第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、当社グループの直営店事業部門、プロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、ステークホルダーの皆様にシアワセを届けてまいります。当社グループでは「元気と笑顔と〇〇で、シアワセを届ける。」というミッションを従業員に与え、それぞれの立場、役割に応じて「〇〇」での部分を自ら考え、シアワセを届ける行動を促しております。

 当社グループでは、直営店事業部門において、いつも美味いと言っていただける味の追求は勿論のこと、ご来店いただいたお客様に対して、エンターテイメント性や笑顔が溢れる店舗空間において、きめ細やかな気遣いを感じていただけるサービスを提供しております。また、プロデュース事業部門においては、当社グループに蓄積された繁盛店ノウハウをプロデュース店に惜しみなく注ぎ、常に美味しいラーメンが提供される地域で愛される店舗づくりに貢献しております。

 当社グループにおける、このような取り組みを通して一人でも多くのお客様に数多く足を運んでいただき、お客様に満足していただくことで、当社グループとしての事業の拡大を図り、企業価値の向上につなげてまいりたいと考えております。

 

(2)経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の減速感が広がり、主要各国の金融政策の転換や通商政策の変動など、不確実性の高い国際環境の下で推移いたしました。特に米国においては、第2次トランプ政権誕生後の通商政策見直しに伴い、対日輸入品への新たな関税措置が導入され、わが国輸出企業の業績および国内製造業の生産活動に影響を及ぼすなど、外需を巡る環境は全般的に逆風が続いております。また、外国為替市場におきましては、米国の金利動向や世界的な資金流動性の変化を背景に、年度を通じて円安基調が継続していることから、依然として企業の輸入コストや消費者の生活コストに影響を与える水準にあり、原材料・食料品価格の高止まりを通じて物価に一定の上昇圧力を残す要因となりました。

わが国の消費者物価は、エネルギー価格のピークアウトにより輸入物価の押し上げは一服しつつも、人件費やサービス価格上昇を背景に総じて高めの伸びが続きました。特に外食、宿泊、運輸などサービス関連の価格は、人手不足や賃上げの進展を反映して上昇がみられ、物価の構造的な押し上げ要因となったことから、実質消費の伸びは力強さを欠き、消費者心理の改善も緩やかなものにとどまりました。こうした状況下、本年10月に積極財政を掲げる高市政権が発足したことにより、東京証券取引所における日経平均株価は、5万円台の大台を付ける等、経済政策への期待が高まっております。一方、日本銀行は本年1月に見直した政策金利0.5%をその後の金融政策決定会合においても据え置く判断を継続しており、緩和的な金融環境が維持されております。また、労働市場につきましては、就業者数の増加や有効求人倍率の高水準維持など、雇用環境は総じて堅調に推移いたしました。2025年春闘においては、2024年春闘を上回る高水準の賃上げが実現し、2年連続で定昇込み5%台の賃上げとなり、定昇除く賃上げ分は過年度の物価上昇を概ね上回ったものの、実質所得の改善は限定的に留まりました。

内閣府が発表した2025年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値(物価変動の影響を除いた実質の季節調整済み前期比)は0.4%減(年率換算1.8%減)と、6四半期ぶりのマイナス成長となりました。主な要因として輸出の落ち込み、住宅投資の減少等が上げられ、輸出においては、米国の一連の関税措置の影響により自動車等の輸出減が生じ、住宅投資においては、4月の建築基準法等の法改正前の駆け込み需要の増加に対する反動により減少を招いております。但し、当該期間に生じた6四半期ぶりのマイナス成長については、一過性であるとの見方が多く、エコノミストの間では2025年10~12月期においてプラスに転じるとの予想が優勢な状況にあります。また、訪日外国人観光客数については、過去最高水準を維持しており、本年1~10月の訪日外国人客は、日本政府観光局によると10か月累計で3,550万人を超え、前年同期比17.7%増となりました。円安を背景に日本の物価水準が相対的に割安となったことで、訪日客による旅行・宿泊・飲食等のサービス需要が拡大し、サービス輸出の増加を通じて外需の下支え要因となりました。

一方、世界経済に目を向けると、本年1月に米国で第2次トランプ政権が発足し、通商政策の見直しが進められました。対中関税の維持、調整に加え、日本や欧州など主要貿易相手国に対しても追加的な関税措置が講じられたことで、国際貿易の先行きには不透明感が広がっております。また、中東情勢やウクライナ情勢を巡っては、停戦や対話の枠組みを模索する動きがあるものの、依然として紛争は継続し、情勢は予断を許さない状況にあります。こうした地政学的リスクの長期化は、エネルギー価格や資源市況の変動要因の一つとなり、世界経済の不確実性を高める要因となっております。

米国においては、2025年10月より約43日間に及ぶ長期の連邦政府閉鎖が発生し、多くの行政サービスが停止したことにより、GDP(国内総生産)速報値を含む主要統計の公表が遅延しております。GDP速報値が判明しない状況下において、トランプ政権発足後に進められてきた関税措置が、GDPの約7割を占める個人消費、設備投資、雇用環境にどのような影響を及ぼしたのかについては、統計開示の再開が待たれる状況です。こうした中、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、本年開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)において7月会合まで利下げを見送ってきましたが、国内景気の減速やインフレ率の鈍化を背景に9月、10月開催のFOMCにおいて2会合連続でFF金利(フェデラルファンド金利)を0.25%ずつ下げ、誘導目標を3.75%~4.00%に改定する決定を下しました。

中国においては、中国国家統計局が発表した2025年7~9月期のGDP(国内総生産)速報値が前年同期比4.8%増と政府目標(5.0%増)を下回り、4~6月期の5.2%増からも伸びが鈍化いたしました。個人消費が力強さを欠くなか、不動産市場の調整が長期化していることが引き続き景気の重石となっております。こうした状況下、中国政府は、トランプ政権が進める関税政策により米中間の貿易摩擦が意識される中でも、景気を下支えする政策を適宜講じつつ、過度な大型刺激策には慎重な姿勢を維持し、内需拡大や構造改革を通じた持続的な成長への転換を模索する状況にあります。

わが国における外食産業は、物価高によるコストプッシュ圧力が依然として続いており、仕入価格の高止まりに加え、物流費や人件費の上昇が収益を圧迫しております。特に、異常気象による収穫量の低下や生産コスト増を背景に、コメを中心とした一部農産物の価格が2024年末から2025年初頭にかけて上昇したことにより、主要食材の価格転嫁を巡る経営判断が重要な課題となっております。また、インバウンド需要の急増により観光地や都市部の店舗では来店者数が増加し、客単価も上昇するなど堅調な動きがみられる一方、地方や郊外立地では価格上昇に対する消費者の感応度が高く、価格設定の難しさが続いております。さらに、労働市場では人手不足が続く中、最低賃金の地域別引き上げに伴い、パート・アルバイトを中心とした人件費の上昇がコスト構造に影響を与えております。このように飲食業界では、価格改定を進めつつ、来店客数の維持や店舗オペレーションの効率化により、コスト上昇を吸収する取り組みが求められております。

当社グループは、こうした外部環境の変化に柔軟に対応すべく、機動的な価格改定による収益構造の維持、提供商品の鮮度向上と物流コストの低減を目的としたSCM(サプライチェーン・マネジメント)体制の強化、積極的な新規出店、出店を支える適正人員数の確保といった飲食企業が直面している各種重要経営課題に対して真摯に向き合い、精力的に課題解決に取り組んでまいりました。特にこれまでも実施してきた価格改定については、慎重且つ段階的な対応を戦略的に進めたことにより、客足への悪影響を最小限に抑えることができ、当連結会計年度における国内直営店の既存店売上高(改装店除く)は前年同期比105.8%を達成し、新店出店効果を発揮して全店売上高ベースでは129.5%と堅調な収益拡大を図ることができました。これにより、コメを始めとする農産物の価格高騰、人件費の上昇といったコスト上昇圧力が高まる中においても、前期同様の十分な利益構造を維持しております。当社グループは、今後においても提供商品に対するお客様満足度を常に意識した価格戦略を展開してまいります。加えて、3本柱となった横浜家系ラーメン業態の「町田商店」、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」、油そば業態の「元祖油堂」に留まらず、次なる業態、ブランドの開発を常に進めながら、駅近立地、ロードサイド立地、商業施設内立地とあらゆるジャンルの出店立地を精力的に模索し、事業拡大を図ってまいります。

