第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「TURN STRANGER TO STRONGER(ハグレモノをツワモノに)」 をミッションに掲げており、「ファッションブランドを纏うことで、未知の才能をもつ世界中のハグレモノが、そのズレを強さに反転させられるように」という願いをもとに、複数のブランドの創造を図ることでミッションの実現に取り組んでおります。

 

(2)目標とする経営指標、経営戦略等

 企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、売上高、売上総利益、調整後EBITDA(注1)及び営業利益を重要な経営指標としております。下記「(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」を解決することにより、これらの指標の向上を図ってまいります。経営戦略としては、①既存ブランドのさらなる成長及びZ世代向けブランドの新規創出、②Y世代(1981年から1996年に生まれた世代でいわゆる「ゆとり世代」ともいう)等のZ世代以外をターゲット層にしたブランドの新規創出、③商材の多様化の3つを掲げております。そのために、既存事業のオーガニック成長のほか、M&Aを活用し、事業規模及び事業領域を拡大していく方針であります。

(注1)調整後EBITDAとは、営業利益に減価償却費、のれん償却費、敷金償却費、株式報酬費用及び利息費用を足し戻した金額です。

 

(3)経営環境

 ①市況

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、経済情勢等に加え、当社グループの取り扱う商品である衣料品及び雑貨等に関連するものとして、アパレルファッション市場の動向があります。

株式会社矢野経済研究所の調査(「2024 アパレル産業白書」)によれば、国内アパレル総小売市場は2017年から2019年ごろまでほぼ横ばいの推移を続けておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大等による影響により2020年には大きくマイナス成長となりました。しかしながら、2020年から2022年にかけて回復の兆しを見せており、2023年は前年比で103.7%の8兆3,564億円の市場規模となっております。また、新型コロナウイルスの感染拡大等による消費者の購買行動の変化も起きているものと考えており、ECにおけるアパレル産業は堅調に成長しております。具体的には、経済産業省の調査「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によれば、2023年の衣類・服装雑貨等のEC化率は22.88%、市場規模は2兆6,712億円となっております。2016年のEC化率は10.93%、市場規模は1兆5,297億円であることから、ECへのシフトが進んでおります。また、2022年の市場規模は2兆5,499億円であり、2023年の市場規模の金額は前年対比で4.76%増加しております。

この点、当社グループの主な販売チャネルはオンラインストアであることから、当社グループにとって好機になるものと考えております。

 

②市場の規模

当社グループの事業はアパレルブランド及びコスメブランドの運営が中心でありますが、取り扱うブランドの特徴として、10〜30代を主なターゲット層としてブランドの展開を行っている点があります。当面は、アパレル事業とコスメ事業で国内の市場開拓を進めつつ、今後はさらなる顧客層の拡大や、アパレル商品、コスメ商品以外の商材による事業展開のほか、海外市場の開拓を目指してまいります。国内市場規模の概算は以下のとおりとなります。

(国内アパレル市場)

全体:8兆3,564億円

うち10代から30代:2兆4,773億円(参考:「2024 アパレル産業白書」矢野経済研究所、「人口推計」総務省統計局)

(国内化粧品市場)

全体:2兆4,780億円

うち10代から30代:7,346億円(参考:「2024年版 化粧品マーケティング総監」矢野経済研究所、「人口推計」総務省統計局)

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①ブランドポートフォリオの多様化

当社グループは、主力ブランドの売上安定化を図るとともに継続的に新規ブランド及び商品を生み出し、特定のブランド及び商品への依存度合いを下げ、リスクの分散を図ることが重要であると考えております。ブランドポートフォリオのさらなる多様化のために、優秀な人材配置、販促活動の強化による顧客化推進、自社ECサイトの強化等に取り組むとともに、ブランド運営においては、客観的な撤退基準を設け、基準を充足しない場合には撤退の意思決定を検討するなど、リスク管理を図った上で、ブランド運営を行っております。これらの取り組みにより、規律ある投資とブランドポートフォリオの多様化に取り組んでまいります。

