文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は1989 年10 月の創業時に「日本の生活文化のスタンダードを創造することで社会に貢献する」という主旨の「設立の志」を掲げました。当社ではこの創業の志について、本質を変えず常に時代に即した表現へ改定を行いながら「経営理念」として掲げ続けており、これを全取締役・従業員の職務執行上の拠り所としています。
また、当社は「5つの価値創造」を経営理念の中に包含しています。5つの価値とは「お客様価値」「従業員価値」「取引先様価値」「社会価値」「株主様価値」であり、当社に関わるすべてのステークホルダーの価値を高めていくことを会社の使命としています。
当社ではこれら5つの価値の創造に全力を尽くすと同時に、社会の公器として日本の生活・文化の向上に貢献していくことを経営の基本方針としています。
昨今、持続可能な社会の実現に向け、環境、社会、ガバナンスを重視した企業経営の重要性がますます高まっています。「5つの価値創造」を基本に、サステナビリティ課題への取り組みを主体的に進めるため、2020年5月に「サプライチェーン」「資源」「コミュニティ」「人材」「ガバナンス」の5つのテーマを設定しました。
これらに加え、2022年8月には、小売業界・ファッション業界が持つ課題としてステークホルダーの皆様から特に注目の高い、「サーキュラリティ」「カーボンニュートラル」「ヒューマニティ」という3つのカテゴリーに紐づく数値について、2031年3月期を最終年度とした目標を設定しました。これらの目標の達成に向け具体的な取り組みを進め、その進捗や活動内容を積極的に発信してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社では経営理念及び5つの価値創造の実現に向け、2023年5月に2033年3月期を最終年度とする長期ビジョン「美しい会社ユナイテッドアローズ、真善美を追求し続けることでサステナブルな社会の実現に貢献し、お客様に愛され続ける高付加価値提供グループになる」を発表いたしました。
長期ビジョン達成時において、当社は高感度・高付加価値ライフスタイル提供グループでありたいと考えています。これは創業来掲げている日本の生活文化のスタンダードの創造であり、日本において高感度な生活をするために当社が欠かせない存在になるということです。ファッションを軸にした既存ドメインでの成長拡大に加え、非アパレル領域への進出も検討・実施し、業容と顧客層を拡大させることで生活文化のスタンダードの創造と長期ビジョンの達成を目指します。
長期ビジョンに基づく2033年3月期の定量目標として、以下を目指してまいります。
・連結売上高 2,500億円
・連結営業利益 250億円
・連結営業利益率 10.0%
長期ビジョンの達成に向けた最初の3年間として、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「感動提供 お客様と深く広く繋がる」を発表しました。OMO(*)の取り組みを軸に既存のお客様との関係性を深めながら新たな事業開発を進め、業容とお客様層を拡大させていきます。
(*)OMO: Online Merges with Offline の略。オンラインとオフラインの融合を指す。
新中期経営計画は、UA CREATIVITY戦略、UA MULTI戦略、UA DIGITAL戦略の3つの戦略で構成されています。
UA CREATIVITY戦略
UA CREATIVITY戦略は既存事業の成長拡大、ブランド力の強化、株式会社コーエンの再成長の3項目を行います。
既存事業の成長拡大については、トップラインの成長と売上総利益率の向上を目指します。
トップラインの成長については、OMO推進による売上拡大、新規出店の再開を進めます。2022年3月に自社ECサイト「ユナイテッドアローズ オンライン」をリニューアルし、OMO施策を進める土台を作りました。以降、実店舗在庫との連動、スタイリングやオンライン接客など店舗スタッフの接客スキルのデジタル化など様々な取り組みを進めています。これらの取り組みを進化させつつ、ハウスカードプログラムの刷新、自社ECアプリのリニューアルを行うことで、アプリを軸にしてお客様との接点を拡大させながら、実店舗、ネット通販双方の売上強化を図ります。
売上総利益率の向上については、原価のコントロール、適量な在庫調達とプロパー消化率(*)の改善、ネット通販の売上総利益率改善を行います。原価上昇要因が続く中、緻密な価格設定と原価抑制策を進め、原価率を適正水準に維持します。適正量の在庫調達を行い、プロパー消化率を高めることで売上総利益率を向上させます。ネット通販についてもセール販売の抑制やオリジナル企画商品の売上強化を行い、売上総利益率を高めます。
