(1) 会社の経営の基本方針
①当グループの原点
日本では明治時代以降に信託制度が導入され、1922年には「信託法」、「信託業法」が制定されました。これらにより、信託制度が確立され、本格的な発展期を迎えることとなりました。
1924年には「信託業法」に基づく日本最初の信託会社として三井信託株式会社が設立されております。1925年には住友信託株式会社が設立され、1962年には中央信託銀行株式会社が設立されております。これら信託会社・信託銀行が当グループの中核子会社たる三井住友信託銀行株式会社の母体となっており、「信託」が当グループの原点となっております。
当グループは、「信託」の受託者精神に立脚し、「信託」の力で各時代におけるお客さまのニーズや社会の要請に応じて、新たな価値創出に「挑戦」し、日本の発展に貢献する「開拓」の姿勢を、創業以来貫いてまいりました。
例えば、戦後の高度成長期には、重厚長大産業向けの設備投資資金ニーズに応える「貸付信託」を中心に、日本の経済成長を支えてきました。
1960年代からは、企業年金の制度設計・資産運用・資産管理を三位一体で提供する「年金信託」の受託者として、勤労者の充実した老後の生活を支援しております。
2000年以降は、「信託法」、「信託業法」の改正を契機に、時代に合った新たな商品・サービスの提供を通じて、社会課題に向き合っております。
当グループはまさに「信託」を原点とし、「信託」とともにその歴史を歩んでおり、今後もさらなる飛躍に向けて歩みを進めてまいります。
(三井住友信託銀行株式会社の主な変遷)

(三井住友信託銀行株式会社の信託財産残高推移)

(※)2012年3月期以前の信託財産残高については、三井住友信託銀行株式会社統合前の各社の信託財産残高を合算して算出しております。
②当グループの基本方針
当グループは、目指す企業グループ像を明確にするため、次のとおり存在意義(パーパス)、経営理念(ミッション)、目指す姿(ビジョン)、行動規範(バリュー)を定めております。
託された未来をひらく
~信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる~
全てのステークホルダーのWell-being向上に貢献してまいります。
・高度な専門性と総合力を駆使して、お客さまにとってトータルなソリューションを迅速に提供してまいります。
・信託の受託者精神に立脚した高い自己規律に基づく健全な経営を実践し、社会からの揺るぎない信頼を確立
してまいります。
・信託グループならではの多彩な機能を融合した新しいビジネスモデルで独自の価値を創出し、株主の期待
に応えてまいります。
・個々人の多様性と創造性が、組織の付加価値として存分に活かされ、働くことに夢と誇りとやりがいを持てる
職場を提供してまいります。
当グループは、信託の受託者精神に立脚し、高度な専門性と総合力を駆使して、銀行機能、資産運用・管理機能、
不動産機能を融合した新しいビジネスモデルで独自の価値を創出する、本邦最大かつ最高のステイタスを誇る
信託グループとして、グローバルに飛躍してまいります。
当グループの役職員は、パーパスを実践するため、以下の6つの行動規範を遵守してまいります。
お客さま本位の徹底 -信義誠実-
私たちは、最善至高の信義誠実と信用を重んじ確実を旨とする精神をもって、お客さまの安心と満足のために
行動してまいります。
社会への貢献 -奉仕開拓-
私たちは、奉仕と創意工夫による開拓の精神をもって、社会に貢献してまいります。
組織能力の発揮 -信頼創造-
私たちは、信託への熱意を共有する多様な人材の切磋琢磨と弛まぬ自己変革で、相互信頼と創造性にあふれる
組織の力を発揮してまいります。
個の確立 -自助自律-
私たちは、自助自律の精神と高い当事者意識をもって、責務を全うしてまいります。
法令等の厳格な遵守
私たちは、あらゆる法令やルールを厳格に遵守し、社会規範にもとることのない企業活動を推進してまいります。
反社会的勢力への毅然とした対応
私たちは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して、毅然とした姿勢を貫いてまいります。
(2) 金融経済環境
当連結会計年度の金融経済環境を見ますと、国内経済は、賃上げの動きが広がる一方、食料品を中心に物価が上振れし、弱い回復ペースに留まりました。海外では、米国経済が個人消費に牽引され堅調に推移し、欧州経済も製造業に弱さが見られながらも利下げが追い風となり回復基調を示しました。中国経済は不動産市場の低迷が長引き、内需が低調に推移しました。こうした中、2025年1月以降は、米国でトランプ大統領が就任し関税政策の中身が明らかになるにつれ、グローバル経済の下振れリスクが高まりました。
金融市場では、日本の10年国債利回りは、米国の雇用減速懸念による米国金利の低下につれて下振れる局面もありましたが、日本銀行が利上げを継続する姿勢を示す中で上昇を続け、2025年3月には1.5%前後まで上昇しました。ドル円レートは、2024年4月から円安基調で推移し、夏頃から日米金利差の縮小で円高基調に転じた後、10月以降はトランプ公約によるインフレリスクが意識される中で再び円安圧力が強まり、2025年3月には150円前後となりました。日経平均株価は、2024年7月~8月にかけて大きな振れを伴いながらも、10月以降は概ね38,000円台で推移しましたが、2025年3月末にかけて米国の関税引き上げの公表が相次ぐにつれ再び下振れし、年度末には35,000円台で着地しました。
(3) 事業の経過
2024年4月15日、当グループは創業100年を迎えました。信託の受託者精神に立脚し、各時代におけるお客さまのニーズや社会の要請に対し、「信託の力」で新たな価値の創出に果敢に「挑戦」し、我が国の発展に貢献する「開拓」の姿勢は、創業以来、いつの時代も変わりません。
中期経営計画の2年目となる2024年度は、社会課題解決と市場の創出・拡大への貢献を示すAssets Under Fiduciary(以下、「AUF」という。)を軸とした成長戦略を「実行・実践・実現」するために、以下の重点テーマに基づいた取り組みを進めました。
1.アドバイザリ・資産運用・資産管理機能の強化
我が国の金融・社会課題は、3,000兆円を超えると言われる個人の資産や企業の内部留保が、投資や消費に回らず停滞してきたことです。
当グループは資金・資産・資本の好循環の実現による成長を目指しています。投資家が有望な事業に投資し、株価の上昇や配当といった投資の果実を得ることで、国民の資産形成に繋がり、ひいては企業業績の向上による新たな投資や雇用の拡大という一連の好循環が起こり、経済全体が持続的に成長します。信託会社を起源とする当グループは、不動産関連業務、銀行業務と、機能を拡張する中で、投資家、事業者それぞれの想いに直接触れ、双方のニーズを結びつけてきました。そこで培った当グループの強みであるアドバイザリ(意思決定支援)・資産運用・資産管理機能に一層の磨きをかけ、AUFを1年間で約580兆円から約640兆円に拡大いたしました。
①アドバイザリの強化
お客さまのライフプランや資産・負債の全体像を把握したうえで、適切な資産配分の提案から商品提供までをシームレスに行い、お客さまの最善の利益に繋がる意思決定支援(アドバイザリ)に注力いたしました。
個人のお客さまには、2024年10月から、新型金銭信託<フューチャートラスト>の取扱いを開始しました。本商品は、受託した財産を、グリーンな社会の実現などの社会課題解決を実現するプロジェクトや企業に長期資金として供給するものです。お客さまのリスク許容度に応じた最適なポートフォリオの提案・提供を通じた新たな投資需要の創造を推進しています。
法人のお客さまには、2024年4月から、三井住友信託銀行とERMグループが共同で設立したERM SuMi TRUSTコンサルティング株式会社にて、気候変動対応の支援を開始しました。ERMグループの技術知見を含むグローバルな専門知識と、三井住友信託銀行の金融インフラ機能を組み合わせ、実践的かつ国際競争力を意識したコンサルティングやソリューションの提供に注力しています。加えて、国内最大級のコーポレートガバナンスに関する実態調査に基づく経営課題の可視化など、当グループ全体の機能を活用し、お客さまの企業価値の向上及び社会課題の解決に貢献する取り組みを進めました。
②資産運用・資産管理機能の強化
資産運用領域では、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社(以下、「三井住友トラスト・アセットマネジメント」という。)、日興アセットマネジメント株式会社(※1 以下、「日興アセットマネジメント」という。)、三井住友信託銀行を中心に、グループ各社が個性を発揮し、お客さまのリスク許容度に応じたリターンの提供に尽力しました。
三井住友トラスト・アセットマネジメントでは、投資信託において、パッシブ性の商品ながらも、優れた運用力で指数以上のリターンを狙う「SMT iPlus全世界株式」など、自社運用商品の開発に引き続き注力いたしました。2025年3月に発表された「モーニングスター・アワード2025」では同社の約20年のロングラン商品である「ニュー配当利回り株オープン《愛称:配当物語》」が優秀ファンド賞を受賞しました。また、ロンドン証券取引所グループが選定する「LSEG リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2025」では、投資信託及び確定拠出年金の総合部門をダブル受賞するなど、同社の特徴・強みを評価いただきました。
日興アセットマネジメントでは、不動産、インフラ、非上場株式といったプライベートアセット運用の強化を進めています。強みであるグローバルネットワークを活用し、欧州をはじめグローバルに多様な資産クラスで付加価値の高い運用商品を有するフランスのTikehau Capitalと戦略的パートナーシップを締結いたしました。
三井住友信託銀行でも、長年に亘り機関投資家向けに提供してきたプライベートアセット領域の更なる強化に努めました。国内のインフラストラクチャー領域を専門に投資助言を行うジャパン・エクステンシブ・インフラストラクチャー株式会社が三井住友信託銀行と協働して組成した第一号ファンドは、日本を代表する機関投資家のお客さまから想定を上回る総額330億円の出資をいただきました。また、当グループが特に強みとするゲートキーパー機能(※2)を、三井住友トラスト・インベストメント株式会社へ統合し、運用機能を強化する方針です。6兆円規模の資産運用残高を有するプライベートアセット運用会社として、海外投資家や個人投資家へのサービス拡張を図りながら、アジア最大級の地位を確立していきます。
資産管理領域では、AI等の新技術による業務の効率化・標準化を図り、プライベートアセットなど新たな資産の取扱いや、お客さまのニーズに応じたレポート作成などで、高付加価値を発揮しています。2025年3月には、運用会社向けのミドル・バックオフィス業務を中心に幅広いITソリューションを提供する株式会社大和証券グループ本社及び株式会社大和総研(以下、株式会社大和証券グループ本社と合わせて「大和証券グループ」という。)と業務提携いたしました。本邦独自のビジネス慣行や参入障壁に対して、大和証券グループとデータ共有基盤を構築し、投資信託の基準価額一元化を含め、業界全体のプロセス刷新と発展を目指します。
(※1)2025年9月1日付で、アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社に商号変更いたします。
(※2)ゲートキーパー機能:主に、信託契約等に基づく運用業務の一環として、数多くの国内外ファンドから投資家にとって最適な商品を選定し、モニタリング、レポーティング等の機能を提供するもの
2.フィデューシャリーの高度化
当グループの使命は、お客さまの想いや時代の変化を捉え、受託者責任のもと、お客さまから託された財産を最良執行し、適切なリターンをお客さまに届けることです。そのためには、グループの役員・社員一人ひとりの高い自己規律や内発的動機に基づくフィデューシャリーの高度化が必須です。
主要な信託業務の一つである資産運用・資産管理領域では、運用商品を組成するグループ運用会社と販売会社である三井住友信託銀行の連携を強化し、商品組成時に想定したお客さまのリスク許容度に応じた販売管理体制やモニタリングの堅確化など、実務における枠組みの整備を進め、業界の議論をリードいたしました。
