文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「世界の才能と、感動をつなぐ、クリエイティブプラットフォーマーへ」をコーポレートミッションとして掲げ、中長期的な成長及び企業価値の向上を図るべく、出版・IP創出、アニメ・実写映像、ゲーム、Webサービス、教育・EdTech事業等において、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、事業間連携によりIPのLTV(Life Time Value)の最大化を図り、さらに最新のテクノロジーを常に取り入れることで、IPを世界に広く展開する「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進することを基本戦略としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度を含む5か年の中期経営計画において、2028年3月期に売上高3,400億円(うち、海外売上高700億円)、営業利益340億円、EBITDA430億円を達成することを経営目標として掲げております。あわせて中長期的な目標として、ROE(自己資本利益率)12%以上を目指してまいります。
※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
(3)経営環境
当社グループを取り巻く事業環境は、出版市場においては国内紙出版が減少している一方で国内電子出版が継続的に成長しており、海外での日本発コミック市場もコロナ禍特需からの反動減を経て長期的な拡大基調にあります。
映像市場において世界的には興行市場の一時的な減少が見られたものの、国内では邦画市場の拡大が継続しております。並行して動画配信市場は世界規模で継続的に成長しており、日本アニメの需要は強く、海外におけるアニメ市場は二桁成長を継続しております。
ゲーム市場においては世界的には市場成長が一時的に停滞しておりますが、今後の新プラットフォーム投入による一段の成長期待が高まっております。
こうした事業環境を捉え、当社は「グローバル・メディアミックス with Technology」を中期経営計画の基本方針とし、IP創出やメディアミックス及び海外展開、ライセンス展開の強化を通じて「IPのLTV(Life Time Value)最大化」を達成するとともに、教育・EdTech事業の拡大により、継続的な業績拡大に努めてまいります。
加えて、「世界の才能と、感動をつなぐ、クリエイティブプラットフォーマーへ」のコーポレートミッションの下、クリエイティビティ、モチベーション、テクノロジーをキーワードに従業員一人ひとりが創造性を最大限発揮できる社内基盤整備を継続し、イノベーション創出に挑戦してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
事業別の状況及び課題は以下のとおりであります。
[出版・IP創出事業]
引き続き強力なIPの創出に努め、グローバルな作品流通を増やすとともに、国内では製造・物流の改革による返品率の更なる改善や編集DXによる生産性の改善を進めてまいります。
IP創出においては、2028年3月期目標の年間7,000タイトル超に向けて、国内での小説投稿サイト「カクヨム」や台湾の同「KadoKado」を通じたネット投稿作品の開発強化を継続し、電子マンガマガジン「MANGAバル」やマンガアプリ「カドコミ」での新作コミック開発を始めるとともに、海外子会社と一体となってグローバルな視点での作品開発を一層推進してまいります。
グローバルな作品流通においては、多言語化の制作投資を行い、電子書籍でのサイマル流通や紙書籍での流通を拡大してまいります。
メディアでは、Web媒体を中心にデジタルシフトをさらに進め、収益性の向上に取り組んでまいります。
電子書籍では、電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」の英語版サービスをM12 Media LLC(J-Novel Club LLCから商号変更)に統合し英語圏へのサービスを強化してまいります。また、グローバルに才能を集める「The 2nd TATESC COMICS Global Awards」においては、多数の言語から応募があり、受賞者の連載と育成が決定しております。今後もライトノベル、コミック及び縦スクロール漫画等のグローバル市場の開拓に引き続き注力してまいります。
また、児童書等の商品化の拡大、dマガジン等の他プラットフォームとの連携、及び電子書籍のサブスクリプションサービスを推進し、多様な楽しみ方を世界中の読者に提案してまいります。
[アニメ・実写映像事業]
アニメ・実写映像事業では、制作能力の強化や新しい映像表現と効率的な制作工程の実現のため、アニメ制作スタジオやバーチャルプロダクションへの投資を行い、グローバルな映像配信に対応した企画制作一気通貫のIP創出体制の確立を目指してまいります。
アニメでは引き続き自社制作力を強化し良質な作品をラインナップしながら制作規模を拡大してまいります。また、北米を中心とするマーケティングを強化し作品認知度を上げ、国内及び海外市場における権利販売や映像配信事業に注力してまいります。
実写映像の製作・配給においては、作品の大型化とグローバルな映像配信に向けた作品開発の強化を行ってまいります。また、㈱角川大映スタジオのバーチャルプロダクション事業では、歴史ある美術製作力と最先端のテクノロジーとの融合により、新しい映像表現と環境負荷が低くローコストな制作工程を同時に実現してまいります。
[ゲーム事業]
ゲーム事業では、スマートフォンゲームにおいては当社アニメ原作の開発ラインを拡大し、メディアミックスによる更なる収益力の向上を図ってまいります。
PCや据置機のゲームにおいては、『ELDEN RING』や『ドラゴンボール Sparking! ZERO』等のヒット作品によって培われたブランド力や開発力の高さを活用しながら、2025年5月発売予定の『ELDEN RING NIGHTREIGN』、2026年発売予定の『THE DUSKBLOODS』等、制作パイプラインを拡大し、当社グループのシリーズタイトルや新規タイトルの開発及び他社からの受託開発を引き続き行ってまいります。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、2025年4月に㈱ブックウォーカーと㈱KADOKAWA Connectedを㈱ドワンゴに統合いたしました。グループのエンジニア人材を結集し、Webサービスの顧客体験向上とグループのDX化をさらに進めてまいります。
