文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、情報発信事業(情報・印刷事業、メディア事業および知育事業)を通じて社会に貢献することを経営理念としております。そのために営業と技術の総合力を発揮して、お客様とそのお客様を視野に入れた製品・商品及びサービスを開発、提供することを通じお客様の信頼と要求を満たすことにより、適正な利益を確保し「100年後も評価される企業」であることを経営方針としております。引き続き、グループ各社の企業価値の総和の増大を図り、事業の持続的発展を追求してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、継続的な収益力の基準指標として経常利益額を、成長性の観点から売上高を経営指標としている他、事業ごとの収益性の観点から売上高営業利益率、財務の安定性の観点から自己資本比率を補助指標としております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループをとりまく環境は、広告媒体の紙からインターネットへの移行により紙媒体広告の需要が継続的に減少する中、新型コロナウイルス感染症の影響が加わり、非常に厳しい経営環境が続いております。
主力の情報・印刷事業のミッションは「お客様の販売促進のお役に立つ製品を提供する」というところにあります。紙媒体の広告物を提供する中で、より高いレスポンスが期待できる新形態のダイレクトメール(DM)や、簡単に個人情報保護ができる印刷物などを案出してきました。しかしながら、インターネット広告が増加する現在では、紙媒体広告のみならずネット広告運用についても助言できる機能や、ネット広告で急成長する企業に対するコールセンター機能の提供など新しいファンクションが求められています。今後、当社の誇るインライン・フィニッシング加工技術(印刷+折加工+抜き+糊付け)を更に進化させ、新商品開発とコスト削減を強化してまいります。また、前述の新たな機能を充実させるためにも外部企業とのアライアンスを図りながら、より厚みのある営業展開ができる体制を整えます。また、メディア事業におきましては、無料情報誌への広告掲載のほか、インターネットの活用はこれからという既存及び新規取引先に対し課題解決型の提案営業を進めてまいります。また、「コールセンター事業」や「ポスティング事業」など、新たな収益を生み出せる事業をサービスメニューに加えるとともに、同業他社とのコラボレーションを図ってまいります。知育事業におきましては、DMを中心とした幼稚園・保育園向け用品の販売をさらに強化いたします。また、新たにインターネットサイトを立上げ、新規顧客獲得及びDMで獲得した顧客の囲い込みを図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループ固有のリスク
① マーケティングのリスク
当社グループの主要事業の一つである商業印刷は、景気動向の影響を受ける部分もありますが、紙からネットへの媒体変化の影響を強く受けております。中でも、従来型のチラシ等については、需要の縮小および受注単価の低下がみられます。
当社グループにおいては、引き続き、顧客の要望に沿った当社独自の製品を、より短納期で提供することにより、顧客の効率的な集客、売上の向上のための提案を積極的に展開し、従来型のチラシの構成比を下げて参ります。また、子会社の㈱関西ぱどを通じ無料情報誌の発行・配布を行なっておりますが、この事業も同様に紙からネットへの媒体変化の影響を受けております。この無料情報誌の特徴である地域密着性を活かし、ITによる販売促進ソフトを顧客に提供して参ります。
しかしながら、商業印刷および無料情報誌業界における環境変化が、想定を超えることにより、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料価格のリスク
当社グループの事業である商業印刷及び無料情報誌事業においては、原価構成における原材料のうち特に紙の占める割合が高くなっております。原材料価格がさらに上昇した場合、受注価格への転嫁に時間を要する、あるいは、受注価格への十分な反映が困難な場合があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定の得意先、仕入先への依存リスク
当社グループの主要事業である商業印刷事業においては、保有する印刷機及び加工機の種類・台数等により、他社よりも比較優位にある製品が存在します。顧客の必要とする製品とこの比較優位にある製品が合致すれば、当該製品を集中的に発注し、また受注することが、双方にとって経済的に合理的なことから、特定の得意先および仕入先に偏る場合があります。
しかしながら、特定の得意先および仕入先に偏った場合、リスクが高くなることから、これまでどおり一定の基準を超えないよう管理し分散を図ってまいります。
(2)一般的な事業のリスク
当社グループは、上記のほか一般的な事業のリスクとして、収益増減のリスク、費用増減のリスク、財務のリスク、訴訟のリスク、セキュリティのリスク、などを認識し各種対応を行っております。
(3)新型コロナウイルス感染症のリスク
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい経済環境が続く見込みでありますが、現時点では収束の時期が不透明な状況にあり、収束までの期間が長期化する場合には国内外経済にさらなる悪影響を与える可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2019年11月1日~2020年10月31日)における我が国経済は、2020年7-9月期のGDP成長率が、前期比で実質5.3%増(年率換算22.9%増)と4四半期ぶりのプラス成長にはなりましたが、2020年4月7日に発出された新型コロナウイルス緊急事態宣言により経済活動が大幅に制限され、4-6月期における実質GDP成長率が戦後最大の落ち込みとなった反動で高い伸びになったに過ぎず、実質GDPの総額は527兆円と、コロナ禍前のピークであった2019年7-9月期の98%の水準にとどまっております。国内経済は、政府の需要喚起策「GO TOキャンペーン事業」等が経済活動の活性化を後押しし、個人消費や企業の生産活動に持ち直しの動きがみられる一方、新型コロナウイルスの第3波とみられる感染拡大が全国的に広がり、再び経済活動に制限がかかる懸念が強まりつつあります。また、海外においては米中対立が構造化していることに加え、欧米を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、楽観を許さない状況が続く見込みにあります。