年々複雑化し、常に高度化が求められる規制対応やサイバー攻撃対策は、体制整備やシナリオ分析等により、困難な状況にも確りと立ち向かう盤石な経営基盤の高度化に努めています。
サービス品質やお客さまの利便性向上に関しては、三井住友信託銀行において、オンライン・コンサルティングプラザの拡充や、ユニバーサルデザインを活用した帳票類の簡素化に取り組みました。コールセンターではデジタル技術を活用した対応を進めるなど、スピードと精度を向上しています。お客さまのニーズをより速く・深く把握し、お客さま本位の業務運営の徹底に繋げます。
また、社員の声に確りと耳を傾け、会社と社員の双方向のコミュニケーションを活性化させると同時に、研修等を通じて一人ひとりの倫理観・コンプライアンス意識を強化し、オープンな組織創りや健全な企業風土の醸成に、不断に取り組んでまいります。
3.生産性・採算性の向上
人口減少やインフレが加速する中、当グループが持続的に成長し、ステークホルダーのWell-being向上に貢献するため、時代に適合したAI活用やDXによる生産性や採算性の向上にも積極的に取り組みました。当社のデジタル戦略子会社であるTrust Base株式会社で先進的な技術知見を獲得しながら、三井住友信託銀行では住宅ローンの申し込み手続きのWeb化や、年金規約の新旧対照表の自動作成を実装するなど、新たな技術の活用を積み重ねています。ITインフラの抜本的な強化に向けては、三井住友信託銀行が三井住友トラスト・システム&サービス株式会社を統合する方針のもと、ITソリューションの方針策定から実装まで一気通貫で担う体制構築を進めています。グループ内で不足する先進技術の知見とビジネスへの応用が必要な領域については、当該能力を高いレベルで有する株式会社野村総合研究所との合弁会社であるトラストITコンサルティング株式会社を設立しました。
また、社内のインフラ整備を進め、社員の居住地域を問わない適材適所による配置で組織力を向上しています。技術革新に伴い、当グループの行動や価値観を柔軟に変え、未来適合を加速します。
加えて、当グループの一層の企業価値向上と経営資源の最適配分に向け、事業ポートフォリオの強化を進めました。2025年1月には、三井住友信託銀行が、子会社である東京証券代行株式会社及び日本証券代行株式会社を吸収合併しました。経営資源の集約により、サービス品質向上やデジタル化をより一層推進いたします。
不動産担保融資専門の金融会社である三井住友トラスト・ローン&ファイナンス株式会社(※3)は、地域金融グループとしてお客さま層との親和性が高い株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループとの共同事業としました。商品・サービスの付加価値をこれまで以上に高め、効率的・持続的な成長と発展を目指します。
このような取り組みを進める一方で、2024年10月に三井住友信託銀行の元社員が、業務上知りえた情報を利用し自己の利益を図る目的でインサイダー取引を行っていたと疑われる事態が判明し、2025年3月に元社員は、金融商品取引法違反で起訴されております。多くのお客さまや株主をはじめとする関係者の皆さまに多大なご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。高い倫理性と自己規律を要求される当グループは、調査委員会による調査結果と提言を真摯に受け止め、類似事案の再発を防止すべく、様々な機会を活用し、社員一人ひとりの倫理やコンプライアンス遵守に対する意識の醸成を徹底し、信頼回復に全力をあげて取り組んでまいります。
(※3)2025年4月1日付で、株式会社L&Fアセットファイナンスに商号変更しております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
2025年度は、現中期経営計画の総仕上げと、次期中期経営計画への橋渡しとなる期間です。2030年のありたい姿(※4)の実現に向け、2025年度は、(1)将来の利益成長とROE向上を見据えたプライベートアセット戦略等の成長領域への注力、(2)ステークホルダーとの長期信任関係の構築、の2点を重点テーマとし、積み上げた利益・資本を活用した質の高い成長を目指します。
(※4)2030年のありたい姿
(定量)ROE:中長期10%以上、純利益:3,000億円以上、AUF800兆円
(定性)1.フィデューシャリーとしてステークホルダーから信頼される存在、2.将来世代も包摂する全ての人のWell-being向上に貢献、3.資金・資産・資本の好循環を促す社会インフラ
<テーマ1>プライベートアセット戦略等の成長領域への注力
当グループの企業価値向上に向けて、資金・資産・資本の好循環による「利益成長」と、適切な「経費戦略」及び「資本政策」を一体で取り組んでまいります。
企業等の資金需要と投資家の運用ニーズの双方に対して、直接ソリューションを提供している強みを活かし、多様で良質なアセットを国内外のお客さまに適切なリターンとして提供する取り組みに引き続き注力します。特に、未成熟な国内のプライベートアセット市場の先駆者となることが収益期待に直結すると考えています。三井住友信託銀行では、プライベートアセットの性質を持つ新型金銭信託<フューチャートラスト>に加え、投資家のお客さまの期待・選好を起点に、適切なリターンをより一層提供できるような商品組成に取り組みます。
ジャパン・エクステンシブ・インフラストラクチャー株式会社では、本邦の脱炭素や地域経済の活性化・持続的発展などに資する社会インフラ事業や企業に投資する第二号ファンドを立ち上げる予定です。当グループが有するリレーションを最大限活用し、幅広く展開してまいります。
海外のプライベートアセットに関しては、日興アセットマネジメントとTikehau Capitalが、シンガポールで合弁会社を設立し、同社のプライベートデットやプライベートエクイティ領域の知見を活かしてアジア市場への展開を進めます。また、米国のGCM Grosvenor Inc.との業務提携では、当グループ自身による海外プライベートアセットの運用力獲得を目指します。
与信業務では、投資家目線も考慮したプロジェクトファイナンスやクレジット投資などに引き続き注力し、多様なお客さまのニーズに応えます。また、社会的価値と経済的価値の両立を企図したインパクト投資では上場に繋がる事例も出てきています。適切なリスク管理のもと、直接投資を行う案件を中心に実績を積み上げ、お客さまの最善の利益に資する投資機会の創出を追求してまいります。
環境変化に伴い増加傾向にある経費は、商品・サービスの価格適正化とあわせ、AI活用やDXを積極的に推進し、採算性向上と費用抑制に取り組みます。収益成長を支える資産運用ビジネス等の成長領域や、信託グループらしい付加価値を創出する領域に、資源や人員を積極的に投下します。
資本の効率活用の観点からは、未来に適合する事業ポートフォリオへの転換を引き続き図ります。持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けて、インオーガニック戦略を視野に入れた資本の入れ替え等を推進し、当グループ全体の成長を加速してまいります。政策保有株式に関しては、取引先の法人のお客さまとの深度ある対話を進め、2029年3月末の純資産対比時価20%未満の達成に向けて売却を加速します。成長投資や業務改革、利益構成の転換を進め、政策保有株式の売却益がなくとも大きな果実を生み出す仕組みを高度化し、安定的にROE10%以上を目指します。
<テーマ2>ステークホルダーとの長期信任関係の構築
持続的な企業価値向上に向けた期待に対しては、AUF拡大による成長戦略が業務純益やROEの向上に繋がるという、当グループが描く成長ストーリーを明確に示すことで、将来世代を含めた全てのステークホルダーとの長期信任関係を構築してまいります。
多様なステークホルダーから信任されるには、当グループの価値の源泉である役員・社員一人ひとりのフィデューシャリーの高度化が不可欠です。受託者精神のもと、高い自己規律や内発的動機により、常にお客さま本位の姿勢で「託された未来をひらく」ことに努めます。
サステナブルな社会の実現を目指す姿勢は不変です。外部環境の潮流を見極めながら、インターナルカーボンプライシング(※5)の整備や人権マネジメントの体制の高度化などを柔軟に推進します。開示物の品質向上や、サステナビリティ開示基準の適用に向けた態勢整備も、実現してまいります。
人的資本の観点では、多様な人材が活躍できるよう、処遇改善を含めた人事制度の拡充、自律的なキャリア形成支援等を推進します。個の力を高める取り組みを充実させ、自ら挑戦し成長する組織力の向上を図ることで、お客さまや社会から信じて託され、想いを実現するフィデューシャリー(受認者)として、お客さまや社会の期待を上回る水準まで業務品質を高度化いたします。
また、投資家、株主の皆さまには、開示の高度化を図りつつ、より建設的な対話を行うことで、当グループが提供する価値を共有いただけるよう一層注力してまいります。
(※5)インターナルカーボンプライシング:脱炭素経営に向けて、企業が内部で独自に設定・使用する炭素価格
世界情勢は紛争や分断の様相も色濃く、特に米国の政権交代を契機に、不確実性が増しています。その中においても、信任と誠実を根本とする信託の精神は変わりません。リスクを取って未来づくりに挑戦し、価値を創出する事業者を資金面からサポートし、投資家には良質なリターンを届ける役割も、過去・現在・未来と一貫しています。世の中の動きを受け止めながらも、流されることなく、信託グループらしいビジネスを強力に推進し、豊かな未来づくりに挑戦し続けます。
報告セグメントにおける主な事業内容は、以下のとおりであります。
(個人事業)
人生100年時代における個人のお客さまのさまざまなニーズに対し、資産の形成・運用から管理・承継に至るまで、信託グループならではの商品・サービスを提供しています。お客さま一人ひとりとの長きにわたる信頼関係をもとに、資産に関する悩み、不安、ありたい姿を丁寧におうかがいし、豊かで安心できる未来の実現をサポートします。
(法人事業)
各種ファイナンス、証券代行業務に加え、ESG関連のコンサルティングなど、多様なステークホルダーとの接点や幅広い商品提供力を活かし、お客さまの企業価値向上に繋がるトータルソリューションを提供しています。他事業やグループ会社・外部提携会社まで含めた、専門的かつ多彩なソリューション提供を通じ、経済的価値と社会的価値の創出を両立し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
(投資家事業)
多様な投資家のお客さまに対し、意思決定をサポートする高品質なコンサルティングを通じ、資産運用・資産管理サービスを提供しています。また、他事業やグループ会社等の多彩で専門性の高い機能と有機的に連携し、社会課題解決の中で生じる資金需要に着目した新たな価値ある投資機会を創出すること等を通じて、お客さまの経営課題や社会課題の解決に貢献しています。
(不動産事業)
法人のお客さまの経営課題解決及び個人のお客さまの資産形成・管理のために、高い専門性と総合力により付加価値を提供し、お客さまのベストパートナーを目指します。また、多様な情報・データに裏打ちされた不動産の目利き力や堅確な事務を通じた安心・安全の提供により、社会インフラとして不動産市場の成長を力強く後押し、投資家及び自らの成果獲得に繋げます。
(マーケット事業)
金利・為替取引、投資助言などのマーケティング業務・マーケットメイク業務を担う「顧客サービス機能」、投資業務・財務マネージ業務を担う「市場機能」、「事務機能」を組み合わせ、マーケットボラティリティ(市場変動)マネージの専門家集団として、お客さまのバランスシート上の課題に対する最適なソリューションをご提供していきます。
(運用ビジネス)
三井住友トラスト・アセットマネジメントと日興アセットマネジメントを中心に、グループ全体でアジア最大級となる資産運用残高を有しています。年金運用で培った質の高い運用ソリューションやグローバルネットワークを活用した多様な商品提供など、グループ各社が持つ多彩な運用機能の提供を通じて、お客さまの長期・継続的な資産運用に貢献していきます。
(5) 目標とする経営指標
