以下に記載するもの以外については、有価証券を募集により取得させるに当たり、その都度「訂正発行登録書」又は「発行登録追補書類」に記載します。
1 【新規発行社債】
未定
2 【社債の引受け及び社債管理の委託】
未定
未定
設備資金、国内外投融資資金、借入金返済資金、社債償還資金、研究開発資金及び運転資金に充当する予定であります。
該当事項はありません。
【募集又は売出しに関する特別記載事項】
<トランジションボンド、グリーンボンド、ソーシャルボンドまたはサステナビリティボンドを発行する場合の当該社債に関する情報>
トランジションボンド、グリーンボンド、ソーシャルボンドまたはサステナビリティボンドとしての適格性について
当社は、トランジションボンド、グリーンボンド、ソーシャルボンドまたはサステナビリティボンドの発行のために、サステナブル・ファイナンス・フレームワーク(以下、「本フレームワーク」という。)を策定しました。当社は、第三者評価機関である株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)より、本フレームワークにつき関連する以下の原則等(以下、「原則等」という。)への適合性に係る第三者意見を取得しています。
・ グリーンボンド原則(GBP)2021(注1)
・ グリーンローン原則(GLP)2023(注2)
・ ソーシャルボンド原則(SBP)2023(注3)
・ ソーシャルローン原則(SLP)2023(注4)
・ サステナビリティボンド・ガイドライン(SBG)2021(注5)
・ サステナビリティ・リンク・ボンド原則(SLBP)2023(注6)
・ サステナビリティ・リンク・ローン原則(SLLP)2023(注7)
・ クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(CTFH)2023(注8)
・ クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(注9)
・ グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン(2022年版)(注10)
・ ソーシャルボンドガイドライン(2021年版)(注11)
・ グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(2022年版)(注12)
なお、本フレームワークに係る第三者評価の取得に関し、経済産業省の「令和5年度温暖化対策促進事業費補助金(クライメート・イノベーション・ファイナンス推進事業)」(注13)の補助金交付対象となることについて、指定外部評価機関たるJCRは一般社団法人低炭素投資促進機構より交付決定通知を受領しています。
(注)
1. 「グリーンボンド原則(GBP)2021」とは、国際資本市場協会(以下、「ICMA」という。)が事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会(Green Bond Principles and Social Bond Principles Executive Committee)により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドライン(以下、「グリーンボンド原則」という。)です。
2. 「グリーンローン原則(GLP)2023」とは、ローン市場協会(LMA)、アジア太平洋地域ローン市場協会(APLMA)及びローンシンジケーション&トレーディング協会(LSTA)(以下、「LMA等」という。)により策定された環境分野に使途を限定する融資のガイドライン(以下、「グリーンローン原則」という。)です。
3. 「ソーシャルボンド原則(SBP)2023」とは、ICMAが事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会(Green Bond and Social Bond Principles Executive Committee)により策定されているソーシャルボンドの発行に係るガイドライン(以下、「ソーシャルボンド原則」という。)です。
4. 「ソーシャルローン原則(SLP)2023」とは、LMA等により策定された社会的分野に使途を限定する融資のガイドライン(以下、「ソーシャルローン原則」という。)です。
5. 「サステナビリティボンド・ガイドライン(SBG)2021」とは、ICMAにより策定されているサステナビリティボンドの発行に係るガイドライン(以下、「サステナビリティボンド・ガイドライン」という。)です。
