第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

 当社は、1967年の創業以来培ってきた「チャレンジ精神」と「創造性」をニフコスピリットの支柱として成長し続けてきました。その歴史を踏まえ、今後更なる成長ステージへ進む決意を込めて、改めて、当社のPurpose / Mission / Valuesを以下のとおり制定いたしました。

 社員一人ひとりが個々に持つ「My Purpose」を起点に、当社のValues(価値観)を通じて、Mission(使命)を果たし、当社のPurpose(存在意義)を実現することにより、今後も、ニフコらしさを追求しながら持続的に成長し、社員、お客様、株主、投資家、ユーザー、協力会社、地域社会など全てのステークホルダーから信頼され続ける企業となることを目指します。

 

 

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 また、今後も引き続き、コンプライアンス遵守を徹底し、適切なリスクマネジメントを実践することによって、激変する社会経済環境に柔軟かつ適正に対応していくことが必要であり、会社経営の基本方針をグローバルに徹底し実践していくことも重要であると考えます。

 当社は、上記の基本的な考え方に基づいてコーポレート・ガバナンスの充実を経営の優先課題と位置付け、グループ経営の強化を図っていきます。

 

(2) 経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、2021年度より、3ヶ年計画はローリング型中期経営計画を採用しています。これは、各年度の実績及び取り巻く環境の変化を適宜織り込み、最も適した目標数値を示して目標の達成に臨むものです。

 当社は、顧客に対し、より良い社会を創造し、顧客ニーズを解決する提案を行うことにより、社会的価値と企業価値の最大化を目指します。

 

 

2024年度実績

2027年度

目標

2024年度比

売上高

3,530億円

3,690億円

+4.5%

営業利益

492億円

534億円

+8.5%

営業利益率

13.9%

14.0%以上

+0.1%pts以上

当期純利益

447億円

350億円

-21.7%

ROE

17.3%

12~14%

-5.3 ~ -3.3%pts

ROIC

18.8%

18~20%

-0.8 ~+1.2%pts

営業キャッシュ・フロー

(3年間合計)

1,387億円

1,440億円

+3.8%

為替前提

1ドル=151.7円

1ドル=145円

(注)当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。

 

(3) 経営環境

 当社グループは、工業用ファスナーを中心とした、エンジニアリングプラスチック製品を主力とした事業を展開しており、主に自動車、住環境に関する製品をグローバルに製造・販売しております。エンジニアリングプラスチック製品は軽量、防錆、扱いやすく、加工性にも優れているため、特に自動車などの製品のモノづくりの現場における作業負担を軽くするだけでなく、その軽量化とコストダウン、環境・安全・快適性能の向上にも貢献しております。また、内装・外装のみならず、先進運転支援システム(ADAS)や電動車(xEV)関連に至るまで、幅広い領域に製品を供給しております。

 今後、自動車産業は自動運転やIoTなどのテクノロジーの進歩による大きな変革期が到来することが予想されますが、当社グループは技術力・開発力により柔軟に対応してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの主要なマーケットである自動車産業については、グローバル・ベースでは今後も成長していくものと考えておりますが、地政学上の様々な変化や混乱が起きており、また顧客要求も多様化、複雑化しております。

 そのため、当社グループが更に飛躍・成長するには、これらの課題及びニーズに的確かつ迅速に対応しグローバル・ベースでの顧客満足度を向上させることが重要であります。

 その課題達成に向けて、各ユーザーのニーズを的確かつ迅速に対応し得る商品と生産工程に関わる技術の構築、事業を通じたサステナビリティ経営の推進、人材育成、ダイバーシティ推進とエンゲージメント向上による組織の活性化と次世代人材の確保、セキュリティの確保と業務の連携を進める情報システムの構築と活用に注力するとともに、グローバル各社の予実管理を更に強化し、海外地域統括制の導入による地域内拠点間の協力体制の構築、現地での迅速な意思決定の推進等を図っております。

 また、当社では他社の知的財産権を尊重し、当社の商品が他社の知的財産権を侵害しないよう開発段階から特許調査等を行うことで他社の知的財産権に対する侵害回避に努め、知的財産に関する訴訟リスクの低減を図っております。なお、当期におきましては、知的財産権に関する問題で第三者から訴訟を提起された事案はございません。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社グループは、「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」というパーパスを掲げる会社です。社会課題や顧客の困りごとをチャンスと捉え、「提案力」「グローバル展開力」「品質対応力」を強みとして、独創的かつ付加価値の高い製品を創り出します。環境や社会の変化を見越したステークホルダーへの価値提供は、社会課題や顧客の困りごとの緩和・解決につながり、そのサイクルを回すことで、長期ビジョン「"アイデア"を"カタチ"にする会社」を実現します。更に、社会課題をチャンスと捉え、新事業創出とビジネス創出を通じて社会に貢献することを目標としています。当社のサステナビリティ経営は、事業戦略を起点としつつ、財務戦略及びESG戦略が相互に影響し合う構造で推進されています。これら三位一体の戦略は、リスクと機会の適切な管理を行う委員会を通じて統合的に運営されています。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。

 

①サステナビリティに関するガバナンス

  2024年度の当社グループのサステナビリティに関する取組は、主にリスクについてはリスクマネジメント委員会が管理を行いました。気候変動についてはESG推進室と対応を主管する組織が連携し、人的資本については管理本部ダイバーシティ推進プロジェクト室と管理本部人事部が管理を行いました。これらの取組状況は、対応を主管する組織の執行役員から取締役会に報告され、取締役会において、サステナビリティに関する進捗や成果を共有し、モニタリング・監督を行いました。取締役会で討議された内容は、直接あるいは経営会議を通じて対応を主管する組織に伝達され、それぞれの経営計画・事業運営に反映されました。2024年度のサステナビリティ委員会の開催状況については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 イ.会社の機関の基本説明」をご参照ください。

  上述のとおり、執行側の取組と取締役会の監督が機能していたことも踏まえ、2025年度からは、これまで取締役会の諮問機関として設置されていたサステナビリティ委員会を執行側へと移行しました。移行後は、同委員会がサステナビリティ全般に関する機会について議論し、重要課題の統制を行い、取組状況を管理し、その結果を経営会議に提言します。リスクについては、リスクマネジメント委員会が、総合的なリスク評価を行い、各主管組織の取組状況等を経営会議に報告提言します。経営会議で議論されたサステナビリティ全般の機会とリスクは、サステナビリティ委員会及びリスクマネジメント委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。

  2025年度のサステナビリティ委員会の構成員は、社内取締役、常勤監査等委員、本部長、事業部長、カンパニー長、人事部長、法務室長、情報システム部長です。サステナビリティ委員会の委員長は、ESG推進室長が務めます。

 

 コーポレート・ガバナンスの2025年度新体制図

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②リスク及び機会の管理

  当社グループのリスクについては、リスクマネジメント委員会でリスクの低減に向けた管理を行っています。リスク項目についてはリスクマネジメント基本規程で組むべきリスク類型が定義されており、それらのリスクは、対応を主管する組織にて分析、発生頻度と影響額の点数付けや対応策の立案等がなされます。それらの分析をもとにリスクマネジメント委員会で総合的なリスク評価を行い、対応策の決定と管理を行います。2025年度よりリスク管理の進捗は、リスクマネジメント委員会から経営会議に報告され、リスク対策の実行・運営は、リスクマネジメント委員会の指示のもと、主管する各組織にて行われます。

  当社グループのサステナビリティに関する機会については、2025年度よりサステナビリティ委員会が統制を行います。気候変動、人的資本、その他サステナビリティ全般の機会を特定し、目標設定と対策の管理を行います。機会管理の進捗はサステナビリティ委員会から経営会議に報告され、機会の対策の実行・運営は、サステナビリティ委員会の指示のもと、主管する各組織にて行われます。

 

③各重要課題の戦略及び目標と取組状況

[マテリアリティの特定]

  当社グループは、サステナビリティ経営の基盤を強化すべく2020年にマテリアリティ(重要課題)を特定しました。マテリアリティの特定にあたり、はじめにバリューチェーン分析を行い、当社グループの事業が社会や環境にどのような影響を及ぼしているかを整理、把握しました。その分析結果に基づき、重要なテーマの洗い出し、環境・社会へのインパクト評価、財務に影響するリスクと機会の分析などを行いました。その後、対応を主管する組織で見直しを重ね、ESG推進室にてとりまとめを行い、取締役会にて承認され、下記のマテリアリティが決定しました。これは、中期経営計画の実行と、長期ビジョン及びパーパスの実現、そして持続可能な成長と社会的価値の創造を両立させていくことを目的としたものです。