当グループは、2025年度の財務目標(KPI)として以下を設定しております。資産運用・資産管理を軸とした信託グループらしいビジネスモデルの推進により、2024年度は中期経営計画(2023年度から2025年度まで)に掲げた主要なKPIを1年前倒しで達成いたしました。中期経営計画最終年度である2025年度も、「2030年度までのありたい姿」として掲げるKPIとPBR1倍以上(≒時価総額3兆円以上)の早期達成に向けて引き続き取り組んでまいります。
※定義見直しによる増加分20兆円を含む。
(注)1.自己資本ROE:自己資本に対する当期純利益の比率。利益を稼ぐ効率性を示す指標であり、この比率が高いほど、自己資本を効率的に使って純利益を稼いでいることを示します。なお、2023年度(実績)の自己資本ROEについては、政策保有株式及び日本株ベア型の投資信託の損益影響を除くと、概ね親会社株主純利益の期初予想(2,000億円)を前提に算出したROEを上回る水準と試算。
2.実質業務粗利益:当社及び連結子会社の業務粗利益に持分法適用会社の損益(臨時要因を除いた持分割合考慮後の金額)等を反映した社内管理ベースの計数。
3.実質業務純益:経常利益から与信関係費用や株式等関係損益などの臨時的な要因の影響を控除したもので、実質的な銀行(及びグループ)の本業の収益を表す指標。
4.AUF(Assets Under Fiduciary):社会課題解決と市場の創出・拡大に貢献する取組の規模を示す指標。
5.手数料収益比率:実質業務粗利益に対する各種手数料収益(受託財産に係る信託報酬や不動産仲介手数料、投資信託の販売手数料等)の比率。この比率が高いほど、当グループが注力する手数料ビジネスが粗利益の獲得に貢献していることを示します。
6.経費率(OHR):実質業務粗利益に対する総経費の比率。利益を稼ぐ効率性を示す指標であり、この比率が低いほど、経費を効率的に使って粗利益を稼いでいることを示します。
7.普通株式等Tier1比率:資本金、資本剰余金及び利益剰余金など、自己資本の中でも中核的な資本に対するリスクの割合を表すもの。資本の十分性を示す規制指標であり、この比率が高いほど、リスクに対する備えが厚いことを示します。
当社は、自らのパーパス(存在意義)である「託された未来をひらく」と、サステナビリティ方針で掲げる持続可能な社会の構築への貢献を実現すべく、「社会的価値創出と経済的価値創出の両立」を経営の根幹に掲げております。また、社会的価値創出と経済的価値創出の両立を目的としたビジネスプロセスと、そのプロセスを経営レベルで管理する仕組みを合わせて「価値創造プロセス」として表現しております。
価値創造プロセスにおいて、当社は、信託の機能を活用しながら資金・資産・資本の好循環を創出・加速させ、個人からグローバル企業に至るまであらゆるステークホルダーに経済的価値を還元してまいります。また、これらの活動を通じて、地球や社会、経済に対するポジティブインパクトの創造と、ネガティブインパクトの抑制につなげるなど、社会的価値の創出にも取り組み、SDGsの実現に貢献してまいります。
加えて、当社では、持続的な価値創造プロセスに影響を与える事象をマテリアリティ(重要課題)として取締役会において定め、資本循環の促進要因(機会)と阻害要因(リスク)の両面から捉え管理しております。
当社は、2015年度に初めてマテリアリティを特定し、以後2019年度、2022年度に改定を実施しております。2022年度の改定時には、世界経済フォーラム国際ビジネス協議会の提言をもとに、世界4大会計事務所が中心となって取りまとめた「持続可能な価値創造のための共通指標と一貫した報告を目指して」における共通指標(コモンメトリクス)を起点に「マテリアリティテーマ」を抽出し、当社パーパスと経営戦略上のテーマから、実現したい社会と価値に関する項目の整理を行い、現行のマテリアリティを特定しました。
マテリアリティ及びマテリアリティテーマについては、経済や社会の情勢変化に伴って生じる論点を適切にくみ取るため、定期的にレビューを実施し、取締役会に報告しております。
なお、2024年度における定期レビューでは、米国における大統領選挙に伴う政策方針の転換、地政学的リスクの高まりなど、政治・経済情勢における不確実性の高まりが想定され、社内外の環境変化には留意が必要なものの、現行マテリアリティに変更はないことを確認しております。
(注)マテリアリティの3区分の定義は以下のとおりです。
イ.サステナビリティ方針
当社は、「1.事業を通じた社会・環境問題の解決への貢献」「2.お客さまへの誠実な対応」「3.社会からの信頼の確立」「4.環境問題への取り組み」「5.個人の尊重」「6.地域社会への参画・貢献」からなる「三井住友トラストグループの社会的責任に関する基本方針(サステナビリティ方針)」(以下、サステナビリティ方針)を取締役会において定めております。
また、サステナビリティ方針に基づく具体的な取組方針及び行動指針として、「環境方針」「気候変動対応行動指針」「生物多様性保全行動指針」「人権方針」を取締役会において定め、役員・社員に周知するとともに対外的に公表しております。
ロ.サステナビリティ推進体制
当社では、サステナビリティ方針に基づき執行機関である経営会議がサステナビリティ推進に関する方針・戦略を協議・決定し、取締役会がこれを監督する体制としております。監督機関である取締役会は、諮問機関としてリスク委員会を設置し、当グループのサステナビリティにかかる取組状況に関する審議等を通じて適切な監督を行っております。
執行機関である経営会議は、2023年度に、サステナビリティに関する課題の協議、取組状況の報告を組織的に行うことを目的に、諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置しました。同委員会は、サステナビリティ推進部統括役員(2024年度からChief Sustainability Officer)を委員長、経営管理各部の統括役員を委員とし、当グループのサステナビリティへの取組状況の確認と、サステナビリティ推進に関する各種施策の審議を行っております。2024年度には、サステナビリティ関連リスクへの注目度の高まりを受け、リスク統括部統括役員(2024年度からChief Risk Officer)を委員に加えております。同委員会における審議を経た上で、経営会議へ付議することで、サステナビリティに関する課題の対象範囲を明確化し、方針立案から対応、開示までの一連の取り組みを組織的に行う体制を整えております。
なお、マテリアリティへの対応をはじめとするサステナビリティへの取り組みについては、当社のコーポレート・ガバナンス体制の下で運営しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

また、当グループ固有の経営資源や顧客基盤だけでは、ますます高度化・複雑化する社会課題を解決することは困難であることを踏まえ、さまざまなステークホルダーとの連携やプラットフォームの構築を行い、新たな市場や資本循環の促進要因(機会)を創出していきます。
③リスク管理
イ.サステナビリティに関するリスク認識
当グループは、サステナビリティ方針に基づき持続可能な社会の構築に積極的に貢献すべく、事業を通じた環境・社会的課題の解決に貢献していくことを目指しております。
当グループの事業活動が環境・社会に及ぼす影響に対する配慮が不十分である場合、直接的・間接的の如何に関わらず、新たな環境・社会的課題の発生や拡大を助長するおそれがあり、そのことが持続可能な社会の構築に悪影響を及ぼすことはもちろん、引いては当グループの業績や財務状況、業務継続性、ブランド価値、成長性等にも悪影響を及ぼす可能性があると認識しております。また、こうした影響は当グループ自体から生じるだけでなく、当グループが関係するバリューチェーンの中で生じる可能性があるリスクドライバーであり、当グループはこうしたサステナビリティに関するリスクがリスクカテゴリー横断的に影響を及ぼすものと認識しております。
ロ.サステナビリティ関連リスク管理の取り組み
当グループでは、上述のリスク認識の下、サステナビリティに関するリスクを的確に把握・低減すべく、サステナビリティ関連リスク管理方針においてリスク管理の考え方や、基本的な管理体制等を定めております。
また、当該体制に基づき、当グループや持続可能な社会の構築に向け解消すべき環境・社会的課題に及ぼす負の影響の把握・低減に取り組むとともに、継続的な体制強化を図ることで、サステナビリティに関するリスク管理プロセスの強化を進めております。
2024年度には、三井住友信託銀行を中心に気候変動や生物多様性等の中長期的な環境課題や、人権尊重等の責任ある企業行動に対する社会的要請の高まりに的確に対応すべく、ファイナンスを含む多様な業務執行に伴う、サステナビリティの実現に対する負の影響を特定・評価し、防止・低減方策等を検証するプロセスを設けました。
当該プロセスにて特定・認識された負の影響については、その影響度合いや蓋然性に応じた低減方策を設けるとともに、継続的なモニタリングやステークホルダー等とのエンゲージメント(対話)を通じて、更なるリスク低減を図っております。
(2)気候変動
①ガバナンス
気候変動の推進に関しては、「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
イ.戦略
年々深刻化する異常気象や自然災害は、私たちの命や暮らしを脅かしております。当グループのパーパスである「託された未来をひらく」を実現する上で、気候変動問題への対応は避けては通れない最優先課題です。
当グループでは、自社グループの事業活動で使用するエネルギーの削減・脱炭素化に加え、信託の力でお客さまの脱炭素化をサポートし、脱炭素社会の実現に貢献します。
脱炭素社会の実現には、多額の資金が必要となります。当グループは、ファイナンスや多様なソリューションの提供を通じて、事業者のお客さまの脱炭素化を支援するとともに、個人や機関投資家のお客さまの資金を呼び込み、多額の資金需要へ応えることで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
具体的には、ガバナンスサーベイを中心とした各種サーベイ等を通じて、お客さまの現状と課題を把握した上でお客さまとの対話を重ねながら、三井住友信託銀行のテクノロジー・ベースド・ファイナンス(TBF)チーム(注)の有する技術的な知見や Breakthrough Energy、ERMグループといったグローバルトッププレイヤーとの協業も活用し、事業者のお客さまへのソリューション提供や資金支援を行っていきます。
当グループが目指すのは、事業者の脱炭素化進展が企業価値の向上へと繋がり、リターンとして投資家に還元され、さらなる投資、脱炭素化につながる好循環です。信託グループならではの「アドバイザリ機能」「資産運用・資産管理機能」を発揮し、個人や機関投資家のお客さまへ投資機会を提供するとともに、事業者のお客さまの脱炭素化の支援を通じて、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していきます。
(注)技術の社会実装を金融的側面から支援することを目的として、サステナビリティ推進部に設置したチーム。水素、蓄電池、電力、有機化学、無機化学、機械、農学、都市等のさまざまな分野の研究者や専門家でチームを構成。
ロ.移行計画
(ⅰ)移行計画の概要
当グループは、全世界で加速するGHG排出量削減等の社会課題解決に向け、2021年10月にカーボンニュートラル宣言を公表するとともに、カーボンニュートラルの実現に向けて着実に歩みを進めていくために、2023年10月に、カーボンニュートラル移行計画(移行計画)を策定いたしました。移行計画は、信託グループならではの幅広い業務領域をカバーするため、銀行・運用・信託・自社グループのセグメントごとの特性を踏まえた構成としております。主要子会社である三井住友信託銀行においては、取引先企業との対話やソリューションの提供を通じて、2050年までに投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの実現を目指していきます。また、同じく主要子会社である三井住友トラスト・アセットマネジメント及び日興アセットマネジメントにおいても、2050年までに運用ポートフォリオにおける投資先企業のGHG排出量ネットゼロの実現を目指していきます。加えて、両社はグローバルに資産運用を展開する機関投資家として、エンゲージメント(建設的な目的を持った対話)及び議決権行使を通じて、投資先企業などの脱炭素化を促していきます。
