第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<目標とする経営指標>

 当社グループは、2024年5月14日に公表しました「中長期経営戦略 2030」において、事業規模を拡大し、資本コストを上回るリターンを創出することで、2030年3月期に売上高3,000億円、営業利益率10%を達成することを目指しています。また、収益性の向上、資産効率性の向上、健全な財政状態の3つの観点から、継続して自己資本利益率(ROE)11%以上を維持していきます。さらに、株主価値の持続的な向上および株主に対する安定的な利益還元を実施していくことを経営の重要課題の一つとして認識しております。2030年3月期に向けて、これらを含む次の具体的な指標を掲げ、株主の皆様への適正な還元策を講じ、健全な経営を維持していきます。

 

♢ 営業利益率 10%目標

♢ 一株当たり純利益(EPS)成長率 継続10%以上

♢ 自己資本利益率(ROE)継続11%以上

♢ 自己資本比率 50%程度

♢ 総還元性向 原則50%

♢ 株価純資産倍率(PBR)3倍目標

 

<経営環境>

当社グループを取り巻く経営環境は、日本国内では雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復が期待される一方で、米国の通商政策による仕入価格の上昇や世界経済の下振れ懸念、金融資本市場の変動等による影響など、先行きの見通しが難しい状況で推移するものと思われます。

 

[中長期経営戦略 2030]

(事業戦略)

 玩具市場においては、日本IPの海外人気の高まりによるインバウンド需要や大人向けの消費が拡大しており、少子化が進行する日本においても市場規模は拡大しています。このような中、成長ドライバーとなる年齢軸・地域軸の拡大を進めるにあたり、当社グループの強みであるロングセラーブランドを最大限に活用するとともに、ブランド価値の向上や玩具外収入の拡大、デジタルテクノロジーの活用を図ることで、成長をサポートしてまいります。

 

重点戦略

・年齢軸の拡大

 当社グループは「トミカ」「プラレール」をはじめ、「ベイブレード」「デュエル・マスターズ」「トランスフォーマー」といったロングセラーブランドを多数保有・展開しているため、幅広い年齢層へのアプローチができています。「トミカ」「プラレール」では、細部にまでこだわった大人向けシリーズ「トミカプレミアム」「プラレール リアルクラス」を展開することで、子どもだけでなく大人へも人気が拡大しています。また、「ベイブレード」では、幅広い世代に向けたメディアミックス展開や年齢制限のないイベントの開催等によりファン層が広がっています。さらに、「デュエル・マスターズ」においては、トレーディングカードゲームに加え、2019年に展開開始したスマートフォン向けアプリ「DUEL MASTERS PLAY’S」の人気が拡大しています。また、年齢軸拡大に向けた新たな取組みとして、2024年にホビーレーベル「T-SPARK」を立ち上げ、「トランスフォーマー」「ZOIDS」をはじめとした当社グループが持つロボット・メカ技術を集結させたハイターゲット向けの商品展開を拡大してまいります。

 このように、それぞれのブランドが持つ特徴を最大限に活かし、ターゲット年齢層へのアプローチを強化することで、年齢軸の拡大を図ってまいります。

 

・地域軸の拡大

 当社グループが保有するブランドパレットを用いて、ブランドごとに適した地域に集中的に投資してまいります。アジア・欧米豪は地域軸の拡大を図る上で重要拠点として位置付けています。例えば、中国では「トミカ」、北米は「ぬいぐるみ」「フィギュア」を中心に展開するなど、地域ごとに適したブランドを投入することで、事業機会と事業規模の拡大を図ります。

 短期的には、外部環境の変化を鑑み、アジアでの地域軸の拡大を優先して取組みます。2024年9月には「TOMICA BRAND STORE」を中国上海市にオープンし、中国における「トミカ」ブランドのさらなる浸透を進めました。また、タカラトミーアーツが手掛けるアミューズメントマシンのアジア展開の拡大を進めました。

 北米においては、「BEYBLADE X」の展開に加え、キャラクター商品を中心とした「ぬいぐるみ」「フィギュア」の展開拡大を図ります。

 キデイランドにおいては幅広いキャラクター商品を取り揃えたトレンド発信基地として、訪日外国人観光客から高い支持を受けています。

 今後も、地域ごとに適したブランド展開を実行することで、地域軸の拡大を図ってまいります。

 

・主要国でのヒットとシェア拡大

 当社グループの強みは、グローバルに通用するブランドと主要国でヒット創出が可能な企画力や開発力、商品化技術があることです。それに加え、お客様視点で差別化されたマーケティング・ブランド戦略を通してシェア拡大を図ってまいります。

 

・ブランド価値の向上

 年齢軸・地域軸の拡大を進めるには、高いブランド価値と、その価値に共感していただけるファンの方々の存在が不可欠です。2024年から展開の次世代トイ&プレイパーク「タカラトミープラネット」は、タカラトミーのおもちゃの世界観をデジタルの力で拡張した“次世代のアソビ”を通して、ブランド価値の向上を図っています。今後も「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」「ベイブレード」をはじめとした自社ブランドの価値を高めるとともに、ファンコミュニティを構築することで年齢軸・地域軸の拡大を図ります。さらに、自社ブランドだけでなくパートナーブランドに対し、当社グループの企画力や開発力、商品化技術力を掛け合わせることによるブランド価値の向上も図ります。キデイランドでは、売場を通じた新たなキャラクターの発掘・育成をすることでブランド価値の向上を図ってまいります。

 

・玩具外収入の拡大

 「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」「ベイブレード」をはじめとしたブランドのライセンシング事業を展開している他、カードゲームアプリ「DUEL MASTERS PLAY’S」や、ロングセラー盤ゲーム「人生ゲーム」のNintendo Switch専用ソフトなど玩具外収入が増加しています。また、「トミカ博」「プラレール博」をはじめとするイベント事業も収益拡大に貢献しています。今後もデジタルやイベントをはじめとした玩具外収入の拡大を図ってまいります。

 

・デジタルテクノロジーの活用

 これら重点戦略の実行において、デジタルテクノロジーの活用を進めてまいります。

 スマートフォン向けアプリやゲーム機器、D2C(Direct to Consumer)型販売チャネルやSNSなど、デジタルサービスやインフラを活用してまいります。また、メディア・アナリティクス・マーケティングオートメーション等のデジタルリソースを最大限に活用し、マーケティング施策の最適化を図ってまいります。

 

(コーポレート戦略)

 事業戦略と相互に連携し、中長期経営戦略の土台となるものがコーポレート戦略です。

 財務・製造・知的・人的・社会関係・自然といった各種資本の戦略的な活用・増大によって、企業価値向上を図ってまいります。財務の観点からは、収益性向上(資本コストを意識しつつROEを向上させる)や株主還元(配当・自己株式取得)を行い、健全な財政状態を維持し、株主価値の最大化を追求します。

 

・株主還元(配当・自己株式取得)

 株主価値の持続的な向上および株主に対する安定的な利益還元を実施していくことを経営の重要課題の一つとして認識しております。経営基盤の強化と利益率の向上に努めるとともに、配当や自己株式の取得を通じた株主還元策を実施してまいります。