  2025年度からは体制を見直し、これらのマテリアリティの、主にリスクについては、リスクマネジメント委員会を通して、機会についてはサステナビリティ委員会を通して、対応を主管する各組織に落とし込まれ、両委員会がその進捗モニタリング行います。各マテリアリティの取組内容は、両委員会より定期的に経営会議に報告されます。同会議にて改善や新たな取組が決定され、両委員会を通して、再び各組織及びグループ各社へ指示が出されます。こうしたサイクルを実施し、マテリアリティを随時見直しつつ、リスクと機会に適切に対応し、中長期の目標を実現してまいります。

2024年度 ニフコマテリアリティ

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[サステナビリティ経営の強化]

・コーポレート・ガバナンスコードを意識した経営の取組

  持続的な経営を追求する「サステナビリティ経営の強化」を実現するための戦略の一つは「コーポレート・ガバナンスコード(以下「CGコード」)を意識した経営」の取組です。サステナビリティ経営を実行するガバナンス体制に不備がある場合、常に変化する会社及びグループを取り巻く顕在化したリスクへの対応の遅れにつながります。こうしたリスクを極小化するためにも、年に2回、CGコードを意識した経営についての見直しを行い、取締役会に報告し、コーポレート・ガバナンスコード報告書を更新しております。当社は、提出日現在において、CGコードの全ての原則を実施しております。

・取締役会実効性の向上

  当社は、取締役会実効性の向上のため、年に1回、取締役会の実効性に関する評価を実施しております。2024年度は、2025年2月までの取締役会実効性に関するアンケートを実施し、分析・評価を行いました。その結果、全体として、8割を超える回答者から、当社のガバナンス体制が前年に対して拡充した、との評価を得ました。特に、当社取締役会の強みとして、適正な規模・構成及び多様性が確保されていること、自由闊達な議論がなされていることが挙げられました。一方で、長期的目線での経営戦略や成長戦略・サステナビリティに関する討議の深化、決議事項に対するフォローアップ、株式市場との関係強化、リスクマネジメント体制の強化について意見が寄せられ、今後の課題と認識しております。この結果をもとに、取締役会で実効性向上のための討議会を実施し、今後の対応を決定いたしました。

・次世代取締役層の育成

  2024年度は取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が8回開催されました。当委員会では、取締役・執行役員の指名・報酬に関わる討議だけでなく、取締役層のサクセッションプラン策定や、次世代経営者の選抜・育成も重要課題と認識しており、それらに活発に取り組みました。従業員の人材育成については、「(3)人的資本に関する取組」を御参照ください。

・コンプライアンスの徹底

  もう一つの戦略として「コンプライアンスの徹底」に取組んでおります。コンプライアンス違反による不祥事を起因とした会社の企業価値損失や、売上げの低下と対応コストの発生、社会的評価の毀損など、これらのリスクを防ぐために、定期的なコンプライアンスの研修を実施しており、2024年度は、当社及び国内子会社で実施いたしました。今後は、海外子会社においても同様の研修を実施いたします。

 

  「サステナビリティ経営の強化」を実現し、当社グループの取組を明確に示すことは、企業価値の向上に寄与し、取引先との強固な協力体制構築につながります。そのためにも、適切にリスクと機会に対応できるガバナンス体制を持続し、コンプライアンス遵守を徹底して、サステナビリティ経営を強化してまいります。

 

[情報セキュリティの確保]

  「情報セキュリティの確保」を実現するための戦略は「情報セキュリティ対策の維持・向上」への取組です。サイバー攻撃やマルウェアの感染による情報セキュリティシステムの機能不全等が発生した場合、業務停止等、顧客への供給停止、取引先からの信頼喪失、損害賠償の発生につながります。このようなリスクを防ぐために、当社及び国内子会社では、発生時の行動計画の実行性確認を目的として、共通セキュリティシステムの再構築や、標的型メール攻撃訓練、セキュリティインシデント訓練を実施しました。また、従業員に対して情報セキュリティ教育を実施し、社員へのセキュリティ意識を高める対応も行っております。海外子会社についても、各社セキュリティシステムの構築と、従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。情報セキュリティシステムの整備と訓練及び従業員に対する啓蒙活動を継続することで、行動計画に即した迅速な対応と円滑な顧客応対を可能とします。今後もこれらの取組を通して、外部からの攻撃や内部の脆弱性に対して強い防御を保持し、堅牢な情報セキュリティを確保してまいります。

 

[製品の安全性と品質の確保]

  当社グループにおいて「製品の安全性と品質の確保」は重要な課題であり実現しなければならない戦略です。不良品の発生は顧客の信用失墜・失注はもとより、ブランドイメージを低下させ、また、製品の禁止物質含有を見落とした場合は、製品の回収交換に留まらず、損害賠償などのリスクにつながります。これらのリスクに万全を期して対応する策として、専門性を有した人材の育成に加え、SOC管理システムを導入し、開発プロセス及び変更管理での検証を徹底し製品の安全性を確保しております。担当を主管する各組織において実施される、より詳細な対応策の数々はこれらにとどまりません。2024年度は、中国の拠点を先駆けとして、このSOC管理システムを水平展開しました。今後順次、他の地域も展開を行います。近い将来に拡大するリサイクル材の活用に対しては、これらの体制を活用し、開発プロセスから十分な検証を実施していきます。また、万が一のリスクに備え製品毎のリコール保険を見直し、より充実させました。

  信頼性が高く、優れた製品を提供することは、「環境」「安全」「快適」の普遍的な商品戦略を目指す当社にとって、顧客との長期的な取引関係と競合他社との差別化に必須な要件です。今後も企業価値向上のために徹底して製品の安全性と高い品質を確保してまいります。

 

[廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進]

  当社は、限りある資源を有効に活用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが、持続可能な社会の実現に不可欠であると認識しています。この認識に基づき、当社はマテリアリティの一つとして「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」を掲げ、原材料価格の変動リスクや廃棄物処理コストの上昇、規制強化などのリスクに対応するとともに、環境価値を提供する企業としての責任を果たすことで、企業価値の向上を図ってまいります。主な取組として、製造および品質工程の改善によって廃棄物の低減、廃棄物分別強化による有価物への転用を行っています。但し、サーキュラーエコノミーに関しては、再生材を利活用する上での認証の課題を抱えており、現時点で明確な指標は開示しておりません。その他、2024年度は、J-FAR※の公募事業である「XtoCarプロジェクト」に採択され、2025年度から製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動の取組を開始しました。将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。

 ※J-FAR 公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団

 

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

総排出量         (t)

1,434.4

1,265.4

1,478.3

1,295.5

有価物重量        (t)

349.7

487.9

942.5

1,020.6

総廃棄物量  合計   (t)

1,784.1

1,753.3

2,420.8

2,316.1

※2024年度の実績は2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定

https://www.nifco.com/csr/environment/index.html

 

  この他、マテリアリティの重要な部分を占める気候変動と人的資本に関する取組を、それらの戦略に沿って(2)以降に記載します。

 

(2)気候変動に関する取組

  当社グループは、マテリアリティの一つに「気候変動への対応」を掲げており、その副次的な課題として「事業全体におけるCO2排出量の削減」と「CO2排出量削減に貢献する製品の研究開発、製造、販売」を掲げております。そのため、国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析を行い、その結果、当社グループの気候変動に関するリスクと機会への中長期戦略として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進していくことが重要であると認識し、Scope1(自社における直接排出)及びScope2(自社が購入・使用した電力、熱、蒸気などのエネルギー起源の間接排出)のCO2排出量を指標とし、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。

 

①気候変動に関するガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し、シナリオ分析、リスクと機会の抽出、カーボンニュートラルの実現に向けた取組についての協議を行っています。そしてESG推進室が事務局となり、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律・地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、半期に1回、法令に対応する組織として環境推進委員会を開催し、計画に基づく進捗を管理しています。2024年度は、これらのCO2削減を含む環境関連活動について、ESG推進室より取締役会に報告しています。

 2025年度からは、サステナビリティ委員会にて気候変動に関するリスクと機会を議論し、取組状況を管理して、その結果を経営会議に提言します。経営会議で議論された気候変動に関する議案は、サステナビリティ委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。

 