また、当社グループ直営店並びにプロデュース店への供給体制についてもビジネス効率、BCP(事業継続計画)等の総合的観点から、ここ数年、立地、生産品目等、生産体制の戦略的見直しを図っており、当連結会計年度においては、前期に生産体制を整えた国内6工場に加え、本年4月に神栖スープ工場、6月に桑名製麺工場を立ち上げることとなりました。製麺工場5拠点、チャーシュー工場1拠点、スープ工場2拠点となった国内8工場体制に対して、今後も生産拠点増設、生産品目の増加等を積極的に図ってまいります。さらに、当社グループでは、戦略的SCMの視点をもって物流効率、物流コスト、物流リードタイムの大幅改善を進めており、これまで配備を進めてきた関東、中京、関西、東北の物流倉庫と前述の生産体制の最適連携を絶え間なく進めてきたことから、直営店舗、プロデュース店舗に対して効率的な後方支援体制を整えるに至っております。また、前期より進めている店舗での提供商品の品質安定化を目指したIH機器への切り替えを、当連結会計年度においても順次進めており、店舗内オペレーション、お客様の快適性を増すための店舗改装を引き続き積極的に行ってまいりました。

当社グループが出店する各種業態は、大幅な増店の中でも前年度の既存店売上高および客数を維持する状況にありますが、最大の懸案は、新規出店加速、既存店の店舗クオリティ維持を両立させるための適正人員数を労働市場から遅滞なく確保していけるかという点であり、そのためにも渋谷に本社を構え、人材確保を適時適切に図っていく所存です。

以上のように、直営店やプロデュース店の出店戦略に留まらず、生産体制、物流体制、本社体制においてもグループ力強化を図ってまいりました当社グループは、従業員の雇用確保、積極的な新規出店等、独自の事業活動を展開することができ、堅調な業績を確保することとなりました。当連結会計年度におきましては、国内の直営店、プロデュース店ともに店舗数を増加させることにより、売上拡大を図ることができました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、国内事業のオーガニックな成長と海外事業の積極展開により、中長期的な目指すべき姿として「世界中に最高のラーメンをお届けできる企業」を掲げており、長期的スパンでの、世界のラーメンマーケットでシェア50%(国内シェア50%、海外シェア50%)の獲得を目指しております。

そのマイルストーンして、2028年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、以下の施策を重要テーマとして認識し、更なる企業価値向上を目指してまいります。

重点テーマ

取組みの概要

関連指標

既存事業の拡大

・1店舗あたりの品質向上
・営業時間の延長(24時間営業の試験的導入含む)

・売上高成長率
・売上高営業利益率

・ROE(自己資本当期純利益率)

人材の確保

・採用力強化
・離職率低下に向けた施策

・売上高成長率

出店力の強化

・モデル開発出店による既存業態の出店ポテンシャル拡大

・M&Aや自社開発の新業態による出店ポテンシャルの拡大

・売上高成長率

海外展開の加速化

・海外人材の採用、育成
・食材供給体制の構築

・売上高成長率

製造体制の強化

・製造コスト削減
・製造品質の向上
・安定供給体制(エリア別安定供給体制の構築)

・売上高営業利益率

・ROE(自己資本当期純利益率)

購買、 物流体制の強化

・物流コストの最適化
・配送頻度、配送品質の向上(365日・翌日納品)
・自動発注による単純化・標準化の推進・仕入れのスケールアップによる食材品質アップ、コストダウン

・売上高営業利益率

・ROE(自己資本当期純利益率)

DXの推進

・AIを利用した管理体制の構築

・売上高成長率
・売上高営業利益率

・ROE(自己資本当期純利益率)

サステナビリティへの取り組み

・サステナビリティ経営の推進と開示の充実化

・売上高営業利益率

・ROE(自己資本当期純利益率)

 

(4)優先的に対処すべき課題

当社グループでは、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、以下の課題について重点的に取り組んでまいります。なお、成長戦略を構成する新規出店等の投資につきましては、営業活動から生じるキャッシュ・フローと金融機関からの借入を中心とする財務活動から生じるキャッシュ・フローで賄える見込みであります。

 

① 人材確保に向けた取り組み

当社グループの属する外食産業においては、人手不足による人材の奪い合いや人件費の上昇など、人材の確保及び定着に対して厳しい状況が続いております。人材確保につきましては、最重要経営課題であると認識しており、採用力の強化、離職率低下、教育システムの改良の面から、あらゆる角度からアプローチを行っていく所存です。具体的には、キャストからの正社員登用、外国人の採用及び教育、賃上げ、店内労働環境改善に一層重点的に取り組んでまいります。これらにより、新規出店を支える人材の確保と定着を実現してまいります。

 

② 購買・物流体制の強化

当社グループは食材を調達・加工・調理しお客様にラーメンを提供しておりますが、食材の調達においては、世界的なインフレによる価格高騰や天候不順や自然災害等による一部の食材の需給逼迫が懸念されます。店舗数が拡大してきたことにより、仕入量が増加しており、規模のメリットを生かした仕入条件の良化により、食材の確保、コストコントロールに取り組んでおります。また、当社グループは日本国内各地に直営店舗やプロデュース店舗を多数有しておりますが、出店地域の拡大とともに、配送の遅延による欠品リスクや配送コストの高騰による収益性の悪化が懸念されます。

配送においては、SCMの視点をもって物流効率、物流コスト、物流リードタイムの大幅改善を進めており、日本各地に4物流センターを配置し、配送の効率性を向上させるとともに、配送頻度・配送品質の向上にも取り組み、お客様に、クオリティの高いラーメンをなるべく安価に提供できる体制を整えてまいります。

 

③ サステナビリティへの取り組み

当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、直営店事業部門ならびにプロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、すべてのステークホルダーの皆様に美味しいラーメンでシアワセを届けてまいります。現在の世界情勢に目を配れば、一部地域において戦争や紛争等のいたましい出来事が勃発しており、加えて、気候変動や食糧危機など様々な社会・環境課題にも直面しております。こうした状況下、当社グループにおいては、上述の企業理念に基づく精力的な事業活動を通して、こうした課題と真摯に向き合うことにより、持続可能な社会の実現、豊かな食文化の発展に貢献してまいりたいと考えております。さらには当社グループの持続的な成長や企業価値向上をもたらすべく、サステナビリティ活動にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、国内事業のオーガニックな成長と海外事業の積極展開により、中長期目標として、“世界中に最高のラーメンをお届けできる企業”を目指し、2028年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、事業拡大並びに企業価値向上を目指し、成長性に収益性を加えて、投資収益性を重要な経営指標と位置付けております。

・売上高成長率         20.0%以上

・売上高営業利益率       10.0%以上

・ROE(自己資本当期純利益率)  20.0%以上

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、当社グループの直営店事業部門、プロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、すべてのステークホルダーの皆様に美味しいラーメンでシアワセを届けてまいります。現在の世界情勢に目を配れば、一部地域において戦争、紛争等のいたましい出来事が勃発しており、加えて、気候変動や食糧危機など様々な社会・環境課題にも直面しております。当社グループにおいては、上述の企業理念に基づく精力的な事業活動を通して、サステナビリティに関する課題と真摯に向き合うことにより、持続可能な社会の実現、豊かな食文化の発展に貢献してまいりたいと考えております。さらには当社グループの持続的な成長や企業価値向上をもたらすべく、サステナビリティ活動にも積極的に取り組んでまいりたいと考えます。

