第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(経営環境)


 

当行を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制約が徐々に緩和され、国内外の人の往来や地域行事などが多くの地域で復活するなど、消費は持ち直しつつあります。一方でウクライナ情勢等による地政学リスクの高まりや資源価格の高騰による物価高の影響など、先行きは依然として不透明な状況が続いています。金融面では、日銀の金融緩和政策が継続され国内では超低金利環境が継続している中、2021年末からの米欧を中心とする金利上昇や、円安の進行、2022年度末には海外の金融機関の相次ぐ破綻など、海外発の不確実性が増しており、銀行経営においては厳しい環境が続いています。

加えて近年では、急速なデジタル化の進展やキャッシュレスニーズの高まりを受け、フィンテック事業者やキャッシュレス事業者など異業種との競合や、サイバー攻撃への対応、人口減少、少子高齢化、気候変動対応など銀行を取り巻く環境は様々な課題が山積しております。

 

(経営方針)

1 経営の基本方針

当行は、経営理念「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」のもと、地域のリーディングバンクとして、「地域のお役に立つ」ことを基本方針として掲げております。

新型コロナウイルス感染症の拡大から3年が経過し、感染症抑制と経済活動の両立が少しずつ進んでいます。このような状況において、お客様・従業員等の安全確保と安定的な金融サービスの維持を引き続き最優先に位置付けつつ、地域経済の早期回復に向け、金融サービスを通じてお客様や地域社会を支えることが当行の社会的使命であると認識しております。

当行の有する経営資源を最大限活用してお客様や地域の課題解決に取り組むことで、お客様や地域社会、株主の皆様、従業員など、全てのステークホルダーに価値を提供するとともに、持続可能な地域社会の実現を目指します。

 

2 中長期的な経営戦略

当行の経営環境は、先行きが見通せない不確実な環境が続くものと予想されますが、地域とともに持続的に成長できるよう、2021年度からスタートした中期経営計画では『地域の産業・事業を徹底的に支える』をスローガンに、「地域・お客様の課題解決への貢献」、「DXの推進」、「経営基盤の強化」の3つの重点施策を通じてビジネスモデルの変革に取り組んでおります。

 


 

《地域・お客様の課題解決への貢献》

中期経営計画で「全員コンサルプロジェクト」を掲げ、当行グループ一体となって「課題解決力」を高め、個々の企業や一人ひとりのお客様の課題解決に多角的に取り組みます。個人の豊かな生活の形成への貢献を通じて、地域活性化・地方創生の実現を目指してまいります。

中期経営計画の2年目となる2022年度においては、全員コンサルプロジェクトをより一層進めるため、法人分野において、本部行員の専門性を活かしたコンサルティングに加え、営業店においても、ハイクラス人材候補となる行員が担当するお取引先を選定し、その企業の実態把握、事業計画の策定を有償で行う伴走型コンサルティング活動を開始しております。育成したハイクラス人材を山陰の地域中核店舗に配置し、店舗の枠を超えた活動を行うことで更に取組を強化してまいります。また、ハイクラス人材を伝道師としてコンサル人材の裾野を広げ、今後は伴走型コンサルティング活動領域を広げていくことを目指しております。

個人コンサルティング分野においては、野村證券株式会社との間で締結した業務提携(Nアライアンス)が開始から約2年半が経過し、同社との人的交流や業務の融合が順調に進んでおります。野村證券株式会社の持つノウハウ、商品、システムを活用し、当行行員のコンサルティング能力が飛躍的に向上し、銀行単独では実現できないコンサルティング能力を備えることが出来ました。

こうした取組により営業店で実際にお客様と接する行員がコンサルティング能力を身につけ、お客様の最も身近な相談相手となれるよう努めてまいります。

 

《DXの推進》

デジタル技術を活用し経営の全ての領域でビジネスモデルの変革を加速するための組織体制を構築し、全行を挙げてDXに取り組んでおります。

主に「営業管理/推進基盤の構築」「スマホアプリ」「デジタルマーケティング」「本部DX」「アーキテクチャ構築」「ITマネジメント」「データ利活用」「デジタル人材育成」の8つの施策に取り組んでおり、2022年度においては5つの施策が既に運用を開始、残る3施策も開発段階は終了し本格運用に向けて順調に進行しております。また、チャネル間連携を円滑に行い、お客様へのサービスを統合的に提供するための「オムニチャネル化の推進」やスーパーアプリ、法人ポータルといった「地域プラットフォームの構築」を施策に追加し、一層の「進化」と「挑戦」に向けて取り組みを加速しております。

全行を挙げた取り組みとして、「DXビジネスアイデアコンテスト」を実施し、多くの行職員からビジネスアイデアを募り、その一部がビジネス化に向けて進行中です。また、当行の将来を担う若手行員を中心にDXについて議論をする場として「DXジュニアボード」を立ち上げ、中長期的に目指すべき姿や戦略、新たな事業領域など活発な議論を行い、経営陣に対して提言を行っております。当行はDXによりデジタル分野で地銀トップクラスを目指し取り組んでいます。

 

《経営基盤の強化》

持続的な成長をしていくために、当行の経営基盤である人材の強化が重要と考え、地域・お客様の「課題解決」のための行職員の個の能力向上、個々人が活躍できる人事戦略に重点的に取り組んでおります。

また、当行では、前中期経営計画から継続してきた店舗の統廃合などの構造改革により捻出した人員をリスキリングし、戦略分野への人員増強に力を注いでおります。現中期経営計画期間中においても、主に戦略分野である法人分野に100名程度投入しております。

また、2022年度において人材戦略を策定しました。「経営戦略と連動した機動的な人材ポートフォリオの実現」「能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境の実現」「企業風土の定着」を大きな3つの柱として、柔軟で働きやすく個々人が活躍できる環境を整え、長期ビジョン、経営理念の実現に向け一丸となって取り組んでおります。

 

《サステナビリティへの取り組み》

2019年に「サステナビリティ宣言」を表明して以降、環境方針・人権方針といった各種方針の策定や、行内体制を順次整備しております。

2021年4月にはTCFD提言への賛同を表明し、同年5月には頭取を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ経営態勢及びガバナンス強化に取り組んでまいりました。

2022年度においては、当地における再生可能エネルギー供給量の増加とエネルギーの地産地消の推進に貢献するため、再生可能エネルギー発電事業を行う子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を地方銀行で初めて設立しました。これにより地域の課題であった再生可能エネルギーの域外流出を食い止め、エネルギーが域内で還流する仕組みを構築し、再エネ先進地域を目指して地域の皆様と共に歩んでまいります。なお、関連する記載について、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

当行では、これらの取り組みをもとに、2023年度を最終年度とする中期経営計画の計数目標を以下のとおり定めております。

 

<中期経営計画の計数目標>

項  目

2022年度実績

2023年度目標

連 結

親会社株主に帰属する当期純利益

154億円

150億円以上

非金利収益比率※

17.87%

15.8%以上

ROE(株主資本ベース)

4.45%

4.4%以上

単 体

OHR(経費/コア業務粗利益)

53.58%

53%未満

連 結

自己資本比率

12.57%

12%以上

 

※(役務取引等利益+その他業務利益(除く債券関係損益・アセットスワップ解約益・通貨スワップ費用))/連結コア業務粗利益

 

《対処すべき課題》

新型コロナウイルス感染症の5類への移行が決定し、更に経済活動や人々の交流の活発化が見込まれます。一方で、デジタル化や働き方改革はコロナ禍を脱しても人々の生活や社会活動に定着しており、加えてSDGsや脱炭素化、気候変動対策などのサステナビリティへの取り組みや、急速なデジタル化に伴うサイバーセキュリティへの脅威、人的資本経営、ウェルビーイングな組織づくりなどが企業活動における重要なテーマとして位置付けられ、社会構造が大きく急速に変わろうとしています。また、資本市場からガバナンスの高度化、資本効率や株価への意識改革など企業価値向上に向けた取り組みや投資家との実効性のある対話などが求められ、今まで以上に資本市場を意識した企業経営も求められるようになりました。