(*)プロパー消化率:総仕入金額の内、プロパー(定価)で販売した金額の比率を指す。
ブランド力の強化については、人的資本への投資拡大、企業ブランドのリブランディングを進めます。
当社の競争力の源泉は、魅力的な商品を企画、調達するモノの力、それを高度な接客技術でお客様にお届けするヒトの力、お客様に快適で高揚感のある買い物体験を提供できるウツワの力であり、これらを支え、ブランド価値を構築するのは当社の人的資本である従業員です。本中期経営計画においては、従業員のエンゲージメントを向上させることで当社のブランド力を高めます。従業員自らが自発的に学習し、能力を高めていけるよう、ビジネススクール受講支援、資格取得支援などの教育体制を拡充します。タレントマネジメントシステムを積極的に活用し、従業員一人一人の経験、スキル、ビジョンを可視化し、今後の様々な取り組みに対して適材適所の人員配置を進め、モチベーション高く業務を行える環境を整えます。あわせて新規採用を強化します。
企業ブランドのリブランディングは、新たな企業イメージを作り上げる新規ブランドを開発し、企業体そのものを一新させていく取り組みです。ビジネス、フォーマルに強い、トラッドでコンサバティブ、信頼感、安心感があるという既存のポジティブなイメージを保ちつつ、さらにアクティブで、幅広い世代にアピールできる企業ブランドに再構築します。
連結子会社の株式会社コーエンについては、ニュートレンドマーケットにおいて確固たる地位を獲得するべく、成長拡大を図ります。
UA MULTI戦略
UA MULTI戦略は長期的に当社の価値提供の幅を広げるための戦略で、業容拡大に向けた事業開発、グローバル拡大を進めます。
業容拡大に向けた事業開発については、若年層を視野に入れた新規ブランド開発、ヨガ、ゴルフ、アウトドアなど近年スタートしたアパレル派生型ブランドの強化、アパレル以外の領域の検討・実施、当社のブランド力や商品開発力を活かした法人ビジネスの拡大を行います。
グローバル拡大については、新規出店による台湾事業の成長に加え、コロナ禍で一時中止していた中国市場に向けた取り組みを進めます。自社ECの多言語化対応を進めて越境ECを強化するほか、他国への卸販売も強化します。
UA DIGITAL戦略
UA DIGITAL戦略は今後の成長を見据えた設備投資を行い、企業運営を効率化させていく戦略で、OMOの推進、サプライチェーンの最適化を進めます。
OMOの推進についてはUA CREATIVITY戦略に含まれるハウスカードプログラムの刷新、自社ECアプリのリニューアルへの設備投資を行い、実店舗、オンラインストア、アプリが一体となった強固な販売体制を構築します。
サプライチェーンの最適化については、今後の業容拡大を視野に入れたインフラ投資を行います。商品企画から販売までをカバーする既存の商品管理基幹システムを、アパレル以外も含めた長期的な業容拡大に対応できるものに刷新します。並行して商品調達のデジタル化も進めて商品発注から納品までのステイタスを可視化させ、在庫調達の精度を上げ、運営の効率化を図ります。将来的な業容拡大を視野に入れた物流センターの再編も実施し、センター設備の強化、OMOに最適化させた体制整備を進めます。
(3) 会社の対処すべき課題及び次期の見通し
2026年3月期を最終年度とする中期経営計画の最終年度にあたる2026年3月期のグループ経営方針として、当社は「感動提供 新しい価値提供を加速する」を掲げています。前年度に準備を進めた新たな価値提供に向けた取り組みについて、具体的な進行を図ります。この方針の実現に向けて、UA CREATIVITY戦略、UA MULTI戦略、UA DIGITAL戦略の3つの戦略を進めます。
UA CREATIVITY戦略では、気候変動や社会潮流の変化への対応力を高めた上で、商品価値の引き上げとそれに見合う精緻な価格設定、積極的な在庫調達を行いつつ、広告宣伝活動の強化による既存事業の成長拡大を図ります。加えて人的資本への投資、ブランディング活動によるブランド力強化、株式会社コーエンの再成長に向けて取り組みます。
UA MULTI戦略では、2025年3月期に開始した新規事業の出店拡大に加え、ライフスタイルブランド「NICE WEATHER」、バッグブランドの「OSOI」などの新たな取り組みを進めます。海外については、台湾事業の拡大や中国大陸での本格展開を行います。
UA DIGITAL戦略では、会員様向けプログラム「UAクラブ」や自社ECアプリの活用を通じたOMO施策を推進します。インフラ面では、2025年4月に稼働を開始した新商品管理基幹システムを活用し、調達原価の低減や在庫配分の精度向上による販売機会ロスの縮小を図ります。加えて物流センターの機械化を図り、効率的な物流体制を整えます。
