第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナや中東地域情勢等の地政学的リスクに加えて、世界的な金融引き締めや中国における不動産市場の停滞に伴う影響等により不安定な状況であったものの、全体としては持ち直しの動きがみられました。わが国経済においては、経済活動が正常化する中、個人消費の持ち直し等により景気は緩やかに回復しました。当社グループを取り巻く事業環境は、中国の景気減速による影響、エネルギーや物流等のコストの変動等に注視が必要な状況が続いているものの、国内自動車業界においては半導体等の部品供給不足の影響がほぼ解消し、生産が回復傾向となりました。

このような経営環境下、当社グループは、グループ基本戦略として「セグメント経営の推進」「海外収益力の強化」「国内事業基盤の強化」及び「脱炭素化への貢献」の4項目を掲げた中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2025」を着実に実行しております。その一環として、グローバル拠点の見直しを含め、資本生産性の観点から事業ポートフォリオの最適化の検討を進めております。また、物流業界における「2024年問題」に対しプロジェクトチームを組んでグループ内の物流体制の最適化を進めております。

当第3四半期連結累計期間における業績につきましては、国内自動車生産の回復傾向を受け、乗用車用アルミホイールの販売数量が増加したことや、鉄スクラップ価格と鋼材販売価格との値差拡大、適正な販売価格の形成を進めたこと等により、売上高は256,285百万円(前年同期比3.0%増)、損益につきましては、営業利益は8,969百万円(前年同期比67.5%増)、経常利益は9,696百万円(前年同期比55.0%増)と大きく改善いたしました。親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、発電セグメントにおいて収益性の低下により減損損失を計上したことから、4,286百万円(前年同期比8.1%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の比較については、前第3四半期連結累計期間の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。

 

(鉄鋼セグメント)

鉄鋼業界は、製造業向け鋼材需要は回復したものの建設向け需要は停滞するなど、国内の粗鋼生産は前年同期を下回りました。また、鉄スクラップ価格に大きな変動はない一方、電力価格は下落傾向にはあるものの引き続き高い水準で推移しました。

このような環境下、当社グループは、適正な鋼材販売価格の形成に努め、主原料である鉄スクラップ価格との値差が拡大したことに加え、利益を重視したプロダクトミックスの最適化等を進めた結果、売上高は83,018百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は7,679百万円(前年同期比27.4%増)となりました。

 

(自動車・産業機械部品セグメント)

自動車業界においては、半導体等の部品供給不足の影響がほぼ解消したことにより、国内自動車生産台数は前年同期比で増加しました。車種別でみると、乗用車において持ち直しが顕著となった一方、トラック等の商用車については回復が遅れております。建設機械業界においては、油圧ショベルの需要は北米では堅調だったものの、中国で大幅な減少が続いたほか、その他の地域では減速感が見られました。鉱山機械の需要は引き続き好調に推移したものの、一部の地域では停滞が見られました。

このような環境下、当社グループは、乗用車用アルミホイールの販売の増加に加え、適正な販売価格の形成等を進めた結果、売上高は157,196百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は4,874百万円(前年同期比57.3%増)となりました。

 

(発電セグメント)

第1四半期中に行った法定定期検査のための点検・整備に伴う計画的稼働停止や今夏の電力需要が前年同期を下回ったこと等により販売電力量が減少し、売上高は10,447百万円(前年同期比29.2%減)となったものの、電力販売価格の適正化が進み、発電燃料である石炭コストも低下したため、営業損失は前年同期から改善し432百万円(前年同期 営業損失802百万円)となりました。

 

(賃貸セグメント)

賃貸セグメントにおいては、営業利益は525百万円(前年同期比1.7%減)となりました。

 

(その他)

合成マイカの製造・販売、土木・建築事業及びスポーツクラブ「OSSO」の運営等を行っております。売上高は5,623百万円(前年同期比17.7%増)、営業利益は580百万円(前年同期比24.7%増)となりました。

 

(2)財政状態

① 資産

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、309,744百万円となり、前連結会計年度末比17,421百万円の増加となりました。

 これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加10,370百万円、投資有価証券の増加6,116百万円、現金及び預金の増加3,346百万円によるものです。

② 負債

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、177,551百万円となり、前連結会計年度末比6,654百万円の増加となりました。

 これは主に、電子記録債務の増加5,479百万円、1年内償還予定の社債の増加5,000百万円、長期借入金の減少4,127百万円によるものです。

③ 純資産

 当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、132,192百万円となり、前連結会計年度末比10,767百万円の増加となりました。

 これは主に、その他有価証券評価差額金の増加4,386百万円、為替換算調整勘定の増加4,143百万円、利益剰余金の増加2,045百万円によるものです。

 

(3)経営方針及び対処すべき課題等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、859百万円です。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。