第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は創造と創業の精神を以って会社を成長、発展させ、会社に関連する人々の豊かな未来づくりに寄与するとともに、お客さまへの高い技術と優れた製商品の提供を通じて社会に貢献すること、および従業員に生きがいを見出す場を提供することを経営理念とし、主に固液の遠心分離技術による機械の製造販売と特色ある化学工業原材料の輸入販売を行ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社は単に製商品の販売拡大を目指すのではなく、機械製造販売事業では特異な技術を必要とする製品の開発・販売を、また、化学工業製品販売事業では限られたマーケットにあっても特色がある専門知識を要する付加価値の高い商材の取扱を、夫々に心掛けており、これらを追求して行くに際しての経営指標として、事業収益力の実態が表れる経常利益と経営効率を示すROEを重視しています。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社の中長期的な経営戦略は、機械製造販売事業については新しい製商品の開発とコストの削減および海外ビジネス拡大であり、化学工業製品販売事業については特色ある新商材の発掘と新規顧客の開拓および海外市場へ向けた積極的な展開です。
 こうした中長期的戦略の継続的な展開を図るため、当社では2022年11月に中期経営計画「For Sustainable Future(~持続可能な未来のために~)」(2023年10月期~2025年10月期)を策定し、持続的成長と企業価値向上を目指し種々の取り組みを推進してまいりました。
 また、未来にわたって持続的な成長を図るために、新たな中期経営計画(2026年10月期~2028年10月期)「Create The New Future~新たな未来の創造~」を策定し、その最終年度(202810月期)の目標を連結売上高700億円、営業利益および経常利益は共に70億円、親会社株主に帰属する当期純利益を50億円とし、その達成に向けた取り組みを推進してまいります。
 機械製造販売事業では、三つの柱を軸に事業を展開してまいります。第一の柱として、海外市場において中核となる遠心分離機の販売を促進し、海外ビジネスを拡大します。今後成長が見込まれるインドでは、現地法人化した拠点を活かし、当社が強みを持つ化学工業市場を重点的に開拓します。また、米国法人を中心に米州市場の深耕を加速するほか、東南アジアではタイ、インドネシア、ベトナム各拠点を結ぶ販売ネットワークを構築し、未開拓分野への進出を目指します。第二の柱では、未利用熱の有効利用を切り口として、焼却炉などの産業排熱向けを中心にバイナリー発電装置を拡販します。更に第三の柱として、機械商社に求められる機能を高め、環境負荷低減に繋がる製商品の拡充に注力します。生産部門では、需要拡大に対応すべく、当社サガミ工場の一部と遠心分離機の板金溶接加工を担う当社の100%子会社である巴マシナリー株式会社を移転するための新工場を建設し、生産能力増強と新たな研究・開発、生産体制の構築を図ります。これにより、本中期経営計画の最終年度となる2028年10月期の連結売上高20,000百万円、営業利益2,800百万円を目標とし、その初年度となる2026年10月期の連結売上高は前年度比14.2%増の17,400百万円、営業利益については人件費増や将来の成長に資する研究開発等による販管費の増加を見込むものの、増収効果により前年度比12.8%増の2,080百万円となる見通しです。
 

 

 化学工業製品販売事業では、専門商社としての強みや特色を活かした営業活動を展開し、利益の最大化を実現するため売上総利益1億円以上の商品の拡充に努め、業績安定化と更なる成長を目指します。また、海外ビジネスの拡大を重要課題と認識し、タイ、ベトナム、マレーシア各拠点の連携を強化することで、東南アジアの事業拡充を図ります。欧州では、チェコを拠点としてパワー半導体向け商材を中心に拡販します。インドでは、耐火物向け商材に加え高付加価値商品に関する市場調査を進めます。新商品の開発をこれまで以上に推進することで、新たな事業領域の拡大と収益基盤の多様化を図ります。更に、ポートフォリオ分析に基づき、高収益事業に対しては優先的に経営資源を投下し成長を促進する一方、課題事業については適切な対応策を適宜検討してまいります。これにより、本中期経営計画の最終年度となる2028年10月期の連結売上高50,000百万円、営業利益4,200百万円を目標とし、その初年度となる2026年10月期の連結売上高は前年度比3.8%増の45,800百万円、営業利益については人件費増や将来の成長に資する営業開発関係等による販管費の増加を見込むものの、増収効果により前年度比4.6%増の3,670百万円となる見通しです。
 これらを着実に実行するために当社のグローバル化とこれを担う人材教育などの施策を推し進め、両事業の持続的成長と収益力向上を図って行く方針です。

 

2 【サステナビリティに関する考え方および取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(サステナビリティ経営の基本方針)

 

サステナビリティ経営推進基本方針

 1. 継続的な技術革新の他、既存商品の性能向上、新規用途開発への取り組みによる持続可能な成長実現

 2. 社会的課題解決に資する事業の推進による持続可能な社会の実現と企業価値向上

 3. 働きやすい職場環境作り推進と全てのステークホルダーに対する社会的責任の遂行

 

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する全社的な取り組みをより推進するために総務部担当取締役を委員長、両事業本部の執行役員を委員とした「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。同委員会は適宜開催し、以下の2点について討議、方針決定およびその進捗管理を行っています。

 

・ 世界的潮流となっているSDGsに関する事項全般、特に気候変動が当社グループの事業にもたらす機会・リスクの評価、温室効果ガス削減などの社会的課題

・ より働き易く働き甲斐のある企業を目指した人的資本に関する取り組み

 

