第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略等

当社グループは、ビジョンとして「高齢者が笑顔で居る未来を堅守する」を掲げ、家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会の実現を目指しております。

介護家族に向けたシニアホーム紹介サービスを中心とする「シニアライフサポートサービス」と、シニアホームに向けたコンサルティングサービスを中心とする「シニアホームコンサルティングサービス」を行っており、経営戦略は以下のとおりであります。

(a) シニアライフサポートサービス

介護家族が高齢者の心の介護に寄り添える状態を増やすことを目的に、家族会議実施数(※11)を増やしてまいります。そのために、チーム制を活かしたMSW等からの紹介獲得のためにSales EnablementのPDCAサイクル(※12)を回すことでオペレーショナル・エクセレンス(※13)の浸透を図り、新人コーディネーターの早期立ち上がりを実現し、サービスの均質化を図ってまいります。

また、全国約8千施設ある病院は都市圏中心にカバー出来ているものの、全国約4万名のMSWへのリーチは限定的に留まっているため、全国の拠点網を活かし継続的にアプローチし、更なるシェア拡大を推し進めてまいります。

 

※11 家族会議実施数とは、当社のコーディネーターが本人や介護者と対面や電話、オンラインのいずれかでシニアホーム選定のための条件や要望確認、優先順位の整理等の話し合いを実施した案件数をいう。

※12 PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念をいう。当社では、新人コーディネーターの早期立ち上げを実現するためのPDCAサイクルとして、Plan:立ち上がりの道筋をつけるため成長ステップ及び成長スピードを設定、Do:時間と場所を選ばないラーニングツールとして成功事例をマニュアル化し、営業学習コンテンツでのラーニングと実践、Check&Action:基礎知識を応用力にするため、マネジャーとの1on1を通じたモニタリング及び改善活動を行うことをいう。

※13  オペレーショナル・エクセレンスとは、現場で徹底的にオペレーション(業務の管理や実行過程)を改革することで、競合優位性の獲得を目指す考え方をいう。

 

(b) シニアホームコンサルティングサービス

2024年9月17日に当社100%出資の子会社として株式会社ケアサンクを設立し、シニアホーム新規開設コンサルティング等の事業を通じて、介護家族に安心を提供するシニアホームの拡充をサポートしております。

これまでは与信力の高いシニアホーム運営事業者の新規開設コンサルティングを中心に行ってまいりましたが、今後は新事業である「ケアサンク パートナーリース」によって当社グループでシニアホーム運営事業者の与信力を担保することで、運営力はあるが事業拡大が容易ではなかった運営事業者の開設支援についても強化してまいります。

 

 

 


 


 

当社は、2023年4月13日開催の取締役会にて、ビジョンを実現するための基本方針を決議しております。当社が、事業成長を伴いながら、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトの創出を意図する企業として「インパクトIPO(※14)」を目指す上で、ビジョンを設定し、継続的に以下3点に取組むための方針を定めました。なお、2023年10月にインパクトIPOを達成しております。

(1)「インパクト測定及びマネジメント(インパクト・メジャメント&マネジメント(※15))」を行う

(2)インパクトに関する情報を開示・発信する

(3)ステークホルダーとのエンゲージメント活動を積極的に行う

 

※14 ポジティブな社会的・環境的インパクトの創出を目的としている企業がIPOを実現すること(一般財団法人社会変革推進財団HPより抜粋)。

※15 インパクト・メジャメント&マネジメントとは、企業や非営利組織の活動やサービスが、社会や環境に与えた変化や効果を可視化するのが「インパクト測定」、社会的な効果に関する情報にもとづいて事業改善や意思決定を行い、インパクトの向上を志向することを「インパクトマネジメント」という(一般財団法人社会変革推進財団HPより抜粋)。

 

上記の基本方針を基に、当社グループは、事業を通じて、介護家族が高齢者に対する「心の介護」に専念できるよう、「介護家族にとって、ホーム介護の利用が『ポジティブ/当たり前』になっている状態」を目指し、「家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会」の創出に貢献してまいります。

また、このような社会の創出を目指して、中長期的に

・「マッチするシニアホームとの出会いにより、負担が軽減している介護家族が47都道府県で増加」

・「自らの強みを伸ばしてサービスの質を上げ、介護家族に安心を提供しているシニアホームの増加」

という2つの社会変化を目指して以下のとおり、事業展開をしてまいります。

 

(a)「マッチするシニアホームとの出会いにより、負担が軽減している介護家族が47都道府県で増加」の社会変化の実現のために、以下の2つの指針に基づき、シニアホーム紹介サービスを展開してまいります。
(イ)介護家族が、シニアホームの情報と接点を持ち、家族会議を実施していること

当社は、入居検討者がシニアホームへの入居を検討するに当たり家族会議の場を持つことで、家族内でシニアホームへの納得感が醸成され、家族をシニアホームに入居させることに対する介護家族の心理的負担が大きく削減されると考えており、シニアホームへの入居を検討している家族に対して家族会議の場を持つことを推奨し、それを経営指標としてモニタリングしております。その結果、家族会議を経てシニアホーム入居を決めた入居検討者は、その後実際にシニアホームへの入居に至ることが多くなっております。

