第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは「ユニークな発想で新しい価値を創造する」ことをミッションとし、絶えず独創的、革新的な研究と技術力の向上に努め、“あらゆる表面のリノベーション&イノベーションカンパニーへ”発展する事を2030ビジョンとして定めております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは2030ビジョン実現に向けた経営基本方針として、サステナビリティ基本方針と中期経営計画基本方針を策定しております。

[サステナビリティ基本方針]

① 環境対応重視の事業展開

② 人的資本経営の実現

③ 責任ある事業活動

[中期経営計画基本方針]

① 環境対応を重視した「機能・技術」と「市場」を掛け合わせた事業拡大

② 「人的資本」を中核経営基盤と位置付け

③ 社会の一員としての責務、社会と顧客からの信頼獲得

 

(3)経営環境

当社グループは、経営をとりまく環境として、以下のように認識しています。

① 環境意識の高まり(SDGs実現に向けたESGやカーボンニュートラルへの対応、世界的な環境規制の強化)

② 技術革新の進展(塗装レス技術、高効率塗装技術、デジタル技術による多方面での大きな影響)

③ 働き方・ライフスタイルの多様化、少子高齢化の進展

④ 安全・品質、コンプライアンスに対する要求水準の高まり

⑤ 政治・経済の先行き不透明さ、不確実性の増大や地政学リスク(原材料調達や輸出入、新設住宅着工件数等の個人消費の低迷)

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2030ビジョン達成に向け、以下を重点課題として設定しております。

①環境対応を重視

 当社製品を使用するユーザーに対し、「低VOC、工程短縮、低温焼付塗料」・「高耐久性、省エネ型塗料」といった環境配慮型製品を提供して行く他、「蒸留事業拡大」・「廃棄物削減」により循環型社会の実現を図ってまいります。

②技術革新の進展を見据えた研究開発・製品開発

 祖業の塗料で培った「ポリマー合成技術」・「分散技術」・「コーティング技術」・「色彩技術」の4つの要素技術を組み合わせ、技術革新の進展を見据えた研究開発体制を構築してまいります。

 また新たな材料・製法を活用し、機能性や意匠性、質感を追求した、独自性のある高付加価値製品を開発してまいります。

③特徴ある機能・技術を市場にシンクロさせた事業拡大

 塗料事業においては、環境配慮型製品の提供を拡大して行く他、印刷技術のデジタル化に対応したインクジェット商材により事業拡大を図ってまいります。またファインケミカル事業においては、当社の要素技術と応用技術を活かし、塗装レス技術への対応を進めるとともに、電子材料・モビリティ分野での事業拡大に注力してまいります。蒸留事業においては、地域ごとの効率の良い廃液回収と蒸留前処理の改善を図るとともに、より純度の高い蒸留技術にチャレンジし、高純度リサイクル溶剤に対する需要増に応えてまいります。

④人的資本経営の実現

 持続的成長を支える根幹は人的資本にあるとの認識の下、経営基盤としての人的資本の充実を図り、絶え間なくリノベーションとイノベーションを生み出せる組織を構築してまいります。

 

⑤社会の一員としての責務の遂行

 (安全第一)

 会社の基盤を健全に維持し、持続的に発展して行くために、従業員の安全確保と健康の保持・促進を図ってまいります。

 (品質保証)

 絶えず現場力の向上を図り、お客様から信頼される品質の製品とサービスの提供を目指してまいります。

 (コンプライアンス)

 国内外の各拠点で現地の法令を遵守し、社会の一員として、倫理的に事業活動を行う方針を徹底してまいります。また「内部通報制度」や「代表取締役社長直轄の内部監査室」を設置し、企業内の不正・不祥事の早期発見・是正やリスク低減を図っております。