このような環境の中、当行は『No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行』を長期ビジョンに掲げ、中期経営計画で掲げる各種施策を実行してまいります。中期経営計画の最終年度となる2023年度は集大成として、各施策の計画達成に向け行職員一丸となって取り組みます。

時代の先を見据え、地域の持続可能性を高めるために、当行自身が常に変化を通じて進化する組織であり続けることが必要だと考えます。現中期経営計画で掲げる3つの柱である「課題解決力」、「DXによるビジネスの変革」、「変革を担う人材の育成」に全力で取り組み、次のステージとなる2024年度から始まる新中期経営計画のビジネスの土台を作り上げ、地域・お客様とともに持続的な成長を続けてまいります。

また、市場からの要請に対してもお応えが出来るよう、ガバナンスの高度化、企業価値向上、投資家との対話にも努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティ課題全般

当行グループでは、持続可能な地域社会と当行グループの持続的な成長は一体であるとの考えのもと、サステナビリティ課題を経営の重要課題として認識し、サステナビリティ課題解決と中長期的な企業価値の向上の両立を目指して取り組みを進めています。

① ガバナンス

頭取を委員長とする経営会議メンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティに関連する事項について協議を行い、取締役会に報告・監督を受ける体制を構築しています。

また、当行グループ全体でSDGs/ESGの取り組みを強化するため経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置し、グループ全体の活動を企画・推進しています。

本部内にSDGs/ESG推進ワーキンググループを設置し、組織横断的な取組推進を図るとともに、グループ内での取組強化を図るため、関連会社・関係会社で構成されるグループサステナビリティ連絡会を定期的に開催し、方針の共有、グループ全体の一体となった取り組みを図っています。

気候変動対応を含むサステナビリティ課題に対する具体的な取組状況について、サステナビリティ委員会及び取締役会への定期的な報告を実施しています。

 

《サステナビリティ推進体制》


 

《2022年度のサステナビリティ委員会での主な協議・報告事項》

当該事業年度においてサステナビリティ委員会を9回開催しています。審議テーマは以下のとおりです。

開催回(開催月)

テーマ

第1回( 5月)

金融庁「金融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方(案)」を踏まえた今後の対応

生物多様性保全に関する対応

第2回( 6月)

TCFD提言に基づくシナリオ分析

第3回( 7月)

TCFD提言に基づく気候変動対応にかかる開示

第4回( 8月)

サステナビリティレポート2022の発行

第5回( 9月)

ESG関連施策の取組状況と今後の方針

第6回(12月)

金融経済教育にかかる取組方針

第7回( 2月)

GHG排出削減目標達成に向けた具体的な取り組み

女性のエンパワーメント原則への署名

第8回( 3月)

2023年度ESG業務計画策定

第9回( 3月)

TCFDシナリオ分析対応方針

 

 

 

② 戦略

当行グループでは、現中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定するにあたり、国際的なガイドライン等 (国連グローバル・コンパクト、GRIスタンダード等)が示すサステナビリティ課題や外部環境・社会構造の変化を踏まえ、リスクと機会を把握し、課題先進地域における社会性と経済合理性のバランスをはかりながら、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。特定した10のマテリアリティ(下表)に対し、方針・戦略を策定し取り組みを進めています。

マテリアリティについては、急激な変化を続ける外部環境を踏まえ、サステナビリティ委員会や取締役会における議論を通じ適宜見直しをはかってまいります。

 

《特定したマテリアリティ》

 

マテリアリティ

リスク・課題

機会

Environment
環境

環境ビジネスの取り組み

・脱炭素社会への移行を踏まえた政策変更

・自然災害の激甚化による被害

・脱炭素等社会的要請への適応支援
・競争力の向上
・企業イメージの向上

気候変動への対応

環境負荷の低減

Society
社会

地域の事業の存続・成長

・事業環境変動への対応

・後継者不足

・労働力不足

・事業所数減少

・事業支援
・事業承継・M&A支援
・人材紹介業務の展開
・継続的な創業支援
・地域の関係人口・交流人口の創出
・行財政改革のサポート

安心・安全な社会の形成

・豊かな生活の形成

・人口減少

・高齢化

・資産形成のお手伝い

・ライフサイクルに応じた資金支援

・買い物時の利便性向上

・デジタル技術活用による手続き簡素化

地域社会への貢献

・地域社会の活力低下

・企業イメージの低下

・環境保全
・未来を担う人材の育成
・多様な人材の活躍

地域・お客様のSDGs/ESG後押し

・将来の規制強化

・サプライチェーンからの疎外

・企業イメージの低下

・脱炭素等社会的要請への適応支援
・競争力の向上
・企業イメージの向上

ダイバーシティ推進

・質の高い金融サービスを提供できる人材の育成

・多様な人材の活用
・組織の活性化

Governance
ガバナンス

グループガバナンス強化

・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク

・意思決定の透明性向上
・安定的な成長基盤の確立

リスク管理の強化

・企業価値の毀損

 

 

③ リスク管理

当行グループでは、サステナビリティ課題を含む事業上のリスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築しています。当行が認識しているリスクの詳細は、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載しています。特にサステナビリティ課題の重要テーマである気候変動に関するリスク管理については、「(2) 気候変動への対応 ③リスク管理」に記載しています。

 

 

《リスク管理体制図》


 

④ 指標と目標

サステナビリティに関する重要課題について指標と目標を設定しています。主要な指標と目標については、「(2)気候変動への対応 ④指標と目標」及び「(3)人的資本 ②指標と目標」を参照ください。

 

(2) 気候変動への対応

近年、世界的に異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化する中、気候変動対応は世界共通の課題となっており、お客様や当行グループにとって事業環境や経営そのものに大きな影響を及ぼす要素になりつつあります。

こうした状況を踏まえ、当行グループでは気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、ガバナンス体制を強化するとともに、気候変動の事業への影響分析や機会・リスクへの適切な対応への取り組みを進めています。

当行グループでは、2021年4月にTCFD提言に賛同し、同年よりホームページ、統合報告書及びサステナビリティレポートにて、TCFD提言を踏まえた情報を開示しています。2022年度からは移行リスクや物理的リスクにおけるシナリオ分析を実施し、2050年までの影響額の推計値(最大値)を公表しております。今後もリスク管理及び情報開示の高度化に取り組んでまいります。

 

① ガバナンス

気候変動に対するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ課題全般 ①ガバナンス」を参照ください。

 

② 戦略

当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取り組みを進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取り組みを推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。

 

A.機会

(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取り組み

再生可能エネルギー事業等にかかるグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取り組みは、当行グループのビジネス機会になると認識しています。

(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入

地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。

 

B.リスク

(A) 物理的リスク

気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。

《物理的リスクの例》

 

物理的リスクの主な内容

急性的

・台風や洪水などの極端な天候事象による被害の増加

慢性的

・降水パターンの変化と天候パターンの極端な変動

・上昇する平均気温

・海面上昇

 

 

(B) 移行リスク

気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。

《移行リスクの例》

 

移行リスクの主な内容

政策と法規制

・温室効果ガス排出価格(炭素税)の上昇

・既存の製品及びサービスに関する規制

・訴訟

テクノロジー

・温室効果ガス排出量の少ない製品やサービスへの転換

・新技術への投資の失敗

・低排出技術への移行コスト

市場

・顧客行動の変化

・原材料価格の上昇

評判

・消費者の嗜好の変化

・特定の多排出セクターへの非難

・ステークホルダーの関心の高まりやネガティブなフィードバック

 

 

C.シナリオ分析

気候変動に関連するリスクと機会が当行の財務に及ぼす影響を評価するため、シナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、与信費用への影響が最も大きいと想定される、気候変動による自然災害の増加や脱炭素社会の実現に向けた各種規制強化等を前提としています。シナリオ分析にあたっては、分析対象の範囲拡大や財務への影響の精緻化・高度化に継続的に取り組んでまいります。2022年度に分析を行った結果は以下のとおりです。