同委員会における活動状況や決定事項等については取締役会に報告することにより、取締役会の監督・監視機能が適切に行使される体制を構築・運用しております。

そのほか、気候変動等を含む当社グループ全般のリスクを総括的に管理し対応を推進するリスクマネジメント委員会、および法令遵守をはじめステークホルダーとの関係や地球環境の保全を定めた当社グループ「行動規範」の徹底と遵守を図り適正な企業行動を推進する企業倫理委員会を設置しております。

 

(2)戦略

① 気候変動に関する取組

気候変動による世界的な平均気温上昇の社会に及ぼす影響が甚大になりつつあり、脱炭素社会実現に向けた温室効果ガス排出量の抑制は、今や国際社会が取り組むべき喫緊の課題となっております。

こうした中、当社グループは気候変動への対応を重要な経営課題の1つとして認識し、気候変動による影響を把握し評価するため、低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと現状予想される以上の気候変動対策が実施されないことを想定した4℃シナリオについて分析を行いました。

1.5℃シナリオについては、脱炭素税等による原材料調達、製品製造におけるコスト増等のリスクが想定される反面、低炭素や環境配慮に寄与する技術や商材の将来的な成長によるビジネス機会の獲得により業績向上に貢献すると考えます。この1.5℃シナリオに関する機会・リスクの内容は下表①の通りです。

一方、4℃シナリオについては、異常気象の激甚化による国内外拠点への被害等が想定されます。こうした被害を受ける危険性の高い拠点として、当社の100%子会社で遠心分離機の板金溶接加工を担う巴マシナリーがあります。このリスクを低減し事業継続を図ることや海外を中心に需要拡大が見込まれる大型遠心分離機の製作を主目的に、新たに工場用地を取得し、現在、工場建設に向けた準備を進めております。また、基幹システムを始めとする主要システムインフラ等のクラウド化といったBCP対策を施す等、事業運営に影響を与えるリスクを抑える努力をしております。

気候変動はリスクである一方、低炭素や環境配慮に寄与する技術や商材などにより新たな事業獲得の機会に繋がると考え、温室効果ガス排出量の削減に努めるとともに、環境・エネルギー分野における環境負荷低減商材やサービスの提供に注力し脱炭素社会への貢献を目指します。

 

 

表①「リスクと機会」(1.5℃シナリオの場合)

リスク・機会

内容

主な対応策

移行

リスク

政策

法規制

温室効果ガス排出やエネルギー使用に関する法制強化(脱炭素税等)に伴い、対応コストが増加するリスクおよび違反した場合の企業価値が低下するリスク

・温室効果ガス排出量の継続的な削減(再生可能エネルギーの利用、省エネルギーの徹底)

・法規制の遵守徹底

技術

脱炭素社会に向けた熾烈な技術開発競争(省エネ性能、低炭素サービス等)で劣勢になり、顧客ニーズへの対応不足になった場合にビジネス機会を損失するリスク

気候変動問題解決に向けた高省エネ製商品・低炭素サービスの開発、技術革新の推進

市場

製品やサービスに対する省エネ性能のニーズを満たせない場合のビジネス機会の損失

消費者行動が変容し原材料コストが上昇するリスク

ニーズに見合う商材開発や代替材の開発を推進

評判

気候変動対策遅延等に関するステークホルダーからのネガティブ評価に伴い、企業価値低下、対応コスト増大などが生じるリスク

気候変動対策の透明性を確保するための積極的な情報開示

物理的

リスク

急性的

気候変動に起因する自然災害による調達・物流ルートの断絶に伴う製品・サービスの販売機会の喪失および工場、社屋、設備等の被害により操業・営業停止となるリスク

事業継続計画の策定および着実な実行

機会

製品

サービス

脱炭素に繋がる製品の開発および製品・サービスの販売増加

 

・機械製造販売事業

低動力型高効率遠心脱水機(HED型)への切替需要や長寿命化に向けた部品修理販売増加。バイナリー発電等の再生可能エネルギー分野における研究開発の推進及び販売促進、環境負荷低減に寄与する製商品の拡充

・化学工業製品販売事業

環境に優しい紫外線硬化樹脂原料や電気自動車および産業向け次世代パワー半導体用部材を中心に脱炭素に繋がる商材の需要拡大による販売増大

市場

環境課題に対する消費行動の多様化や顧客意識の向上に伴う低炭素市場への参入による機会獲得

低炭素市場に貢献する商材の開発やソリューションの提供の推進

 

 

当社グループの国内工場および本社並びに各支店・営業所等による温室効果ガス排出量については、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるなど、半減させる取り組みを行っております。

当社グループの機械製造販売事業では省エネ、高性能(低含水率、低薬注率、高回収率)な遠心分離機の研究開発に向け飽くなき努力を続けております。また現状、遠心分離機は様々な産業で使用されておりますが、今後は脱炭素に繋がる用途への販売活動に一層注力することに加えて、遠心分離機以外の脱炭素に貢献できるバイナリー発電(地熱や排熱等の未利用熱を電力に変換する)等の製商品開発や営業活動に積極的に取り組んでいます。更に、脱炭素に貢献する第3の柱となる製商品の拡充に向けた取り組みを推進します。

 

当社では同事業が手掛ける機械、装置工事は高脱水による焼却エネルギーの低減、排水処理作業の効率改善、生産性向上による電力利用量の改善等に寄与し、部品修理は製品の長寿命化に繋がるため廃棄物削減に寄与するなど脱炭素に貢献すると認識しております。このように、同事業の販売を伸ばすことは脱炭素に対する取り組みに繋がるため、同事業の主な販売先である下水・排水・石油化学業界向けを中心に販売拡大に努め脱炭素に寄与してまいります。