6. 「サステナビリティ・リンク・ボンド原則(SLBP)2023」とは、ICMAが2023年6月に公表したサステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドライン(以下、「サステナビリティ・リンク・ボンド原則」という。)です。
7. 「サステナビリティ・リンク・ローン原則(SLLP)2023」とは、LMA等が2023年2月に公表したサステナビリティ・リンク・ローン等の商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドライン(以下、「サステナビリティ・リンク・ローン原則」という。)です。
8. 「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(CTFH)2023」とは、ICMAが事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会(Green Bond Principles and Social Bond Principles Executive Committee)の主導の下でクライメート・トランジション・ファイナンス・ワーキング・グループにより策定され、特に排出削減困難なセクターにおいて、トランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定したファイナンスまたはサステナビリティ・リンク・ファイナンスに際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要素を明確化することを目的としたハンドブック(以下、「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」という。)です。
9. 「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」とは、金融庁・経済産業省・環境省において、クライメート・トランジション・ファイナンスを普及させ、より多くの資金の導入による国内における2050年カーボンニュートラルの実現とパリ協定の実現への貢献を目的として策定されたものです。
10. 「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン(2022年版)」とは、環境省が2017年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。同ガイドラインでは、グリーンボンド原則及びサステナビリティ・リンク・ボンド原則との整合性に配慮しつつ、我が国におけるグリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンド市場の健全かつ適切な拡大を図ることを目的として、具体的対応の例や我が国の特性に則した解釈が示されています。
11. 「ソーシャルボンドガイドライン(2021年版)」とは、ソーシャルボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がソーシャルボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に則した解釈を示すことで、ソーシャルボンドを国内でさらに普及させることを目的に、金融庁が2021年10月に策定・公表したガイドラインです。
12. 「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(2022年版)」とは、環境省が2020年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。同ガイドラインでは、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンについてグリーンローン原則及びサステナビリティ・リンク・ローン原則との整合性に配慮しつつ、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンを国内でさらに普及させることを目的として、具体的対応の例や我が国の特性に則した解釈が示されています。
