なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
①経営理念
当行グループは、「お客さま・地域社会との共存共栄」「活気ある企業風土の醸成」「健全性の確保と企業価値の創造」をめざすとの経営理念のもと、お客さま、地域社会、株主さま、役職員すべてにとって価値のある企業であり続けるため、健全性と収益性のバランスのとれた発展の実現につとめるとともに、真に信頼される銀行づくりを進めてまいります。
②行動指針
当行グループは、上記「経営理念」の実現に向け、役職員がステークホルダーの皆さま方とともに大切にしたい価値観や考え方を「百十四銀行 行動指針」として以下のとおり定めております。
・対話を密にし、相互の信頼を深めます
・プロフェッショナルとして成長するための努力を惜しみません
・多様性(ダイバーシティー)を理解し、人権を尊重します
・環境の負荷軽減に努め、地域の活性化に貢献します
・ステークホルダーの期待を超える行動を実践します
当行グループは、地域金融機関として、創業以来、約150年の期間にわたり地域やお客さまに寄り添い、地域に密着した経営を実践してきたことで、地元香川県においては、預金で約5割、貸出で約4割の高いシェアを獲得しております。また、香川県以外にも1950年代に開設した大阪支店及び東京支店をはじめ、全国10都府県に店舗網を展開しております。県外のお客さまに香川県のお客さまを紹介する取引も順調に増加している等、この広域店舗網は当行グループの大きな強みとなっております。
その他にも、当行グループは、国際業務と船舶関連融資を強みとしております。国際業務については、お客さまの海外進出支援や外貨資金調達に加えて、デリバティブを用いたリスクヘッジ等手厚いサポート体制を構築しております。船舶関連融資は、審査や融資の手法が特殊であるため金融機関の参入は容易ではありませんが、当行グループは、こうした融資を古くから手掛けてきたことで、造船会社さま、船主さま、運航会社さま等、川上から川下に至るまでの幅広いお客さまと、揺るぎない信頼関係を築き上げております。
また、「総合コンサルティング・グループ」として幅広いコンサルティングメニューを取り揃えているほか、法人のお客さまの海外進出ニーズに対して専門性の高いサービスを提供することを目的に、ベトナムに現地法人を構える等、地域金融機関として、地域やお客さまが抱える課題の解決に伴走するための態勢を構築しております。
今後も、このような得意分野を伸ばすとともに、新たな事業領域を開拓していくことで、当行グループの競争優位性を高めていきたいと考えております。
一方で、人口減少・超高齢化の進展に加え、脱炭素・循環型社会への移行やデジタルシフトの加速により地域のサステナビリティに関わる課題が多様化・複雑化するなど、地域金融機関を取り巻く環境は大きく変化しており、当行グループが地域とともに持続的に成長するためには、長期的な視点で地域のサステナビリティに関する課題に積極的に取り組むことで、経営の持続可能性を高めていく必要があります。また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、大規模災害等の発生懸念の高まりや、金利のある世界における競争の激化、世界的なインフレや地域の少子化・高齢化の進行等、当行グループを取り巻くリスクは変容しており、これらを意識した経営の舵取りが求められております。
このような経営環境や課題に対応するため、2023年3月に策定した2030年度を見据えた「長期ビジョン2030」及び中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)に基づき、金融・非金融の融合によるシナジーを創出すべく「総合コンサルティング・グループの進化」に向けた取組みを加速させております。米国の関税政策の転換や、物価高騰等の影響を受けているお客さまに対する資金繰り支援はもちろんのこと、低迷する事業の正常化に向けた経営改善及び事業再生のご支援、業務効率化や生産性向上を図るためのDX分野のご支援等、お客さまの成長・発展に資する取組みに注力してまいります。
また、2015年度の国連サミットにおいて採択された、社会課題を解決し持続可能(サステナブル)な世界を実現するための開発目標(SDGs)に対して、当行は、これまで「SDGs宣言」、「環境方針」、「人権方針」、及び「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定のうえ、地域を取り巻く様々な課題の解決に取り組んでまいりました。サステナビリティに係る社会的要請の一層の高まりを踏まえ、高度な水準で課題解決に取り組む「サステナビリティ経営」を実践すべく態勢整備を図っております。
■「長期ビジョン2030」
[百十四グループマテリアリティ]
地域社会と百十四グループ双方のサステナビリティに対する影響度から、優先度の高い重要課題を抽出して下表のとおり「百十四グループマテリアリティ」を設定しております。これらのマテリアリティに取り組む先に見える方向性として「長期ビジョン」を描いております。
[長期ビジョン2030]
「総合コンサルティング・グループの進化により、地域のみんなとウェルビーイングな社会を創造する」というビジョンステートメントのもと、「環境・社会価値」と「経済価値」の両立を通じて、ウェルビーイングな地域社会の創造と百十四グループの経営のサステナビリティ向上をめざしてまいります。

■中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)
[基本方針]
長期ビジョンの第1フェーズとして、3つの成長エンジン(SX・HRX・DX)による変革※を進め、総合コンサルティング・グループの進化に向けた取組みを加速させてまいります。
① 職員のウェルビーイング向上と生産性の飛躍的向上により個々の職員が能力を発揮できる環境を整備するとともに、コンサルティング機能の強化と新事業領域の探索により課題解決力の強化を図ります。
② コンサルティングとファイナンスを相互に組み合わせながらお客さま・地域が抱える課題解決に伴走し、各ステークホルダーのウェルビーイング実感と百十四グループのサステナビリティ向上の両立をめざします。
※以下の3つの変革(Transformation)を、戦略を支える成長エンジンとします。
[重点戦略]
① 総合コンサルティング・グループの進化
② 職員のウェルビーイング向上
③ 生産性の飛躍的向上
④ 持続可能な経営基盤の構築
[目標とする経営指標]
中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」で目標とする経営指標は下表のとおりであります。