②カーボンニュートラルの実現に向けた戦略

 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、当社は、気候変動に起因する事業リスク及び機会の分析評価を行いました。その結果、当社グループの気候変動に関するリスクへの中長期戦略として、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を推進していくことが重要課題であると認識しており、Scope1及びScope2のCO2排出量を指標とし、2050年にカーボンニュートラル実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。シナリオ分析の概要は次のとおりです。

 

 

 

 シナリオ分析の概要

対象範囲

グループ連結対象企業(ベッド及び家具事業を除く)

時間軸

現在~2040年

シナリオ構築

1.地球の平均気温の上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内に抑えるシナリオ(1.5 ℃シナリオ)

参照情報

・IEA※1 WEO2021 NZE、SDSシナリオ

・IPCC※2 第6次評価報告書 第1作業部会報告書より

SSP1-1.9,2.6

・その他

2.地球の平均気温が産業革命以前の水準から4℃程度上昇するシナリオ(4℃シナリオ)

参照情報

・IEA WEO2021 STEPSシナリオ

・IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書より

SSP2-4.5、SSP3-7.9、SSP5-8.5

・A-PLAT S8 気候 RCP8.5

・その他

 

※1 IEA

International Energy Agency(国際エネルギー機関)。第1次石油危機後の1974年11月に、石油を中心としたエネルギーの安全保障を目的としOECD(経済協力開発機構)の枠内に設立された機関。現在は持続可能なエネルギー供給を目指し、気候変動の分析や省エネルギー政策、クリーンエネルギーの推進政策等に貢献。

※2 IPCC

Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)。各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的として、1988年8月にWMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)により設立された政府間組織。気候変動に関する最新の科学的知見をまとめた報告書を作成。

 

[気候変動に関連して想定される事業環境の変化]

a 1.5℃シナリオ(気候変動への緩和)において想定される事業環境の変化

 1.5℃シナリオでは、自然環境は2040年ごろに平均気温が現在より1℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の2倍程度になると言われています。その激甚化する風水害に対して政府の投資が増え、CO2排出量削減に向けたより厳しい基準が企業に迫られるようになる可能性があると言われています。世界的に気候変動への対応が進むことにより、自動車は化石燃料を用いる内燃機関が減少し、電気エネルギーを使う自動車へのシフトが進むとともに、これまでの自動車メーカー以外の新規参入企業の存在感が増していく可能性があります。そうなった場合、顧客からは、化石資源を用いる内燃機関用の商品の発注が減り、電気エネルギーを使う自動車に必要な部品の発注が増えるとともに、環境負荷低減を前提に設計、製造された製品を求められることが多くなると考えられます。また、自動車のエンドユーザーの環境意識の高まりから、車の自己所有からシェアリングへのシフトが起こり、世界の自動車生産台数が減少する可能性があります。

 調達、製造においては、炭素税の導入により原材料の調達価格が上がり、また顧客からの要請により再生プラスチック、バイオマスプラスチックなどの原材料への転換が増えていく可能性があります。風水害の激甚化によるサプライチェーン、製造施設などの被災の可能性が高くなり、その場合は、イレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が起こる可能性があります。

 

b 4℃シナリオ(気候変動への適応)において想定される事業環境の変化

 4℃シナリオでは、自然環境は2040年ごろに平均気温が現在より2℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の4倍程度になると言われています。激甚化する風水害に対して政府の対策は強化される可能性があると言われています。気温上昇により、熱中症搬送者数は現在の2倍程度に増加するとともに、これまで少なかった蚊媒介の感染症なども増えていく可能性があります。

 化石資源の価格及びエネルギー料金は上昇していく可能性があります。また、風水害の激甚化によるサプライチェーン、製造施設などの被災頻度が高くなり、その場合は、イレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が増加する可能性があります。

 

 以上のシナリオ分析より当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があると推測される市場リスク、市場/技術リスク、急性リスク、市場/製品/サービスの機会を抽出しました。カーボンニュートラルの実現の戦略として、これらのリスク及び機会に対応する取組が、主管する各組織において、通常業務の中で様々な形で実施されています。それらのうち、重要なものを以下の「④リスク及び機会に対する取組及び指標と目標」に記載しています。

 

③気候変動に関するリスク及び機会の管理

 ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ下における環境の変化から、発生する可能性のある事業リスクと機会を抽出し、推測される財務への影響度について検討を行いました。その結果、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があると推測される市場リスク、市場/技術リスク、急性リスクを抽出しました。一方、その他の組織においても、当社グループの損失危機を管理するリスクマネジメント委員会の指示のもと、気候変動に関するリスクの発生頻度と影響額の点数付けや対応策立案等について分析・検討を行っています。リスクマネジメント委員会では、主管組織より報告された気候変動に関するリスクについて、総合的に評価し、管理しています。

 また、気候変動の機会についても同時に、シナリオ分析を経て、ESG推進室が事務局となって主管する組織と連携し市場/製品/サービスの機会を抽出し、対応を主管する組織において取組を行っています。2025年度より、サステナビリティに関する機会は、サステナビリティ委員会にて特定され、取組状況を管理して、その結果を経営会議に提言します。経営会議で議論されたサステナビリティに関する機会は、サステナビリティ委員会を通して、当社の各事業部門及びグループ各社の経営計画に反映されます。

 

④気候変動のリスク及び機会に対する取組及び指標と目標

a 気候変動に関するリスク及び機会の重要な取組と指標及び目標

 国際的に推奨されるガイダンスによるシナリオ分析の手法で導かれる2021年から2040年までの環境の変化予測に対して、財務面及び非財務面の両面から影響度の大きい気候変動のリスク項目を絞りこみ、検討を行いました。市場リスクでは、電気自動車の普及が進み、従来のエンジン周りの部品や給油口周りの部品など、ガソリン車特有の構造に関する機能部品が徐々に少なくなる可能性や、異業種からの自動車業界への参入が増え、異業種に納入していたメガサプライヤーなどが新たに競争相手となることが、中長期的に予想されます。市場/

技術リスクでは、CO2排出量を抑えた代替製品の出現により既存及び新興の自動車メーカーでの当社グループの商圏が減少する可能性があります。急性リスクでは、暴風雨、雪、凍結等の気候の激甚化によりサプライチェーンの断絶が起こる可能性が高まり、それによって引き起こされる材料調達不足による顧客への供給リスク回避のために、高価な材料購入及び輸送費負担が増加する可能性があります。一方、市場/製品/サービスの機会として、CO2排出量削減を目的とした、より軽量な車や、非ICE車、再生可能エネルギー使用の機会などが急拡大することにより、モーター、バッテリー、電池(全固体電池含む)、ブレーキ周りなど、特有の機能部品の需要が拡大する可能性があると考えます。これらのリスク及び機会の主な取組は、対応を主管する各組織において、通常業務の中に様々な形で対応が取られています。2024年に発表した開発製品としては、生産時のCO2発生量は他の材料のブラッシュクリップよりも少なく、使用後は水と二酸化炭素に分解され、自然に還る生分解性プラスチック製ブラッシュクリップ等があります。これらの移行リスク及び物理的リスク、そして気候変動に伴う機会に関する全ての指標は、社内において定め、すでに実行中ですが、事業戦略における重要性を鑑み、現在は非公開としています。今後、公開も視野に入れ慎重に検討していきます。

 その他、2024年度に重要な取組として行われたものは、市場規制や顧客からの再生原材料の使用要求に対し、適時適切な対応ができないことによる売上の減少及び調達コストが上昇する可能性があるという市場リスクに対する、非化石資源材料、リサイクルプラスチック材、天然資源(バイオマス)を利用した材料の活用推進と、再生材(含むバイオマスプラスチック)を採用した製品の仕様を満たす製品形状と工法の開発です。これらの重要な取組は、「廃棄物ゼロ(サーキュラーエコノミー)への取り組み推進」というマテリアリティにもつながっています。2024年度は、「XtoCarプロジェクト」と称し、製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する活動に取組を開始しました。将来的には再生材を利用した自動車向け製品の量産化を目指し、2025年度には自動車に適用できる廃プラスチックの種類を指標に置き、調査分析を通じて1種類以上選定することを目標にしています。