ニコニコ関連事業ではファンコミュニティの強化やペイパービューの拡大によりシステム障害復旧後も流通取引総額の成長トレンドが継続しています。今後も収益ポートフォリオの更なる多様化を推進し、継続的な売上拡大を図ってまいります。
各種イベントの企画・運営では、2025年4月26日~4月27日の2日間にわたり日本最大級のユーザー参加型イベント「ニコニコ超会議」を開催し、会場の幕張メッセには昨年比6%増の13万2,657人にご来場いただきました。こうした大型イベントでユーザーの一体感と満足度を高めるとともに、ネットでの投稿や視聴を促進しユーザーの参加機会を拡大いたします。同時にイベントの選択と集中を高め収益の改善を図ってまいります。
[教育・EdTech事業]
教育・EdTech事業では、インターネットによる通信制高校であるN高等学校、S高等学校及びR高等学校の継続的な生徒数増加に伴い、同校への教育コンテンツ提供事業が成長しているとともに、VR学習教材を提供することで教育コンテンツの高度化も進めております。また、2025年4月開学のオンライン大学「ZEN大学」の第一期生3,380名に向けた教育システムやコンテンツの提供を始めております。今後もより付加価値の高いコンテンツを提供することで収益拡大を目指してまいります。
㈱バンタンにおいては、マンガやアニメ等グループシナジーを活用した分野の新コースに続いて、ユニバーサルミュージック合同会社との提携による音楽のコースを新設いたします。今後もコースや展開地域を拡大し継続的な成長を図ってまいります。
[その他事業]
その他事業では、角川武蔵野ミュージアム、イベント、飲食等の商業施設を展開するところざわサクラタウンをはじめとする施設運営事業のコスト適正化等、持続可能な事業への転換を進めております。
今後の更なる来場者増に向けて、IPファンのみならず地域の住民の皆様やインバウンド需要にも応える多様な企画を展開し、引き続き収益力を高めてまいります。
財務面では、自己資本比率50%~60%を維持し財務の健全性を確保しながら中長期でROE12%以上を目指すことを基本方針とし、持続的な事業成長と高い資本効率及び中長期的な企業価値の向上に向け、成長投資と株主還元を実行してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
当社グループでは、多彩なポートフォリオから成るIPを安定的に創出し、事業間連携によりIPのLTV(Life Time Value)の最大化を図ることに加え、最新のテクノロジーを常に取り入れることで、IPを世界に広く展開する「グローバル・メディアミックス with Technology」の基本戦略を推進しております。この基本戦略の推進及び事業課題の解決により、中長期的な企業成長及び企業価値の向上を企図するだけでなく、コンテンツのサステナビリティの実現を通じて以下をもたらし、社会課題の解決にも寄与するものと捉えております。
・より多くの人々に知識や感動を届け、「個人」の“好き”の発見と幸せを支える
・コンテンツへの共感を通じて、異なる価値観や文化への相互理解、人と人とのつながりを促進し、「社会」の
発展に貢献する
・既存の「文化」の次世代への継承と、新たな「文化」の創造に貢献する
上記の基本戦略の推進、及びそれを通じた事業・社会課題の解決を実現するために、IPを創出する力の源泉である人的資本を重要な基盤と位置付け、人事制度の拡充などより良い労働環境の構築により、従業員のモチベーションの向上とクリエイティビティの発揮を促しております。詳細は、「(3)人的資本に関する考え方及び取組」の項をご覧ください。
①ガバナンス
当社グループでは、現時点において、サステナビリティに関するコーポレート・ガバナンスについて、その他のガバナンス体制と区別せずに同一の体制の下で運用しております。
基本的な考え方として、コーポレート・ガバナンスの充実を当社グループが継続的に発展するための必要条件と位置付け、株主に対する経営の透明性の更なる向上、取引先・得意先をはじめ社会からの信頼の一層の向上を目指し、継続的にコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。
また、経営環境の変化にすばやく適応し、事業成長を実現できる経営体制を確立すること、明確な経営指標や経営方針はもとより、その達成状況を定期的に開示することで透明性を確保し、経営陣の責任を明確にすることが、経営の健全性とコーポレート・ガバナンスの充実に資するものと考えております。
コーポレート・ガバナンス体制の詳細については、「
②リスク管理
サステナビリティに関するリスクについては、リスク管理規程に基づき設置したリスク管理委員会(年2回開催)による全社的リスク管理体制の中で精査、対応を行っております。同委員会においては、取締役会の監督の下、委員長が執行役社長、委員が各部門のチーフオフィサーほかから構成され、内部統制を担う部門が事務局を務めております。
当社グループのリスク管理活動は、内部要因(経営資源、事業特性等)と外部要因(感染症、気候変動リスク等)の観点から、各部門がサステナビリティ、企業運営や事業に関して重要リスクの選定と対策立案を行い、その取組状況を内部統制部門がモニタリングし、継続的な改善を行うプロセスとなっております。
リスク管理委員会では、リスクの発生懸念、発生状況をはじめ、当社グループを取り巻くリスクに関する情報の収集分析を行い、毎年、重点対応すべきリスクを選定し、対応を実施することで、リスクのコントロールを進めております。
また、機会については、経営戦略・事業戦略に関する様々な会議体において、適宜議論を行っております。
「戦略」と「指標及び目標」については、以下の個別テーマごとに記載します。
(2)気候変動に関する考え方及び取組
当社グループは、気候変動は社会の喫緊の課題であると認識し、温室効果ガス削減や省エネルギー化に取り組んでいます。また「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)」が公表した最終報告書(以下、TCFD提言)に賛同し、TCFD提言に沿った情報の開示をしています。
①ガバナンス