 

②システム及び物流機能の強化

当社グループの主要事業は顧客への直販を中心としたアパレル商品の販売事業であることから、安定した事業運営を行うにあたっては、顧客の増加に対応可能な物流機能の強化が重要であると考えております。当社グループのビジネスモデルにおける物流機能には在庫の保管及び入出庫の管理が必要不可欠であり、物流機能と物流コストの最適化を追求することが、経営上、特に重要な要素となります。今後におきましては、引き続きシステムの強化による安定性及び効率化に取り組んでまいります。

 

③商品力の強化

当社グループは、ファッション感度の高い顧客ニーズへの対応を図るため、引き続きSNSを中心として、流行の状況のリサーチを徹底することにより、商品力の強化につなげるとともに、当社グループ内の複数のブランド間での成功事例やノウハウの共有を図ることにより、ヒット商品、ブランドの再現性の向上に取り組んでまいります。

 

④オンライン販売の強化

当社グループは、アパレル事業の開始当初から、ECを中心とした販売を行ってきました。そのため、ECサイト経由の売上は54%(第7期)と、実店舗等のオフラインを中心とした事業展開を行ってきた一般的なアパレル企業と比べ、高い水準にあります。コロナ禍での消費者の生活様式の変化に伴い、オンライン販売の需要が高まるとともに一層のサービスレベル向上が求められると認識しており、引き続き自社ECサイトの強化、システムの見直し、顧客の利便性を向上するサービスの実装、優秀な人材配置、販促活動の強化による顧客化推進等に取り組んでまいります。

 

⑤M&Aの検討

当社グループは、継続的に高い成長を実現するため、日々企業買収の検討を行っております。アパレル業界は様々なニーズにより業界再編が加速する業界であると考えております。第7期は株式会社heart relation及び株式会社えをかくの株式取得、株式会社i.Dからコスメブランド「minum」の事業譲受を実施しましたが、さらに当社グループのブランドポートフォリオにおいて開拓余地のある分野に強みがある企業を買収することを検討しております。M&Aは事業成長や経営資源の獲得を早急に実現でき、当社グループの企業価値を高めることができると考えているため、M&Aを経営戦略のうちの重要な1つと位置付け、日々案件のソーシングを行うとともに、収益性及び当社グループとのシナジー効果を慎重かつ十分に検討した上で、実施してまいります。

 

⑥財務基盤の強化

当社グループは、事業投資及びM&Aを実施する場合は十分に事業の成長性、投資の回収可能性を検討したうえで、一定の財務規律を維持できる範囲で投資を行っております。現状は、財務基盤が揺らぐような状況ではございませんが、さらなる投資余力の確保のために、営業活動による安定したキャッシュ・フローの確保に加え、金融機関との関係強化等により、さらなる財務基盤の強化に取り組んでまいります。

 

⑥SNSを通じた認知拡大

当社グループは、Z世代が主な顧客層であり、SNSでの継続的な認知獲得が売上に寄与しているものと考えております。そのため、自社SNSコンテンツの認知拡大が特に重要であると考えております。当社グループはクリエイティブ職の育成と採用の継続的な強化により自社SNSによる発信力を高め、Z世代へのさらなる認知向上に取り組んでまいります。

 

⑦実店舗販売の強化

当社グループは、継続的に高い成長を実現するため、2022年4月より実店舗の運営を行っており、2025年3月には46店舗を展開しております。期間限定店舗を活用して需要の調査を慎重に行った後、SNSでの集客力を活かした小型店舗での展開が中心となっております。当社グループは、東名阪を中心に実店舗の拡大に取り組んでまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

   (1)サステナビリティに関する考え方

当社は、「TURN STRANGER TO STRONGER(ハグレモノをツワモノに)」 をミッションに掲げ、「ファッションブランドを纏うことで、未知の才能をもつ世界中のハグレモノが、そのズレを強さに反転させられるように」という願いをもとに、複数のブランドを運営する企業として、ファッション文化を育むとともに、地球環境への影響に配慮した事業活動を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献できると考えております。