13. 「令和5年度温暖化対策促進事業費補助金(クライメート・イノベーション・ファイナンス推進事業)」とは、トランジション・ファイナンス等を実施しようとする企業や地方公共団体等に対して第三者評価を行う事業に要する費用について、指定外部評価機関に対して補助金を交付する事業です。対象となるトランジション・ファイナンス等の要件は、その調達時点において、以下の①または②に該当するもので、外部有識者による審査委員会(非公開)にて以下(ア)~(ウ)のような基本指針等の適合性の観点から総合的に審査、採択されたものとなります。
① 資金使途特定型:ICMAハンドブック、基本指針で示されるトランジションの4要素を満たし、グリーンボンド原則、グリーンローン原則、ソーシャルボンド原則またはガイドライン、グリーンローンガイドラインに整合したボンドまたはローン。ただし、資金使途がガイドラインやグリーンローンガイドラインに具体的な例として例示されているものなどのいわゆるグリーンプロジェクトに当たらないものも含む。
② 資金使途不特定型:ICMAハンドブック、基本指針で示されるトランジションの4要素を満たし、サステナビリティ・リンク・ボンド原則、サステナビリティ・リンク・ローン原則またはガイドライン、グリーンローンガイドラインに整合したボンドまたはローン。
(ア) 基本指針に定められた「べきである」だけでなく「望ましい」「可能である/考えられる」までも可能な範囲で対応されていること
(イ) 戦略及び短期・中期・長期の目標が科学的根拠に基づいていること
(ウ) 我が国への裨益があること
サステナブル・ファイナンス・フレームワークについて
1.クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック等に基づく開示事項
(1)クライメート・トランジション戦略とガバナンス
・2050年カーボンニュートラルに向けて
当社は、2050年のサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル(以下、「CN」)への挑戦を宣言しました。
当社は、2050年CNの実現に向けて、クルマのライフサイクル全体でCO2排出量削減に取り組むことの重要性を踏まえ、Well-to-Wheelの視点/ライフサイクルアセスメント(以下、「LCA」)の視点で、世界各地のエネルギー源・発電形態等を踏まえた適材適所の対応が可能となるマルチソリューションを提供する必要があると考えています。
生産・物流領域の取り組みにおいても、「エネルギーの価値の最大化」「エネルギーの多様化」を推進し、グローバルでの工場/オフィス/物流からのCO2総排出量を削減していきます。
これらの取り組みは、サプライチェーン全体での対応が不可欠であり、自治体や他産業と連携しながら推進していきます。
・CN戦略概要
<商品領域>
当社は、2030年頃のクルマについては、高効率な内燃機関・電気デバイス技術・高効率トランスミッション・車体の軽量化等を組み合わせたクルマ全体での低燃費化が一層進むとともに、多様化した燃料に対応する技術革新が進むと考えます。また、再生可能エネルギー等のグリーン電力で賄える地域では電気自動車(以下、「EV」)が選択されると考えます。2030年頃までのEV時代への移行期間には、内燃機関、電動化技術、代替燃料等さまざまな組み合わせとソリューションを持ち、地域の電源事情に応じて、適材適所で提供していくマルチソリューションのアプローチが有効と考えています。
電動化については、規制動向の変化や消費者のニーズ、受容度、社会インフラの開発状況等の今後の変化に柔軟に対応できるよう、パートナー企業との協業をしながら以下に示す3つのフェーズにて段階的に進めていきます。
■ 電動化技術の開発推進
2030年頃までのEV時代への移行期間には、内燃機関、電動化技術、代替燃料などさまざまな組み合わせとソリューションを持ち、地域の電源事情に応じて、適材適所で提供していくマルチソリューションのアプローチが有効と考えています。一方、各国の電動化政策や規制の強化動向を踏まえ、2030年のグローバルにおけるEV販売比率の想定を25~40%としています。昨今、規制動向や、エネルギー危機、電力不足など、さまざまな変動要素が顕在化しています。また、それらの今後の進展は非常に不透明です。規制動向の変化や消費者のニーズ、受容度、社会インフラの開発状況などの今後の変化に柔軟に構えられるよう、パートナー企業との協業をしながら以下に示す3つのフェーズにて段階的に電動化を進めていきます。
第1フェーズ(2022‐2024年): 電動化時代に向けた開発強化
既存の技術資産であるマルチ電動化技術をフル活用して魅力的な商品を投入し、市場の規制に対応していきます。既に投入を開始しているラージ商品群によって、プラグインハイブリッド車(以下、「PHEV」)やディーゼルのマイルドハイブリッド等、環境と走りを両立する商品で収益力を向上させつつ、EV専用車の技術開発を本格化させます。