⑥国内外の生産体制の強化・最適化

 政治・経済の先行き不透明さ、不確実性の増大や地政学リスクの高まりを踏まえ、グループ全体の国内外の生産体制の強化・最適化を図ってまいります。

 なお、国内の老朽化した設備については、今後の生産増や高品質化が求められる製品にもフレキシブルに対応可能な生産設備(自動化・省人化、DX活用)へのリニューアルの検討を開始しております。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、独創的な高付加価値製品を開発し、生産性の向上を推進するなかで収益率を重視した経営を目指し、2027年10月期までにEBITDA28億円、ROE6%前後(株主資本コストと同水準)を目標としております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループはサステナビリティ委員会を設置し、同委員会は持続可能な社会の実現(SDGs実現に向けたESGやカーボンニュートラルへの対応等)に対し優先的に対処すべき取組み課題を協議し、施策の決定と進捗管理を行っております。

 また同委員会は、決定した施策および進捗状況について経営会議に報告を行うこととしております。

 

(2)戦略

 当社グループは、以下の重点課題と経営戦略を照らし合わせ具体的な取り組みを行っております。

①気候変動・環境への取組み

 ・環境配慮型製品の展開

 ・循環型社会の実現

 ・脱CO2に向けた継続取組

 

②人材の育成・社内環境整備

 当社グループは持続的成長を支える根幹は人的資本にあるとの認識の下、経営基盤としての人的資本の充実を図り、絶え間なくリノベーションとイノベーションを生み出せる組織であり続けることを基本とし、運営方針を以下に定めております。

1.経営戦略と連動した人事運営

 2030ビジョン実現、更にその先を見据えた中長期的視点での人材育成として“グローバル人材”、“プロフェッショナル人材”、“リーダーシップ人材”を計画的に育成していきます。

2.多様性を前提とした「人材育成」と「風土づくり」

 女性、シニアの活躍を推進し、グローバル人材の採用に取り組んでまいります。

3.企業文化としての浸透と定着

 人事制度改革に着手し、“挑戦”を楽しむ企業文化の創造に努めてまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループはサステナビリティに関連するリスク管理について、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ロ.」に記載のリスク管理委員会にてリスク管理を行っております。

 

(4)指標及び目標

  当社は2030年に向け、以下の目標を設定いたしました。

 ①気候変動・環境に関する指標と目標

(単位:t-CO2)

年度

Scope1

Scope2

Scope1,2 計

2013年度(基準年)

816

3,999

4,815

2023年度実績

270

1,481

1,751

2024年度実績

277

1,507

1,784

2030年度目標

GHG排出量(Scope1&2)50%削減

2,407

 

 ②人材の育成・社内環境整備に関する指標と目標

指標

目標

第79期 実績

管理職に占める女性の割合

10以上

0.0

正社員に占める女性の割合

15以上

9.3

男性労働者の育児休業取得率

85以上

43

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 需要業界の動向について

 当社グループの製品は、金属、機械、電機・電子、住宅、自動車を始め多分野の業界において生産財として使用されており、これらの業界の需要が低迷した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 新製品開発について

 当社グループは顧客や市場のニーズに対応した新製品・新技術の開発を行っておりますが、急激な技術の進歩、代替製品の出現等により最適な時期に最適な新製品の提供ができなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製品・原材料価格について

 当社グループの製品市場において需要の変化、競争の激化等の要因により、販売価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの製品の生産に使用する原材料には石化原料が多く、原油価格や為替の動向が大きく影響を与えます。市況によって原材料価格が上昇した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 法的規制等について

 当社グループは国内外の事業拠点及び販売先でさまざまな法的規制の適用を受けております。また、地球環境や生物多様性、社会システムなどに影響を及ぼす要因に対し、社会的ルールも遵守すべきと考えています。これらの法的規制等を遵守できなかった場合及び予期しない法律又は規制等の変更が行われたとき、事業活動が制限される可能性があるとともに、法的規制等を遵守するための費用が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 海外事業について