① 連結当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」
② 連結自己資本比率はバーゼルⅢベースの連結コア資本比率
③ OHR=経費÷業務粗利益
(注)経営指標の2024年度実績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
[中期経営計画の全体像]

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関する取組み
当行グループは、長期的な視点で地域社会を取り巻く様々な課題の解決に取り組んでおります。当行においては、地域の成長を自らの成長につなげるサステナビリティ経営を実践することで、経営理念に掲げる「お客さま・地域社会との共存共栄」の実現をめざしております。
なお、当行のサステナビリティに関する取組状況は以下のとおりであります。
① ガバナンス
当行が推進するサステナビリティ関連施策の取組状況等については、適宜適切に取締役会による監督を受ける体制を構築しております。
具体的には頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動や人的資本への取組み等がもたらす機会及びリスクへの対応方針や取組計画等を策定・実行しており、重要な事項については取締役会へ報告・付議しております。監査等委員及び監査部長は、サステナビリティ委員会にオブザーバーとして、取組方針の策定や戦略・施策の審議に参加し、進捗管理状況の報告を受けております。
役員報酬についても、サステナビリティ経営に関する指標及び目標(CO2排出量削減、女性役席者比率向上等)の達成状況を加味しております。なお、ガバナンスの状況についての詳細は、
② 戦略
外部環境の変化やステークホルダーから求められる要素等を踏まえて解決すべき様々な課題の中から、社会及び当行グループのサステナビリティに対する影響度の観点で取り組むべき重要課題を優先順位付けしたうえで「百十四グループマテリアリティ」(以下「マテリアリティ」という。)として設定しております。
マテリアリティの解決に向けた様々な取組みを通じ、お客さま・地域社会の持続可能性に貢献することで、当行グループのサステナビリティ経営を実践してまいります。
<マテリアリティ(重要課題)の特定プロセス>
(イ)地域からの期待、様々なESG課題、地域社会やステークホルダーにとって重要な要素を網羅的に抽出
(ロ)抽出した課題を「当行グループのサステナビリティに対する影響度」と「社会のサステナビリティに対する影響度」の2軸で分析し、優先順位付けを実施
(ハ)サステナビリティ委員会での議論
(ニ)取締役会での決定
<百十四グループマテリアリティ及び主な取組み>
③ リスク管理
当行では、取締役会で決定した「リスク管理基本規定」に基づき、対象リスクごとに所管部署と管理規定を定め、独立部署を設置し一元的な管理を行っております。
また、頭取を委員長とするリスク管理委員会や、その下部組織であるリスク管理部会を設置し、定期的に評価・モニタリング等実施しているほか、必要に応じて取締役会への報告も行っております。
また、取締役会にて、当行グループの業務執行及び業績目標の達成に大きな影響をもたらす可能性があるリスクをトップリスクとして特定し、優先的に対応しております。詳細は、
④ 指標及び目標
当行では6つの「百十四グループマテリアリティ」に対して、2030年度までを目標期間とした「サステナビリティKPI」を設定し、サステナビリティ委員会にて施策の策定・管理等を実施のうえ、その進捗を定期的に取締役会に報告しております。
(注)1.株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「Wevox」の総合スコア(パート・スタッフ含む全職員を対象に実施)
2.役席者とは支店長代理又は調査役と同等以上の役職(管理職を含む)の職員
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)
当行では気候変動及び環境課題への取組みを重要な経営課題のひとつとして捉えており、環境に配慮した商品・サービスのご提供はもちろんのこと、地域の環境・森林保全活動等にも積極的に取り組んでおります。また、TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同し、同提言のフレームワークに基づいた情報開示の充実にもつとめております。
①ガバナンス
当行の気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般に関する取組み ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
当行グループは、マテリアリティの一つに「気候変動等、環境課題への取組み」を掲げており、中長期的な目線でお客さまや地域の気候変動対策や脱炭素社会への移行を支援することが、金融機関にとってビジネス機会の創出・拡大につながると認識しております。当行は、気候変動に伴うリスクと機会が事業活動に与える影響を認識し、適切なリスク管理を行うとともに、お客さま・地域の低炭素社会への移行を支援するために、金融・非金融の両面から様々なソリューション※を提供しております。
当行における気候変動に伴う機会及びリスク(物理的リスク・移行リスク)は以下のとおりです。短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で定性的な分析を行っております。
※ 金融・非金融におけるソリューション例
<シナリオ分析>
気候変動に関するリスクが当行に与える影響を把握するため、一定のシナリオを用いて、移行リスク及び物理的リスクについて分析を行いました。2024年度に実施した分析結果は以下のとおりです。
<炭素関連資産>
・TCFDが開示を推奨する炭素関連資産4セクター(エネルギー、運輸、素材・建築物、農業・食料・林産物)の、当行貸出残高に占める炭素関連資産の割合は42.0%です。(2025年3月末)
・今後も当該セクターとのエンゲージメントを通じて、サステナブルファイナンスの他、脱炭素に向けた様々なソリューションの提供に取り組んでまいります。
<生物多様性への取組み>
気候変動に関する取組みだけでなく、生物多様性に関する取組みも持続可能な社会を実現する上で大前提と考えております。2024年4月に参画した「TNFD(自然関連情報開示タスクフォース)フォーラム」を通じて、国際動向の把握や情報の収集につとめ、自然関連の財務情報開示や地域の気候変動への対応、自然環境保護に取り組んでまいります。