(ロ)当社への相談の結果、マッチするシニアホームとの出会いにより、介護家族の負担が軽減していること

当社は、介護家族が抱える課題の多くはシニアホーム介護の適切な利用によって解決することができると考え、シニアホーム介護の利用を促進することで、介護を担う家族の介護の負担が軽減され、高齢者に対する「心の介護」に専念できる状態を作り出します。それを計測する経営指標として、マッチするシニアホームと出会い入居に至った入居対象者の数(成約数)をモニタリングしております。

 

(b)「自らの強みを伸ばしてサービスの質を上げ、介護家族に安心を提供しているシニアホームの増加」の社会変化の実現のために、以下の2つの指針に基づき、「ケアプライムコミュニティサイト」及びシニアホームコンサルティングサービスを展開してまいります。
(イ)シニアホームが自らの強みを認識し、シニアホームに対するニーズを把握する機会が増加していること

プラットフォーム「ケアプライムコミュニティサイト」に参加するシニアホーム間の経営情報の流通を実現し、それを活かしてサービスの質を向上していただくために実施するものであります。サービスの質を向上したいという意欲を持つシニアホーム運営事業者に必要な情報を提供するものでありますが、特に、加盟するシニアホームに自らの強みを認識していただくことに重点を置いております。そのプラットフォーム「ケアプライムコミュニティサイト」の提供価値を明確に伝えることで、加盟者の募集を行います。

(ロ)新規シニアホームの開設支援により、介護家族に紹介可能な優良なシニアホームの数が増加していること

当社子会社である株式会社ケアサンクにて行うシニアホームコンサルティングサービスにおいては、シニアホーム運営事業者による新規のシニアホーム開設を支援することで、優良なシニアホームの増加を図り、介護家族にとっての選択肢の増加とより適切なマッチングを目指しております。それを計測する経営指標として、ケアサンクが開設に携わった新規開設施設の居室数をモニタリングしております。

 

〔当社グループの社会インパクトの成果指標〕

当社グループが「家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会」を目指す過程で、「介護する家族・ケアラー」に焦点を当て、「介護家族にとって、ホーム介護の利用がポジティブ/当たり前になっている社会」を実現していくことは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標である持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:以下、「SDGs」という。)の達成にも寄与するものであります。

在宅での介護を抱え込まざるを得ない状況に追い込まれている介護家族の負担を軽減することで、SDGsの目標5「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」の中のターゲット5.4「公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する」ことに繋がると考えております。

 

当社グループが目指す『介護家族が心の介護へ向き合い、高齢者が笑顔で居る社会』は、SDGs5.4.に係る社会インパクトを創出しており、成果指標としては、介護家族の身体的介護負担からの解放によって生み出された時間とポジティブな使い方を計測しております。

 


※1:当社調べ 2023年4月~2025年11月「入居後「心の介護」アンケート(入居後にキーパーソンに対してアンケートを実施  N=1231)」結果より、介護に要する時間が減ったと回答したN=817の内訳を抜粋

※2:アルバイト・パートを含む  

※3:家事の時間を除く

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの目標とする経営指標として、前述のロジックモデルに記載の短期アウトカムから設定しております。当社グループが重視している経営指標等であるKPIの内容、目安としている水準は以下のとおりであります。なお、KPIの大前提として、リアルタイムで測定できる数値、かつコントロールできる数値であるものとしております。

なお、当連結会計年度末現在、KPI1及びKPI4については見直しを行っておりますので、詳細な説明及び数値の記載は省略しております。

 

(a) シニアライフサポートサービス
〔KPI2:家族会議実施数〕

介護家族と入居対象者が今後の生活方向を決める会議で、介護家族と入居対象者の意識の変革と成約率の向上の測定指標であります。当社グループが目指す社会変化(インパクト)の視点からは、入居可能性のある入居対象者の介護を担う介護家族との早期の接触を行い、介護家族に家族会議を開いてもらうことでシニアホーム介護への納得感を醸成してもらい、シニアホーム介護利用の心理的抵抗感を和らげることに繋がることから、成約の確度がより高まり、成約数の予測に繋がります。当社のコーディネーターが入居対象者や介護家族(身寄りのない生活保護受給者の場合は役所ケースワーカーが該当)と対面や電話、オンラインのいずれかでシニアホーム選定のための条件や要望確認、優先順位の整理等の話し合いを実施した案件数によって計測されます。2025年10月期においての実績は8,911件となっており、2028年10月期の目標25,710件に向けて拡大を図ってまいります。

当社のシニアホーム紹介サービスでは、「インターネットを介しての遠隔でのマッチングサービス」上のシニアホーム検索との差別化を図り、より満足度が高いシニアホーム提案を行うため、「介護家族を知る」ことを大切に「条件(身体状況、予算、エリア等)」と「要望(どのような暮らしを行いたいか、リハビリの要否等)」を分けてヒアリングする機会である「家族会議」を実施しております。介護家族の状況を正しく把握することで、満足度の高いシニアホーム提案に加え、入居に伴い必要とされる煩雑な手続きについても的確な支援を行うことが可能となります。