 

b 「2050年カーボンニュートラル宣言」を実現するための指標及び目標

 当社は、気候変動に対する中長期戦略として「2050年カーボンニュートラル宣言」をしています。CO2排出量削減に関する大枠の指標としまして、Scope1とScope2を対象に、2030年に当社及び国内グループ会社において2020年比で33%削減、2050年にカーボンニュートラルを目指して取組を進めています。名古屋工場においては、オンサイトPPA及びオフサイトの自己託送を25年度に開始予定としており、これにより再生可能エネルギーの比率を年々上昇させ、早期にカーボンニュートラル達成モデル工場となることを目指しています。その他、詳細の指標及び目標については、2027年度の次期中期経営計画に反映を予定しています。

 また、集計済みとなっている最新の当社及び国内グループ会社のCO排出量は以下のとおりです。集計方法は、世界的な標準算出方法となっているGHGプロトコルを採用しています。継続的な省エネ活動を推進しておりましたが、2023年度において生産量の増加に伴うエネルギー量の増加が省エネ等による削減量を上回ったため、Scope1及びScope2は微増いたしました。しかしながら前述のとおり、名古屋工場をはじめとして再生可能エネルギー比率を最大限上昇させていく対応を目指していきます。また、Scope3は算出根拠を発注金額としており、為替変動、資材及び輸送費の高騰により、結果増加となりました。なお、2024年度の数値については、2025年度の秋頃に当社ホームページ「サステナビリティ」にて公開予定です。

https://www.nifco.com/csr/environment/index.html

 

Scope1、Scope2推移グラフ(提出会社)

 

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Scope3推移グラフ(提出会社)

 

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 現在、Scope1及びScope2については、当社及び国内グループ会社のみのCO2排出量開示となっていますが、これらの情報把握及び開示は、CO2排出に関する規制強化や炭素税の導入により事業コストの上昇や、脱炭素化に向けた顧客及び取引先からの期待の高まりに対し、当社及び国内グループ会社内で影響の大きい分野や工程を特定して事前に対策を講じることや、再生可能エネルギーの導入や効率的な設備投資、新技術開発の必要性を具体化することで、競争優位性を維持するための行動指針の立案につながります。これにより、持続可能な成長の基盤を強化、そして国内という限定的な範囲であっても、積極的なデータ開示は環境配慮を重視する顧客や投資家の信頼を得る手段となり、ビジネス機会を広げるきっかけとなるため、将来的には連結会社全体への展開に資するものと考えています。

 なお、現時点で海外拠点からのデータについては、収集がエクセルベースであり、データ精度の観点から現状では正式開示に至っておりませんが、2025年度よりScope1及びScope2の参考値としての開示を予定しております。今後はグローバルでのデータ精度向上と第三者保証に耐えうる水準の管理体制の整備を視野に入れ、システム導入等を検討してまいります。

 また、Scope3(サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量)の算定については、サプライチェーン全体におけるデータの保有状況や管理方法にばらつきがあるため、現時点では統一的に把握・算定することが困難となっています。そのため、当社及び国内グループ会社のみのCO2排出量開示としています。今後は、重要関係会社との連携強化を行い、Scope3に関するデータの整備及び開示を段階的に検討していきます。

 

 気候変動のリスク及び機会の影響の可能性は様々ですが、当社は企業価値を最大化すべく、これらのガバナンス及びリスク機会管理によって、今後も取組を適切に実施してまいります。

 

(3)人的資本に関する取組

①人的資本に関する戦略

 人的資本につきましては、ニフコグループのパーパス及び中長期計画を実現するための重要な経営資源と考えており、当社中期経営計画 "NIFCO GLOCAL STRATEGY"の長期ビジョンに基づき、「"アイデア"を"カタチ"にする」人材の創出を当社及びグループ会社の人材戦略の目標としております。

 「"アイデア"を"カタチ"にする」人材を創出するためには、「多様な人材が持つ能力を最大限に開発し発揮させる、エンゲージメントの高い職場」が必要となりますので、当社グループの企業理念を浸透させた組織・人材の土台の上に、「人材育成」「多様性」「従業員エンゲージメント」の3つを重要な柱とし、それぞれにおいて活動計画を策定し実行しております。

 

 まず、当社人材の土台となるのは、当社の企業理念 Purpose / Mission / Values となります。当社の企業理念体系の起点は、各従業員が個々に持つ「My Purpose(マイパーパス)」すなわち、個々人の価値観、人生観と会社の「Purpose(存在意義)」の重なりです。これを定めることにより、従業員個人と会社のつながり(パーパス・ファスニング)を意識し、自身の人生観や価値観を活かすキャリアを自律的に見つけ、エンゲージメントを高めながら主体的・自律的に学び成長することができると考え、各従業員がマイパーパスを策定するワークショップを2024年度より全社で展開しております。

 

ニフコグループ 企業理念体系

 

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 「人材育成」は、当社グループの持続的成長を支える最も重要な課題(マテリアリティ)の一つであり、競争力の源泉と捉えています。当社において、グローバルスケールで活躍できる人材の要件/行動指針は、当社のValuesに基づき、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードとともに、各等級の等級定義や行動指針として明文化されています。こうした人材の育成を目的に、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、全社型の4つのカテゴリーに構成された従業員研修体系を制定・運用しております。また、従業員の自律的なキャリア形成を促すため、資格取得奨励制度や外部のeラーニング受講費用の補助金制度などにより、自己啓発にも取り組みやすい制度を整えています。社内での研修だけでなく、海外トレーニー制度や他社留学や複業留学など越境体験の機会も提供しています。更に、次世代経営者育成においては、定期的に策定する管理職部長層サクセッションプランとの整合を踏まえ対象者を選抜し、育成を進めております。

 

 「多様性」は、多様な人材の適所配置により、属性や価値観が異なる個々人から生まれる小さな気づきを生かし、ニフコの強みであるイノベーションや新製品・新技術の開発につなげ創造的なコラボレーションを実現することは、ニフコのグローバル競争力を一層高めるための重要な経営戦略のひとつと考え、人材の多様性の確保・推進に取り組んでいます。具体的には、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした各種研修の実施、ダイバーシティ推進の専門部隊によるあらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するための様々な施策の企画・実行、更に、自己申告や社内公募を通した社内異動により、各組織に多様な経験・スキルを持つ人材の適所配置に取り組んでいます。一方で、ニフコグループ企業行動憲章並びにニフコグループ人権方針に基づいた全社人権研修を行い、多様な人材の活躍を阻害する人権リスクの低減にも努めています。

 

 「従業員エンゲージメント」は、人材の定着率を高め、生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。まず、上述のパーパス・ファスニングにより、従業員個人と会社のつながりを固めた上で、各人が活き活きと働くことができる職場環境を構築するため、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。人事制度は、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、市場競争力を強化するための等級・評価・報酬制度の見直しを行いました。また、働き方については、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度・休暇制度の拡充や、働く場所を自分で選べるようにテレワーク制度の導入など、働き方と休暇制度の充実を図ることで、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。また、この従業員エンゲージメント向上のための各種施策は、隔年で実施するグローバル従業員エンゲージメントサーベイにおいて、その効果を定期的に確認しております。

 

②人的資本に関するガバナンス

 多様性に関する取組は専門部隊(管理本部ダイバーシティ推進プロジェクト室)が、人材育成・エンゲージメントなどその他の人的資本に関する取組は管理本部人事部が、それぞれ主管組織として行動計画の策定・実行しており、各領域の機会認識から行動計画を定め運営しております。人的資本に関する重要事項は、社長以下全執行役員と事業部長が出席し定期的に開催される「人材会議」に報告され、討議されております。また、人的資本におけるリスクについては、取締役監査等委員及び全本部長から構成さるリスクマネジメント委員会にて、全社リスク管理の一環として管理され、それを補完する仕組みとして、内部通報制度を設け、従業員及び社外関係者から社内(取締役監査等委員)及び社外(顧問弁護士)の窓口で直接通報を受けております。これらの人的資本に関する執行側の取組は、定期的に取締役会に報告され討議されております。

 なお、取締役層のサクセッションプランと次世代育成については、取締役会の諮問委員会である指名・報酬・ガバナンス委員会が管掌しており、委員会として次世代経営者の選抜・育成に積極的に関与する体制となっております。

 

③人的資本に関するリスク及び機会の管理

 人的資本におけるリスクについては、全社リスクを一元管理するリスクマネジメント委員会が統制、総合評価しているリスク一覧のうち、人材に関するリスクについて、発生原因、想定される事象、影響度・発生頻度の点数付け、中・長期的な対応策の立案と緊急事態発生時の行動計画を管理本部がまとめ、当委員会に報告します。リスクマネジメント委員会及び当委員会を管轄する経営会議にて討議された各施策に関する対応策や改善策は、管理本部担当組織の行動計画に反映され、それらを基に運用しております。一方、人的資本における機会は、管理本部の担当組織が毎年期初に特定・見直しを行い、それに基づき年間の行動計画を策定、実行しています。