 

(2)サステナビリティへの取組

①ガバナンス

当社グループは、持続可能性の観点から、持続可能な開発目標(SDGs)へのアプローチを行うことで、中長期的な企業価値の向上を目指しております。そのため、サステナビリティに関する課題への対応は重要な経営課題であると認識しており、当社グループとしてはサステナビリティ推進体制を整備し、基本方針の策定を今後検討する予定です。

 

②リスク管理

当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針や重要課題の特定、さらには重要課題の監視・管理等のため、サステナビリティ関連のリスクが事業活動に与える影響について分析し、対応策について検討を行ってまいります。リスクについては今後、リスク管理・コンプライアンス委員会等で確認を行い、必要に応じて重要課題及び基本方針を見直すなど適切に対応してまいります。また、今後は内部監査においても、監査項目にサステナビリティに関する課題への対応状況を加え、サステナビリティ推進体制を強化してまいります。内部監査を通じて、リスク管理・コンプライアンス委員会の主要な議題となった場合には、サステナビリティを推進する各部門と連携し、リスクマネジメント体制において人的資本に対する各種施策の実施状況を管理する体制を構築する予定であります。

 

③サステナビリティに関連する戦略や指標及び目標

A) 人材育成方針

当社グループは、持続可能な事業の成長及び企業価値の向上を図るためには、多様性ある人材及び組織の育成が重要であると認識しており、従業員一人ひとりの自己実現のための機会を提供することで、人材及び組織の育成を通じた持続的な企業価値の向上を目指しております。具体的な取り組みとしては、定期的な1on1面談を通し、各従業員に対し期待される役割を明確にするとともに、従業員のキャリアに関する希望を把握し、配属の検討に反映しております。また、部門横断的な活動が自発的に行われること、組織の一体感の醸成を目的として、定期的に社内イベントを実施し、従業員間の対話が活発に行われるように努めております。

 

B) 社内環境整備

多様な人材を確保・活用するには、柔軟な働き方を実現することが重要と考えており、継続した働き方改革を推進しております。テレワークやフレックスタイム制を活用し、ワークスタイルの柔軟化を図ることで、従業員がワークライフ・バランスを整えながら能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めております。

 

C) 指標及び目標

当社では、上記「③サステナビリティに関連する戦略や指標及び目標」において記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

指標

目標

実績

管理職に占める女性労働者の割合

2030年12月末まで35.0

25.0

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績および株価などに影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)顧客嗜好の変化について(顕在可能性:大 / 影響度:大 / 発生時期:中期的)

当社グループは、流行の影響を受けやすい、衣料品及び雑貨等を中心に商品展開を行っております。特に、当社は、ストリートブランドを中心としており、ブランドの商品を支持するファッション感度の比較的高い顧客層を主体としております。感染症拡大の影響による生活様式の変化や新規参入企業による競合の激化等により、当社が顧客の嗜好や生活様式の変化に対応しきれない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、今後も、各ブランドのターゲット層を中心として、流行の状況のリサーチを継続することにより、商品力の強化につなげるとともに、オンライン販売のみならず、オフラインの実店舗を活用した新たな販売チャネルの展開等により、顧客の嗜好と生活様式の変化に応えるとともに顧客層の拡大により、これらのリスク低減を図ってまいります。

 

(2)商品の品質について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループで取り扱う商品について、検品や商品管理の不備により、不適切な商品を販売してしまった場合、当社グループのブランドイメージが毀損する可能性があります。また、その範囲は当社グループに留まらず、取引先や入居する商業施設等多方面にわたります。これにより、お客様をはじめ取引先への賠償や違約金の支払いが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。この点、当社グループは、商品管理体制の強化として、生産委託先との契約において納入前検査条項、品質保証条項を含めることにより、これらのリスク低減を図ってまいります。

 

(3)競合環境について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:中期的)