このような環境の中、情報・印刷事業におきましては、新規顧客の開拓を進め、新たに複数の顧客との取引が本格的に始まり、9月及び10月においては単月黒字となりましたが、通期では、集客イベント等の販売促進活動の中止や見直し、外食産業における営業停止や時短営業が相次ぎ、フリーペーパー、チラシ、ダイレクトメール等の需要減少による受注減により、セグメント売上高は9,858百万円(前年同期比11.0%減)にとどまりました。利益面では、複数の新規顧客との取引開始、製造部門における内製化率向上を図ったものの、セグメント利益は98百万円(前年同期比54.3%減)となりました。インターネットによる受注については、新型コロナウイルスの影響はあるものの比較的堅調に推移しているため、引き続き強化を図ってまいります。また、紙だけではなく、ウエブも含めた幅広いデザイン提案による営業支援及び受注拡大並びに将来的競争力を強化してまいります。
メディア事業につきましては、新型コロナウイルスによる企業活動の低迷もあり、広告出稿が少ない状況が継続しています。このような状況の中、ホームページリニューアルやランディングページ作成の受注拡大に向け営業活動を強化しました。特に意思決定者との商談を強化し、スピード感のある受注が図れるよう注力をしました。また、求人広告においては、コロナ禍でも求人需要のある介護や医療といった業種に特化して提案営業を進めてきました。単なる求人広告掲載に留まらず、イベントの開催、採用ページ作成、人材紹介等クライアントへ多様なサービスを提供することにより、収益拡大を図ってきましたが、新型コロナウイルスによる自粛の影響はカバーしきれずに、セグメント売上高は1,317百万円(前年同期比22.9%減)、セグメント利益は43百万円の損失(前年同期は64百万円の損失)となりました。
知育事業につきましては、連結子会社であった株式会社ウィズコーポレーションの全株式を譲渡し、当連結会計年度の期首をみなし譲渡日とし、同社等が連結の対象から外れたため、セグメント売上高は1,316百万円(前年同期比65.3%減)となりましたが、在庫の評価減が大幅に減少したことから、セグメント利益は30百万円の損失(前年同期は240百万円の損失)となりました。新型コロナウイルスによる幼稚園等の休園の影響もあり従来の園向け用品の売上は減少しておりますが、新型コロナウイルス対策商品を中心に衛生・熱中症対策、室内玩具、防災グッズの販売に注力しており、これらの売上高は伸びております。また、未取引の幼稚園・専門学校等に対し新型コロナウイルス対策商品を中心としたDMを発送し、成果を上げております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,943百万円(前年同期比23.9%減)となり、営業損失は335百万円(前年同期は営業損失500百万円)、経常損失は329百万円(前年同期は経常損失466百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、関係会社株式売却益174百万円を計上する一方で減損損失1,867百万円を計上したことにより、2,089百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失545百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,233百万円(前連結会計年度比14.0%減)減少し、7,583百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金の減少1,022百万円、商品及び製品の減少226百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,563百万円(前連結会計年度比37.3%減)減少し、4,304百万円となりました。これは主として、機械装置及び運搬具の減少575百万円、土地の減少482百万円、のれんの減少328百万円、リース資産の減少938百万円などによるものです。
この結果、当連結会計年度における総資産は11,888百万円(前連結会計年度比24.2%減)となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ920百万円(前連結会計年度比16.6%減)減少し、4,614百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少322百万円、電子記録債務の減少344百万円、短期借入金の減少382百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ857百万円(前連結会計年度比18.5%減)減少し、3,769百万円となりました。これは主として、長期借入金の減少745百万円、リース債務の減少145百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度における負債合計は8,384百万円(前連結会計年度比17.5%減)となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,018百万円(前連結会計年度比36.5%減)減少し、3,503百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金の増加117百万円、利益剰余金の減少2,138百万円などによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ155百万円(前年同期比4.6%)増加し3,557百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、527百万円(前連結会計年度比470百万円の増加)となりました。これは主として、減価償却費458百万円、(削除)税金等調整前当期純損失2,098百万円、減損損失1,867百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、360百万円(前連結会計年度比232百万円の減少)となりました。これは主として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入442百万円、投資有価証券の売却による収入59百万円、有形固定資産の取得による支出123百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、732百万円(前連結会計年度比190百万円の増加)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1,053百万円、リース債務の返済による支出209百万円、長期借入れによる収入580百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