 2025年度からは、この内容をサステナビリティ委員会に報告し、当委員会にて全社の機会を管理いたします。

 

④人的資本に関する各取組と指標及び目標

a 人権侵害リスク低減に向けた取組

 多様な人材を活かすためには、まず人権侵害リスクのない職場作りが重要です。ニフコグループは、関係法令及び国際ルールを遵守するとともにその精神を尊重し、社会的良識を持って行動するため、2021年に「ニフコグループ人権方針」を策定しております。この人権尊重の取組を更に進め、当社内にある人権侵害リスクの排除を目指し、2024年度は国内全社で人権研修及びアンケート調査を実施、社内に存在する人権リスクを可視化いたしました。今後、可視化されたリスクの低減に向けた対策の策定・実行を進めるとともに、同様の活動をグローバルに展開し、全ての従業員が活き活きと働ける職場の実現を進めます。

 

b 人材育成に向けた取組

 多様な人材が持つ能力を最大限に開発し、「"アイデア"を"カタチ"にする」人材を創出することが最重要課題であることを踏まえ、「チャレンジ、イノベーション、コミュニケーション、コラボレーション」のキーワードにより明示された人材要件・行動指針を満たすグローバル人材を育成するため、当社においては、階層別型、自己研鑽型、選抜育成型、全社型の4つのカテゴリーに構成された従業員研修体系図を毎年期初に制定し、年間を通して研修体系図に則り各研修を実行・運営しております。海外・社外での就業体験が視野を広げ視座を引き上げる、という考えのもと、海外トレーニー制度や、他社留学・複業留学などの越境体験の機会も提供しています。海外トレーニー制度では、毎年日本から海外へ、海外から日本へトレーニーの送り出し・受け入れを実施しています。また、次世代経営者育成は、管理職のサクセッションプランを踏まえて選抜された部長層・課長層・準管理職層のメンバーに対し、視野を広め視座を高めることを目的として、社外のリソースを使って育成を進めております。人材育成の指標の一つとして、人材育成投資額を管理しております。また、同様の人材育成プログラムは、各子会社・拠点においても、個社のニーズに基づき策定・運営されており、その状況については、グローバルHR会議等の場で共有されております。

 

2024年度研修体系図

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人材育成の指標

2023年度 実績

提出会社

2024年度 実績

提出会社

グローバル

人材育成投資額

109百万円

134百万円

今後グローバルでの指標管理に取組んでまいります。

 当社グループの人材育成の目標は、人材育成投資額だけではなく、様々なニーズに合わせて判断しているため、記載しておりません。

 

c 人材の多様性の確保に向けた取組

 マテリアリティの副次課題として、多様な属性や価値観を持つ人材を確保し、あらゆる属性の社員が働きやすい職場環境を構築するため、当社では、ダイバーシティ推進の専門部隊が、「心理的安全性の高い職場作り」を目的とした、各種ダイバーシティ&インクルージョン研修を実施しているほか、毎年様々な施策を企画・実行しています。2024年度は、全管理職を対象としたアンコンシャスバイアス研修を実施したほか、外部から専門家を招き、「仕事と介護の両立セミナー」を実施しました。多様な人材を適所配置し活躍の機会を推進することで、多様な視点や経験を持つ人材による新しいアイデアの創出や創造的なコラボレーションにつながります。

 当社人材の多様性を示す指標としては、女性・外国籍・中途入社の在籍比率を管理しております。2025年3月末時点では、下表のとおりです。

 

多様性の状況

2025/3/31時点

提出会社

グローバル

人数

割合

人数

割合

女性

取締役

2

25.0%

管理職

14

5.8%

233

21.8%

正社員

222

16.4%

3,809

41.8%

外国籍

取締役

0

0.0%

管理職

11

4.6%

正社員

56

4.1%

中途入社

取締役(社内)

0

0.0%

管理職

77

32.0%

正社員

519

38.3%

 

 上表の状況を踏まえ、当社における多様性の確保・推進が、当社の持続的成長においては最重要と認識しており、「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」の3点を、当社の継続的に監視すべき指標と定めております。これらの指標における2024年度実績と将来目標、今後の取組は、下表のとおりとなっております。なお、「第1 企業の概況 5.従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」において国内連結子会社における多様性に関する指標及び定義を記載しています。

 

多様性の指標

提出会社

2024年度 実績

取組・目標

管理職に占める

女性労働者の割合

5.8(14名)

※専門職も含む

各組織における高ポテンシャル人材を特定し、育成計画の策定とフォローアップを定期的に実施しております。また、2024年度は、管理職を対象とした「アンコンシャスバイアス研修」を実施し、管理職層の意識改革も進めました。2030年度10%達成を目標とし、これらの取組を今後も継続して行います。

男性労働者の

育児休業取得率

54.8

2023年度に育休経験者・管理職による座談会を実施し2030年度90%達成を目標とし、引き続き職場の労働環境を整備してまいります。

労働者の

男女賃金差異

58.5

各等級の報酬テーブルに、男女による差はありません。詳細は、「第1 企業の概況 5.従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。引き続き、女性管理職比率の改善、全社残業削減など、差異縮小につながる活動に注力いたします。

 

d 社内環境整備に向けた取組

 多様な人材が持てる能力を最大限に発揮できる職場環境作りを目指し、当社では、人事制度や働き方の見直しを随時行っております。人事制度については、2024年度に「ニフコ流JOB型人事制度」を導入(当社)、各管理職ポジションの役割を明確にし、年齢・経験に拘わらず、役割をこなせる人材を登用し役割に応じて処遇する制度に改訂すると同時に、市場競争力を強化し優秀な人材の流出を抑制し外部からの登用を推進するため、報酬制度・水準の見直しを行いました。グローバルにおいても、各国・地域において、十分な市場競争力を維持するための報酬改訂を定期的に実施しております。働き方については、継続して総労働時間の削減に向けた取組を行い、時間管理から解放され自由度を高めたフレックスタイム制度や働く場所を自分で選べるテレワーク制度をライン作業者等を除く社員に導入するなど、柔軟な働き方と休暇制度の拡充をグローバルに進め、高いエンゲージメントを保ちながら、事業の持続的な発展に貢献できる職場作りを推進しております。これらの社内環境整備については、各子会社・拠点も個社のニーズに基づき取組んでおり、グローバルHR会議等で相互把握・共有しております。

 

社内環境整備の指標

提出会社

2024年度 実績

「ニフコ流JOB型人事制度」導入

導入完了

総労働時間の削減に向けた取組

年間所定労働時間1,898.75時間 (目標1,900時間以内)

残業時間:平均 24.78時間/月 (目標30時間以内 支援社員除く)

※グローバル共通の指標は、有効性のあるものが特定できていないため、設定しておりません。

 

e 従業員エンゲージメント向上への取組

 従業員のエンゲージメントは、人材の定着率を高め、当社の生産性・付加価値を最大化する中で重要な要素と考えます。当社グループでは、2020年より隔年でグローバルの従業員エンゲージメントサーベイを実施し、各組織における強み・弱みを定量的・客観的に把握した上で、従業員のエンゲージメントを高めるための施策を各組織で策定・実行し、管理しています。

 

従業員エンゲージメントの指標

「持続可能なエンゲージメント」スコア(好意的な回答率)

2022年度 実績

2024年度 実績

取組・目標

提出会社

65%

68

各組織で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。2026年度目標70%に向けて、引き続き活動を継続します。

グローバル

81%

84%

国内外の各子会社で、エンゲージメント向上に向けた施策を策定・実行しています。 2026年度目標86%に向けて、引き続き活動を継続します。

※「持続可能なエンゲージメント」は、WTWタワーズワトソン社のフレームワークで、当社の経営目標に対する支持、従業員としての誇り、仕事に対する意欲・やりがい・活力に関する複数の質問に対する回答で測られます。

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、以下の記載は当社グループのリスクを全て網羅するものではありません。

 

   (1) リスク管理体制

当社グループは、事業の継続的・安定的発展を確保し、また、製品の品質と安全性の確保を最優先に、ステークホルダー、並びに社員に損害・損失を与える要因の除去・軽減に誠実に努めるようリスクマネジメントを実践します。更に、社会全般において幅広く使用されている製品を供給する者としての責任を自覚し、製品を安定的に供給することを社会的使命として、各種法令を遵守しています。