(A) 物理的リスク

近年全国的に頻発している水害による与信関連費用への影響について、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2℃以下シナリオを含む複数のシナリオを用い、当行の保有する担保物件が毀損する被害が及ぼす信用コストへの影響を推計しています。

分析の対象としたリスク

豪雨による河川の氾濫等により生ずる浸水によって担保物件(建物)が毀損するリスク

対象先

建物を担保提供いただいている与信取引先

参考としたシナリオ

(IPCC)

・RCP1.9(1.5℃シナリオ)

・RCP2.6(2.0℃シナリオ)

・RCP8.5(4.0℃シナリオ)

対象期間

2050年まで

分析結果

最大28億円

 

 

(B) 移行リスク

気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)の2℃以下シナリオを含む複数シナリオ下において、気候変動対応として炭素税が導入された場合の、与信取引先の費用負担が信用コストに与える影響を推計しています。

分析の対象としたリスク

炭素税が導入された場合の費用負担増加により、与信先の財務内容が悪化するリスク

対象先

財務情報を提供いただいている与信取引先(法人)

参考としたシナリオ

(NGFS)

・Net Zero 2050(1.5℃シナリオ)

・Nationally Determined Contributions(2.0℃シナリオ)

・Current Policies(4.0℃シナリオ)

対象期間

2050年まで

分析結果

最大75億円

 

 

D.炭素関連資産(貸出金残高)の状況

当行の2023年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。

炭素関連セクター

割合

エネルギー

2.4%

運輸

8.4%

素材・建築物

14.7%

農業・食糧・林業製品

4.8%

 

 

③ リスク管理

気候変動を含む環境への取り組みを経営の重要課題の一つとして認識し、気候変動への対応方針を含む「サステナビリティ宣言を踏まえた投融資方針」を策定しています。

気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期にわたり当行グループの事業内容・戦略・財務内容に影響を与えることを認識しています。当行グループでは、リスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築していますが、今後、気候関連リスクについても、統合的リスク管理のプロセスへの組み入れを検討してまいります。

 

④ 指標と目標

当行グループでは、地域のサステナビリティやカーボンニュートラルの実現に向け、以下の指標と目標を設定し、取り組みを進めています。

A.温室効果ガス排出削減

当行グループでは、温室効果ガス排出削減の取り組みを進めるため、中期経営計画(2021年度~2023年度)において2023年度を目標年度とした温室効果ガス排出量削減目標や2030年度及び2050年度のカーボンニュートラル中長期目標を設定しています。

《指標と目標・実績(連結)

指標

目標

実績

温室効果ガス排出削減

(中期経営計画目標)

2023年度に2013年度比50%削減(Scope1,2)

7,620t-CO2

(2013年度比▲38.8%)

(カーボンニュートラル中長期目標)

2030年度までにScope1,2ネットゼロ

2050年度までにScope1,2,3ネットゼロ

―(※1)

 

 

《温室効果ガス排出量の推移(連結)》

計測項目

単位

2020年度

2021年度

2022年度

温室効果ガス
排出量

Scope1(直接排出)

t-CO2

1,512

1,483

1,396

Scope2(間接排出)

t-CO2

7,480

6,623

6,224

合計(Scope1+Scope2)

t-CO2

8,992

8,106

7,620

 

 

 

当行グループの温室効果ガス排出量推移は上記のとおりです。2022年度は排出量削減の取り組みとして、新築移転した2店舗のZEB化(※2)をはじめ、LED照明の導入や空調設備の更新等、環境に配慮した事業活動に取り組んでいます。2023年度より主要拠点である本店ビル及び鳥取営業本部ビルで使用する全ての電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを行うなどの更なる温室効果ガス排出削減に取り組んでまいります。

※1 Scope3については、計測対象が一部にとどまっていることから実績の記載は省略しています。

※2 ZEBはNet Zero Energy Buildingの略で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指した建物。安来支店(2022年10月竣工)をZEB、浜田支店(2023年3月竣工)をZEB Ready店舗として新築。

 

B.サステナブルファイナンス実行目標

地域の環境課題・社会課題解決に向けて、2021年度から2030年度までの10年間におけるサステナブルファイナンスの新規実行累計額を中長期目標として設定しています。

《指標と目標・実績》

指標

目標

実績

サステナブルファイナンス

新規実行累計額

2021年度~2030年度

1兆5,000億円

(うち環境分野5,000億円)

累計 2,717億円

(うち環境分野1,093億円)

〈内訳〉

・2021年度 1,277億円(うち環境分野 455億円)

・2022年度 1,440億円(うち環境分野 638億円)

 

 

《サステナブルファイナンスの定義》

サステナブルファイナンスは、各種国際原則や政府の指針・ガイドラインに適合するファイナンスやそれらの原則・指針・ガイドラインに示されている対象事業・資金使途の例示等に合致する環境課題・社会課題の解決に資する投融資を対象範囲としています。

分野

事業

環境分野

気候変動緩和と適応及び環境配慮に資する事業

例)再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、脱炭素・低炭素事業等

社会分野

地域経済活性化及び持続可能な地域社会に資する事業

例)基本的インフラ整備、必要不可欠なサービス、雇用創出等

 

 

 

(3) 人的資本

当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念に掲げ、地域・お客様の課題解決を通じて、地域やお客様と共に持続的な発展・成長の実現を目指しております。

経営理念の実現を支える最大の柱は人材であり、中期経営計画において、人材育成の強化、働きやすい職場環境の整備を経営上の重要課題であると認識しております。

経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じて、長期ビジョンの実現、更に経営理念の実現に向け、人的資本への取り組みを強化してまいります。


① 戦略

当行グループでは、人材戦略や人材育成方針及び社内環境整備方針をサステナビリティに関する重要事項の一つとして捉え、経営執行会議・サステナビリティ委員会、取締役会等での審議を経て決議しています。

イ 人材育成方針

A 全体方針

 経営理念の実現に向け、長期ビジョンで掲げている『No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行』を実現するため、社内外で通用する高い専門性を有す人材の育成に取り組みます。そのために、質の高い成長機会を提供するなど、人材へ積極的に投資を行い、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成をサポートします。

B 取組方針

(A) 多様な人材の確保・戦力化

新卒採用におけるコース別採用の活用やリファラル採用、キャリアリターン制度など経験者採用チャネルの拡充・多様化により、性別・年齢・国籍を問わず、多様な人材を積極的に採用しています。

(B) 質の高い成長機会の拡充

一人ひとりの成長を加速させるためには、実践の場である「良質な育成機会」を増やすことが重要との考えのもと、社内外のプロ人材との交流拡充などにより実践力向上を重視した研修・トレーニーの拡充に取り組んでいます。

(C) 自律的なキャリア形成をサポート

・個々人の能力の可視化を通じて、一人ひとりのレベルに沿った効果的かつ効率的なOJT、研修、自己啓発に取り組むことができる体制整備を進めています。

・一人ひとりのキャリアプランに沿った配置や自律的な学びの機会の提供など従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成をサポートすることにより、モチベーションの維持・向上に取り組んでいます。

 

ロ 社内環境整備方針

A 全体方針

当行グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境を実現します。

・高いエンゲージメントの実現

従業員と一体となり双方の成長に貢献し合う関係を構築することにより、従業員一人ひとりの働きがいを創出し、高いエンゲージメントの実現を図ります。

・ダイバーシティー&インクルージョンの実現

性別や年齢、障がいの有無等にとらわれず、従業員一人ひとりの価値観や適性を尊重し、かつ従業員が柔軟で働きやすい職場環境を実現します。

・心身の健康の実現

全ての従業員が安心して働き続けることができるよう、心身両面での健康サポートを行います。

B 取組方針

(A) 高いエンゲージメントの実現

2022年度より、当行グループ全従業員に対し「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施し、組織のエンゲージメント状況の可視化に取り組んでいます。本サーベイにより、当行グループ及び職場単位の強みや課題を明確にしたうえで、より良い職場の実現に向けた改善活動に取り組みます。