〔KPI3:スマイル数〕

実際にシニアホーム入居に至った入居対象者の数を表す指標であり、当社グループの営業収益に直結する指標であります。2025年10月期においての実績は4,723人となっており、2028年10月期の目標12,741人に向けて拡大を図ってまいります。

一般的に、介護家族自身が検索・選択を行う形の「インターネットを介しての遠隔でのマッチングサービス」を利用したシニアホーム探しにおいては入居後のミスマッチが生じる可能性があります。一方、当社サービスの利用者は、将来予測等を踏まえた付加価値のある提案により「その方らしい」シニアホームを中立・公平に見つけることができるため、入居後の暮らしまでを想定した納得の入居が可能となります。さらに見学調整、シニアホームや病院とのやり取り代行及び役所の申請手続サポートなど、相談から入居までのトータルサポートを行っているため、「インターネットを介しての遠隔でのマッチングサービス」を利用したシニアホーム入居よりも成約率が高まる傾向にあります。

マッチするシニアホームとの出会いを実現することにより、シニアホーム介護の利用が増加することで、介護家族の負担が軽減され、入居対象者に対する「心の介護」に専念できる状態を作り出すことに繋がると考え、成約数を示す本指標を経営指標として追求しております。

 

(b) シニアホームコンサルティングサービス
〔KPI5:新規開設居室数〕

シニアホームの新規開設に携わった数を表す指標であり、当社グループの営業収益に直結する指標であります。2025年10月期においての実績は1,083室となっており、2028年10月の目標2,000室に向けて拡大を図ってまいります。

社会インパクトの文脈においては、介護家族に紹介可能な優良なシニアホームが増えることで、介護家族に安心を提供でき、シニアホームの利用がポジティブになる状態への歩みを進めることに加え、シニアホーム紹介サービスにおける紹介先を増やすことで、マッチするシニアホームとの出会いと、それに伴うスマイル数の増加にもつながっていきます。

 

(3)経営環境

当社グループが提供するシニアライフサポートサービス及びシニアホームコンサルティングサービスが属する市場は、高齢者人口の推移、要介護認定者数の推移及び要介護認定者の介護を行うケアラーの人口推移に大きく影響を受けます。

日本における65歳以上の高齢者人口推移は以下の図のとおりであり、2025年7月時点で3,620万人(前年同月3,625万人)となり、微減となりましたが、75歳以上の人口は2025年7月時点で2,114万人(前年同月2,060万人)と増加しております。

また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、65歳以上の人口割合は今後も上昇を続け、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には65歳以上の人口割合は34.8%、2045年には36.3%になると見込まれております。


出典 総務省統計局:人口推計(2025年7月)

   国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口(2023年4月)

 

このように65歳以上の人口増加に伴い、介護を受ける者・介護をする者の人口も上昇を続けており、自宅で介護を受ける者と介護をする者の双方が65歳以上の高齢者「老老介護(※16)」については、約200万人(2023年想定)と見込まれております。

 

※16 老老介護とは、自宅で介護を受ける者と介護をする者の双方が65歳以上の高齢者をいう。

 


※1 経済産業省「新しい健康社会の実現」(令和5年3月)より抜粋。

※2  65歳以上の要介護認定者数(厚生労働省「介護保険事業状況報告」(令和7年10月分))に、同居介護率及び同居介護内に占める当該割合(厚生労働省「国民生活調査」(令和4年))を乗じ試算。

※3 文部科学省「令和7年学校基本調査」における中学生・高校生の生徒数に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング「ヤングケアラーの実態に関する調査報告書」における世話をしている家族がいる率を乗じ試算。

 

「老老介護」の増加に加え、働きながら介護に当たる「ビジネスケアラー」、家族の介護やケア、身の回りの世話を担う18歳未満の「ヤングケアラー」の負担が大きな社会問題となりつつあります。

今後、以下の図のとおり2035年度まで要介護認定者数が増加することが予想され、要介護認定者数に対する「老老介護」、「ビジネスケアラー」及び「ヤングケアラー」の割合は上昇していくものと想定されます。


特に「ビジネスケアラー」及び「ヤングケアラー」が抱える問題として、「ビジネスケアラー」は40~50代が多く、会社や同僚にプライベートなことを相談しづらいため突然の離職に至るケースも多い等、仕事と介護の両立に切迫した不安・課題を抱えている傾向にあり、「ビジネスケアラー」の人口は今後、2030年度には、318万人以上にも達すると見込んでおります。

また、働きながら介護にあたる「ビジネスケアラー」の介護による労働時間短縮の労働生産性への影響は経済産業省の推計により2030年度には約9.1兆円の損失へ繋がると見込まれております。

さらに、「ヤングケアラー」については、その生活が“当たり前”で、自身が「ヤングケアラー」という認識がないという子どもも少なくないと言われており、介護やケアに忙しい等、本来受けるべき教育を受けることができない、同世代との人間関係を満足に構築できづらいなど、大きなリスクをはらんでおります。「ヤングケアラー」の人口は2025年には約31万人と推定され、今後は少子高齢化社会の進行に伴い徐々に減少していく見込みではありますが、それに反して要介護認定者数は増加していく見込みであり、「ヤングケアラー」一人当たりの負担は増加していくものと見込んでおります。