当社グループは、リスクマネジメント委員会を設置しています。同委員会は、当社グループのリスクマネジメントを推進するため、総合的にリスク評価をしたうえで対応を主管する組織による課題・対応策を協議・承認し、取締役会へ報告しています。

2025年度からは体制を見直し、各主管組織の取組状況等を経営会議に報告提言します。経営会議はリスク管理の内容について、異議・意見がある場合は、リスクマネジメント委員会に指示を出し、同委員会にて再度対応策を検討後、主管する各組織へ展開します。

 

   (2) 主要なリスク

当社グループのリスクは、単独又は複数の主管する組織により、自然災害、市場環境などのリスク類型から、リスクを放置した場合に発生する事象が与える当社グループへの損害・損失を想定し、(顧客への影響1~4点+社内グループへの影響1~4点)×(発生頻度1~4点)の数式から算出した影響度にて評価されています。以下に挙げるリスクは、リスク評価が32点中12点以上の重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクです。

なお、当連結会計年度では、緊急対策が必要なリスクは発生しませんでした。

 

人材の流出リスク

リスクの内容

・雇用形態の多様化や社員の不満に対する対応の遅れなどの人事管理・労務管理の失敗による企業価値の低下

・人材の流動が激化し、高い専門性や知識を有する人材の不足や流出による、開発の遅延や品質の悪化及び顧客満足の低下

・若年層の“3K”離れや技能習得者の高齢化により、新規ビジネスへの対応の難化

・従業員一人当たりの業務の増加、それに伴う離職率の増加、外部委託コストや品質コストの増加、収益の圧迫

対応策及び取組

・人材育成・多様性・従業員エンゲージメントを柱とする人材戦略から行動計画を策定し実行しています。詳細は、「人的資本に関するサステナビリティに関する取組」をご確認ください。詳細は、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本に関する取組」に記載のとおりです。

 

IT最新技術(AI、IoT)への対応遅れによるリスク

リスクの内容

・IT最新技術への対応の遅れによる販売力や競争力の低下

・有効なシステム開発や、最新技術のツールを活用するスキル不足

・業務改善、対応能力の低下による高コスト体質化

対応策及び取組

・国内のセキュリティシステムについて再構築を行いました。

・デジタル人材の育成を進め26名の人材育成を行いました。

・データレイクの構築を行い、外部ベンダーへの委託を自社対応に切り替えました。

 

 

サイバー攻撃を含む情報セキュリティシステム(ソフト・ハード両方)の機能不全

リスクの内容

・外部からのサイバー攻撃を含む、システム停止による、業務停止、供給停止などにより、ステークホルダーからの信頼損失

対応策及び取組

・国内においてはセキュリティシステムの再構築を行いました。

・2023年度より基幹システムのバックアップシステムをクラウド上に構築しましたが、2024年12月に周辺システムのクラウド化を進めシステムの継続性を高めました。

・構築したセキュリティシステムについては、毎年1回インシデント訓練を通じて実効性を確認しています。

・従業員に対して情報セキュリティ教育と標的型メール攻撃訓練を毎年1回実施しています。

 

原材料などの調達に関わるリスク

リスクの内容

・世界的な気候変動や災害、様々な社会情勢、材料生産に係わる設備の故障や事故、品質上の問題などを起因とした材料調達と生産活動の遅延や不能による顧客の生産活動の停止

・世界的な気候変動や不安定な政治情勢を起因とした、原材料高騰による利益の低下

・原材料や購入部品への環境負荷物質含有などを要因とした法令違反

対応策及び取組

・原材料や購入部品については、購入先を分散しています。また、複数の代替材候補の選定後に使用実績を作り、製品評価分析を行って、非常時の生産プロセスを構築しました。

・顧客へ見積提出時の原料価格境界値の設定や価格交渉を継続的に行っています。

・ITシステムによる環境負荷物質管理を日本で構築しており、海外主要拠点へ水平展開を実施しています。

 

新領域製品の受注拡大に伴うリスク

リスクの内容

・製品領域拡大に伴い、新技術・新工法・新材料を採用し、品質コストが増加することによる利益の低下

・新領域製品の量産準備の不足、また、新領域の危険予知不足により、品質不具合製品を流出させることによる、顧客満足度の低下及び信用失墜

対応策及び取組

・量産開始時点からの継続的な品質コストの監視と改善活動を実践しています。

・国際標準であるIATF16949に準拠した製品実現活動を実践する中で、節目管理活動により、準備不足の解消、製品品質の向上を行っています。

 

競合先の増加によるリスク

リスクの内容

・異業種の自動車市場の参入による競合先の増加に伴う、受注価格の低下や失注案件の増加

・顧客・業界動向の変化が加速する市場環境下の、従来のビジネススタイルへの固執を要因とした、他社との差別化の失敗による受注価格の低下や失注案件の増加

対応策及び取組

・技術戦略の方向性を明確にし、専門性を有した人材を確保するとともに、方向性に合致した組織体制作りを行いました。

・価格競争力の強化推進として、集約生産を実施し、より効率の良い生産体制にしました。

 

 

為替変動リスク

リスクの内容

・取引のグローバル化や顧客からの現地製品供給要請による当社グループの海外売上比率の年々上昇、そのため海外子会社の現地通貨建てによる財務諸表の値を本邦通貨に換算する際の為替レート変動が与える連結財務状況への影響

・原材料価格、電力費用や燃料費などが為替レートの影響を受けた際の、製造原価の上昇

対応策及び取組

・海外子会社の輸出は僅かですが、特定の地域や国に偏在しないような拠点の展開により、影響を最小限としています。

・原材料に関しては、製造原価の上昇を抑えるために代替材料への置き換え、顧客との価格転嫁の交渉を行っています。

 

カントリーリスク

リスクの内容

・当社グループの海外拠点の所在国、地域において、政策・法律・税制の急激な変更、予測できない政治、経済の不安定化、テロ・戦争・紛争の勃発、伝染病の蔓延などの社会的混乱を要因とした、事業遂行の難化

・事業遂行の難化による、当社グループの業績及び財務状況の悪化とサプライヤーチェーン分断の発生

対応策及び取組

・業績や財務への影響を最小限とするために、特定の地域や国に偏在しないような拠点の展開をしています。

・グローバルで生産品の情報を管理し、代替品の生産・納入を行えるよう管理体制の推進を行っています。

 

 これらのリスクの他に、地震などの自然災害の発生が予想されるため、事業継続計画(BCP)として、発生時の被害を最小化する設備の耐震化を進めており、全社員の安否を確認するシステムを導入するとともに、訓練を実施しています。また、サプライチェーンを分断しないよう、代替原材料の選定や代替品生産などを含めた活動に取り組んでいます。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(以下、当期という)におけるわが国経済は、デフレ脱却に向けて、企業の堅調さや家計における実質所得の改善など緩やかな回復を続けております。製造業においては、一部自動車メーカーの認証試験不正問題による生産と出荷の停止の影響を受けて景気が落ち込みましたが、それらが解除されていく中で底堅く回復しております。海外に目を転じますと、中国経済においては、景気の低迷を受けて、政府は景気刺激策を打ち出しておりますが、効果が十分に見られておりません。また、米国との対立による経済への影響は懸念すべき状況が続いております。今後、全人代にて掲げられる政策が中国経済へもたらすインパクトについても注目する必要があります。欧州経済については、ユーロ・英国圏においては、インフレ圧力の緩和を受けて個人消費が増加しており、景気は緩やかな回復基調にあります。それに伴う形でサービス業の業況も回復し、景気を牽引しております。一方で、製造業においては、資源高や主要輸出先である中国の景気減速の影響によってドイツ製造業生産の低迷が深刻化するなど、欧州製造業は足踏みする状況が長期化しております。米国経済においては、良好な雇用や所得環境による個人消費の伸びやAIなどのハイテク関連製造業における投資増加を背景に、強固な内需を中心に堅調に推移しております。しかしながら、自動車産業などの分野における製造業では、高金利などを受けて低迷が続いております。このように世界経済は、足元では持ち直しており、インフレ圧力の緩和による個人消費の良化やデジタル化の進展により、世界的にサービス業が好調を維持しております。一方で、製造業は、減産で停滞する不調な先進国と増産で成長を続ける好調な新興国とで二極化しつつあります。加えて、今後米国新政権による政策が世界的にもたらす影響への懸念が生じており、依然として先行き不透明な状況にあります。

 このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比5.0%減の3,530億3千8百万円となりました。営業利益は前期比12.0%増の492億円となりました。経常利益は前期比5.0%増の521億4千7百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比145.3%増の447億6千7百万円となりました。

 資産合計は、前期比5億8千9百万円減少し、3,798億1千6百万円となりました。負債合計は、前期比322億6千3百万円減少し、1,010億9千万円となりました。純資産合計については、前期比316億7千3百万円増加して、2,787億2千5百万円となりました。その結果、自己資本比率は72.4%、1株当たり純資産は2,888円37銭となりました。

 

  セグメントの経営成績を示すと次のとおりです。

 各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。

合成樹脂成形品事業

 合成樹脂成形品事業の売上高は前期比5.6%減の3,159億4千2百万円となりました。セグメント利益は、前期比14.4%増の490億1千6百万円となりました。

ベッド及び家具事業

 ベッド及び家具事業は、売上高は前期比0.5%増の370億9千6百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比8.8%減の59億6千7百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、542億1千7百万円の資金の増加となり、前期が472億5千7百万円の資金の増加であったことと比べて、69億6千万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加した ことや、売上債権の増減額が減少から増加に転じたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、238億9千1百万円の資金の減少となり、前期が81億3千5百万円の資金の減少であったことと比べて、157億5千6百万円の減少となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、351億5千4百万円の資金の減少となり、前期が260億2千4百万円の資金の減少であったことと比べて、91億3千万円の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による支出等によるものであります。

  以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比較して9億2千6百万円減少し、1,410億9千7百万円となりました。

③生産、受注及び販売の実績

  a 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

212,119

92.5

ベッド及び家具事業(百万円)

13,645

103.4

合計(百万円)

225,764

93.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  b 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

16,748

78.5

ベッド及び家具事業(百万円)

3,194

96.3

合計(百万円)

19,943

80.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

  c 受注実績

 当社及び連結子会社は受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込生産によっております。

 

  d 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂成形品事業(百万円)

315,942

94.4

ベッド及び家具事業(百万円)

37,096

100.5

合計(百万円)

353,038

95.0

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債、偶発資産及び偶発債務並びに会計期間における収益及び費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと実績が異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。

  a 棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の推定される将来需要及び市場状況等に基づく収益性の悪化について、評価減を計上しております。実際の将来需要又は市場状況等が見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。

  b 投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係の開拓・維持等のため特定の顧客の株式及び余資の運用としての株式等を所有しております。これら株式等には価格変動性が高い市場価格のあるものと、市場価格等の算定が困難である非公開会社が含まれております。当社グループは、原則として市場価格のあるものについては投資原価の下落率が50%以上のもの、また市場価格のないものについては、それら会社の財政状態が悪化し純資産の下落率が50%以上のものについて、それぞれ減損処理を行っております。また30%~50%程度下落したものについては、金額の重要性、回復可能性等を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。将来の市場悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

  c 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。親会社及び一部の国内子会社の年金制度において、割引率は日本の国債の市場利回りをもとに退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産の運用率の低下は、当社グループの年金費用に対して悪影響を及ぼします。未認識の数理計算上の差異及び制度変更等による過去勤務費用にかかる償却は、年金費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や実際の結果との違いの影響を規則的に費用認識したものであります。

  d 有形固定資産の減損

当社グループは、自社利用の事業用資産については、事業所単位もしくは連結子会社単位で、賃貸用不動産、
遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っております。その上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。対象資産又は資産グループの業績が当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1)当連結会計年度の経営成績等

   当社グループの主要顧客であります自動車メーカーにつきましては、日本市場では、当連結会計年度において、対前年同期比で、生産台数は下回ったものの、販売台数は上回る結果となりました。海外におきましては、当連結会計年度の対前年同期比で、中国市場やインド市場では生産台数、販売台数共にやや上回る結果となった一方で、欧州市場では販売台数は上回ったものの、生産台数は下回る結果となっております。米国市場をはじめその他世界各国の市場においては生産台数、販売台数共に下回る結果となっております。

 

   このような状況のなか、当期の連結業績の売上高は、前期比5.0%減の3,530億3千8百万円となりました。利益面では、ドイツ系OEM事業で苦戦を強いられておりましたNifco Germany GmbH、及びNifco KTW America Corporationの事業譲渡に加え、原材料費を含めた変動費の改善や、管理可能経費削減の取り組みなどにより、営業利益は前期比12.0%増の492億円となりました。経常利益は前期比5.0%増の521億4千7百万円となりました。また、訴訟に係る和解金などを特別損失として9億5千5百万円計上いたしましたが、政策保有株式の売却に伴い投資有価証券売却益などを特別利益として31億3千3百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比145.3%増の447億6千7百万円となりました。

  資産合計は、前期比5億8千9百万円減少し、3,798億1千6百万円となりました。主な減少要因としては、有形固定資産が107億3千1百万円増加したものの、投資有価証券が40億7千9百万円、売掛金が51億9千5百万円、現金及び預金が35億5千2百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

  負債合計は、前期比322億6千3百万円減少し、1,010億9千万円となりました。主な減少要因としては、借入金が154億5百万円、事業譲渡損失引当金が100億6千8百万円、繰延税金負債が26億7千5百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

  純資産合計は、前期比316億7千3百万円増加して、2,787億2千5百万円となりました。主として利益剰余金が381億6千4百万円増加したこと、及び円安により為替換算調整勘定が98億6千6百万円増加したことなどによるものであります。

  以上の結果、自己資本比率は前期比8.3ポイント増加し、72.4%、1株当たり純資産は2,888円37銭となりました。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因

a 経済状況

当社グループでは、自動車メーカー、特に主要日系自動車メーカーに対する売上比率が高い水準にありますが、これら日系自動車メーカー向けの製品の需要は、世界経済の動向、特に主要市場である日本をはじめ米国、中国などの経済状況に影響を受け、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす場合があります。また、米国の関税政策の影響については現時点で適切に見積もることができず、今後も経営状況を注視してまいります。

当連結会計年度において、日本は一部自動車メーカーによる認証試験不正の発覚、天災・事故によるサプライチェーンの停滞等による減産が相次ぎ、生産台数は前年比減となりました。

b 原油及びナフサ価格の高騰

当社グループは、原油価格及びナフサ等の石油製品の価格が高騰し、その期間が長期に及ぶ場合には原材料価格の上昇により、経営成績に影響が生じる可能性があります。

当連結会計年度においては、原材料価格の市況変動適用拡大の交渉を推進し、高騰分の価格転嫁を実現しました。

c 取引先からの値引き要請

当社グループは、取引先からの価格値引き要請に対して生産コストの削減等の努力をしておりますが、予想以上に値引き要請が強い場合、経営成績に重要な影響を受ける場合があります。

当連結会計年度においては、値引き要請に応じると同時に、顧客の減産に伴う費用請求、エネルギー費や労務費高騰分の費用請求を実施し、様々な方法で価格転嫁への取り組みを推進しました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの運転資金は、主に製品製造過程に供される原材料や部材の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費、物流費、研究開発費であります。これらの必要資金は、利益の計上から生み出した内部資金により賄っております。

  設備投資資金については、その投資に際し、投資採算及びキャッシュ・フローを重視し実施しております。これら設備投資の資金は、原則として減価償却費及び利益の計上から生み出された内部資金の一部を充当することとしておりますが、国内、海外での積極的な設備投資については、状況に応じて社債発行及び外部借入で調達することとしております。

  当社グループは、健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力等により、運転資金及び通常の設備投資資金を調達し、将来の成長のための投資及びM&A資金などについては、長期で低利な条件での調達を実施しております。

  これにより当社グループの調達手段の多様化及び低コストでの長期安定資金の調達が実現し、更に資本コストの引き下げ効果及び、設備投資効果と相俟って、今後も財務体質は引き続き安定して推移するものと考えております。

 

(4)セグメントごとの経営成績等

a 合成樹脂成形品事業

〔国内自動車業界向け〕

 国内の自動車生産につきましては、一部自動車メーカーによる認証試験不正の新たな発覚とその対策としての品質を優先した生産体制、天災・事故によるサプライチェーンの停滞等による減産が相次ぎ、当社売上もその影響を受け減収となりました。しかし、新車立上げに伴う金型売上や電力料補填、材料費・労務費の価格転嫁等の貢献により、売上の通期合計は当初計画を上回る結果となりました。

