当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 基本方針
企業理念
当社グループは2017年、創業90周年を機に、企業活動の原点に立ち返り、先人たちが創り上げてきたマンダムの存在意義をさらに突き詰め、そして進化させ、新たに「人間系」という考え方を根幹に据えて、理念体系を生まれ変わらせました。理念体系は、私たちマンダムの存在意義であり、社会において果たすべき使命である「MISSION」、マンダム社員が常に遵守すべき考働原則である「PRINCIPLES」、マンダム社員が創業時から引き継いできた、そしてこれからも引き継がれていく大切な礎である「SPIRIT」から構成されています。押し寄せるデジタル化の波や発達し続けるAIなどが当たり前の時代だからこそ、人にしか成しえない価値、すなわち人の気持ちを思いやる心を持ち、人が喜ぶ姿を想像し、人に役立つ価値を創造していくことを「人間系」という言葉で表現し、これを尊重する企業でありたいと考えています。
VISION2027
当社グループは不確実性の高い、予測困難な経営環境を踏まえて、100周年を迎える2027年における「ありたい姿」として、VISION2027を策定しております。VISION2027においては、過去からの積み上げに捉われない、未来志向の視点に立ったバックキャスト型で、「総合化粧品ではなく唯一無二の強みを持った化粧品会社」を目指してまいります。
VISION2027は、2017年から2027年の11年間を3つの中期経営計画(MP)のフェーズに分け、MP-12(2017年4月~2020年3月)を「基盤整備期」、プレMP-13(2020年4月~2021年3月)を挟んでMP-13(2021年4月~2024年3月)を「変革・挑戦期」、MP-14(2024年4月~2028年3月)を「成長加速期」と位置付けておりました。
MP-13では新型コロナウイルスの世界的な蔓延に伴い、事業環境は大幅に変化し、当社グループの業績にも多大な影響がありました。VISION2027策定時には想定外だった外部環境の変化に適応するため、MP-14の取り組みを「成長基盤構築」という新たな方向性に再定義しました。これには、以前からの事業課題及び経営課題に迅速に対応し、解決することが含まれます。MP-14はVISION2027の最終年度となる2027年、そして2027年以降の更なる成長を目指し、成長基盤を固める期間と位置づけております。
マトリックス経営体制
当社グループではMP-12開始時より、グループシナジーの最大化を目的にマトリックス体制による経営体制を採用しております。事業(縦軸)と機能(横軸)とが連携を高め、同時にグループ経営基盤を整備することで成果の最大化とガバナンス強化を図ってまいります。また、2024年度よりこのマトリックス体制の更なる強化を目的として、新たにCxO体制を導入しています。このCxO体制のもと、特に機能軸の観点から各事業(日本事業、インドネシア事業、北東アジア・東南アジア・インド事業)を横断した業務執行を通じて、グループ経営執行体制を強化し、経営資源の配分の最適化と意思決定の迅速化を図り、イノベーションの加速と成長性の向上を目指してまいります。
(2) 中期経営計画
当社グループの事業活動は、企業理念に掲げる「社会との共存・共生・共創」=当社グループのサステナビリティそのものと捉え、社会環境課題の解決に向けてサステナブル経営(ESG経営+SDGs経営)を根幹に据えた取り組みによるお役立ちの進化と企業価値の創造を目指しております。すなわち、当社グループは事業活動における企業価値は経済的価値と社会的価値の総和として理解しております。MP-14中期経営基本方針の策定にあたっては、経済的価値の最大化に向けた重要課題と社会的価値の最大化に向けてマテリアリティを解決することを目的としております。
<MP-14中期経営基本方針>
当社グループは、「事業」「機能」「経営基盤(グループ経営)」の3つの軸からMP-14中期経営基本方針を策定しています。
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基本方針1.各事業の成長ステージに応じた構造変革 |
・日本事業およびインドネシア事業における収益性改善と新たな成長エンジン獲得に向けたチャレンジ
・海外事業のASEANエリアを中心とした量的成長の実現
・グループにおけるEC体制の確立による顧客接点の拡大・深耕
・社会課題・環境課題への対応を考慮した事業活動の推進
当社グループでは、3つのセグメント区分でアジアを中心にグローバルに事業を展開しております。MP-14では各エリアにおける的確な事業課題を設定したうえで、事業推進を図ってまいります。MP-13からEC体制の構築を開始しておりましたが、MP-14ではグループシナジーを創出するべくEC体制の確立を目指します。また、サステナブル経営を根幹に据えた社会課題・環境課題への対応も併せて推進しております。なお、サステナビリティに関する具体的な取り組みにつきましては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。
(優先的に対処すべき課題)
・日本事業の収益性改善および新たな成長エンジンの模索
当社グループでは、連結業績の中核を担う日本事業の業績回復を最優先課題と捉え、MP-14開始時よりバリューチェーンの各要素(開発・生産・営業・マーケティング等)の見直しに取り組んでおります。マンダムグループの持続的な成長を実現するため、製品を通じた生活者への貢献を第一にした事業推進に努めてまいります。また、日本事業は将来の人口減少や長期的な実質GDP成長の鈍化が予測されているだけでなく、市場環境についても既存の競合他社や海外輸入品との更なる競争激化が見込まれております。その中で、安定的な成長を実現するために、前述した収益性改善によって得た原資を活用し、将来の日本事業を担う成長エンジンの獲得に向け、新たな挑戦に積極的に取り組んでまいります。
・インドネシア事業の収益性改善
MP-13ではコロナ禍の影響により売上高が減少したことに加え、減価償却費負担の増加や人件費上昇により、原価率が上昇しております。また、マーケティング投資を控えた結果、市場での製品競争力の低下を招きました。この問題解決のために、MP-14では経営体制を一新し、構造改革に取り組んでおります。まず、製品の品質を維持しつつ、原材料のコストダウンや包材開発の抜本的見直し等、日本事業と連動する形で調達と生産体制の改革を進め、原価率の低減を図っております。さらに、ブランドの価値を高め、市場競争力回復を目的に、積極的なマーケティング投資を行います。特に、ブランドマーケティング活動や流通に関する施策の強化を通じて市場での競争力を向上させます。MP-14の2年目となる本年度(2025年4月~2026年3月)まではマーケティング投資強化のため原価率低減効果よりも費用増加が大きく利益を圧迫しますが、MP-14最終年度には適正な利益を持続的に創出することが可能な体制に再生すべく、改革を進めてまいります。
・海外事業のASEANエリアにおける事業推進
当社はインドネシア以外の海外事業において、更なる事業規模拡大を図るため、本年度(2025年4月~2026年3月)より既存展開国を北東アジア・東南アジア・インド事業とし、新規国の開拓と切り離した事業展開を行ってまいります。既存展開国の中でも、ASEANエリアの人口は継続的に増加しており、経済成長率も日本よりも高い伸長率となっております。このような外部環境なども考慮し、今後ASEANエリア(インドネシアは除く)の事業は当社グループの中で成長ドライバーの位置づけとして量的成長に向けて取り組みを進めております。更なる事業推進を目指し、現地の生活者に根差した価値提案および新カテゴリーへの参入を進めてまいります。
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基本方針2.「生活者発・生活者着」を基本とした価値共創による新たなお役立ちの実践 |
・生活者から共感が得られる商品・サービス提供による市場創造と拡大
・生活者のウェルビーイング実現につながる新規事業の探索
・デジタルを活用した新価値創造(DX)のための顧客データ活用の仕組み構築
当社グループを取り巻く事業環境は、生活者のニーズ・ウォンツや価値観の多様性が進み、様々なスモールマスが数多く生まれております。MP-13ではそのようなスモールマス時代に対応したお役立ちを行うべく、新たな手法を取り入れ、あらためて生活者に寄り添い、多様化する価値観やライフスタイルを見つめ直し、真の課題を発見し、生活者の共感が得られる製品づくりとSNSを中心としたコミュニケーションの強化を図ってまいりました。生活者から選ばれ続ける企業となるべく、MP-14でも継続して生活者から共感が得られるお役立ちを強化しております。また、生活者のウェルビーイングの実現に向けて新規事業の探索も併せて進めてまいります。MP-13より進めているDXにおいても業務効率化の観点から新価値創造への観点へとシフトしていく段階と位置付け、取り組みを進めていく方針としております。
(優先的に対処すべき課題)
・マーケティング革新
世の中の常識や他人の目、自分の中にある固定観念に捉われることなく、理想のなりたい自分を追求するというコーポレートスローガン「BE ANYTHING, BE EVERYTHING.」の実現に向けた価値の創造・提供をMP-14も継続して強化いたします。また、MP-14からは、新たな流通としてD2Cブランド(Aono、HOLIDEA)を上市し、生活者接点の拡大と新たな価値提供に取り組んでおります。既存流通の強化とともに、EC流通も当社の新たな強みとして育成すべく、コミュニケーションノウハウを蓄積し、顧客獲得と定着を進めてまいります。
・DX推進
グローバル規模でデジタル技術を活用した事業構造の変革が進む中、当社グループにおいても新価値創造企業への展開に向けて、DXの推進を通じた変革をMP-13では進めてまいりました。MP-14では競争優位性の獲得・確立に向けて、顧客データ活用の仕組み構築を目指しております。外部環境の変化を的確に捉えながら、DXをスピーディーに推進するための組織体制の構築を早急に進めるとともに、生活者の共感を得られるような価値創造に向けて、まずは顧客データの獲得に取り組んでまいります。
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基本方針3.グループ経営実践に向けた経営基盤の継続強化 |
・人的資本の最大化による組織能力の向上
・グループ経営体制の整備による経営効率の最大化と更なるガバナンス強化
・グローバルでの企業ブランドのイメージ確立を目指したコーポレートブランディングの実践
当社グループでは、MP-14においてもグループ経営基盤の継続強化を図ってまいります。MP-13では、各テーマにおいて日本事業を中心に取り組みを進めてまいりましたが、MP-14からは取り組みの範囲をグループ全体に広げております。各国のビジネス環境に対応し適切なサポートを提供するために、日本にヘッドクオーター機能を配置し、グループ全体の成長と持続可能な発展を目指してまいります。
(優先的に対処すべき課題)
・グループ視点での人的資本の最大化
当社グループにおける新価値創造の最大の源泉は「人財」であり、当社グループが絶えず変革や挑戦を実現し、成長し続けるためには、人財への投資が必要不可欠であると考えております。そのため、当社グループでは全社員を対象に、業務遂行におけるビジネススキルの向上や収益性の改善に向けた事業部門を対象とした専門的なスキルトレーニングを通じて、スキルやノウハウを組織知として蓄積し、継続的な変革と挑戦を実現できる人財の創造と環境づくりに取り組んでおります。これら取り組みの詳細に関しては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)重要なサステナビリティの項目」をご参照ください。
<MP-14財務戦略>
当社グループは、持続的な経済的価値と社会的価値を提供するとともに、企業価値の最大化に向けてPBRの改善に取り組んでまいります。
現在のPBR低迷は収益性の低迷の結果であり、その要因は次の2点と考えております。
・工場増強投資にコロナ禍や原材料高が重なり原価率をはじめとしたコスト率が上昇
・キャッシュの効率的活用による新規事業を含めた成長投資不足とそれに伴うステークホルダーの期待未充足
この2点を転換すべく、以下の対応策を実行してまいります。
1. MP-14の前半2年でバリューチェーンを抜本的に見直し、収益性の劇的な改善を実現します。
2. 有利子負債活用を含めたキャピタルアロケーションを策定し、新規事業やM&Aなども含めた戦略投資を実行します。
以上の対応策実行により、MP-14最終年度にはROIC8.0%以上を実現し、PBRの大きな改善につなげてまいります。
(キャピタルアロケーションの考え方)
財務の安定性を維持したうえで、キャッシュを成長投資として「新規領域投資」に振り向けるとともに、「株主還元」「IT投資を含む設備投資」に適切に配分して実行してまいります。
新規事業につきましては、新ブランド、新規事業、新エリアへの進出等以外に、M&Aも積極的に検討してまいります。株主還元につきましては、安定的かつ継続的な利益還元を実施することを基本方針とし、連結配当性向40%以上を数値目標としております。