 2030年3月期に向けて、次の具体的な指標を掲げ、株主の皆様への適正な還元策を講じ、健全な経営を維持してまいります。

 

♢ 営業利益率 10%目標

♢ 一株当たり純利益(EPS)成長率 継続10%以上

♢ 自己資本利益率(ROE)継続11%以上

♢ 自己資本比率 50%程度

♢ 総還元性向 原則50%

♢ 株価純資産倍率(PBR)3倍目標

 

・人財戦略

 当社グループにとってアソビの創造に関わる人財は重要な人的資本です。2025年3月期においては、幅広い分野からの人財獲得をグローバルに進めるなど人的資本における多様性や専門性の強化に加え、ジョブ型人事制度への改定や出産育児祝い金制度の新設をはじめとした両立支援の拡充を行うなど、持続的な成長を推進するための体制整備を行いました。今後についても、PurposeとVisionに基づき、従業員のウェルビーイングの向上を実現するとともに、企業としての持続的な成長を実現する組織風土を一層強固なものにしてまいります。

 

・知的財産(IP)戦略

 当社グループにとって知的財産は、重要な経営資本です。「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」「ベイブレード」をはじめとした多くの主力ブランドについて、知的財産権により積極的に保護しており、国内でも有数の登録件数を維持しています。

 引き続き「アソビIPを守ること」「アソビIPの侵害に備えること」「アソビIPを育てること」の3つの方針のもと、IPを最大限活用してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティの考え方

 タカラトミーグループは、創業100周年の節目に、社会における存在意義を改めて見つめ直し、新たにパーパスを策定しました。そして、このパーパスを実現するための第一歩として、経済価値を追求するビジネス・ビジョンと、社会価値の向上を追求するサステナビリティ・ビジョンを定めました。

 

 当社グループの経済価値の向上はもとより、グローバル社会の一員として、持続可能な社会の実現に向けた取組みを通じて社会価値の向上を追求していくことが、当社グループのビジネスをよりサステナブルなものとし、持続的成長と中長期的な企業価値の向上につながると考えております。

 

<Sustainability Vision 2030(社会価値の向上)>

「アソビへ懸ける品質は、持続可能なウェルビーイング向上にグローバルで貢献できる。」

 

 サステナビリティ・ビジョンを実現するために、私たちは、従業員が惜しみなくアソビへ情熱を注ぐ環境を整備し、高品質のアソビを提供していきます。私たちの責任はお客様の安心・安全にとどまらず、地球環境への影響や、人権の尊重へ配慮し、健全な経営体制により、持続可能な社会の実現と当社グループの成長の両立を目指し、世界に向けて価値を提供していきます。

 

(2)サステナビリティの取組

①ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ経営をこれまで以上に積極的に推進するため、2024年7月より、代表取締役社長の諮問機関として「サステナビリティコミッティ」を設置し、サステナビリティ課題への取組みを実行しております。サステナビリティコミッティでは、グループのサステナビリティに関する取組みを総合的に把握し、広範囲かつ多様な見地から課題や取組みの方向性について審議します。中期サステナビリティ目標・KPIのうち、特に横断的な取組みが必要なテーマでは、サステナビリティコミッティが統括するテーマ別タスクフォースを設置し、担当執行役員とグループ横断の多様なメンバーによって、取組みの実行・推進・新たな提案をしております。テーマ別タスクフォースの進捗は、年に2回開催するサステナビリティコミッティにて報告され、サステナビリティコミッティでの指示・モニタリングを通じて取組みの強化を図っております。

サステナビリティコミッティで議論された内容は、必要に応じて取締役会又は常務会に報告・具申を行います。

 

<サステナビリティ推進体制図>

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  2024年度のサステナビリティコミッティにおける議題

開催日

議題

第1回(2024年7月30日)

・中期サステナビリティ目標・KPI(FY2024-2026)の3か年単年度目標とロードマップの報告

第2回(2025年2月4日)

・中期サステナビリティ目標・KPI(FY2024-2026)の進捗報告

・各タスクフォースからの報告

①サステナブル調達、②人権DD、③環境(エコデザイン)、④環境(気候変動)、⑤DEI

 

②戦略

 <パーパスに基づくサステナブル経営>

 タカラトミーグループは、創業100周年の節目に、社会における存在意義を改めて見つめ直し、新たにパーパスを

策定しました。

 

<Purpose(存在意義)>

 「アソビへ懸ける品質は、世界を健やかに、賑やかにできる。」

このパーパスのもと、経済価値を追求するビジネス・ビジョンと、社会価値の向上を追求するサステナビリティ・ビジョンを新たに制定いたしました。これらのビジョンに基づき、当社が持つ多様なブランドパレットは、統一されたビジョンのもとで事業戦略が実行されています。また、事業戦略を支えるコーポレート戦略によって、安全性と積極性を兼ね備えた事業運営を行っていきます。

 当社グループの経済価値の向上はもとより、グローバル社会の一員として、持続可能な社会の実現に向けた取組みを通じて社会価値の向上を追求していくことが、当社グループのビジネスをよりサステナブルなものとし、持続的成長と中長期的な企業価値の向上につながると考えております。

 

<当社グループのマテリアリティ特定プロセス>

 マテリアリティの特定にあたっては、まず、当社グループが取り組むべき課題について、経営・事業面の重要課題、

SDGsやグローバルコンパクトなどの国際的規範(イニシアティブ)、従業員、投資家、子どもたちなどのステークホルダーから寄せられた期待・要請、調査機関などからのサステナビリティに関連する調査項目、その他当社グループや業界を取り巻く外部環境動向を踏まえ、「24の重要課題候補」として整理しました。次にこれらの重要課題候補について、「当社グループにおける重要度」「ステークホルダーにとっての重要度」の2軸による重要性評価を、グループ会社役員が参加する役員勉強会で行いました。その結果、18の課題が重要であると評価されました。この結果を元に、社内で議論を重ね、外部有識者とのダイアログを踏まえ、当社グループのマネジメントや業務とのつながりを総合的に考慮し統合、11のマテリアリティを特定しました。

 

<マテリアリティに対する主なアクション>

 当社グループでは我々の情熱と責任からなる5つの主題(Ⅰ~Ⅴ)を新たに設定し、5つの主題における2030年に向けた約束と11のマテリアリティを特定し取組みを進めております。

 

●我々の情熱

主題Ⅰ.アソビを通じて“健やか”で夢のある社会づくりへの貢献

(2030年に向けた約束)

私たちは、おもちゃやアソビを通じて、子どもから大人まで広範な世代の人々に「ワクワク・驚き・感動・笑顔」、そして「未来へのワクワク」を創出することを目指しています。地域社会との共存・共栄の理念に基づき、家族と地域コミュニティとの結びつきを促進し、社会の持続可能なウェルビーイングの向上に貢献します。

 

 1.アソビを通した豊かな社会への貢献

    事業を通じて直接的に貢献できるSDGs

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主題Ⅱ.世界中で注目され愛されるアソビを作り出す仕事に夢中になれる職場

(2030年に向けた約束)