2026年3月期の出店につきましては、株式会社ユナイテッドアローズでは新規出店20店舗、退店3店舗、期末店舗数255店舗、株式会社コーエンでは新規出店3店舗、退店1店舗、期末店舗数76店舗、台湾聯合艾諾股份有限公司では新規出店3店舗、期末店舗数13店舗、悠艾(上海)商貿有限公司では新規出店1店舗、期末店舗数1店舗、グループ全体では新規出店27店舗、退店4店舗、期末店舗数345店舗を見込んでおります。
以上により、2026年3月期の連結業績予想につきましては、売上高165,677百万円(前期比9.8%増)、営業利益9,000百万円(前期比12.7%増)、経常利益9,034百万円(前期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,084百万円(前期比18.7%増)を見込んでおります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、経営会議の下部組織として2020 年4 月に「サステナビリティ委員会」を発足し、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関わる方針や目標の設定、取り組み等の審議、進捗レビュー、承認等を実施しております。
サステナビリティ委員会を柱にリスクマネジメント委員会とも連携し、社内各部門が横断的に関連活動を推進しています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長が委員長を務め、業務執行取締役を委員に、執行役員及び本部長をメンバーに、社外取締役をオブザーバーとして、サステナビリティ推進部が事務局となって、原則として月に1回開催しております。
サステナビリティ委員会での審議内容は定期的に取締役会に報告され、管理、承認等については、取締役会が最終責任を負っております。
昨今、持続可能な社会の実現に向け、環境、社会、ガバナンスを重視した企業経営の重要性がますます高まっています。「5つの価値創造」を基本に、サステナビリティ課題への取り組みを主体的に進めるため、2020年5月に「サプライチェーン」「資源」「コミュニティ」「人材」「ガバナンス」の5つのテーマを設定しました。
これらに加え、2022年8月には、小売業界・ファッション業界が持つ課題としてステークホルダーの皆様から特に注目の高い「サーキュラリティ(循環するファッション)」「カーボンニュートラリティ(カーボンニュートラルな世界へ)」「ヒューマニティ(健やかに働く、暮らす)」の3つのカテゴリーに紐づく7つの指標について、2031年3月期を最終年度とした目標を設定しました。さらに、2023年8月から「サーキュラリティ」に紐づく指標のうち「商品の廃棄率」を細分化して「繊維製品の廃棄率」を追加し、2024年8月には「ヒューマニティ」に紐づく指標のうち「従業員エンゲージメントスコア」については、他社との比較可能性を確保する観点から、その内容をeNPS数値に置き換えました。これまで従業員エンゲージメントスコアとしていた「従業員意識調査 肯定的回答率」も指標として継続し、9つの指標としています。これらの指標に対する目標数値の達成に向け具体的な取り組みを進め、その進捗や活動内容を積極的に発信してまいります。
なお、「カーボンニュートラリティ」に含む、気候変動に関する詳細な情報については、弊社ウェブサイト(https://www.united-arrows.co.jp/)に公表されている「TCFD 提言に基づく情報開示」をご参照ください。当該情報は2025年9月に更新予定です。
また、「ヒューマニティ」に含む、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りです。
(人材育成方針)
当社グループは、「従業員」を「当社グループの経営理念に共感し、共にその実現を目指す仲間であり、理念実現に必要な人的資本」と捉え、「メンバー」と呼んでいます。多様な価値観、経験、個性を持つメンバーが共通の経営理念(志)を目指す集合体がユナイテッドアローズである、という考え方の下、メンバーの意思、個を尊重した人事戦略の実践を通じ人材育成に努め、企業の成長、人的資本経営の実現を目指しています。
(社内環境整備方針)
当社グループでは年次で行うエンゲージメント調査を中心に据え、人事戦略を立案しています。
メンバーのエンゲージメントを左右する要素はマネジメントか、教育か、働き方か、影響度と満足度の変化を分析し、エンゲージメント向上に繋がるものへ優先的に投資を割り当て、調査の結果は社内に公開しております。
また、メンバーとの直接対話や経営層からのメッセージ発信も重視しており、透明性の高い人事戦略の実践と、説明責任を果たすこと、両者を通じ、メンバーとの信頼関係を構築し、多様な人材が活きる、活気に溢れる社内環境を整備してまいります。