化学工業製品販売事業では、多岐にわたる産業分野においてニッチな高付加価値商材を提供しておりますが、更に脱炭素社会実現に必要な商材の販売に注力します。具体的には省エネルギーに繋がる紫外線硬化樹脂原料や電気自動車および産業向け次世代パワー半導体用部材などの脱炭素に対して有益な商材を提供します。

同事業では、こうした状況を商機と捉え、脱炭素向け商材の販売拡大に取り組み事業全体の業績拡大に繋げてまいります。

2025年10月期の当社グループ合計の脱炭素向け売上高は前年度比18.4%増の約297億円となり、グループ全体の売上高の約50%を占めております(表②参照)。

当社グループはユーザーの要求に応えるべく永続的に研究開発を推進すると共に脱炭素社会実現に資する取り組みを推進すべく技術力向上や商材開発を追求し続けます。

 

表②脱炭素向け売上構成比                               

                                        単位:百万円

 

2024年10月

2025年10月

前年比

脱炭素向け

25,143

29,779

+18.4%

連結全体

52,119

59,365

+13.9%

構成比

48.2%

50.2%

+2.0pt

 

 

また、中期的な目標として、2030年10月期における脱炭素向け売上構成比55%を目指した営業活動に注力します(表③参照)。

 

表③「2030年10月期における脱炭素向け売上構成比目標」

 

2024年10月

2030年10月

増加pt

脱炭素売上構成比

48.2%

55%

+7pt

 

 

② 人的資本に関する取組

「高い技術と優れた製商品を提供し、社会に貢献する」という当社グループの経営理念の実践には、それを担う人材の確保と育成が必要不可欠であり、また、「従業員に生きがいを見出す場を提供する」ことも経営理念の一つです。サステナビリティ経営推進基本方針のもと、第14回中期経営計画「Create The New Future ~新たな未来の創造~」では、より働きやすく働き甲斐のある会社を目指し、様々な施策に取り組みます。当社グループの人的資本の考え方は次のとおりです。

 

1.人材育成方針

遠心分離機を主とする分離等の技術やその生産を担う人材、専門性の高い化学分野で活躍できる人材、そしてグローバルに活躍できる人材を、事業戦略に基づき新卒、中途、年齢、性別、国籍等に関わらず採用し、OJT、各種階層別研修・目的別専門研修、海外語学留学等を通じて育成します。各社員に求める能力や役割をコース・等級ごとに明確にして自覚を促し、指導・教育・研修を適時実施することで、必要なスキルやマインドの習得を図ります。また、自己啓発を推奨しており、自らが学び成長できる環境の整備にも注力します。

この方針のもと、事業分野別職種別の新卒採用、専門性の高い人材の中途採用、新入社員研修・営業担当者向け研修、初級管理職研修などの階層別テーマ別研修、フィリピンでの約1ヶ月間の選抜型語学研修、指定した教育プログラムの修了や資格取得を基準としたコース・等級別昇格資格要件制度の運用、自己啓発学習の費用支援、資格取得者への報奨金支給等に取り組んでいます。

 

2.社内環境整備方針

役員・社員が遵守すべき行動の基本的な考え方を示した巴工業グループの「行動規範」に、社員の基本的人権と多様性を尊重し、働きやすい職場環境を確保する旨を明記しています。会社と役員・社員はこの行動規範の理解を深める活動を継続的に行い、多様な背景や価値観を持つ社員がお互いを尊重し、それぞれの特徴を活かして活躍できる働きやすい環境の整備に努めます。

この方針のもと、「行動規範」の理解を深めコンプライアンス意識を醸成する小集団活動や「自分とは異なる多様な属性、経験を持った人を尊重し受容する雰囲気を醸成する」ことを目的としたダイバーシティ&インクルージョン研修、ハラスメント防止研修を実施したほか、ワークライフバランスに配慮した多様な働き方を実現するため、社員エンゲージメント調査の実施、時差勤務や在宅勤務制度の実施、年次有給休暇の取得促進、育児休業等の措置の拡充に取り組み、また、執務スペースや会議室の拡充、ビジネスカジュアルの導入、社員の健康管理に関する補助、世間水準を超える賃上げの実施等にも取り組んでいます。

(注)上記各方針に基づく取り組みについては、提出会社のものを記載しております。

 

 

(3)リスク管理

経営環境が不確実性を増す中、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに的確に対処することが、経営戦略や事業目的を遂行する上で不可欠と認識しております。

当社グループでは、代表取締役社長を責任者とするリスクマネジメント委員会がグループ全般のリスクを総括的に管理し、対応を推進しております。リスクマネジメント委員会は各事業部門の役員で構成され、同委員会が事業活動に影響を及ぼす可能性があるリスクを認識・評価し、委員会メンバーおよびリスクマネジメント担当者が中心となりその対応に取り組んでおります。

サステナビリティに関連するリスク、特に経営上の重大なリスクの1つとして位置付けられている気候変動問題は、その識別、評価、管理をサステナビリティ推進委員会が担っております。具体的には、事業部門が業績に影響を及ぼすと考える機会・リスクを抽出し、それを集約・分析する他、経営戦略に影響する気候変動問題に関する動向や法制度・規則変更等の外部要因を共有すると共に影響度が大きく発生頻度が高いリスクについて優先順位を付けて対応策を検討しております。また、その内容や対応については適宜取締役会に報告しています。

 

