルータス・コンサルティングが公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないことを確認することにより、プルータス・コンサルティングのアドバイザーとしての独立性について確認している(M&A指針3.3.2.3)。なお、プルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、成功報酬は含まれていない。

以上から、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本株式価値算定書(SMBC日興証券)は、いずれも、独立した第三者評価機関による株式価値算定書(M&A指針3.3.2)であると認められる。

 

ウ 本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の取得

当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、SMBC日興証券から本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の親会社である公開買付者及びその関係会社並びに自己株式として保有する当社を除く当社株式を有する株主に対して財務的見地より公正であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得している。

さらに当委員会は、プルータス・コンサルティングから本公開買付価格である1株当たり4,200円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得している。

フェアネス・オピニオンは、第三者評価機関が意見形成主体となるという点や、意見の対象が当事者間で合意された具体的な取引条件の対象会社の一般株主にとっての公正性であるという点において、株式価値算定書とは異なるものであり、対象会社の価値に関するより直接的で重要性の高い参考情報となり得るため、取引条件の形成過程において構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応する上でより有効な機能を有し得るとされている(M&A指針3.3.2.2)。

その上で、M&A指針においては、①独立性・中立性、②慎重な発行プロセス、③高度な専門性・実績、④レピュテーションといった要素を備えた第三者評価機関からフェアネス・オピニオンの取得が行われた場合には、公正性担保措置として積極的に評価されるべきとされている(M&A指針3.3.2.2のB))。

SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングの独立性・中立性については、上記イのとおり、当委員会が両社に対してヒアリングを行った上で、いずれについても①独立性・中立性が認められるものと判断した。

このほか、当委員会は、SMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングに対するヒアリングにより②から④までを満たすことを確認した。

従って、当委員会は、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)をもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。

 

 

(4) マーケット・チェック

ア 公開買付期間及び取引保護条項

本ヒアリング等において、本公開買付けの買付期間は、法令に定められた最短期間である20営業日に設定することを予定しているとの説明を受けた。もっとも、2025年8月1日付当社プレスリリースによれば、本公開買付けはいわゆる事前公表型の公開買付けであり、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで比較的長期間が確保される旨が記載されており、当該期間を含めて考えれば、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。

また、本ヒアリング等及び2025年8月1日付当社プレスリリースによれば、当社と買付者との間において、取引保護条項を含む対抗的買収提案者との接触を制限する旨の合意は行われていないものと認められる。

このように、本取引では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されている(M&A指針3.4.2)。

 

イ 評価

M&A指針においては、買収者が支配株主である場合には、マーケット・チェックについてはそもそも公正性担保措置として機能する場面が限定的であり、実施する意義が乏しい場合が多いものの、例外的にマーケット・チェックが機能し得る場合もあり得るため、特別委員会が、このような特段の例外的事情が存在しないか等を念のため確認することが望ましいとされている。その上でM&A指針は、この特段の例外的事情として、具体的には、(ⅰ)支配株主が保有する議決権の割合が低い場合や、(ⅱ)非常に魅力的な対抗提案がされた場合には支配株主が売却に応じる可能性がある場合、(ⅲ)支配株主が従属会社を一旦は買収するものの、その後、その全部又は一部の売却を予定している場合を挙げている(以上につきM&A指針3.4.3.2)。

まず、本取引においては、当社にとっての支配株主である公開買付者は、公開買付者の完全子会社である日鉄テックスエンジ株式会社を通じた間接所有分と合わせて当社株式の46.47%という半数に迫る所有割合を有しており、本取引は上記(ⅰ)には該当しない。また、当委員会のヒアリングにおいて公開買付者は(ⅱ)の可能性を明確に否定している。さらに本取引のスキームにおいて(ⅲ)は想定されていない。

以上から、当委員会は、本取引においては積極的なマーケット・チェックをすべきような特段の例外的事情はないものと判断した。

 

(5) マジョリティ・オブ・マイノリティ

本公開買付けにおいては、買付予定数の下限についてマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方は採用されていない。