また、自社グループにおいても、2030年のネットゼロ目標達成を目指し、当グループの事業活動で使用する電力・ガスなどのエネルギーの削減及び再生可能エネルギーへの転換などの脱炭素化を促進するとともに、GHG排出量の計測範囲の拡大や、良質なカーボンクレジットの活用検討等に取り組んでいきます。
ガバナンス・基盤の強化を行い、指標・目標を設定するとともに、銀行・運用・信託において、サーベイや専門性・パートナーシップ等の付加価値の源泉を最大限活用し、各ステークホルダーとの対話を通じた経営課題・ニーズの把握や、課題解決に向けた幅広いソリューションの開発、提供をしていきます。
<カーボンニュートラルに向けた移行計画の全体像>

(ⅱ)移行計画の主な内容
◆投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロに向けた取り組み(三井住友信託銀行)
◆運用ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロに向けた取り組み(三井住友トラスト・アセットマネジメント及び日興アセットマネジメント)
◆信託
◆自社グループ
(注)2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GX(グリーントランスフォーメーション)への挑戦を行い、現在及び未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取り組みを行う企業群と官・学と共に協働する組織です。
ハ.気候変動に関する機会の認識
脱炭素社会の実現に向け、社会構造・産業構造が大きく変わり始めるなか、グリーン技術開発やインフラ設備に対する資金需要が増加していく見込みです。日本政府は2050年カーボンニュートラル宣言に加え、GX基本方針で官民連携による150兆円規模の投資を表明しました。
このような多額の資金需要に応えるためには、官民連携によるブレンデッドファイナンス(注)や、投資家や個人の資金を繋ぐ仲介機能が必要不可欠です。当グループはこのような機会を逃すことなく、各経済主体との多様な接点を活かして資金・資産・資本の好循環を促し、社会的価値創出と経済的価値創出の両立を目指していきます。
(注)民間資金と公的資金、あるいは慈善資金を合わせることで、社会課題の解決や持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援する投融資手法。
<各セクターにおける機会の認識>
(注)1.VPP(バーチャルパワープラント)とは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御(需要家側エネルギーリソースからの逆潮流も含む)することで、発電所と同等の機能を提供することを指します。
2.需要家側エネルギーリソースの保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させることを指します。
3.CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)とは、CO2の回収・利用・貯留のことを指します。
4.一般送配電事業者が保有する送配電ネットワークを使用して、工場等に自家用発電設備を保有する需要家が当該発電設備を用いて発電した電気を、別の場所にある当該需要家や当該需要家と密接な関係性を有する者の工場等の需要地に送電する制度を指します。
5.PPA(Power Purchase Agreement)とは、需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を購入する契約を指し、オフサイト・コーポレートPPAとは、需要場所から離れた場所に発電設備を設置し電力小売事業者を経由して需要家に電力供給を行うモデルを指します。
<機会獲得のための三井住友信託銀行の戦略>
③リスク管理
イ.気候変動に関するリスクの認識
当グループでは、気候変動対応行動指針を含むサステナビリティ方針に基づき、取引先等の脱炭素化の支援、多様な投資機会の提供等を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していくことを目指しております。
中長期的な気候変動に起因する物理的リスク(※1)及び移行リスク(※2)は、取引先企業の経営への悪影響(気候変動対応のための制約・コスト増加、自然災害等の被災等による担保資産の棄損など)、それに伴う与信関係費用の増加などを通じて、当グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があるだけでなく、当グループの業務継続性やブランド価値、成長性等にも悪影響を及ぼす可能性があります。当グループは、これらの気候変動に関するリスクを、リスクカテゴリーに横断的に影響を及ぼすリスクドライバーと認識しております。
※1:中長期的な気候変動に起因して直接・間接的に生じるリスク。例えば、台風や豪雨等の異常気象、あるいは断続的な気温上昇や海面上昇等に伴う自然資本や社会インフラの被害、コスト増加などの事業継続性への悪影響が存在する。
※2:低炭素・脱炭素社会への移行に伴い生じるリスク。例えば、排出量規制や将来的な炭素税の導入等の政策変更リスク、技術革新等による企業の競争力低下・生産コスト増加等の技術的リスク、投資・消費行動の変化等の市場リスク、気候変動等対応に伴う批判・ブランド価値毀損等の風評リスク等が存在する。
ロ.気候変動関連リスク管理の取り組み
当グループでは、上述のリスク認識の下、気候変動に関するリスクを的確に把握・低減すべく、サステナビリティ関連リスク管理方針において、気候変動関連リスクを含む、サステナビリティ関連リスク全般に関するリスク管理の考え方(リスクカテゴリー毎の気候変動に関するリスクの管理方針等を含む)や、基本的な管理体制等を定めております。
また、当該体制に基づき、中長期的な気候変動が当社業務や保有資産等に及ぼす影響を把握し、継続的な体制強化を図ることで、気候変動に関するリスクのリスク管理プロセスの強化を進めております。
中でも、当社の目指す姿に照らして、リスクベースで影響の大きい三井住友信託銀行の投融資分野においては、高炭素セクター毎のGHG排出量削減目標の設定・管理に加え、中長期的なシナリオ分析等を通じた投融資ポートフォリオや取引先企業の経営への影響把握、与信業務におけるセクターポリシーの更新・審査の高度化に取り組んでおります。
なお、当グループのシナリオ分析の概要、及び投融資先の気候変動移行リスクや信用リスクの管理の詳細については、別途公表しております「
<リスクカテゴリー毎の気候変動関連リスクの管理方針>
(注)短期:1年以内、中期:1年超10年未満、長期:10年以上
④指標と目標
当グループでは、気候変動に係る当グループの戦略とリスク管理の基本方針に基づき管理する具体的指標及び目標を設定し、グループにおける気候変動対応の状況をモニタリングしております。今年度の主な指標及び目標は下表のとおりです。なお、当グループは指標の状況を定期的に確認し、外部環境の変化や戦略の見直しに伴い、指標の見直しを行っております。
(注)1.投融資ポートフォリオについては、セクターごとに以下の中間削減目標を設定しており、実績は記載のとおりです。
(注)2.自社グループのGHG排出量については、2023年度の実績でScope1(直接排出)4,472tとScope2(間接排出)4,368tの合計で、8,840tCO2eとなり、前年度と比較して約12%削減しました。また、GHGプロトコルに準拠した計測・集計を行い、当グループの国内拠点(Scope1,2)について、第三者保証を取得しました。今後、利用データの質的・量的な充実や、計測手法の改善を通じた分析精度の向上に努めます。
(注)3.運用ポートフォリオについては、各社ごとに以下の中間削減目標を設定しており、実績は記載のとおりです。
(注)4.2021年6月末時点の運用資産85兆円の50%にあたる約43兆円が対象
5.目標は「2019年比半減」であるが、2021年6月時点のポートフォリオに対して、2019 年の排出データを使用して算出したため、進捗実績値を「2021年6月比」と表記
6.2021年12月末時点の運用資産31兆円の43%にあたる約13兆円が対象
(3)人的資本
①ガバナンス
人的資本に関する基本方針や重要戦略の取組状況は、経営戦略との連動を目的として、取締役会による監督に基づき、経営会議やサステナビリティ委員会等を通じて報告・決議を実施しております。
また2025年度からは、経営会議の諮問機関として人的資本委員会を設置し、人事部統括役員(CHRO)を委員長、経営企画部統括役員、リスク統括部統括役員、財務企画部統括役員を委員として、当グループの人的資本強化への取組状況の確認と、各種施策の審議を行っております。
同委員会における審議を経た上で、経営会議へ付議することで、人的資本戦略の推進に必要な方針立案、対応実施、開示までの一連の取り組みを組織的に行う態勢を整えております。
②戦略:人的資本戦略と企業価値向上・Well-beingの実現
当グループの掲げるパーパス(存在意義)を実現し、社会課題への取り組みを通じた資金・資産・資本の好循環の促進と市場の創出による成長を図るためには、人的資本の充実が重要となります。経営戦略を実現する人材群を構築し、その人材群が共通の目的に向かい多様な個性・専門性を発揮して最大限の活躍を実現すること、それぞれの活躍の結果を当グループの価値創造につなげることが、人的資本戦略の目指す姿です。
また、当グループで「社員のWell-being」と定義する、「心身ともに健康で、会社のパーパスに共感しながら、多様性を認め合う良好な人間関係のもと、自分の価値や強みを生かして、『働く幸せを実感し追求していける状態』」の実現を目指しております。当グループでは引き続き「社員一人ひとりのWell-being」向上を通じて、お客さま、社会への価値創出を実現し、全てのステークホルダーのWell-beingと企業価値向上をもたらす「好循環」を創り上げていきます。


(ⅰ)人材力と組織力の強化
当グループでは、多彩な機能、多様な事業ポートフォリオを強みとする信託グループとして、「社員一人ひとりの多様性と創造性を経営に生かす」ことを重視し、多様な属性・背景を有する社員が公正・公平(エクイティ)な支援の下、組織の付加価値となるような各種施策を取り組んでまいりました。
また、未来に向けた「ありたい姿」を社員一人ひとりが自ら考え、その実現に向けて自ら行動する「自律的キャリア型人材」の育成に注力することで、人的資本の強化を目指しております。
(ア)能力発揮と最適配置を実現する人事制度運営
当グループの人事評価制度は「本人参加型」です。社員は上司とのすり合わせにより具体性を持った業務遂行課題を決定し、年度末には上司と課題への成果とその達成プロセスを振り返りを行うことで、納得感の高い評価が得られる仕組みとしております。
三井住友信託銀行では、2025年度から運営を開始した新人事制度において、社員と会社が対等な関係を築き、互いに高めあう「選び・選ばれる関係」を実現します。社員が自律的にキャリアや働き方を選択する一方で、会社は「ウィル(意思)」と「スキル」に基づいた配置・登用を行い、社員一人ひとりが活躍・挑戦できる機会や選択肢を提供します。また、担う役割に応じたメリハリある処遇体系を導入することで、社員一人ひとりの能力最大発揮と生産性向上に資する最適な人材配置の実現を目指します。
(イ)自律的キャリア型人材の育成
当グループでは、社員一人ひとりの自律的なキャリア実現に向けて、社員が自己選択・自己決定できる仕組みや環境の整備を進めております。三井住友信託銀行では、各業務領域への理解を深め、将来のキャリア形成を考える機会として、社内の様々な業務について実際に従事している社員へ直接質問することができる「事業説明会」を開催の上、業務公募を実施しております。
また、「TRUST University(トラスト ユニバーシティ)」と冠した社内大学を展開し、外部の教育機関等と提携した階層別の研修や業務スキル等の向上を目的とした研修から自己啓発まで多くのコンテンツを整備しております。三井住友信託銀行では、2023年4月に、ビジネス推進に必須であるIT/デジタル人材育成に向けた具体的なKPIを設定し、研修や資格の取得支援を拡大しております。
加えて、当グループでは、経営の継続に対してクリティカルなポストの特定を行い、後継者の育成・管理をする取り組みを進めております。GL(グローバル&ジェネラルリーダー)研修及びSL(ストラテジックリーダー)研修等、選抜研修を毎年実施しております。