気候変動への対応については、取締役会の監督の下、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において、全社的なリスクマネジメントの一環として、気候変動に関するリスク分析と対策を審議し、リスクへの適切な対応とCO2排出量の削減などの取組を推進しています。また、取締役会は、リスク管理委員会で審議された重要事項について報告を受け、気候変動課題への実行計画等についても審議・監督を行ってまいります。
また、TCFDの枠組みに基づいたシナリオ分析時に、気候変動に関する機会について分析・検討を行っております。
②戦略
当社グループは、TCFD提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を基に、シナリオ分析を実施しています。シナリオ分析においては、2℃以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択、設定していく必要があるため、移行面で影響が顕在化する1.5℃シナリオと物理面での影響が顕在化する4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。それぞれのシナリオの概要、シナリオ毎の主なリスクと機会の分析は以下となります。
③リスク管理
当社グループでは気候変動に関するリスクを全社的な重要リスクの一つと位置付けており、気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、TCFDの枠組みに基づいたシナリオ分析におけるリスク・機会の内容を踏まえ、当社グループへの影響を検討し、その結果をリスク管理委員会に報告しています。気候変動リスクを含む、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会への報告・提言を行っております。
④指標及び目標
気候変動に関する具体的な指標として、GHG(温室効果ガス)排出量と削減目標を開示しています。持続可能な社会の実現に向けて、SBT(Science Based Targets)として求められるCO2排出削減レベルを考慮し、Scope1(事業による直接排出)及びScope2(電力消費による間接排出)について、「2030年度に2020年度比50%削減・2050年度に実質ゼロ」の目標を設定しました。
当社におけるScope1及びScope2の排出量の詳細は、以下のグラフのとおりです。
※2024年度実績は2025年6月現在集計中であり、当社ウェブサイトにて2025年11月以降に開示予定です。
GHG排出量の削減にあたって、2023年1月1日より、東京都千代田区にある自社ビル4棟(角川本社ビル、角川第2本社ビル、角川本社ビル別館、KADOKAWA富士見ビル)の全館で使用する電力を実質的に再生可能エネルギーからなる電力に切り替えました。そして2023年12月1日より、拠点の一つであるところざわサクラタウン(埼玉県所沢市)の電力も再生可能エネルギーからなる電力への切り替えを実施しました。これは、当社の年間二酸化炭素排出量(2022年度実績)のうち76.9%(約3,468 t-CO2)を実質ゼロにするものです。2024年度には2020年度実績(約3,783 t-CO2)から約90%(約3,433 t-CO2)を削減できる見通しとなり、目標として掲げた「2030年度に2020年度比50%削減」を早期に達成する見込みです。
さらにグループ会社の㈱角川大映スタジオでも、調布スタジオで使用する全ての電力を2024年3月31日から実質的に再生可能エネルギーからなる電力に切り替えました。こうした活動をグループ各社に展開していくことを検討するとともに、「2050年度に実質ゼロ」の目標達成に向けて取組をさらに推進してまいります。
(3)人的資本に関する考え方及び取組
当社グループは、多彩なポートフォリオからなるIP(Intellectual Property)の安定的な創出と世界展開を推進するうえでの重要な基盤として人的資本を位置付けています。事業活動を行う国や地域における現地法令や労働基準を遵守し、従業員の権利を尊重しています。また、職場における差別や偏見、ハラスメントを許しません。従業員が多様な個性を認め合ってクリエイティビティを最大限に発揮できる環境こそが、グループの事業活動に不可欠であると考えています。
①ガバナンス
人的資本への対応については、取締役会の監督及びCEOとCHRO(Chief Human Resource Officer)のガバナンスの下で、各種施策の立案・実行を推進しております。個別の施策の実行にあたっては、事前にCHROを委員長、委員はCEO及び各部門のチーフオフィサーほかから構成される人事委員会の場で審議を行っています。また、取締役会の監督の下、執行役社長を委員長としたリスク管理委員会において、全社的なリスクマネジメントの一環として、人的資本に関するリスク分析と対策の審議を行います。
②戦略
当社グループでは公正かつ適正な労働環境の整備を前提とした上で、中期経営計画の基本戦略である「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進する基盤として、「クリエイティビティ」「モチベーション」「テクノロジー」を軸としたイノベーション推進を方針に掲げ、従業員が、モチベーション高く、クリエイティビティを最大限に発揮できる環境を実現し、グローバル人材を含む多様な人材の継続的な成長を促進するべく、様々な取組を行っています。
具体的には、リモートワークに適したICTツールの導入、就業場所を自由に選択できるワークプレイスチョイス制度の推進に加えて、在宅ワークや子育て、介護など、様々な福利厚生・休暇制度を拡充することで、従業員の個々の状況に応じた働きやすい環境づくりに取り組んでいます。2025年4月1日からは、産前産後休暇・育児休業・介護休業を取得した社員の業務をフォローする社員に月2万円の手当を支給する産育休・介護休フォロー手当を導入するなど、従業員がこれらの休暇制度をより活用しやすくなる風土づくりも進めてまいります。
具体的な施策については、当社ウェブサイトにて開示しております。
人材育成
https://group.kadokawa.co.jp/ir/esg/social/human_resource.html
働きやすい環境づくり
https://group.kadokawa.co.jp/ir/esg/social/working_environment.html
ダイバーシティ&インクルージョン
https://group.kadokawa.co.jp/ir/esg/social/diversity_inclusion.html