2024年度におきましては、日本事業におけるバリューチェーンの見直しを通じて収益性改善活動を進めており、徐々に成果が表れはじめております。また、インドネシア事業におきましても、人員の適正化を図るとともに、日本事業と同様に収益性改善活動を開始し利益回復につなげてまいります。
戦略投資に関しては、ベンチャーファンドへの出資やM&A戦略を策定し、新規事業を模索する中で、2025年3月31日には、オンライン診療サービスを運営する株式会社SQUIZと資本業務提携を締結いたしました。今後も引き続き、積極的に活動を継続してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
MP-14中期経営基本目標
MP-14でも収益性目標として資本効率の観点からROICを採用し、"稼ぐ力"を重視した経営に取り組んでまいります。
・連結売上高 1,000億円
・連結営業利益率 9.0%以上
・ROIC 8.0%以上
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
サステナビリティの考え方
当社グループの事業活動は、「E:環境」や「S:社会」が健全で持続可能であることが大前提です。しかし、気候変動や生物多様性の減少、海洋プラスチック問題、サプライチェーンにおける人権問題など、さまざまな問題が顕在化しており、適切な対応とそれを支える健全な「G:ガバナンス」体制の構築が必要であると考えています。
企業理念に掲げる「社会との共存・共生・共創」=当社グループのサステナビリティそのものと捉え、社会環境課題の解決に向けてサステナブル経営を根幹に据え、サステナビリティ方針の策定ならびに、サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)を特定し、本業を通じた取り組みによるお役立ちの進化と企業価値の創造を目指していきます。
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サステナビリティ方針 |
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健・清・美・楽を通じた、日常生活の豊かさと社会課題の解決を両立する 独自のサステナブル経営を推進します |
■独自のサステナブル経営の構成要素
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「上記3テーマを中長期にわたって実現していくための基盤」 ゴーイングコンサーンに向けた取り組み |
(1)ガバナンス
当社グループは、社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、多様化・複雑化する社会課題と生活者課題の解決を両立させる、サステナビリティ推進活動に取り組んでおります。サステナビリティ委員会の傘下には、環境・社会・ガバナンスの観点から想定されるリスクおよび機会の抽出、実務部門による実行を推進するための各種委員会が設置されており、サステナビリティ委員会がそれら傘下各委員会で識別されるリスク及び機会の監視から、関係部門を通じて行われるリスク及び機会に対処するための取組みに至るまでを統括管理する体制をとっております。
(2)戦略
当社グループの経営方針・経営戦略に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会を抽出し、特に対処すべき重要課題として、「サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)」を特定しております。特定したマテリアリティに対するコミットメントに基づく具体的な取組みについては、中期経営計画の中で戦略を立案して対応を行っており、関連部門の事業計画に落し込んで対応します。
■サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)
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マテリアリティ |
コミットメント |
関連するSDGs |
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強みを活かした価値創造による未来へのチャレンジ |
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気軽に楽しめる おしゃれ文化の創造 |
「健康」「清潔」「美」の根底に、気軽に楽しむという「楽」軸を配した独自の「健清美楽」の概念を持ち、唯一無二のユニークな商品やサービスを提案することでときめきや晴れやかな気持ちを与え、多様な価値観を持つ生活者のなりたい自分を実現します。 |
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多様な生活者への お役立ち拡大 |
変化する生活者の多様な消費行動に対し常に臨機応変に対応し、生活者満足につながる商品・サービスが目に触れやすい、選択しやすい環境を整え、グローバル10億人にお役立ちします。 |
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社員と会社の 相互成長の実現 |
社員の成長への投資を通じて、多彩な個性と強みを持つ「人財」のパフォーマンスを最大化させることで、すべてのステークホルダーへのお役立ちを拡大します。 |
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社会と企業の持続可能性の実現にむけた課題解決 |
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持続可能な 地球環境への取り組み |
循環型社会への移行を目指し、脱プラスチックを含めた製品のライフサイクルにおける環境負荷低減への取り組みを進めます。特に温室効果ガスの削減については、2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロの実現を目指します。 |
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持続可能な原材料調達 |
パーム油や紙などの倫理的な調達を行い、森林や生物多様性の保全に努める他、環境、労働環境、人権への対応など、サプライチェーン全体を通じて企業の社会的責任を果たします。 |
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企業基盤の継続強化 |
わたしたちの使命はお役立ちを広く深く続けることであり、その前提としてゴーイングコンサーンがあります。安心・安全の確保はもちろん、理念経営を根幹とした更なる企業基盤の強化を進めます。 |
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(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ委員会傘下の関連委員会にてサステナビリティ関連のリスクと機会を識別、評価を行った上で、サステナビリティ委員会での審議・承認、グループ経営会議、取締役会への報告により、各重要課題(マテリアリティ)及び目標に対する進捗管理を行っております。
(4)指標及び目標
サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)に関する中長期目標は以下のとおりであります。
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マテリアリティ |
取り組みテーマ |
評価指標 |
中長期目標 |
2024年度実績 |
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目標値 |
達成年度 |
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強みを活かした価値創造による未来へのチャレンジ |
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気軽に楽しめる おしゃれ文化の 創造 |
自分らしさを 表現することへのお役立ちの深さの拡大 |
「自分らしさを自由に表現できる」新しい化粧品分野や生活者属性への提案件数 |
毎年3件以上 |
毎年 |
8件 |
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生活者課題解決につながる新たな技術提案件数 |
2021年~2027年の 累計35件以上 |
2027年 |
累計23件 |
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おしゃれ文化の 創造に関する 人財育成 |
考働原則 (MANDOM PRINCIPLES)の 実践率 |
80%以上 |
2027年 |
68% |
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多様な生活者へのお役立ち拡大 |
お役立ちの広さの拡大 |
流通網拡張に向けた チャレンジ数 |
毎年13件以上 |
毎年 |
102件 |
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社員と会社の 相互成長の実現 |
チャレンジする 風土の醸成 |
理念サーベイによる 『活躍社員』比率 |
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毎年 |
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多様な人財の活躍 |
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女性管理職比率 |
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社会と企業の持続可能性の実現にむけた課題解決 |
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持続可能な 地球環境への 取り組み |
脱炭素社会への 取り組み |
スコープ1+2における CO2排出削減量 (2013年度比) |
日本国内+海外のスコープ1+2におけるCO2排出量について、2013年度比で43%以上の削減 |
2027年 |
17.6% 削減 |
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CO2排出量ネットゼロの実現 |
2050年ネットゼロに向けたシナリオが完成している |
2027年 |
海外各社におけるスコープ3算定に取り組み中 |
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化石資源由来のバージンプラスチック排出抑制率 (2016年度比) |
25%以上 ※当社から開始 |
2027年 |
6.3% |
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製品の環境配慮 |
自社基準による 環境配慮製品比率 |
日本国内で販売する当社製品の90%を環境配慮製品(自社基準クリア)とする |
2027年 |
60.5% |
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廃棄物削減 |
製品・販促物廃棄物の削減率 (2022年度比) |
65%以上 ※当社から開始 |
2027年 |
23.3% |
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持続可能な 原材料調達 |
パーム油 |
原料の起源となるパーム油におけるRSPO(※1)認証パーム油比率 |
福崎工場で使用するパーム由来原料について、RSPO(※1)認証パーム油(ブックアンドクレーム対応を含む)を100%とする |
2026年 |
61.5% |
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紙製容器包装 |
紙製容器包装の FSC(R)(※2)認証紙、古紙再生紙比率 |
紙製容器包装の全量をFSC(R)(※2)認証紙、古紙再生紙とする ※当社から開始 |
2027年 |
94.0% |
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マテリアリティ |
取り組みテーマ |
評価指標 |
中長期目標 |
2024年度実績 |
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目標値 |
達成年度 |
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企業基盤の 継続強化 |
安心・安全・ 高品質の提供 |
品質に関するご指摘件数 |
重大ご指摘数0 ※当社から開始 |
毎年 |
1 |