このように、高齢者の人口割合の上昇とともに要介護認定者が増えることにより、こうした多様化する介護家族の一人当たりの介護を担う人数は今後益々増えることが予想されます。

当社グループは、事業を通じて、介護家族が高齢者に対する「心の介護」に専念できるよう、「介護家族にとって、シニアホームの利用が『ポジティブ/当たり前』になっている状態」を目指しており、介護される側も含めて「共倒れ」にならないためにも、「老老介護」、「ビジネスケアラー」及び「ヤングケアラー」が抱えている問題を解決できるようシニアホーム紹介サービスを提供しております。

また介護家族に安心を提供するシニアホームを増やし、要介護認定者数の増加にあたっても受け入れるシニアホームを確保できるよう、シニアホームコンサルティングサービスによる新規のシニアホームの開設支援を提供しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(a) シニアホーム紹介サービスの知名度と社会的信用の向上

不動産や保険選定に紹介のプロフェッショナルがいるように、シニアホーム紹介サービスにおいても紹介のプロフェッショナルがいることについて世に広く認識していただくことが重要な課題と認識しております。そのため、介護家族に対する相談、提携するシニアホームの双方についてサービスの質の向上と数の拡大を目指してまいります。

 

(b) 人材の確保及び育成

当社が展開するシニアホーム紹介サービスは労働サービスの提供事業であるため、人材の確保が事業継続の要となります。また、案件をご紹介いただく医療機関のMSWやCM等の信頼を継続的に得るため、かつ、入居対象者や介護家族に適切なシニアホーム提案をするためには、コーディネーターの課題対応能力の効率的な育成が重要だと認識しております。そのため、優秀な人材の確保を継続的に行いながら、CRMシステムを利用した顧客関係管理の質の向上、動画コンテンツを活用した教育体制の強化に取組みを行うとともに、一人ひとりが価値ある存在として自立することにより退職予防にも努め、事業拡大を目指してまいります。

 

(c) 情報管理体制の強化

当社グループは事業を通じて取得した個人情報を所有しており、その情報管理を強化していくことが重要な課題であると認識しております。現在、当社グループでは「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って、「個人情報保護基本規程」や「特定個人情報取扱規程」等の諸規程を定め、当社グループで保有する個人情報の適法かつ適正な取扱いの確保と、個人の権利・利益を保護するよう社内体制・ルールを確立しております。今後も社内教育や研修などを継続して行ってまいります。

 

(d) 内部管理体制の強化

当社グループは事業の拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性・透明性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。

 

(e) 財務基盤の強化

当社グループは、財務基盤の安定性を維持しながら、様々な事業上の課題を解決するための事業資金を確保し、また、新たな事業価値創出のために機動的な資金調達を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを模索していくことが、財務上の課題であると認識しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、高齢期の在り方として、社会資源であるシニアホームに属する介護の専門家に身体的介護を任せ、家族は自身の社会的役割を果たしながら心の介護に専念すること、高齢者ご本人が周囲の様々な方の力を借りて笑顔で過ごされる状態が『サステナブル(持続可能)な社会』の在り方だと考えます。

このような社会を実現するための企業としてコーポレート・ガバナンスの強化を図っております。経験豊富な社外取締役の招聘、監査等委員会の設置、監査法人との連携、内部統制システムの整備等を行ってまいりました。今後も更に体制整備を進め、サステナブルな社会実現の一翼を担います。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する考え方や取組について取締役会及び経営会議において協議し、決定いたします。取締役会は、当社グループのサステナビリティ課題への対応方針及び実行計画等についての審議・監督を行います。当社グループのガバナンス体制に関しては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)人的資本に関する戦略

当社グループは、人的資本について以下の基本的方針を定めております。

 

「世の中にあってはならない社会課題の解決」を起点に人間力を高め、誇りが生まれる場

 

「何のために仕事をするのか」から笑美面は生まれました。

仕事を通じて周囲の幸せを願うような想いを持つことができれば、その人生は幸せになれると考え「世の中にあってはならない社会課題の解決」に取り組みます。

意志を持った言動と行動で、自分で未来を定める。

気づきから自分なりに考え、進化する。

そして私らしくプロフェッショナルに。

この価値観に共感する仲間が集い協働・協創を生み、社会に新しい価値を届けていきたいと考えます。

 

当社グループでは、持続的成長と企業価値向上にあたり、人材は最も重要な経営資源と考えており、サステナビリティ関連の項目の中で、特に人的資本を重視しております。当社グループが目指す『家族が心の介護に向き合い、高齢者が笑顔で居る社会』には、シニアホーム紹介を支援できるコーディネーター(相談員)をより多く増やしていくことが重要だと捉えております。当社グループの人的資本に関する考え方及び取組については、以下の通りであります。

 