③リスク管理
当行は、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが当行の事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与えることを認識し、統合的リスク管理の枠組みにて、これらのリスクを管理する態勢の整備を進めております。
2020年12月に「環境及び社会に配慮した投融資方針」を定め、環境及び社会の課題解決に向けた事業を支援するとともに、負の影響が大きい事業や事業者との取引については、その影響の低減・回避につとめております。
④指標と目標
<CO2排出量の長期削減目標>
気候変動リスクの低減に向けて、事業活動を通じて発生するCO2排出量を中長期的に削減し、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に貢献することを目的に、CO2排出量の長期削減目標を設定しております。
目標の達成に向けて、営業車両の導入や再生可能エネルギーの利用のほか、当行が所有する太陽光発電設備(香川県さぬき市津田)で発電した電力の自己活用等、様々な取組みを行ってきたことで、2024年度の当行グループ全体の削減実績は、2013年度比55.1%(単体削減実績59.3%)と、順調に推移しております。
なお、削減の進捗が順調であったことから、2024年度より、CO2排出量削減目標の対象を当行グループ全体に拡大するとともに、2030年度の削減目標を2013年度比75%削減へと上方修正しました。
(イ)百十四グループ目標
※ Scope1:当行自身が燃料(ガソリン等)を燃焼等することにより直接的に発生するCO2排出量
Scope2:他社から供給された電気等を使用することにより間接的に発生するCO2排出量
(ロ)実績

CO2排出量の算定・開示にあたり、数値の信頼性を確保するため、2023年度排出量実績については一般財団法人日本品質保証機構による第三者検証を取得しており、2024年度実績については対象範囲をScope1、2に加え、Scope3の一部に拡大のうえ、同検証の取得に向けた手続きを行っております。
<サステナブルファイナンスの長期目標>
投融資を通じて地域やお客さまのサステナビリティ向上への取組みをサポートするため、サステナブルファイナンスの長期目標を設定し、目標達成に向け取り組んでおります。
(イ)目標
(ロ)実績
2021年4月~2025年3月末(累計) 2,438億円 (うち環境系 1,020億円)
<Scope3排出量把握への取組み>
Scope1及び2については、長期目標を設定のうえ実績を算定してきましたが、2021年度より算定対象にScope3カテゴリー1~14を追加、2023年度実績からは、算定対象をScope3カテゴリー15まで拡大しました。算定結果は、お客さまとの対話(エンゲージメント)に活用し、お客さまのCO2排出量削減をご支援することにより、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
CO2排出量実績(Scope3) (単位:t-CO2)
・Scope3の算定方法、排出係数等は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」
「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」を使用。
・Scope3(カテゴリー15)の算定は、PCAFスタンダード(金融業界のためのグローバル温室効果ガス計測・報告スタンダ
ード)に基づくものです。
・算定方法の見直しやお客さまの開示状況等により、排出量の算定結果は今後変動する可能性があります。
<Scope3カテゴリ15(投融資)について>
金融機関にとって投融資による間接的な排出量はScope3の大きな割合を占めており、当行の気候変動への取組みにおいて重要な指標であると考えております。当行ではカテゴリ15(投融資)にかかる排出量について、PCAFスタンダード※に基づく排出量の算定に取り組んでおり、2023年度以降は事業法人向け融資を対象に算定を実施しております。
※PCAFスタンダード:国際的なイニシアティブであるPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)スタンダードが作成した、金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する基準。
〔算定対象〕
2025年3月末時点の事業法人向け融資(国内事業者を対象とし、プロジェクトファイナンスを除く)
なお、算定に必要な財務データ等の不足する先は対象外としており、百十四銀行単体の事業法人向け融資の88%をカバーしております。
〔算定手法〕
PCAFスタンダードに基づき、融資先各社毎に、以下の算式で算定しております。なお、算定手法に変更はありませんが、2024年度実績については株式会社NTTデータが提供する算定ツールC-TurtleⓇFEにより算定しております。

※1排出量の把握
融資先各社の排出量はボトムアップ・トップダウン方式を併用して算出しております。
・ボトムアップ方式:各社が開示する排出量を利用
・トップダウン方式:各社の売上高に、業種に応じた平均的な排出係数(環境省排出原単位データベースを利用)を掛け合わせて推計
PCAFの定めるデータクオリティスコアは3.18となっており、今後も情報精度向上に取り組んでまいります。
※2排出量を融資額で除することで算出しており、融資額1百万円あたりの排出量として、融資による間接的な排出量のインパクトの大きさを表しております。
(3)人的資本
①ガバナンス
当行の人的資本に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般に関する取組み ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
<人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>
・当行グループでは、中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)において、HRX(Human Resources Transformation)を「経営戦略と人事戦略の連動により人的資本の最大化を図る成長エンジン」と定義し、DX推進との相乗効果によりお客さま・地域への価値提供力を極大化すべく、経営戦略と連動した人材の最適配置や人材のポートフォリオの構築をめざしております。