(B) ダイバーシティー&インクルージョン

多様な人材一人ひとりのライフステージに応じた柔軟な働き方の実現、ワークライフバランスの充実を図り、働きやすく長く活躍できる職場環境作りに取り組みます。

<女性活躍推進>

 a 女性管理職比率の向上

所属長への登用など、性別に関係なく能力に応じた登用などにより、女性管理職比率は年々向上しております。今後も多様なキャリアパスを提示し、女性の挑戦意欲向上を図ることにより、積極的なポスト登用に取り組みます。

《職位別の女性比率(連結)》

 

当連結会計年度

課長相当職以上

20.7%

係長相当職以上

26.5%

 

 

 b 男女間の賃金差異の改善

・同一労働における男女間賃金格差はございません。

 ただし、正規労働者については、主に平均勤続年数(年齢)の差異、管理職比率の差異、転居を伴う転勤を許容する者に支給するフリー手当受給者割合の差異などが男女間の賃金差異に影響しています。〔参考指標1に記載〕

 加えて、全労働者の賃金格差については、非正規雇用者のうち女性の占める割合が8割超であるなど雇用形態別人員割合の差異などが影響しています。〔参考指標2に記載〕

・当行の人材戦略の柱である「能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境の実現」を進めるうえで、2022年度に立ち上げました「女性活躍推進チーム」を中心とした活動などを通じて、家庭と仕事の両立をサポートするなど、長く能力発揮できる職場環境作りに取り組むことにより、男女間の賃金差異の改善に取り組みます。

 

《男女間の賃金差異(連結)》

対象

当連結会計年度

全労働者

45.9%

うち正社員

55.8%

うち非正規雇用者

80.6%

 

 

 

〔参考指標1〕※正社員のみ(出向者を含む)

男女別の平均年齢・勤続年数(連結)

項目

男性

女性

平均年齢

44.7歳

38.5歳

平均勤続年数

20.9年

15.0年

 

 

男女別の管理職比率(連結)

項目

男性

女性

管理職比率(課長相当職以上)

79.3%

20.7%

管理職比率(係長相当職以上)

73.5%

26.5%

 

 

男女別のフリー手当受給者割合(山陰合同銀行単体)

項目

男性

女性

フリー手当受給者割合  (注)1

83.4%

7.6%

 

(注)1 転居を伴う転勤を許容する者に支給する手当。

   なお支給しているのは山陰合同銀行のみ。

 

〔参考指標2〕

雇用形態別人員割合(連結)

項目

男性

女性

正社員

1,070名

51.8%

995名

48.2%

非正規雇用者

176名

15.5%

961名

84.5%

 

※年間の平均人員にて算出。

 

c 男性労働者の育児休業等取得率の向上

育児や家事等の役割分担に対する固定概念を払拭し、一層の女性活躍を後押しするため、男性労働者の育児休業取得を促進しております。育児休業を子が3歳の誕生日の前日まで取得できる制度を設けるなど、取得しやすい環境の整備に取り組んでいます。

引き続き取得環境の整備や従業員意識の変革を図ることにより、取得率向上に取り組みます。

《男性の育児休業等取得率(連結)》

 

当連結会計年度

育児休業等の取得割合

82.7%

育児休業等と育児目的休暇の取得割合

100.0%

 

 

<多様な人材の活躍>

・性別・年齢・国籍を問わず、柔軟な採用に努めており、リファラル採用制度やキャリアリターン制度などの採用チャネルを拡充し、積極的に経験者採用を実施しています。1級建築士や弁護士、精神保健福祉士など金融業務に限らず幅広い人材を採用しています。

・当行は、障がいのある方が専門的に就労する事業所を島根(2007年開設)、鳥取(2017年開設)の2か所で運営しており、計32名(当事業年度末現在)が在籍しています。それぞれの能力を活かし、絵画制作を通じて創出される経済価値を地域の障がい者就労支援事業へ間接的に還流させる取り組みや、ITスキルを駆使した事務サポートや業務効率化など幅広く活躍しています。

 

(C) 心身の健康の実現

・2018年9月に「健康経営宣言」を策定し、頭取を健康づくりの責任者としてグループ一体となり従業員一人ひとりの心と身体の健康の保持・増進を図っています。なお、経済産業省及び日本健康会議が実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)ホワイト500」に5年連続認定されました。また、当行グループ関連会社7社も「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定を受けました。

・従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上を支援するため、2022年度は従業員持株会の奨励金引上げ(※)、全従業員を対象とした当行役員による金融教育などに取り組んでおります。なお、確定拠出年金については、対象者の約8割が自己資金を上乗せして積み立てるマッチング拠出を活用しています。今後も確定拠出年金の商品の拡充や金融教育の拡充など従業員の経済的な安定を支援する取り組みを継続的に行います。

 (※)毎月の拠出額1口(1,000円)につき支給する奨励金の額を80円から100円に増額

 

 

② 指標と目標

・人材育成方針に沿ったそれぞれの指標・目標(連結)は以下のとおりです。

〔指標〕

取組項目

指標

当連結会計年度

多様な人材の確保

質の高い成長機会の提供

自律的なキャリア形成のサポート

経験者採用人数 

13名

育成にかかる人的投資額 

300百万円

 

〔目標〕

1 採用チャネルの拡大(リファラル採用制度、キャリアリターン制度拡充など)に取り組むことにより、経験者採用の強化を図り、年間20~30名程度の採用を目指します。

2 自己研鑽やリスキリングを後押しすることを目的として、2023年7月よりキャリアアップ手当を新設するなど、今後も人材に対する投資を拡充します。なお、算出定義は、行内研修・セミナー・勉強会・eラーニングにかかる費用、行外研修参加費用、自己啓発奨励金、研修にかかる旅費、研修受講時の人件費、内部研修講師の人件費、研修出向者の人件費を含んでおります。

 

・社内環境整備方針に沿ったそれぞれの指標・目標(連結)は以下のとおりです。

〔指標〕

取組事項

指標

当連結会計年度

高いエンゲージメントの実現

エンゲージメント・レーティング

BBB

離職率(全体) 

5.1%

離職率(新卒3年以内) 

13.8%

ダイバーシティー&
インクルージョンの実現

女性管理職比率(課長相当職以上)

20.7%

女性管理職比率(係長相当職以上) 

26.5%

男性育休取得率(育児目的休暇含む)

100%

障がい者雇用比率

2.7%

心身の健康の実現

有給休暇取得率

89.0%

月間平均時間外労働時間

5時間46分

 

〔目標〕

1 サーベイ結果に基づく当行グループ一丸となった組織改善活動により、よりよい職場環境の実現を目指します。なお、指標には2023年2月に初めて実施した株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントサーベイの結果を示しております(全11段階に分かれており、現行「BBB」は、「AAA」「AA」「A」に次ぐ上位から4段階目のレーティングであり、金融業界平均「BB」、従業員1,000名以上企業の平均「B」よりも高い水準)。

2 離職率は低水準を維持しています。今後もエンゲージメント向上への取り組みなどを通じて、本水準の維持・低下を目指します。なお、新卒3年以内の離職率は、2020年度新卒入行の従業員を対象に算出しています。

  《参考指標》

   全体:離職率(一般労働者)11.1% 離職率(金融業・保険業)9.3% 

                           出典:厚生労働省 令和3年雇用動向調査

   新卒3年以内:離職率 31.5%(大学卒)、同(金融業・保険業)25.1% 

                           出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)

3 女性の所属長への積極登用などにより比率は向上しており、現中期経営計画にて掲げる女性管理職比率(係長相当職以上)25.0%以上(2023年度末目標)を上回る水準となっております。引き続き、性別に関係なく能力に応じた登用などにより、さらなる比率の向上を目指します。