当社グループの事業が属するアパレル小売市場は、流行・嗜好が短期的に大きく変化する傾向が強く、また国内外の競合企業との厳しい競争状態にあり、商品企画等の失敗により顧客の選好にマッチした商品開発ができなかった場合、またブランド価値が陳腐化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、店舗や自社ECサイト、自社SNSアカウント等を通じて顧客の嗜好に関する情報を収集し、機動的に商品展開に反映させることで、顧客のニーズに合った商品の提供に努めております。加えて、新ブランド開発スピードと精度を向上させることで、ブランド陳腐化のリスクを低減しながら、常に顧客ニーズを捉えたブランドを開発し、提供してまいります。また、当社グループの主なマーケティング活動はSNSを活用したマーケティングであり、SNS利用動向及びSNSマーケティング環境にかかる動向を注視し、流行・嗜好に合わせた施策の検討に取り組んでおりますが、SNS利用動向の変化やSNSにおけるマーケティング活動を対象とした法規制の変更等の外部環境の変動等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)株式会社ZOZOとの関係について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:中期的)

当社は、株式会社ZOZOの関連会社(2025年3月31日現在の当社の議決権保率19.2%、かつ、株式会社ZOZOの役員が当社の取締役に就任)に該当いたします。株式会社ZOZOは、当社の株主のうち議決権比率は第2位であり、定款の変更、取締役及び監査役の選解任、合併等の組織再編行為、重要な資産・事業の譲渡及び剰余金の処分等、株主の承認が必要となる事項に関しては、同社による議決権行使が当社グループの意思決定に影響を及ぼす可能性があるため、同社の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。また、同社の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、取引関係等に影響が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

① 独立性の確保について

  当社は、株式会社ZOZOからの独立性の確保に向けて、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役1名、独立社外監査役3名が就任しており、取締役会においてより多様な意見が反映される状況にあります。

 

② 当社との人的関係について

当社の役員(取締役4名、監査役3名)のうち、取締役1名は同社の取締役を兼任しております。豊富な経営知識から、当社グループの事業に関する助言を得ることを目的として招聘したものであります。なお、同社からの出向者等の受け入れはなく、今後も原則として同社からの出向者の受け入れは行わない方針であります。

 

③ 当社グループとの取引関係について

当社グループは同社との主な取引として、同社の運営するプラットフォームであるZOZOTOWNを利用してオンライン販売を行っております。これらの取引については、同社からの独立性確保の観点も踏まえ、第三者取引と同様の一般的な取引条件で行っております。取引条件の適切性を確保するため、当社が定める関連当事者取引管理規程に基づき、取引開始前に取引の相手方が関連当事者等に該当しないかを主管部門であるコーポレート部門が確認します。その後、取引の合理性、妥当性、適法性等について、取締役会で議論の上、決議するものとしております。また、継続的に発生する取引は過去の取引実績から予め取引想定額等を定め、新規取引と同様に合理性、妥当性等の審議を行い、取締役会にて実施可否を決議しておりますが、取引の開始後においても定期的なモニタリングを実施のうえ、取引想定額の超過等が見込まれる場合、あらためて取締役会にて決議するものとしております。

 

(5)業績の季節偏重について(顕在可能性:大 / 影響度:中 / 発生時期:短期的)

当社グループはアパレル商品を中心に取り扱っており、季節ごとに商品単価及び顧客が購入するアイテム数が異なることから、相対的に商品単価が高く、顧客あたりの購入アイテム数が多い秋冬シーズンに売上高が偏重する傾向にあります。また、気候、気温の変化による影響を受けやすい傾向にあり、結果として当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)M&A及びのれんの減損について(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループでは、今後の事業拡大及び収益力向上のため、M&Aは重要かつ有効な手段であると考えており、M&Aの検討に際しては、対象企業の財務状況等の調査、当社グループの事業への相乗効果等に関するリスク及び投資資金の回収可能性を十分に事前に検討することとしております。しかしながら、事業環境の著しい変化等により、対象企業又は事業の業績が当初の計画どおりに推移せず、投資資金の回収ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを貸借対照表に計上しておりますが、事業環境の変化等により企業買収時に期待していた成果が得られない場合には、当該のれんについて減損損失を計上することになり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害・感染症・事故等について