・当行は、役職員の行動規範を示した「百十四銀行 行動指針」を踏まえ、多様な属性・価値観を持つ職員が互いの個性を尊重しつつ、その能力を存分に発揮することを基本方針として、組織の持続可能性向上につとめております。なお、「百十四銀行 行動指針」の詳細については、
・働きがいと働きやすさの両立により職員のウェルビーイング最大化を図り、お客さま・地域の課題解決に熱意をもって取り組む人材力を強化するため、人事制度の改定及び行内資格制度の見直しを進めております。
・様々な教育・自己啓発制度等を通じて戦略実現に必要な人材を育成するとともに、休暇制度の創設等による職員の健康増進及びDE&I推進を通じて多様な人材が活躍できる社内環境の整備に取り組んでおります。
イ.人材力強化
(ⅰ) 戦略遂行に向けた人材力の強化
当行では、中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」における重点戦略「総合コンサルティング・グループの進化」の実現をめざし、数多くの実践的な研修のほか、FP1級や中小企業診断士、経営コンサルタントなどの有資格者輩出にも注力しております。
加えて、当行独自の認定制度として行員が自発的に選択した分野に的を絞って資格取得にチャレンジできる「114マイスター制度」を2017年度より導入しております。銀行業務をコンサルティング、融資管理、ライフプラン、DXなど8分野に分類し、分野毎に「オフィサー」(初級)、「リーダー」(中級)、「マイスター」(最上位)の3段階の資格を設定、それぞれの認定基準に試験、研修・トレーニー、営業実績、上司評価を取り入れ、知識と実務能力を兼ね備えた総合力のある人材を育成しております。
当行では、中期経営計画の実現に必要となる優秀な人材ポートフォリオの確保に向け、キャリア採用の拡充や採用手法の多様化を図るとともに、教育・育成(リスキリング含む)への積極投資や計画的な配置を行ってまいります。

(ⅱ) 自律的なキャリア形成支援
当行では、職員の自律的なキャリア形成を後押しすることで、モチベーション向上や中核人材の育成を行うとともに、多様な働き方や能力開発の促進等を通じて、めざすキャリアの実現を支援しております。
・世代別キャリア研修
当行では各世代に応じたキャリア研修を職員の内的キャリア形成の柱として体系化し、職員の自律的・主体的なキャリア形成を継続的に支援しております。昨年度に引き続き2024年度は若手行員(20代)、中堅行員(30代)、ベテラン行員(40代)、シニア行員(50代)を対象としたキャリア研修を開催しました。2024年度における各世代でのキャリア研修には合計234名が参加いたしました。
・行内留学制度
当行では、短期間の本部業務経験を通じて、専門人材を育成及び発掘することを目的とした「行内留学制度」を2022年5月より開始し、職員一人ひとりが業務面の幅及び視野を広げ、自身の外的キャリアを積極的に形成していけるよう支援しております。2024年度は留学先を拡充させ、91名(前年度比32名増)が参加いたしました。
・114リスキリングサポート制度
本制度は従来の行内自己啓発制度において指定している資格試験以外にも、職員自身が現在の業務に関わらず学びたい分野(例:語学学校や外部のセミナー等)を選び、費用面の補助を行う制度として2023年10月に制定しました。当行ではリスキリングを通じた多様な能力開発を職員のめざすキャリアの実現に必要不可欠なものと位置付けており、自身が学びたい自主的な自己啓発を積極的に支援しております。
引き続き、これらの流れを加速し、職員一人ひとりが自らのスキルや個性を生かし、働きがいを持って仕事ができる環境の整備につとめてまいります。
ロ.エンゲージメント醸成
(ⅰ) 挑戦を後押しする企業風土の改革
当行では、活気ある職場及び生産性向上には、組織へのエンゲージメントが欠かせないとの認識のもと、2021年度より1on1ミーティングを一部の営業店・本部で試行し、徐々に試行店を拡大させながら2024年8月には1on1ミーティングの全店展開を行いました。
また、2024年度は役員及び部室店長に対し、エンゲージメントに関する勉強会を実施し、エンゲージメントに対する向き合い方を学びました。
これらの取組みにより、エンゲージメントスコアの上昇だけでなく、職場における心理的安全性の醸成に一定の効果が現れていると評価しており、今後は組織全体に定着させ、上司のコーチングスキル向上等を通じた信頼関係やエンゲージメントの強化に加え、職員に気づきや自律的な行動を促すことで、生産性の向上や企業風土改革にもつなげてまいります。
(ⅱ) 誰もが安心して活躍できる場の創出
女性活躍推進
当行では、多様な属性や価値観を持つ職員の活躍を通じた、生産性及び持続可能性向上を目的にDE&I推進に積極的に取り組んでおり、これまでの様々な取組みが評価され、厚生労働大臣より以下の認定を取得しております。
これらの結果、2024年度の当行の全管理職に占める女性管理職の割合は、16.6%となっております。

健康経営の強化
当行が地域社会に貢献していくためには、働く従業員とその家族が心身ともに健康であることが重要であると考えております。
2018年8月10日の「健康経営宣言」以降、以下に記載の施策に積極的に取り組んだ結果、7年連続で「健康経営優良法人」、2年連続で大規模法人部門ホワイト500(香川県下では1社のみ)に認定されております。
[主な休暇制度]
日本生命保険相互会社が提供するニッセイ健康増進コンサルティングサービス(通称:Wellness-Star☆)を活用し、ICTやデータ分析を活用した健康経営に関する取組みの体系化を図っております。アプリを活用したウォーキングイベントの実施や、ストレスチェックの分析結果を活用した様々な切り口での傾向分析(所属・職種別等)及び分析を基にした臨店指導等により、職場改善・職員のウェルビーイング向上につなげております。今後も健康経営強化に向け、より一層効果的な取組みを行ってまいります。
福利厚生の充実
職員自身の資産形成を支援する取組み(ファイナンシャル・ウェルネス)として、ライフプランに関する研修に加え、従業員持株会のインセンティブ強化など各種手当を含めた福利厚生制度の拡充を進めております。
[主な福利厚生]
*持株会の奨励金率を2025年5月買付分より5%→10%へ引上げ
③リスク管理
当行は、社会構造変化や価値観の多様化への対応遅れによるエンゲージメント低下及び人材流出、職員の生活の質低下による人材力低下といったリスクに備え、多様な人材が活躍できる職場環境の整備や、挑戦機会創出による「働きがい」の向上並びに健康経営に向けた取組みを積極的に推進しております。
また、「サステナビリティKPI」として、女性役席者比率やエンゲージメントスコアを設定し、サステナビリティ委員会にて施策の策定・管理等を実施のうえ、その進捗を定期的に取締役会に報告しております。