第2フェーズ(2025‐2027年): 電動化へのトランジション
電動化への移行期間における燃費向上によるCO2削減を目指し、新しいハイブリッドシステムを導入する等、これまで培ってきたマルチ電動化技術をさらに磨きます。電動化が先行する中国市場においてEV専用車を導入するほか、グローバルにEVの導入を開始します。内燃機関については、熱効率のさらなる改善技術の適用や再生可能燃料の実現性に備え、その効率を極限まで進化させていきます。
第3フェーズ(2028‐2030年): EV本格導入
EV専用車の本格導入を進めるとともに、外部環境の変化や財務基盤強化の進捗を踏まえ、電池生産への投資等も視野に入れた本格的電動化に軸足を移していきます。
これら3つのフェーズを通じて、地域特性と環境ニーズに適した電動化戦略を着実に進め、地球温暖化抑制という社会課題の解決に貢献していきます。
<製造領域>
2050年のサプライチェーン全体でのCN実現に向け、まずは「2035年にグローバル自社工場でのCN実現」に挑戦します。また、中間目標としてグローバルでの二酸化炭素(CO2)排出量の約75%を占める国内の自社工場と事業所(※)におけるCO2排出量を、2030年度に2013年度比で69%削減することを目指します。また、こうした国内での取り組みをモデルに、海外の工場においても最適なアプローチを進めていきます。
これらの目標に向けては、(Ⅰ)「省エネルギーの取り組み」、(Ⅱ)「再生可能エネルギーの導入」、(Ⅲ)「CN燃料の導入等」の3つの柱で進めていきます。
※ 本社・本社工場(広島県安芸郡及び広島市)、防府工場(山口県防府市)、三次事業所(広島県三次市)を含む全17拠点
(Ⅰ)省エネルギーの取り組み
当社では従来から国内の当社グループ全体で、低CO2排出の生産技術の導入や日々のたゆまぬ改善による省エネ活動を継続してきました。今後もその継続に加え、中長期視点でCN目標達成に向けた活動を製造領域のみならず間接部門も含めた全社で拡大・推進していきます。また、製造領域での新規設備導入や設備更新の際には、投資判断の基準にインターナルカーボンプライシングを導入することによって将来の炭素価格を考慮することで、CO2排出量削減の効果が高い施策への設備投資を加速させます。
(Ⅱ)再生可能エネルギーの導入
■再エネ電力の導入拡大
中国地域におけるCN電力需給拡大に向け、2021年11月、中国経済連合会が設立した「中国地域カーボンニュートラル推進協議会」の専門部会の1つとして設置された「カーボンニュートラル電力推進部会」に事務局として参画し、取り組みを推進しています。その成果として連携パートナーと協力しながら再生可能エネルギー由来の電力の需給拡大に向けたロードマップを策定しました。2023年度から関連するパートナーが連携しロードマップ実現に向けた実証及び実装のステージに移行しています。再エネ電力拡大の一例として、2023年3月に、地場企業と共に太陽光発電によるオフサイトコーポレートPPAの契約を締結しました。
今後も中国地域でのPPAの拡大を図るとともに、それ以外の地域においてもPPAを拡大し、電力会社からの再生可能エネルギー等非化石電源由来電力の購入を推進します。
■中国地域におけるCN電力需給拡大に向けた取り組み

(出所:当社ウェブサイト(2023年12月14日)「TCFDへの賛同および対応」)
■CNエネルギーの調達
石炭火力発電の脱石炭化を進めるべく、隣接する四国地域にて、「波方ターミナルを拠点とした燃料アンモニア導入・利活用協議会」に参画し、アンモニアの調達に向けた検討を進めていきます。将来的にはこのアンモニアを活用し、当社敷地内にある電気と蒸気を供給する発電設備の燃料を石炭からアンモニア専焼に燃料転換することを計画していきます。
(Ⅲ)CN燃料の導入等
■次世代バイオ燃料の普及拡大
ひろしま自動車産学官連携推進会議(ひろ自連)と株式会社ユーグレナが、2018年に共同設立した「ひろしま “Your Green Fuel” プロジェクト」への参画や、実車を用いた次世代バイオディーゼル燃料の実証事業の拡大により、次世代バイオディーゼル燃料の原料製造・供給から利用に至るまでの地産地消モデルの構築を支援しています。
また、次世代バイオ燃料の調達手段の多様化を図るため、同燃料の開発・製造を行う株式会社ユーグレナへの支援も行い、当社社内の物流等で活用する検討を進めています。