① 多様な人材ミッション

「社会課題の解決で世の中に恩返しをする」を加速させ、より大きなインパクトを生み出すためには、ともにチャレンジする多くの仲間が必要不可欠です。ミッションに共感する多様な経験を有する仲間が集まり、それぞれに誇りを持ち働き続けることは、新たな価値創造が生まれ、より大きなインパクトを創り出すエネルギーとなります。当社グループでは、日々の頑張り、向き合う業務そのものが社会課題の解決に貢献できる事業と考えております。インパクトメジャメント&マネジメントを経営マネジメントシステムとして導入することで、事業活動によるインパクトの可視化を行っております。多様な従業員が進むべき方向性を理解し、高い倫理観、やりがいや誇りを持ちながら持続可能な社会を目指しております。

 

 

a) 異業界からでも挑戦できる風土と制度づくり

当社グループでは、学歴やジェンダー、国籍等の属性による多様性のみならず、異業界からでも挑戦できる風土と育成体制づくりに注力しながら、様々なバックグラウンドを持つ人材の採用を積極的に行っております。成果に基づく評価制度があり、従業員の特性や能力が最大限に発揮される育成体制等、「世の中にあってはならない社会課題の解決」を起点に集まる従業員がやりがい、誇りを持ちながら成長できる環境を整えております。求職者から選ばれ続ける企業を目指すことで、社会課題の認知向上、解決に寄与してまいります。

 

b) リファラル制度

当社グループでは、「自分たちの仲間は自分たちで探す」を合言葉に、リファラル制度を制定しております。全社ミーティング等の定期発信やリファラル採用インタビューを介して、会社視点、誘った側、誘われた側の背景やメリットまでしっかり伝えることで、従業員一人ひとりが当事者意識を持ち、能動的にリファラル採用に協力する文化が芽生えております。

 

② 協働・協創が生まれる育成

当社グループには、「社会課題解決」を起点に、様々なバックグラウンドを持つ多様な仲間が入社しております。「役に立ちたい、笑顔にしたい」が原動力となり、強みを持った多様な個が協働・協創を生みだし、仲間とともに成長いたします。当社グループでは、「Sales Enablement」を導入し、継続的に学び続けられる環境を提供し成長を支援しております。同時に従業員の意見・希望も確認しております。自分なりに考え、意志を持った言動と行動で、自分で未来を定める力等、当社グループでは「私らしくプロフェッショナル」を求めております。誰かに言われたからではなく、自分自身がどうしていきたいか、自己選択できる力を求めながら、多様な個人がチームを組むことで、個人では実現できないような大きなインパクトを社会に提供し続けていくことを目指しております。

 

a) アナログと「Sales Enablement」による人材の再現性

社会課題解決を加速させるためには、新入社員の早期立ち上がりが重要になります。当社グループでは、組織知としてノウハウを蓄積し、各々の知見や生産性を均質化できるように、営業のマニュアル化とプロセス管理を徹底しております。「Sales Enablement」を導入して深度あるPDCAサイクルを回すことでオペレーショナル・エクセレンスの浸透を図っています。立ち上がりの道筋、時間と場所を選ばない動画を中心とするラーニングツール、基礎知識を応用力へ導く1on1等、異業種からでも安心してチャレンジできる育成体制を強化し続けております。異業種からの転職で入社する従業員も多く、仲間のため、顧客のためにと、成功ナレッジを共有、助け合い、賞賛し合う仕組みと文化があり、個人の「強み」を集結し、組織力に繋げております。

 

③「働き続けたい」環境づくり

当社グループでは、持続的な事業成長を伴いながらインパクトを実現していく上で、人材の獲得及び確保は重要な経営課題の一つとして認識しております。納得感のある評価制度として、一切の年功序列を排除し、社会課題解決に貢献している従業員を正当に評価、昇進できる仕組みを構築しております。また多様なライフスタイルでも働き続けることができる体制として、リモートワークやフレックス制度等、働き方の選択肢も用意しております。また実名によるウェルビーイングサーベイを実施し、一人ひとりのコンディション状態や組織課題、期待する声等をモニタリングしております。トップダウン、ボトムアップ双方のバランスを取りながら、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に努めております。

 

 

a) 適性診断で採用ミスマッチを防止

当社グループでは、誰もがやりがい、誇りを持ち、成長しながら働き続けてほしいと考えております。個が持つパフォーマンスを最大限に発揮・成長できるよう、採用選考の一つにウェルビーイングサーベイによる適性診断を導入しております。過去の退職や実績等を科学的に分析し、企業風土や業務適正を見極め、採用のミスマッチを未然に防いでおります。

 

b) ウェルビーイングサーベイを実施

当社では、月1回の頻度で実名によるウェルビーイングサーベイを実施し、一人ひとりのコンディション状態や組織課題をモニタリングしております。モチベーション低下や離職リスクのある従業員に対しては早期面談等を実施し、直属の上司だけでなく、チームを横断し、経営陣含めて支援しております。制度や仕組みだけでなく、ボトムアップ、トップダウン双方をバランスよく組み合わせながら、組織課題についても早期改善に努め、多様な仲間がライフステージの変化にも柔軟に対応でき、安心して挑戦・活躍できる環境を整えております。
導入制度:ウェルビーイングサーベイ、持株奨励金制度、性的少数者に関するガイドラインの作成及びパートナーシップ制度、D&Iアワード、トップインクルーシブカンパニー申請

