第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「鋲螺(ボルト・ナット)商品」「コンクリート製品関連金物」「機械工具」の専門卸商社として、ボルト、ナットに代表される締結金物商品の販売を通じて、社会の発展に貢献する事を基本理念といたしております。また、すべての取引関係者に対し、信頼と期待に応えるよう行動基準を設け業務に取り組んでおります。

 

(2) 目標とする経営指標

鋲螺業界における当社グループは、競争力と収益性の指標として営業利益額、成長性の指標として営業利益伸び率を重点指標としており、その向上に努めております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、収益向上のための本業強化と、成長のための新事業育成を中期的な経営戦略として掲げております。本業の強化は、既存物流体制の更新・改善と取扱品種の拡大、情報システムの強化を中心に実行してまいります。新事業の育成は、主に子会社であるコバックス株式会社および中正機械株式会社の育成と買収・合併・提携を実現していきたいと考えています。

 

(4) 会社の対処すべき課題

インフラの更新や不動産市場の改善により建設需要は増加している一方で、資材価格の高騰に加えて慢性的な人手不足により供給は逼迫しており、先行きは依然として不透明な状況です。当社グループは、市場の成熟や停滞にかかわらず、継続的に成長し、利益を拡大し続けるために、以下の課題に取り組んでまいります。

 

①デジタル化による取引業務効率の向上

デジタル化により自社のみならず、取引企業も含めた生産性の向上を目指します。卸売業向けECサイトである「ねじネット」の高機能化と利用率の向上を続けるとともに、在庫管理システム「ねじクラ」による取引先企業との情報連携も開始します。電子データによる情報交換の比率を上げることで、当社および取引先の業務負担を軽減します。新たに提供を開始したスマートフォンアプリをはじめ、取引先企業にも利用していただけるデジタルツールの提供で、業界の労働力不足の解消に貢献してまいります。

 

②柔軟な働き方の実現と優秀な人材の採用

国内の労働人口の減少、とりわけ若年者層の減少に対応するために、リモートワークや短時間の勤務形態を選択できる職種を拡大します。柔軟な働き方に対応することで、子育て世代、年配者に寄り働きやすい職場を作るとともに、これまで以上に優秀な新卒者の採用および中途の専門職人材の採用にも注力します。同時に、性別のみならず国籍によらない採用も促進します。

 

③輸入品ラインナップの拡大

国内製品価格の上昇に伴い、比較的低価格な輸入品への需要が増加しております。こうした需要を取り込み、販売を拡大するために、新規の輸入品アイテムを増加させてまいります。既存販売商品を輸入品に置き換えるのではなく、従来取り扱っていなかった商品を低価格で高品質な輸入品により提供してまいります。

 

④提携による事業領域の拡大

成熟市場において成長を加速するために、隣接する業界を中心に、提携やM&Aを通して事業領域の拡大や新市場への参入を行います。後継者不在の企業への支援も積極的に提案してまいります。

 

⑤成熟企業から成長企業への変革

以上のような施策を通して、成熟企業から事業と収益を継続的に拡大する成長企業に変化を遂げ、新しい技術やサービス、考え方を取り入れて鋲螺業界を代表するリーダー企業を目指します。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティに対する取り組みを経営上の重要な課題として位置付けています。この取り組みに関して、代表取締役と経営幹部から成る経営会議では、サステナビリティに関連するリスクや機会を他の経営課題と一体的に評価し、これらの監視と管理に注力しています。同時に、新たなリスクや機会に関する情報を抽出し、対応策を協議しています。

経営会議での議論の中で特に重要な事項については、取締役会に報告することになっており、監視と管理の体制が効果的に機能しているかどうかは、取締役会によって管理と監督が行われます。

 

(2) 戦略

① 人材育成

当社グループでは、社員の成長を通して会社が成長することを目指し、人材育成に取り組んでおります。

新入社員研修、フォローアップ研修、営業研修等の研修制度の拡充はもとより、当社が全額および一部金額を負担し、全社員が(ネットラーニング社のeラーニングやUdemy Business)といったオンライン講習を受講できる体制を整え、全社をあげてリスキリングに取り組んでおります。加えて、資格取得の試験費用の補助、報奨金支給を行う「スキルアップ奨励制度」も整え、個人の能力向上を目指しております。

 

② 社内環境整備

当社グループでは、社員とその家族が満足でき、やりがいと誇りを持って働ける職場をつくることを目指し、働き方の改善に取り組んでおります。

様々な社員が働きやすい職場を作るために、妊娠中、育児、介護中の社員のテレワークにも柔軟に対応する制度を整備しております。これは、急な体調不良や子供の急病などの場合、直属の上長の承認があれば当日の申請でもテレワークをすることができる制度で、テレワークの実施率は徐々に上昇しております。