4 引き続き、取得しやすい職場環境整備などにより、比率の維持を目指します。

5 地域で障がい者の自立を支援する取り組みを継続し、比率の向上を目指します。

6 引き続き、取得しやすい職場環境整備などにより、比率の向上を目指します。

7 生産性の向上などにより、時間外労働時間の縮減を目指します。なお、法定労働時間(1日8時間)を超えて労働した時間を基に算出しています。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 営業戦略等が奏功しないリスク

当行は、収益力強化のために様々な営業戦略等を実施しておりますが、国内外の経済環境悪化、他業種との競争激化あるいは顧客ニーズとの乖離等により、これらの戦略が奏功しないリスクがあります。このような場合、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は中期経営計画に基づき、取締役会のほか、経営執行会議や執行役員会議等を機動的に開催し、多面的に検討を行ったうえで営業戦略を策定しております。また、採用した営業戦略の進捗について評価・分析を行い、必要に応じ戦略を修正・変更するなど、機動的な運営ができる態勢としております。

 

② 特定地域の経済動向の影響を受けるリスク

当行は、山陰両県を主たる営業基盤として営業活動を行っております。したがって、当行の預金残高や貸出金残高のほか、手数料収益や与信費用などの増減が山陰両県の経済情勢に大きく影響を受け、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は、少子高齢化が進む課題先進地域の地域金融機関として、積極的に地域の課題解決を図り、地域、お客様とともに成長する、先行モデルづくりにチャレンジしております。当行は従来より広域地方銀行を目指し、山陽地区や、兵庫県・大阪府へ広域展開を図ってまいりました。積極的に経営資源を投入し、地域的なリスク分散も図っております。当事業年度末日における地域別の貸出金割合は、山陰両県の41.0%に対し、広島・岡山18.6%、兵庫・大阪22.3%、東京17.9%となっております。

 

③ 感染症の流行に関するリスク

新型コロナウイルス感染症が再流行する場合や、新型インフルエンザその他の感染症が流行した場合、当行の営業活動に支障を来たすことによる手数料等収益の減少や、経済活動が低下し、お取引先の財政状態及び経営成績が悪化することによる与信費用の増加など、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、一部の店舗等において業務の継続が困難になる可能性もあります。

当行では、新型コロナウイルスで影響を受けたお取引先への徹底的な支援を実施しております。また、お取引先・役職員の安全に配慮しつつ、万一の事態が発生した場合にも業務が継続できるよう、万全の態勢を整備しております。

 

④ 風評リスク

各種リスクの顕在化、不祥事件の発生、あるいは風説の流布などによって当行の風評が悪化した場合、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は、健全性を維持し、安定的な利益を計上するとともに、積極的な情報開示を行うことで、風評リスクの発生防止に努めております。

 

⑤ 信用リスク

信用リスクとは、お取引先の財務内容の悪化等により、貸出金などの利息や元本の回収が困難になり、損失を被るリスクであります。お取引先を取り巻く環境の変化等によっては、当行の不良債権及び与信費用が増加し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

貸出金残高の増強戦略下においては、対象となる資産が増加するため、信用リスクは増加する傾向にあります。信用リスクに対しては資本配賦を行い、モニタリングすることで、経営体力(自己資本)の範囲内にリスク量をバランスさせております。信用リスクの管理は、「内部格付制度」をベースとして、「個別案件の厳正な審査・管理(ミクロの信用リスク管理)」と、「信用リスクの計量化によるポートフォリオの管理と適切な運営(マクロの信用リスク管理)」及び「厳正な自己査定とそれに伴う適切な償却・引当の実施」を基本としております。また、定期的にローンレビューや信用リスク管理委員会、ALM委員会を開催し、信用リスク管理に関する協議等を行っております。

 

 

⑥ 市場リスク

市場リスクとは、金利、株価、為替などの市況の変動によって、当行が保有している金融資産・負債の価値が変動し損失を被るリスクであります。

当行は、日本国債等への投資に加え、外国証券や多様な投資信託への投資を戦略的に実施するなど、有価証券運用に係るリスクテイクの多様化を図っております。そのため、国内外の経済・金融市場の動向によっては、保有する有価証券の価格下落による減損または評価損が発生し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行は、市場リスクに対し資本配賦を行い、モニタリングすることで、経営体力(自己資本)の範囲内にリスク量をバランスさせております。市場リスクについては、VaRの水準や評価損益額、感応度などについて日次で把握・管理を行っているほか、ALM委員会を開催し、VaRの水準や評価損益額、感応度などを報告し、リスク量の把握、適切なリスクコントロールの手段の協議・決定を行っております。

 

⑦ 流動性リスク

流動性リスクとは、予期せぬ資金の流出等により、決済に必要な資金調達に支障を来たす、あるいは通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる等のリスクであります。

深刻な金融システム不安の発生、あるいは当行財務内容の大幅な悪化などにより、当行の資金調達力が著しく低下するような場合には、資金調達費用が大幅に増加し、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行では、流動性リスクについて、日々資金ギャップ限度額による管理を行っております。また、月次ベースで資金繰りの予想・実績を作成し、計画との差異を検証しております。さらに、緊急時に備えて組織体制や対応策などをまとめたコンティンジェンシープランを策定しております。なお、当行では国債等流動化可能債券やその他流動性の高い資産を潤沢に保有しており、流動性リスクに対して万全の態勢を整備しております。

 

⑧ オペレーショナル・リスク

(オペレーショナル・リスクの概要)

オペレーショナル・リスクとは、「銀行の業務の過程、役職員等(当行及び関係会社の役職員で派遣社員を含む、(以下、「役職員等」という。))の活動、もしくはシステムが不適切であること、または外生的事象により損失が発生するリスク」と定義し、以下のリスクを認識しております。

A 事務リスク

事務リスクとは、事務管理体制の不備、役職員が正確な事務を怠ること、あるいは事故・不正等を引き起こすこと等によって損失を被るリスクであります。

預金、融資、為替などの銀行業務における各種の事務を適時適切に処理しなかった場合、保有している顧客情報や経営情報の漏えい、紛失等が発生した場合、あるいは役職員による事故・不正等が発生した場合等には、お客様にご迷惑をおかけしたり、損害賠償責任を負ったりすること等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

B システムリスク

システムリスクとは、コンピュータシステムの停止や誤作動、システムの不備、またはコンピュータが不正に使用されること等により損失を被るリスクであります。

ATMや営業店端末、当行ホームページ等に障害が発生した場合には、預金払出や振込業務の停止、社会的信用の失墜などによって、お客さまにご迷惑をおかけするとともに、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(A) サイバー攻撃に関するリスク

当行グループでは、顧客の利便性向上により競争優位を確立するため、また抜本的な業務の見直しにより生産性を飛躍的に向上させるため、DXの推進に取り組んでおります。近年のサイバー攻撃の巧妙化・深刻化等を踏まえ、行内外で発生している事案について、情報を収集し、サイバーセキュリティには十分に配慮した態勢となるよう努めておりますが、それでもなお、サイバー攻撃を受けた場合には、サービス停止、データ改ざん、情報漏えい、不正送金等が発生し、お客様にご迷惑をおかけしたり、損害賠償責任を負ったりすること等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

C イベントリスク

自然災害やテロリズム等の外生的要因等により、当行の有形資産が毀損し損失を被ったり、事業活動に支障が生じたりすることで、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

D 人的リスク

役職員等の処遇、役職員等の健康及び職場の安全環境に関する問題や、差別行為に起因した賠償責任等により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

E コンプライアンス・リスク

コンプライアンス(役職員が業務遂行にあたって、健全な良識ある社会人として確固たる倫理観のもとで、法令、社会的規範、倫理綱領、経営理念、内部規程等を遵守すること及びステークホルダーの信頼に応えること)に違反した結果として、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(オペレーショナル・リスクの管理体制)