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社員の安心・安全 |
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データセキュリティ強化 |
サイバーセキュリティ経営ガイドラインへの対応 |
重要10項目すべてに対応できていること |
2027年 |
達成度73% |
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理念経営の実践 |
理念をベースにした全社員による個々の業務判断の実施率 |
80%以上 |
2027年 |
65% |
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※1 RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)
※2 FSC(R):Forest Stewardship Council(R)(森林管理協議会)
(5)重要なサステナビリティの項目
上記の重要課題(マテリアリティ)で識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動
・人的資本
それぞれの項目に係る当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
①気候変動
当社グループは気候変動をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の一つとして捉え、「脱炭素社会に向けた取り組み」と「環境に配慮した製品づくり」を取り組みテーマとして掲げております。時代を生き抜くダイナミズムと共に社会生活を送る善良なる企業市民として、また、本業を通じたお役立ちの進化と企業価値の創造に向けてより効果的な活動につなげるため、2022年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明しました。TCFD提言の枠組みを活用することで気候変動に関するガバナンスをより強化するとともに、各種イニシアティブから開示されているシナリオを参考にシナリオ分析、気候変動に伴って生じるリスクと機会の抽出、その財務的な影響に対しての評価を行っております。また取り組みテーマに基づく各種対応を進めるとともに、積極的な情報開示を実施しております。
・ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティにおけるガバナンスに組み込まれています。詳細につきましては、「
・戦略
気候変動課題については、温暖化防止策の状況により、さまざまなシナリオが考えられます。当社グループでは、各種資料を参考に、代表的とされる平均気温「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」を参照し、事業経営における移行リスクと物理的リスクの検討を行っております。当社事業のドメインである製品を通じたお役立ちへの影響に関して、リスクと機会、およびそのインパクトを分析し、積極的に取り組んでまいります。
<気候変動におけるリスクと機会>
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シナリオ |
分類 |
リスク・機会 |
事業インパクト |
影響度 /顕在化時期 |
対処 |
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1.5℃ シナリオ |
移行 リスク |
炭素税の導入・上昇 |
炭素税の導入による運用コストの増加 |
++/中期 |
・再エネ証書付き電力の導入 ・太陽光パネルの導入 |
|
再エネ電力のエネルギーコストの上昇 |
再エネ電力の需要拡大により、エネルギーコストの上昇 |
++/短期 |
|||
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包装材やプラスチック製品の「持続可能な製品」への移行によるコスト |
包装材やプラスチック製品に関する「持続可能な製品」への移行が進まなければ、市場から締め出されるリスク |
++/長期 |
・環境配慮型製品の推進 ・製品包材におけるプラスチック使用量の削減(継続的な仕様変更、外装削除、詰め替えの発売等) |
||
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市場の変化による収益の減少、事業コストの増加 |
市場の変化(消費者嗜好の変化)や特定の市場における競争が激化することで収益が減少、事業コストが増加するリスク |
++/中期 |
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機会 |
新しい製品・技術の開発によるコスト削減や収益増加、資産価値の向上等 |
自社独自技術を応用し、新たな価値を付加した製品の提案による新市場の開拓、および、化粧品以外の分野での協業による新たな収益源の創出 |
++/長期 |
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消費者の嗜好を反映することによる収益の増加、市場競争力の強化 |
サステナブル消費を啓発する取り組みを含め、新たな価値の創造・提案による競争力向上、新規市場の開拓 |
++/中期 |
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4℃ シナリオ |
物理 リスク |
サプライヤーの被害によるサプライチェーンの分断 |
異常気象等により、事業拠点やサプライヤーの被害、サプライチェーン分断により、収益が減少するリスク |
++/長期 |
・サードパーティロジスティクスの活用 ・OEMメーカーとの協働体制の構築 ・グループ生産拠点間での生産移管、原料調達の戦略的実施 ・原材料の複数購買の実施 |
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熱波や干ばつでの水不足による事業活動が停滞するリスク |
熱波や干ばつの頻度増加が予測されているため、水不足による事業活動が停滞するリスク |
++/長期 |
・上質な水源を確保できる地域からの水調達 ・取水量低減に向けた目標設定 |
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移行 リスク |
再エネ電力のエネルギーコストの上昇 |
再エネ電力の需要拡大により、エネルギーコストの上昇 |
++/短期 |
・再エネ証書付き電力の導入 ・太陽光パネルの導入 |
|
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機会 |
物理的リスク関連の製品開発・市場拡大およびコスト削減、それに伴う投資家からの評判向上 |
気温上昇による冷感商品や制汗商品等の市場拡大、ならびに関連した製品開発・コスト削減に伴う投資家からの評判向上 |
++/長期 |
・独自技術* を活用した製品開発 |
影響度 ++:大きな影響がある、+:一定程度の影響がある、-:影響が小さいもしくは、ほぼ無い
顕在化時期 短期:0~1年、中期:3~5年、長期:10年~
・リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティにおけるリスク管理に組み込まれています。詳細につきましては、「
・指標及び目標
気候変動に関する指標及び目標は、サステナビリティにおける指標及び目標に組み込まれています。詳細につきましては、「
②人的資本:人的資本・多様性に関する取組み
・ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティにおけるガバナンスに組み込まれています。詳細につきましては、「
・リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、サステナビリティにおけるリスク管理に組み込まれています。詳細につきましては、「
・戦略、指標及び目標
A.「人的資本(人財)」および「人的資本経営」の考え方
(1) 当社グループの企業理念と人財理念
当社グループは、企業理念における考働原則「MANDOM PRINCIPLES」の一つに「人財主義」を掲げ、この人財主義の考え方に基づき、当社グループの人財理念「個と会社のHAPPY」が策定されています。これは、社員と会社が対等なパートナーであり、会社は社員の成長に対して積極的に投資を行い、すべての社員が最大限に活躍することを通じて会社も同時に成長し、当社グループのミッションである社会へのお役立ちを実現できるという「社員と会社の相互成長の実現」を目指すものです。そのため当社グループでは、この「社員と会社の相互成長の実現」をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)の1つとして掲げ、「相互成長」の考え方に基づいた人財に対する取組みを推進しています。
(2) 当社グループの人的資本経営の考え方
当社グループが多様な新価値を創造し続けるためには、社員一人ひとりが持つ多彩な個性や強みを最大化し、それらを活かした知の融合・コラボレーションを起こし続けることが必要であると考えています。そのため当社グループでは、この実践に向けた経営としての一連の取組みを「人的資本経営」と位置づけ、下図の5つの観点に重点を置き、これらをサイクルとして有機的に循環させていくことで、当社グループ全社員の個性と強みの最大化を目指します。なお本書では、取組観点のうち①、②及び⑤が人材育成方針、③及び④が社内環境整備方針にそれぞれ該当します。
■図A-1. 当社グループの人的資本経営全体像
B. 各取組観点の概要と取組事例
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01.企業理念と人財理念の共有と実践 |
(1) 考え方
当社グループでは、企業理念の考働原則の一つに「人財主義」を掲げており、長年にわたる人財に対する取組みは、当社グループの根幹であるグループ企業理念に紐づいた「理念考働」の一環といえるものです。
また当社グループの考働原則には、「人財主義」のほか、「チャレンジ・チェンジ・イノベーション」や「全員参画」といった項目も含まれており、グループ企業理念の深い理解とそれに基づく理念考働の実践が、当社グループの目指す「社会へのお役立ち」の実践だけでなく、自律的な考働を通じた社員一人ひとりの「仕事のやりがいや社員のエンゲージメントの向上」にも寄与できるものであると考えています。この考え方に基づき、当社グループでは人財に対する取組みの基盤となる「社員の企業理念に対する理解と実践の度合い」、およびそれに基づく「社員のエンゲージメント」を測るため、2017年よりマンダムサーベイを導入しました。そしてこのサーベイ結果から見えた諸課題に対応していくことで、社員の企業理念に対するより深い理解・浸透と社員のエンゲージメント向上を目指しています。
(2) 2024年度および今後の取組み
2024年度は、当社グループのコーポレートスローガン「BE ANYTHING, BE EVERYTHING.」(意味:なりたい自分に、全部なろう。)の理解・共感の促進に向けた取組みが2023年度に完了したことに伴い、再度当社グループの「企業理念の共有と実践」に向けた取組みを再開しました。
具体的な取組内容として、当社では企業理念の共有が現場部門で「自走化」されている状態を目指し、企業理念の伝承者である「エバンジェリスト」の役割を担う部門長に対する「エバンジェリスト教育」を実施しました。このエバンジェリスト教育では、エバンジェリストとしての役割期待を伝達し、企業理念に対する講義やグループワークを通じて、当社グループの企業理念に対する理解をさらに深めることを目指しました。そしてエバンジェリスト教育後には、各エバンジェリストが自身の部門において理念教育を実施し、現場部門での「自走化」を実現するための基盤づくりを行っています。2025年度以降は、日本で実施したこの取組みを海外グループに水平展開し、グループ全体の視点でこの「自走化」をできる環境を整備していきます。
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02.ダイバーシティ&インクルージョン |
(1) ダイバーシティ&インクルージョンに関する考え方
当社グループでは、人財に対する取組みにおいて、「ダイバーシティ&インクルージョン」を特に重要な取組観点として位置付けています。これは、当社グループの目指す「社会へのお役立ち」の実現に向けて、「多彩な個性と強み(専門性)を持つ人財」の活躍が必要不可欠であると考えているためです。
そのため当社グループでは、このダイバーシティ&インクルージョンの取組みを、「DEIB(Diversity, Equity, Inclusion and Belonging)」の観点から推進しています。これらの観点に基づいて、当社グループの多彩な個性と強みを持つ人財(Diversity)が、公平・公正であり(Equity)、かつ各人の個性やちがいを尊重し相互信頼のある環境を通じて(Inclusion)、社員一人ひとりがやりがいをもってイキイキと楽しく働くことができる状態(Belonging)を目指します。