 当社グループは韓国、中国、フィリピン、タイ、ベトナムにおいて事業活動を行っており、人材の採用と確保の難しさ、その他経済的、社会的及び政治的混乱等のリスクが内在しております。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 為替相場の変動について

 当社グループは韓国に支店、中国、フィリピン、タイ、ベトナムに子会社を設置しており、外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しております。したがって換算時の為替相場の変動により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(7) 製造物責任について

 当社グループは、厳格な品質管理基準のもとに製品の製造を行っておりますが、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対の保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような製品の欠陥は、多額の費用や当社グループの製品の信頼性や社会的評価に重大な影響を与えることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 大規模災害等について

 当社グループの製造拠点等の主要施設については、防災訓練及び定期的な災害防止活動や設備点検を行っておりますが、地震や水害などの災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。また、耐震対策を進めておりますが、大規模地震が発生した場合には、甚大な損害を受け、生産活動の停止や製品供給の遅延、製造拠点の修復等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年11月1日~2025年10月31日)における世界経済は、ウクライナや中東情勢の長期化、中国経済の減速、米国の通商政策等の動向を受け、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 わが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により緩やかな回復が続きましたが、不安定な国際情勢、原材料及びエネルギー価格の高止まり、物価の上昇等、経済に与える影響が引き続き懸念され、依然として予断を許さない状況にあります。

 このような状況のもと、当社グループは、当社のミッション「ユニークな発想で新しい価値を創造する」を起点に、サスティナビリティ方針と中期経営計画(2025~2027年度)を策定いたしました。このサスティナビリティ方針と中期経営計画は、「Ⅰ.環境対応方針」、「Ⅱ.人的資本経営」、「Ⅲ.責任ある事業活動」の3つの柱から構成されます。これらの方針に基づく施策を着実に実行するとともに、M&A等の戦略投資、成長投資(DX投資・R&D投資・人的資本投資)、更新投資などに対し経営資源を効率的に配分することで、中長期的な事業価値向上に努めてまいります。また、本年6月30日には、三丸化学株式会社の議決権66%の株式を取得し子会社化いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態、経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,197百万円増加し、31,026百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ185百万円増加し、6,441百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,012百万円増加し、24,584百万円となりました。

 

b.経営成績の状況

 当連結会計年度の売上高は22,275百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益1,398百万円(前年同期比13.4%増)、経常利益1,509百万円(前年同期比9.6%増)、上記の子会社化による負ののれん発生益を101百万円計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は1,137百万円(前年同期比19.0%増)となりました。

 

  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

  塗料事業

金属用塗料分野では、焼き付け塗料や遮熱塗料での新規案件の獲得や工作機械向けやボンベ向けの塗料の需要が増えたことで、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。建材用塗料分野では、主力ユーザーの国内向けの需要増や2024年7月1日付でDICグループから内装建材用塗料の販売事業を譲り受けたことにより、売上高は前年同期に比べ増加いたしました。セグメント利益は、売上高の増加により前年同期に比べ増加いたしました。

この結果、塗料事業における当連結会計年度の売上高は14,295百万円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は1,163百万円(前年同期比32.6%増)となりました。

  ファインケミカル事業

光学フィルム向けのコーティング剤は堅調であったものの、モビリティ(自動車関連)向けのコーティング剤の低迷により、売上高及びセグメント利益は前年同期に比べ減少いたしました。

この結果、ファインケミカル事業における当連結会計年度の売上高は2,484百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント利益は536百万円(前年同期比17.7%減)となりました。

 

  蒸留事業

車両関係の生産低迷による需要減はあるものの、既存顧客の需要増や新規顧客の獲得、2025年6月30日付で三丸化学株式会社がナトコグループに加わったことにより、売上高及びセグメント利益は前年同期に比べ増加いたしました。