当社グループは、リスク管理規程に基づきリスクマネジメント委員会を設置、事業活動に関わるリスクを定期的に洗い出すとともに、原則として毎年重要リスクの評価・選定を行い、次年度の経営課題等の検討対象としております。
サステナビリティに関わるリスクについても、統合的なリスク管理体制のもとで管理し、サステナビリティ委員会の中でより詳細に検討を行い、各部門におけるリスクへの取り組みの検討及びその実施を推進しております。あわせて、サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関わる機会についての方針や目標の設定、取り組み等の審議、進捗レビュー等も実施しております。
なお、サステナビリティに関わるリスクの内容については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク <重要なリスク> ⑧ サステナビリティに関するリスク」をご参照ください。
当社グループは、上記「■戦略」において記載した「サーキュラリティ(循環するファッション)」「カーボンニュートラリティ(カーボンニュートラルな世界へ)」「ヒューマニティ(健やかに働く、暮らす)」について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標のうち「温室効果ガス排出量の削減率」をのぞく合計8項目の目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。また「温室効果ガス排出量」は、全排出量の5%未満と想定される、台湾聯合艾諾股份有限公司及び悠艾(上海)商貿有限公司を対象範囲より除外しております。
*当連結会計年度の実績は、2025年8月に弊社ウェブサイトで公表予定
*前連結会計年度の温室効果ガス排出量については、外部の認証機関による第三者保証を受けており、その信頼性の確保に努めております。
また、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、従業員エンゲージメントスコア、管理職に占める女性労働者の割合を指標として用いております。管理職に占める女性労働者の割合に関する、当連結会計年度の実績は、
■リスク管理体制
当社グループは、リスクマネジメント委員会を設置し、事業活動に関わるリスクを定期的に洗い出すとともに、原則として毎年重要リスクの評価・選定を行い、次年度の経営課題等の検討対象としています。また、各部門におけるリスクへの取り組みの検討及びその実施を積極的に推進しております。
なお、様々なリスクに起因するインシデントや緊急事態に対しては、リスク管理規程に基づき、必要に応じてワーキンググループや対策本部を設置することによって、迅速かつ適切に対応する体制を整備しています。

■リスクアセスメント活動
当社グループは、主に以下の手順にしたがってリスクアセスメント活動を実施しています。リスクアセスメント活動では、各部門向けのリスクアンケートと経営層向けのリスクヒアリングを組み合わせることで、部門視点でのリスクのみならず経営視点でのリスクを把握し、当社グループとしてのリスクを網羅的に特定できるよう配慮しています。リスクマネジメント委員会にて重要リスクを評価・選定し、その対応策を検討するとともにその後のモニタリング等も実施しています。

■事業等のリスク
当社グループは、経営理念として「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける」を掲げており、お客様にご満足いただき続けることこそが当社のビジネスの根幹であると考えています。
これらのことから、時代と共に変化する社会環境やお客様のニーズに対応し続けられない、すなわち「時代対応できない」ことを究極的なリスクと考えており、具体的には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社グループの判断または仮定に基づく予測等であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅的に記述するものではございませんのでご留意下さい。
①国内アパレル市場に関するリスク
②投資判断に関するリスク
③人的資源に関するリスク
④物流・ロジスティクスに関するリスク
⑤カントリーリスク
⑥自然災害に関するリスク
⑦情報インフラに関するリスク
⑧サステナビリティに関するリスク