世界中のお客様のウェルビーイングを向上させ、世界中で愛されるアソビのコンテンツを持続的に創出するために、私たちは従業員のウェルビーイングの向上を重要視しています。従業員一人一人が自走的に持続的な成長ができる組織を目指し、個々のパフォーマンスを最大限に引き出し、革新的なアイディアが生まれやすくなるよう、DEI(多様性、公平性、包摂性)と職場における人財開発の推進をしながら従業員のウェルビーイング向上に努めてまいります。

 

 2.従業員のウェルビーイングの向上

 3.従業員の成長

    事業を通じて直接的に貢献できるSDGs

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●我々の責任

主題Ⅲ.高い品質の確保

(2030年に向けた約束)

子どもたちをはじめとするお客様の笑顔のために、アソビの安心・安全・品質の確保を第一とします。特に健康や環境

への影響に十分に配慮する必要がある有害化学物質の管理に努めていきます。最高品質のアソビの創造と責任あるマーケティング・コミュニケーションを通して、お客様満足度の向上を目指します。

 

 4.安心・安全・高品質なアソビ

 5.お客様とのつながり

    事業を通じて直接的に貢献できるSDGs

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主題Ⅳ.地球環境との共存

(2030年に向けた約束)

100年先も子どもたちが“笑顔”で遊べる環境を守るため、グループのバリューチェーン全体で、気候変動への対応、商品・パッケージのエコデザインを推進し、おもちゃ・アソビのサーキュラーエコノミーの構築を目指します。

 

 6.気候変動への対応

 7.パッケージ・商品のエコデザインの推進

    事業を通じて直接的に貢献できるSDGs

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主題Ⅴ.健全な経営

(2030年に向けた約束)

子どもたちに対して、胸を張れる大人としてコンプライアンス意識を持って行動し、バリューチェーン全体で不正や環境破壊、人権侵害を起こさないよう、持続可能な調達マネジメントの推進を行います。企業価値の向上を図る上で知的財産(IP)の管理を図り、企業価値の毀損を避けるべくリスクマネジメントを推進します。サステナビリティを踏まえた経営をタカラトミーグループ全体で推進します。

 

 8.人権の尊重

 9.持続可能な調達

 10.アソビづくりを支えるガバナンス

 11.アソビづくりを支えるリスクマネジメント

    事業を通じて直接的に貢献できるSDGs

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③リスク管理

 当社グループは、コンプライアンス体制及びリスク管理体制の充実、徹底を図るため、リスク/コンプライアンス委員会を設置して、リスク/コンプライアンス上の重要な問題を審議し、その結果を取締役会に報告する体制を採っております。また、サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ部門が中心となり、中期サステナビリティ目標・KPI達成に大きな影響を及ぼすリスクを特定・評価を行い、そのリスク低減をおこなうため、各サステナビリティタスクフォースや関連部門と連携しながらリスク管理を実施しております。サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティコミッティへ適時報告を行い、指示・モニタリングを通じて取組みの強化を図ってまいります。

④指標及び目標

 特定したマテリアリティに沿って、以下の中期サステナビリティ目標・KPI(FY2024-2026)が設定されています。

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中期サステナビリティ目標・KPI(FY2024-2026)の進捗については、サステナビリティコミッティへ適時報告を行い、指示・モニタリングを通じて取組みの強化を図ってまいります。今後も、当社グループの事業そのものが今まで以上に社会に貢献できるよう努めてまいります。

 

中期サステナビリティ目標・KPIの2025年3月期の実績については「サステナビリティサイト」をご確認ください。

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/ourjourney/

 

(3)気候変動への対応

 当社グループは、マテリアリティの1つに「気候変動への対応」を特定し、事業活動における環境負荷の低減や、エコトイ等の環境に配慮した商品の企画・開発、さらにそれらを通じて子どもたちにグリーン購入を啓発する次世代教育支援など、気候変動への理解と対策へのアクションを推進しています。特に脱炭素社会に向けた社会の変革は、当社グループのビジネスに影響するとともに、サステナビリティ・ビジョン実現のために重要なテーマだと認識しています。

 当社グループではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース / Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に基づいた「ガバナンス」「戦略(リスクと機会)」「リスク管理」「指標と目標」の開示を推進してまいります。

 

①ガバナンス

 当社グループの気候変動対応を含むサステナビリティ課題については、2024年7月より、代表取締役社長の諮問機関として「サステナビリティコミッティ」を設置し、課題への取組みを実行しております。サステナビリティコミッティではグループのサステナビリティに関する取組みを総合的に把握し、広範囲かつ多様な見地から課題や取組みの方向性について審議いたします。横断的な取組みが必要な気候変動関連の課題は「環境タスクフォース」で議論し、推進しております。

 

②戦略(リスクと機会)

 当社グループでは、気候変動及びそれに付随する様々な影響により生ずるリスクと機会を以下のように特定しました。今後、中長期的な視点で事業への影響と戦略立案を、サステナビリティコミッティが統括する部門横断の「環境タスクフォース」が中心となり議論してまいります。

 

・移行リスク

 お客様や流通、小売り、ライセンサーから環境負荷の低い製品の要請が高まることにより、原材料変更によるコスト増が考えられます。加えて、子どもたちの安全のために当社グループが定めた品質基準を代替素材が維持することができない場合の競争力の低下、プラスチックが主原料である玩具の評判の低下等のリスクが考えられます。また、法規制として、炭素税や排出権取引制度の導入によるエネルギー価格の上昇、プラスチックや資源循環に関する規制が強化されることによる商品設計、製造工程、サプライチェーンの見直しや廃棄に関するコストの増加が想定されます。

 

・物理的リスク

 自然災害がますます甚大化し、災害発生時の生産拠点やパートナー、販売店舗への損害や生産・事業活動の停止、物流網の寸断による販売機会の損失や物流の代替手段によるコストの増加が想定されます。気温上昇が続くと、玩具使用に適した原材料の変更、品質確保のために空調コストの増加、猛暑日(熱中症警戒アラート発表日)の増加による外出自粛の影響から、実店舗への来店やトミカ・プラレール博などのイベントに来場される子どもたち・お客様の数が減少する可能性も考えられます。また、海面上昇による自社拠点やサプライチェーンの見直しの必要性も想定されます。

 

・機会

 石油由来プラスチックから環境負荷の低い原材料への代替に成功した場合は、お客様や流通小売、ライセンサーからの期待に応えることができ、競争優位性につながると考えます。また、脱炭素社会に移行する中で、お客様のサステナビリティ意識の高まりにより、当社の環境配慮商品(エコトイ)や次世代教育支援活動(環境教育)への支持・共感をさらに獲得できることが期待されます。また、猛暑日(熱中症警戒アラート発表日)の増加による外出自粛の影響から、EC事業による売上の拡大やデジタルイベントの拡大による顧客層獲得機会の創出も考えられます。事業所や生産拠点、店舗において、災害時の事業継続マネジメントを向上させることにより、物理的リスクの回避、事業所への出社・在宅ワークなどの特性を活かした業務遂行、製品の安定供給ができると考えております。これらの環境負荷低減の取組みを進めることで、CO2などの温室効果ガスの削減につながると想定されます。