④指標と目標
上記「②戦略」において記載した「<人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針>」のもと、当行は以下の項目を重要な指標と考えております。その実績の推移は以下のとおりとなっております。
連結グループの主要な事業を営む会社において、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社で行われている訳ではないため、当行単体の指標及び目標を記載しております。
(注)新卒採用職員に占める女性職員の採用の割合
これらに加え、再雇用制度等の新たな制度導入や時間単位の有給休暇、テレワークによる在宅勤務、既存制度の拡充等、男女ともに多様な働き方が可能となる社内環境整備を進めております。
また、当行業績や地域の発展に寄与することを目的に2023年4月から副業制度を開始しました。神主や映画監督等、2025年3月末時点で24名の職員が特色ある副業を行っており、人材の多様化につながっております。
(注)1.外部講師費用、行外研修派遣費用、試験及び通信講座補助、長期トレーニー派遣者人件費、研修会館管理費用等。
2.当行独自の認定制度。銀行業務をコンサルティング、融資管理、ライフプラン、DXなど8分野に分類し、それぞれ3段階で設定した最上位資格。研修受講や営業実績に加え、FP1級や中小企業診断士等の難関資格取得を認定条件としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
そのうち、当行グループに大きな影響を与えるため、特に重要性が高く優先的に対応が必要と取締役会で認識したリスクをトップリスクとしております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
<トップリスク>
当行グループで認識しているリスクのうち、短期的(1年以内)に、当行グループの業務執行及び業績目標の達成に大きな影響をもたらす可能性があるリスク(下表:リスクマップのA及びB)及び、中長期的(10年以内)に当行グループの経営に重大な影響をもたらす可能性があるリスク(同表C)をトップリスクとしております。
2025年3月の取締役会において決定した2025年度のトップリスクは以下のとおりです。これらのリスクの影響及び影響時期等を認識したうえで、起こり得るリスクシナリオを想定し、あらかじめ対応策を講じることで、リスクの回避・抑制を図るとともに、トップリスクを考慮した事業戦略の遂行により企業価値の向上につとめてまいります。また、リスク顕在時においても機動的に対応できるようにリスク管理体制を整備し、その業務やリスクの特性に応じた管理を行っております。なお、リスク管理の状況については定期的に取締役会等に報告を行っております。
なお、信用リスク(与信関係費用の増加等)、及び市場リスク(有価証券評価損益の悪化、イールドカーブ変化による損益の変動等)については、一定の確率で将来被る可能性のある最大損失額(リスク量)の計測を行い、リスク量を自己資本の範囲内にコントロールすることで、経営体力に比して過剰なリスクテイクを行わないように管理を行っております。また、適宜、ストレステストを実施し、当行の健全性を確認しつつストレス時対応力の強化を図っていくことで、経営のレジリエンスを高めております。
<その他のリスク>
(1) 自己資本比率に係るリスク
当行グループは、海外営業拠点を有していないため「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)」に定められた国内基準における所要水準(4%)以上の自己資本比率を維持することが求められております。所要自己資本比率を下回った場合は、金融庁長官から早期是正措置が発動され、銀行業務の健全かつ適切な運営を確保するために、業務の全部若しくは一部の停止などの命令を受けることとなります。
現時点での当行グループの自己資本比率は所要自己資本比率を大幅に上回っており、業務の停止などの命令を受ける可能性は低いと思われます。しかし、例え所要自己資本比率を上回っていたとしても、自己資本の毀損やリスクの増加により自己資本比率が大幅に低下した場合、早期是正措置の発動につながる可能性があります。
このため、当行グループは、信用リスクアセットの状況や損益予想及びストレステストによる自己資本の充実度評価に基づき、必要に応じリスクアセットのコントロールを行うなど、予期せぬ自己資本比率の低下を回避するための体制を整備しております。
(2) 当行格付の引き下げリスク
格付機関による当行格付の引き下げ等が行われた場合には、当行グループは不利な取引条件での資金調達を余儀なくされる場合があります。その結果、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、当行グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題」における「■中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)」に記載のとおり、企業価値向上に向けた各種施策に取り組んでおります。
(3) 貸倒引当金等にかかるリスク
当行グループは、貸倒れの急増が見込まれる場合には、将来の貸倒れに備えるため多額の貸倒引当金等を計上する可能性があります。その結果、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
このため、予想損失額を「第5 経理の状況」における「注記事項(重要な会計上の見積り)(貸倒引当金)」に記載の仮定を置いて算出し、将来の貸倒れに対応できる十分な貸倒引当金の計上を行っております。
当行グループの年金資産の時価が下落した場合、年金資産の運用利回りが低下した場合、又は予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があり退職給付債務が増加する場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務が変動し、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当行グループは、会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来解消すると見込まれる会計上の利益と税法上の課税所得との差異を繰延税金資産として連結貸借対照表に計上しております。しかし、将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断される場合や会計基準等の変更により繰延税金資産の計上額が制限される場合には、繰延税金資産は減額され、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