当行は、業務の健全性・適切性の観点から、オペレーショナル・リスクの総合的な管理態勢を整備・構築し、「オペレーショナル・リスク管理規程」に基づき、オペレーショナル・リスクの特定、評価、モニタリング、コントロール及び削減を図っております。

具体的には、取締役会で承認されたオペレーショナル・リスク管理態勢をもとに、オペレーショナル・リスク管理担当執行役員をはじめとする経営陣の関与のもと、オペレーショナル・リスク統括部署と各オペレーショナル・リスク主管部署による管理を行っております。

当行はオペレーショナル・リスク管理委員会を設置し、オペレーショナル・リスク管理各部門が共有すべき重要な事項を把握し、具体的な対応策の策定や部門間の調整等オペレーショナル・リスク管理に関する事項の協議・検討を行っております。オペレーショナル・リスクの管理上重要なものについては、経営執行会議において協議・決定を行います。オペレーショナル・リスクの管理状況については、取締役会に報告しております。

また、サイバーセキュリティ対策を整備するため、「ごうぎんCSIRT(Computer Security Incident Response Teamの略で、情報システムセキュリティに関する事件・事故に対処する組織内チーム)」を設置し、行内外で発生しているサイバーセキュリティに関する事案に対処しております。情報システムセキュリティに関する当行の現状と今後の対応を協議し、オペレーショナル・リスク管理委員会に報告する態勢を整備しております。

 

⑨ 規制リスク

当行は、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈など)に従って業務を遂行しておりますが、将来におけるこれらの規制の変更並びにそれに伴って発生する事態により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 気候変動に関するリスク

異常気象による洪水など自然災害の激甚化、あるいは災害の発生頻度の増加による取引先の事業停滞や当行担保物件の毀損、当行グループの営業店舗等の損壊などが発生した場合に、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、脱炭素社会への移行に伴う規制強化や技術革新の進展等が取引先の事業や業績に及ぼす影響により、当行の経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、関連する内容について、第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(財政状態の分析)

連結ベースの預金等(譲渡性預金含む)は、法人部門で減少した一方で、個人・金融機関・公金各部門において増加したことにより、期中6,238億円増加し、期末残高は5兆6,473億円となりました。

連結ベースの貸出金は、法人向け貸出が山陰地区をはじめ、山陽、関西及び東京の全エリアで増加したほか、山陰地区に加え、山陽、関西エリアでも住宅ローンなどの個人向け貸出が増加したことなどから、期中4,134億円増加し、期末残高は4兆3,229億円となりました。

連結ベースの有価証券は、国内外の金利上昇を受け、日本国債や外国証券等の売却を実施したことなどにより期中3,689億円減少し、期末残高は1兆5,625億円となりました。

連結ベースの純資産は、利益剰余金が増加した一方で、その他有価証券評価差額金などが減少したことなどにより、期中399億円減少し、期末残高は3,132億円となりました。

 

① 主要勘定の状況(連結)                               (単位:百万円)

 

前連結会計年度
(A)

当連結会計年度
(B)

増減
(B)-(A)

預金等

5,023,487

5,647,306

623,819

預金

4,872,042

5,508,349

636,307

譲渡性預金

151,444

138,957

△12,487

貸出金

3,909,437

4,322,918

413,481

有価証券

1,931,505

1,562,511

△368,994

 

 

② 金融再生法開示債権及びリスク管理債権の状況

(連結)                                        (単位:百万円)

 

前連結会計年度
(A)

当連結会計年度
(B)

増減
(B)-(A)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

11,542

15,741

4,199

危険債権

37,902

31,150

△6,752

要管理債権

18,057

14,670

△3,387

 三月以上延滞債権

147

92

△55

 貸出条件緩和債権

17,910

14,577

△3,333

小計(リスク管理債権)①

67,502

61,562

△5,940

正常債権

3,985,582

4,398,297

412,715

総与信(合計)②

4,053,085

4,459,859

406,774

 

 

不良債権比率(%) ① / ②

1.66

1.38

△0.28

 

 

 

(単体)                                        (単位:百万円)

 

前事業年度
(A)

当事業年度
(B)

増減
(B)-(A)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

11,035

15,181

4,146

危険債権

37,902

31,150

△6,752

要管理債権

18,057

14,670

△3,387

 三月以上延滞債権

147

92

△55

 貸出条件緩和債権

17,910

14,577

△3,333

小計(リスク管理債権)③

66,995

61,002

△5,993

正常債権

3,985,557

4,398,281

412,724

総与信(合計)④

4,052,553

4,459,283

406,730

 

 

不良債権比率(%) ③ / ④

1.65

1.36

△0.29

 

 

保全額 ⑤  (イ+ロ)

50,372

46,260

△4,112

  うち担保等による保全額(イ)

24,661

22,619

△2,042

    うち破産更生債権及びこれらに
    準ずる債権

3,732

5,147

1,415

    うち危険債権

17,751

15,437

△2,314

    うち要管理債権

3,177

2,034

△1,143

  うち貸倒引当金残高(ロ)

25,710

23,640

△2,070

    うち破産更生債権及びこれらに
    準ずる債権

7,302

10,033

2,731

    うち危険債権

15,028

10,757

△4,271

    うち要管理債権

3,380

2,849

△531

 

 

カバー率 ⑤ / ③       (%)

75.18

75.83

0.65

  うち破産更生債権及びこれらに準ず
  る債権           (%)

100.00

100.00

  うち危険債権        (%)

86.48

84.09

△2.39

  うち要管理債権       (%)

36.31

33.28

△3.03

 

 

引当率(ロ)/(③-イ)      (%)

60.73

61.59

0.86

  うち破産更生債権及びこれらに準ず
  る債権           (%)

100.00

100.00

  うち危険債権        (%)

74.57

68.46

△6.11

  うち要管理債権       (%)

22.71

22.54

△0.17

 

 

③ 有価証券の評価損益(連結)                             (単位:百万円)

 

前連結会計年度
(A)

当連結会計年度
(B)

増減
(B)-(A)

 満期保有目的

△420

△739

△319

 その他有価証券

10,377

△52,844

△63,221

  うち株式

26,806

29,014

2,208

  うち債券

9,094

△1,021

△10,115

  うちその他

△25,523

△80,837

△55,314

 合  計

9,956

△53,584

△63,540

 

(注) 「その他有価証券」については、時価評価しておりますので、上記の表上は、連結貸借対照表計上額と取得原価との差額を記載しております。

 

 

(経営成績の分析)

当行は、経営理念「地域の夢、お客様の夢をかなえる 創造的なベストバンク」のもと、地域のリーディングバンクとして、「地域のお役に立つ」ことを基本方針として掲げております。

2021年度からスタートした中期経営計画では、「地域の産業・事業を徹底的に支える」をスローガンに、「地域・お客様の課題解決への貢献」、「DXの推進」、「経営基盤の強化」の3つの重点施策を通じてビジネスモデルの変革に取り組んでおります。また、サステナビリティへの取り組みも進めております。2022年度においては、当地における再生可能エネルギー供給量の増加とエネルギーの地産地消の推進に貢献するため、再生可能エネルギー発電事業を行う子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しております。

このほか、株主還元の充実を図るため、配当性向35%を目安に利益還元を行う方針から、配当と機動的な自己株式取得により、総還元性向40%を目安に利益還元を行う方針に変更しております。

このような中、当連結会計年度の経常利益は前期比9億31百万円増加の217億22百万円となりました。これは国内外の金利上昇を受け、国債・外国証券等の一部売却を実施したことにより、債券関係損益が減少した一方で、銀行の本来業務である法・個人取引推進により、貸出金利息などの資金利益や融資、事業支援、クレジットカード関連手数料などの役務取引等利益が増加したことに加え、株式等関係損益が増加したことなどによるものです。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比9億78百万円増加の154億63百万円となりました。

① 損益状況(連結)                                  (単位:百万円)

 

前連結会計年度
(A)

当連結会計年度
(B)

増減
(B)-(A)