③リスク管理
全社的なリスク管理体制の下、さらに当社では人的資本の取組を進めるうえで、人事システムの活用、組織コンディション調査・従業員モチベーションアセスメント等の実施と併せて、社長へダイレクトで意見や質問を送ることのできるオンラインフォームの設置や、社長と全階層の社員が直に対話する場を設けることで、定量・定性の両面で経営戦略と人材戦略に関するリスク及び機会に対する課題を把握し、適切な目標設定と進捗管理を行うよう努めております。また経営陣は経営方針や各種施策の意図について、グループ向けビジネスチャットツールなどを介して、従業員に向けてダイレクトに発信する取組も行っております。
これからも従業員との対話などを通じて課題を抽出し、リスク・機会に対応しながら、引き続き戦略立案と実行に注力してまいります。
④指標及び目標
当社グループでは多くの女性が事業の中核を担っています(グループ女性従業員比率42.6%)。
女性活躍に関する具体的な指標としては、2025年3月31日時点、当社及び国内連結子会社を合わせた女性管理職の比率は20.7%となっており、2030年には30%を目指してまいります(当社グループでは、課長職以上の社員を管理職と定義しております)。なお、女性活躍に関する具体的な指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記の指標及び目標は、当社及び国内連結子会社のものを記載しております。
また、女性を含む全ての従業員の多様な働き方を支援するため、各種休暇制度や手当などを導入しております。当社事業の成長基盤となる多様な人材の成長と活躍に向けて、今後も継続して取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループのリスク管理体制
当社では、取締役会の監督の下、執行役社長を委員長とし、事業部門を始め各部門を統括するチーフオフィサーほかを委員とするリスク管理委員会(年2回)を設置し、全社的リスク管理体制を構築しております。リスク管理委員会では、リスクの発生懸念、発生状況を始め、当社グループを取り巻くリスクに関する情報の収集分析を行い、毎年、重点対応すべきリスクを選定し、対応を実施することで、リスクのコントロールを進めております。
(2)当社グループの主要なリスク
当事業年度において重点対応すべきリスクと位置付けたもののうち、主なものを記載しておりますが、その他のリスクについても、それぞれ対応を進めております。
社会環境に関するリスク
① 気候変動に伴うリスク
気候変動の影響は年々深刻さを増しており、経済・社会・環境に大きな影響を及ぼしています。
当社グループにおいても、将来、気候変動による電力、原材料などのコスト増や異常気象の激甚化などのリスク懸念があることに加え、社会の一員として持続可能な社会の実現に向けた責任を果たすことが求められております。
当社グループでは、気候変動への対応が社会の喫緊の課題であると認識し、温室効果ガス削減や省エネルギー化に取り組むなど、気候変動リスクへの対応を進めております。対応策の詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
企業運営に関するリスク
② 法令違反・コンプライアンス上のリスク
当社グループが行う事業では、様々な法の適用を受けており、適正な運用がなされない場合に法令違反が生じるリスクがあります。また、法令違反やコンプライアンスに反する事象が具体化した場合、社会的信用の低下などが発生し、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、コンプライアンス(法令等遵守)を重要な経営方針と位置づけ、コンプライアンス規程の制定や業務フローにおける法務チェック体制及び内部通報制度の整備とともに、従業員啓発の研修等を通じたコンプライアンスの推進により、贈収賄・インサイダー取引等を含む従業員の法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。
以上のようなリスクを認識した上で対応策を行ってまいりましたが、2024年11月12日に当社及び当社子会社の㈱KADOKAWA LifeDesignが下請法第4条第1項第5号(買いたたきの禁止)に違反する事実が認められたとして、公正取引委員会から下請法に基づく勧告を受けました。当社は、本勧告を真摯に受け止め、改めて下請法に関する社内研修の実施や類似取引案件の調査等を通じて更なるコンプライアンスの強化と再発防止に取り組み、法令遵守を徹底してまいります。
③ 業務環境におけるリスク
当社グループのDX推進、働き方改革において、インフラとしてのIT環境に対しては、これまで以上に依存度が高まってきており、業務に使用するサーバやネットワークの不良・事故・故障によるリスク、またサイバーテロによるデータの改ざん・搾取などによる情報漏洩のリスクがあります。
顕在可能性や発生時期については、予測できるものではありませんが、可能性としては起こり得るものです。
これらの事態が生じた場合には、業務の中断などの事態が生じ、回復までの期間が長期間に及ぶことになった場合には、当社グループの収益に影響が出てくる可能性があります。
対応策としては、IT環境の整備は、当社グループのDX推進、働き方改革において、必須の装備であり、今後の当社グループの継続的な成長のために必要なものとして、適切な規模・品質を確保しつつ、適時に投入していくよう努めてまいります。
以上のようなリスクを認識した上で対応策を行ってまいりましたが、2024年6月8日に当社グループのデータセンター内の㈱ドワンゴ専用ファイルサーバへのサイバー攻撃が発覚し、外部への情報漏洩が発生したことを確認いたしました。当社は、関係当局に必要な報告を行った上で、大手セキュリティ専門企業による助言及びチェックを基に、各種サーバ再構築や監視強化等システム面でのセキュリティ対応強化、標的型攻撃メール訓練や情報セキュリティに焦点を当てた社内コンプライアンステストの実施等、セキュリティ体制の一層の強化徹底を図り、再発防止策を推進しております。
特定の事業に関するリスク
④ 出版流通におけるリスク