(4)指標と目標

① 気候変動に関する取組

当社グループは当面の気候変動リスクへの対応として、再生可能エネルギーの導入による温室効果ガス排出量削減および業務のペーパーレス化(紙の原料となる森林の伐採抑制や紙を廃棄する際の焼却抑制により脱炭素に繋がる)に注力しております。

(ア)温室効果ガス排出量(スコープ1~3)

2024年10月期まではスコープ1,2合計の温室効果ガス排出量の算定範囲を国内拠点に限定しておりました。2025年10月期は、対象範囲を一部の海外拠点にまで拡大しております。そのため、温室効果ガス排出量は2024年10月期より若干増の499tとなりますが、2021年10月期比では45%弱削減しております(表④参照)。

スコープ2(他社から供給された電気、熱、蒸気に伴う間接排出)については、主力工場であるサガミ工場とアフターサービス、部品・修理の販売を担う湘南工場は2022年より100%再生可能エネルギー由来に切り替えており、温室効果ガス排出量を2021年10月期比70%以上削減しております。

スコープ3については、2024年10月期より把握可能なカテゴリーに関する温室効果ガス排出量の算定を始め、原単位として環境省が提供するデータベースを使用しました。2025年10月期は一部サプライヤーの協力により入手したサプライヤー毎の原単位を基に温室効果ガス排出量を算定した結果、2024年10月期比10.2万トン減の19.6万トンとなっており、その大部分をカテゴリー1(購入した製品・サービス)が占めております(表⑤参照)。

 

   表④「スコープ1,2」

                                        (単位:t)

項目

温室効果ガス排出量

削減率

2021年比

2021年10月

2023年10月

2024年10月

2025年10月

スコープ1

277

285

284

312

+12.6%

スコープ2

626

204

204

187

△70.2%

合計

903

489

488

499

△44.7%

 

*対象範囲:提出会社および国内連結子会社(巴機械サービス、巴マシナリー)に、2025年10月期は、海外拠点の内、巴栄機械設備(太倉)、巴USA、巴工業(香港)、巴恵貿易(深圳)、巴タイを追加

 

 

表⑤「スコープ3」

                                     (単位:t)

 

 

温室効果ガス排出量

 

項目

2024年10月

2025年10月

カテゴリー1

購入した製品・サービス

 290,909

187,928

カテゴリー2

資本財

 847

1,473

カテゴリー3

エネルギー関連活動

 31

34

カテゴリー4

輸送、配送(上流)

 5,675

5,959

カテゴリー5

事業から出る廃棄物

 40

42

カテゴリー6

出張

 76

71

カテゴリー7

雇用者の通勤

 297

311

カテゴリー8

リース資産(上流)

 18

19

カテゴリー9

輸送、配送(下流)

 425

300

カテゴリー10

販売した製品の加工

対象外

カテゴリー11

販売した製品の使用

対象外

カテゴリー12

販売した製品の廃棄

対象外

カテゴリー13

リース(下流)

カテゴリー8に集約

カテゴリー14

フランチャイズ

除外

カテゴリー15

投資

除外

スコープ3計

 

298,319

196,137

 

            *対象範囲:提出会社および国内連結子会社(巴機械サービス、巴マシナリー)

 

(注) 1.カテゴリー10、11、12は販売している製品が多岐にわたり、実態把握および合理的な推計が困難なため、対象外としております。

2.カテゴリー13はカテゴリー8に集約しております。

3.カテゴリー14、15は対象となる活動がないため、算定から除外しております。

 

また、スコープ1~3に関する中期的な削減目標を以下のとおりとし、今後は、この目標達成に向けた施策に取り組んでまいります(表⑥参照)。

スコープ1、2については、当社の100%子会社である巴マシナリーの使用電力を再生可能エネルギー由来に置き換えることで削減します。

スコープ3については、サプライヤーとの連携強化に努め精緻化を進めます。

 

表⑥「2030年10月期におけるスコープ1~3の削減目標」

                                    (単位:t)

 

2021年10月

2030年10月

削減率

スコープ1+2

903

400

△55%

 

 

 

 (単位:t)

 

2024年10月

2030年10月

削減率

スコープ3

298,319

164,000

△45%

 

 

(イ)業務のペーパーレス化

主要業務のワークフロー化により2025年10月期コピー用紙使用量を2019年10月期比約60%削減しました(表⑦参照)。

 

表⑦「コピー用紙使用量」

 

2019年10月

2020年10月

2021年10月

2022年10月

2023年10月

2024年10月

2025年10月

枚数(千枚)

2,901

2,422

2,104

1,830

1,607

1,425

1,152

2019年比

△16.5%

△27.5%

△36.9%

△44.6%

△50.9%

△60.3%

 

             *対象範囲:提出会社

② 人的資本に関する取組

当社グループは、(2)戦略-②に示す各方針に基づく取り組みとして以下の指標および目標を設定し、その成果を検証してまいります。特に「総合職正社員に占める女性比率の向上」は、現在低い水準にある女性管理職比率向上のため、その候補となる人材の拡充を図る目的で設定しております。

 

指標

2023年10月

期末実績

2024年10月

期末実績

2025年10月

期末実績

2026年10月期末目標

総合職正社員に占める女性比率の向上

5.6%

5.5%

6.4

8%以上

離職率の低減・維持

1.9%

1.7%

2.3

2.0%以下を維持

有給休暇取得率の向上

83.9%

85.7%

83.6

90%以上

 