また、当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、環境保全を重要な経営課題の一つと捉え、当社取締役会で決議された以下の方針に基づいて事業活動を推進します。

1.環境法令・規範に対するコンプライアンス

 環境に関する各種法令、規範等を遵守し、事業活動を行います。

2.環境への配慮

 事業活動が環境に与える影響を考慮し、グループ全体で以下に取り組みます。

・CO₂排出量の削減

・エネルギー使用量の削減

・資源の有効活用(資源の効率化、廃棄物の削減、節水)


・環境汚染の防止

3.環境教育の推進

 環境意識の向上に努め、従業員一人ひとりが環境に配慮した行動ができるよう、啓発活動を推進します。

4.環境マネジメントと情報開示

 各成長段階に応じた環境目標を設定し、定期的に見直しながら、継続的に環境負荷の軽減を目指します。

これらの環境方針に基づき、私たちは地球環境と共存する持続可能なビジネスを追求してまいります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関するガバナンス体制として、「サステナビリティ推進委員会」(以後、「推進委員会」という。)、並びに「サステナビリティ実務委員会」(以後、「実務委員会」という。)を設置しております。推進委員会は、当社代表取締役社長を委員長、当社取締役(監査等委員を除く。)を委員、経営企画室を事務局として構成されます。実務委員会は、推進委員会によるサステナビリティ活動の実効性を高めるべく、当社取締役兼経営企画室長を委員長、本社バックオフィス部門のスタッフを委員、サステナビリティ推進課を事務局とし、推進委員会の下部組織として設置しており、月に複数回程度開催しております。

実務委員会では、当社グループにおけるサステナビリティにかかるリスクと機会を補足し、各種活動の提案を推進委員会に対して積極的に行うことを目的としております。また、実務委員会からの提案を受け、推進委員会では各種活動のプライオリティを定め、意思決定機関である取締役会にサステナビリティ活動方針を答申するとともに取締役会よりサステナビリティ活動の推進にかかる執行権限の委譲を受け、サステナビリティ活動への取り組み、各種課題への対応を協議し、各業務執行部門にサステナビリティ活動の実施を指示しております。また、決定された各種サステナビリティ活動に対して、実務委員会では活動状況をモニタリングし、その進捗状況を、重要項目については月に一回、各種活動の進捗状況については四半期に一回、推進委員会に報告しております。推進委員会は、これらの報告内容を踏まえ、月に一度および四半期に一度、取締役会に報告しております。

 

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(2)戦略

当社グループは、持続可能な社会づくりに貢献すべく、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)を重視した経営に取り組むとともに、SDGsも踏まえたサステナビリティ活動を推進してまいります。特に飲食業者としての事業特性を認識し、食品廃棄ロスの低減、食品廃棄物のリサイクル、環境に配慮した製品開発等を重要課題と位置付け、推進委員会を中心にグループ全体にて取り組んでまいります。

また、近年、持続可能な成長や社会的責任への関心が一層高まっていることを受け、当社グループとしてもその重要性を強く認識しております。この認識に基づき、ESG評価機関の評価項目を参考に、社会課題や事業活動における課題を洗い出し、社会的関心度と当社グループにとっての重要性を軸に優先順位を検討しました。その結果、下記の通り、特に優先度の高い課題を「マテリアリティ(重要課題)」として策定し、グループ全体で解決に向けた取り組みを推進しております。なお、このマテリアリティは、社会情勢の変化や新たな課題の発生を踏まえ、定期的に見直しを行い、適切に更新してまいります。

 

マテリアリティ

取り組む課題

対応するSDGs

環境

持続可能な地球環境

への貢献

CO排出量及びエネルギー使用量の削減

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資源の有効活用

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社会

活力ある豊かな

社会づくりへの貢献

食品安全の徹底

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地域社会への貢献

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サプライチェーンとの協働

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働きがいを高める

職場環境の実現

多様性の確保と女性活躍の推進

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働き方改革と離職率の低減

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人材教育と成長支援

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ガバナンス

責任ある経営基盤

の構築

コーポレートガバナンスの強化

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コンプライアンスの徹底

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また、当社グループの事業成長の前提となる人材の多様性の確保を含む人材の育成、人材適正配置等といった社内環境整備といった人材戦略につきましては、当社グループが展開する飲食事業の事業特性を鑑みるに極めて重要であり、企業価値向上に直結するテーマであると認識しております。そのためには、人材育成、人材適正配置にかかる戦略展開のため、人材を人的資本と捉え、グループ全体の俯瞰的見地から人的資本に対して最適な育成投資を行い、企業価値最大化を図ってまいります。

さらに、人材の多様性の確保を図るべく、女性活躍、外国人材の登用、障がい者雇用といったダイバシティマネジメントについても重要命題として取り組んでまいります。当社グループでは、多様な人材を雇用しグループ内の適所に派遣する機能を有する株式会社ギフトダイバシティソリューションという子会社を設立して、多様性に富んだ人材登用の仕組み化を進めております。また、人材育成を含めた社内環境整備の観点から、人材教育にかかる専門部署を設置し、店舗、工場、営業、本社といった各部門における各種階層の教育、研修については年間カリキュラムを予め定め、社員の受講を促しており、ワークショップ形式で行う当該教育、研修は一定の人材育成に貢献しております。

また、当社グループでは、環境問題が事業活動に与える影響を適切に評価するため、環境に関するシナリオ分析を行っています。この分析を通じて、気候変動による自然災害や資源の枯渇などのリスクを定量的に把握すると同時に、持続可能な社会づくりに貢献する新たな事業機会の発掘に取り組んでまいります。

 

①シナリオの世界観

対象年

対象範囲

シナリオ

想定した世界観

主な参照シナリオ

2030年

国内の直営店事業

1.5℃シナリオ

(2℃シナリオ)

2100年において、産業革命期比で1.5℃未満の平均気温上昇が想定されるシナリオ。

脱炭素社会の実現するために、現状以上の厳しい政策・法規制等が行われる。

・IEA

Net Zero Emissions by2050

・IPCC

RCP2.6

4℃シナリオ

2100年時において、産業革命時期比で約4℃の平均気温上昇が想定されるシナリオ。

気候変動問題を軽減するための積極的な政策法規制などは行われず、成り行きで現行の政策が続くため、異常気象の激甚化が顕著に表れる。

・IEA

Stated Polices Scenario

 

・IPCC

RCP8.5

 

②移行リスク及び物理リスク

リスクの種類

カテゴリー

リスク項目

具体的な影響

想定

される

発生時期

想定

される

財務影響

移行

リスク

政策・

規制

炭素税の導入

・店舗の運営コストが増加

・省エネ設備導入に向けた設備投資費用が増加

・原材料価格が上昇

長期

プラスチック代替

・プラスチックに関する規制に対応するため、プラスチック製以外の原材料に切り替えることで発生するコストが増加

中期~

長期

食品廃棄ロスの

削減

・食品廃棄ロス削減に向けた取り組みの深化により、設備投資費用の増加やその他対応コストが増加

中期~

長期

市場・

評判

 