(顕在可能性:中 / 影響度:大 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループの実店舗を含む事業拠点の周辺において地震・火災等の自然災害や重大な感染症、テロ・デモ・騒擾行為等の人災が発生した場合、実店舗の運営活動において支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同様に自然災害・感染症・事故等が発生した場合、自社ECにおける販売活動において支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。この点、当社グループでは実店舗以外の販路として自社ECの強化を引き続き行い、データのバックアップ体制やネットワークセキュリティの強化などにより自社ECにおける販売活動に支障が生じるリスクの低減を図っております。しかしながら、基幹システム及びネットワークの障害等を完全に回避することは困難であり、万が一障害等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)為替相場の変動について(顕在可能性:中 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループは、商品の多くを国内の取引先から仕入れておりますが、当社グループの仕入先は海外の生産工場から輸入しているため、為替相場の変動が当社グループの仕入れ価格の変動につながり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該為替相場の変動リスクへの対応として、当社では、仕入先を集約することで規模の経済による価格交渉力を強めています。また、商品の値上げに耐えられるよう魅力的な商品企画に努めています。

 

(9)SNSマーケティングに関するリスク(顕在可能性:中 / 影響度:中 / 発生時期:中期的)

当社グループはSNSを活用したマーケティングを主な手法としており、マーケティングを目的として、ブランド公式アカウント、社内運用個人アカウント、及び外部のインフルエンサーアカウント等によるSNS投稿を実施しておりますが、それらの投稿が広告関連法令等に違反する場合や、ステルスマーケティング(注)と見做された場合には、当社グループ及びブランドイメージが毀損され、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクへの対応策として、当社グループは、ブランド公式アカウント、社内運用個人アカウントによる投稿にあたっての遵守事項として「ソーシャルメディア利用ガイドライン」を策定しております。また、インフルエンサー等にギフティングを行う際には、SNS投稿を行う場合の注意事項を明示し、必要に応じて投稿内容の確認を行う等の対応を行っております。

(注)消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。

 

(10)出店計画について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:中期的)

当社グループは、成長戦略の一つとして実店舗の出店の拡大を考えております。現時点においては、出店計画に基づき店舗数は順調に増加し、かつ、出店した店舗の集客力は高い状況ですが、今後、出店したエリアを取り巻く環境の変化等により、集客力が変動した場合、又は出店が想定どおりに進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)業務委託先との取引関係について(顕在可能性:中 / 影響度:小 / 発生時期:中期的)

当社グループは、個人又は法人との間で業務委託契約を締結し、商品デザインの開発等の業務の一部を委託しております。当社グループはこれらの委託先と良好な関係を構築しておりますが、何らかの理由により維持継続できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)システムについて(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループは事業運営において、POSシステム、オンライン販売システム、物流管理システム等各種システムを使用しております。これらが万一機能不全に陥った場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、これらのリスク低減を図るべく、各種システム及び取引先の選定や冗長化に取り組むことによって、これらのリスク低減を図ってまいります。

 

(13)知的財産権について(顕在可能性:中 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループでは国内外で商標権など知的財産権を所有しており、法令の定めに則って権利の保全に努めていますが、第三者による権利の侵害により、企業・ブランドイメージの低下、商品開発の阻害を招いた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。万一、第三者から損害賠償及び使用差し止め請求等が為され、金銭の支払いが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、他社の知的財産の侵害の可能性についてコーポレート部門で検討し、知的財産の侵害が懸念される場合は、必要に応じて弁理士を通じて調査する等の措置を講じる予定です。また、他社の知的財産の侵害が係争事件等に発展した場合に当社グループが被ると予想される損失等につきリスク管理・コンプライアンス委員会等にて注意を促し、その防止に努めております。

 