 

・シナリオ分析に基づく財務影響評価

 当社グループでは、重要度の高かったリスク・機会とその影響、及び2030年時点の当社グループのビジネス・戦略のレジリエンスなどを検討するために、シナリオ分析を実施しています。

シナリオ分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル / Intergovernmental Panel on Climate Change)やIEA(国際エネルギー機関 / International Energy Agency)などが公表する複数のシナリオを参照し、2100年までの平均気温の上昇が1.5℃未満の場合(1.5℃シナリオ)と、4℃(4℃シナリオ)の場合について、2030年における当社グループへの影響を検討しました。

 

(主に参照したシナリオ)

シナリオ

主に参照したシナリオ

1.5℃シナリオ

SSP1-1.9シナリオ(IPCC,2021)

Net Zero Emissions by 2050シナリオ(IEA,2021)

4℃シナリオ

SSP5-8.5(IPCC,2021)

Stated Policyシナリオ(IEA,2021)

 

  ▼リスク・機会の財務影響度評価結果

移行リスク

想定される影響の概要

事業への影響

推進中もしくは検討中の対策

1.5℃

シナリオ

4℃

シナリオ

玩具の主な原料であるプラスチックの代替素材への変更

プラスチック・資源循環に関する規制強化、情報開示要請の強化、法規制対応不十分による罰金、玩具の主な原料であるプラスチックの代替素材への変更など

・石油由来プラスチックの代替素材の検討

・プラスチック廃棄物の削減など

エネルギー価格や物流価格の高騰

炭素税・排出権取引制度の導入、原材料をはじめとする石油由来プラスチックの価格やエネルギー・物流価格の高騰など

・CO2排出量の管理及び低減策の実施

・代替素材の検討など

サプライチェーンの見直し(商品設計、製造工程)

脱炭素、脱石油由来プラスチックに伴う既存のサプライチェーンの見直し(商品設計、製造工程)、チャネルの変化(リユース市場拡大)による新製品販売の機会損失の可能性など

・石油由来プラスチックの代替素材や再生しやすい商品設計の検討

・新規顧客・セグメントの拡大

など

プラスチックが主原料であることによる評判低下

ライセンサー、流通からの要請の強化に対応しきれなかった場合の機会損失、プラスチックが主原料であることによる消費者からの評判低下、投資家や金融機関からの脱炭素・脱石油由来プラスチック選好による投融資の減少など

・自社持続可能な調達の推進

・石油由来プラスチックの代替素材の検討

・脱炭素・脱石油由来プラスチックに係る情報開示の更なる拡充など

 

 

 

 

 

 

物理リスク

想定される影響の概要

事業への影響

推進中もしくは検討中の対策

1.5℃

シナリオ

4℃

シナリオ

自然災害による自社拠点やパートナーの機能停止

自然災害による自社拠点への損害、自然災害による委託先への影響

・影響を受ける可能性がある拠点や委託先への対策や当社グループBCPのアップデートなど

自然災害による物流網寸断(販売機会の損失、代替物流のコスト増)

自然災害による物流網の寸断(販売機会の損失、代替物流のコスト増)、自然災害による営業停止による販売機会減少

・物流や店舗におけるBCPの更なる強化

・EC事業拡大など

猛暑日(熱中症警戒アラート発表日)の増加により、実店舗やイベントに来られる子どもたち・お客様の減少

気温上昇に対する品質維持コストの増加、猛暑日の増加により、実店舗やイベントに来られる子どもたち・お客様の減少、猛暑による従業員への影響など

・イベントにおける猛暑日対応の強化、安全性の更なる確保

・気温上昇に対する品質維持等、熱に強い代替素材の検討など

海面上昇による自社拠点やサプライヤーの見直し

自社拠点やサプライチェーンの見直し

・海面により影響を受ける可能性のある自社拠点等の見直しなど

 

機会

想定される影響の概要

事業への影響

推進中もしくは検討中の対策

1.5℃

シナリオ

4℃

シナリオ

環境に負荷の少ない代替素材への変換の成功による競争優位

省エネルギーの徹底、再生エネルギーへの転換、環境ブランド確立による競争優位の獲得など

・石油プラスチックの代替素材の

検討

・省エネルギーの徹底・再生エネルギーへの転換など

お客様のサステナビリティ意識の高まりによる、環境配慮商品(エコトイ)や次世代教育支援活動(環境教育)の支持・共感の獲得

環境ライフスタイルの変化に伴う新製品/新サービスの市場の拡大、気候変動適応型の商品の売上の増加、教育関連市場の拡大など

・消費者ライフスタイル変化に合わせたサービスの提供やLTV(Life Time Value)の向上

・環境配慮型商品やサービスの更なる拡充など

EC事業による売上の拡大やデジタルイベントの拡大による顧客層獲得機会の創出

ビジネスモデルの変更によるコスト構造の改善と環境負荷の低減など

・EC事業拡大や事業構造の再検討

・デジタルイベントの検討など

環境マネジメントによる環境対応の成功と開示拡充による企業価値の向上

環境マネジメントによる環境対応の成功と、開示拡充による企業価値の向上、在宅ワークなどの特性を活かした業務遂行によるコストの低減、生産性の向上など

・環境マネジメントの推進など

自然災害の適応力向上による物理的リスクの回避

自然災害への適応力の向上による物理的リスクの回避など

・影響を受ける可能性がある自社拠点における対策やBCPのアップデートなど

 

<影響度について>

 小:当社グループの事業及び財務への影響が軽微であることが想定される

 中:当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される

 大:当社グループの事業及び財務への影響が大きくなることが想定される

 

 ※当社の現在の見通し、目標、計画、戦略など将来に関する記述が含まれておりますが、分析時点の仮定によるものであり、各国の政策や国際情勢・社会的混乱など様々な要因により、見通しとは大きく異なることがあります。

将来における当社の実際の業績又は事業展開を確約したり、保証するものではありません。

 

 

③気候変動関連のリスク管理

 当社グループでは、気候変動を含む環境課題に係るリスクについて、サステナビリティコミッティが統括する部門横断の「環境タスクフォース」で検討を行い、戦略策定や業務執行部門・グループ会社との共有を図っています。

 当社グループでは、これまでも、事業を通じた環境への取組みや、事業継続計画(BCP)を策定し有事の際のリスクの防止や低減への対策を行っています。

詳細は、下記の関連リンクをご参照ください。

 

・事業継続計画(BCP)

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/organizational_governance/bcp.html

・事業活動を通じた環境への取組み

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/environment/business.html

・パッケージ・商品のエコデザインの推進

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/environment/toys.html

 

④指標と目標

 当社グループでは、スコープ1、スコープ2及びスコープ3を算定し、管理を行っております。脱炭素社会の実現に向け、タカラトミーグループは、2030年にCO2排出量(スコープ1+2)を2022年度対比で50%削減すること、2050年にはCO2排出量実質ゼロを目指す長期目標を設定しました。また、2030年までに購入電力の40%を再生可能エネルギー由来の電力にすることを目標として掲げ、CO2排出量削減の取組みを推進してまいります。