(ウ)多様な人材の多様な活躍推進
当グループでは、2030年までに女性役員比率を30%以上にするという経団連の「2030年30%へのチャレンジ」に賛同し、女性管理職比率のKPIを策定し、女性リーダー層を対象とする階層別研修やキャリアデザイン研修等、女性活躍推進の取り組みを推進しております。
また、社員のライフスタイルに応じた働き方の実現、ライフイベントに左右されないキャリア構築を目指し、両立支援制度の充実と風土醸成に取り組んでおります。三井住友信託銀行では2022年度に、産前・産後に男性社員が長期の育休を取得することが可能になるベビーケア休暇を新設し、休暇取得を奨励することで、男性育休取得日数は拡大しております。
加えて、信託グループ特有の多彩な機能、多様な事業ポートフォリオを維持しつつ、成長領域の伸長を図るために、キャリア採用社員や外国籍社員、障がい者社員の活躍推進にも取り組んでおります。
(ⅱ)エンゲージメントの強化
(ア)挑戦・イノベーションを生む風土
当グループでは、全社的なパーパスの浸透とともに、「全社員がやりがいを持って活躍し成長できる機会の提供」に向け、チャレンジと学びを後押しする風土構築とコミュニケーションの活性化に取り組んでおります。
2024年に創業100年を迎えた当グループでは、100周年事業として、関係会社23社から450人(2025年4月時点)の社員をアンバサダーとして選出し、社員が主導して事業を推進する等、やりがい・働きがいを生む風土の構築を意識しております。なお、100周年事業の集大成として、全社・全社員参加型で社員一人ひとりの挑戦アイデアを持ち寄り、その取り組みを表彰する「Action Challenge Award」を開催し、グループ社員から10,000件を超える“挑戦アイデア”が宣言されました。
また、三井住友信託銀行では、一人ひとりの行動変容を促し、積極的に挑戦できる風土を醸成していくために、2025年度に、個人目標を「当グループのバリュー(行動規範)を実践できているか」を軸に評価する体系に刷新いたしました。
加えて、店部長自らが講師を務めて自身の経験や学びを伝達する店部長塾・道場の開催、1on1におけるマネジメントのコミュニケーションスキルの向上を目指す1on1研修の実施等により、心理的安全が担保された風通しの良い職場環境の構築を推進しております。これらの取り組みの成果については、社員意識調査やパルスサーベイを導入し、社員の声を経営層やマネジメント層が把握することで、更なる向上に努めております。
(イ)Well-beingの推進
当グループでは、Well-being推進担当役員を設置し、株式会社日本経済新聞社主催の「Well-being Initiative」等、産官学連携セッションへ参画しながら、社内外でのWell-being推進活動を強化しております。また、FINANCIAL WELL-BEING(注1)への貢献に取り組み、人生100年時代において、お客さま一人ひとりの幸せに資するベストパートナーとなることを目指しております。三井住友信託銀行では、その価値創出の担い手である社員一人ひとりのFINANCIAL WELL-BEING実現に向けて、年金業務・職域業務で培った高品質な投資教育ノウハウを社員に還元し、社員の資産形成支援を強化しております。2022年度以降は、社員と会社がベクトルを合わせ、中長期的な成長を追求できる仕組みとして、全社員に対する株式報酬(RS信託(注2))を導入しております。
(注)1.FINANCIAL WELL-BEINGとは「お金や資産について、不測の事態に対する備えと将来に向けた準備ができて、安心できる状態」を指します。
2.株式交付信託の仕組みを利用して、特定譲渡制限付株式(RS:Restricted Stock)を交付する制度を指します。
(ⅲ)健康経営
当グループでは、社員が健康と幸福を実感し、持続的に能力を発揮することで人的資本の向上を目指しております。そうした心身両面での健康推進を目指した取り組みが評価され、当グループは8年連続で「健康経営優良法人~ホワイト500~」に認定されております。
(ア)健康経営の推進
当グループでは、2024年7月に、社員の心身の健康への投資を加速すべく、「健康経営宣言」を制定しました。心身の健康推進のため、研修などを通じた啓発活動を行っているほか、各事業所へ産業医を配置し、きめ細かい健康管理・健康指導を行っております。三井住友信託銀行では、年1回の健康診断の受診に加え、健康管理システムを導入し、社員ごとの個別指導を行うことで、再検査受診率は上昇しております。また、心の健康では、ストレスチェックやプレゼンティーズム、アブセンティーズム(注1)の測定により社員の状態を把握しているほか、カウンセラーの設置や各種セミナーの開催を通じて、心の健康維持に努めております。今後も、社員の健康維持・向上に力を入れ、人生100年時代にふさわしい健康経営の推進を図ってまいります。
(注)1.プレゼンティーズムとは、出勤しているものの、何らかの健康問題によって業務効率が低下している状態、アブセンティーズムとは、仕事を休業ないし欠勤している状態を指します。
(イ) 働き方の最適化
当グループでは、「多様な働き方とワークライフバランスの実現」に向けて、IT投資強化や業務プロセス改革による生産性向上と時間外労働の削減、及び時差出勤や在宅勤務等、柔軟な働き方推進への取り組みを行っております。三井住友信託銀行では、勤務間インターバル11時間の導入や計画的な休暇取得を奨励しており、有給休暇取得日数、取得率ともに上昇しております。更なる働き方の最適化に向け、グループでの勤務間インターバル11時間の導入や、三井住友信託銀行では、有給休暇取得率目標の設定を検討しております。

③指標と目標
当グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。なお、施策の浸透とともに各種指標は上昇しております。

「女性管理職比率(当グループ)」「パーパスに基づいた行動」「ストレスチェック」を除く項目は、三井住友信託銀行単体の数字になります。なお、人的資本に係る指標と目標については、2024年度に開示した指標と目標のうち、当グループの人的資本の取組方針等において特に重要な指標に絞って記載しております。
(*1)各年度中に育休を取得した男性労働者の数を、各年度中に配偶者が出産した男性労働者の数で割った比率であり、100%を超える水準となっております。
(*2)設問「自分自身の思考や行動に影響を与えている」についての、関係会社のスコアの平均であります。2022年度は社員意識調査を実施した関係会社17社の単純平均であり、2023年度以降は、所属従業員が少ない会社のスコアへの影響を排除するため、社員意識調査を実施した関係会社のうち従業員数50人以上の関係会社の単純平均としております。(2023年度15社、2024年度14社)
(*3)設問「あなたは、この会社で働いていることに、満足している」についてのスコアであります。
(*4)設問「自分の仕事に対して誇りを持っている」等、関連する10の設問についてのスコアの平均値であります。
(*5)ストレスチェック実施先の増加により2022年度までは関係会社17社、2023年度は関係会社18社、2024年度は関係会社19社の結果の単純平均としております。なお、数値について、標準集団の平均は100であり、数字が低いほど良好な結果になります。
当グループでは、フォワードルッキングな視点で、1年以内に当グループの事業執行能力や業績目標に重大な影響をもたらす可能性があると考えているリスクをトップリスク、中長期的に重大な影響をもたらす可能性があると考えているリスクをエマージングリスクとして、定期的に選定のうえ、リスクの状況をモニタリング、コントロールしながら、対応策を講じ、取締役会等への報告を行っております。以下の記載における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものです。
<トップリスク及びエマージングリスクの(リスク認識)の表記について>
当グループでは、管理すべき重要なリスクについて、それぞれの「発生可能性」と「影響度」で評価したリスクマップを作成しております。当グループのリスク認識として、各トップリスク及びエマージングリスクのリスクマップにおける位置を色と番号で示しております。

イ.トップリスクとリスク対応策
ロ.エマージングリスクとリスク対応策
(2) その他のリスク
トップリスク及びエマージングリスク以外の主要なリスクには以下のものがあります。
イ.事業面に関するリスク
当グループは収益力強化の観点から様々な事業戦略を展開しておりますが、以下の要因により当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(ⅰ) 経済環境・市場環境・企業業績の悪化、同業他社との競争激化等の外部要因の変化等によって、事業戦略が奏功せず、当初想定した成果を生まない可能性があります。
(ⅱ) 当グループは、顧客サービスの向上、コスト競争力の強化等を目的として、他社との提携や合弁等を通じて、効率的なグループ経営を行うことにより、当グループとしての中長期的な収益力強化を図っておりますが、他社との提携や合弁等に伴うコスト、採用する事業・再編戦略や会計方針、事業環境の変化、その他の外部要因等により、期待通りのサービス提供や成果を確保できない可能性があります。また、このような提携や合弁等には、当グループと相手先との利益相反や意見対立、提携や合弁等の解消等様々なリスクがあります。
(ⅲ) 当グループの業務範囲の拡大、金融サービスや管理システムの高度化に伴って、当グループが従来経験のない、もしくは予想されなかったリスクあるいはより複雑なリスクに晒される可能性があります。
当グループは、企業価値の向上を目的として、企業買収、出資、資本提携、子会社の設立等を行っており、今後も同様の企業買収等を行う可能性があります。しかし、これら企業買収等は、法制度の変更、競争環境の変化等により、想定通りの効果が得られない可能性があります。また、企業の財務内容や契約関係等の事前調査を十分に行っておりますが、買収後に未認識の偶発債務が発生した場合や、当該子会社等の利益が、期待した水準を大幅に下回った場合には、子会社株式及びのれんについて、相当の減額を行う必要が生じる可能性があります。これらにより、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
当グループは、グループ会社間の連携により、顧客基盤の拡大やソリューション提供力の強化等による連結収益の拡大に取り組むとともに、経費削減等を通じた効率性の向上に努めております。当グループがグループ内の連携による収益効果を得られるかどうかについては、将来の事業環境の変化による不確実性を伴うものであり、子会社・関連会社の事業又は経営の悪化により、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
④ 信託事業に関するリスク
当グループは、取引先に提供する信託商品のうち一部の合同運用指定金銭信託について、元本補填契約を結んでおります。信託勘定には債権償却準備金を計上しておりますが、これを充当しても元本に損失が生じた場合には、その補填のための支払を行う可能性があります。また、元本補填契約のない信託商品についても、信託事業を遂行する上で、受託者としての責任において負担すべき債務・費用が発生する可能性があります。
また、資産運用業務において、運用成績が市場のベンチマークや他社の運用商品に劣る結果となった場合には、委託者が運用を委託している資金を引き揚げる可能性があり、当グループの業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 規制・制度の変更に関するリスク
当グループは、事業活動を行う上で、様々な法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制の法令諸規制等の影響を受けております。これらの法令諸規制等は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、その内容によっては、商品・サービスの提供が制限される、新たなリスク管理手法の導入その他の体制整備が必要となる等により、当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