なお、燃料転換が困難とされるエネルギー源については、中国地方をはじめとする地域のCO2吸収を促進する森林保全や再造林等のJ-クレジットを活用していきます。
以上の3つの柱を推進することで、2035年にグローバル自社工場でのCN実現に向けての中間目標として、2030年度での国内の自社工場と事業所のCO2排出量(他のGHGを含む)を2013年度比で69%削減することを目指すとともに、2030年度時点での非化石電気使用率は75%となる計画です。
なお、当社は2023年5月に経済産業省が主催するGXリーグに正式に参画しました。参画にあたっては国内の自社工場と事業所としての削減目標を示し、GXダッシュボード上で進捗を公開していきます。
<国内の自社工場と事業所のScope1、2目標(GXリーグ登録)>
(出所:当社ウェブサイト(2023年12月14日)「TCFDへの賛同および対応」)
<マツダ国内自社工場・事業所 カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ>

(出所:当社ウェブサイト(2023年12月14日)「マツダ、カーボンニュートラル実現に向けた中間目標とロードマップを具体化」)
<取り組み内容>
(出所:当社ウェブサイト(2023年12月14日)「マツダ、カーボンニュートラル実現に向けた中間目標とロードマップを具体化」)
<サプライチェーン領域>
サプライチェーンへの対応も必要であり、輸送会社や購買取引先と共にCO2排出量を削減する活動を段階的に進めていきます。国内においては、サプライチェーンの構造改革に取り組むほか、CN燃料の活用拡大を進めていきます。
■パートナー企業との協業
電動化の進展とともに地域経済が持続的に発展していくためには、中国地域で電動化関連部品等の電動化技術を育て、当社を含めたサプライチェーン全体を進化させることが必要なことから、この取り組みの第一歩として、電動駆動ユニットの高効率な生産技術の開発や生産・供給を行う合弁会社を地元企業と共に設立しました。また、電動駆動ユニットの基幹部品であるシリコンカーバイドパワー半導体を含むインバーターや車載用モーターについては、卓越した技術をもつ複数企業と共に合弁会社を設立しました。電池については「グリーンイノベーション基金事業」に採択された先端電池技術の自社研究開発を続けながら、パートナー企業からの調達を推進しています。
■お取引先さまのCO2排出量削減
2021年より、国内外の主要なお取引先さまに対して当社の2050年CNへの挑戦を説明し、理解促進を図った上で、Tier1のお取引先さまが排出しているScope1、2及び当社への納品時の物流におけるCO2排出量のデータ収集を開始しました。お取引先さまの業態により現状のCO2排出量やその削減に向けての難易度はさまざまであるものの、お取引先さまと共に削減目標達成のロードマップを描くことを進めています。また、2023年度からは、お取引先さまの取り組みを称える表彰制度を新たに設定しました。
・ガバナンス
当社は、代表取締役社長を委員長とし、経営会議メンバーで構成される「CSR経営戦略委員会」を設置し、サステナビリティを推進しています。委員会は、社会環境の変化を踏まえグローバル視点で当社に期待されているサステナビリティの取り組みを討議した上で、取り組み方針やガイドラインを決定しており、社内各部門は、当該委員会での決定事項を理解した上で業務目標や計画等を策定し、グループ会社と連携を図りながら、業務を行っています。なお、2015年度からは取締役会でサステナビリティを巡る課題の討議を行っています。また、昨今のESGに対する関心の高まりを踏まえ、より実効性のある体制構築が必要と考え、体制の見直しの検討を進めています。

(出所:「マツダ統合報告書2023」 p.48)
また、2050年CNへの挑戦にあたり、取締役がCN戦略を統括し、CN担当役員を任命しています。2021年には経営戦略室をリード部門として商品・製造・購買・物流・販売・リサイクル等に携わる部門から成るCN対応を専門とするチーム(以下、「専門チーム」)を結成し、CN担当役員の下、経営戦略室がチームを率いて、気候変動に関する政府間パネル(以下、「IPCC」)や国際エネルギー機関(以下、「IEA」)のシナリオや動向をもとに選別したリスクと機会へのLCA視点での対応戦略、取り組みに必要な投資や経費、対応スケジュール等を立案・推進してきました。