この結果、蒸留事業における当連結会計年度の売上高は5,494百万円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は489百万円(前年同期比30.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,259百万円増加し、当連結会計年度末には7,809百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は1,592百万円の収入に対し、前年同期比254百万円収入が増加し、1,847百万円の収入となりました。これは主に、売上債権の減少額の増加、役員退職慰労引当金の増加額の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は789百万円の支出に対し、前年同期比577百万円支出が減少し、211百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入の増加によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は413百万円の支出に対し、前年同期比15百万円支出が減少し、398百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払の減少によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

14,206,221

12.3

 

金属用塗料(千円)

6,161,973

5.5

 

建材用塗料(千円)

7,630,328

14.5

 

その他(千円)

413,920

186.3

ファインケミカル事業(千円)

2,412,937

△9.3

蒸留事業(千円)

5,489,022

4.2

合計(千円)

22,108,181

7.5

 (注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の実績のうちには、外注生産によるものが各種類ごとに含まれております。

 

b.受注実績

 当社グループは、主として見込生産によっており、受注高及び受注残高について特に記載すべき事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

前年同期比(%)

塗料事業(千円)

14,295,418

11.7

 

金属用塗料(千円)

6,251,041

5.6

 

建材用塗料(千円)

7,633,686

13.3

 

その他(千円)

410,690

184.0

ファインケミカル事業(千円)

2,484,809

△7.3

蒸留事業(千円)

5,494,773

4.2

合計(千円)

22,275,001

7.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年11月1日

至 2024年10月31日)

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ニチハ株式会社

4,838,496

23.3

5,358,009

24.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は21,112百万円となり、前連結会計年度末に比べ378百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が557百万円、電子記録債権が110百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が125百万円、有価証券が600百万円、信託受益権が300百万円減少したことによるものであります。固定資産は9,914百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,575百万円増加いたしました。これは主に、土地が256百万円、長期預金が1,147百万円、投資有価証券が186百万円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は31,026百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,197百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は5,771百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が24百万円、未払金が31百万円、未払法人税等が30百万円、賞与引当金が38百万円増加したものの、その他流動負債が195百万円減少したことによるものであります。固定負債は670百万円となり、前連結会計年度末に比べ237百万円増加いたしました。これは主に、その他固定負債が191百万円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は6,441百万円となり、前連結会計年度末に比べ185百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の合計は24,584百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,012百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を1,137百万円計上した一方で、配当金の支払392百万円があったこと、その他有価証券評価差額金が65百万円、為替換算調整勘定が21百万円、非支配株主持分が167百万円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は78.7%(前連結会計年度末は79.0%)となりました。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は22,275百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 この内訳といたしましては、塗料事業の売上高が14,295百万円(前年同期比11.7%増)、ファインケミカル事業の売上高が2,484百万円(前年同期比7.3%減)、蒸留事業の売上高が5,494百万円(前年同期比4.2%増)であります。

 概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(営業利益)

 売上原価は17,305百万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に売上高の増加に伴う原材料費の増加や生産設備に係る修繕費用の増加によるものであります。また、売上原価率は77.7%(前連結会計年度は78.1%)となりました。

 販売費及び一般管理費は3,571百万円(前年同期比7.8%増)となりました。これは主に物流コストの上昇や三丸化学株式会社の株式取得のための費用計上や人件費の増加によるものであります。

 この結果、当連結会計年度における営業利益は1,398百万円(前年同期比13.4%増)となりました。

(経常利益)

 営業外収益は125百万円(前年同期比15.6%減)となりました。主な内容としては、受取利息80百万円、受取配当金22百万円であります。

 営業外費用は14百万円(前年同期比273.9%増)となりました。主な内容としては、為替差損7百万円であります。

 この結果、当連結会計年度における経常利益は1,509百万円(前年同期比9.6%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 特別利益は118百万円となりました。主な内容としては、負ののれん発生益101百万円であります。

 特別損失は54百万円となりました。主な内容としては、固定資産処分損45百万円であります。

 この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,137百万円(前年同期比19.0%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

