当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当第1四半期におけるわが国経済は、一部に足踏みがみられるものの、景気は緩やかに回復しており、先行きについても、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある状況が続いています。
当社グループが事業を展開しております医療業界は、「経済財政運営と改革の基本方針2023」、いわゆる「骨太方針2023」(2023年6月16日)において、日本は今、本格的な「少子高齢化・人口減少時代」を迎える歴史的転換期であり、これからも続く「超高齢社会」に備えて持続可能な社会保障制度を構築する必要があるため、医療DXの推進に向けた取り組みや、電子カルテ等の医療介護全般にわたる情報を共有・交換できる「全国医療情報プラットフォーム」の創設及び電子カルテ情報の標準化等を進めることとされております。また、デジタル庁が策定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(2023年6月9日アップデート)において、「健康・医療・介護」分野の国による関与(予算措置等)が、他の民間分野への波及効果が大きい準公共分野として指定されており、医療利用者数の急増が見込まれる中、担い手の負担軽減の観点からも、デジタル化とデータの利活用が重要な課題とされております。これらのことから、その中核を担う電子カルテシステム[1]を含む医療情報システムは今後も普及拡大していくものと考えております。
このような状況の中、当社グループの連結売上高は、主力製品である電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ(ミライズ・エーズィー)」[2]の販売・保守が順調に推移したことなどから、前年同期比で増加しました。利益面におきましては、売上増に伴う利益の増加はあったものの、人件費及び外注費の増加等により、営業利益及び経常利益はそれぞれ前年同期並みとなりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等調整額が増加したことなどにより、前年同期比で減少しました。
以上の結果、当第1四半期の売上高は3,170百万円(前年同期比3.1%増)、売上総利益は772百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は187百万円(前年同期比4.3%減)、経常利益は192百万円(前年同期比1.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は45百万円(前年同期比54.1%減)となりました。また、受注状況につきましては、受注高2,417百万円(前年同期比18.7%減)、受注残高4,866百万円(前年同期末比4.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
〔ヘルスケアソリューション事業〕
電子カルテシステムは、医療機関向けの自社パッケージ製品である「MI・RA・Isシリーズ」を中心に、他社の医事会計システム等の部門システムや、ハードウエア等を組み合わせ、主に中小病院向けに販売しております。なお、当社の子会社である株式会社シーエスアイでは電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」の新製品として、「MI・RA・Is V(ファイブ)」[3]を2024年1月15日に販売開始、3月より出荷開始を予定しております。
当第1四半期におきましては、電子カルテシステムの販売において、売上増に伴う利益の増加はあったものの、人件費及び外注費の増加等により、セグメント利益は前年同期並みとなりました。これらに加え、医療情報システムの受託開発・運用管理、医薬品・医療機器の開発支援、医療機関向け料金後払いシステムの開発、企業や健保組合からの健康相談窓口や特定保健指導の受託、人材事業等を行っている他、患者が自分の疾患を管理し担当医師との情報共有を促進するスマートフォン向けサービス「からだメモ」・「ドクターメモ」や、企業向けオンライン相談サービス「もこすく相談所」等、新たな製品やサービスの開発にも取り組んでおります。
当社グループの大半を占めるヘルスケアソリューション事業の経営成績につきましては、前記の状況により、受注高2,320百万円(前年同期比19.1%減)、受注残高4,774百万円(前年同期末比4.8%増)、売上高3,066百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益207百万円(前年同期比2.6%減)となりました。
〔マーケティングソリューション事業〕
デジタルマーケティング[4]支援は、企業や組織向けのWebサイト再構築(リブランディング)やWebプロモーション支援(Web広告の企画・制作・運用。SNSを含む。)、並びにデジタルマーケティング人材の育成等を行い、デジタルサイネージは、公共・商業施設向けの販売等を行っております。
デジタルマーケティング支援においては、新規案件の受注が減少したことなどにより、売上高は前年同期比で減少しました。
マーケティングソリューション事業の経営成績につきましては、受注高97百万円(前年同期比8.1%減)、受注残高92百万円(前年同期末比9.6%減)、売上高103百万円(前年同期比20.4%減)、セグメント損失8百万円(前年同期セグメント利益1百万円)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当第1四半期末における流動資産は6,140百万円となり、前期末に比べ915百万円減少いたしました。これは主に仕掛品が126百万円増加したものの、現金及び預金が1,151百万円減少したことによるものであります。固定資産は4,137百万円となり、前期末に比べ50百万円減少いたしました。これは主に無形固定資産が81百万円増加したものの、有形固定資産が18百万円、投資その他の資産が113百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は10,277百万円となり、前期末に比べ966百万円減少いたしました。
(負債)
当第1四半期末における流動負債は2,972百万円となり、前期末に比べ647百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が290百万円増加したものの、買掛金が455百万円、未払法人税等が243百万円、賞与引当金が189百万円減少したことによるものであります。固定負債は934百万円となり、前期末に比べ106百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が110百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,907百万円となり、前期末に比べ753百万円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期末における純資産合計は6,370百万円となり、前期末に比べ212百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益45百万円の計上及び剰余金の配当209百万円などにより利益剰余金が164百万円、非支配株主持分が68百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は57.7%(前期末は54.1%)となりました。
[1]電子カルテシステム 1999年4月22日に「真正性・見読性・保存性」の担保を条件として、厚生省(当時)が容認した紙カルテを電子的なシステムに置き換えたものを指す。当社グループの電子カルテシステムは、診療記録システム・オーダリングシステム・看護支援システム等から構成されている。なお、オーダリングシステムとは、医師が検査や投薬等の指示(オーダー)を入力し、オーダー受取者がこれに従って処理・処置を行うシステムをいう。
[2]MI・RA・Is/AZ 2017年8月より販売を開始した、電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」のバージョン。より使いやすくより診療に貢献できるシステムとなるよう、多くのユーザーとともに培った機能を拡充し、操作性の改善を行うとともに、クラウドユースを想定したシステム基盤の整備を図り、医療の安全性向上、業務効率向上、患者サービス向上等の実現に寄与する。医療機関が担う役割をICTの面から支援するため、導入された病院と、他の病院やかかりつけ医等の医療機関、介護、福祉等の施設や、在宅にて治療を進める患者や家族等、ヘルスケア分野全領域(All Zone)との連携を進めることを目標としている。
[3]MI・RA・Is V 2024年1月より販売を開始した、電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」の最新バージョン。医療機関で発生したデータを活かして、医療安全の向上に寄与し、医療従事者の方々の仕事効率向上を図り、医療機関の経営を支援することを目標に、「医療安全」「仕事効率の向上」「経営支援」をコンセプトとして開発。
[4]デジタルマーケティング 検索エンジンやWebサイト、SNS、メール、モバイルアプリなどデジタル技術を活用したマーケティングのことを指す。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、11百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。