(6)固定資産の減損に係るリスク
当行グループは、営業拠点等の固定資産を保有しておりますが、今後の経済環境や不動産価格、その他地域銀行を取り巻く環境の変動によって、当該固定資産の収益性の低下又は損失が発生した場合、多額の償却(減損処理)が発生し、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当行グループは、金利や為替相場等の変動リスクのヘッジ目的やお客さまに対する各種リスクヘッジ手段の提供のほか、一定の限度額の範囲で収益獲得等を目的にデリバティブ取引を行っておりますが、相場環境や取引相手の信用状況が大きく変動した場合、又は契約不履行が発生した場合、当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(預金業務)
当連結会計年度末の総預金残高は、前連結会計年度末比545億円減少して4兆6,950億円となりました。
(貸出業務)
当連結会計年度末の貸出金残高は、前連結会計年度末比782億円増加して3兆5,066億円となりました。
(有価証券)
当連結会計年度末の有価証券残高は、前連結会計年度末比721億円増加して1兆1,899億円となりました。
(損益)
当連結会計年度の経常収益は、前連結会計年度比78億61百万円増加して900億7百万円となりました。一方、経常費用は、前連結会計年度比25億8百万円増加して700億96百万円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比53億53百万円増加して199億10百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比40億58百万円増加して137億円となりました。
なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は次のとおりであります。また、当行グループは、経常利益をセグメント利益としております。
① 銀行業セグメント
経常収益は前連結会計年度比78億40百万円増加して813億81百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比52億39百万円増加して185億17百万円となりました。
② リース業セグメント
経常収益は前連結会計年度比1億32百万円減少して74億69百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比1億11百万円減少して2億80百万円となりました。
③ その他事業セグメント
経常収益は前連結会計年度比18百万円増加して56億92百万円となり、セグメント利益は前連結会計年度比1億15百万円増加して15億50百万円となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度比382億49百万円減少し、1,307億円のマイナスとなりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度比775億33百万円減少し、941億10百万円のマイナスとなりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度比8億73百万円減少し、37億64百万円のマイナスとなりました。
これらの結果、「現金及び現金同等物」は前連結会計年度末比2,285億78百万円減少し、当連結会計年度末残高は8,179億円となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
資金運用収支は、「国内業務部門」で374億14百万円、「国際業務部門」で43億71百万円となり、「合計」は前連結会計年度比37億10百万円増加し、417億85百万円となりました。
また、役務取引等収支の「合計」は、前連結会計年度比1億19百万円減少し、その他業務収支の「合計」は、前連結会計年度比5億72百万円の減少となりました。
(注) 1.「国内」、「海外」の区分に替えて、「国内業務部門」、「国際業務部門」で区分しております。
2.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
3.相殺消去額は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借に係る利息であります。
資金運用勘定においては、貸出金の増加などにより、平均残高は前連結会計年度比1,321億62百万円増加し、利回りは前連結会計年度比0.05ポイント上昇しました。
資金調達勘定においては、コールマネーの減少などにより、平均残高は前連結会計年度比1,593億68百万円減少し、利回りは前連結会計年度比0.01ポイント上昇しました。
(注) 1.「国内業務部門」は円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等を除いた円建取引であります。
2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度324,367百万円、当連結会計年度32,044百万円)を控除して表示しております。
(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度297百万円、当連結会計年度303百万円)を控除して表示しております。
(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度324,664百万円、当連結会計年度32,348百万円)を控除して表示しております。
2.相殺消去額は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借に係る平均残高及び利息であります。
役務取引等収益は、前連結会計年度比2億41百万円増加して126億84百万円となりました。このうち、為替業務に係る収益は28億90百万円と全体の22.7%を占めております。
また、役務取引等費用は、前連結会計年度比3億59百万円増加して37億32百万円となりました。このうち、為替業務に係る費用は4億24百万円と全体の11.3%を占めております。
(注) 「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金