エネルギー価格

・化石燃料価格の高騰により、物流施設や店舗などの操業コストや配送時の燃料費などのコストが増加

・電力価格の高騰により、物流施設や店舗などの操業コストや配送時の燃料費などのコストが増加

中期~

長期

嗜好の変化

・気候変動に対する世間の関心が高まる中、エシカル消費への需要が増加し、脱炭素が進んでいないというイメージが定着することで、売上が減少

中期~

長期

気候変動問題への対応

・気候変動問題への対応が遅れることで、投資家からの資本調達が難しくなり、資本調達コストが増加

短期~

長期

物理

リスク

急性

異常気象の激甚化

・洪水リスクの高い地域にある事業所・店舗への災害リスク(店舗設備の倒壊、営業停止等)が増加することで売上が減少

・集中豪雨、台風、猛暑日などの異常気象により、来店頻度が減少し、売上が減少

長期

・集中豪雨、台風などの異常気象にも耐えられる物流確保・商品確保へ対応するために、物流の見直しを行い、コストが増加

長期

・異常気象によって農作物不作、または品質が低下し、原材料価格が上昇

短期~

長期

慢性

平均気温の上昇

・冷房、冷蔵等に必要なエネルギーコストが増加

中期~

長期

・平均気温上昇により、来店頻度が減少し、売上が減少

短期~長期

・疫病、パンデミックの複合的な発生により、営業停止となり売上が減少

中期~

長期

気象パターンの

変化

・原材料産地への影響を及ぼし、原材料価格が上昇

長期

・害虫発生により、原材料の安定した調達が困難となり、対応コストが発生

・降雨、強風の増大による物流遅延や事故が発生し、対応コストが発生

長期

海面上昇

・高潮・高波による浸水リスクの増加に伴い、中長期的に拠点の立地について再検討する必要が発生し、移転コストが発生

長期

 

③機会

リスクの種類

カテゴリー

リスク項目

具体的な内容

想定

される

発生時期

想定

される

財務影響

機会

資源の効率・エネルギー

食品廃棄ロス

・廃油リサイクルなど、廃棄物削減による、廃棄物処理費用が削減

中期

平均気温の上昇

・寒冷地の気温上昇により、これまで栽培できなかった作物の生産が可能となり、コストが削減

長期

省エネの推進

・省エネ推進に伴い、電力使用コストが削減

短期~

長期

物流の効率化

・物流の効率化により、輸送コストが減少

中期~

長期

市場・

評判

嗜好の変化

・環境に配慮した商品・サービス開発により、売上が向上

・気温上昇による、消費者の嗜好の変化に合わせた商品・サービスの開発により、売上が向上

短期~

長期

気候変動問題への対応

・気候変動問題に対してしっかりと対応することで、投資家からの評価が高まり、資本調達力が向上

短期~

長期

※短期(0~2年)、中期(3~5年)、長期(5年超)

 

④主要なリスクへの対応策

■炭素税の導入

1. 省エネ機器(空調設備)の導入や節電の徹底

お客様や従業員が快適に過ごせる環境を維持しながら、店舗の省エネ化を積極的に進めています。多数の店舗で、高効率な省エネ型空調設備への入れ替えを推進するとともに、電気のスイッチオフ徹底、フィルター清掃の定期実施など、日々の運用面における節電意識の向上にも取り組んでおります。

2. 再生可能エネルギーの導入

国内の一部店舗では、非化石証書を活用した再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるとともに、太陽光発電設備を導入した店舗も稼働しております。今後も再エネ利用拡大に向けた取り組みを進めてまいります。

■ 平均気温の上昇

国内気候変動に伴う平均気温の上昇が店舗運営や原材料の調達環境、品質に影響を及ぼす可能性を踏まえ、当社グループでは、複数のブランド展開やメニュー設計の工夫を通じて、事業への影響を抑える取り組みを行っています。

 

⑤主要な機会への対応策

■食品廃棄ロスの削減

1. 食べ残しを減らす

当社グループでは、お客様が無理なく食べきれるよう、一部商品をサイズ別に提供しております。麺の硬さや味の濃さ、脂の量もお好みに合わせて選べるようにすることで、満足度を高めながら食品ロスの削減につなげております。

2. 廃油のリサイクル

店舗で発生する廃食油は回収後、将来的にENEOSが事業化を進めるSAF製造プラントで再資源化される予定です。また、綾瀬工場でチャーシュー製造時に生じる油分も取引先が買い取り、バイオ燃料として再利用されております。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、サステナビリティに関連するリスクを含むグループ経営にかかるリスクの網羅的抽出と抽出されたリスクに対する低減活動を推進するべく、リスク管理委員会を設置し、四半期毎に立案されたリスク低減計画とその達成状況について取締役会に報告し、評価を受け、改善等の指示をもらう体制を有しております(リスク管理委員会の詳細におきましては、「コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください)。

また、サステナビリティに関連するリスクについては、実務委員会において経営環境や他社例などを分析することで、そのリスクと機会を識別及び評価しております。評価結果に基づき、推進委員会にそのリスクに対応したサステナビリティ活動を提案し、決定した活動については進捗状況などを管理しております。実務委員会に置いて特定されたリスクに関しては、随時、リスク管理委員会に共有されております。

 

(4)指標及び目標

当社グループにおいて、重要課題と位置付けている食品廃棄ロスの低減、食品廃棄物のリサイクル、環境に配慮した製品開発等につきましては、当社グループにおける食品廃棄ロスの低減に向けた仕入管理、物流管理の更なる精度向上、食品廃棄物再生利用の更なる推進、外部からの食品廃棄物の更なる受入推進等を展開することにより、それぞれの指標改善を進めてまいります。TCFDの枠組みにおいては、年間を通しての店舗売上高あたりのCO2削減量を毎年△1.0%とする数値目標を掲げ、店舗、工場、本社それぞれがCO2削減の取り組みを進めております。

また、人材戦略においてダイバシティマネジメントを推進していくにあたり、下記内容の各目標達成に向け、取り組んでまいります。

 

内容

現在

目標

女性管理職比率

4.7

10.0

外国人社員比率

10.1

10.0

障がい者雇用比率

2.0

2.7

 

その他サステナビリティに関する詳細な情報については当社ウェブサイト(URL https://www.gift-group.co.jp/sustainability/)のサステナビリティをご参照ください。

 

 

3【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

事業等のリスク

発生要因

経営方針、経営戦略との関連性、及び程度

当該リスクの重要性

顕在化する可能性の程度

顕在化した場合の影響の内容

当該リスクへの対応策

(1)①

市場環境の変化、競争激化

外食機会の減少、食の安全性、健康志向、消費低迷、低価格競争、他市場の成長

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:中


 
局所的には常に発生(潜在化)

PL、BSへの影響:中
 
商品戦略、立地戦略に影響

既存事業の「商品」「オペレーション」「製造・物流」の改善、多店舗化、新業態の開発

(1)②

原材料等の価格変動

小麦相場、生産地の気候・社会的混乱、需要の拡大、為替相場

売上高営業利益率
 
程度:高

PL、BSへの影響:高
 
仕入戦略、商品戦略に影響

既存事業の「商品」「オペレーション」「製造・物流」の改善、多店舗化、新業態の開発

(1)③

大規模自然災害の発生

地震、台風、豪雨等の自然災害

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:中

PL、BSへの影響:高
 
立地戦略に影響

BCPの策定

(1)④

パンデミックの発生

感染者発生、営業自粛

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:中

PL、BSへの影響:高
 
販売戦略、立地戦略に影響

感染症対策、きめ細かい販売管理

(2)①

人材採用並びに人材育成難、及び人材コスト増について

採用環境の変化、成長度合

売上高成長率
 
程度:高

PL、BSへの影響:中
 
販売戦略、人事戦略に影響

知名度向上、採用手法の多様化、教育・実習の充実化

(2)②

油そば業態に対する模倣リスクについて

油そば業態における競争激化及び模倣の容易性

売上高成長率

売上高営業利益率

 

程度:低

PL、BSへの影響:低

 

販売戦略、立地戦略に影響

継続的な差別化の推進

(2)③

商標の模倣

類似商標の利用

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略、立地戦略に影響

商標管理の徹底

(2)④

直営店の多店舗展開を事業拡大の前提としていること

好立地探索時間の増、出店契約成立率の減

売上高成長率
 
程度:高

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略、立地戦略に影響

立地戦略の機動的見直し

(2)⑤

プロデュース店の店舗展開

運営企業の業績悪化

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略、立地戦略に影響

プロデュース店への経営指導

(2)⑥

フランチャイズ事業について

フランチャイズ加盟店の運営品質のばらつき

売上高成長率

売上高営業利益率

 