加えて、子どもが3歳に達するまで取得できる育児休業のほか、小学校3年生修了まで利用できる短時間勤務制度を設けるなど、出産や育児、介護をはじめとするライフイベントに合わせて活用できる制度を、法で定める基準を上回る内容で整備しています。当社グループの女性社員の育児休業取得率は、2025年10月末現在で100%、男性社員については80%となっています。今後も、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組んでまいります。

また、お客様からいただいたお褒めの言葉を集め、社内SNSで共有し、優秀な社員には社長から表彰を行う制度も設けています。これにより、社員のやりがいと誇りを醸成することを目指しております。

 

③ 環境への配慮

当社グループでは、サステナビリティに関する取組のうち環境への配慮として、会議体でのモニター使用及び配布資料の電子化、電子システムの導入による請求書のペーパーレス化、空調機器の電力使用量削減、廃棄物の削減に取り組んでおります。また、省エネルギー効果が高いLED照明の導入を行い、CO2排出量の低減にも取り組んでおります。今後も、事業活動における地球温暖化対策への貢献と環境負荷の低減を推進してまいります。

 

(3) リスク管理

当社グループは、グループ全体のリスク管理方針及び管理体制について「リスク管理規程」を定めております。その方針に基づき、代表取締役と経営幹部から成る経営会議では、事業を取り巻く様々なリスクを未然に防止するために、相互に監視及びチェックを行っております。

また、気候変動関連や人的資本関連のリスクおよび機会の重要性が一層高まっていることを認識しており、これらについても取締役会にて適宜議論を行っております。

今後も業界の動向や社会的要請を注視しつつ、当社グループに適した管理プロセスの導入や改善を検討してまいります。

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、すべての従業員がやりがいと誇りを持って働ける職場環境と企業文化を作ることを大切にしています。これを当社の基本的な考えとして、管理職の登用等については、年齢、性別、社歴等では区別せず、全ての従業員が平等に機会を得られるような制度を整えることで、多様性を確保しております。そのため、年齢、性別、社歴等を区別した管理職の登用目標については、現在のところ定めておりません。今後につきましても、すべての従業員が成長できる機会を提供、育成し、社内環境の整備に努めていく方針です。

また、環境への配慮については、現時点において、気候変動によるリスクや収益機会が当社グループの事業活動に重大な影響を与えるとは評価しておりません。このため、環境面における具体的な指標および目標の設定には至っていない状況です。しかしながら、今後も社会的要請や環境変化を注視しつつ、環境への取り組みを強化し、持続可能な事業活動の推進に努めてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態および経営成績の変動要因について

①公共投資の減少による売上高の変動リスク

公共事業に対する依存が高いコンクリート製品関連金物部門では、公共投資の縮減が、販売競争の激化や価格の下落等を引き起こし、売上高の減少や利益率の低下といった影響を与える可能性があります。

 

②為替相場の変動リスク

当社グループでは中国を中心とするアジア諸国から調達している商品があり、これらの仕入れ価格は為替相場の影響を受けます。引き続き円安が進んだ場合には、仕入れ価格の上昇を通じて粗利率の低下を招き、営業利益が悪化する可能性があります。

 

(2) 海外事業展開について

輸入商品の仕入れ拡大により、短期的な海外への出張があります。海外の安全情報には常に注意を払い、適切な管理を実施しておりますが、国・地域により伝染病への感染やテロ等に巻き込まれる危険性が増してきております。その結果、当社グループの事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

 

(3) 自然災害について

大規模な自然災害が発生した場合、営業拠点や物流施設などの復旧費用や事業活動の中断による機会損失、その他不測の事態に対する費用等の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の回復や雇用環境の改善により、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料価格や物流費の高止まり、地政学的リスクの拡大、為替変動に伴う物価上昇などが消費者マインドに影響を与え、先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社グループが主に関連いたします建設業界におきましては、民間設備投資の持ち直しや公共投資の堅調な推移を背景に、全体として底堅い需要が続く一方で、人手不足、労務費の上昇、工期の遅延などの問題も継続しており、こうした状況への対応が引き続き重要な課題となっております。

このような状況の中で鋲螺部門におきましては、ウェブ受注システム「ねじネット」において顧客が商品を購入しやすいように機能を改善するなどして、顧客の利便性と業務効率の向上への取り組みを進めてまいりました。また、顧客への訪問機会の増加や定期的な販売キャンペーンの実施などを通じて、市場での販売シェアの拡大に努めました。