 

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   ※2022年度及び2023年度のCO2排出量データ(スコープ1+2)は、第三者保証を受けております。

   第三者保証の詳細につきましては、下記の関連リンクをご参照ください。

   https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/esgdata.html

 

(4)人的資本に関する戦略

①ガバナンス

 タカラトミーグループでは、パーパスとビジョンに基づき、「アソビの創造に関わる国内外グループの人財」を重要な人的資本として特定するとともに、サステナビリティの主題のひとつに「世界中で注目され愛されるアソビを作り出す仕事に夢中になれる職場」を掲げ、マテリアリティに「従業員のウェルビーイングの向上」「従業員の成長」を特定し、人的資本経営を進めています。

 

1.人的資本に関わるガバナンス

 代表取締役社長が議長を務める経営会議(常務会)で、人事・組織改編・職場環境などに関わる事項の審議及び意思決定を行っています。内容の重要性や社内外への影響度合いに応じて取締役会で決議や報告を行っています。また、代表取締役社長が議長を務めるサステナビリティコミッティでは、グループの人的資本に関する取組みを総合的に把握し、広範囲かつ多様な見地から課題や取組みの方向性について審議いたします。

 

2.業務の執行体制

 当社グループの人財戦略の立案・推進は、当社の人事部門が担っております。当社の人事部門は、当社グループ会社各社の管理部門と、定期的に意見交換及び情報共有する場を設け、当社グループ全体で人財戦略を着実に推進・実行できる体制を整えています。

 従業員のウェルビーイングの向上においては、人事部門にDEI推進部門を設置し、サステナビリティ目標達成に向けた各種施策や取組みを強化していく体制を整えています。多様な働き方の推進、働きがいのある職場環境のための制度づくりや取組みを行い、制度説明会の実施や社内掲示板での周知を行い社内浸透を図っています。また、新たに導入した制度のモニタリングを行い、運用の改善を行っています。

 従業員の成長においては、人事部門に人財開発・育成を推進する人財開発部門を配置し、「中長期経営戦略2030」で策定したビジネス・ビジョン、サステナビリティ・ビジョン達成に向けた各種施策や取組みを強化していく体制を整えています。当社グループでは、従業員一人一人の能力の最大化を支援し、自走的に持続的な成長ができる教育体系の整備・拡充に取り組んでいます。従業員一人一人が自らキャリアを考え、スキルや能力向上を目指し、さらなる可能性を拓くことができるよう多種多様な研修コンテンツを整えていくとともに、自身のキャリアプランに応じて自走的に選択できる仕組みを作り、従業員の能力開発を支援していきます。

 多様性については、サステナビリティコミッティが統括する部門横断の「DEIタスクフォース」のもと取組みを推進しています。

 

②戦略

1.人財戦略

 パーパスとビジョンに基づき、下記の人財戦略Visionとマテリアリティを掲げ、人的資本の強化に取組んでいます。事業において地域軸・年齢軸の拡大を推進し多様な人々にアプローチするために、多様な人財がそれぞれの考えのもと新たなアソビを作り出す環境構築を目指しています。

 

<人財戦略Vision>

「自走的に持続的な成長ができる組織として、「アソビ」づくりに夢中になれる環境を構築する。」

 

 当社グループにとってアソビの創造に関わる国内外グループの人財は重要な人的資本です。パーパスとビジョンに基づき、従業員のウェルビーイングの向上を実現するとともに、企業としての持続的な成長を実現する組織風土を一層強固なものにしていきます。

・人財は、事業部門・コーポレート部門のそれぞれの機能を果たしつつも、既存の役割に囚われすぎず、機能横断的に課題解決にあたります。

・人財強化については、特に事業戦略の成否にかかわる人財として、グローバルでマーケティングを推進する人財を強化していきます。

・次世代の経営幹部候補は、中長期的な視点で経験の場を与えて育成していきます。加えて、外部の人財を迎え、活躍できる環境を提供していきます。

 

<マテリアリティ>

サステナビリティ主題Ⅱ:世界中で注目され愛されるアソビを作り出す仕事に夢中になれる職場

マテリアリティ:2.従業員のウェルビーイングの向上

マテリアリティ:3.従業員の成長

 

2.方針と取組

 

■従業員のウェルビーイングの向上

(a) 職場環境に関する方針

 当社グループは、人財戦略Visionのもと、様々なバックグラウンドやライフステージ、多様な価値観を持つ従業員がそれぞれ働きがいを感じ、最大限のパフォーマンスを発揮しながら「アソビを作り出す仕事に夢中になれる職場環境」を目指しています。また、従業員の人権や労働安全衛生に配慮し、一人一人が自分らしさを大切にしながら自ら成長し続けられるよう、働き方や制度の改革に取り組んでいきます。私たちは、このような取組みが従業員のより一層のウェルビーイング向上につながると考えています。

(b) 施策

・従業員エンゲージメントの向上

 当社グループは、世界中で注目され愛されるアソビを創出していくために、多様な人財の持つ個性の尊重と従業員の自主性・創造性の発揮が重要であると考えています。また、「従業員個人」と「会社」との双方向の結びつきを強めることが生産性や業績の向上につながることから、年1回の従業員エンゲージメント調査を実施。この調査では、従業員のエンゲージメントやストレスを測り、当社グループの強みや「働きがい」における課題の特定を行っています。特に、ワークエンゲージメントは、「仕事に対する熱意や姿勢」を表す指標で、「自発的な行動」「ポジティブな感情」が含まれており、エンゲージメント向上の指標としています。従業員エンゲージメント調査結果は、従業員個人や組織にもフィードバックし、職場環境の実現のため、改善アクションに取り組んでいます。従業員一人一人がさらにいきいきとアソビへ情熱を注ぐことができる職場環境の実現に取り組んでいます。

・多様な働き方、家庭との両立支援

 当社グループでは、仕事と育児、介護に加え、不妊治療も含めた両立支援制度を包括的に整備しています。2024年7月には以下の4つの制度について拡充を行いました。

1)社員の私傷病や育児、介護、不妊治療など、様々な事情をサポートし、だれもが安心して働き続けることができるセーフティネットとして、「ライフサポート休暇制度」を新設。

2)仕事と家庭の時間配分を選べる環境をより整備していく必要があると考え、短時間勤務制度の期間・事由・短縮時間を拡大(小学校6年生の年度末までに期間拡大、不妊治療を適用範囲に事由拡大、1日最大3.5時間短縮に拡大)。

3)出産費用や将来に向けた養育費等の補助、支援のため、「出産育児祝い金」の新設、一子につき200万円を支給する制度を導入。

4)育児や介護に励む社員に対して周囲が気持ちよくサポートできる環境を整えるために、業務をカバーする社員に「応援手当」を支給する「休業・短時間勤務応援手当」制度を試験的に導入。応援手当は育児又は介護休業を取得する社員の給与の約3割を原資とし、業務をカバーする社員に分配。

その他の具体的な取組みは下記の関連リンクをご参照ください。

・従業員のウェルビーイングの向上

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/diversity.html

 