2023年4月には経営戦略室と商品戦略本部の一部機能を統合した経営戦略本部を新設し、その中にCN戦略を推進する部署を新たに設置しました。従来の専門チームはこの部署のリードの下、それぞれの専門領域にて、戦略立案と共にこれまで立案された戦略に基づいた計画を実行に移していきます。また、計画実行を全社で推進するために、従来からのISO14001環境マネジメントシステム(EMS)にCNを融合させる管理を開始しました。なお、商品・技術の領域においては、経営戦略本部内に新設された部署にて、全社戦略と整合した計画立案を推進していきます。
こうした戦略は、代表取締役社長が出席する経営会議や取締役会で報告・審議しています。また、気候変動を含むサステナビリティを巡る課題への対応については、取締役会へ適時・適切に報告しています。

(出所:当社ウェブサイト(2023年6月14日)「TCFDへの賛同および対応」)
さらに、当社ではサプライヤーや販売会社等と連携し、バリューチェーン全体を通じてサステナビリティ取り組み推進体制を構築しており、国際ルールや各国・各地域の法令順守のみならず、現地の歴史、文化、慣習等を併せて尊重した取り組みができるよう、関係するステークホルダーとの対話を重視しています。

(出所:「マツダサステナビリティレポート2023」 p.9)
(2)ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ
当社は、国連が定めるSDGsやグローバルなESG評価機関の調査項目等を参考としたステークホルダーの視点、2030経営方針の実現に向けた事業取り組み等の当社グループにとっての重要性の視点という2つの視点を考慮し、事業活動を通じて解決すべき社会課題を特定しています。
<マテリアリティの見直し・特定プロセス>
STEP1:社会課題の抽出
ステークホルダー視点からの課題抽出にあたっては、グローバルなESG評価機関の調査項目から投資家の期待や、グローバル社会からの期待を分析し、整理しました。当社グループにとっての重要性の視点は、2030経営方針やサステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030、有価証券報告書等に記載している当社グループ特有の課題を整理し、抽出しました。
STEP2:課題の影響度の評価と優先順位付け
STEP1で抽出した課題に対し、ステークホルダーにおける影響度と当社グループにおける影響度の2軸で評価し、優先的に取り組むべき項目を特定しました。また、SDGsの169のターゲットと照合することで長期的視点で取り組むべき事項を明確化しました。
STEP3:妥当性の確認
STEP2で特定した項目の優先度に関し妥当性を確認するため、マネジメントと協議し、合意を得ました。
STEP4:マテリアリティの開示
STEP1~STEP3で特定したマテリアリティの項目に対し、着実な実行とフォローアップを行うための具体的な取り組み計画を策定中です。今回特定したマテリアリティと今後策定する取り組み計画をステークホルダーへ開示するとともに、定期的に評価し、見直すことで、計画・実行・評価・改善というPDCAプロセスを構築していきます。
(出所:「マツダサステナビリティレポート2023」 p.8)
(3)科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略
・シナリオ分析によるリスク、機会の特定及び取り組み
当社は2019年5月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に対する賛同を表明して「TCFDコンソーシアム」に参加し、気候変動への取り組みを強化していく姿勢を示しました。
また、IPCC(AR1~AR5までの評価報告書、1.5℃特別報告書、等)やIEA(World Energy Outlook、Energy Technology Perspective、EV Outlook、等)のシナリオ、政策や規制動向、業界動向をもとにした検討から、当社独自の前提を置いたシナリオを策定し、その中から主なリスクと機会として以下を認識した上で、科学的根拠をもってトランジション戦略を定めています。
<主なリスクと機会>
(出所:当社ウェブサイト(2023年12月14日)「TCFDへの賛同および対応」)
こうした機会獲得とリスクの回避または最小化のために、前述のCN戦略における取り組みを進めています。
・指標と目標