もっとも、M&A指針においても、支配株主による従属会社の買収のように買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念が指摘されるなど、マジョリティ・オブ・マイノリティの採用は必須とはされておらず(M&A指針3.5.2)、本取引でもマジョリティ・オブ・マイノリティを設定しないことが決定的なマイナス要因となるものではない。

さらに、本答申書の4.で述べているとおり、本公開買付けの実施に関して、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定以外の公正性担保措置が多く採用されていることが認められる。

したがって、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティが採用されていなくても、本取引の取引条件の公正さは阻害されないと考えられる。

 

 

(6) 一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上

M&A指針では、一般株主のインフォームド・ジャッジメントが重視されており、そのために、一般株主が取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料を提供することが推奨されている(M&A指針3.6.1)。

具体的には、まず特別委員会については、M&A指針で(a) 委員の独立性や専門性等の適格性に関する情報、(b) 特別委員会に付与された権限の内容に関する情報、(c) 特別委員会における検討経緯や、交渉過程への関与状況に関する情報、(d) 特別委員会の判断の根拠・理由、答申書の内容等及び(e) 委員の報酬体系の開示が望ましいとされている(M&A指針3.6.2.1)。これを本取引についてみると、2025年8月1日付当社プレスリリースにおいて、これら(a)から(c)及び(e)の要素が記載され、2025年8月1日付当社プレスリリースに本答申書そのものが添付されることにより(d)の要素が開示されている。

次に株式価値算定書については、M&A指針で、特にDCF分析について、(ⅰ)算定の前提とした当社のフリー・キャッシュ・フロー予測、及びこれが当該M&Aの実施を前提とするものか否か、(ⅱ)算定の前提とした財務予測の作成経緯、(ⅲ)割引率の種類や計算根拠、(ⅳ)フリー・キャッシュ・フローの予測期間の考え方や予測期間以降に想定する成長率等の継続価値の考え方等の開示が例示されている(M&A指針3.6.2.2。なお例示であって全ての記載が義務づけられているわけではない。)。

これを本取引についてみると、2025年8月1日付当社プレスリリースでは、(ⅰ)及び(ⅱ)(当委員会がSMBC日興証券及びプルータス・コンサルティングによる株式価値算定及び本事業計画の合理性を確認した旨並びに本事業計画においては対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているか否か)のほか、(ⅲ)として割引率が、また(ⅳ)として継続価値及びその算定方法が記載されている。

最後にその他の情報についても、M&Aの実施に至るプロセスや交渉経緯に関し、2025年8月1日付当社プレスリリースで、充実した記載がされているものと認められる(M&A指針3.6.2.3)。

 

(7) 強圧性の排除

本取引のうち本スクイーズアウト手続は、株式併合又は株式売渡請求を用いるスキームにより実行するとされている。いずれのスキームを用いる場合でも、株主には、価格決定の申立てを行う権利が認められ、かつ、2025年8月1日付当社プレスリリースでその旨が明示的に開示されている。

また2025年8月1日付当社プレスリリースでは、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われ、本スクイーズアウト手続の際に一般株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が開示されている。

以上からすれば、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる(M&A指針3.7)。

 

(8) 小括

上記(1)から(7)までに記載のとおり、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程における独立当事者間取引と同視し得る状況の確保及び(ⅱ)一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点(M&A指針2.4)のいずれの面から見ても、本取引にとって必要十分な内容での公正性担保措置が採用されている。また、それらの公正性担保措置が、実際に実効性をもって運用されていると認められる。

したがって、本取引においては、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

 

 

5.諮問事項(エ)について

諮問事項(エ)は、本取引が当社の一般株主にとって公正であるかを問うものである。

当委員会としては、諮問事項(ア)から諮問事項(ウ)までで検討を要請されている事項が、諮問事項(エ)を検討する際の考慮要素になるものと考える。そして、当委員会の審議の結果、諮問事項(ア)から諮問事項(ウ)までについて、いずれも問題があるとは考えられないことは、本答申書で詳細に述べてきたとおりである。