(注)当社グループ各社の業容や規模が様々で連結グループとしての記載が困難であることから、提出会社のものを記載しております。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業等に関するリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。各事項の中には将来における状況等に係る内容も含まれますが、これらの内容についても、当連結会計年度末時点における経営諸情報に基づいて判断したものとなっています。

(1) 景気、事業環境に関するリスク

 当社グループの機械製造販売事業では、主に遠心分離機をはじめとする産業用分離機器を製造販売しておりますが、国内およびアジア地域の景気動向、主要顧客である国内外の化学・食品等業界の設備投資動向、国内下水処理場等の公共投資の動向により、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。化学工業製品販売事業では、合成樹脂および同製品、建設・自動車・鉄鋼向け無機材料、塗料・インキ・接着剤向け有機原料、半導体製造工程向けセラミック製品および商材等を販売しておりますが、国内外における化学工業全般および建設・自動車・鉄鋼・半導体業界の動向の他、原材料需給、価格動向により、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 また、化学工業製品販売事業では原材料を取扱うため、より短期間で需給調整が発生し当社の業績に影響します。一方、機械製造販売事業では比較的長期の設備投資サイクルで受注状況が変化するため、やや遅れて業績に影響が発生します。

 さらに両事業において競合他社との価格・サービス競争があり、大口の取引の失注により業績が影響を受ける可能性があります。

 両事業におきましては、これらの景気変動や競争環境に対する抵抗力を高めるため様々な国・地域で幅広い産業の顧客開拓に努めることに加え、在庫管理を徹底し在庫保有リスクを適正化すべく努めております。また、事業環境の変化があっても販売への影響の少ない特色のある高付加価値製商品の開発やコストダウンに努めております。

 

(2) 海外事業展開に伴うリスク

 当社グループは、米国、中国、東南アジア諸国、インド、欧州を始めとして広く海外での事業活動を行っていることから、現地の法律や情勢把握には細心の注意を払い、これらに適時適切に対処すべく努めております。しかし、現地の政情、行政、法規制、税制、人材確保とその維持等々に起因する不測の事態発生により、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。とりわけ、中国および米国においては、米中対立ならびに日中関係、台湾有事、米国の関税政策などの諸問題により、事業活動が制約を受ける可能性があります。

 

(3) 為替相場および株価の変動に関するリスク

 当社グループでは外貨建輸出入取引を行い、外貨建債権債務を保有しており、これらに関しては為替変動の影響が発生します。大口取引については先物予約などによるヘッジを行ない、為替リスクを最小とする努力をしておりますが、急激な為替変動により当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建の財務諸表を作成しておりますが、これらを円貨に換算するに際しても、為替変動に伴う評価リスクの発生が考えられます。

 当社グループでは、ビジネス戦略の一環として取引先企業の株式を保有している他、年金資産運用の一部として株式を保有しており、株価変動または出資先の財政状態悪化により、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。政策保有株式については、毎年資本コストを踏まえた保有意義の確認を行い意義のない銘柄については圧縮に努めております。

 

(4) 自然災害等のリスク

 当社グループは、地震、津波、台風等の自然災害あるいはパンデミック発生時の損失を最小限に抑えるため、リスク管理に関する基本方針に基づく事業継続計画を策定し、社員の安全確保に配慮しつつ、各種の施策を進めております。しかしながら、当社グループが事業を展開する国や地域において、これらの施策を以ってしても対処しえない大規模な自然災害等が発生した場合、生産能力あるいは販売能力が著しく低下し、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

 

(5) 取引先の信用リスク

 当社グループは、多様な商取引により国内外の販売先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当連結会計年度において、連結貸借対照表上に記載されている「受取手形、売掛金及び契約資産」・「電子記録債権」がそのリスクに晒されている代表的な資産です。これらの営業債権について回収期日管理を徹底するとともに、取引先ごとの販売限度額を設定し残高管理を行っており、その与信リスク低減のため、定期的または随時に取引先の信用状況を調査し、必要に応じて担保・保証・取引信用保険を利用した債権保全措置を講じております。しかしながら、取引先の信用状況の悪化や経営破綻等が発生した場合、貸倒引当金や貸倒損失の計上を通して、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(6) 部品原材料調達に関するリスク

 当社グループの機械製造販売事業においては、主力となる遠心分離機の部品・原材料の供給を複数のグループ外調達先から受けています。これらの価格と納期は、原材料の入手難易度の変化、市場価格の変動やグループ外調達先での人件費の変動、原油価格に起因する輸送費の変動により大きな影響を受けます。

 価格の高騰時、その上昇分を当社の販売価格に転嫁できない場合、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。また、価格が下落した場合には棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。更にグループ外調達先の倒産・事業からの撤退により部品・原材料の供給が停止した場合にも生産の遅れ、価格上昇が生じる可能性があります。

 当社グループでは、これらの価格変動リスクを緩和するため、部品・原材料・取扱商材の市況動向を注視し安定価格での調達に努めると同時に、代替材料の検討、主要部品の当社グループ内での製造推進、複数の調達先・輸送手段の確保、在庫管理の徹底に努めております。

 

(7) 工場・製造現場の事故災害、製品の安全、品質に関するリスク

 当社および協力会社の工場・製造現場が自然災害、火災や停電などの事故により、工場の操業停止を余儀なくされた場合や破損した工作機械等の設備、工場施設の復旧に多大な費用を要する場合、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、災害・事故リスクへの対応として、事業継続計画の整備、安全衛生活動の充実、複数の調達先確保に努めております。