ア.当社グループが製作・販売している紙の書籍、雑誌等の著作物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独占禁止法」という)第23条の規定により、再販売価格維持契約制度(以下「再販制度」という)が認められております。再販制度とは、一般的にはメーカーが自社の製品を販売する際に、「卸売業者がその商品を小売業者に販売する価格」「小売業者が消費者に販売する価格」を指定し、その価格(「再販売価格」という)を卸売業者、小売業者にそれぞれ遵守させる制度であります。独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法の1つであるとして原則禁止しておりますが、著作物については独占禁止法の特例として再販制度が認められており、この再販制度が廃止されるリスクがあります。
顕在可能性や発生時期については、公正取引委員会は2001年3月23日付「著作物再販制度の取扱いについて」において、「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべき」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」と指摘しており、当面、当該再販制度が維持されることとなっております。
影響度としては、当該制度が廃止された場合、出版業界全体への影響は大きく、当社グループの業績も大きな影響を受ける可能性があります。
対応策としては、再販制度に関する公正取引委員会の動向を注視し、また出版・IP創出事業においては、再販制度の対象外である電子書籍事業の拡大を推進するとともに、アニメ・実写映像事業、ゲーム事業を始めとする複数の事業領域を横断するビジネスを推進し、収益の最大化を目指してまいります。
イ.法的規制等には該当いたしませんが、再販制度と並んで出版業界における特殊な慣行として返品条件付販売制度があります。返品条件付販売制度とは、当社グループが取次及び書店に配本した出版物について、返品を受け入れることを条件とする販売制度であります。
当社グループではそのような返品に備えるため、過去の返品実績等に基づく将来返品見込額を返金負債として計上しております。ただし、この場合であっても、返品見込額と実際の返品受入額に乖離が生じた場合、当社グループの業績が影響を受けるリスクがあります。
顕在可能性や発生時期については、出荷額及び返品率が一定ではないため、常に発生し得ます。
対応策として、返品率そのものの低減を目指し、市場需要予測の精度向上や、計画刊行の推進に努めております。また、製造・物流を一体で行う最適な生産プロセス、物流システムの構築により、小ロット・適時製造・適時配送を本格稼働させ、返品率を改善してまいります。
なお、返金負債の算出方法及び算出に用いた主要な仮定並びに翌年度の財務諸表に与える影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 返金負債」に記載しております。
ウ.紙の出版市場が縮小を続ける状況下、業界を構成する企業や小売店舗において、信用力の低下リスクがあります。
顕在可能性や発生時期については、紙の出版市場が縮小を続けている中、常に発生し得ます。
影響度としては、顕在化した場合に、物流システムへの影響や、返品の増加などが発生する可能性があります。
対応策としては、こまめな与信管理の実施、また製造・物流を一体で行う最適な生産プロセス、物流システムの構築により、当社から小売店への直送を可能とする、自律的な物流配送システムの構築、拡大に努めております。
⑤ Webサービスにおけるリスク
Webサービス事業における動画コミュニティサービスでは、同様の動画投稿サイトやライブ映像配信サイトの参入、また映像コンテンツ権利元の動画配信サービスの参入など、今後も国内事業者及び海外事業者から多くの新規参入が予想され、激しい競争におかれるものと思われます。これら競合他社との競争において、サービス自体がユーザーのニーズに対応できず、利用者の増加が見込めない場合、当社グループの業績が影響を受けるリスクがあります。
現在、「ニコニコ」においては、月額有料会員(プレミアム会員)の減少が続いております。Webサービス事業では、引き続き斬新なアイデアや高いネットワーク技術力による他にはない魅力あるサービス・コンテンツの提供に努めてまいります。
⑥ 出版・映像・ゲーム等のIP創出・展開におけるリスク
ア.当社グループは、IPを安定的に創出し、それらを世界に広く展開することを中核とする「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略としております。出版・IP創出事業、アニメ・実写映像事業、ゲーム事業において、製品化、映像化にかかる過程でスケジュールの変動が生じることにより、市場への適切な投入時期を逸することや、製作コストが増加することで収益が悪化するリスク、また製品、作品が消費者のニーズに合致せずに売上が想定どおりあげられないリスクがあります。
顕在化可能性や発生時期については、恒常的にIP創出活動を行っており、個々の製品、作品毎に常に生じる可能性があります。
影響度については、特に映像作品、ゲーム作品については、製作に時間、コストがかかることから、作品1点あたりの影響度は、出版物に比べると相対的に高くなります。
対応策として、マーケットリサーチ、綿密な刊行計画のトレースや適切なプロジェクト管理に努めております。
イ.IP創出に際しては、制作作業の一部又は全部を外注する場合がありますが、成果物の納入が完了する前に、外注先が倒産するリスクがあります。
顕在化可能性や発生時期については、当社グループのIP創出活動において、外注は恒常的に発生することから、常に生じる可能性があります。
顕在化した場合、他社へ発注し直すことなどにより制作費が増額となることで収益が悪化したり、また制作が遅延することにより、市場への適切な投入時期を逸するといった影響が生じる可能性があります。
対応策として、外注先への発注の際に、適切な与信を設定し、継続的に与信管理を行うことにより、外注先の管理に努めております。
ウ.当社は、「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略としており、国内コンテンツの海外展開や海外コンテンツの日本国内展開を行っております。これらのコンテンツ展開に際しては、各国・地域での表現規制等各種規制の変化や対日感情の変化などが生じた場合、想定どおりの収益が上げられないリスクがあります。
顕在化可能性や発生時期については、該当地域における法規制の制定や、社会情勢の変化により生じてきます。
影響度としては、対象となる地域単位で発生することとなるため、特定の地域に対する依存度が高い場合には、影響度も高くなります。