以上から、当委員会は、諮問事項(エ)について、上記(A)に記載のとおりの意見を答申する。

ただし、当委員会の諮問事項(エ)に対する答申は、本答申書作成日時点の状況を前提としたものである。本取引の最初のフェーズである本公開買付けについては、公表から開始までに相応の期間を要することが想定されていることから、当委員会としては、本公開買付けの開始時点で、改めてこれらの点について追加の検討を行う予定である。

 

B.2026年1月29日付答申書

(ⅰ)検討の経緯

本特別委員会は、2025年8月1日付答申書の基礎とした資料・情報に追加して、当社の本公開買付けの開始に関する2026年1月30日付当社プレスリリースについてのドラフトのほか、2025年8月1日以降における本取引の準備状況等に関する資料その他の本特別委員会に電子メールで提出された各種資料を検討しました。

また、本特別委員会は、諮問事項につき検討するため、本取引に関し、当社及びSMBC日興証券から、2025年8月1日以降の本取引の準備状況の推移について、電子メールによる報告を受領しました。

同様に、本特別委員会は、(ⅰ)プルータス・コンサルティングから、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)に関するアップデートの要否に関する意見を電子メールで受領したほか、(ⅱ)SMBC日興証券からも、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に関するアップデートの有無に関する意見を電子メールで受領しました。

これとは別に、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業から、2025年8月1日以降の本取引に係る各種手続の推移についての報告を電子メールにて受領しました。

以上のとおり、本特別委員会は、2025年8月1日以降に本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認等を行うことにより、諮問事項についての答申を行うにあたって合理的に必要と認められる情報の収集を行いました。

 

(ⅱ)2026年1月29日付答申書の判断内容

本特別委員会は、以上のような情報の収集をもとに、諮問事項に関する検討及び2026年1月29日付答申書のドラフトについての検討を行った上で、電子メールで各委員から意見の表明を受けたところ、2026年1月29日付答申書作成日において、委員全員の一致をもって、2026年1月29日付答申書を承認しました。2026年1月29日付答申書の内容は大要以下のとおりです。

 

(A)答申内容

当委員会(本特別委員会を指す。以下同じ。)が2025年8月1日付答申書で述べた意見について、2025年8月1日から2026年1月29日付答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、意見に変更はない。

 

 

(B)答申の理由

1.2025年8月1日付答申書以後の事情変更の有無

(1) 本取引の公表後の各種状況の推移

2026年1月29日付答申書の第2で述べたとおり、当委員会は2025年8月1日以降に本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて事実関係の確認を行ったところ、2025年8月1日以降に生じた事情として、下記の事項が認められる。

① 2025年8月1日以降、本取引のストラクチャーに変更は生じていない。なお公開買付者は、2025年8月1日の時点では、本公開買付けを、米国において若しくは米国に向けて又はいかなる米国人に対しても行わない旨を公表していたのに対して、その後の検討の結果、本公開買付けを、米国において若しくは米国に向けて又は米国人に対しても行う方針に変更している。もっとも、このことは、本公開買付けに応募することができる当社の株主の範囲を拡大することを意味するもので、本取引のストラクチャー自体を変更するものではない。

② 2025年8月1日以降、公開買付者による国内外における競争法に基づき必要な手続及び対応に関し、本取引の実行の障害となるような特段の問題は生じていない。

③ 2026年1月30日付当社プレスリリースは、2025年8月1日付の当社プレスリリースと比べて、その内容に重大な変更はない。

④ 2025年8月1日以降、当社について、その事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していない。

⑤ 当社は、2025年11月7日付の「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」において、2026年3月期の連結業績予想を公表しているが、2025年8月1日時点で公表されていた業績予想からの修正は行っておらず、また、2026年1月29日付答申書の作成日時点においても、公表済の業績予想を修正する予定もない。