程度:低

PL、BSへの影響:低

 

販売戦略、立地戦略に影響

加盟店に対する運営管理体制の強化

(2)⑦

海外展開

政治情勢、経済情勢、戦争などによる社会的混乱

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:中

PL、BSへの影響:中
 
販売戦略、立地戦略に影響

海外戦略の機動的見直し

(3)①

食品の安全管理

安全管理・衛生管理の不徹底、法的規制の強化

売上高営業利益率

 

程度:中

PL、BSへの影響:高

 

販売戦略に影響

安全管理・衛生管理の徹底、コンプライアンスの徹底

(3)②

他社類似商号との誤認

他社店舗における安全、衛生事故

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略に影響

広報・IR、アカウンタビリティの徹底

(3)③

店舗における酒類提供

未成年顧客による飲酒、顧客の飲酒運転

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略に影響

店舗における酒類提供マニュアルの徹底

(3)④

労務関連

法的規制の強化、労働環境の変化

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略に影響

労務管理の徹底

(3)⑤

個人情報の管理

個人情報の漏洩、不正使用

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略に影響

個人情報管理の徹底

(4)①

直営店舗の賃借

賃貸人の財政悪化

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
立地戦略、財務戦略に影響

賃貸人与信管理の徹底

(4)②

普通建物賃貸借契約の店舗からの立退き

区画整理、建物老朽化

売上高成長率
 
程度:中

PL、BSへの影響:低
 
立地戦略に影響

都市開発事業等の自治体事業情報を的確に収集

(4)③

特定の人物への依存

後継人材育成の遅れ、社長の退任

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:中

PL、BSへの影響:低
 
経営戦略全般に影響

ガバナンスコードに準拠した後継者育成

(4)④

固定資産にかかる減損会計の適用

想定CFの未創出

売上高成長率
 
程度:中

PL、BSへの影響:中
 
販売戦略、立地戦略に影響

立地戦略の徹底

(5)①

IT(情報システム)への依存

不正アクセス、プログラムの不具合

売上高成長率
売上高営業利益率
 
程度:中

PL、BSへの影響:高
 
販売戦略に影響

IT戦略の機動的な見直し

(5)②

インターネット等による風評被害

SNSでのデマ拡散

売上高成長率
 
程度:低

PL、BSへの影響:低
 
販売戦略に影響

SNSパトロールの徹底

 

(1)事業環境について

① 市場環境及び競合について

 外食産業を取り巻く環境は、人口減少社会と言われるわが国において、外食費用の高騰、食の安全性に対する消費者意識の高まり等により、今後も厳しい状況が継続するものと想定されます。

 このような国内需要の構造的な減少を背景に、近年は訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加が外食需要を下支えする要因となっておりますが、当該需要は為替動向、国際情勢、各国の出入国規制、観光政策等の外部要因に大きく左右されやすく、必ずしも安定的・継続的に見込めるものではありません。

 また、外食業界は、他業界と比較すると参入障壁が低いため新規参入が多く、個人消費の低迷に加え、インバウンド需要の取り込みを目的とした競合店の増加や価格競争などにより、今後も競争環境は続いていくものと考えます。

 このような状況の下で、当社グループは店舗のコンセプトを明確にし、競合他社との差別化を図っておりますが、今後、競合状態がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 原材料の価格変動等によるリスクについて

 当社グループが提供する製品の原材料である小麦粉、食肉等については、厳選された海外産を国内輸入業者の十分な品質検査を経て仕入れておりますが、その調達価格は、国際的な商品相場の動向、世界的な消費量の増加による需給バランスの変化、ならびに為替相場の変動等の影響を受けております。

特に、円安の進行等による為替相場の変動は、輸入原材料の調達コストを直接的に押し上げる要因となります。

 また、原材料の生産地域における異常気象や自然災害による収穫量の減少、家畜伝染病等の発生に伴う輸入停止、政変や社会・経済情勢の変化、さらにはテロや戦争等による国際物流の混乱などにより、原材料の安定的な調達に支障をきたす場合があります。

 これらの要因により原材料の価格が高騰した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 大規模自然災害の発生について

当社グループは、日本国内各地に店舗と製麺及び食材供給のための工場を多数有しております。ここ数年、国内においては、2011年3月に起こった東日本大震災を筆頭に地震、台風、豪雨等の大規模な自然災害が発生しており、今後も自然災害の規模によっては、店舗の一時休業、製麺・食材の供給遅れ等の事態を招くことが想定されます。当社グループでは、こうした災害の発生しやすい自然環境を前提としてBCP(事業継続計画)を策定し、直営店舗、工場、及び本社等に、不測事態における避難場所や緊急連絡方法等を明記した危機管理マニュアルを配付し、万全を期しております。しかしながら、自然災害の規模が想定以上となった場合においては、店舗や工場等のスタッフの人命にかかわる状況を招くなど、停電や風水害等により工場が機能停止に至るおそれがあります。このように想定以上の大規模自然災害が発生した場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ パンデミックの発生について

 2019年末から2023年頃にかけて発生・拡大した新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、多くの人命を奪うとともに、世界経済に大きな打撃を与えました。

 日本においては、政府、各自治体から営業時間短縮を始めとする営業自粛要請が発せられたことに伴い、当社グループの事業においても少なからず影響を受けることとなりました。

 ただし、当社グループの提供する飲食事業は、日常食であるラーメンに特化して展開しており、お祝いや記念等において利用される「ハレ消費」の飲食事業モデルとは一線を画すことから、影響は一定の範囲にとどまったことが確認されております。

 今後、過去の新型コロナウイルス感染症と同等又はそれ以上の規模・期間に及ぶ新たなパンデミックが発生した場合には、再度の営業制限や人流抑制、原材料調達や人員確保への影響等が生じ、その内容や期間によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業展開及び提供サービスに関するリスクについて

① 人材採用並びに人材育成、及び人材コスト増について

 当社グループが直営店舗による店舗展開を続けていくためには、必要な人材の確保及び十分な育成が不可欠であります。人材採用に当たっては、知名度の向上や採用手法の多様化に取り組むことで、新卒社員及び中途社員の確保に努めておりますが、近年の人材採用難を背景として、外国人人材の採用も実施しております。

 人材育成については、採用後一定期間の教育及び実習などを含め、店舗運営に必要な知識・技能が身につけられるようカリキュラムを組んでおります。さらに、店舗管理者の育成も重要であり、店舗内におけるOJTを通じて店長候補者を育成し、店長試験を経て各店舗に店長を配置しております。

 加えて、外国人採用の場合には、在留資格(ビザ)の取得・更新や制度変更への対応、日本語能力や文化・習慣の違いに起因するコミュニケーション上の課題等が生じることがあり、教育・指導に追加的な時間やコストを要する場合があります。

 このような状況下において、採用した人材が育成途中で離職・退職した場合には、これまでに投下した教育費や育成コスト等の回収が困難となり、人的投資が未回収となるおそれがあります。

 更には、労働市場の競争激化や最低賃金の引き上げに伴い、人材費や教育コストが増加していることに加え、外国人採用に伴う管理・教育コストの増加もあり、人材コスト全体の上昇が当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 油そば業態に対する模倣リスクについて

当社グループは、複数の業態を展開する中で、「元祖油堂」において油そば業態の店舗運営を行っております。油そば業態については、近年、同様の業態を展開する事業者が増加しており、競争環境が変化しております。

また、当社グループが展開する油そば業態は、商品構成や提供スタイル、店舗の内外装デザイン、オペレーション等において高い評価を有していることから、当社グループが展開する商品や店舗づくり、サービス内容等が模倣されることも想定されます。

当社グループでは、商品開発力の強化や店舗コンセプトの明確化、サービス品質の向上等を通じて差別化を図っておりますが、油そば業態における競争環境が激化した場合や、模倣による競争優位性の低下が生じた場合には、当該業態の売上高や収益性が影響を受け、ひいては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 商標の模倣について