 また、当社グループが製造販売する製品に重大な安全・品質問題が発生することで多額の損害賠償、社会的信頼の失墜、製品ブランドの毀損が発生し、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。製品の安全・品質に係るリスクへの対応としては、ISO9001で認定された品質マネジメントシステムの構築と遵守、製品安全性を重視した設計の実施、製品検査の徹底による品質確保に努めております。

 

(8) 人材確保、育成に関するリスク

 当社グループは、年々厳しさを増す企業間競争を勝ち抜くため、各担当分野に精通した人材、特に機械製造販売事業における技術者など専門性の高い人材の確保と育成を着実に行う必要があると考えております。しかし、日本国内における少子高齢化や労働人口の減少により、技術革新や経営に不可欠となる高度な能力を有する人材を確保していくための競争は厳しさを増しており、このような環境下で、優秀な人材の獲得や育成が経営計画に沿って達成されない場合やベテラン・熟練社員から若手層への知識、ノウハウ、技術の伝承等が進まない場合には、営業、設計、製造、研究開発等の業務継続に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このため、次代を担う優秀な人材を新卒、中途、年齢、性別、国籍等に関わらず採用し、OJT、各種階層別研修・目的別専門研修等を通じて育成することで営業力の更なる強化を図る一方、固有技術を確実に継承し新技術の開発力を強化する取り組みを進めております。

 

 

(9) 各種法規制に関するリスク

 当社グループは、国内および事業展開する各国において、輸出入規制、環境規制、製造物に関する規制、化学物質に関する規制等、様々な法律・規制の適用を受けております。当社グループ内において規制遵守のための体制整備に努めておりますが、これらの規制を遵守できなかった場合や規制が強化された場合には、事業活動に制約を受けコスト増加につながる場合があることから、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(10) コンプライアンスに係るリスク

 当社グループは、企業行動規範を定め、法令等の遵守を宣言し、コンプライアンス研修を通じて役職員に遵法意識の浸透を図っております。また、遵守状況の確認やコンプライアンス上の問題等の審議を行う企業倫理委員会およびコンプライアンスに係る情報を収集するためのヘルプ・ラインを設置しているほか、不正の発見・防止とプロセス改善を図るために監査等委員会および内部監査部門が連携して業務プロセスを監査するなど、コンプライアンス違反行為防止のための体制を構築しております。しかしながら、これら対策を講じても、個人的な不正行為等によるリスクを完全には回避することが出来ず、重大な法令違反等を起こした場合には、当社グループの社会的信用、業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(11) 投資、M&A、事業拡大に関するリスク

 当社グループは、常により付加価値の高いビジネスへの展開を志向し、新会社の設立、設備投資、M&A等の事業拡大に向けた投資活動を行っております。こうした投資案件においては、収益が当初の計画水準に達しないことによる資本回収遅延や、追加資金が必要となるなどのリスクがあります。新規事業投資に際しては、事業の収益性や投資回収の実現性を入念に精査した上で意思決定しておりますが、十分な事前検討をもってしても予見あるいは防止できない事象により、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(12) 情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、当社グループ自身の情報はもとより、事業活動を通じて多くのお客様の秘密情報、お客様が保有する個人情報に接する機会を有しております。これらの情報がサイバー攻撃等により漏洩する事で、当社グループの社会的信用やブランドイメージが毀損するリスクと発生した損害に対する賠償金の支払等により、当社グループの業績や財政状態が影響を受ける可能性があります。

 サイバー攻撃は年々高度化・巧妙化していることから、サイバーセキュリティ対策は重要な経営課題となっており、様々な対策を推進しています。最近では、日々進化するサイバー攻撃への対策を講じるとともに、万一の事業継続計画の更なる強化として主要な業務システムをクラウド環境に移行し可用性を高めております。また、外部情報機器の社内ネットワークへの接続制御に加え、役職員に貸与しているノートPC等のモバイル機器については、外部記録媒体の接続制御ならびに遠隔操作でデータ消去(初期化)できる体制を整備するなど、情報漏洩リスクの極小化に努めております。

 加えて、働き方改革の一環として定着している在宅勤務に対しては従業員に専用PCを貸与し、社内ネットワークへの接続には多要素認証を要するなど安全性の高いシステムインフラを整備しております。

 

(13) 気候変動問題への対応および諸規制に関するリスク

 当社グループは、温室効果ガスが原因とされる気候変動問題を世界共通の課題であると認識し、この問題に関する対策のグローバルな議論の進展やそれに伴う規制の動向に常に注意を払っております。また、サステナビリティ推進委員会において情報を整理共有し当社グループへの影響を取締役会に報告するとともに提言を行う体制を整えております。各事業部門においては極力前倒しの戦略修正を心掛け、気候変動問題解決に寄与する新製品開発や新事業分野の開拓に注力しておりますが、この対応が遅れた場合、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度のわが国経済は、期初からプラス成長で推移しましたが、足元では住宅投資および輸出の減少を主因にマイナス成長に転じました。一方、海外においては米国経済が堅調を持続し、欧州経済は低成長ながら底堅く推移したものの、中国経済は減速傾向が続いております。

 こうした情勢の下、当社グループはグローバルに展開する事業基盤とネットワーク、多岐にわたる知見や多様性を強みに価値創造と持続的成長を目指し、2025年10月期までの中期経営計画「For Sustainable Future~持続可能な未来のために~」で掲げた目標達成に向けてまい進してまいりました。その結果、売上高、各利益はいずれも目標を上回り、更にそれぞれ過去最高を更新する業績となりました。