 

(3)リスク管理

当社グループは、「リスクマネジメント規程」に基づき、リスクマネジメント推進委員会を設置することで審議を中心とするリスクマネジメント体制を構築しております。サステナビリティに関するリスクにおいても、リスクマネジメント推進委員会で審議された取組状況や重要な課題について、取締役会及び経営会議において適切な審議や指導、監督を行うことにしております。また、外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、内部監査を通じて、潜在的なリスクの早期発見に努めております。

 

(4)人材の育成及び社内環境整備に関する指標及び目標

当社グループは、人材育成方針及び社内環境整備方針を定めておりますが、当連結会計年度末現在において、具体的な指標及び目標は設定しておりません。当社グループが描くサステナビリティを推進するうえで適切と考えられる具体的な指標及び目標について議論を進め、より働きやすい環境の実現や社内制度の改善に向けての取組を推進してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載しております事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

ただし、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境等に関するリスク

①感染症等の影響について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

新型コロナウイルス感染症禍においては、クラスター発生予防対策のため、施設への立ち入りを制限している医療機関やシニアホームが数多くありました。現在は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行され、シニアホームの受入制限、病院退院活動制限も短期間で終息する状態に変化しましたが、新たな変異ウイルスが発生した場合には再びシニアホームへの十分な配慮が必要な状況となります。これに対処するため、シニアホームの受入れ情報などの情報収集を継続的に行い、それを医療機関のMSWやCM等に適時提供することで、安心感の醸成と、継続的なサービス提供の維持を目指しております。しかしながら、想定を超える感染拡大が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②業界動向について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループが提供するシニアホーム紹介サービスは、投資や許認可が不要なサービスであるため比較的参入障壁が低い事業ではありますが、事業の拡大や継続するためには、人材コスト及び拡大への一定の時間が必要となるため、競合他社が突発的に成長する可能性が低い現状となっています。またシニアホームコンサルティングサービスについては、シニアライフサポートサービスで培った顧客との関係性や、グループ全体でのトータルサービスの提供が参入障壁となっております。

しかしながら、多数の企業が参入し競争が激しくなった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③顧客企業の経営環境について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、主としてシニアホーム等を営む企業から手数料等を受領しております。当社グループは介護業界・高齢者を支える複数のサービスを提供することに努めておりますが、社会保障費に関する法改正等による介護業界全体若しくは顧客企業の経営環境の変化に伴う投資ニーズが急速かつ大きく変化することにより、多くの顧客企業の収益が低迷した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業内容等に関するリスク

販売価格について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループが展開するシニアホーム紹介サービスの販売価格は、シニアホームへの入居に対する手数料であり、各シニアホーム運営事業者との法人単位の契約が基となっております。過去のシニアホームの入居率の推移を鑑みると、今後も需給バランスが急速に悪化する可能性は低く、突発的な手数料の低下は起こりにくい構造であり、現時点での手数料減少リスクは少ないものと想定しております。またシニアホームコンサルティングサービスの販売価格は、主に不動産仲介業の基準に則った媒介手数料およびコンサルティングサービス料の価格となっております。現状シニアホーム開設に際しコンサルティングと不動産仲介を総合的に行っている企業は限られており、他社との価格競争が起こりにくいことから、現時点での販売価格減少リスクは少ないものと想定しております。

しかしながら、想定を超える販売価格の低下が起こった場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)組織体制等に関するリスク

①人材の確保について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループが展開するシニアホーム紹介サービスは労働サービスの提供事業であるため、人材の確保が事業継続の要となります。現状では、採用エージェント経由での人材確保がメインとなりますが、当社グループの事業が社会課題解決に繋がる点、ダイバーシティ&インクルージョンの取組み、SDGsの取組などを踏まえ、エージェントから安定した求職者紹介をいただけております。また、取引先である病院のMSWや介護関連会社の従業員の転職率が高いため、医療介護業界からの転職も今後増加していくものと予測しております。しかしながら、採用がうまく進まない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人材育成及び退職予防について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

案件をご紹介いただく医療機関のMSWやCM等の信頼を継続的に得るため、また、入居対象者や介護家族に適切なシニアホーム提案をするためには、コーディネーターの課題対応能力の効率的な育成が重要です。当社グループの経営計画を達成するためにも、新入社員の事業に関する知識の定着の早期化が課題となっております。そのため、CRMシステムを利用した顧客関係管理の質の向上や、動画コンテンツを活用した教育体制の強化に取組を行うとともに、一人ひとりが価値ある存在として自立することにより退職予防に努めてまいります。

また、退職予防としてリテンション施策を行っており、具体的にはパルスサーベイ(※17)を活用した対象者フォロー面談を実施し、人材・組織開発室にてフォロー面談実施内容の確認・報告を行い退職予防に努めております。しかしながら、人材の育成に時間を要した場合や多くの退職を防げなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