3.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
(注)「国内」には、特別国際金融取引勘定分以外の「国際業務部門」を含めております。
該当事項はありません。
(注) 1.「国内業務部門」は円建取引、「国際業務部門」は外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は「国際業務部門」に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
連結会社のうち「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1社です。
(注) 1.共同信託他社管理財産 前連結会計年度末 ―百万円、当連結会計年度末 ―百万円
2.元本補てん契約のある信託については、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の取扱残高はありません。
(参考)
連結自己資本比率(国内基準)は、前連結会計年度末比0.21ポイント上昇して9.33%となりました。
自己資本比率につきましては、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は国内基準を適用しており、2025年3月末よりバーゼルⅢ基準にて自己資本比率を算出しております。
また、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:百万円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:百万円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
なお、区分対象となる社債のうち、「その他有価証券」目的で保有しているものは、時価(貸借対照表計上額)で区分されております。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討結果は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度末の総預金残高は、公共預金が増加しましたが、法人及び個人預金が減少したことにより、前連結会計年度末比545億円減少して4兆6,950億円となりました。
当連結会計年度末の預り資産残高は、金融商品仲介が減少しましたが、投資信託及び一時払保険が増加したことにより、前連結会計年度末比326億円増加して3,770億円となりました。
当連結会計年度末の貸出金残高は、公共向け貸出金が減少しましたが、法人向け及び個人向け貸出金が増加したことにより、前連結会計年度末比782億円増加して3兆5,066億円となりました。
○金融再生法開示債権及びリスク管理債権の状況
当連結会計年度末の正常債権を除く金融再生法開示債権及びリスク管理債権は、前連結会計年度末比45億円減少して476億円となりました。また、総与信残高比率は、前連結会計年度末比0.16pt低下して1.34%となりました。
(注)上表の金額、比率は、部分直接償却後の計数であります。
当連結会計年度末の有価証券残高は、債券の増加により、前連結会計年度末比721億円増加して1兆1,899億円となりました。
(注)「その他」は投資信託・外国証券等であります。
イ.経常収益
当連結会計年度の経常収益は、貸出金利息の増加による資金運用収益の増加や、株式等売却益の増加によるその他経常収益の増加などにより、前連結会計年度比78億61百万円増加して900億7百万円となりました。
ロ.連結粗利益
当連結会計年度の連結粗利益は、その他業務利益及び役務取引等利益は減少しましたが、資金利益の増加などにより、前連結会計年度比30億19百万円増加して479億8百万円となりました。
ハ.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の経常利益は、連結粗利益の増加及び株式関係損益の増加などにより、前連結会計年度比53億53百万円増加して199億10百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比40億58百万円増加して137億円となりました。
(注)連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+信託報酬+(役務取引等収益-役務取引等費用)
+(その他業務収益-その他業務費用)
また、当連結会計年度におけるセグメントごとの分析は次のとおりであります。
このうち、「銀行業」は、当連結会計年度において、当行グループの経常収益合計(セグメント間内部経常収益控除前)の86%を占めており、最も重要なセグメントであると認識しております。
(ⅰ)銀行業セグメント
経常収益は資金運用収益及びその他経常収益の増加などにより、前連結会計年度比78億40百万円増加して813億81百万円となりました。また、経常費用は、その他業務費用の増加などにより、前連結会計年度比26億1百万円増加して628億64百万円となりました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度比52億39百万円増加して185億17百万円となりました。
(ⅱ)リース業セグメント
経常収益はリース料収入の減少などにより、前連結会計年度比1億32百万円減少して74億69百万円となりました。また、セグメント利益は、前連結会計年度比1億11百万円減少して2億80百万円となりました。
(ⅲ)その他事業セグメント
経常収益は保証業務などで増加したことなどにより、前連結会計年度比18百万円増加して56億92百万円となりました。また、セグメント利益は与信費用が減少したことなどにより、前連結会計年度比1億15百万円増加して15億50百万円となりました。
中期経営計画「創ろうイ・イ・ヨ♪」(2023年度~2025年度)の各重点戦略の取組状況及び最終年度に設定している経営目標の達成に向けた進捗状況は以下のとおりであります。
[中期経営計画の進捗状況]
「長期ビジョン2030」の実現に向けた第1フェーズと位置付けている中期経営計画では、「非金融領域の拡大」と「金融サービスの高度化」を通じて「総合コンサルティング・グループ」としての機能の進化に取り組んでおり、概ね計画どおりに進捗しております。
・事業承継や新規事業、地域活性化等に取り組む地域の事業者を強力に支援し、お客さま・地域が抱える課題解決に伴走する投資専門子会社「百十四共創投資株式会社」を2024年4月に設立しました。