■従業員の成長

(a) 人財育成の方針:パーパス・ビジョン・バリューズ・プロミスを実現するための人財育成

従業員一人一人が自らキャリアを考え、スキルや能力向上を目指し、さらなる可能性を拓くことができるよう従業員の能力開発を支援していきます。また、多様な人財がやりがいをもって働き、自己の成長を最大限に発揮でき、パーパス・ビジョン・バリューズ・プロミスを実現するために、キャリアプランや評価・報酬体系の制度改革に取り組んでいます。

パーパス・ビジョン・バリューズ・プロミスの詳細は、下記の関連リンクをご参照ください。

・タカラトミーグループ理念

https://www.takaratomy.co.jp/company/philosophy/

 

(b) 施策

・理念の浸透策

 理念類の全社説明会、理念浸透座談会の実施と社内発信(2024年~バリューズ座談会)パーパス浸透ワークショップと社内発信(ボトムアップ型で『ONE TOMY』を目指す)、バリューズの360度評価(管理職の人事考課に実装)、浸透度調査、バリューズ表彰を実施しており、今後も継続的に実施予定です。

・制度改革:タカラトミー流 ジョブ型人事制度

 当社グループでは、人事評価や昇格要件のルールを開示し、公正・公平な人事評価を行っています。また、管理職に対しては評価者研修を実施。従業員一人一人の成長や働きがいが促進され、最大限にパフォーマンスを発揮できる仕組みへと制度を改定しています。2024年7月に人事諸制度を改訂し、等級制度においては、管理職と専門職の複線型職群制度を導入し、多様な選択肢のなかからキャリアを描けるよう見直し、評価制度においては、それぞれの職種に求められるスキルの違いや評価プロセスを明確化、また報酬制度においては、年功賃金要素を払拭、属人的な手当を廃止し等級ごとにメリハリのある制度に見直しを実施しました。

・教育への取組み

教育への取組みについての詳細は、下記の関連リンクをご参照ください。

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/human_resources_development.html

 

■多様な人財の活躍

 当社グループでは、ダイバーシティ方針のもと、多様な人財が活躍する職場環境づくりに積極的に取組むことで、大人も子どもも笑顔になる商品やサービスを社会に提供していきます。タカラトミーグループダイバーシティ方針、具体的な施策については下記の関連リンクをご参照ください。

・ダイバーシティ方針

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進、女性の活躍推進、定年再雇用者の活躍推進ほかhttps://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/human_resources_development.html

 

 

③リスク管理

 当社グループでは、人的資本・人事課題に係るリスクについて、人事部門で検討を行い、戦略策定や業務執行部門・グループ会社と共有を図っています。必要に応じてリスク/コンプライアンス委員会と連携し、モニタリングの上、取締役会に報告しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④指標と目標

人的資本に関する指標及び目標と実績

マテリアリティ

中期サステナビリティ目標・KPI

2024年度実績

従業員のウェルビーイングの向上

従業員ワークエンゲージメント(仕事への自発的行動・ポジティブ感情)偏差値の継続的上昇

従業員ワークエンゲージメント偏差値※1

・タカラトミー単体:54.9→55.5

(製造業平均※2:49.4)

公平な人事評価制度によるグループ女性管理職比率30%

女性管理職比率(2025年3月末時点)

・グループ連結:24.4%

・タカラトミー(単体):17.7%

従業員の成長

多様な働き方や自走的なキャリア形成のための教育研修※3拡充と進捗開示

・教育研修受講者数:延べ909名。

・教育体系を「タカラトミーグループアカデミープログラム」として再構築(2025年度導入)。

・従業員エンゲージメント調査における、多様な働き方や自走的なキャリア形成に対する従業員の成長実感・イノベーション・クリエイティビティ指数の平均値:74%。(2024年度、調査を再設計)

グローバルマーケットで活躍できる人財の育成を目指し、グローバル育成プログラムの導入と進捗開示

グローバル育成プログラムとして、海外トレーニー制度(海外拠点現地でのトレーニング制度)を導入。

・TOMYInternational:1名(コーポレート)3ヵ月間

・TOMY(VIETNAM):1名(開発)2ヵ月間

※1 第三者(株式会社アドバンテッジリスクマネジメント)によるエンゲージメントサーベイを実施しており、その結果を同社顧客全体における偏差値で示す。ワークエンゲージメントは「仕事に対する熱意や姿勢」をあらわす指標で、「自発的な行動」「ポジティブな感情」の項目が含まれている。

※2 同社にて算出した2023年度12月~2024年度11月の業種平均偏差値を指す。

※3 経営戦略実行に向けたスキルを高める、事業戦略策定・ファイナンス・マーケティング・ブランディング・DXマーケティング・組織活性・マネジメント等の研修プログラム。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼしうるリスクは主に次のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、顕在化した場合の対応を含むリスク管理体制の強化を図っていきます。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(特に重要なリスク)

(1)ヒット商品の影響について

 当社グループの主力事業である玩具事業は、特定商品や特定コンテンツの成否によって影響を受ける傾向にあります。当社グループでは、このような影響を緩和すべく、継続的ヒット商品創出のための開発力強化、商品ラインアップの充実、コンテンツ育成等の施策を実施していますが、ヒット商品の有無が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)商品の安全性について

 当社グループは、厳格な品質管理基準に基づき、商品の品質向上や安全性確保に取り組んでいますが、取扱商品の安全・品質上の重大問題、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用負担が発生し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)災害等のリスクについて

 当社グループは、日本をはじめ世界各地で事業展開を行っており、地震、洪水、台風などの自然災害や、サイバー攻撃、戦争、テロ行為、感染症の世界的流行(パンデミック)、電力等のインフラ停止などが発生した場合には、事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。当社グループは、事業継続計画(BCP)の整備等に取り組んでいますが、このような事態での物的・人的被害により多額の費用等が発生し、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(重要なリスク)

(1)四半期業績の変動について

 当社グループの玩具事業は、例年、クリスマス/年末商戦期である第3四半期に売上高が伸びる傾向にあります。当社グループでは、その他のシーズンでの重点商品の投入、玩具周辺事業の拡大等により業績の平準化を図っていますが、業績の季節的変動は今後とも続くと予想しています。

(2)為替相場の変動について

 当社グループでは、国内で販売する玩具類の大半を海外から米ドル建てで輸入しています。当社グループでは、グループ為替リスクヘッジ方針に基づき為替予約等による為替リスクヘッジを行っていますが、為替相場の大幅な変動が生じるなどリスク減殺効果が薄れた場合には、海外連結子会社の損益、決算期末における資産及び負債等の円換算金額の増減も含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外事業展開について

 当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の一つとしており、販売拠点のグローバル展開に加え、国内外で販売する商品の大半を海外にて生産しています。海外では為替リスクに加え、不安定な政情、金融不安、文化や商慣習の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、労働力不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等、国際的活動の展開に伴うリスクがあります。当社グループでは、海外拠点網の再構築、中国偏重の生産体制からベトナムなどへの生産シフト、模倣品対策強化等、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めていますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格変動の影響について