(2) 人財の多様性(Diversity)に関する考え方
当社グループでは、ダイバーシティ推進の目的として、「イノベーションの創出」が特に重要であると考えており、この観点に基づいて多彩な個性と強みを持つ人財の獲得と育成を目指します。
特に人財の多様性(Diversity)に関して、当社グループでは「組織内ダイバーシティ」と「個人内ダイバーシティ」の2つの観点から取組みを推進しています。前者については、当社グループの目指す多様なイノベーションの創出に寄与しやすい「認知的ダイバーシティ」の観点を主軸として、多彩な経験や価値観を持つ人財の獲得・育成を目指します。また後者については、組織内における人財の多様性だけではなく、社員一人ひとりが様々な経験や知識を増やしていくことで、多彩な価値観やものの見方を通じて更なるイノベーション創出に寄与できる状態を目指します。
(3) ダイバーシティに関する取組事例と今後の取組み
① 女性活躍推進
1) 考え方
当社グループが変化し続ける生活者の価値観やウォンツを的確に把握し、継続的な社会へのお役立ちを実現するためには、女性をはじめとした社内の人財における性の多様化を推進し、これらの人財が最大限に活躍することが重要であると考えています。そのため当社では、人財における「性の多様化」の一つとして、社内における女性の活躍推進とそれを成しえる社会の実現に向けて、次のような取組みを実践しています。
2) 取組事例と今後の取組み
当社では、女性社員がよりイキイキと活躍できる環境を整備するため、2024年度は引き続き「仕事と育児の両立支援」、そしてキャリア開発視点での「異業種女性キャリアデザインフォーラムへの参画」等に取組みました。仕事と育児の両立支援では、従来に引き続き取得対象者の休業取得に向けた人事総務部からの積極的なアナウンスや、対象者全員とその上長・人事総務部担当者の3者における面談をもれなく実施しています。また、「異業種女性キャリアデザインフォーラムへの参画」では、女性社員が活躍するロールモデルを学び、他業種の女性社員との交流を通じて自身のキャリアについて考える場を提供しています。今後も、男女ともに育児休業の取得を推進するとともに、キャリア面に関しても女性社員が活躍できる環境づくりを目指します。
また、引き続き管理職層への女性社員の積極登用も合わせて推進していきます。当社では、2027年度までの女性管理職比率20%以上の達成に向けて取組みを進めておりましたが、2024年度末で14.8%、そして2025年4月1日時点では20.2%となり、設定目標を前倒しで達成することができました。今後も継続的に女性管理職の活躍を推進していくとともに、「女性社員の働きがい向上につながる施策の検討と実践」、そして「経営層や管理職層に対する女性活躍に向けた各種教育の拡充」に取り組んでいきます。
■図02-1. 育児休業取得率の推移 (注1) ■図02-2. 女性管理職比率の推移 (注2)

(注1)
・当社の年度別実績。
・「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出。
・2021年度における男性社員の実績、および2023年度における女性社員の実績については、前事業年度における一部取得対象者が対象事業年度中に育児休業を取得したことから、対象事業年度における合計取得者数が取得対象者数を上回ったことにより、100%を超える実績となっている。
(注2)
・当社の各年度末時点の実績。
・「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出。
・管理職には部長・次長および課長を含み、執行役員および専門職は除く。
②多彩な職歴(他業界・他社経験、職種)を持つ人財の拡大
1) 考え方
当社グループでは、性の多様化とともに「職歴(他業界・他社経験、職種)」の多様化に対する取組みも推進しています。この観点については、これらを有する「新たな人財の獲得」と、「在籍社員の育成・強化」の2つの観点から取組みを進めています。
「新たな人財の獲得」に関して、当社ではキャリア人財の採用を強化しています。積極的なキャリア人財の新規採用を通じて、従来の当社には無い経験や観点・知見を取り入れることによるイノベーションの創出を目指します。また、既存の在籍社員に関しても、当社以外の経験や価値観に積極的に触れる機会を提供することで、社内全体における「多彩な経験を持つ人財」を増やしていきます。
2) 取組事例と今後の取組み
2024年度は、新規キャリア採用者の社内定着に向けたオンボーディング施策を新たに開始しました。入社後の配属部署におけるOJTだけでなく、他部門との交流を重視したさまざまな施策を展開しています。
例えば、入社1か月以内に企業理念の説明会を実施し、キャリア採用者が企業文化や価値観を理解する機会を提供しています。また当社では「バディ制度」を導入しています。このバディが入社初期の職場や業務に関する相談役となり、キャリア採用者が気軽に質問できる環境を提供することで、キャリア採用者の職場での不安や疑問をスピーディに解消できる体制を整えています。さらに、各キャリア採用者の他部門との関係構築を促進することを目的に、「交流1on1リレー」制度を導入しています。これは、入社後3か月間にわたって定期的に他部門の業務関係者と1対1形式の交流機会を設け、社内のネットワークづくりや相互理解を深めることを目的としています。そして、入社1年以内のキャリア採用者を対象に理念教育を再度実施し、企業理念の浸透を図ることで、組織全体の一体感を高める取組みも合わせて推進しています。
当社は、上述のような取組みを継続することで、今後もより幅広い経験や価値観を持つ人財の獲得・育成を目指します。
■図02-3. ライン(マネジメント)職 キャリア採用者比率の推移(日本) (注3)
(注3)
・当社の各年度末時点の実績。
・ライン(マネジメント)職には部長・次長および課長を含み、執行役員は除く。
・2024年度における実績の減少は、2024年度の組織編制に基づく一時的なものです。当社では上述の通り、ダイバーシティ観点におけるキャリア採用者の重要性を認識しており、当社の指標として掲げている「2027年度までにライン(マネジメント)職 キャリア採用比率30%以上」の実現に向けて、引き続き積極的な任用およびそれに向けた人財育成を実践していきます。
③当社グループ全体でのダイバーシティ&インクルージョンの推進
従来の当社グループにおけるダイバーシティ&インクルージョンの取組みは、当社(日本)を主としたものとなっていました。しかし、今後のグループシナジーの最大化に向けては、D&Iを当社グループ全体で取り組んでいく必要があります。そのため2025年度以降は、ダイバーシティ&インクルージョンの取組みを当社グループに展開していきます。2025年度はその第一ステップとして、各グループ会社に対するグループD&Iの考え方に関する理解浸透と、各社におけるダイバーシティ&インクルージョンに関する現状把握と課題抽出に注力し、当社グループ全体のダイバーシティ&インクルージョンの推進に向けた基盤構築を行っていきます。
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03.健康経営 |
(1) 考え方
当社グループが新価値創造を実現するためには、社員と家族の安全・安心のもと、人財が最大限に活躍できる環境整備が必要不可欠であり、グループ全社員のウェルビーイングが当社グループの人的資本経営の推進における基盤であると考えています。そのため、社員の健康に関わる不安を取り除き、豊かで充実した仕事と生活が実現できる職場環境を作り出す一連の取組みを当社グループの「健康経営」と定義し、この健康経営の視点に基づく5つのステップ(ウェルネスSTEP、図03-1)を通じて、図03-2の推進体制のもとで、身体的、精神的、社会的に豊かで良好な状態(ウェルビーイング)を目指して生活者へのお役立ちを実現し、業績向上へとつなげていきます。
■図03-1. 当社グループの健康経営推進のウェルネスSTEP
参照元:未来を築く健康経営(経済産業省、NPO法人健康経営研究会)
■図03-2. 当社グループの健康経営推進体制
(2) 健康経営の取組事例と今後の取組み
当社は2025年3月に「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」認定され、4年連続の認定となりました。一方で当社では、更なる健康経営の推進に向けた体制基盤の構築が必要であると考え、2024年度についても「健康経営の推進に向けた基盤整備」に向けた取組みを進めてきました。
2024年度は、特に長時間労働低減に向けた取組みを強化しました。全社員の長時間労働状況を的確に把握するため、2023年度より上位会議体における時間外労働関連の月次での情報共有を開始し、経営層を巻き込んだ時間外労働低減に向けた環境整備を進めています。また、更なる取組みとして2024年11月より各部門において週2日相当の「ノー残業デー」設定(管理職者も含む)を開始し、睡眠時間確保などをはじめとする健康維持管理を推進しています。
同時に2024年度は、アブセンティーイズムへの対応強化(休業者に対するケアの充実化)を目的として、人事総務部と産業医療職(産業医、保健師)・休業者の所属先上司との3者間の連携を強化し、身体的・精神的な面で不調を抱える休業者に対するケアと復帰支援に取組みました。またこれに合わせて、新たに管理職者を対象とした「ラインケア研修」を実施しました。これは管理職者を対象に、安全配慮義務の必要性や役割期待を説明し、部下の変化に対する具体的な対応方法などを教育する機会を設けました。
2025年度以降は、時間外時間低減活動(ノー残業デーの実施)の取組みを継続していきます。また、ウェルネスSTEP1~2で定める健康経営推進体制を盤石化した上で、アブセンティーイズムからプレゼンティーイズム(健康上の問題による社員の業務生産性の低下)への対応に重点をシフトさせながら、当社の健康経営をより多角的に推進できる基盤づくりを推進していきます。
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04.自律協働型ワークスタイル |
(1) 考え方
当社グループでは、「WORK LIFE BALANCE(ワーク・ライフ・バランス)」をさらに発展させた「WORK IN LIFE(ワーク・イン・ライフ)」の考え方に基づき、働きやすさと働きがいの両方を向上させることで、「社員一人ひとりの人生を豊かにするための働き方」の実現を目指します。またこの実現に向けて、当社グループでは「社内外の『知的にぎわい』を最大化する自律協働型ワークスタイルの実践」をこの推進のキーコンセプトとして掲げています。そして、社員が「自身の人生を自律的に豊かにしていくための労働」を自ら実践することで高いパフォーマンスを発揮し(自律)、これらの多彩な個性や強みを持つ社員がコラボレーション(協働)することで、社員一人ひとりのやりがいの向上、そして多彩な知の融合(知的にぎわい)を通じたイノベーションの創出による新価値創造(Co-Creation)を実現することができると考えています。
(2) 取組事例と今後の取組み (表04-1)
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観点 |
これまでの取組事例 |
今後の取組事項 |
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働く時間 |
・コアタイムを完全撤廃したフルフレックス勤務の導入 ・個人事情に柔軟に対応可能な勤務時間中の中抜けの認可 ・各部門の時間外労働削減に向けた計画づくりと実践 |
・社員の個人事由に基づく制約がなく、多彩な社員が活躍できる働く時間・場所の継続的な整備 ・社員同士のコラボレーションを促進するオフィスづくりの推進 ・社員の“知的にぎわい”を促進するコミュニケーション活性化の推進 ・社内クラブ活動の拡充 |
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働く場所 |
・個人の家庭事情等に合わせ、所属部署の拠点事業所以外の事業所でも勤務可能とする「遠隔地勤務」のトライアル実施 |
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働く人の関係性 |
・年1回の研修旅行の実施 ・社内のコミュニケーションの活性化を目的とした自由談話会の実施 |
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05.タレントマネジメント |
(1) 考え方
多彩な個性や強みを活かす環境づくりとともに、それらを最大化するためのジョブ起点の人財マネジメントも推進していきます。当社グループでは、タレントマネジメントを「社員一人ひとりが持つ能力や資質・才能を把握し、戦略的に企業経営に活かすことを目的とする取組み」と捉え、ジョブを起点としたタレントマネジメントに関する様々な取組みを引き続き実践していきます。
(2) 取組事例①:ジョブ×自律を起点とした人事の仕組み改革(MHRX)