 連結粗利益

60,839

58,152

△2,687

  資金利益

58,163

61,666

3,503

  役務取引等利益

8,777

10,700

1,923

  その他業務利益

△6,102

△14,214

△8,112

   うち債券関係損益

△9,426

△13,271

△3,845

 営業経費

40,065

39,576

△489

 一般貸倒引当金繰入額 ①

△1,305

△115

1,190

 不良債権処理額 ②

3,417

2,250

△1,167

  貸出金償却

21

31

10

  個別貸倒引当金繰入額

3,239

1,972

△1,267

  特定海外債権引当勘定繰入額

  債権売却損

73

137

64

  その他

82

109

27

 貸倒引当金戻入益 ③

 株式等関係損益

1,226

4,151

2,925

 その他

904

1,128

224

 経常利益

20,791

21,722

931

 特別損益

△508

166

674

 税金等調整前当期純利益

20,283

21,888

1,605

 法人税、住民税及び事業税

4,826

5,342

516

 法人税等調整額

994

1,108

114

 非支配株主に帰属する当期純損失(△)

△22

△25

△3

 親会社株主に帰属する当期純利益

14,485

15,463

978

 

 

 与信費用 ①+②-③

2,111

2,135

24

 

(注) 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(その他業務収益-その他業務費用)

 

 

セグメントごとの業績につきましては、「銀行業」で経常収益が前期比179億76百万円増加の963億43百万円、セグメント利益は前期比6億71百万円増加の210億17百万円となりました。また、「リース業」では、経常収益が前期比4億97百万円減少の157億44百万円、セグメント利益は前期比1億89百万円増加の6億46百万円となり、信用保証業務等を行う「その他」では、経常収益が前期比9百万円増加の15億14百万円、セグメント利益は前期比1百万円増加の1億46百万円となりました。

なお、当行では、お客様のニーズが多様化、複雑化する中、グループ経営をより一層重視し、各セグメントに属する各社の総合力により、お客様に最適な金融サービスを提供することで、各セグメント利益の向上、ひいては当行グループの企業価値向上を図ってまいります。

 

(キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性)

連結ベースの営業活動によるキャッシュ・フローは預金の増加などによる収入が貸出金の増加などによる支出を上回ったものの、債券貸借取引受入担保金が大幅に減少したことから2,565億円の支出(前期比3,327億円減少)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有価証券の取得などによる支出が有価証券の売却や償還などによる収入を下回ったことから、3,096億円の収入(前期比4,793億円増加)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いや自己株式の取得などにより69億円の支出(前期比35億円減少)となり、その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比461億円増加の8,196億円となりました。

当行グループは、銀行業務を中心とする事業を行っております。したがって、当行グループの資金調達は主に預金等(預金及び譲渡性預金)及び市場性資金調達等によっており、資金運用は主に貸出金及び有価証券等によっております。

当行グループは、預金等を中心とした安定的な資金調達基盤を整備し、営業活動や設備投資等に十分に対応できる手元資金を確保しているほか、流動性の高い資産を潤沢に保有するなど、流動性リスクに対し万全の態勢を整備しております。

このため、当行グループは、今後予定している資金運用や設備投資等に必要な資金は、手元資金及び営業活動上の資金調達手段にて対応する予定であります。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定等)

当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しておりますが、取引等の内容によっては、当行グループが合理的と判断する仮定や見積りを必要とするものがあります。これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し決定しており、将来における不確実性を有しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定等のうち、重要なものは第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

 

(参考)

(1) 国内・国際業務部門別収支

当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門517億8百万円、国際業務部門99億58百万円となり、合計で616億67百万円と前期比35億3百万円の増加となりました。役務取引等収支は、国内業務部門104億51百万円、国際業務部門2億48百万円となり、合計で107億円と前期比19億23百万円の増加となりました。また、その他業務収支は、国内業務部門26億53百万円、国際業務部門△168億67百万円となり、合計で△142億14百万円と前期比81億12百万円の減少となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

48,460

9,703

58,164

当連結会計年度

51,708

9,958

61,667

 うち資金運用収益

前連結会計年度

49,765

10,324

52

60,038

当連結会計年度

52,817

13,906

79

66,644

 うち資金調達費用

前連結会計年度

1,305

621

52

1,874

当連結会計年度

1,108

3,948

79

4,977

役務取引等収支

前連結会計年度

8,445

332

8,777

当連結会計年度

10,451

248

10,700

 うち役務取引等収益

前連結会計年度

12,711

403

13,115

当連結会計年度

14,751

322

15,073

 うち役務取引等費用

前連結会計年度

4,266

71

4,337

当連結会計年度

4,299

73

4,372

その他業務収支

前連結会計年度

△3,849

△2,252

△6,102

当連結会計年度

2,653

△16,867

△14,214

 うちその他業務収益

前連結会計年度

17,943

444

18,387

当連結会計年度

23,471

1,169

24,641

 うちその他業務費用

前連結会計年度

21,792

2,696

24,489

当連結会計年度

20,818

18,037

38,855

 

(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という。)の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 連結会社間の取引相殺後の計数を記載しております。

3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度:国内業務部門0百万円、国際業務部門―百万円、当連結会計年度:国内業務部門0百万円、国際業務部門―百万円)を控除して表示しております。

4 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、国内業務部門6兆5,006億14百万円、国際業務部門5,676億50百万円となり、両部門間の資金貸借の平均残高相殺後の合計で6兆7,721億27百万円と前期比2,070億20百万円の増加となりました。また、資金運用利回りは、国内業務部門0.81%、国際業務部門2.44%となり、合計では0.98%と前期比0.07ポイントの上昇となりました。

資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門6兆5,993億9百万円、国際業務部門5,725億14百万円となり、両部門間の資金貸借の平均残高相殺後の合計で6兆8,756億86百万円と前期比792億72百万円の増加となりました。また、資金調達利回りは、国内業務部門0.01%、国際業務部門0.68%となり、合計では0.07%と前期比0.05ポイントの上昇となりました。

 

 

① 国内業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(149,410)

6,130,714

(52)

49,765

0.81

当連結会計年度

(296,137)

6,500,614

(79)

52,817

0.81

 うち貸出金

前連結会計年度

3,506,754

34,311

0.97

当連結会計年度

3,839,151

36,488

0.95

 うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち有価証券

前連結会計年度

1,477,029

13,680

0.92

当連結会計年度

1,373,799

14,347

1.04

 うちコールローン及び
 買入手形

前連結会計年度

102

0

0.02

当連結会計年度

 うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち債券貸借取引支払
 保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち預け金

前連結会計年度

987,031

1,331

0.13

当連結会計年度

977,144

1,415

0.14

資金調達勘定

前連結会計年度

6,363,016

1,305

0.02

当連結会計年度

6,599,309

1,108

0.01

 うち預金

前連結会計年度

4,612,096

908

0.01

当連結会計年度

5,013,913

745

0.01

 うち譲渡性預金

前連結会計年度

322,504

11

0.00

当連結会計年度

206,419

7

0.00

 うちコールマネー及び
 売渡手形

前連結会計年度

527,273

0

0.00

当連結会計年度

661,838

0

0.00

 うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち債券貸借取引受入
 担保金

前連結会計年度

156,409

15

0.01

当連結会計年度

66,895

6

0.01

 うち借用金

前連結会計年度

746,833

41

0.00

当連結会計年度

650,465

41

0.00

 

(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については月末毎の残高ないし半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。

3 連結会社間の債権・債務及び取引相殺後の計数を記載しております。

4 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度442,118百万円 当連結会計年度331,344百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度4,999百万円 当連結会計年度4,999百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円 当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

5 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

② 国際業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

583,803

10,324

1.76

当連結会計年度

567,650

13,906

2.44

 うち貸出金

前連結会計年度

152,204

1,759

1.15

当連結会計年度

219,266

6,337

2.89

 うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち有価証券

前連結会計年度

422,884

8,158

1.92

当連結会計年度

342,431

5,571

1.62

 うちコールローン及び
 買入手形

前連結会計年度

1,235

2

0.21

当連結会計年度

744

26

3.53

 うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち債券貸借取引支払
 保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち預け金