(14)情報管理について(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループは事業活動上、個人情報を保有しております。個人情報漏洩防止の対策は万全を期しておりますが、万が一情報漏洩が起こった場合は、賠償責任の発生や信用失墜により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応として、当社グループは、情報セキュリティに関連する規程を整備しており、外部からのアクセスについて、システム的な対策を講じております。また、個人情報保護に関する基本方針を定め、適正な入手と入手情報の管理体制を構築しております。個人情報保護法の改正動向やユーザーの個人情報に関する意識などを見極めながら、社内体制の整備を行ってまいります。

 

(15)内部管理体制の強化について(顕在可能性:小 / 影響度:中 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループは、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底してまいりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、規模の拡大に伴った適切な組織体制の構築と人員の配置により、当該リスクの低減を図ってまいります。

 

(16)配当政策について(顕在可能性:小 / 影響度:小 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループは会社設立以来、配当を実施しておらず、今後の配当の具体的な実施の有無等についても未定でありますが、将来にわたって経営環境、財政状態や内部留保の状況を勘案し、株主に対する利益還元を検討していくこととしております。しかしながら、将来的に安定的な利益を計上できない場合には、配当による利益還元が困難となる可能性があります。なお、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。

 

(17)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

(顕在可能性:小 / 影響度:小 / 発生時期:特定時期なし)

当社グループは、当社の役員、従業員に対して新株予約権を付与しており、提出日の前月末現在における新株予約権による潜在株式数は371,700株であり、発行済株式総数4,697,100株の7.91%に相当しております。今後もストック・オプションとしての新株予約権を付与する可能性があります。今後、既存の新株予約権や将来付与する新株予約権が行使された場合には、当社株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(18)商品の生産委託先の偏重について(顕在可能性:中/影響度:中/発生時期:中期的)

当社グループの商品の多くを中国の工場にて生産しております。そのため中国国内において、政治・地政学リスクの顕在化及び感染症等に係る政策等によりサプライチェーンが不安定になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)特定の人物に対する依存について(顕在可能性:小/影響度:大/発生時期:中期的)

当社の代表取締役社長である片石貴展は、当社グループの経営方針の決定、事業戦略の立案を中心に事業運営の中心的な役割を担っております。当社グループでは今後の事業拡大に備え、外部人材の登用、社内人材の育成など代表取締役を含め特定の役職員へ過度に依存しない体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により代表取締役が職務遂行をできなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、片石貴展から不動産賃貸借契約に対する債務保証を受けており、その詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載のとおりでありますが、当社グループは賃貸借契約に係る貸主との継続交渉により当該債務保証を解消していく方針であります。

 

 (20)人材確保について(顕在可能性:小/影響度:大/発生時期:中期的)

当社グループのブランドの開発並びに運営及びその商品の企画開発にあたって、従業員の貢献が最も大きく寄与します。企業間での採用競争が激しくなり必要とする人材を確保できなかった場合、又は、従業員の退職等によって必要な人材を確保できなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。裁量権を持った働き方など従業員の働きやすさの向上を目指し、従業員のエンゲージメントの向上に向けた施策を通じて人材の確保及び流出の抑制に努めてリスクの低減を図ってまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

 当連結会計期間末における流動資産は3,873,137千円となりました。主な内訳は、現金及び預金983,419千円、売掛金480,312千円、商品1,608,050千円であります。固定資産は2,692,410千円となりました。主な内訳は、有形固定資産613,437千円、のれん900,814千円、商標権749,146千円であります。

 この結果、総資産は6,565,547千円となりました。

(負債)

 当連結会計期間末における流動負債は2,507,449千円となりました。主な内訳は、買掛金481,831千円、短期借入金937,400千円、1年内返済予定の長期借入金429,564千円、未払金345,389千円であります。固定負債は1,962,899千円となりました。主な内訳は、長期借入金1,657,595千円であります。

 この結果、負債合計は4,470,349千円となりました。

(純資産)

 当連結会計期間末における純資産合計は2,095,198千円となりました。主な内訳は、資本金198,532千円、利益剰余金566,683千円、非支配株主持分1,050,035千円であります。