当社グループのタレントマネジメントに関する取組事例として、日本におけるMHRX(Mandom HR Transformation、マークス)が挙げられます。これは当社における新たな価値創出によるお役立ちの実現に向けた、変革・挑戦できる組織と人財創造を実現するための「ジョブ×キャリア自律」を起点とした人事の仕組み改革であり、当社では2019年からこの取組みに着手しました。このMHRXを通じて、当社では2023年度から新しいジョブ型人事制度の運用を開始しています。このMHRXでは、「人事制度改革」「キャリア開発」そして「タレントマネジメント」の3つの柱から構成されており、この観点に基づいた取組みを継続して行っています。
2024年度は、当社におけるジョブ型人事制度の導入から1年が経過したことに伴い、新人事制度に対する更なる理解浸透、そして現場部門との対話を通じた現状課題の把握に取組みました。具体的には、当社の組織運営におけるキーポジションである課長(全79名)を対象に、一人あたり60分程度の「個別対話会」を実施し、新人事制度に関する疑問点を解消するとともに、現場視点における人事制度の仕組みや運用上の課題を直接ヒアリングしました。2025年度は、これら対話を通じて得られた現場視点での課題に基づき、ジョブに基づく適所適財の人財配置と人財パフォーマンスに向けた取組みをより一層推進していきます。
■表05-1. 「ジョブ×キャリア自律」に関する考え方
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観点 |
考え方 |
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ジョブ |
変化の激しい時代の中で常に新たなお役立ちを実現するため、社員一人ひとりの個性と強みに基づく“ジョブ(役割)”を基軸に、専門性の向上と適所適財の実現を目指す |
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キャリア自律 |
社員一人ひとりが自律的な学びや成長を通じて、高度化・複雑化する環境に対応できる強み(専門性)を持ったプロフェッショナル人財への成長を目指す |
■図05-2. MHRXの全体像
(3) 取組事例②:当社グループ全体のタレントマネジメント基盤の構築
当社グループのMP-14経営基本方針(経営戦略)に基づき、人事領域ではMP-14の取組テーマを「グループ人事HQ機能の確立を通じた、グループ人事体制基盤の構築」とし、2024年度より日本のGHQ(Group Headquarters)を中心としたグループ人事の基盤整備に向けた本格的な取組みを開始しています。2024年度はこの初年度として以下の2点の取組みを実施し、グループ全体視点でのタレントマネジメントや人財育成に向けた基盤の一部を構築することができました。2025年度以降も引き続き、人事観点からのグループ経営推進に向けた取組みを推進していきます。
①グループ共通の各種ポリシーの策定
2024年度は、当社グループ共通となる「報酬ポリシー」および「国際間出向ポリシー」の2点を策定し、2025年1月より当社グループ各社にてこれらポリシーの適用を開始しています。
前者に関しては、グループ各社における外部競争力のある報酬決定やそれによる優秀人財の獲得・リテンションを支援することを目的として、報酬ポリシーを策定しました。この報酬ポリシーでは、当社グループにおける報酬の定義や考え方、報酬決定における観点を定めるとともに、グループ共通で目指すべき報酬水準(ベンチマーク値)を定めることで、より外部競争力のある報酬決定を行える環境を整備しています。
また後者に関しては、従来のグループ各社間の出向に関する負担や取扱いが一部明確でなかった状況を踏まえ、当社グループ間の出向に関する全般的な原則や取扱いを定めた国際間出向ポリシーを定めました。これにより、グループを超えたよりスムーズな人財異動を実現することで、グループ全体での適所適財なタレントマネジメントを推進していきます。2025年度以降はGHQを中心に、これらのポリシーに基づいたグループ各社での適切な報酬および人財の国際間異動に関する運用に向けた支援を行っていきます。
②グループ共通のポジション管理の実施
当社ではジョブ型人事制度を2023年度より導入しており、そのうち管理職以上の全ポジションに関してはジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を作成し、各ポジションの職務内容や達成責任に基づいたグレーディング(職務評価)を通じて、等級の格付けを行っています。
2024年度は、GHQ機能を中心とした当社グループ全体のポジション管理に向けて、グループ各社における管理職以上の全ポジションを対象に、グループ共通のフォームに基づくジョブ・ディスクリプションを作成し、GG(グローバル・グレード)に基づく当社グループ全体の職務評価を実施しました。これにより、グループ全体の主要ポジションに関するポジションおよび人財要件の明確化を実現し、より適所適財な人財配置や育成が可能となる基盤を整備できたと考えています。2025年度以降は、ポジション管理に関する運用をグループ各社自らが適切にかつ円滑に運用できるよう、GHQとしての支援を強化していきます。
(4) 取組事例③:グループ全体での人財育成トレーニングの実施
当社グループにおける新価値創造のための最大の源泉は「人財」であり、当社グループが絶えず変革や挑戦を実現し成長し続けるためには、社員の継続的な能力開発が必要不可欠であると考えています。そのため当社グループでは、全社員を対象とした業務遂行上のビジネススキルの向上や、収益性の改善に向けてバリューチェーンの中心にある部署を対象とした専門的なスキル獲得のためのトレーニングを通じてスキルやノウハウを組織知化し、当社グループの継続的な変革と挑戦を実現できる人財創造と環境づくりに取り組んでいます。これらの一連のトレーニングは、日本では2024年4月、インドネシアでは2025年1月からそれぞれ開始し、その他の海外拠点に関しても2026年から開始予定であり、引き続き当社グループ全体でこの取組みを推進していきます。
■表05-3. トレーニングプログラムの概要
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観点 |
考え方 |
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基礎スキル トレーニング |
社員一人ひとりの業務に対する行動変容に必要となる基礎的なスキルを習得 |
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応用スキル トレーニング |
組織を牽引し、結果を出すリーダーに求められる応用的なスキルを習得 |
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専門スキル トレーニング |
バリューチェーンの中心にある部署を対象とした収益性改善に必要な専門的なスキルを習得 |
C. MP-14 人的資本・多様性に関する設定指標
当社グループのMP-14経営基本方針(経営戦略)では、取組事項の一つとして「グループ経営実践に向けた経営基盤の継続強化」に向けた「人的資本の最大化による組織能力の向上」を掲げており、当社グループへの人財に対する取組みを、MP-14経営基本方針における重要取組事項の一つとして位置付けています。
上述の人的資本経営の各取組観点、およびMP-14における当社グループの事業セグメントごとの戦略と取組事項を踏まえ、事業セグメントごとに主要項目に関する目標値を設定しています。また、各取組みを通じて達成すべき最終指標として、当社グループ連結における人的資本RoIの目標値を設定し、この達成を目指します。
設定指標の詳細は、次頁の表をご参照ください。
■MP-14 人的資本・多様性に関する主要設定指標一覧 (表C-1)
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セグメント |
設定指標 |
2024年度 実績 |
目標 |
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人的資本RoI |
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GHQ (グループ全体) |
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理念の共有と実践 |
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GHQ (グループ全体) |
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ダイバーシティ&インクルージョン |
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日本事業 (当社) |
女性管理職比率 |
14.8% |
20%以上 |
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ライン(マネジメント)職 キャリア採用人財比率 |
17.6% |
30%以上 |
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健康経営・自律協働型ワークスタイル |
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日本事業 (当社) |
正社員1人あたり月間平均時間外労働時間 (注2) |
15.9時間 |
10時間以下 |
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経済産業省 健康経営度調査偏差値 |
53.1 |
55.0以上 |
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タレントマネジメント |
|||
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GHQ (グループ全体) |
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日本事業 (当社) |
新卒正社員 入社後3年間定着率 |
92.5% |
毎年度90%以上 |
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マンダムサーベイ「当社には、私の能力を伸ばし成長する機会があると思う」肯定的スコア |
64pt |
80pt以上 |
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マンダムサーベイ「私の担当業務に要するスキル向上のための研修機会は十分である」肯定的スコア |
58pt |
80pt以上 |
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インドネシア 事業 (PT MANDOM INDONESIA Tbk) |
マンダムサーベイ「持続可能なエンゲージメント」カテゴリ 肯定的スコア |
83pt |
84pt |
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自己都合退職率 |
2.55% |
2.6%以下 |
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海外事業 |
グループ人事ポリシーに基づく グループ各社人事制度の策定および実施率 |
0% (注3) |
100% |
(注1)・人的資本RoI=営業利益額÷人件費にて算出。
・人件費は、賃金に加えて製造人件費(労務費)、福利厚生および教育・研修に関する費用を含む。
(注2)・執行役員は除く。
(注3)・2024年度は、グループ共通の各種ポリシーの策定と浸透を中心に取組みを進めたため、グループ各社における人事制度の策定及び実施率については0%としています。2025年度以降は、策定した各種ポリシーに基づき、グループ各社の人事制度の策定及び実施に取組んでいきます。
また、当社グループにおける人的資本に関する考え方や取組事例の詳細については、当社ホームページにて随時開示しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。
当社グループでは、社会環境課題の解決に向けてサステナブル経営を根幹に据え、中長期的に解決すべきリスク・機会としてサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)を特定し、中期経営計画に反映させて取り組んでおります。
また、リスクマネジメント体制の強化を目的として、2025年度よりリスクマネジメント領域を新設し、その責任者としてCROを選任いたしました。事業継続に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「トータルリスクマネジメント推進規程」を制定した上で、トータルリスクマネジメント委員会を推進母体として、リスク管理体制の統括管理を行っております。同委員会は、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクの顕在化の兆候の把握・分析・評価を行い、早期発見・未然防止に注力しております。