対応策として、各地域の状況の早期把握に努めていくとともに、IPを様々なメディアを駆使して展開し、複数の事業領域を横断するビジネスを推進して、収益最大化を目指してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における業績は、売上高2,779億15百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益166億51百万円(前年同期比9.8%減)、経常利益177億42百万円(前年同期比12.3%減)となりました。なお、昨年6月に発覚した当社グループデータセンター内サーバへのサイバー攻撃に係るニコニコサービスのクリエイター補償及び調査・復旧作業等を特別損失として24億13百万円計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は73億92百万円(前年同期比35.1%減)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。
[出版・IP創出事業]
出版・IP創出事業では、書籍・雑誌の出版・販売、電子書籍・電子雑誌の出版・販売、Web広告の販売、権利許諾等を行っております。当事業においては、メディアミックス展開の重要な源泉として年間5,500タイトル以上の新作を継続的に創出しております。それにより蓄積されたタイトルは130,000以上にのぼり、この豊富な作品アーカイブが当社グループ成長の原動力となっております。
書籍・雑誌は、アジア及び米国での好調が継続したことを主因として海外事業が増収となりました。国内では新規IP数が増加し『パンどろぼうとりんごかめん』(児童書)や『よつばと!(16)』、『ファイブスター物語(18)』(コミック)等の新刊販売が貢献したものの、サイバー攻撃の影響を中心とした既刊の出荷減少を主因として、減収となりました。一方で、電子書籍・電子雑誌が他社ストア向け販売を中心に好調に推移したことに加え、ライセンス収入は遊技機向け等の貢献により増収となりました。
利益面では、海外事業やライセンス収入において増益となった一方、サイバー攻撃の影響を含めた国内紙書籍事業の減益や当事業の中長期的な成長を見据えたIP創出機能の更なる強化のための継続投資等により、セグメント全体で減益となりました。
この結果、当事業の売上高は1,513億67百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益(営業利益)は83億72百万円(前年同期比19.2%減)となりました。
[アニメ・実写映像事業]
アニメ・実写映像事業では、アニメ及び実写映像の企画・製作・配給、映像配信権等の権利許諾、パッケージソフトの販売等を行っております。
アニメでは、『《推しの子》』(《》は隅付き括弧)2期や『Re:ゼロから始める異世界生活』3期をはじめとした人気シリーズの国内・海外配信向けやゲーム・グッズ向けライセンス収入を中心として、好調だった前年同期をさらに上回る成長を実現しました。実写映像では、前年同期における劇場作品『首』、『カラオケ行こ!』、『マッチング』等の貢献が大きかったものの、それら劇場作品及び過去作品の配信向けライセンス収入の貢献等により、横ばいとなりました。
利益面では、上記アニメの増収影響等により、セグメント全体で増益となりました。
この結果、当事業の売上高は510億92百万円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益(営業利益)は47億29百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
[ゲーム事業]
ゲーム事業では、ゲームソフトウエア及びネットワークゲームの企画・開発・販売、権利許諾等を行っております。
㈱フロム・ソフトウェアが発売した『ELDEN RING』のダウンロードコンテンツ『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』の国内外の販売が好調に推移したことにより、同作本編のリピート販売も増加し、セグメント全体の業績を力強くけん引しました。
この結果、当事業の売上高は335億97百万円(前年同期比32.5%増)、セグメント利益(営業利益)は95億38百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
[Webサービス事業]
Webサービス事業では、動画コミュニティサービスの運営、各種イベントの企画・運営、モバイルコンテンツの配信等を行っております。
当連結会計年度においては、動画コミュニティサービスでサイバー攻撃によりニコニコ関連サービス全般が停止した影響が大きく、セグメント全体として減収となりました。
利益面では、イベントの企画・運営でコスト適正化の取り組み等が奏功し収益性が改善した一方、動画コミュニティサービスでの減収影響が大きく、減益となりました。
この結果、当事業の売上高は180億38百万円(前年同期比15.7%減)、セグメント損失(営業損失)は9億98百万円(前年同期 営業利益3億62百万円)となりました。
[教育・EdTech事業]
教育・EdTech事業では、専門校運営及びインターネットによる通信制高校等向けの教育コンテンツ・システム提供等を行っております。
クリエイティブ分野の専門校を運営する㈱バンタンでは、昨年4月に開校した新スクール「KADOKAWAアニメ・声優アカデミー」等や展開地域拡大の貢献により生徒数が増加し、増収となりました。また、㈱ドワンゴによるN高等学校・S高等学校向け事業では、同校の通学コース向け新キャンパス開設等により生徒数が引き続き増加し、堅調に推移しています。
利益面では、上記増収影響により、セグメント全体で増益となりました。
この結果、当事業の売上高は151億19百万円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益(営業利益)は23億82百万円(前年同期比37.9%増)となりました。
[その他事業]
その他事業では、キャラクターグッズ等の企画・販売を行うMD事業及びところざわサクラタウン等の施設運営事業等を行っております。