・法人のお客さまには、各事業ステージにおける重要な経営課題や社会課題に対応する取組みの支援に向けて最適な金融サービスをワンストップで提供する態勢の強化を図るため、ソリューション関連のファイナンス機能を集約した「ソリューションファイナンス部」を新設しました。
・個人のお客さまには、人生100年時代において将来の不安がなく生活できるように着実な資産形成をサポートするべく、職域セミナーや休日相談会のほか、将来世代の金融リテラシー向上を目的とする金融教育活動に取り組んでおります。なお、お客さまのライフプランに沿った着実な資産形成と円滑な資産承継に関して、これまでよりも一層強力に支援していくことを目的として、野村證券株式会社と「金融商品仲介業務における包括的業務提携に関する基本合意書」を締結しました。双方の強みを活かすことで地域の隅々まで良質なコンサルティングを提供し、地域のお客さまのファイナンシャル・ウェルネスの実現をリードする存在となるべく、2025年度中の最終合意に向けて協議を進めてまいります。
・「ポストチャレンジ制度」や「シニアチャレンジ制度」等、年齢に関わらず、意欲や能力の高い人材が活躍できる場を創出するための制度面の整備を進めてまいりました。
・また、経営方針や経営戦略への理解を深めることを通じて、仕事への熱意や職場への愛着につなげることを目的に、頭取と若手行員の対話集会である「タウンホールミーティング」を実施しました。経営陣との直接の対話機会創出を通じて、更なる全行的なエンゲージメント向上を図っていくため、中堅行員を対象とした「ミニタウンホールミーティング」の開催を順次進めております。
・職員が働きやすい職場環境づくりや健康経営を目的とした各種施策への取組みにも注力しており、「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に2年連続で認定を受けました。
・事業性融資における電子契約サービスや名刺管理アプリ、稟議書作成時間の短縮を目的とした検索システムの導入等、生産性向上を目的とした各種業務のデジタルシフトを進めてまいりました。
・また、既存の「114バンキングアプリ」において、投資信託取引や複数口座の照会機能等、新機能の追加を進めたほか、「来店予約サービス」について、空き情報がリアルタイムで確認できるようにリニューアルする等、お客さまの満足度向上につながる業務改革にも注力してまいりました。
・地域金融機関として重要な経営基盤の一つである地域の活性化と持続可能性向上に向けて、地方公共団体が新たな事業を推進するうえでの財源確保や、域外のお客さまによる地方創生に向けたプロジェクトへの貢献機会の創出を目的とした「企業版ふるさと納税」に取り組むことで、地元への資金の還流に貢献してまいりました。
・また、持続可能な地域社会の実現に向けて、2050年のカーボンニュートラルを見据えた脱炭素・循環型社会への取組みを進めており、新築店舗のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証の取得や、地元の市町とゼロカーボンシティの実現に向けた共創に関する連携協定を締結しました。
・さらに、豊かな生態系を誇る瀬戸内海において、藻場再生を起点に地域で協働し、長期的な目線で生物多様性の保全をめざす取組みである「瀬戸内渚フォーラム」に参画しております。
[経営目標の達成状況]
2024年度は、市場金利の上昇に伴う資金利益の改善と併せ、総合コンサルティング・グループとしての機能の進化により地域やお客さまの課題解決に向けた推進力が高まってきたことで、ファイナンスとコンサルティングの双方の領域で稼ぐ力が向上し、その結果、経営目標に掲げている各経営指標は、2024年11月に引き上げした経営目標の達成に向けて順調に進捗しております。
〔経営目標の進捗〕

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、貸出金の増加等により、1,307億円のマイナスとなり、前連結会計年度比では382億49百万円減少しました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、有価証券の取得等により、941億10百万円のマイナスとなり、前連結会計年度比では775億33百万円減少しました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、自己株式の取得及び配当金の支払い等により、37億64百万円のマイナスとなり、前連結会計年度比では8億73百万円減少しました。
これらの結果、「現金及び現金同等物」は8,179億円となり、前連結会計年度末比2,285億78百万円減少しました。
当行グループは、地域の皆さまよりお預け入れいただいた預金を資金調達の原資とし、貸出金や有価証券等にて資金運用を行っております。また、外貨資金等については、必要に応じて市場等から調達しております。資金調達・運用の状況については、定期的にモニタリングし、必要に応じて対応を検討するALM態勢を整備しております。
重要な資本的支出は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。主なものとして電子計算機等の設備投資66億72百万円を予定しており、うち42億97百万円を翌連結会計年度以降に自己資金での支払を予定しております。
また今後の経営戦略として、非対面チャネルの充実や店舗・業務のデジタル化などによるDX推進への投資のほか、EV車導入や事業用不動産のLED化など脱炭素・循環型社会の実現に向けた省エネ関連への投資も積極的に行っていく方針であります。
株主還元につきましては、安定的な利益還元に配慮しつつ、内部留保の充実度合い、利益の状況及び経営環境等を総合的に判断したうえで、配当を実施していく予定であります。
今後予定している資本的支出及び株主還元は、主に自己資金にて対応する予定であります。
当行グループは、銀行業を中心に事業展開しており、主要業務は貸出業務であります。融資契約により発生した貸出金が総資産に占める割合は概ね6割であり、この貸出金を基準に算定される「貸倒引当金」は、当行の損益に与える影響が大きいため、重要な会計上の見積りとしております。
貸倒引当金の算定方法等につきましては、「第5経理の状況」における「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)貸倒引当金の計上基準」、及び「注記事項(重要な会計上の見積り)(貸倒引当金)」に記載のとおりであります。
<損益に与える影響>
(注)貸倒引当金算定において、影響額が大きい正常先について記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。