(1) 生活者のニーズ・ウォンツの多様化への対応について
日本を含めたアジアの化粧品市場では、市場がボーダーレス化し、同業他社に加えグローバル企業・異業種企業の参入により競争が激化しております。さらに、人口動態の変化、生活者のニーズ・ウォンツの多様化、生活者の購買スタイルの急激な変化(ECの台頭)等により、経営環境はますます予測困難となっており、市場環境等への対応の遅れが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これから実現していきたい「お役立ち」をコーポレートスローガンとして表現しており、「自分らしく生きること」や「ありたい自分」を実現することをサポートする価値創造を推進してまいります。またこのスローガンに基づいた商品提案を通じて、LGBTQを含む多様性を尊重する社会的要請に応え、性別、年齢、障害の有無等に起因する各生活者の課題に対処するとともに、全ての生活者が自己実現できる環境を提供することを目指してまいります。
(2) 事業投資について
当社グループは、2027年のありたい姿「VISION2027」の実現および持続的成長に向けて、製品の競争力維持のための設備投資は投資効率等を勘案して実施するとともに、M&Aや戦略的提携も有効な手段として検討を進めております。
2019年にはアジア地域での事業の拡大の一つとしてACG INTERNATIONAL SDN. BHD.の株式を100%取得いたしました。このような事業投資は、当初の想定を超える経営環境の悪化等により、想定していたキャッシュ・フローを生み出せない場合には設備投資により計上した固定資産や、ACG INTERNATIONAL SDN. BHD.の株式取得により計上したのれん等に係る減損処理等を行う必要が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループは事業投資の結果が投資判断時から乖離していないかを継続的に確認しております。また、MP-14では、経営基本方針において掲げたとおり、新たな成長エンジン獲得に向けて、新規事業への投資を積極的に進めております。新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、これまでの事業推進上は想定されなかったその事業固有のリスク(市場リスク・法規制リスク・財務リスク・人的リスク等)が顕在化する可能性があります。当社では投資管理規程を制定し、投資の承認までの事前評価プロセスおよび、投資実行後の事後評価のプロセスもルール化を図っております。
(3) 環境問題への対応について
気候変動や海洋プラスチック問題に代表される環境問題は、その深刻度が年々増しており、将来の当社グループの事業活動の継続性にも影響を与えるものと認識しております。このため、当社グループは、環境リスクの低減および環境への貢献と経営の両立を目指す環境マネジメントシステムである国際規格「ISO14001」を認証取得しております。また、環境配慮を製品価値の一つと位置付け、「マンダムグループ環境配慮製品基準」を設定し、社会から共感の得られる価値づくりへの取り組みを推進しております。具体的には、洗顔等で使用していたマイクロプラスチックビーズを2019年末にすべて代替品に変更しているほか、従来の石油を原料とするプラスチックに代わる材料として、持続可能な植物原料を使用したバイオマスプラスチックへの切り替えを段階的に進めております。さらに当社グループでは調達方針を策定し、わたしたちを取り巻く社会そして地球の持続可能な発展への貢献を目指し、取組先様との協働により設計・生産・物流にかかる全ての活動において環境への負荷低減を進めております。
(4) 新規人財獲得の競争激化や優秀な人財の流出について
当社グループ各国においては、労働市場における人財流動性の高まり等に伴い、優秀人財の獲得競争の激化や、当社グループに所属する優秀人財の社外への流出リスクも高まってきていると考えております。そのため当社グループでは、ジョブの内容に基づいた市場競争力のある報酬体系やグループ社員一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと働くことができる労働環境の整備等を通じて、優秀人財の新規獲得やリテンションに取り組んでまいります。これら取組みの詳細に関しては、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)重要なサステナビリティの項目」をご参照ください。
(5) 機密情報漏洩について
当社グループは、事業を展開する上で、当社グループおよび取引先の機密情報を保持しております。近年のイン ターネット環境をはじめとするネットワーク環境は、コンピュータウイルスやセキュリティ侵害による情報漏洩、 滅失または毀損のリスクが増大する傾向にあります。万一不測の事態により情報漏洩、滅失または毀損が発生した 場合は、社会的信頼の失墜、機密保持契約違反による損害賠償責任等の発生、当社グループのノウハウの流出また は逸失による競争力の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループとしては、情報管理対策をシステムのハード面とソフト面の両面で進めております。
(6) 原材料調達について
当社グループは、国内だけでなく複数の国から原材料を調達しており、世界景気や地政学的リスク、需給バランス、異常気象、為替・市場価格の変動が当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、原材料の中には調達上希少なものも一部含まれており、安定調達に関わるリスクがあるほか、自然災害等のトラブル発生によりサプライチェーンが寸断され、製品供給責任を果たせなくなる可能性があります。
このため、当社グループでは、災害等が発生した際に、製品ごとの原材料供給影響の早期抽出を可能とする原材料BCPデータの整備、有事に備えた代替原料の準備、リスク分散のための複数社購買・グローバル調達の検討等を実施しております。また、サプライチェーン全体で持続可能な調達に取り組むため、「調達先CSRガイドライン」を策定し、社会・環境に与える影響への配慮やリスクの軽減につながるサプライチェーンの透明化にむけて、段階的に取り組んでおります。
(7) レピュテーションリスクについて
ソーシャルメディアの普及により、コーポレートブランドや商品ブランドのブランド価値向上を目的とした多様なステークホルダーとの積極的なコミュニケーションを推進しております。しかし、ソーシャルメディアで発信される情報の中には当社の活動や発信した内容に対して、批判的な評価・評判が含まれ、それらが拡散されることで、ブランド価値や企業の信頼が低下する「レピュテーションリスク」が増加することが懸念されます。当社グループにおいては、レピュテーションリスクの増加を未然に防ぐために、ソーシャルメディアポリシーを定め、遵守するとともに、Webサイトおよびソーシャルメディアにおける当社関連情報をモニタリングする体制を整備しております。また、当社の活動に悪影響を及ぼすレピュテーションリスクが顕在化した際には、迅速に対応し、必要に応じて適切なタイミングで情報や企業姿勢を公表することで、レピュテーションの維持に努めてまいります。
(8) 為替変動について
当社グループは、市場として今後も成長が見込まれるアジア地域での事業に注力しており、2025年3月期における連結売上高の海外売上高比率は、48.3%となっております。今後、海外売上高比率は更に高くなると想定しており、為替相場の大幅な変動が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性もより高まっております。
このため、当社グループでは、月別通貨別に為替相場の変動状況を定期的に把握した上で、事業への影響を軽減する対策を検討しております。
(9) 海外での事業展開について
当社グループは、経営戦略の成長エンジンとして位置付けているアジア地域での事業の拡大に注力しておりますが、展開する各国において、法律・規制の予期せぬ変更、政治・経済の急激な変化、テロ・戦争等の社会的混乱が発生した場合には、当該エリアの生活者の購買意欲の低下や事業活動に制限が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、国ごとの商習慣や、コミュニケーションの違いから、ガバナンスの問題に発展する可能性もリスクとして認識しております。
このため、当社グループでは、展開先各国の政治・経済・社会的状況や、各国における事業に関連する法規制等の情報を日々収集するだけでなく、本社からの子会社経営モニタリングの体制を強化することに、継続的に取り組んでおります。
(10) 事故・災害・感染症について
不測の事故・自然災害・感染症等による被害は完全に排除できるものではなく、当社グループの経営成績等に悪影響をおよぼす可能性があります。このため、当社では、労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格である「ISO45001」を認証取得し、安全で衛生的な職場環境づくりに努めております。大規模な災害(地震、水害等)が発生した場合に、重要な事業の継続あるいは早期復旧を可能とするための対応強化を進めております。また、感染症が発生した場合は、速やかに対策本部を設置し、危機管理マニュアルに則り対応しております。
(11) 訴訟について
当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、訴訟等が提起された場合、事業活動における制限や、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するため、製品や事業に関わる各種法令を遵守するとともに、重要法令に関する社内での研修、取引条件を明確化したうえでの契約の締結、調査や侵害対応を含めた知的財産権の当社グループ内での一元管理を実施し、訴訟等の発生を未然に防ぐよう取組んでおります。訴訟等の事案が発生した場合に適切に対応できるようにするために、当社グループ内で情報が迅速に共有される体制を整えるとともに、いずれの展開国で発生しても対応できるよう、各展開国における法律事務所とのネットワークを確立して相談できる体制を整備しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気が緩やかに回復するなか、雇用情勢の改善により所得に持ち直しの動きが見られたものの、物価上昇等の影響により個人消費については足踏みがみられています。
また、当社海外グループの事業エリアであるアジア経済については、景気の持ち直しに足踏みがみられる地域があるものの概ね堅調に推移しました。
このような経済状況のもと、当社グループは2027年のありたい姿「VISION2027」実現のための「成長基盤構築期」と位置づけた中期経営計画の経営基本方針に基づき諸施策を推進しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,226百万円増加し、97,492百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ760百万円増加し、20,818百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,466百万円増加し、76,673百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は76,183百万円(前期比4.0%増)、営業利益は1,028百万円(同49.1%減)、経常利益は2,180百万円(同26.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,859百万円(同28.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績(売上高は外部顧客への売上高)は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、業績評価指標の見直しに合わせて、報告セグメントごとの経営成績をより適切に評価するため、従来、販売先セグメントへ配分していた販売元セグメントにおける内部利益を、販売先セグメントに配分せず販売元セグメントに残す方法に変更しております。前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後の算定方法に基づき組み替えて比較しております。
日本は、売上高は40,354百万円(前期比6.2%増)、セグメント利益は1,606百万円(同172.2%増)となりました。
インドネシアは、売上高は13,430百万円(前期比8.7%減)、セグメント損失は1,810百万円(前期は25百万円のセグメント損失)となりました。