2050年サプライチェーン全体でのCNへ挑戦するためには、Scope1、2、3の温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量の把握が必須となります。また、炭素税導入等によるカーボンプライシングの厳格化等、財務影響が考えられます。当社は、グループ会社及びサプライチェーン全体で、環境に配慮した事業活動を効果的に行うために、従来からのISO14001 環境マネジメントシステム(EMS)にCNを融合させる管理を開始しました。また、お取引先さまに対しては、Scope1、2及び当社への納品時の物流におけるCO2排出量データ(当社におけるScope3カテゴリー1)を毎年提供いただき、お取引先さまと共に目標を設定し、結果を管理しています。
なお、当社の地球温暖化抑制に向けた対応に関する主な指標と目標は以下の通りです。
(出所:当社ウェブサイト(2023年12月14日)「TCFDへの賛同および対応」)
上述のトランジションに向けた個々の施策や指標及び目標設定は、2023年3月に経済産業省より公表された「『トランジション・ファイナンス』に関する自動車分野における技術ロードマップ」とも整合していると考えます。
なお、本社工場内の発電設備を石炭からアンモニア専焼に燃料転換することを含む発電設備のCO2ゼロエミッション化については、経済産業省が公表した「『トランジション・ファイナンス』に関する電力分野における技術ロードマップ」と整合していると考えます。
いずれの分野別ロードマップも、我が国の2050年CN実現に向けて、科学的根拠に基づいた省エネ・高効率化、燃料転換等の着実な低炭素への取り組みに加え、将来的な革新技術についても、国内の各政策、国際的なシナリオ等を参照し、背景や時間軸とともに表すものとして、経済産業省が策定しているものです。
(4)実施の透明性
当社のトランジション戦略を実行していくためには、電池向け投資、その他の電動化投資、工場のCN化に向けた投資を主として、協業先も含め長期的に多額の投資が必要となります。投資予測については、IR等でも開示しているものの、変動要因も大きいことから、見通しに大きな変更があった場合には可能な範囲で適宜開示に努めていきます。
なお、当社は2022年11月に公表した電動駆動ユニットの開発・生産に向けた協業の一環として、中国地域で電動化関連部品等の電動化技術を育て、当社を含めたサプライチェーン全体を進化させることが必要との考えの下、オンド、広島アルミニウム工業、ヒロテックと電動駆動ユニットの高効率な生産技術の開発や電動駆動ユニットの生産・供給体制の確立を行う合弁会社を設立しました。また、2021年より、国内外の主要なお取引先さまに対して当社の2050年CNへの挑戦を説明し理解促進を図った上で、CO2排出量のデータ収集を開始しました。お取引先さまの業態により、現状のCO2排出量やその削減に向けての難易度はさまざまであることから、お取引先さまと共に削減目標達成のロードマップを描くことを進めています。加えて、当社から定期的に共有プラットフォームで気候関連リスクに関する情報を共有しています。当社は地元中国地域のお取引先さまを皮切りに電動駆動ユニットを生産できる体制を共に構築、進化することにより、中国地域を始めとした各地における産業・雇用維持を図り、地域経済の発展に貢献していきます。
また、当社はリスクマネジメント基本ポリシー、リスクマネジメント規程及びその他関係する社内規程に従って社内外のさまざまなリスクの把握と低減活動を継続し、事業の継続と安定的な発展の確保に努めています。
把握したリスクは重要度を踏まえて、個別のビジネスリスクについては該当する業務を担当する部門が、全社レベルのリスクについては全社横断的な業務を担当する部門が、それぞれPDCAサイクルを回し、適切に管理しています。
また、経営上重大な事態や災害等の緊急事態が発生した場合は、社内規程に従い、必要に応じて緊急対策本部を設置する等適切な措置を講じることとしています。
加えて、環境リスクマネジメントとして、各工場・事業所における環境汚染や事故等を想定した訓練、大気汚染、水質汚濁等の環境モニタリングを定期的に実施しています。また、トランジション戦略の実施に起因する環境・社会へのネガティブな影響を低減するためのプロセスとしては、事業の実施にあたり各国・各地域の法令を順守するほか、「マツダ企業倫理行動規範」に従い、誠実で公正な事業活動への取り組みを進めています。また、充当事業に関して仮にESG関連の論争を認識した場合、別の適格事業への調達資金の再充当を行うとともに、その旨レポーティングを実施する予定です。
2.グリーンボンド原則等における4要素への適合(資金使途特定型)
(1)調達資金の使途
当社は、資金使途特定型のサステナブル・ファイナンスで調達した資金を、適格クライテリアのいずれかに該当する新規または既存の事業に充当します。資金を充当する事業に応じて以下の4種類のファイナンスを実施します。