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかに回復傾向にあるものの、物価上昇の継続を背景とする個人消費の下押しリスクやアメリカの政策動向による世界経済への影響等、先行き不透明な状況が続いています。衣料品小売業界は、円安の長期化、原材料高、人件費上昇圧力や労働力不足のほか、記録的な猛暑となった秋や寒暖差の激しい冬など厳しい事業環境であった一方、外出機会増加によるファッション需要の拡大やインバウンド消費の増加などに支えられ底堅く推移しました。
このような状況の下、当社は2033年3月期を最終年度とする長期ビジョン「美しい会社ユナイテッドアローズ、真善美を追求し続けることでサステナブルな社会の実現に貢献し、お客様に愛され続ける高付加価値提供グループになる」とともに、その達成を目指して2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「感動提供 お客様と深く広く繋がる」を策定し、3つの戦略を推進しています。
2025年3月期は「新しい価値提供を実現する」を経営方針に掲げ、3つの戦略により長期ビジョンと中期経営計画の実現を目指しました。
1つ目のUA CREATIVITY戦略では、既存事業の成長拡大、ブランド力の強化、株式会社コーエンの再成長に向けて取り組んでいます。
既存事業の成長拡大では、積極的な在庫調達を行いつつ、残暑や寒暖差の激しい冬などを想定したマーチャンダイジング戦略を展開したことに加え、オフィス回帰をとらえ、オンオフ兼用の衣料を拡充したこと等が実績に繋がりました。あわせて商品クオリティの向上を伴う販売単価の引き上げや、事業特性を踏まえた精緻な価格設定を実施したことで、単体の小売+ネット通販既存店において、客単価を前期比101.8%と伸ばしつつ、買上客数も同109.2%と伸長したことにより、売上高は同111.2%と成長しました。
売上総利益率については、気温変動に関わらず安定的な需要がある中軽衣料や服飾雑貨の厚みをつけて定価販売を強化したことや、精緻な価格設定により原価率上昇を抑制したこと等が奏功し、前期から改善が図れました。
ブランド力の強化に向けて、企業イメージの刷新を目指したプロモーションを実施したほか、「ユナイテッドアローズ」での創業35周年記念企画や「グリーンレーベル リラクシング」でのテレビCМなど各主力ブランドでも販売促進活動を積極化し、新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤリティ向上に繋げました。
株式会社コーエンは、マーチャンダイジングの修正やプロモーション等の実施により、増収したものの、セール販売の増加や商品評価損の拡大により減益となりました。
2つ目のUA MULTI戦略では、業容拡大に向けた事業開発やグローバル展開の拡大によって、当社の価値提供の領域を広げ、お客様層を拡大させることを目指しています。
新たなお客様層の拡大やテイスト軸の課題解決に向けて、アパレル領域では新ブランドの展開を着実に進めています。若年層に向けたウィメンズブランドの「ATTISESSION(アティセッション)」、自立した女性に向けた「conte(コンテ)」の実店舗を出店し、お客様層やテイスト軸を広げています。加えて、韓国のバッグブランド「OSOI(オソイ)」の国内独占販売権を取得し、自社ネット通販サイト内でのブランドサイトの開設や実店舗でのコーナー展開を開始するとともに、単独店の出店に向けた準備も進めています。また、シューシャインサービスを営む株式会社BOOT BLACK JAPANの全株式の取得も実施するなど、価値提供の拡大に向けた新たな取り組みも始動しました。
グローバル展開の拡大に向けて、2025年1月に中国大陸初の直営店を出店したことを足掛かりに、中国大陸での事業拡大を目指して準備を加速させています。
3つ目のUA DIGITAL戦略では、OMO(*1)の推進とサプライチェーンの最適化を軸に取り組んでいます。
OMOの推進では、新会員制度が順調に稼働し、会員売上やクロスユーザー数(*2)等の指標が前期から伸長しています。自社ECアプリのリニューアルも行い、お客様の買物体験価値や利便性の向上を図ったことで、アプリ経由の売上や一人当たりの商品閲覧数等の指標が向上しました。
サプライチェーンの最適化では、新商品管理基幹システムの開発が完了し、2025年4月より稼働しています。商品発注から販売に至る工程がデジタル化され業務効率化が図れるほか、在庫配分の精度が向上することで販売機会ロスの縮小、物流関連コストの抑制等が見込めます。
(*1)OMO: Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインの融合を指す。
(*2)クロスユーザー:実店舗と自社ECを併用される会員様を指す。
出退店については、トレンドマーケットで10店舗の出店、1店舗の退店、ミッド・トレンドマーケットで9店舗の出店、1店舗の退店、アウトレットで1店舗の出店、1店舗の退店を実施した結果、当連結会計年度末の小売店舗数は211店舗、アウトレットを含む総店舗数は238店舗となりました。