MD事業では海外でのグッズ売上やオンラインくじの好調等により、増収となりました。施設運営事業では全国主要都市で開催するIPイベントが好調に推移した一方で、大型のイベント運営受託があった前年同期から横ばいとなりました。またそれ以外の事業でも、収益性に鑑みた一部商材の仕入販売撤退やグループ内のDXを担う機能子会社におけるセグメント間の内部取引の減少等の影響が発生し、セグメント全体で減収となりました。
利益面では、MD事業が増収影響により増益となったことに加え、施設運営事業では前年同期に実施した減損による償却費の減少や継続的なコストコントロールにより収益が改善し、セグメント全体として赤字幅が縮小しました。
この結果、当事業の売上高は178億81百万円(前年同期比11.9%減)、セグメント損失(営業損失)は42億4百万円(前年同期 営業損失43億99百万円)となりました。
なお、当社は昨年6月のサイバー攻撃に係る影響発生以降、事業活動の復旧に全力で取り組んだ結果、出版・IP創出事業では、影響を受けていた既刊の出荷量が8月には平常時の水準に回復しました。また、Webサービス事業でも8月より複数の主要サービスが段階的に再稼働し、9月以降は概ね全面的に復旧しました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払等があった一方、税金等調整前当期純利益の計上等により、138億41百万円の収入(前年同期は82億98百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻等があった一方、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出等により、84億40百万円の支出(前年同期は34億94百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入等により、441億17百万円の収入(前年同期は658億円の支出)となりました。
以上の結果、為替換算差額も含めて498億32百万円の収入となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、1,296億74百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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出版・IP創出事業 |
(百万円) |
97,231 |
105.0 |
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アニメ・実写映像事業 |
(百万円) |
35,393 |
111.0 |
|
ゲーム事業 |
(百万円) |
14,821 |
110.0 |
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Webサービス事業 |
(百万円) |
13,918 |
93.8 |
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教育・EdTech事業 |
(百万円) |
7,581 |
128.2 |
|
その他 |
(百万円) |
14,831 |
91.8 |
|
合計 |
(百万円) |
183,778 |
105.1 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、受注高の販売高に対する割合が僅少であることから、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
出版・IP創出事業 |
(百万円) |
151,367 |
106.6 |
|
アニメ・実写映像事業 |
(百万円) |
51,092 |
110.9 |
|
ゲーム事業 |
(百万円) |
33,597 |
132.5 |
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Webサービス事業 |
(百万円) |
18,038 |
84.3 |
|
教育・EdTech事業 |
(百万円) |
15,119 |
112.9 |
|
その他 |
(百万円) |
17,881 |
88.1 |
|
合計 |
(百万円) |
287,096 |
106.9 |
(注)1.金額には、セグメント間の内部取引高を含んでおります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び当該見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」「収益認識に関する会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて697億18百万円増加し、4,100億29百万円となりました。これは主に第三者割当増資等により現金及び預金が増加したことや、保有株式の株価上昇により投資有価証券が増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて48億76百万円増加し、1,326億21百万円となりました。これは主に契約負債、支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて648億41百万円増加し、2,774億8百万円となりました。これは主に配当金の支払があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び第三者割当増資等により株主資本が増加したことによるものであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
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2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
|
自己資本比率 |
47.2% |
52.8% |
52.9% |
56.0% |
60.9% |
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時価ベースの自己資本比率 |
102.7% |
137.8% |
102.8% |
104.8% |
127.0% |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
4.2年 |
3.0年 |
3.8年 |
3.1年 |