 当連結会計年度における売上高は機械製造販売事業、化学工業製品販売事業の販売がいずれも伸長したことから前年度比13.9%増59,365百万円となりました。利益面につきましては、機械製造販売事業が増益となったことを背景に営業利益が前年度比13.8%増5,352百万円、経常利益が前年度比13.1%増5,401百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、前年度比6.5%増3,851百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

(機械製造販売事業)

 機械製造販売事業では、海外向け機械および部品・修理の販売が伸び悩みましたが、国内官需および民需向けの販売が、好調な受注に支えられ全般的に好調だったことから、当連結会計年度の売上高は前年度比17.2%増加し15,238百万円となりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

品目区分

機械

装置・工事

部品・修理

合計

官 需

24/10

414

1,164

2,936

4,515

25/10

1,063

1,509

3,341

5,915

差 異

649

345

405

1,400

民 需

24/10

857

339

2,429

3,626

25/10

1,427

706

2,807

4,941

差 異

569

366

378

1,315

海 外

24/10

1,650

73

3,138

4,862

25/10

1,390

269

2,721

4,381

差 異

△260

196

△417

△480

合 計

24/10

2,922

1,577

8,504

13,004

25/10

3,881

2,485

8,871

15,238

差 異

959

908

366

2,234

 

 

 利益面につきましては、販売が伸長したことから営業利益は前年度比55.4%増加し1,844百万円となりました。

 

 

(化学工業製品販売事業)

 化学工業製品販売事業では、機能材料関連の半導体製造用途向け材料、電子材料関連の半導体組立用途向け材料の販売が伸び悩んだことに加えて、合成樹脂関連の販売が解散を決議した中国子会社の操業停止の影響もあり減少しました。一方、鉱産関連の樹脂向け添加剤が大きく伸びた他、化成品関連のコーティング用途向け材料等を中心に販売が伸長したことから、当連結会計年度の売上高は前年度比12.8%増加し44,127百万円となりました。

 

 

(単位:百万円)

 

24/10

25/10

差 異

合成樹脂関連

4,523

3,619

△904

工業材料関連

6,592

6,510

△82

鉱産関連

6,329

13,915

7,586

化成品関連

9,633

10,483

850

機能材料関連

7,204

5,227

△1,977

電子材料関連

4,679

4,368

△311

その他(洋酒)

151

2

△148

合計

39,115

44,127

5,011

 

 

 利益面につきましては、販売が伸長したものの、人件費増を主因とする販管費の増加により営業利益は前年度比0.2%減少し3,508百万円となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末の流動資産は、商品及び製品が増加した一方、現金及び預金ならびに電子記録債権が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ483百万円減少し41,756百万円となりました。固定資産は、無形固定資産が減少した一方、有形固定資産および退職給付に係る資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3,679百万円増加し14,629百万円となりました。

 負債は、賞与引当金および繰延税金負債が増加した一方、支払手形及び買掛金ならびに電子記録債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ189百万円減少し13,648百万円となりました。

 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3,385百万円増加し42,737百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末の74.0%から1.8ポイント上昇して75.8%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の段階で収入となった一方、投資活動および財務活動の段階で支出となったことにより、前連結会計年度末に比べ1,565百万円減少13,367百万円となりました。ここに至る当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とその変動要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、2,376百万円となりました。これは、法人税等の支払1,674百万円および棚卸資産の増加1,535百万円などによる資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益5,478百万円、減価償却費による資金の留保377百万円ならびに売上債権及び契約資産の減少627百万円などによる資金の増加が上回ったことによるものです。なお、前連結会計年度の3,363百万円の収入と比べ987百万円の収入減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、2,474百万円となりました。これは、有形固定資産の売却による収入89百万円などによる資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出2,505百万円および差入保証金の増加額75百万円などによる資金の減少が上回ったことによるものです。なお、前連結会計年度の629百万円の支出と比べ1,844百万円の支出増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、1,546百万円となりました。これは、配当金の支払額1,546百万円などによるものです。なお、前連結会計年度の1,327百万円に比べ219百万円の支出増加となりました。

 

④ 生産、受注および販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

機械製造販売

15,153,406

14.4

(4,354,730)

(△11.9)

合計

15,153,406

14.4

(4,354,730)

(△11.9)

 

(注) 1.金額は販売価格をもって表示しております。

2.( )は、海外向け生産高を内数で表示しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高(千円)

前年同期比

(%)

機械製造販売

15,207,918

△4.3

13,826,723

2.0

(4,765,327)

(△3.6)

(3,842,946)

(11.3)

合計

15,207,918

△4.3

13,826,723

2.0

(4,765,327)

(△3.6)

(3,842,946)

(11.3)

 

(注) 1.( )内は、海外向け受注高を内数で表示しております。

2.上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

機械製造販売

15,238,286

17.2

(4,369,359)

 (△10.1)

化学工業製品販売

44,127,184

12.8

(4,354,748)

 (△18.6)

合計

59,365,470

13.9

(8,724,107)

 (△14.6)

 

(注) 1.( )内は、海外販売高を内数で表示しております。

2.上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 中期経営計画(2023年10月期~2025年10月期)の達成状況