連結子会社の状況については、株式会社コーエン(決算月:1月)は増収減益、海外子会社の台湾聯合艾諾股份有限公司(決算月:1月)は増収増益となりました。出退店については、株式会社コーエンは5店舗の出店、2店舗の退店により当連結会計年度末の店舗数は74店舗、台湾聯合艾諾股份有限公司は1店舗の出店により当連結会計年度末の店舗数は10店舗となっています。
以上により、グループ全体での新規出店数は26店舗、退店数は5店舗、当連結会計年度末の店舗数は322店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前期比12.4%増の150,910百万円となりました。売上総利益は前期比13.2%増の78,629百万円となり、売上総利益率は前期差0.4ポイント増の52.1%となりました。販売費及び一般管理費は、宣伝強化による宣伝費の増加、賃上げおよび人員増に伴う人件費の増加、出店増による減価償却費の増加および売上増加に伴う変動費の増加などにより、前期比12.6%増の70,645百万円、売上高構成比は前期差0.1ポイント増の46.8%となりました。
以上により、当連結会計年度の営業利益は7,984百万円(前期比18.5%増)、経常利益は8,539百万円(前期比14.1%増)となりました。主に不採算店舗による減損損失や本部オフィスの移転に係る一時的な費用等を特別損失として計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,282百万円(前期比12.2%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産の部)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて11.0%増加し、44,816百万円となりました。
これは、主として現金及び預金が171百万円、商品が3,015百万円、未収入金が1,137百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度に比べて27.7%増加し、25,325百万円となりました。
これは、新規出店やオフィス移転により有形固定資産が3,190百万円、基幹システム刷新に向けた準備などにより無形固定資産が2,595百万円それぞれ増加した一方、Frankster USA,LLCに対するCHROME HEARTS JP合同会社の持分譲渡が完了したことなどにより投資その他の資産のその他が1,278百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて16.5%増加し、70,142百万円となりました。
(負債の部)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて32.2%増加し、27,767百万円となりました。
これは、主として支払手形及び買掛金が1,046百万円、短期借入金が826百万円、未払法人税等が1,930百万円、賞与引当金が919百万円、それぞれ増加した一方、電子記録債務が413百万円、流動負債のその他が525百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度に比べて9.0%増加し、4,552百万円となりました。
これは、主として店舗の出店に伴い、資産除去債務が295百万円、業績連動型株式報酬制度により株式給付引当金が51百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて28.4%増加し32,320百万円となりました。
(純資産の部)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて8.0%増加し、37,821百万円となりました。
主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により4,282百万円増加した一方、配当金の支払により1,525百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ168百万円増加し、当連結会計年度末には、6,655百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7,097百万円(前連結会計年度比756百万円収入増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,082百万円、減価償却費1,322百万円、賞与引当金の増加額919百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額1,356百万円、棚卸資産の増加額3,041百万円、持分法による投資利益357百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,240百万円(前連結会計年度比3,584百万円支出増)となりました。