 この結果、自己資本比率は14.7%となりました。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善等に伴い経済情勢は緩やかな回復にあります。一方で、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の緊張によるエネルギー価格の高止まり等により食料品といった生活必需品が高騰し、消費者の生活防衛意識が高まってきております。

当社グループが属するアパレル業界におきましても、材料費や物流費の高騰に直面しており、経営環境は厳しさを増しております。訪日外国人観光客の回復によるインバウンド消費は増加傾向にある一方で、物価上昇の影響により消費者の購買意欲は弱まっております。

このような経済環境のなか、当連結会計年度の業績は、売上高8,306,109千円、営業利益671,475千円、経常利益646,103千円、親会社株主に帰属する当期純利益314,810千円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、983,419千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は537,913千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上626,923千円があった一方で、棚卸資産の増加額635,728千円や前渡金の増加額195,097千円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,109,457千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出497,221千円や有形固定資産の取得による支出278,861千円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は2,017,699千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,680,000千円や短期借入れによる収入937,400千円等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 当社グループは、アパレル事業の単一セグメントであります。

事業分野別の名称

仕入高(千円)

アパレル事業

3,823,862

合計

3,823,862

 

 

c.販売実績

 当社グループは、アパレル事業の単一セグメントであります。

事業分野別の名称

販売高(千円)

アパレル事業

8,306,109

合計

8,306,109

 

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、連結財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。

 

(商品評価損)

 当社グループは、商品について正味売却価額が取得原価を下回る場合、棚卸資産の簿価切下げに伴う評価損を計上しております。将来、正味売却価額について、市場動向の変化により見直しが必要となった場合、棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(のれんの減損)

 当社グループは、のれんについて3~9年間の均等償却を行っております。のれんを含むより大きな単位において事業計画どおりに業績が進捗せず、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとなっている場合や、経営環境が著しく悪化しているような場合には、減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたり慎重に検討することとしておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上原価及び売上総利益)

 当連結会計年度の売上高は8,306,109千円となりました。売上高の主な増加要因は、株式会社heart relationの連結子会社によるブランドポートフォリオの拡充やオフライン販売の強化によるものであります。

 売上原価は主に、商品の仕入であり、売上原価は3,193,839千円となりました。その結果、売上総利益は5,112,270千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,440,794千円となりました。販管費の主な増加要因は売上高増加に伴う手数料及び配送費用の増加等によるものであります。この結果、営業利益671,475千円となりました。

 

③資本の財源及び資金の流動性の分析

 当社グループの運転資金需要のうちの主なものは、商品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、金融機関に信用枠を設けており、当連結会計年度末の信用枠の合計は1,100,000千円でありますが、信用枠のうち800,000千円を利用しております。今後も、短期運転資金の水準を踏まえながら、金融機関からの信用枠の確保を進めてまいります。

 

 なお、当連結会計年度末における借入金の残高は3,024,559千円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は983,419千円となっております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。

 これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するブランド及び商品力の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。

 

⑤経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

 

5 【重要な契約等】

(株式会社heart relationの株式の取得)

当社は、2024年8月5日開催の取締役会において、株式会社heart relationが発行する株式の51.0%を取得し、子会社化することを決議しました。また、2024年8月16日付で株式譲渡を実行完了しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係) 」をご参照ください。

 

(資金の借入)

当社は、2024年8月5日付開催の取締役会において、以下のとおり、資金の借入について決議いたしました。また、2024年8月8日付にて融資契約を締結し、2024年8月16日付で借入を実行しております。

借入先

株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、

株式会社りそな銀行

借入総額

1,680百万円

借入日

2024年8月16日

返済日

毎月元金均等返済

返済期間

84ヶ月

利率

基準金利+スプレッド

担保・保証の有無

買収対象会社株式担保、買収対象会社特定債務保証

 

 

(コスメブランド『minum』の事業譲受)

当社は、2024年12月13日開催の取締役会において、当社と株式会社i.Dとの間で事業譲渡契約を締結することについて決議し、2024年12月14日付で事業譲受を実行完了しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。