 2025年10月期に最終年度を迎えた中期経営計画For Sustainable Future~持続可能な未来のために~(202310月期~202510月期)」は、当初中計最終年度の目標を売上高50,000百万円、営業利益4,000百万円としてスタートしましたが、その後、業績が好調に推移したため、目標を売上高57,000百万円、営業利益4,960百万円に上方修正しました。事業毎の上方修正後の目標は、機械製造販売事業が売上高15,600百万円、営業利益1,470百万円、化学工業製品販売事業が売上高41,400百万円、営業利益3,490百万円です。機械製造販売事業では、国内における民需向け全般、官需向け装置工事、部品修理、海外における部品修理の販売が伸長し、売上高は目標をやや下回りましたが、営業利益はこれを上回りました。化学工業製品販売事業では、化成品関連が全般的に伸びた他、機能材料、鉱産関連等、幅広い分野が伸長したことにより、売上高、営業利益共に目標を上回りました。その結果、当社グループ全体の売上高、各利益はいずれも目標を上回り、更にそれぞれ過去最高を更新する業績となりました。

 

 また、資本効率の改善と資本コストや株価を意識した経営を進めた結果、ROE9.4%、PBR1.11倍となり、いずれも目標を上回りました。

 

                                        (単位:百万円)

 

 

23/10実績

24/10実績

25/10実績

25/10上方修正後中計最終年度目標

売上高

49,628

52,119

59,365

> 57,000

 

機械製造販売

13,041

13,004

15,238

< 15,600

 

化学工業製品販売

36,587

39,115

44,127

> 41,400

営業利益

4,048

4,703

5,352

>  4,960

 

機械製造販売

829

1,187

1,844

>  1,470

 

化学工業製品販売

3,218

3,516

3,508

>  3,490

経常利益

4,115

4,775

5,401

>  5,000

当期純利益

2,733

3,616

3,851

>  3,620

ROE

7.7%

9.5%

9.4%

>   8.9%

PBR

0.72倍

0.96倍

1.11倍

> 1.00倍

 

 

次に、この中期経営計画で掲げた重点施策とその成果は以下のとおりです。

 

 

重点施策

成果

機械製造販売

①海外事業の拡大推進
②採算性向上の実現
③バイナリー発電装置の販売開始
④第三の柱となる新規製商品の海外調達強化

①インドへの展開拡大
→現地法人設立(2025年11月)、石油化学

 プロジェクトの受注
②営業利益率向上(8.0%→12.1%)、新工場

 建設着手
③バイナリー発電装置の販売開始

→1号機の受注
④第三の柱となる新規製商品の営業活動開始
→超低温ベルト乾燥機など

化学工業製品販売

①パワーデバイス市場での商権確立
②海外事業の拡大推進
③新たなサプライヤー発掘への注力
④新規事業の立ち上げ

①パワー半導体向け部材の販売拡大
②チェコ子会社でのパワー半導体向け部材

 の販売基盤確立
②③インド駐在員事務所開設
→耐火物市場の市場調査
④ライフサイエンス分野への進出

経営全般

①資本効率の改善(ROE改善)
②持続的成長に資する投資への積極的な取り組み
③DXの推進と社員一人一人が活躍できる職場環境
 づくりへの取り組み
④株主還元の強化、IR活動の強化

①収益力向上によるROE改善(8.0%→9.4%)
①事業ポートフォリオの見直し
→星際Gr清算、

 巴ワイン・アンド・スピリッツ売却
②新工場建設のための土地取得
③DX推進と人事制度改定による多様で柔軟な

 働き方の実現
→在宅勤務、時差勤務、時間単位の有給休暇

 制度導入など
④新たな配当方針の下での増配と株主優待の

 拡充
④IR担当部署を設置し、投資家とのミーティ

 ング回数を飛躍的に増加
 ※株式分割、株式売出しにより株式の流動

  性向上を実現

 

 

 

 なお、今後においては、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」で前述したように、新たに中期経営計画「Create The New Future~新たな未来の創造~(2026年10月期~2028年10月期)」で掲げた重点施策に取り組み、以下の目標達成を目指してまいります。

                                        (単位:百万円)

 

 

25/10実績

26/10見通し

28/10目標

25/10実績比

売上高

59,365

63,200

70,000

+17.9%

 

機械製造販売

15,238

17,400

20,000

+31.2%

 

化学工業製品販売

44,127

45,800

50,000

+13.3%

営業利益

5,352

5,750

7,000

+30.8%

 

機械製造販売

1,844

2,080

2,800

+51.8%

 

化学工業製品販売

3,508

3,670

4,200

+19.7%

経常利益

5,401

5,770

7,000

+29.6%

当期純利益

3,851

4,200

5,000

+29.8%

ROE

9.4%

9.7%

10.5%

+1.1pt

 

 

② 資本の財源および資金の流動性

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 当社グループでは、運転資金および定常的な設備投資・研究開発については、主に営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金にて賄われております。今後も企業価値向上のための成長投資を積極的に進めてまいります。また、緊急時の支払いに備えて主要金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメントライン契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。

 なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動につきましては、連結子会社では研究開発活動を行っておらず、連結財務諸表を作成する当社のみが行っております。

機械製造販売事業

機械製造販売事業の研究開発活動は、機械技術部技術開発課を中心として営業技術部および新事業開発部などの関係部署が相互に協力し、推進しております。

主力の分離機器では、新プロセスや新用途への対応をテーマとし、新製品・装置につきましても用途開発のための基礎研究や改良に注力しており、当連結会計年度の研究開発費の総額は195百万円であります。

主な研究開発課題は、以下のとおりです。

1 竪型遠心分離機の高温高圧対応

2 用途特化型遠心分離機

3 分離版(ディスク)型遠心分離機の高機能化

4 製造工程効率化のための取り組み

化学工業製品販売事業

 主として化学品原料とその関連品の販売を行う専門商社機能のため、化学工業製品販売事業の研究開発に関し特記すべき事項はありません。