2.0年 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
161.6倍 |
211.5倍 |
139.5倍 |
118.1倍 |
186.9倍 |
(注)1.各指標の算出は、以下の算式を使用しております。
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自己資本比率 |
:自己資本 ÷ 総資産 |
|
時価ベースの自己資本比率 |
:株式時価総額 ÷ 総資産 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
:有利子負債 ÷ 営業キャッシュ・フロー |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
:営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い |
2.上記各指標は、連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(b)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備投資を目的とした資金需要の主なものは、出版・IP創出事業における自社電子書籍サイトの機能拡張及び教育・EdTech事業におけるシステム開発等によるものであります。
(c)財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。手元流動性につきましては、月次売上高の約2.5か月分を目安に運転資金を確保しており、これに今後の資金需要等を加味した金額を、保持すべき現預金水準として設定しております。
短期運転資金は基本的に自己資金より充当し、設備投資資金や長期運転資金につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境を勘案の上、金融機関からの長期借入や社債発行及び株式発行により適宜調達を行っております。
また、2028年3月期までの中期経営計画における財務基本方針として、財務健全性確保と資本効率追求を両立すべく、自己資本比率50~60%程度を今後も維持すべき適正水準として設定するとともに、ROE(自己資本利益率)は中長期的に12%以上を目指すことを掲げております。
なお、現金及び預金と有利子負債の推移は、以下のとおりであります。
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2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
2025年 3月期 |
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現金及び預金 (百万円) |
79,042 |
123,931 |
167,219 |
105,351 |
145,494 |
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有利子負債 (百万円) |
65,669 |
65,701 |
65,893 |
25,832 |
27,278 |
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社は、当連結会計年度においてソニーグループ㈱と資本業務提携契約を締結しております。
(1)資本業務提携契約の内容
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契約締結日 |
契約締結先及び住所 |
内容 |
業務提携の内容 |
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2024年12月19日 |
ソニーグループ㈱ (東京都港区港南1-7-1) |
第三者割当増資による 新株式の発行 |
①グローバルなコンテンツ領域の優良事業分野への共同出資 ②UGCプラットフォームを利用した新たなクリエイターの発掘 ③両社のIPの更なるメディアミックスの共同推進(出版化、アニメ化及び商品化を含む。) ④当社のIPのソニーグループによるグローバルでの実写映画及びドラマ化並びにグローバルでの流通 ⑤共同幹事・共同制作によるアニメ作品の制作 ⑥当社のアニメ作品及びアニメ関連商品のソニーグループによるグローバル流通の更なる拡大 ⑦バーチャルプロダクションの促進と普及のための人材育成 ⑧当社のゲームのパブリッシングの更なる拡大 ⑨当社の漫画を含む出版物のソニーグループによる電子書籍としての配信 |
(注)当連結会計年度末日現在において、ソニーグループ㈱が保有する当社の株式数は14,899,050株であります。
(2)企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意
①保有株式の譲渡等の禁止・制限の合意
本第三者割当増資によってソニーグループ㈱が取得する株式については、本第三者割当が実行された日から1年間、当社による事前の書面による同意なく第三者に譲渡しない旨を合意しております。
また、ソニーグループ㈱は、当社による事前の書面による同意なく当社普通株式を出版事業、アニメ事業及びゲーム事業を営む第三者(当社グループと実質的な競合関係にある者に限る。)に原則として譲渡しない旨を合意しております。
本資本業務提携契約の実効性を担保するとともに、両社間の長期的な関係を維持するため、取締役会で慎重に議論・検討を行った結果、当該合意に至りました。
②株式の保有比率の維持の合意
当社による株式の発行その他の行為(役職員に対する報酬又はインセンティブを目的として実施するものを除く。)がソニーグループ㈱の株式保有割合の減少を伴うものである場合、ソニーグループ㈱がその株式保有割合を維持するために必要な株式を引き受けることができる旨を合意しております。
本資本業務提携契約の実効性を担保するとともに、両社間の長期的な関係を維持するため、取締役会で慎重に議論・検討を行った結果、当該合意に至りました。
企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意について、2024年4月1日以前に締結された契約については記載を省略しております。
当社グループでは、主にゲーム事業において新規ゲームの研究開発をしております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は