① 事務リスク
当グループは、内部規定及び事務処理体制の整備、事務処理状況の定期的な点検、本部の事務指導等によって、適正な事務の遂行に努めておりますが、役員・社員・外部委託先要員が事務処理の過誤や不正等を起こした場合、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
② 外部委託に関するリスク
当グループは、様々な業務の外部委託を行っております。外部委託を行うにあたっては委託先の適格性や委託内容、形態を含め十分な検討を行っておりますが、委託先の選択が不適切であった場合や委託先において重大な事務過誤等が発生した場合、又はサイバー攻撃による顧客情報の漏洩や委託業務の中断・停止が発生した場合等には、当グループにおいても間接的・直接的に悪影響を受ける可能性があり、これにより、当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
③ システムに関するリスク
当グループは、様々な業務を遂行するため多様なシステムを活用しております。システムに関しては十分なリスク管理体制を構築しておりますが、コンピュータシステムのダウンや誤作動、システムの不備、さらにコンピュータの不正使用等により、当グループの業務運営や業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
④ 新技術リスク
情報通信技術の変化の勢いは加速し続け、お客さまの行動に影響を与えており、当グループは、従来のビジネスモデルを再定義する場合があります。クラウドコンピューティングやブロックチェーン、人工知能(AI)等の新技術は、大きな機会を提供するだけでなく、慎重に管理する必要がある新しいリスクを生み出しております。当グループは、これら新技術に関しては慎重に管理するようにしておりますが、誤作動や不備等により、当グループの業務運営や業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 情報セキュリティリスク
当グループは、内部規定や情報管理体制の整備、社内教育、及び情報セキュリティ対策の徹底等によって、顧客情報や社内機密情報の漏洩への対策を講じておりますが、役員・社員・外部委託先要員の不注意や不正行為、サイバー攻撃等により顧客情報や社内機密情報が外部に漏洩した場合、当グループが行政処分や損害賠償等の請求を受ける可能性があり、これにより、当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑥ 人材に関するリスク
当グループは、幅広い分野で高度な専門性を必要とする業務を行っており、有能な人材の確保・育成に努めておりますが、必要な人材を確保・育成することができない場合には、当グループの業務運営や業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑦ コンダクトに関するリスク
当グループ各社・役員又は社員の行為が、職業倫理に反していること、又はステークホルダーの期待と信頼(※)に応えていないことにより、当グループ・顧客・市場・金融インフラ・社会及び職場環境に対し悪影響を与える可能性があります。
(※)合理的な期待水準を把握のうえ当グループとして設定する適切なサービスレベル
⑧ 人的リスク
人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)、人権問題(ハラスメントを含む)等が発生した場合、当グループの業務運営や業績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑨ 災害等の発生に伴うリスク
当グループは国内外の営業拠点や本部、システムセンター等の業務施設において事業活動を行っており、これら施設等や、その他当グループが保有する有形資産(動産・不動産・設備・備品等)及び従事する役員及び社員は、自然災害(地震・津波・噴火・風水害)、火災、爆発、停電、戦争、犯罪・テロ、資産管理の瑕疵、あるいは新型インフルエンザ等の新種感染症等による被害を受ける可能性があります。こうした事態が発生した場合、その被害の程度によっては、当グループの業務の全部又は一部の継続が困難になる等、当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑩ 風評リスク
当グループや金融業界一般に対して否定的な内容の報道がなされたり、インターネット等の情報媒体において、否定的な内容の風評・風説が流布することがあります。その内容が正確か否かにかかわらず、こうした報道・風評・風説により、当グループ又は金融業界一般のイメージや株価等に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑪ 環境・社会的リスク
当グループは、「三井住友トラストグループの社会的責任に関する基本方針(サステナビリティ方針)」を掲げ、持続可能な社会の構築に積極的に貢献することが社会的な責任であると認識しています。しかしながら、当グループの事業活動が環境・社会問題に及ぼす影響に対する配慮が不十分である場合、直接的・間接的の如何に関わらず、結果的に問題の発生や拡大、あるいは助長等に関与してしまうおそれがあり、引いては信用リスク等の財務面に関するリスクや当グループの風評等に影響が及ぶ可能性があります。
⑫ モデルリスク
当グループは、業務遂行上さまざまなモデル(※)を使用しています。モデルには唯一の正解は存在せず、一定の仮定や単純化を含むことにより、不正確なアウトプットを出力するリスクがあります。また、モデルに根本的な誤りがなくても、適切に使用されないことによって、誤った意思決定につながるリスクがあります。当グループではこれらのモデルリスクを認識し、モデルの開発、使用、変更、廃止等の各プロセスにわたり、モデルリスクを管理していますが、モデルの不確実性を完全に排除することはできず、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(※)インプット、加工処理プロセス、アウトプットの3つの要素から構成されるものであり、理論や仮定に基づきインプットデータを処理し、アウトプット(推定値、予測値、スコア、分類等)を出力するもの
⑬ リスク管理の方針及び手続が有効に機能しないリスク
当グループは、リスク管理の方針及び手続の強化に努めております。しかしながら、新しい分野への業務進出や急速な業務展開、又は外部環境の変化により、リスクを特定・管理するための方針及び手続が有効に機能しない可能性があります。また、当グループのリスク管理の方針及び手続の一部は、過去の経験・データに基づいて構築されたものもあること、将来のリスクの顕在化を正確に予測し対処することには限界があることもあり、有効に機能しない可能性があります。こうした当グループのリスク管理の方針及び手続が有効に機能しない場合には、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
① 信用リスク
(ⅰ) 不良債権の状況
国内外の景気動向、不動産・株式市場を含む金融経済環境の変化及び貸出先の経営状況等により、当グループの不良債権残高や与信関係費用が増加する可能性があります。
(ⅱ) 貸倒引当金
当グループは、貸出先の状況、差入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提・見積りに基づいて貸倒引当金を計上しております。従って、実際の貸倒費用が貸倒引当金計上時点における見積りと乖離する可能性があります。また、経済情勢全般の悪化、貸出先の信用状況の変化、担保価値の下落、その他予期せざる理由により、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。
(ⅲ) 貸出先への金融支援
当グループは、貸出債権等の回収実効性を確保することを目的として、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、債権者として有する法的な権利を必ずしも行使せず、状況に応じて債権放棄や追加貸出等の金融支援を行うことがあります。このような場合には、不良債権残高や与信関係費用が増加する可能性があります。
(ⅳ) 他の金融機関の動向による影響
急速な貸出金回収や取組方針の変更等、他の金融機関の動向によっては、当該貸出先の経営状態が悪化する可能性や追加融資を求められる可能性があります。このような場合には、不良債権残高や与信関係費用が増加する可能性があります。
② 市場リスク
当グループは、バンキング業務又はトレーディング業務として、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し投資活動を行っております。これらの活動による損益は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等のリスクに晒されており、その結果、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
③ 退職給付債務に関するリスク
当グループの年金資産の価値の下落や退職給付債務の計算の前提となる期待運用利回りの低下等の数理上の仮定に変化があった場合、当グループの未積立退職給付債務が変動する可能性があります。また、金利環境の変化等によって未積立退職給付債務や退職給付費用に悪影響が及ぶ可能性、年金制度の変更によって未認識の過去勤務費用の発生及び会計基準の変更によって財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
④ 繰延税金資産に関するリスク
繰延税金資産は将来の課税所得の見積額等に基づき計上されております。経営環境の変化等に伴う課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当グループの業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 自己資本比率等に関するリスク
当グループには、銀行法に定める自己資本比率等に関する規制が適用されるため、自己資本比率やレバレッジ比率等の規制比率を所要水準以上に維持する必要があります。
当グループの自己資本比率やレバレッジ比率等が、要求される水準を満たすことができなかった場合には、その水準に応じて、金融庁から経営改善計画の提出や業務の全部又は一部の停止を含む様々な命令を受けることとなり、当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑥ 格付低下のリスク
格付機関が格付を引き下げた場合には、当グループの資本・資金調達の取引条件の悪化、もしくは取引そのものが制限される可能性があります。また、当グループのデリバティブ取引に関して追加担保を要求される、既存の顧客取引が解約される等の事態が発生する可能性もあります。このような場合には、当グループの業務運営や、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(3) リスクガバナンス体制
当グループは、グループ全体のリスクガバナンス体制として、各事業によるリスク管理(ファーストライン・ディフェンス)、リスク統括部及びリスク管理各部によるリスク管理(セカンドライン・ディフェンス)、内部監査部による監査(サードライン・ディフェンス)の三線防御体制(スリーラインズ・オブ・ディフェンス)を構築しております。

(4) リスク管理のプロセス
当グループでは、リスク統括部及びリスク管理各部がセカンドラインとして、以下の手順でリスク管理を行っております。また、このリスク管理プロセスについては、関連するシステムを含め、サードラインの内部監査部により定期的に監査されております。
イ.リスクの特定
当グループの業務範囲の網羅性も確保した上で、直面するリスクを網羅的に洗い出し、洗い出したリスクの規模・特性を踏まえ、管理対象とするリスクを特定しております。この中で、特に重要なリスクを「重要リスク」として管理しております。
ロ.リスクの評価
管理対象として特定したリスクについて、グループ各事業の規模・特性及びリスクプロファイルに見合った適切なリスクの分析・評価・計測を行っております。「重要リスク」については、定期的に、「発生頻度」「影響度」及び「重要度」を評価し、トップリスクやエマージングリスクなどに該当するかどうかの判断を行っております。