 

〔海外自動車業界向け〕

 海外においては、韓国OEM向け事業は顧客の増産等により引き続き好調を維持し、北米において対計画比・前年比ともに増収増益を達成しました。また、日系OEM向けも、米国での顧客の好調な売上に支えられ増収増益を達成したほか、インド、インドネシアを中心に堅調さを維持し、全体として増収増益を果たしました。一方で、中国においては、日系OEMの販売不振により苦戦を強いられ、全体として前年比で減収減益の結果となりましたが、最適化を実行し対計画比では増収増益を確保しました。更に欧州においては、ドイツOEM事業の売却を完了し赤字事業を一掃しました。その結果、全体として減収増益となりました。今後は好調な韓国OEM事業や、北米、インドでの日系OEM事業への設備投資を増強するなどして、事業ポートフォリオの改善による更なる収益力の向上を目指してまいります。

 

〔その他業界向け〕

 住生活分野においては、国内新築着工戸数の減少が続く中で住宅設備部品の新規受注により対前年比で増収となりました。またスポーツ・アウトドア分野においては、欧米に加え中国などの外資ブランドへの積極的な営業活動によって対計画比・前年比共に大幅な増収増益を達成しました。

 

  以上の結果、合成樹脂成形品事業は、売上高は前期比5.6%減の3,159億4千2百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比14.4%増の490億1千6百万円となりました。

 

b ベッド及び家具事業

  ベッド及び家具事業は、国内においては原材料などの円安による原価アップや60周年記念商品の販売に伴い販売促進費用が増加するも、販売店向け及びホテル向けが好調に推移したことにより、増収増益となりました。一方、海外においては香港及び台湾にて小売り・ホテル向けが伸びたものの、中国が不動産不況による景気減速の影響があり、2024年8月に中央政府が打ち出した消費促進策も効果は限定的であり卸・小売りが落込みました。また、2024年1月にタイ工場を設立したことによる立上げ費用の影響もあり、減収減益となりました。この結果、ベッド及び家具事業売上高は前期比0.5%増の370億9千6百万円となりました。セグメント利益につきましては、前期比8.8%減の59億6千7百万円となりました。

 

(5)経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社は、2021年度より、3ヶ年計画はローリング型中期経営計画を採用しています。これは、各年度の実績及び取り巻く環境の変化を適宜織り込み、最も適した目標数値を示して目標の達成に臨むものです。

  当社は、顧客に対し、よりよい社会を創造し、顧客ニーズを解決する提案を行うことにより、社会的価値と企業価値の最大化を目指します。

 

 

2024年度実績

2027年度

目標

2024年度比

売上高

3,530億円

3,690億円

+4.5%

営業利益

492億円

534億円

+8.5%

営業利益率

13.9%

14.0%以上

+0.1%pts以上

当期純利益

447億円

350億円

-21.7%

ROE

17.3%

12~14%

-5.3 ~ -3.3%pts

ROIC

18.8%

18~20%

-0.8 ~+1.2%pts

営業キャッシュ・フロー

(3年間合計)

1,387億円

1,440億円

+3.8%

為替前提

1ドル=151.7円

1ドル=145円

 

(注)当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益を指します。

5【重要な契約等】

(1)技術上の重要な契約

① 技術供与

 提出会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

1982年

11月24日

台湾扣具工業

股份有限公司

台湾

プラスチック製バックル及び工業用ファスナーの製造技術

2025年12月31日まで

1988年

11月23日

Union Nifco Co., Ltd.

タイ

プラスチック製バックル及びプラスチックと金属からなるファスナーアッセンブリーの製造技術

2027年12月31日まで

2003年

3月31日

上海利富高塑料制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2003年

8月25日

東莞利富高塑料制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2004年

8月26日

台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2027年6月30日まで

2005年

11月18日

北京利富高塑料制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2026年12月31日まで

2008年

11月1日

Nifco Vietnam Ltd.

ベトナム

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2027年12月31日まで

2010年

1月20日

利富高(天津)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2010年

10月1日

利富高(湖北)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2011年

1月1日

Nifco Korea USA Inc.

米国

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年12月31日まで

2011年

3月1日

利富高(江蘇)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2025年6月30日まで

2012年

10月1日

Nifco South India Manufacturing Private Ltd.

インド

バックル・工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組立品、並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2027年12月31日まで

2012年

10月1日

利富高(塩城)精密樹脂制品有限公司

中国

固着機能等を有する樹脂製及び金属製の部品・完成品、樹脂製部品と金属製部品との複合品、バックル並びにこれらの部品及び完成品等の金型等の製造技術

2026年12月31日まで

2013年

1月1日

Nifco Korea Poland Sp.z o.o.

ポーランド

工業用プラスチック製部品及びプラスチック以外の部品・材料を含む組み立て品の製造技術

2027年12月31日まで

 

 

 

(2)経営上の重要な契約

 ① 提出会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

2001年

8月23日

台湾扣具工業

股份有限公司

台湾

プラスチック製バックル及び工業用ファスナー(自動車、家電向)の中国での製造販売事業に関する合弁契約

合弁会社(台扣利富高塑膠制品(東莞)有限公司)の存続期間中

 

 ② 連結子会社

  シモンズ株式会社

原始契約年月日

契約締結先

国別

契約の内容

契約期間

1987年

6月30日

ドリームウェル・リミテッド(旧シモンズ・ユーエスエー・コーポレーション)

米国

技術、許諾商標、特許、許諾製品の許諾地域内での製造・販売等に関する権利及び許諾製品の許諾地域内でのマーケティング・輸入等に関する販売情報の使用に関する専用実施権

会社の存続期間中

 

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発費の総額は、4,415百万円となっており、大部分は合成樹脂成形品事業で4,395百万円であります。

 当社グループとしては、各主力市場に向けた新製品開発の推進、並びに関連市場への積極的参入を図っております。専門的な開発活動を迅速に推進することを目的とした商品群毎と領域毎の商品開発部門と、開発のフロントローディング化、商品価値の向上及び高品質化に不可欠なデジタル解析と評価分析を行う基盤技術部門を設け、その連携により論理的な開発を行える体制を整えています。その他の分野においては、商品のみならず、サービスを組み合わせた開発も進めております。

 モノづくりにおいては、材料投入から顧客のライン投入までの工程全体の最適化を進める生産技術本部を強化し、立上げ品質の向上や永久的な労働力不足対応に寄与する開発に注力しております。

 ニフコの研究開発活動は、お客様の困りごとや社会課題を解決する提案をグローバルで連携して行っております。今後もお客様からの信頼を高め、グローバルサプライヤーとしての確固たる地位を不動なものにしてまいります。また、持続可能な社会の実現に向けた開発を通じて、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。

 

(1)合成樹脂成形品事業

  ① 自動車分野 : 業界の普遍的要素である「環境」・「安全」・「快適」に関連する開発に資源を集中しております。「環境」においては、燃費向上に貢献する軽量化部品/空力関連部品及び先進環境対応車に搭載するパワートレイン関連部品などを数多く開発・量産化しております。「安全」においては、障害物検知センサー関連の量産品を深化/拡大させる開発、衝撃安全関連部品の開発を進めております。「快適」においては、車室内の快適性を上げる遮音/吸音関連部品の開発が進み、車両への搭載が増加しています。

 100年に一度の大変革期において、当社グループは変化をチャンスと捉え、今まで培ってきた強みを進化させ、普遍的な価値を持った商品を世界中のお客様に提供することに努めております。

   ② その他   : 環境に優しい「電池レスセンサーデバイス」を用いたICTソリューションは横須賀市内の高等学校に続き、広島の高等学校でも導入されました。また、教室だけに留まらず、体育館や校庭における夏場の熱中症予防を目的とした「熱中症対策システム」は横須賀市立の24校に試験的に導入されることとなりました。2025年6月から企業の熱中症対策が義務化されるため、併せて企業向けの展開も推進していきます。今後も「高齢化」「労働力不足」「環境問題」という社会課題を解決する価値の創出と提供に努めてまいります。

 

(2)ベッド及び家具事業

 お客さまへの健康で快適な睡眠の提供のため、研究機関等専門家との科学的な分析と、感性や感覚を重視した商品の開発を進めております。また、様々な機能、動きをコントロールできる多機能ベッドの開発、寝装品やリビング空間への商品拡販、AIやデジタル技術を活用した豊かなライフ空間の提案にも力を入れております。