海外その他は、売上高は22,398百万円(前期比9.2%増)、セグメント利益は1,324百万円(同6.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,804百万円増加し、当連結会計年度末には23,810百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,924百万円(前期は6,812百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,296百万円および減価償却費3,982百万円による増加と、棚卸資産の増加額1,382百万円による減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,085百万円(前期は887百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,535百万円および投資有価証券の取得による支出451百万円による減少であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,204百万円(前期は2,110百万円の支出)となりました。主な内訳は、配当金の支払額1,801百万円による減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
52,733 |
111.8 |
|
インドネシア(百万円) |
22,704 |
111.2 |
|
海外その他(百万円) |
2,186 |
96.6 |
|
合計(百万円) |
77,623 |
111.1 |
(注)金額は製造業者販売価格で表示しております。
b.受注実績
OEM等による受注生産を行っておりますが、金額は僅少であります。
c.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
2,290 |
110.2 |
|
海外その他(百万円) |
3,494 |
82.6 |
|
合計(百万円) |
5,785 |
91.7 |
(注)金額は実際仕入価格で表示しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
40,354 |
106.2 |
|
インドネシア(百万円) |
13,430 |
91.3 |
|
海外その他(百万円) |
22,398 |
109.2 |
|
合計(百万円) |
76,183 |
104.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱PALTAC |
21,833 |
29.8 |
22,344 |
29.3 |
|
PT. Asia Paramita Indah |
12,135 |
16.6 |
10,325 |
13.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は60,610百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,649百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,138百万円増加したことによるものであります。固定資産は36,881百万円となり、前連結会計年度末に比べ423百万円減少いたしました。これは主に、減価償却により有形固定資産が1,219百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、97,492百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,226百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は15,013百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,409百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が760百万円増加したことによるものであります。固定負債は5,805百万円となり、前連結会計年度末に比べ649百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が633百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は20,818百万円となり、前連結会計年度末に比べ760百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は76,673百万円となり、前連結会計年度に比べ3,466百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が2,813百万円増加したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高および売上原価)
当連結会計年度における売上高は76,183百万円(前期比4.0%増)となりました。これはインドネシアにおける売上高が減少したものの、日本における売上高が好調に推移したことなどによるものであります。売上原価は43,284百万円(同3.8%増)となりました。これは主として日本および海外その他での増収およびインドネシアの原価率の悪化に伴うものであります。
この結果、売上総利益は32,898百万円(同4.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は31,870百万円(同8.0%増)となりました。これは主として日本での経費の増加に加えて、海外子会社の販売費が増加したことによるものであります。
この結果、営業利益は1,028百万円(同49.1%減)となりました。
(経常利益および税金等調整前当期純利益)
経常利益は2,180百万円(前期比26.8%減)となりました。これは主として営業利益が減少したことによるものであります。
税金等調整前当期純利益は2,296百万円(同40.7%減)となりました。これは主として経常利益が減少したことに加えて、投資有価証券売却益などの特別利益が減少したことによるものであります。
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等は780百万円(前期比29.6%減)となりました。これは主としてインドネシアでの法人税等の減少によるものであります。また、非支配株主に帰属する当期純損失は343百万円(前年は162百万円の非支配株主に帰属する当期純利益)となりました。これは主として連結決算上のインドネシア子会社の当期純損失を反映したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,859百万円(同28.5%減)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(日本)
売上高は40,354百万円(前期比6.2%増)となりました。これは主として夏シーズン品を中心に男性事業の「ギャツビー」ブランドの売上高が好調に推移したことによるものであります。利益面においては、主として増収および収益改善活動の効果により、セグメント利益は1,606百万円(同172.2%増)となりました。
セグメント資産は主として棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ685百万円増加の46,393百万円となりました。
(インドネシア)
売上高は13,430百万円(前期比8.7%減)となりました。これは流通在庫の返品処理等により主として女性事業の「PIXY」ブランドおよび「ギャツビー」ブランドの売上高が減少したことによるものであります。利益面においては、主として売上の減少に伴う原価率の上昇により、セグメント損失は1,810百万円(前期は25百万円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は主として棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ514百万円増加の22,108百万円となりました。
(海外その他)
売上高は22,398百万円(前期比9.2%増)となりました。これは主として円安により売上高の円換算額が増加したことによるものであります。利益面においては、販売費及び人件費等の各種経費の増加により、セグメント利益は1,324百万円(同6.5%減)となりました。
セグメント資産は主として現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ3,026百万円増加の28,990百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
1)資本の財源
当社グループは、堅固なバランスシートの維持と適切な流動性の確保を財務政策の基本方針としております。主たる資金需要である運転資金、事業投資および株主還元につきましては、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金の活用を優先し、不足分については金融機関からの借入により調達を行っております。ただし、国内子会社の資金不足に対しては当社が貸付けを行っております。
2)資金の流動性
当社グループにおける手元資金は主たる資金需要の待機資金であることを前提に流動性・安全性を確保して運用しております。また、当社グループは、不測の資金需要に備えるため、金融機関との間にコミットメントラインを設定しており、常時月商の3か月分以上の資金を確保できる体制を構築しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表の作成にあたって決算日現在における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定を含めた前提条件の設定を行わなければなりません。経営陣は、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす貸倒引当金、投資、従業員給付、偶発事象や訴訟等に関する見積りおよび判断に対して、継続して評価を行っております。
当社グループの連結財務諸表の作成に際し、重要な影響を与える主たる会計方針は以下のとおりであります。
a.収益の認識
当社グループの売上高のうち、輸出以外の取引は製品等のリニューアル等にともなって返品取引を行うことがあります。発生が見込まれる返品部分については、過去の返品率等を勘案して算定した金額について収益を認識しておりません。ただし、予期せぬ返品の増加により、収益が減少する可能性があります。
b.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。事業環境の変化等にともない、さらなる棚卸資産の収益性の低下が生じた場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
c.貸倒引当金
当社グループは、顧客に対する債権額の回収不能および一部投資勘定に対する損失を見積り、貸倒引当金を計上しております。
d.投資および固定資産の減損
当社グループは、中長期的な取引関係強化等のために、特定の顧客および金融機関に対する少数持分等を所有しております。これらの投資に対しては、その時価または発行法人等の純資産額が取得原価に比べ50%以上下落した場合に、回復可能性等を考慮して必要と認められる額について減損処理を行っております。なお、当連結会計年度において減損損失は発生しておりません。
また当社グループは、事業投資の結果生じた有形固定資産やのれん等の無形固定資産に対し、固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)を適用しております。事業環境の変化等にともない、将来キャッシュ・フローによる回収が見込めなくなった場合は固定資産の減損損失が発生する可能性があります。企業結合取引により計上したのれん及びその他の無形固定資産の評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。なお、当連結会計年度において減損損失は発生しておりません。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の算定にあたって、将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。事業環境の変化や予期せぬ税制の大幅な改正等にともない、課税所得の見積りおよび繰延税金資産の回収可能性の判断に変更が生じた場合は、繰延税金資産が取崩されることにより、税金費用が計上される可能性があります。
f.従業員給付
当社グループの従業員給付のうち、賞与費用および債務は、過去実績および業績考課の支給原資配分予測等に基づく支給見込額により、また退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。前提条件の変動により将来費用および債務は影響を受けますが、退職給付制度の一部を確定拠出年金制度に移行することにより影響度合いを軽減しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、2021年度にサステナビリティ方針およびマテリアリティを特定しております。サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)である「気軽に楽しめるおしゃれ文化の創造」の取り組みとして、国内および海外各国の生活者へお役立ちできる独自技術の創出を目指し、積極的な研究開発活動を展開しております。