 当社グループは、基本的にブランド等の商標を国内及び海外において登録、並びに維持管理することで当社グループのブランド価値を担保しております。当社グループは、法律家、専門家の意見を十分に聞きながら当該戦略を展開しておりますが、仮に第三者が類似した商標を使用する等、当社グループのブランドの価値が毀損される事態に至った場合には、当社グループは、当該行為の差止請求や損害賠償請求等の法的措置を含む対応を講じる方針であります。しかしながら、これらの対応にもかかわらず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 直営店の多店舗展開(新規出店)を事業拡大の前提としていることについて

 当社グループは、国内及び海外における直営店舗の店舗数拡大による売上及び利益の増加を前提として置いております。直営店においては、ご来店いただいたお客さま数とその客単価の乗数によって店舗売上高が決まる事業構造であることから、事業を拡大していくには来店客数を増やす必要があり、その最も有効な手段が新規店舗の出店であり、当社グループの事業成長の前提であると認識しております。当社グループは、新規出店地域の探索にあたり、立地特性にかかる各種マーケティングデータを総合勘案して決定していることから、新規出店の業績寄与を一定の精度にて見込むことができております。しかしながら、新規出店店舗の探索に想定外の時間を要するような事態に陥った場合、出店希望物件に対する契約成約率が想定を超えて下回った場合、並びに出店後計画通りの収益が確保できない状況が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プロデュース店の店舗展開について

 当社グループは直営店の店舗展開のほか、プロデュース店の店舗展開の拡大を図っております。当社グループはプロデュース店が麺、タレ、スープ、食材などを当社グループより継続購入することを条件に、プロデュース店に無償または有償にて店舗運営ノウハウを提供しております。外食産業全般の市場縮小やプロデュース店運営企業の業績悪化により、プロデュース店の店舗数が減少した場合には、売上高が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥ フランチャイズ事業について

 当社グループは、直営店舗による出店に加え、フランチャイズ(以下、FC)方式による店舗展開を行っております。FC事業においては、加盟店との契約に基づき、商標の使用許諾、店舗運営ノウハウの提供、商品・原材料の供給、運営指導等を行っておりますが、加盟店の経営状況や運営体制、店舗運営の質等は各加盟店の判断や能力に依存する部分があります。

 そのため、加盟店において、当社グループが定める運営基準やブランド方針が十分に遵守されない場合、商品やサービスの品質低下、顧客満足度の低下、又はブランドイメージの毀損につながるおそれがあります。

 また、加盟店との間で契約内容の解釈や運営方針等を巡る意見の相違が生じた場合には、当社グループと加盟店との関係に影響が生じることもあります。

 さらに、加盟店の業績悪化や資金繰りの問題等により、FC契約の解約や店舗の閉鎖が発生した場合には、ロイヤルティ収入等の減少に加え、当社グループの出店計画や事業展開に影響が及ぶことがあります。

 当社グループでは、加盟店に対する継続的な指導や支援体制の強化に努めておりますが、FC事業におけるこれらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 海外事業の展開について

 当社グループの直営店事業部門は、2014年10月期まで国内を中心に展開してまいりましたが、2016年に米国に、2024年に中国に法人を設立し、直営店を各国の主要都市にオープンしております。また、プロデュース事業部門においては、東南アジアを中心に営業活動を展開しております。

 海外における事業展開においては、それぞれの国や地域における政変や社会・経済情勢の変化、法規制や制度の変更、為替相場の変動、並びにテロや戦争等による社会的混乱や地政学的リスクの影響を受けることがあり、これに伴い、物流の停滞、原材料や人材の確保の困難化、現地における事業環境の急激な変化等が生じることがあります。

 これらの要因により、海外における店舗の営業継続が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)法的規制及び知的財産等に関するリスクについて

① 食品の安全管理について

 当社グループは「食品衛生法」に基づき、所管保健所から飲食店営業許可を取得し、すべての国内直営店舗に食品衛生管理者を配置しております。また、各店舗では、店舗運営マニュアルに基づき衛生や品質に対する管理を徹底するとともに、外部機関による衛生検査等を実施しております。しかしながら、万が一、食中毒等の事故が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、監督官庁からの飲食店営業許可が必要であることに加え、環境保護に関して「食品リサイクル法」等、各種環境保全に関する法令の制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合には、設備投資等の新たな費用が発生・増加すること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 「横浜家系ラーメン町田商店」に係る他社類似商号との誤認について

 当社グループは「横浜家系ラーメン町田商店」を商標登録しておりますが「横浜家系ラーメン」という名称は、一般用語であり、当該文字自体を商標として登録することはできません。こうした中、当社グループと資本関係、取引関係のいずれも有さない他社が「横浜家系ラーメン」の店舗を運営しているケースは多々あり、その店舗が当社グループの店舗と誤認するような類似商号を付して展開しているケースも数多く散見されることから、当社グループ店舗と誤認されるおそれもあります。当社グループでは、直営店舗での営業について責任をもって行っておりますが、類似商号を付す他社店舗で食中毒、異物混入といった重大事故が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 店舗における酒類提供について

 当社グループの店舗は「未成年者飲酒禁止法」「道路交通法」等による規制を受けております。当社グループではアルコールの注文をされたお客様に、自動車等の運転がないか、また、未成年の可能性がある場合には未成年でないか確認を行うことにより、十分に注意喚起を行っております。しかしながら、未成年者の飲酒及びお客様の飲酒運転に伴う交通事故等により、当社グループ及び従業員が法令違反等による罪に問われ、あるいは店舗の営業が制限された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 労務関連について

 当社グループでは直営店舗や工場で多くのパート・アルバイト等、多くの有期契約社員が業務に従事しております。昨今の「働き方改革関連法」の施行により、時間外労働の上限規制が強化されたほか、同一労働同一賃金の導入により、有期契約社員と正社員の間の不合理な待遇差を是正する処置が義務化されました。また、2022年10月には厚生年金及び健康保険の適用範囲が拡大され、短期間勤務の労働者も広く社会保障の対象となっております。こうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、優秀な人材を雇用できなくなる可能性や直営店舗での人件費が上昇する可能性があります。また、労働関連法規制の違反が発生した場合は、規制当局から業務改善命令が命じられること又は従業員からの請求を受けること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報の管理について

 当社グループは「個人情報の保護に関する法律」に基づく個人情報取扱事業者として従業員及びお客様の個人情報を保有しております。社内では当該情報管理方法をより細かく記載した「個人情報管理規程」に則り管理の徹底を図っておりますが、万が一、個人情報の漏えいや不正使用等の事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償請求の提起等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスクについて

① 直営店舗の賃借について

 当社グループは、直営店舗の出店については賃借を前提としており、状況に応じて賃貸人に対し保証金等を差し入れております。新規出店に際しては、賃貸人の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金等の一部又は全部が回収不能に陥ることや、賃借物件の継続的使用が困難となることも考えられます。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 賃貸借契約終了に伴う事業停止について

 当社グループは、直営店舗の賃貸借にあたり普通建物賃貸借契約等を締結しております。普通建物賃貸借契約では正当な事由がない限り、貸主からの解約申入れや更新拒絶がなされないことが法令で定められております。しかしながら、賃借店舗のある地域が土地区画整理事業等の対象地域に指定された場合や、建物自体が老朽化して建て直しが必要になった場合等においては、正当な事由と認定されることがあります。

 また、当社グループの一部店舗においては、貸主の事情や当社の出店戦略、賃貸借条件等により、短期間の定期建物賃貸借契約を締結している場合があります。定期建物賃貸借契約は、契約期間満了により原則として更新が行われないため、契約期間終了後には当該店舗の営業継続が困難となることがあります。