2021年10月期

2022年10月期

2023年10月期

2024年10月期

2025年10月期

自己資本比率(%)

78.4

78.3

78.9

79.0

78.7

時価ベースの自己資本比率(%)

47.3

41.0

36.8

35.3

38.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.1

0.1

0.1

0.1

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

600,145

596,953

318,722

6,382

1,901

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは、生産設備等の設備投資であります。

 これらの運転資金や投資資金は、自己資金により充当することを基本方針としておりますが、必要に応じて資金調達を行ってまいります。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は335百万円となっております。

 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,809百万円となっております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため客観的な指標等

 当社グループは、独創的な高付加価値製品を開発し、生産性の向上を推進するなかで収益率を重視した経営を目指し、売上高営業利益率15%、海外売上高比率30%を目標としておりました。

 当連結会計年度の売上高営業利益率は6.3%(前年同期5.9%)、海外売上高比率は15.5%(前年同期17.2%)となりました。

 なお、2024年12月13日公表の中期経営計画(2025~2027年度)においては、2027年10月期までにEBITDA28億円、ROE6%前後(株主資本コストと同水準)を目標としております。

 当連結会計年度におけるEBITDAは21億円、ROEは4.7%となりました。

 

5【重要な契約等】

(株式取得による会社等の買収)

当社は、2025年3月27日開催の取締役会において、三丸化学株式会社の発行済株式の66%を取得することを決議し、2025年6月30日をもって三丸化学株式会社を子会社化しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、地球・人にやさしい環境配慮型製品の開発、業界でのシェア向上に向けた差別化商品の開発、更に各業界で要求される高度な機能を備えた高分子材料技術及び製品の開発に取り組んでおります。

 当社グループの研究開発体制につきましては、「ポリマー材料技術」を根幹に「分散技術」「コーティング技術」「色彩技術」の各分野にわたる長期的な基礎研究は研究所が担当しており、顧客ニーズを反映した商品企画、開発、改良が必要とされるテーマは各事業の開発部門が担当しております。

 当連結会計年度における研究開発費は997百万円であり、セグメントの状況は次のとおりであります。

①塗料事業

 環境配慮型製品の取り組みとして、低温焼付化、塗装工程の短縮、素材長寿命化、熱、エネルギー対策をキーワードに販路の拡大する商材開発に取り組んでまいりました。また、新分野への展開をはかるため、インクジェット仕様の充実やバイオマス樹脂を活用した塗料、LED硬化塗料の開発に取り組んでまいりました。

 当事業に係る研究開発費は288百万円であります。

②ファインケミカル事業

水系コーティング剤やハイソリッド塗料に代表される環境配慮型コーティング剤の開発や、新規機能性と意匠性を併せ持つコーティング剤の用途開発に取り組んでまいりました。

 当事業に係る研究開発費は284百万円であります。

③蒸留事業

 有機溶剤から不純物を効率的に除去しリサイクルを推進する生産技術開発に取り組んでまいりました。

 当事業に係る研究開発費は1百万円であります。

④基礎研究

基礎研究は「ポリマー材料技術」「分散技術」「コーティング技術」「色彩技術」の4つの要素技術に特化し、得られた知見を塗料事業、ファインケミカル事業に活用しております。

「ポリマー材料技術」では構造制御技術を活用した特徴ある機能性ポリマーの開発、「分散技術」では塗料に適した分散ポリマーの開発、「コーティング技術」ではインクジェット印刷適正に合わせたインク開発、「色彩技術」では触感付与や高輝意匠の開発に取り組みました。

また、塗装レス加飾やオンデマンド加飾については、事業化を目指し、傷防止、遮熱、赤外透過と独自性のあるプラスチック成形用添加剤を開発し、フィルム材料とともに基盤確立を進めました。

これら4つの要素技術は相互の連携を図るとともに、各事業部と協力し、製品の開発に取り組んでおります。

 基礎研究に係る研究開発費は422百万円であります。