なお、当社の研究開発活動については、特定のセグメントに関連づけられないため、全社一括で記載しております。
当連結会計年度におきましても、生活者にとっての価値を重視し、生活者にお役立ちできる機能を持った製品の創出に向けた活動を推進しました。
具体的には「頭髪」「皮膚」「体臭」の3つの主要な科学分野に対して、それぞれ以下の項目に重点を置き製品開発を行ってまいりました。
①頭髪科学分野では、
・ヘアダメージに対するケア技術の開発
・トレンドに合わせたヘアスタイリング製剤の開発とその機能性評価技術の開発
・毛髪の加齢変化に対応したヘアスタイリング製剤の技術開発
・洗い流し等の使用性に優れたヘアスタイリング製剤の技術開発
・機能、使いやすさ、安全性に優れたヘアカラー製剤の技術開発
②皮膚科学分野では、
・女性の肌と心の好循環をもたらすビューティサイクルに着目した皮膚科学研究や感性研究
・皮膚浸透性の向上を図るスキンケア製剤の技術開発
・快適な使用感や使い心地に関わる製剤の技術開発
・安心、安全に繋げる刺激低減技術の開発
・男性のアンチエイジング(シミ、シワ)に関わる皮膚生理研究や製剤の開発研究
・男性印象肌研究知見に基づいたスキンケア製剤やメイク製剤の開発研究
・皮脂分泌の制御に関する研究
③体臭科学分野では、
・若年男性、ミドル男性および女性の体臭に関する研究
・発汗の制御に関する研究
・男女ボディケア素材およびデオドラント素材の開発
・次世代のグルーミング、ボディケアを想定した製剤技術の開発
当連結会計年度における主なトピックスとしては、以下の点が挙げられます。
まず、頭髪科学分野では、お風呂上りの髪が乾燥で広がる前のゴールデンタイムに着目し、髪の内側まで保水成分を浸透させてうるおいを保持するヘアケア技術を開発し、製品に応用しました。
次に、皮膚科学分野では、肌を健康に美しく保つ技術の開発を継続的に推進し、特に製品に配合されている温泉成分として知られるアルムKについて一層の研究を進め、新たに肌のバリア機能を改善することを発見しました。
スキンケア製剤の開発においては、皮膚浸透性を向上させる独自バイセル技術の開発を継続して行っており、その成果のひとつとしてセラミド等の美容成分を配合した「セラミドバイセル」を製品に応用しました。また、毛穴よりも小さい極小サイズの微粒子ミストや微細化エマルジョンの開発も行い、こちらも製品開発に活かしています。
さらに、肌の状態がヒトに与える印象についても研究を進め、アッパーミドル男性(55歳~74歳男性)が持つコミュニケーションにおける表情の悩みに着目し、60歳代男性は無表情時にネガティブな印象を与えていること、笑顔の表出時に使う筋肉の動きに衰えが見られることを明らかにしました。その改善方法として表情筋のトレーニングが有効であることを確認し、こうした知見も製品開発に反映しました。
加えて、製品の機能的価値の追求だけでなく情緒的価値の向上につながる感性研究にも注力しています。なかでも「香り」はスキンケア製品をはじめとした化粧品の情緒的な価値において極めて重要な要素であると捉え、使用感やリラックスに与える機能や影響について研究を進め、学術大会で発表しました。
また、安心・安全なものづくりを実現するため、当社では動物実験を行わないという方針のもと、パッチテストやスティンギングテストなどのヒトを対象とした試験や、動物実験代替法を活用して化粧品の安全性を確保しています。当連結会計年度においては、これまで他社と共同で進めてきた皮膚刺激性試験の代替法に関する研究が、日本動物実験代替法学会第37回大会にて大会長特別賞を受賞しました。
当連結会計年度に上市した主なシリーズおよび製品等は以下のとおりです。
(1) 国内マンダム化粧品事業
①男性化粧品市場
男性化粧品市場においては、今期は未充足年代であったアッパーミドル向けのフェイスケア新ブランドとし「ZFACE(ゼットフェイス)」、スカルプケア製品の新ブランドとして「Levätä(レバタ)」を発売しました。
「ZFACE」の発売に際しては、当社において2016年より注力してきた「印象肌研究」を通じて構築した、肌状態や経年変化が印象に与える影響の知見を活用しており、アッパーミドル男性の“印象づくり”に焦点を当て、「大人の肌悩みにアプローチするスキンケア」として「表情筋を鍛えるトレーニングメソッド」を掛け合わせ、「スキンケア×フェイストレーニング」の新習慣をRIZAP株式会社と共同提案していきます。「Levätä」は温冷感スパ処方による地肌ほぐれるような快感のスカルプスパシリーズであり、インバス市場における新たな需要の開拓を目指しています。
併せて既存ブランドからもフェイスケア・ヘアスタイリング・カラーリンスの各分野において新製品を発売しました。
フェイスケア製品では、「GATSBY(ギャツビー)」ブランドから若年層の肌悩み上位理由にある毛穴汚れとニキビ予防に徹底アプローチする「マイクロスパークリング泡洗顔アクネケア」、ヘアスタイリング製品では、「GATSBY」ブランドのヘアスタイリングシリーズ「メタラバー」より、現代の生活者が不満に感じていることに対応した、なじみが良く且つしっかりヘアスタイリングができるワックスを2品、カラーリンス製品では、「染色力の弱さ」、「根元の染まりづらさ」などの、現使用者から不満の声にお応えした「1回で染まる」タイプのカラーリンス「LUCIDO(ルシード)」ブランドの「カラーリンスPROパーフェクトブラック」をそれぞれ発売しました。
②女性コスメタリー市場
女性コスメタリー市場においては、「LUCIDO-L(ルシードエル)」ブランドのオイルトリートメントシリーズより、アルガンオイルの魅力ある「保水力」を最大限活かして、長時間うるおいに満ちたツヤ髪へと導く「#プレミアムピュアオイル」を発売しました。
さらに、新たなチャレンジとして、一般流通ではなく、Eコマースやバラエティショップを主な販路とした、お風呂あがりの時間に着目した新ヘアケアブランド「T/ME U(タイムユー)」を発売しました。時間を味方にした新ヘアケア習慣を提案するアウトバスケア2品(ヘアミスト・ヘアオイル)とインバスケア2品(シャンプー・トリートメント)の計4品を発売しました。
③女性コスメティック市場
女性コスメティック市場においては、「Bifesta(ビフェスタ)」ブランドで肌への優しさはそのままに、機能性を向上した新ラインアップでデザインを刷新し、全19品を発売しました。
今回のリニューアルでは、トレンド感のあるニュアンスカラーと、うるおいに満たされた美肌を想起させる“うる玉”(うるおいの玉)を採用し、見た瞬間に品質感と期待感が伝わるデザインへと刷新するとともに、ブランドロゴも、これまでの印象も大切にしながら、「自分らしく輝き、気持ちが上向く毎日へ」の気持ちを込めて、よりシンプルで軽やかにしました。なかでも、新スキンケアラインとして発売した美容液「アンプルミスト」2品と「アンプルミルク」は、肌を柔らげ、うるおいを引き込み蓄える独自の浸透保湿処方と、心地よい使用感や浸透実感につながる微細化技術を採用しています。
「Bifesta」は今までも、これからも、常に自由で新しいスキンケアシーンを提案するブランドであり続けます。
(2) インドネシア事業
インドネシア事業においては、今期は新製品開発を強化し、前期の約2倍となる全105品の新製品を発売しました。
①男性化粧品市場
男性化粧品市場においては、男性ヘアスタイリング製品ではインドネシアヘアスタイリング市場No.1シェアを獲得し続けている「GATSBY」ブランドから新ヘアスタイリングシリーズ 「GATSBY Fiber Pomade / Fiber Clay」 2品を発売しました。同品はインドネシアの若者層のウォンツに合わせ、Fiber処方によりベタつかない仕上がりの軽さと洗い落ちの良さを両立しながらヘアスタイルが造れる 新感覚のヘアスタイリング剤であり、共に大手コンビニエンスストア Alfamart と Indomaret の全店への導入を果たすなど順調に展開を進めております。さらに、11月から年末の商戦期に向けた TV広告などの大々的な広告投下と販促強化を通じ市場定着に向けたマーケティング活動を実施しております。
男性フレグランス製品では、お手頃な価格で本格的な価格を楽しめるガラス容器のコロンスプレー「GATSBY Harmonic Cologne」シリーズにて、3つの香調を発売しました。 加えて、2022年に発売した「Eau de Blue/Bold Perfume」に関して、コンビニエンスストア向けに 75 mlの2品を追加発売しました。こちらも共に Alfamart と Indomaret の全店への導入を果たしております。
②女性コスメタリー市場
女性コスメタリー市場においては、「LOVILLEA(ラヴィリア)」ブランドからフレグランスの新シリーズ「LOVILLEA Hang-out Body Mist」3つの香調を発売しました。また、新カテゴリーとして「LOVILLEA Anti-perspirant Deodorant Roll-On」3品、「LOVILLEA Velvety Bright Compact Powder」4品、「LOVILLEA Lippy Balm」4品を発売しております。これら新製品の発売を通じ、ブランドの主要購買層であるティーンネイジャーのコスメ行動にマッチした品揃え強化を行っています。
「PUCELLE(ピュセル)」ブランドからは、新シリーズの「Eau de Luxe Perfume」 3品を発売しました。このうち特に好調な1品に関してはAlfamart と Indomaret での導入を実現しており、市場シェアNo.1の奪還を目指し、マーケティング強化を行っております。
③女性ヘアケア市場
女性ヘアケア市場においては、ホームヘアケア習慣の高まりに合わせ、「LUCIDO-L(ルシードエル)」ブランドから、自宅で手軽にできるアウトバスヘアケア製品である「Serum Boost Hair Oil」 1品を発売しました。 加えて、新たにヘアフレグランス機能を付加したヘアトリートメントスプレー「Serum Boost Hair Fragrance」 3香調を発売しました。
④女性コスメティック市場
女性コスメティック市場においては、「PIXY(ピクシー)」ブランドにおける、ブランド価値の再定義およびリブランディングを実施しております。これに伴い、店頭什器の刷新に加え、新製品の発売を実施しており、第一弾として、ライトなつけ心地なのにしっかりカバーできるBase Makeupシリーズ「#filter_free Airy」シリーズを立上げ、クッションファンデーション「#filter_free Airy Serum Cushion Glow」 全5色、パウダーファンデーション「#filter_free Airy Stay Two Way Cake」全5色、リキッドファンデーション「#filter_free Airy Serum Skin Tint」 全3色を発売しました。
デコラティブ製品では、しっかりした発色でツヤの有る仕上がりが楽しめる新リップシリーズ「Time to Gloss」全6色、濡れたような仕上がりで軽いつけ心地なのに色落ちしにくいリップクリーム「Hydra Glass Lip Tint」全8色を発売しました。
スキンケア製品では、高機能の美容液シリーズ White-Aquaから「White-Aqua 4in1 Serum Mist」、「White-Aqua 4in1 Ampoule Serum」、「White-Aqua 4in1 Infuserum Balm」を発売しております。
(3) 海外事業
①男性化粧品市場
男性化粧品市場においては、主力となるヘアスタイリング製品にて、他国市場にて以前より好調に推移している「GATSBY Sea Salt spray Volume Mat」を新たにマレーシアでも発売し、好調に推移しております。
また、台湾においては好調に推移しているボディケアカテゴリー強化の一環として、「GATSBY」ブランドから「アイスタイプデオドラントボディペーパー アイスオーシャン」、「クレイジークールボディウォーターフローズンサイダー/クラフトジンジャー」の3品を追加発売しました。
フレグランス製品では、インドネシアにて好調に推移している「GATSBY White Up Series Hypnotic Soul」を新たにマレーシアでも発売し、好調に推移しております。
②女性コスメタリー市場
女性コスメタリー市場においては、台湾で発売後好調に推移している「LUCIDO-L」ブランドの「#髪のベタつきリセットスプレー」から4品目となる新香調「ホワイトティー」を発売しました。
③女性コスメティック市場
女性コスメティック市場においては、翌期に予定される「Bifesta」ブランドのリニューアルを見据え、今期は新製品発売を実施せず、代理店・小売店店頭における既存製品の在庫調整を優先し実施しました。
当社では「生活者発・生活者着のお役立ち」を拡げるべく、新たな価値提案を継続してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は、