これは、主に関係会社出資金の売却による収入1,212百万円があった一方、店舗の出店及びオフィス移転等に伴う有形固定資産の取得による支出2,638百万円、基幹システム刷新に向けた準備等による無形固定資産の取得による支出3,045百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は699百万円(前連結会計年度比5,074百万円支出減)となりました。
これは、短期借入金の純増加額が826百万円、配当金の支払額1,524百万円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売実績
当社グループは、一般消費者を対象とした店頭での紳士服・婦人服等の衣料品並びに関連商品の販売を主たる事業としているため、生産及び受注の状況に替えて仕入実績を記載しております。
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
商品別販売実績
(注)1 シルバー&レザーとは「CHROME HEARTS」ブランドの銀製装飾品及び皮革製ウエアであります。
2 数量については、商品内容が多岐にわたり、その表示が困難なため記載を省略しております。
3 「その他」には、アウトレット、催事販売、連結子会社である株式会社コーエン、台湾聯合艾諾股份有限公司等の売上が含まれております。
当連結会計年度の商品仕入実績を商品別に示すと次のとおりであります。
(注)1 シルバー&レザーとは「CHROME HEARTS」ブランドの銀製装飾品及び皮革製ウエアであります。
2 「その他」には、アウトレット、催事販売、連結子会社である株式会社コーエン、台湾聯合艾諾股份有限公司等の仕入高が含まれております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、外出機会増加によるファッション需要の拡大やインバウンド消費の増加を背景に前期比12.4%増の150,910百万円となりました。なお、株式会社ユナイテッドアローズにおける小売+ネット通販既存店売上高前期比は111.2%となりました。
当連結会計年度における売上総利益は、前期比13.2%増の78,629百万円となり、売上総利益率は前期から0.4ポイント増の52.1%となりました。これは定価販売の強化や精緻な価格設定による原価率上昇の抑制が奏功したことなどによるものです。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前期比12.6%増の70,645百万円、販売費及び一般管理費率は前期と同水準の46.8%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は7,984百万円(前期比18.5%増)となりました。
当連結会計年度における営業外収益は、為替差益及び持分法投資損益の減少等により、717百万円(前期比13.9%減)となりました。営業外費用は、為替差損の増加等により、162百万円(前期比87.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は8,539百万円(前期比14.1%増)となりました。
当連結会計年度における特別損失は、関係会社出資金売却損及び減損損失の増加や本社移転費用等により、1,456百万円(前期比339.5%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,282百万円(前期比12.2%減)となりました。
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、出店及びITインフラ等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は1,028百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、6,655百万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画に基づく2026年3月期の定量目標として、以下を目指してまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。