前連結会計年度

500

1

0.25

当連結会計年度

500

1

0.27

資金調達勘定

前連結会計年度

(149,410)

582,808

(52)

621

0.10

当連結会計年度

(296,137)

572,514

(79)

3,948

0.68

 うち預金

前連結会計年度

40,835

61

0.14

当連結会計年度

33,716

104

0.31

 うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

 うちコールマネー及び
 売渡手形

前連結会計年度

134,363

402

0.29

当連結会計年度

89,510

2,637

2.94

 うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち債券貸借取引受入
 担保金

前連結会計年度

258,119

105

0.04

当連結会計年度

153,056

1,125

0.73

 うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

2

0

2.68

 

(注) 1 「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等を含めております。

2 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円 当連結会計年度―百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円 当連結会計年度―百万円)を控除して表示しております。

3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

6,565,107

60,038

0.91

当連結会計年度

6,772,127

66,644

0.98

 うち貸出金

前連結会計年度

3,658,958

36,071

0.98

当連結会計年度

4,058,418

42,826

1.05

 うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち有価証券

前連結会計年度

1,899,914

21,838

1.14

当連結会計年度

1,716,231

19,918

1.16

 うちコールローン及び
 買入手形

前連結会計年度

1,338

2

0.20

当連結会計年度

744

26

3.53

 うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち債券貸借取引支払
 保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち預け金

前連結会計年度

987,531

1,332

0.13

当連結会計年度

977,644

1,416

0.14

資金調達勘定

前連結会計年度

6,796,414

1,874

0.02

当連結会計年度

6,875,686

4,977

0.07

 うち預金

前連結会計年度

4,652,931

969

0.02

当連結会計年度

5,047,630

850

0.01

 うち譲渡性預金

前連結会計年度

322,504

11

0.00

当連結会計年度

206,419

7

0.00

 うちコールマネー及び
 売渡手形

前連結会計年度

661,637

402

0.06

当連結会計年度

751,349

2,637

0.35

 うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち債券貸借取引受入
 担保金

前連結会計年度

414,528

121

0.02

当連結会計年度

219,951

1,132

0.51

 うち借用金

前連結会計年度

746,833

41

0.00

当連結会計年度

650,468

41

0.00

 

(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の国内連結子会社については月末毎の残高ないし半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2 連結会社間の債権・債務及び取引相殺後の計数を記載しております。

3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度442,118百万円 当連結会計年度331,344百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度4,999百万円 当連結会計年度4,999百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円 当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

4 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 

(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況

当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門147億51百万円、国際業務部門3億22百万円となり、合計で150億73百万円と前期比19億58百万円の増加となりました。また、役務取引等費用は、国内業務部門42億99百万円、国際業務部門73百万円となり、合計で43億72百万円と前期比35百万円の増加となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

12,711

403

13,115

当連結会計年度

14,751

322

15,073

 うち預金・貸出業務

前連結会計年度

3,437

338

3,775

当連結会計年度

5,404

248

5,653

 うち為替業務

前連結会計年度

2,496

59

2,556

当連結会計年度

2,285

67

2,352

 うち証券関連業務

前連結会計年度

2,370

2,370

当連結会計年度

2,046

2,046

 うち代理業務

前連結会計年度

773

773

当連結会計年度

920

920

 うち保証業務

前連結会計年度

481

0

482

当連結会計年度

482

1

483

役務取引等費用

前連結会計年度

4,266

71

4,337

当連結会計年度

4,299

73

4,372

 うち為替業務

前連結会計年度

323

64

388

当連結会計年度

211

66

277

 

(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 連結会社間の取引相殺後の計数を記載しております。

 

 

(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

4,832,614

39,428

4,872,042

当連結会計年度

5,484,220

24,129

5,508,349

 うち流動性預金

前連結会計年度

3,229,774

3,229,774

当連結会計年度

3,289,694

3,289,694

 うち定期性預金

前連結会計年度

1,580,153

10,000

1,590,153

当連結会計年度

2,175,505

2,175,505

 うちその他

前連結会計年度

22,686

29,428

52,114

当連結会計年度

19,020

24,129

43,149

譲渡性預金

前連結会計年度

151,444

151,444

当連結会計年度

138,957

138,957

総合計

前連結会計年度

4,984,059

39,428

5,023,487

当連結会計年度

5,623,177

24,129

5,647,306

 

(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。

3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

4 定期性預金=定期預金+定期積金

 

(5) 国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

3,909,437

100.00

4,322,918

100.00

 製造業

448,973

11.48

490,774

11.35

 農業,林業

11,078

0.28

11,194

0.25

 漁業

4,038

0.10

4,151

0.09

 鉱業,採石業,砂利採取業

1,708

0.04

1,640

0.03

 建設業

127,848

3.27

149,712

3.46

 電気・ガス・熱供給・水道業

134,386

3.43

166,161

3.84

 情報通信業

29,471

0.75

33,104

0.76

 運輸業,郵便業

179,784

4.59

192,416

4.45

 卸売業,小売業

402,457

10.29

407,762

9.43

 金融業,保険業

173,973

4.45

185,737

4.29

 不動産業,物品賃貸業

559,753

14.31

669,737

15.49

 各種サービス業

423,334

10.82

438,826

10.15

 地方公共団体

275,490

7.04

229,718

5.31

 その他

1,137,140

29.08

1,341,978

31.04

海外及び特別国際金融取引勘定分

 政府等

 金融機関

 その他

合計

3,909,437

4,322,918

 

(注) 1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

2 「海外」とは海外店及び海外連結子会社であります。なお、当行は海外店及び海外連結子会社を保有しておりません。

3 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。

 

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定の計上が必要となる国の外国政府等(外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等)に対する債権残高はありません。

 

(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

514,110

514,110

当連結会計年度

259,712

259,712

地方債

前連結会計年度

266,147

266,147

当連結会計年度

265,863

265,863

短期社債

前連結会計年度

当連結会計年度

社債

前連結会計年度

166,248

166,248

当連結会計年度

156,104

156,104

株式

前連結会計年度

45,707

45,707

当連結会計年度

43,906

43,906

その他の証券

前連結会計年度

509,957

429,334

939,292

当連結会計年度

571,328

265,595

836,924

合計

前連結会計年度

1,502,171

429,334

1,931,505

当連結会計年度

1,296,915

265,595

1,562,511

 

(注) 1 「国内業務部門」とは、当行国内店及び国内連結子会社の円建取引であります。また、「国際業務部門」とは、当行国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 連結会社間の債権・債務相殺後の計数を記載しております。

3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては、基礎的内部格付手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては、2022年3月末は粗利益配分手法を採用しておりましたが、2023年3月末は標準的計測手法を採用しております。

なお、2023年3月末より、バーゼルⅢ最終化を適用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

増減

1 連結自己資本比率 (2/3)

11.36

12.57

1.21

2 連結における自己資本の額

百万円

334,744

347,707

12,963

3 リスク・アセット等の額

百万円

2,945,474

2,763,978

△181,496

4 連結総所要自己資本額

百万円

117,818

110,559

△7,259

 

 

 

単体自己資本比率(国内基準)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

増減

1 自己資本比率 (2/3)

10.92

12.10

1.18

2 単体における自己資本の額

百万円

321,338

333,261

11,923

3 リスク・アセット等の額

百万円

2,940,173

2,752,336

△187,837

4 単体総所要自己資本額

百万円

117,606

110,093

△7,513

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3 要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額(単体)

債権の区分

2022年3月31日

2023年3月31日

増減

金額(百万円)

金額(百万円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

11,035

15,181

4,146

危険債権

37,902

31,150

△6,752

要管理債権

18,057

14,670

△3,387

正常債権

3,985,557

4,398,281

412,724

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。