 当社グループでは、普通建物賃貸借契約及び定期建物賃貸借契約の締結にあたっては、立地条件や契約期間、更新可否等を十分に検討し、事前に想定されるリスクの把握に努めておりますが、想定外の正当な事由による立退きや、定期建物賃貸借契約の期間満了により移転又は閉店を余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 特定の人物への依存について

 当社グループの経営は、創業者であり、代表取締役社長である田川翔に依存する部分が相当程度存在しております。特に経営の根幹にかかる経営方針や経営戦略等の策定、並びに事業成長の前提となる商品開発や新規出店等について依存しております。当社グループでは、組織体制を整備し、同氏に依存しない体制を構築すべく、内部での人材育成を積極的に進め、重要組織分掌の果たすことのできる人材を外部から招聘することなどにより依存脱却を進めております。しかしながら、適正な人材が一定数確保できない場合や育成が遅れた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 固定資産にかかる減損会計の適用について

 当社グループは、キャッシュ・フローの認識を最小の組織単位である直営店舗毎に行っております。投資した固定資産については、当該組織単位で生み出されるキャッシュ・フローにより回収することを前提としており、回収の可能性に疑義が生じた場合には、減損損失を認識することとしております。

 当社グループは、出店にあたっては十分な検討を踏まえて店舗選定を行い、適正賃料にて店舗賃貸借契約を締結し、全ての店舗においてキャッシュ・フローが適正に創出されることを前提としております。しかしながら、売上高の低迷、競争環境の変化、原材料価格や人件費の上昇等により、想定どおりキャッシュ・フローが創出されない状況が生じた場合には、固定資産について減損損失を認識する必要が生じます。

 また、近年においては、M&A等により取得した事業や固定資産に対する減損の判断について、会計基準の適用や監査対応の観点から、より厳格な検討が求められる傾向にあります。このため、M&A等により取得した店舗や事業について、取得時に想定していた将来キャッシュ・フローが実現しない場合には、想定より早期に、又は多額の減損損失を認識することとなります。

 これらの要因により、減損損失を計上した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① ITへの依存について

 当社グループは、受発注業務、原材料仕入、店舗運営等、多くを情報システムに依存しております。

安定的なシステム運用を行うために、セキュリティ機能の強化、社内体制の整備等を行っておりますが、近年、国内の大手企業においてもサイバー攻撃により基幹システムが停止し、業務に重大な支障が生じる事例が発生しております。

 このような状況の中、当社グループにおいても、プログラムの不具合や不正アクセス、サイバー攻撃等により大規模なシステム障害が発生した場合には、店舗運営の停滞や対応費用の発生等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② インターネット等による風評被害について

 ソーシャルネットワークが社会的な拡がりを見せる中、当社グループでは、インターネット上の当社グループに関する書き込みを広範にチェック、確認する体制を構築しており、当該書き込みが当社グループのレピュテーションリスクに繋がらないかどうかを常にモニタリングしております。しかし、当社グループの店舗に来店されたお客様、当社グループと取引関係にある企業の方々、または全くの第三者等がインターネット上に書き込んだ記事内容や、それを起因したマスコミ報道等により風評被害が発生、拡散した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

① 事業全体の状況

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載いたしましたとおり、当社グループは、新規出店に伴う従業員の適正確保を図り積極的な事業活動を展開することができたことから、堅調な業績を確保することができました。当連結会計年度におきましては、直営店、プロデュース店ともに店舗数を増加させることにより、事業拡大を図ることができました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、下記のとおりとなりました。

 

(売上高)

 当社グループの売上高は35,878,100千円(前年同期比26.0%増)となりました。これは主に、今期は既存店売上高が堅調に推移するとともに新規出店を実施したことによるものです。

(営業利益)

 当社グループの営業利益は3,367,903千円(前年同期比15.8%増)となりました。これは主に、既存店売上高が堅調に推移したことに伴い利益率が向上したことによります。

(経常利益)

 当社グループの経常利益は3,374,634千円(前年同期比13.5%増)となりました。これは主に、営業利益が増加したことによるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は2,185,836千円(前年同期比16.5%増)となりました。これは主に、営業利益が増加したことによるものです。

 

 また、当連結会計年度の目標とする経営指標は、下記のとおりとなりました。

 

〈売上高成長率〉

当社グループの売上高成長率は前年同期比26.0%増(2025年10月期目標20.0%増以上)となりました。これは主に、既存店の売上高が好調であったためです。

〈売上高営業利益率〉

売上高営業利益率は9.4%(2025年10月期目標10.0%以上)となりました。これは主に、既存店の売上高が好調であったためです。

〈ROE(自己資本当期純利益率)〉

ROE(自己資本当期純利益率)は23.4%(2025年10月期目標20.0%以上)となりました。これは主に、既存店の売上高が好調であったためです。

 

② 事業部門別の状況

(直営店事業部門)

国内直営店事業部門においては、当連結会計年度を通じて積極的な出店を続け、直営店50店舗の新規出店を果たしました。当該期間における直営店の新規出店は、主力である横浜家系ラーメン業態の「町田商店」で26店舗、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」で6店舗、油そば業態の「元祖油堂」で15店舗、その他業態で3店舗とバランスよく行うことができました。

当連結会計年度におきましては、「町田商店」ブランドにてロードサイド店21店舗、駅近店4店舗、商業施設1店舗を出店いたしました。ロードサイドへの出店は、関東地方11店舗(東京都2店舗、神奈川県2店舗、千葉県2店舗、埼玉県2店舗、栃木県2店舗、群馬県1店舗)、中部地方3店舗(愛知県2店舗、三重県1店舗)、東北地方5店舗(宮城県3店舗、岩手県1店舗、福島県1店舗)となりました。また駅近エリアへの4店舗の出店は仙台駅、五反田駅、東横線の元住吉駅、大阪の十三駅に各1店舗、商業施設へは羽田空港第1旅客エアターミナルビルに1店舗出店いたしました。

「町田商店」に次ぐ第2ブランドであるガッツリ系ラーメン業態の「豚山」では、当連結会計年度において、駅近店1店舗、ロードサイド店5店舗を出店いたしました。駅近店1店舗は小田原駅に、またロードサイド店5店舗は、武蔵村山市、仙台市、郡山市、名古屋市、長久手市にそれぞれ出店いたしました。「豚山」のロードサイド店は、前々期より出店を開始しており、当連結会計年度において出店加速させてまいりました。駐車場を完備したロードサイドの本格的ガッツリ系ラーメン業態として、どの店舗も一定のご評価をいただいており、新たな顧客ニーズを発掘しております。

さらに当社グループの第3ブランドの地位を確立している油そば業態の「元祖油堂」を当連結会計年度において15店舗と大量出店させました。特に一挙に2店舗を出店させた渋谷駅、仙台駅、通算3店舗目の出店となった横浜駅のように同一駅に複数店舗の出店を叶えることができました。その他の出店先としては、小田原駅、溝の口駅、大船駅、御茶ノ水駅、上大岡駅、相模大野駅等の首都圏駅近エリア、多摩センター駅の駅ナカ施設、羽田空港第1旅客エアターミナルビルと多彩な出店を進めており、さらに関西初出店の北新地駅、九州初出店の熊本駅にそれぞれ出店いたしました。当該業態は、これまでの当社が展開する業態と比較して、出店時の調整が容易であり、且つオフィス立地において十分に競争力がある業態ゆえ、これまで出店の制約を受けていた東京23区内を始めとする都心エリアに積極出店を叶える強力なブランドとなりました。加えて、当連結会計年度に初出店を果たした東北、関西、九州に留まることなく、それ以外の地方への出店が視野に入ることとなりました。

また、当社グループでは、従前より新商品、新業態の開発に対しても商品開発部門を中心に各種テーマへ積極的に取り組んでおり、町田商店、豚山、元祖油堂に次ぐ第4ブランドとなる競争力のあるブランドの開発を精力的に進めております。当連結会計年度においては、その他業態として3店舗の出店をいたしました。