 当社グループは、プラスチックや亜鉛ダイカスト合金などを材料とする玩具類を扱っており、原油価格や金属素材価格等の影響を受けます。当社グループはその影響を緩和すべく、製造委託先も含めた原材料調達方法の工夫、生産物流体制の効率化等に取り組んでいますが、原材料価格の高騰や供給不足等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)重要な契約について

 当社グループは、第三者との間でいくつかの重要な契約を締結していますが、今後何らかの理由で契約が継続できない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(重要な契約等については、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載しています)

(6)情報の流出について

 当社グループは、事業上の重要情報、顧客・取引先等の機密情報や個人情報等を保有しています。当社グループは、情報セキュリティ対策の強化・徹底等により、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払っていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。万一、このような事態が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)無形固定資産の評価及び減損について

 当社グループは、TOMY Internationalグループの買収に伴い、のれんを含む無形固定資産を相当額計上しています。これらの無形固定資産につきましては、毎年定額法による償却及び必要な減損処理を行っており、現時点では更なる減損損失計上は必要ないと認識していますが、当該事業の業績が想定どおり進捗しない場合には、将来の減損の可能性は高まり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

(2025年3月期におけるハイライト)

当社グループを取り巻く経営環境は、雇用・所得環境の改善に加え、インバウンド需要の増加等から、緩やかな回復傾向となりました。一方、海外景気の下振れ懸念や物価上昇、金融資本市場の変動等による影響など、先行きは不透明な状況が継続しました。

そのような中、2025年3月期よりスタートした「中長期経営戦略 2030」では、価値創造モデルを新たに構築し、年齢軸・地域軸を成長ドライバーに事業機会と事業規模の拡大を図り、それらを支えるコーポレート戦略を相互に連携させることで、2030年3月期に売上高3,000億円、営業利益率10%の達成を目指しています。

年齢軸の拡大においては、Kidults(キダルト)層に向けた施策が業績へ貢献しました。定番ブランドである「トミカ」「プラレール」では、細部にまでこだわった大人向けシリーズ「トミカプレミアム」「プラレール リアルクラス」や人気コンテンツとコラボレーションしている「ドリームトミカ」の展開により、子どもだけでなく大人へもファン層が拡大しました。また、ハイターゲット向けホビーレーベル「T-SPARK」の新シリーズを販売開始するとともに、米国においては高品質なコレクタブルシリーズ「TOMY+(トミープラス)」をクラウドファンディングにて展開しました。「BEYBLADE X(ベイブレードエックス)」では、幅広い世代に向けたメディアミックス展開や年齢制限のない大会の開催等によりファン層が広がりました。トレーディングカードゲームでは「デュエル・マスターズ」に加え、「名探偵コナンカードゲーム」「ディズニー・ロルカナ・トレーディングカードゲーム」を導入し顧客層の拡充を図りました。デジタルにおいては「デュエル・マスターズ」のスマートフォン向けアプリ「DUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)」の展開により顧客層が拡大し、業績に貢献しました。幅広い世代で人気の「ガチャ」については、商業施設等への設置を拡大しました。小売のキデイランドでは人気のキャラクターグッズや雑貨のラインナップが幅広い年齢層から支持を集め、販売が拡大しました。

地域軸の拡大においても施策を進めており、「トミカ」においては中国での販売拡大を背景に海外初となるブランドストア「TOMICA BRAND STORE」を中国上海市にオープンし、さらなるブランド浸透が進みました。また、「BEYBLADE X」では欧米をはじめとした海外販売の本格化に加え、米国子会社T-Licensingによる各国放送局との取組みによりアニメの視聴エリアが拡大し、さらにアジア10地域の大会優勝者による「BEYBLADE X アジアチャンピオンシップ2024」を開催するなど複合的な取組みを推進しました。日本IPのグローバルでの人気が高まる中、「ガチャ」や「ぬいぐるみ」等においてもキャラクター商品を中心に海外展開を進めました。訪日外国人観光客へ向けては、関西国際空港にガチャ専門店「GACHA MATSURI(ガチャまつり)」をオープンするとともに、小売のキデイランドも幅広いキャラクター商品を取り揃えたトレンド発信基地として、原宿店、梅田店をはじめとした旗艦店やキャラクター専門店等が高い支持を受け、業績が拡大しました。

また、コーポレート戦略の一環として、幅広い分野からの人財獲得をグローバルに進めるなど人的資本における多様性や専門性の強化に加え、ジョブ型人事制度への改定や出産育児祝い金制度の新設をはじめとした両立支援の拡充等、持続的な成長を推進するための体制整備を行いました。

これら年齢軸・地域軸施策の推進により、日本・アジアセグメントが好調に推移し、アメリカズにおいては、Fat Brain Holdings、主力オペレーションであるTOMY Internationalともに堅調な推移となりました。以上により、売上高は250,235百万円(前期比20.1%増)と2期連続で過去最高となりました。利益面においては、売上高の増加に伴う売上総利益の伸長等により、営業利益は24,870百万円(前期比32.2%増)、経常利益は24,033百万円(前期比35.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、16,350百万円(前期比66.7%増)といずれも過去最高を更新し、新たな経営体制のもと順調な進捗となりました。

 

 

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(経営成績に関する分析)

<セグメント別業績の概況>

(単位:百万円)

 

 

 

前期

当期

増減

増減率(%)

売上高

 

208,326

250,235

41,909

20.1

 

日本

170,097

211,022

40,925

24.1

 

アメリカズ

30,063

31,108

1,044

3.5

 

欧州

6,640

7,154

513

7.7

 

オセアニア

2,545

2,755

209

8.2

 

アジア

57,869

68,277

10,407

18.0

 

消去又は全社

△58,891

△70,083

△11,191

営業利益又は営業損失(△)

18,818

24,870

6,052

32.2

 

日本

22,265

27,682

5,416

24.3

 

アメリカズ

△495

△155

340

 

欧州

△724

△333

391

 

オセアニア

189

132

△57

△30.4

 

アジア

1,907

2,668

760

39.9

 

消去又は全社

△4,324

△5,123

△798

 

<日本>

                                              (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

170,097

211,022

40,925

営業利益

22,265

27,682

5,416

 