※17 パルスサーベイとは、企業が従業員の満足度や心の健康状態を把握するために簡単な質問を短期間・高頻度で実施する調査のことをいう。

 

(4)事業に関する法的規制等に関するリスク

①介護業界について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社グループが事業を展開しているシニアホーム紹介サービスは、介護業界と緊密な関わりがあるため、当局並びに高齢者住まい事業者団体連合会、一般社団法人全国介護事業者連盟における発表内容等が業界に対して影響を及ぼす可能性があります。今後において、介護業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②個人情報について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは事業を通じて取得した個人情報を所有しております。当社グループでは「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って、「個人情報保護基本規程」や「特定個人情報取扱規程」等の諸規程を定め、当社グループで保有する個人情報の適法かつ適正な取扱いの確保と、個人の権利・利益を保護するよう社内体制・ルールを確立しております。しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合には、企業としての社会的信用力が低下することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③労務管理について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社グループは、労務管理を経営の重要課題として認識しており、そのため当社グループは労働基準法等関係法令を遵守し、社内規程の整備、運用を徹底し労務管理を行っております。しかしながら、労務管理不備により関連法令の違反に伴う行政処分等、従業員との紛争等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)その他のリスク

①過年度の経営成績及び税務上の繰越欠損金について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社グループは過年度において当期純損失を計上しており、2025年10月31日現在において税務上の繰越欠損金が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であり、将来の税額を減額することができますが、今後の税制改正の内容によっては、納税負担額を軽減できない可能性もあります。また、繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

②特定人物への依存について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社の代表取締役社長である榎並将志は、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏は、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、経営会議等における役員及び幹部人材への情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③配当政策について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社グループは、事業の成長・拡大による企業価値の向上を最重要課題として認識するとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けており、将来的には、各連結会計年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主の皆様への利益還元を検討していく予定であります。しかしながら、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であり、業績次第では今後安定的な配当を行うことができないリスクが存在します。

 

④調達資金の使途について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:5年以内、影響度:小

当社が株式上場時に行った公募増資による調達資金の使途については、事業成長のための新規拠点開設費、採用費及び人件費、広告宣伝費、システム開発費に充当する計画であります。しかしながら、急速に変化する事業環境に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途へ充当する可能性もあります。また、計画どおりの使途に充当された場合でも、想定どおりの効果を上げるとは限らず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社グループは、役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためのストック・オプションを発行する可能性があり、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

なお、当連結会計年度末において新株予約権による潜在株式数は62,727株であり、自己株式を除く発行済株式総数2,029,405株の3.1%に相当しております。

 

⑥訴訟について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当連結会計年度末において、当社グループが当事者として関与している訴訟手続きはありません。しかしながら、今後の当社グループの事業展開の中で、第三者が何らかの権利を侵害され、又は損失を被った場合、当社グループに対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。損害賠償の金額によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦インターネット等による風評被害について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

ソーシャルメディア等の急激な普及に伴い、当社グループに対するインターネット上の書き込み、悪意ある投稿等による風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性に関わらず、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧減損損失について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

現状当社グループは事務所設備、業務システム等の固定資産を所有しておりますが、多くは所有しておりません。しかしながら、当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や、将来新たに開始するものも含めて、事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産は1,377,811千円となりました。

流動資産は1,006,461千円となりました。主な内訳は、現金及び預金657,258千円、売掛金289,899千円です。

固定資産は370,308千円となりました。主な内訳は、関係会社株式119,931千円、敷金76,787千円、繰延税金資産72,235千円です。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は564,336千円となりました。

流動負債は429,910千円となりました。主な内訳は、未払金107,289千円、未払費用84,017千円、賞与引当金58,995千円です。

固定負債は134,425千円となりました。主な内訳は、長期借入金97,347千円、資産除去債務23,906千円です。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は813,474千円となりました。

主な内訳は、資本金270,440千円、資本剰余金220,440千円、利益剰余金322,891千円です。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種経済政策の効果、インバウンド需要の回復等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、円安や原材料価格の高止まりに伴う物価上昇が個人消費に影響を及ぼしていることに加え、米国の通商政策や金融政策の動向、急激な為替変動、地政学リスクの長期化など、不透明な国際情勢による影響もあり、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

介護業界におきましては、在宅介護を担う介護家族の介護負担状況は、ビジネスケアラー約318万人、老老介護約200万人、ヤングケアラー約31万人に達するなど、在宅介護を担う介護家族への支援は不十分な状況にあります。また、シニアホームの入居検討においては、適切な情報収集が困難なためにシニアホーム入居に対する誤解等により躊躇や諦めが起こっているケースもあり、介護する側の介護家族においても共倒れのリスクをはらんでおります。

このような環境のもと、当社グループは介護家族の負担を軽減すべく、介護家族が高齢者に対する「心の介護」に専念できるよう「介護家族にとって、シニアホームの利用が『ポジティブ/当たり前』になっている状態」を目指し、当社コーディネーターによる「家族会議」を経て最適な入居支援を無料で行う「シニアホーム紹介サービス」と、安心して入居できる質の高いシニアホームを増やすため新規のシニアホーム開設の支援を行う「シニアホーム運営コンサルティング」の継続的なサービス提供に努めてまいりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