コンクリート製品関連金物部門におきましては、港湾整備工事、国内外の高速鉄道関連案件、能登半島地震復興事業、大規模都市再開発などへの貢献により、前年度比で売上高、粗利益、営業利益が増加いたしました。

 

以上のことから、当社グループの当連結会計年度の売上高は22,538百万円(前期比0.6%増)となりました。損益面では、営業利益は1,009百万円(前期比11.6%増)、経常利益は1,279百万円(前期比3.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は904百万円(前期比1.0%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ1,076百万円増加し、3,257百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、2,061百万円(前連結会計年度は20百万円の資金の使用)となりました。

収入の主な内訳は売上債権の減少額1,381百万円、税金等調整前当期純利益1,313百万円、減価償却費424百万円であります。支出の主な内訳は、法人税等の支払額477百万円、棚卸資産の増加額429百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、191百万円(前連結会計年度は78百万円の資金の獲得)となりました。

支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出197百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、781百万円(前連結会計年度は508百万円の資金の使用)となりました。

支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出636百万円、自己株式の取得による支出157百万円であります。

 

(販売及び仕入の状況)

(1) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

事業部門

販売高(千円)

前年同期比(%)

鋲螺部門

18,852,928

0.7

コンクリート製品関連金物部門

3,685,362

0.2

合計

22,538,290

0.6

 

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

 

事業部門

仕入高(千円)

前年同期比(%)

鋲螺部門

15,365,878

△1.6

コンクリート製品関連金物部門

2,447,963

△1.5

合計

17,813,841

△1.5

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当社グループの当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下の通りであります。

 

(1) 経営成績の分析

(売上高)

売上高は、22,538百万円となり、前連結会計年度に比べ128百万円(前期比0.6%)増加となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

売上原価は17,384百万円となり、前連結会計年度に比べ42百万円(前期比0.2%)増加となりました。これは、売上高の増加によるものであります。この結果、売上総利益は、5,153百万円となり、前連結会計年度に比べ85百万円(前期比1.7%)増加となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、4,143百万円となり、前連結会計年度に比べ18百万円(前期比0.5%)減少となりました。運賃が増加しましたが、その他の一般管理費の削減により減少となりました。この結果、営業利益は1,009百万円(前期比11.6%増加)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は443百万円となり、前連結会計年度に比べ28百万円(前期比7.0%)増加となりました。これは受取配当金の増加によるものであります。営業外費用は、173百万円となり、前連結会計年度に比べ94百万円(前期比120.3%)増加となりました。この結果、経常利益は1,279百万円となり、前連結会計年度に比べ38百万円(前期比3.1%)増加となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、904百万円となり、前連結会計年度に比べ9百万円(前期比1.0%)増加となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当社グループは適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて125百万円(0.8%)減少し、16,529百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が1,146百万円減少し、現金及び預金が1,076百万円、商品が429百万円それぞれ増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて487百万円(2.9%)増加し、17,513百万円となりました。これは主に、投資有価証券が時価評価等により854百万円増加し、機械装置及び運搬具が246百万円、建物及び構築物が115百万円それぞれ減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて361百万円(1.1%)増加し、34,042百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて69百万円(0.6%)増加し、12,034百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が350百万円増加し、電子記録債務が150百万円、支払手形及び買掛金が129百万円それぞれ減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて731百万円(8.7%)減少し、7,717百万円となりました。これは主に、長期借入金が986百万円減少し、繰延税金負債が282百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて662百万円(3.2%)減少し、19,751百万円となりました。

 

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,024百万円(7.7%)増加し、14,290百万円となりました。これは、利益剰余金が767百万円、その他有価証券評価差額金が389百万円それぞれ増加し、自己株式を146百万円取得等したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「(経営成績等の状況の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、固定資産への投資資金であります。運転資金の主な内容は商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。固定資産への投資資金の主な内容はデジタル化への投資や物流倉庫への投資であります。

資金の調達については、自己資金または、金融機関からの借入等を基本方針として調達しております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

(財務上の特約が付された金銭消費貸借契約)

当社は、株式会社三井住友銀行を主幹事とする、財務上の特約が付されたコミット型シンジケートローン契約を締結しております。当該契約に関する内容等は、以下のとおりであります。

(1) 契約締結日

 2020年10月30日

(2) 金銭消費貸借契約の相手方の属性

 都市銀行・信託銀行

(3) 金銭消費貸借契約に係る債務の期末残高及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容

 ①期末債務残高 5,596,326千円

 ②弁済期限 2037年4月30日(3ヶ月毎に分割返済)

 ③当該債務に付された担保の内容 大正DCの土地・建物

(4) 財務上の特約の内容

本契約には、一定の財務制限条項が付されております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。