情報・印刷事業 |
9,310 |
△9.3 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 メディア事業及び知育事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
情報・印刷事業 |
13 |
△75.7 |
|
知育事業 |
- |
△100.0 |
|
合計 |
13 |
△85.8 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 メディア事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
3 知育事業に含まれていた連結子会社の株式会社ウィズコーポレーションの株式を譲渡し、当連結会計年度の期首をみなし譲渡日とし、同社等が連結範囲から外れております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
情報・印刷事業 |
9,450 |
△8.0 |
1,526 |
10.1 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 メディア事業及び知育事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
情報・印刷事業 |
9,311 |
△8.9 |
|
メディア事業 |
1,315 |
△22.9 |
|
知育事業 |
1,316 |
△65.1 |
|
合計 |
11,943 |
△23.9 |
(注)1 相手先別販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はないため、記載を省略しております。
2 セグメント間取引については相殺消去しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」と「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④ 生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ3,069百万円(前連結会計年度比24.2%減)減少し、9,612百万円となりました。当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ681百万円(前連結会計年度比22.6%減)減少し2,331百万円となり、売上高に対する売上総利益の比率は0.3ポイント改善し19.5%となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ846百万円(前連結会計年度比24.1%減)減少し、2,666百万円となりました。主な増減は、従業員給料手当の減少341百万円などによるものです。
当連結会計年度における営業損失は335百万円(前連結会計年度営業損失500百万円)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ40百万円(前連結会計年度比33.6%減)減少し、80百万円となりました。主な増減は、為替差益の減少34百万円などによるものです。
当連結会計年度における営業外費用は、前連結会計年度に比べ12百万円(前連結会計年度比14.1%減)減少し、74百万円となりました。主な増減は、支払利息の減少18百万円などによるものです。
当連結会計年度における経常損失は329百万円(前連結会計年度経常損失466百万円)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ46百万円(前連結会計年度比31.3%増)増加し、195百万円となりました。主な増減は、関係会社株式売却益の増加44百万円などによるものです。
当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べ1,782百万円(前連結会計年度比979.0%増)増加し、1,964百万円となりました。主な増減は、減損損失の増加1,710百万円などによるものです。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は2,089百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失545百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、運転資金については自己資金で賄うことを基本方針としております。また、設備投資を含む投資資金については金融機関からの長期借入金で調達することを基本方針としております。緊急時の資金需要については換金性の高い普通預金で運用し流動性の確保を図っております。
③ 重要な会計計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内において合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
具体的には、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。
当社グループは連結財務諸表の作成において、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。