 

(シニアライフサポートサービス)

当期の実績においては、病院に在籍する退院支援等を担うMSWからの「紹介数」が12,501件(前期比48.8%増)、介護家族にとって納得あるシニアホーム選びに欠かせない「家族会議実施数」は8,911件(前期比40.8%増)、入居成約数である「スマイル数」は4,723件(前期比33.0%増)とそれぞれ拡大いたしました。プラットフォームサイト登録数においては、2025年10月期計画8,000ホームを上回る、10,212ホームまで登録が進みました。

当事業では、入居支援を担うコーディネーターの採用・育成が社会課題解決を加速させると考え、前期同様に積極採用を実施し戦力化を進めてまいりましたが、採用した人材の育成に遅れが発生し、収益及び利益を押し下げる結果となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1,549,100千円となりました。

営業費用は、主に計画通り人員を拡充したことによる人件費の増加及び営業活動の強化による旅費交通費の増加が発生しました。営業収益が予算を下回った一方で営業費用が概ね予算通り消化された結果、セグメント損失は19,679千円となりました。

なお、2025年7月に持分法適用関連会社となった株式会社Funtocoについては、持分法による投資利益を3,264千円計上しております。

 

(シニアホームコンサルティングサービス)

2024年9月にサービスの質の高いシニアホームを世の中に増やすことを目的とし、株式会社笑美面からシニアホーム新規開設コンサルティングサービスを独立させ、株式会社ケアサンクを設立いたしました。シニアホーム新規開設コンサルティングサービスを中心にサービスを拡充し展開しております。

当連結会計年度は、案件の獲得と成約が順調に進み、営業収益は323,886千円となりました。営業費用は、案件の成約が増えたことにより計画より増加いたしましたが、営業収益の増加で吸収し、セグメント利益は134,314千円となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1,872,987千円となりました。

営業費用は、主に人件費や営業に係る旅費交通費等の増加により1,758,339千円、営業利益は114,647千円、経常利益は117,054千円、親会社株主に帰属する当期純利益は89,670千円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、657,258千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、76,765千円となりました。これは主に税引前当期純利益114,168千円の計上、未払金の増加額18,795千円、預り金の増加額19,090千円による増加の計上及び売上債権の増加額63,238千円による減少の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、201,680千円となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出116,666千円の計上及び敷金及び保証金の差入による支出54,353千円の計上によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、13,955千円となりました。これは主に長期借入れによる収入35,000千円の計上及び長期借入金の返済による支出25,700千円の計上によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

シニアライフサポートサービス

1,549,100

シニアホームコンサルティングサービス

323,886

合計

1,872,987

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.当連結会計年度より報告セグメント区分の変更を行っているため、前期比については記載しておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容
 a.財政状態の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 b.経営成績の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、シニアライフサポートサービスにおいて「MSWからの紹介数」「家族会議実施数」「スマイル数」「プラットフォームサイト登録数」をKPIとしております。

当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、当社グループが事業成長を伴いながら、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトの創出を意図する企業として、「介護家族がシニアホーム紹介サービスと出会い、家族会議等の支援を経て、マッチするシニアホームとの出会いにより介護負担が軽減する」こと、及び「シニアホームが自らの強みを認識する等、介護家族ニーズを把握する機会が増加する」ことによる社会変化を生み出してビジョンを実現するためであり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。

なお2026年10月期からは、「MSWからの紹介数」「プラットフォームサイト登録数」の2指標をKPIから外し、新たにシニアホームコンサルティングサービスにおける指標として「新規開設居室数」を追加しております。「新規開設居室数」については、介護家族への紹介可能な優良なシニアホームの開設を支援することで、当社グループが目指す「シニアホームが自らの強みを認識する等、介護家族ニーズを把握する機会が増加する」という社会変革を実現しながら、営業収益にも直結する指標であることから新たに採用しております。

 

各KPIの推移は以下のとおりであります。

KPI

2023年

10月期

(実績)

2024年

10月期

(実績)

2025年

10月期

(実績)

2026年

10月期

(目標)

2027年

10月期

(目標)

2028年

10月期

 (目標)

MSWからの紹介数(人)

6,466

8,401

12,501

家族会議実施数(件)

3,296

6,330

8,911

12,780

17,410

25,710

スマイル数(人)

2,381

3,550

4,723

6,744

8,747

12,741

プラットフォームサイト

登録数(件)

5,335

7,540

10,212

新規開設居室数(室)

1,083

1,350

1,650

2,000

 

(注)1.MSWからの紹介数及びプラットフォームサイト登録数については、2025年10月期をもってKPIから外れておりますので、2026年10月期以降の目標数値には記載しておりません。

2.新規開設居室数については、2026年10月期からのKPIであるため、2024年10月期以前の実績数値には記載しておりません。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの財政状態及び経営成績の分析については、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」及び「②経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に含めて記載しております。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。