海外直営店事業部門においては、これまで「E.A.K. RAMEN」ブランドの横浜家系ラーメン業態にて米国ニューヨーク州にのみ店舗展開をしてまいりましたが、昨年9月、中国上海市に中国1号店として「町田商店」をオープンさせました。当連結会計年度においては、当該店舗を順調に営業してまいりましたが、本年7月に同じく中国上海市に中国2号店、10月に中国3号店をオープンさせることとなりました。また米国においては、本年2月にニュージャージーに新たに1店舗を出店いたしました。当該出店は、商業施設内への出店となったことから、米国における出店は、路面店1店舗、ペンシルベニア駅のフードコート1店舗、商業施設内1店舗とそれぞれ異なった立地への出店が叶い、今後、当社の立地戦略の構築に向け、効果測定を進めていくこととなります。さらにスイスのチューリッヒにおいて、JV(ジョイントベンチャー)店方式によるヨーロッパ1号店を本年8月にオープンさせました。

以上の結果、当連結会計年度末の当社グループの店舗数は、直営店278店舗(国内272店舗、海外6店舗)、業務委託店8店舗、JV店1店舗、合計287店舗となりました。また、直営店事業部門の売上高は30,811,062千円となりました。

 

(プロデュース事業部門)

国内プロデュース事業部門においては、既出店地域においてこれまで通り、商圏における潜在需要試算に基づく出店ルールに従ってプロデュース店と直営店との間で詳細な調整を行いながら、出店を進めてまいりました。既存プロデュース店は、当連結会計年度においても各既存プロデュース店ともに堅調な業績を残すこととなりました。これまで当社グループ直営店の成功ノウハウをもとにきめ細かく支援してきた成果が現れることとなりました。また、当社グループが開発した新業態を既存プロデュース店オーナーが自ら展開することを検討する場面も増えてきており、これまでの横浜家系ラーメン業態を中心としたプロデュース事業に加え、ガッツリ系ラーメン業態の「豚山」、油そば業態の「元祖油堂」にてFC事業も展開しております。このように国内プロデュース事業部門においては、事業ラインナップの充実化を進め、より付加価値の高い提案活動を展開してまいりました。

海外プロデュース事業部門においては、既存オーナーの出店意思を確認しながら新規出店支援を進める一方で「Machida Shoten(町田商店)」の店舗名でのFC事業についても本格的に展開しており、とりわけ東南アジアにおいては「Machida Shoten(町田商店)」に対する出店要請が高いことから、当該地域において当社グループではフランチャイズパートナーとの出店交渉を戦略的に進めてまいりました。この結果、現在、タイ1店舗、ベトナム4店舗、カンボジア2店舗、フィリピン4店舗、香港2店舗、韓国1店舗、モンゴル1店舗、合計15店舗の「Machida Shoten(町田商店)」の出店を叶えることとなりました。また、新たに「GANSO ABURADO(元祖油堂)」にて韓国に1店舗の出店を叶えることとなりました。このように、FC事業は、東南アジアにて順調にスタートすることができ、各国のフランチャイジーとのFC契約締結も進んでいることから、今後も北米、アジア等において「Machida Shoten(町田商店)」のブランドを中心としてFC事業にかかる営業活動を積極的に展開してまいります。

以上の結果、当社グループがプロデュースする店舗数は、当連結会計年度に40店舗の純増となり、結果、プロデュース店は国内570店舗、海外13店舗、FC店は国内15店舗、海外16店舗、合計614店舗となりました。また、プロデュース事業部門の売上高は5,067,038千円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年増減比(%)

飲食事業

4,341,973

32.7

合計

4,341,973

32.7

(注)1.当社グループの事業区分は、「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.金額は、製造原価によっております。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年増減比(%)

飲食事業

7,796,172

27.4

合計

7,796,172

27.4

(注)1.当社グループの事業区分は、「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.金額は、仕入価格によっております。

 

c.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

事業部門の名称

販売高(千円)

前年増減比(%)

直営店事業部門

30,811,062

28.6

プロデュース事業部門

5,067,038

12.4

合計

35,878,100

26.0

(注)1.当社グループは飲食事業の単一セグメントであるため事業部門別の販売実績を記載しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.直営店事業部門における当連結会計年度の地域別販売実績は、次のとおりであります。

地域

地域別売上高(千円)

前年増減比(%)

国内

 

 

 北海道

 東北

2,842,330

35.0

 関東甲信

19,743,661

30.0

 北陸

 東海

4,688,650

31.1

 近畿

2,649,828

17.3

 中国・四国

114,923

17.7

 九州・沖縄

444

 国内合計

30,039,839

29.3

海外

771,223

14.8

合計

30,811,062

28.6

4.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がないため、記載を省略しております。

 

(2)財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,912,879千円増加し22,012,554千円となりました。これは主に、直営店の新規出店などの設備投資により建物及び構築物などの有形固定資産が3,968,999千円、敷金及び保証金が176,267千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ2,910,348千円増加し11,632,471千円となりました。これは主に、出店のタイミングにより未払金が273,126千円、未払消費税等を含む流動負債のその他が303,396千円、長期借入金(1年以内返済予定分を含む)が1,812,905千円、未払法人税等が62,644千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,002,531千円増加し10,380,083千円となり、自己資本比率は47.0%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益2,185,836千円の計上等により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

① キャッシュ・フロー及び流動性の状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,126,931千円となり、前連結会計年度末に比べ3,786千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は4,089,804千円(前年同期比24.8%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,205,888千円を計上し、減価償却費1,178,286千円、減損損失88,892千円等の非資金的費用があった一方、法人税等の支払額1,062,349千円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は5,533,734千円(前年同期比27.5%増)となりました。これは主に、直営店の新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出5,192,128千円、貸付けによる支出が176,023千円、敷金及び保証金の差入による支出217,668千円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は1,441,217千円(前年同期比9.6%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,540,095千円、配当金の支払額399,757千円、短期借入金の純減額6,396千円があった一方、長期借入れによる収入が3,353,000千円あったこと等によります。

 

② 資本政策の基本的な方針

 当社グループは、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えております。事業への資源配分については、新規出店を主とした設備投資を継続的に実施してまいります。また、成長戦略に伴う当社グループの企業価値向上につながるM&Aも積極的に実施してまいります。また、株主還元については、株主への利益還元を経営の最重要課題と考えており、安定的かつ継続的な利益還元を基本スタンスとして連結配当性向20%以上を目安として実施してまいります。資金の源泉は事業から創出したキャッシュを中心としつつ、基本的に金融機関からの借入により資金調達をしてまいります。大規模な希薄化をもたらす資金調達については、ステークホルダーへの影響などを十分に考慮し、取締役会にて検討を行ったうえで、株主に対する説明責任を果たしてまいります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【重要な契約等】

(フランチャイズ契約)

 当社グループはフランチャイジーとの間で、以下のようなフランチャイズ契約を締結しております。

 (国内)

(1) 「豚山」フランチャイズ契約

内容

当社グループの所有する商標、商号等の使用許可、ならびにフランチャイズ・システムのノウハウを提供

契約期間

契約締結日から10年(自動更新条項あり)

加盟金

契約締結時に一定額

ロイヤリティ

毎月一定額

 

(2) 「元祖油堂」フランチャイズ契約

内容

当社グループの所有する商標、商号等の使用許可、ならびにフランチャイズ・システムのノウハウを提供

契約期間

契約締結日から10年(自動更新条項あり)

加盟金

契約締結時に一定額

ロイヤリティ

毎月一定額

 

 (海外)

「Machida Shoten」フランチャイズ契約

内容

当社グループの所有する商標、商号等の使用許可、ならびにフランチャイズ・システムのノウハウを提供

契約期間

契約締結日から5年(自動更新条項あり)

加盟金

契約締結時に一定額

ロイヤリティ

月間売上高に一定の割合を乗じるか、もしくは一定額

 

 

6【研究開発活動】

 特に記載すべき事項はありません。