ハ.リスクへの対応
上記のリスク評価を踏まえ、特定したリスクについてはそれぞれ、受容、回避、移転または削減に必要な方策を講じます。また、リスクアペタイトに照らし受容できないリスクは、回避、移転または削減により受容できるリスク水準に抑制をしております。
ニ.リスクのモニタリング
当グループの内部環境(リスクプロファイル、配分資本の使用状況など)や外部環境(経済、市場など)の状況に照らし、KRI等の指標を設定した上で、リスクの状況を適切な頻度でモニタリングし、状況に応じ、グループ各事業に対して勧告・指導又は助言を行っております。モニタリングした内容は、定期的に又は必要に応じて取締役会、経営会議などへ報告・提言しております。
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
(経営成績の状況)
当連結会計年度の実質業務純益は、円金利上昇に伴う実質的な資金関連の損益(※1)の改善に加え、資産運用・資産管理をはじめとする信託関連ビジネスが好調に推移したことによる手数料関連利益の増益により、前年度比233億円増益の3,620億円となりました。
経常利益は、一部取引先の業況悪化に伴う貸倒引当金の計上や、今後の不確実性に備えた特例引当金の再評価に伴い、与信関係費用が増加した一方で、前年度に実施した日本株ベア型の投資信託(※2)の持ち値改善処理に伴う減益要因が解消したことで株式等関係損益が大幅に改善し、前年度比2,663億円増益の3,676億円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比1,784億円増益の2,576億円となりました。
なお、実質業務純益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも過去最高益を更新いたしました。
(※1)資金関連利益に外国為替売買損益に含まれる外貨余資運用益を加算した損益
(※2)政策保有株式の株価変動リスクに対するヘッジを目的に保有
(資産負債等の状況)
当連結会計年度の連結総資産は、前年度末比2兆3,701億円増加し78兆2,471億円、連結純資産は、同103億円減少し3兆1,273億円となりました。
主な勘定残高といたしましては、現金預け金は、前年度末比2兆3,419億円増加し25兆1,736億円、貸出金は、同1兆2,139億円減少し32兆2,069億円、有価証券は、同1兆5,572億円増加し11兆4,961億円、また、預金は、同3,047億円増加し37兆7,229億円となりました。当グループの連結貸借対照表は現金預け金、貸出金及び有価証券等の与信、預金等の受信ともに円貨が中心となっておりますが、全通貨ベースでの運用・調達の安定性のバランス確保はもちろん、外貨につきましても顧客性の預金やスワップ市場等を利用した円投取引、社債発行などにより調達構造の多様化・安定化を図る方針としております。当グループの資金調達(社債及び借用金)の状況につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」に記載しております。
なお、当連結会計年度の信託財産額は、前年度末比5兆8,129億円増加し263兆2,797億円となりました。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは3兆9,766億円の収入(前年度比3,178億円の収入減少)、投資活動によるキャッシュ・フローは1兆7,638億円の支出(同8,203億円の支出減少)、財務活動によるキャッシュ・フローは475億円の支出(同381億円の支出減少)となり、現金及び現金同等物の期末残高は23兆623億円となりました。
信託報酬は1,208億円、資金運用収支は△1,054億円、役務取引等収支は3,607億円、特定取引収支は1,028億円、その他業務収支は3,729億円となりました。
うち、国内の信託報酬は1,211億円、資金運用収支は3,589億円、役務取引等収支は3,608億円、特定取引収支は984億円、その他業務収支は429億円となりました。
また、海外の資金運用収支は△2,162億円、役務取引等収支は661億円、特定取引収支は43億円、その他業務収支は3,294億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。
2.相殺消去額は、連結会社間の内部取引相殺消去額及び国内店・海外店間の本支店取引相殺消去額を表示しております。
3.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除しております。
資金運用勘定の平均残高は68兆2,341億円、利息は1兆1,599億円、利回りは1.70%となりました。
資金調達勘定の平均残高は67兆7,060億円、利息は1兆2,653億円、利回りは1.87%となりました。
うち、国内の資金運用勘定の平均残高は54兆5,912億円、利回りは1.71%となり、資金調達勘定の平均残高は52兆9,726億円、利回りは1.08%となりました。
また、海外の資金運用勘定の平均残高は17兆7,965億円、利回りは3.62%となり、資金調達勘定の平均残高は17兆3,955億円、利回りは4.95%となりました。
イ.国内
(注)1. 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2. 「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
3. 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度583,248百万円、当連結会計年度568,510百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度99百万円、当連結会計年度99百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除しております。
ロ.海外
(注)1. 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2. 「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
3. 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度84,849百万円、当連結会計年度68,662百万円)を控除しております。
ハ.合計
(注)1. 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2. 相殺消去額は、「平均残高」については連結会社間の債権債務の相殺金額の平均残高を、「利息」については連結会社間の内部取引相殺消去額及び国内店・海外店間の本支店取引相殺消去額を表示しております。
3. 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度592,686百万円、当連結会計年度557,851百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度99百万円、当連結会計年度99百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除しております。
役務取引等収益は4,993億円、役務取引等費用は1,386億円となりました。
うち、国内の役務取引等収益は5,483億円、役務取引等費用は1,874億円となりました。
また、海外の役務取引等収益は786億円、役務取引等費用は125億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2.相殺消去額は、連結会社間の内部取引相殺消去額及び国内店・海外店間の本支店取引相殺消去額を表示しております。
特定取引収益は1,059億円、特定取引費用は30億円となりました。
うち、国内の特定取引収益は1,022億円、特定取引費用は37億円となりました。
また、海外の特定取引収益は43億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2.相殺消去額は、連結会社間の内部取引相殺消去額及び国内店・海外店間の本支店取引相殺消去額を表示しております。
3.特定取引収益及び費用は、国内・海外の合計で内訳科目ごとの収益と費用を相殺した純額を計上しております。
特定取引資産は2兆2,915億円、特定取引負債は2兆924億円となりました。
うち、国内の特定取引資産は2兆2,495億円、特定取引負債は2兆133億円となりました。
また、海外の特定取引資産は958億円、特定取引負債は790億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2.相殺消去額は、連結会社間の内部取引相殺消去額及び国内店・海外店間の本支店取引相殺消去額を表示しております。
信託財産額は、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む連結子会社の信託財産額であります。なお、連結子会社のうち、該当する信託業務を営む会社は三井住友信託銀行株式会社であります。
(注)1.上記残高表には、金銭評価の困難な信託を除いております。
2.「信託受益権」に含まれる資産管理を目的として再信託を行っている金額
前連結会計年度末 184,859,226百万円
当連結会計年度末 182,552,892百万円
3.共同信託他社管理財産 前連結会計年度末 191,907百万円
当連結会計年度末 194,524百万円
金銭信託
(注)1.信託財産の運用のため再信託された信託を含みます。
2.リスク管理債権の状況
※社債(当該社債を有する信託業務を営む金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部に
ついて保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法第2条第3項に規定する有価証券
の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、未収利息、仮払金、支払承諾見返及び有価証券の貸
付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)をいう。
(参考)
資産の査定は、貸出金等の各勘定について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(億円・四捨五入)
○ 預金の種類別残高(末残)
(注)1.「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2.相殺消去額は、連結会社間の内部取引相殺消去額を表示しております。
3.預金の区分は次のとおりであります。
① 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
② 定期性預金=定期預金
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
○ 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
(注)「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げております。
○ 有価証券残高(末残)
(注)1. 「国内」とは、当社、三井住友信託銀行株式会社(海外店を除く。)及び国内連結子会社であります。
「海外」とは、三井住友信託銀行株式会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2. 相殺消去額は、連結会社間の資本連結等に伴う相殺消去額を表示しております。
3. 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法及び基礎的内部格付手法、マーケット・リスク相当額の算出においては標準的方式を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
(単位:億円、%)
(単位:%)