⑥ 当社は、上記④及び⑤の点に鑑み、現状、本事業計画について変更しておらず、また変更をする必要もないと判断している。

⑦ 2025年8月1日以降、当社の株価が本公開買付価格を上回ったことはなく、また、本公開買付けに対するより高い買付価格での対抗提案その他の本公開買付価格の妥当性に疑義を差し挟ませるような事象は生じていない。

 

当委員会が認識した上記各種事情については、当委員会が2025年8月1日付答申書作成時に検討した情報と矛盾するところもない。また、当委員会の委員はいずれも当社の社外役員を兼ねており、取締役会その他の会議体の場で執行陣から業務執行に関する報告を恒常的に受けているが、そのような委員の社外役員としての認識からみても、上記の事情に不自然な内容のものは存在しない。

 

(2) 本取引の目的の正当性

上記(1)を踏まえて、2025年8月1日付答申書における答申内容への変更の有無を検討すると、まず企業価値の向上の点では、上記(1)①のとおり、2025年8月1日以降、本取引のストラクチャーに変更は生じていないことが認められる。

また、上記(1)②から⑦までに記載したとおり、2025年8月1日に本取引が公表されて以降、本取引の実施に向けて各種作業が進む中で、当社の事業価値を著しく変更させるような事態が新たに生じたこともない。

以上からすれば、本取引による企業価値の向上について、2025年8月1日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

 

 

(3) 本取引の条件の公正性・妥当性

本取引の条件の妥当性に関しては、下記の事情が認められる。

① 2025年8月1日付答申書における当委員会の判断の基礎となった本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)のアップデートは行われていない。

② 本取引の条件の妥当性について、当委員会が独自に選定したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから、(ⅰ)プルータス・コンサルティングにおいて本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)におけるDCF法による算定の前提とした本事業計画に変更が生じていないことを確認したこと、及びプルータス・コンサルティングとして本事業計画をアップデートすべきであると考えられる合理的な事情も認識していないこと、(ⅱ)本取引の公表後のマーケット環境(市場全体の状況や当社の株価推移等)をみても、プルータス・コンサルティングとして重要な変更は生じていないものと理解していることから、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)をアップデートする必要はなく、2026年1月29日付答申書作成日現在においても、本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)は有効であり、また、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)が引き続き当社の株式価値算定としての合理性を維持しているものと判断している旨の意見を聴取している。

③ 当委員会は、SMBC日興証券からも、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に関するアップデートの必要はないものと判断している旨の意見を聴取している。

上記の①から③のような事情が認められるが、このことは、上記(1)②から⑥までに照らしても不合理ではないものと考えられる。加えて、上記(1)⑦で認定したとおり、2025年8月1日以降、当社の株価が本公開買付価格を上回ったことはなく、また、本公開買付けに対するより高い買付価格での対抗提案その他の本公開買付価格の妥当性に疑義を差し挟ませるような事象は生じていない。

以上のように、上記の①から③(特に、専門的知見を有する独立性のある算定機関であるプルータス・コンサルティングによる上記②の意見)からみても、本取引の条件の公正性・妥当性が認められるという2025年8月1日付答申書における当委員会の意見は、2026年1月29日付答申書作成日時点においても、引き続き2025年8月1日付答申書で述べたのと同様の理由で維持されるべきものと考えられる。

 

(4) 本取引についての公正な手続を通じた一般株主利益の確保

本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保については、当委員会は、2025年8月1日付答申書で指摘した、(ⅰ)特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていなくても、本取引の取引条件の公正さは阻害されないと考えられること、(ⅵ)一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅶ)強圧性の排除の各項目が、いずれも2026年1月29日付答申書作成日時点においても変更されておらず、引き続き維持されているものと判断した。

なお、上記(ⅵ)について、当委員会は、公表日時点の開示書類のみならず、2026年1月30日付当社プレスリリースにおいても充実した開示がされる予定であることを確認している。

以上から、本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保についても、2025年8月1日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。

 

2.結論

上記の検討に基づく結論として、当委員会としては、2025年8月1日付答申書の答申の内容について、いずれも変更すべき事情は見当たらないことから、2026年1月29日付答申書第3で述べたとおり、当委員会が2025年8月1日付答申書で述べた意見について、2025年8月1日から2026年1月29日付答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、意見に変更はない旨を答申する。