なお、調達した資金について、既存事業への充当は、資金調達時から過去36か月以内のものに限定します。また、調達した資金については、調達から36か月以内に適格事業へ充当するよう努めます。
1.Well-to-Wheel視点でクルマのCO2排出量を削減(グリーン/トランジション適格事業)
<環境に関する目標>
気候変動の緩和:2050年CNの実現、2030年時点の中間指標として、グローバル販売における電動化比率100%、BEV比率25%~40%
<関連する技術ロードマップ>
自動車分野
<SDGsとの整合>
3.すべての人に健康と福祉を
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
2.自社工場のCN化(グリーン/トランジション適格事業)
<環境に関する目標>
気候変動の緩和:2035年にグローバル自社工場でのCN実現、2030年度に当社単体でのCO2排出量を2013年度比で69%削減
<関連する技術ロードマップ>
電力分野、自動車分野
<SDGsとの整合>
3.すべての人に健康と福祉を
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
13.気候変動に具体的な対策を
3.安全・安心なクルマ社会の実現(ソーシャル適格事業)
<社会に関する目標>
2040年を目途に自動車技術で対策が可能なものについては、自社の新車が原因となる死亡事故ゼロを目指す
<ターゲット層>
運転手・乗員・歩行者等(高齢者・子供・身体障がい者等の交通弱者を含む)
<SDGsとの整合>
3.すべての人に健康と福祉を
(2)プロジェクトの評価及び選定のプロセス
本フレームワークのもと調達された資金が充当される適格事業は、以下の関係部署が連携して、以下の事項を決定します。
関係部署
・コーポレートコミュニケーション本部 コミュニケーション統括部
・経営戦略本部 事業構造戦略部
・経営企画本部 計画管理部
・財務本部 経理部
・財務本部 資金部
決定事項
・債券またはローンの残存期間を通じ、対象事業の適格基準への準拠の検証(環境・社会に対して長期的にプラスの影響を与えるものに限って適格事業とする方針に基づく)
・適格事業が「調達資金の使途」で規定されている内容と一致していることの確認
・適格基準を満たさなくなった対象事業の入れ替え
・本フレームワークの内容を確認し、当社の事業戦略や技術、市場等に関する変更を本フレームワークに適宜反映・更新
環境リスク、社会リスクを低減するためのプロセス
当社は、事業の実施にあたって各国・各地域の法令を順守するほか、「マツダ企業倫理行動規範」に従い、誠実で公正な事業活動への取り組みを進めています。また、充当事業に関して仮にESG関連の論争を認識した場合、別の適格事業への調達資金の再充当を行うとともに、その旨のレポーティングを実施する予定です。
(3)調達資金の管理
当社の資金部は、本フレームワークに基づいて調達した資金を一般勘定で管理し、サステナブル・ファイナンスで調達した資金が適格事業に充当されるよう、内部管理プロセスを用いて、年次で追跡・管理します。未充当資金は、現金または現金同等物で管理されます。仮に事業が中止または延期となった場合には、認識した時点から12か月以内に、本フレームワークに準拠した事業に再度充当する予定です。
(4)レポーティング
当社は、資金充当状況及び環境改善効果、社会へのインパクトを当社ウェブサイト上で開示する予定です。
資金充当レポーティング
当社は、本フレームワークに基づき調達された資金の充当状況につき、機密性を考慮し可能な範囲で、調達資金が全額充当されるまで年次で以下の内容を開示する予定です。
・適格グリーン/トランジション/ソーシャル事業毎の充当額
・未充当資金の残高及び未充当資金がある場合は、「調達資金の管理」の指針に沿った未充当資金の管理方法に関する情報
・新規・リファイナンスの割合
インパクト・レポーティング
当社は、本フレームワークに基づき調達された資金が充当された適格クライテリアにおける環境・社会へのインパクトにつき、合理的に実行可能な限り、償還または弁済されるまでの期間において、年次で資金充当した適格事業に応じた内容の全てまたは一部を開示する予定です。
1.Well-to-Wheel視点でクルマのCO2排出量を削減(グリーン/トランジション適格事業)
2.自社工場のCN化(グリーン/トランジション適格事業)
3.安全・安心なクルマ社会の実現(ソーシャル適格事業)
該当事項はありません。