(注)詳細は、当社ウェブサイト(https://www.smtg.jp/investors/report/basel)に記載しております。
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、2025年5月時点において判断したものであります。
① 当連結会計年度総括
実質業務純益は、円金利上昇により実質的な資金関連の損益が大幅に改善したほか、資産運用・資産管理、不動産、証券代行などの信託関連ビジネスが好調に推移したことによる手数料関連利益の増益により、前年度比233億円増益の3,620億円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、株式等関係損益における前年度の特殊要因の解消を主因に、前年度比1,784億円増益の2,576億円となりました。
(主なKPI)
(実質業務純益及び親会社株主純利益の増減)

② 経営成績の分析
イ.実質業務純益
実質的な資金関連の損益(※1)は、円金利上昇による影響に加え、組合出資関連収益の増加、債券ベア型の投資信託の解約益計上などにより、前年度比849億円増加し、3,749億円となりました。
手数料関連利益については、資産運用・資産管理、証券代行、不動産など信託関連ビジネスの好調が継続したことにより、前年度比297億円増加し、5,085億円となりました。
総経費は、前年度比366億円増加したものの、概ね期初計画の水準にコントロールし、5,721億円となりました。
上記に所要の調整を加えて計算した、いわゆる実勢ベースの利益を表す実質業務純益は前年度比233億円増加し、3,620億円となりました。
(※1)資金関連利益に外国為替売買損益に含まれる外貨余資運用益を加算した損益
ロ.与信関係費用
与信関係費用は、個別貸倒引当金純繰入額の増加を主因に前年度比127億円増加し、246億円の損失計上となりました。
ハ.株式等関係損益
株式等関係損益は、前年度に実施した日本株ベア型の投資信託(※2)の持ち値改善処理に伴う減益要因が解消したことを主因に、前年度比2,699億円改善し、814億円の利益計上となりました。
(※2)政策保有株式の株価変動リスクに対するヘッジを目的に保有
ニ.特別損益
特別損益は、有形固定資産の減損等を主因に、132億円の損失計上となりました。
③ セグメント別損益の内容
(注)1.「運用ビジネス」は、連結子会社である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社(連結)、日興アセットマネジメント株式会社(連結)及び資産運用業務を行う持分法適用関連会社2社の合計であります。なお、日興アセットマネジメント株式会社は、2025年9月1日付でアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社に商号変更いたします。
2.金額が損失又は減益の項目には△を付しております。
報告セグメントごとの実質業務純益の主な増減要因は次のとおりであります。
(個人事業)
円金利上昇に伴う金利収入の増加に加え、投資運用コンサルティング関連の収益も堅調に拡大していることから、実質業務純益は三井住友信託銀行(単体)では前年度比60億円増益の274億円、連結では同58億円増益の459億円となりました。
(法人事業)
円金利上昇に伴う金利収入の増加に加え、管理株主数の増加を主因とした証券代行手数料の拡大も寄与し、実質業務純益は三井住友信託銀行(単体)では前年度比127億円増益の1,435億円、連結では同184億円増益の1,813億円となりました。
(投資家事業)
資産運用業務・年金業務・資産管理業務それぞれが堅調に推移したことに加え、大口案件による組合出資関連損益の増加もあったことから、実質業務純益は三井住友信託銀行(単体)では前年度比129億円増益の575億円、連結では203億円増益の831億円となりました。
(不動産事業)
堅調な市況を背景に、法人向け仲介が好調に推移したことに加え、個人向け仲介も好調を維持していることから、実質業務純益は三井住友信託銀行(単体)では前年度比30億円増益の303億円、連結では同51億円増益の408億円となりました。
(マーケット事業)
顧客業務及びALM業務は順調に推移した一方、投資業務が不芳であったことを主因に、実質業務純益は前年度比127億円減益の335億円となりました。
(運用ビジネス)
時価上昇により手数料収益が拡大したことを主因に、実質業務純益は前年度比90億円増益の270億円となりました。
④ 損益の内容(参考情報)
(注)1.業務粗利益=信託報酬+(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
2.実質業務純益は実質業務粗利益から総経費を除いたものであります(実質業務粗利益及び総経費は持分法適用会社の損益等も考慮した社内管理ベースの計数)。なお、実質業務粗利益と業務粗利益の差額及び総経費と経費の差額は主に持分法適用会社の経常利益(臨時要因調整後)×持分割合等であります。
3.金額が損失又は減益の項目には△を付しております。
⑤ 財政状態の分析
イ.貸出金
銀行勘定の貸出金は、前年度末比1兆2,139億円減少し、32兆2,069億円となりました。また、信託勘定(元本補填契約のある信託)の貸出金は、同1,187億円増加し、1,269億円となり、銀行勘定との合計では同1兆951億円減少し、32兆3,339億円となりました。なお、三井住友信託銀行株式会社(単体・国内店)の中小企業等貸出金残高は、同5,168億円減少し、17兆9,092億円となり、住宅ローン残高は、同2,308億円減少し、10兆1,593億円となりました。
(三井住友信託銀行株式会社単体・国内店)
(注)1.銀行勘定・元本補填契約のある信託勘定合計の計数であります。
2.特別国際金融取引勘定分を除いております。
銀行法及び再生法に基づく債権について、銀行勘定は、前年度末比118億円減少し1,045億円となり、債権残高に対する比率は、同0.03%低下し0.30%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が同41億円、危険債権が同42億円の増加、貸出条件緩和債権が同96億円、三月以上延滞債権が同106億円の減少となりました。
また、信託勘定(元本補填契約のある信託)においては、前年度末比0億円減少し0億円となり、債権残高に対する比率は、同0.56%低下し0.01%となりました。債権区分別では、危険債権が同0億円、貸出条件緩和債権が同0億円の減少となりました。
○銀行法及び再生法に基づく債権の状況(部分直接償却実施後)
(参考)金融再生法開示債権の状況等(三井住友信託銀行株式会社単体)
金融再生法開示債権は、銀行勘定・信託勘定(元本補填契約のある信託)合算で前年度末比122億円減少し、855億円となりました。また、開示債権比率(総与信に占める割合)は、同0.0%低下し、0.3%となりました。
債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が前年度末比41億円の増加、危険債権が同35億円の増加、要管理債権が同199億円の減少となりました。
銀行勘定の債務者区分ごとの引当率につきましては、要管理先債権の非保全部分に対する引当率は13.8%、その他要注意先債権の債権額に対する引当率は3.6%となりました。
○ 金融再生法に基づく資産区分の状況(三井住友信託銀行株式会社単体・部分直接償却実施後)
(億円・四捨五入)
(注)( )内は前事業年度の計数であります。
(注)( )内は前事業年度の計数であります。
○ 債務者区分ごとの引当額と引当率の状況(三井住友信託銀行株式会社単体・銀行勘定)
ロ.有価証券
有価証券は、国債の増加等により、前年度末比1兆5,572億円増加し、11兆4,961億円となりました。
保有上場株式につきましては、「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律」における保有規制の対象となる取得原価ベースでの金額は、前年度末比820億円減少し、3,615億円となりました。
(注)その他には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
○ 保有上場株式の残高
ハ.繰延税金資産
繰延税金資産・繰延税金負債の純額は、その他有価証券評価差額金にかかる繰延税金負債の減少等により、前年度末比667億円増加し、1,272億円の繰延税金負債の計上となりました。
ニ.預金
預金は、前年度末比3,047億円増加し、37兆7,229億円となりました。
(注)預金は、譲渡性預金を除いております。
(三井住友信託銀行株式会社単体・国内店)
(注)1.「その他」は、公金、金融機関であります。
2.預金は、譲渡性預金及び特別国際金融取引勘定分を除いております。
ホ.純資産の部
純資産の部合計は、その他有価証券評価差額金の減少等により、前年度末比103億円減少し、3兆1,273億円となりました。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑦ 連結自己資本比率(国際統一基準)
当社は、信用リスクについては「先進的内部格付手法及び基礎的内部格付手法(注1)」、マーケット・リスクは「標準的方式」を採用しております。
当連結会計年度末の「普通株式等Tier1比率」は11.52%、「Tier1比率」は12.96%、「総自己資本比率」は14.34%と、いずれも規制上の所要水準の7.56%、9.06%並びに11.06%(注2)を上回っております。
(注1)保有する資産のうち、重要性の低いもの等は「標準的手法」を適用しております。
(注2)各比率の所要水準に資本保全バッファー、カウンター・シクリカル・バッファー及び国内の金融システム上重要な銀行に対する追加的な資本賦課を勘案・加算したものであります。
(注)連結自己資本比率については、銀行法第52条の25の規定に基づく平成18年金融庁告示第20号に定められた算式により算出しております。
⑧ キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要(キャッシュ・フローの状況)」に記載しております。
⑨ 資本の十分性、資本政策等について
イ.経営方針・経営戦略の遂行にあたっての資本の十分性について
当グループは、資金・資産・資本の好循環の実現と企業価値の向上を経営テーマとして掲げる中、財務面では、2030年までのありたい姿として「普通株式等Tier1比率」(バーゼルⅢ最終化完全実施ベース)について、安定的に10%以上確保することを十分性の目線としております。
2025年3月末時点における「普通株式等Tier1比率」(バーゼルⅢ最終化完全実施ベース)は、前年比0.4%上昇の10.6%となっております。これは、利益蓄積による普通株式等Tier1資本の増加や信用リスクアセットの減少によるものです。今後の環境変化に注意しつつ、信託グループらしいビジネスの成長と資本効率の向上を図り、規律をもって資本政策運営をしてまいります。

ロ.成長投資、手元資金、株主還元のバランス並びに資本コストに関する経営者の考え方について
当グループは、ステークホルダー資本戦略として、「普通株式等Tier1比率」(バーゼルⅢ最終化完全実施ベース)水準に応じた資本運営のプリンシプルを基本に、成長投資、株主還元、人的資本投資等、各ステークホルダーに対して規律ある投資・分配を実施していきます。規律に基づく資本運営により、イノベーションを生み出す源泉である当グループの多彩な事業の横断・融合力を一層高め、事業ポートフォリオ強化を進めてまいります。
中期経営計画における株主還元方針については、一株当たり配当金は累進的としつつ、利益成長を通じた増加を目指し、連結配当性向40%以上を目安に決定することとしております。なお、自己株式取得については、資本十分性の確保を前提として、中長期的な利益成長に向けた資本活用と、資本効率性の改善効果とのバランスを踏まえつつ、機動的に実施する方針です。
企業価値向上に向けた取り組みとして、手数料比率が高く安定した利益成長と適切なリスクコントロールにより、収益ボラティリティを抑制し、また、各ステークホルダーとの対話も充実させることで、定量・定性両面で資本コストや株価を意識した経営を継続し、早期にPBR1.0倍以上を達成することを目指します。
該当事項はありません。
該当事項はありません。