 

 

④ 当社における外部の法律事務所からの助言

当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、外部のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

⑤ 当社における独立した検討体制の構築

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、当社グループ以外の公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。当社は、2025年4月4日に本初期的打診を受けた時点以降、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、当社グループ以外の公開買付者グループとの兼務者及び直近3年間に公開買付者グループに在籍していた公開買付者の出身者を関与させておりません。

以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑥ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言

本特別委員会は、上記「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、中村・角田・松本法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

⑦ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

本特別委員会は、上記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、当社株式の価値算定及び本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年7月31日付で本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)を取得しております。本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン(プルータス・コンサルティング)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

 

 

⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

当社取締役会は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の内容、2025年8月1日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。

その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年8月1日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した取締役の全員一致で、当該時点における当社の意見として、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議しておりました。

その後、2025年12月3日、当社は、公開買付者から、国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が2026年1月中旬頃までには完了するものと見込んでいることから、本公開買付けを2026年2月2日に開始することを予定している旨の連絡を受け、本公開買付けに関する諸条件について改めて検討を行う準備を開始いたしました。そして、当社は、本特別委員会に対して、本特別委員会から2025年8月1日付で入手した答申書の意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。その後、当社は、2026年1月6日、公開買付者より国内外(日本及びインド)の競争法及び国外(イタリア)の投資規制法令等に基づく必要な手続及び対応が完了した旨の連絡を受領した後、2026年1月30日開催の当社取締役会において、本特別委員会から提出された2026年1月29日付答申書の内容を最大限尊重しながら、当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2026年1月30日現在においても、2025年8月1日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断し、審議及び決議に参加した取締役の全員一致で、改めて本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。

また、当該2025年8月1日開催の当社取締役会及び、2026年1月30日開催の当社取締役会においては、当社の監査役4名のうち後藤貴紀氏を除く3名が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。当社の監査役である後藤貴紀氏は、公開買付者の従業員の地位を兼務しているため、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記の取締役会の審議には一切参加しておらず、上記の各取締役会の決議に際して意見を述べることを差し控えております。

 

⑨ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

公開買付者は、公開買付期間を20営業日としているものの、2025年8月1日付公開買付者プレスリリースの公表日から本公開買付け開始までの期間が約6ヶ月に亘るため、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えているとのことです。また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

 

⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本株式売渡請求をすること又は本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の一般株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式売渡請求又は本株式併合を行う際に、当社の一般株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかにしていることから、当社の一般株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。

なお、本取引の実施に際しては、当社において買収候補者の有無の調査・検討(いわゆる積極的なマーケット・チェック)は実施しておりませんが、当社としては、(ア)情報管理の観点等から、実務上積極的なマーケット・チェックの実施は必ずしも容易とは言えないこと、(イ)本取引に係る提案者である公開買付者は、本書提出日現在、当社株式15,632,004株(所有割合:46.42%)を所有する当社の筆頭株主であり、実質支配力基準に基づき当社を連結子会社としているため、公開買付者による買収提案に対する対抗提案がなされるとは考えにくいことから、積極的なマーケット・チェックが採用されていないことのみをもって、本公開買付けにおける公正性の担保として不十分であることにはならないと考えております。

 

 

4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

 

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

江川 和宏

代表取締役社長

(社長)

49,100

491

吉田 猛

取締役

(常務執行役員)

6,700

67

小西 淳平

取締役

(常務執行役員)

13,500

135

竹下 正史

取締役

(常務執行役員)

3,100

31

奥村 尚丈

取締役

(常務執行役員)

2,900

29

三浦 龍介

取締役

(常務執行役員)

3,800

38

本田 雅也

常勤監査役

15,872

158

94,972

949

 

(注1) 所有株式数及び議決権の数は本提出日現在のものです。

 

5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

 

6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

 

7 【公開買付者に対する質問】

該当事項はありません。

 

8 【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。