タカラトミーは、「トミカ」「プラレール」といった定番ブランドが幅広い年齢・地域への展開により前期を上回る販売で推移するとともに、トミカ・プラレールショップ東京店をリニューアルオープンするなど話題となりました。「BEYBLADE X」では、メディアミックス展開のほか、年齢制限のない大会の実施等により年末年始商戦においても子どもから大人まで幅広い世代から人気を集めました。また、欧米をはじめとした海外販売が本格化するとともに、米国子会社T-Licensingによる各国放送局との取組みにより、アニメの視聴エリアが拡大するなど商品展開との相乗効果を生み出しました。12月にはアジア10地域の大会優勝者による「BEYBLADE X アジアチャンピオンシップ2024」を開催するなど、国際的な施策も推進しました。「デュエル・マスターズ」は、人気Vチューバーとのコラボレーション等による伸長に加え、スマートフォン向けアプリ「DUEL MASTERS PLAY’S」による顧客層の拡大もあり、業績への貢献が拡大しました。自社IP「ぷにるんず」は、日本・アジア地域での人気を受け、4月より欧米向けの輸出がスタートするなど、グローバルコンテンツ化を図りました。また、幅広い顧客層に向け、5月には大人気コミック原作の「名探偵コナンカードゲーム」、1月には「ディズニー・ロルカナ・トレーディングカードゲーム」の発売を開始し、新たな売上となりました。10月にはペットトイ「うまれて!ウーモアライブ」を発売し、売上に寄与しました。また、11月には「トミカ」「プラレール」など自社IPの世界観にXR技術が融合した体験型アトラクションが楽しめる新業態「タカラトミープラネット」をオープンさせました。2月にはハイターゲット向けホビーレーベル「T-SPARK」の新シリーズを販売開始しました。タカラトミーアーツは、「ぬいぐるみ」等のポケットモンスター関連商品が伸長しました。さらに「ガチャ」においては、キャラクター商品をはじめとしたアイテム数の拡大が奏功し、大型ガチャ専門店「ガチャワールド」や関西国際空港に“祭り”をコンセプトに演出したガチャ専門店「GACHA MATSURI(ガチャまつり)」をオープンさせるなど商業施設や空港等への設置を進めるとともに海外展開を拡大したこと等から、好調な推移が継続しました。また、アミューズメントマシンにおいては、4月に「ひみつのアイプリ」、7月に「ポケモンフレンダ」をスタートさせ、前作を上回る立ち上がりとなりました。小売のキデイランドは、引き続き新鮮で話題性の高いキャラクターグッズや雑貨を扱うなど、国内外の幅広い年齢層から人気を集めています。そのような中、インバウンド需要やキャラクターの人気継続もあり、原宿店、梅田店をはじめとした旗艦店やキャラクター専門店、催事展開が好評を博すなど、業績への貢献が拡大しました。

以上により、売上高については211,022百万円(前期比24.1%増)、営業利益は27,682百万円(同24.3%増)となりました。

 

 

<アメリカズ>

                                       (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

30,063

31,108

1,044

営業損失(△)

△495

△155

340

 

玩具市場全体の低迷もあり、農耕車両玩具の販売が減少したものの、トイ&ホビー商品やベビー用品「The First Years」「Boon」の販売が堅調に推移するとともに、Fat Brain Holdingsの売上高が前期を上回ったことなどから、売上高は31,108百万円(前期比3.5%増)、営業損失は155百万円(前期営業損失495百万円)となりました。

 

<欧州>

                                       (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

6,640

7,154

513

営業損失(△)

△724

△333

391

 

玩具市場全体が低調に推移したものの、「黒ひげ危機一発(海外商品名 Pop-Up Pirate)」、バストイおよびタカラトミーアーツの「ガチャ」等のトイ&ホビー商品が堅調に推移したことに加え、農耕車両玩具の販売増加などにより、売上高は7,154百万円(前期比7.7%増)、営業損失は333百万円(前期営業損失724百万円)となりました。

 

<オセアニア>

                                       (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

2,545

2,755

209

営業利益

189

132

△57

 

農耕車両玩具やベビー用品、「黒ひげ危機一発(海外商品名 Pop-Up Pirate)」等のトイ&ホビー商品の販売が堅調に推移したことにより、売上高は2,755百万円(前期比8.2%増)となりました。営業利益は輸送コストの増加等による売上総利益率の悪化もあり、132百万円(同30.4%減)となりました。

 

<アジア>

                                       (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

57,869

68,277

10,407

営業利益

1,907

2,668

760

 

「トミカ」が幅広い年齢層に人気となるなど好調に推移するとともに、中国での販売拡大を背景として、9月には「トミカ」初となる海外ブランドストア「TOMICA BRAND STORE」を中国上海市にオープンし、ブランドのさらなる浸透を図りました。「BEYBLADE X」では、フィリピン等、東南アジア地域での人気が上昇しているものの、韓国での盛り上がりが想定に届いていないこともあり、前期と同水準の売上に留まりました。また、4月から関連玩具の販売をスタートさせた「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」は7月から香港、9月から台湾でテレビアニメ放送が開始されたこともあり、販売が伸長しました。さらに、「名探偵コナンカードゲーム」シリーズを日本と同時期の5月に香港、韓国、台湾をはじめとした9つの国と地域で販売を開始し新たな売上となりました。

加えて、生産子会社であるTOMY (Hong Kong)では「BEYBLADE X」をはじめとした海外向け輸出が増加したこと等もあり、売上高は68,277百万円(前期比18.0%増)、営業利益は2,668百万円(同39.9%増)となりました。

 

 

②財政状態の状況

<資産>

 流動資産は、前連結会計年度末に比較して3,159百万円減少し、114,402百万円となりました。これは主として、売掛金、商品及び製品が増加した一方で、現金及び預金が減少したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比較して2,676百万円増加し、51,367百万円となりました。これは主として、のれんが減少した一方で、工具、器具及び備品、建物及び構築物が増加したことによるものです。

<負債>

 流動負債は、前連結会計年度末に比較して2,788百万円減少し、50,933百万円となりました。これは主として、未払費用、リース債務が増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が減少したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比較して4,092百万円減少し、8,438百万円となりました。これは主として、長期借入金、繰延税金負債、リース債務が減少したことによるものです。

<純資産>

 純資産は、前連結会計年度末に比較して6,398百万円増加し、106,398百万円となりました。これは主として、自己株

式の取得があったことや、繰延ヘッジ損益が減少した一方で、利益剰余金が増加したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

2024年3月期

2025年3月期

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

29,175

16,999

△12,176

投資活動によるキャッシュ・フロー

△5,324

△8,099

△2,775

財務活動によるキャッシュ・フロー

△27,149

△16,771

10,378

現金及び現金同等物の期末残高

64,182

56,067

△8,115

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動によるキャッシュ・フローは、16,999百万円の収入(前連結会計年度は29,175百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益23,805百万円、減価償却費6,450百万円、法人税等の支払額7,706百万円、売上債権の増加4,340百万円等があったことによるものです。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動によるキャッシュ・フローは、8,099百万円の支出(前連結会計年度は5,324百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出5,828百万円、無形固定資産の取得による支出2,102百万円等があったことによるものです。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動によるキャッシュ・フローは、16,771百万円の支出(前連結会計年度は27,149百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出5,901百万円、配当金の支払額5,464百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出2,986百万円等があったことによるものです。

 

 以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ8,115百万円減少し、56,067百万円となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらず見込み生産によっております。金額も僅少な為、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため販売の実績については、「第2 事業の状況、4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、①経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

(a) 重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。なお、連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

(b) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り、判断ならびに仮定を使用する必要があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(b) 当連結会計年度の当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローの概況

「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率を50%程度とし、現状を上回る信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。

同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて資本コストの低減に努めると共に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用も進めることにより、資本コストの低減及び資本効率の向上にも努めてまいります。

当社グループはこれまで広告宣伝費、研究開発費などの先行投資を実行し、積極的な商品投入により売上高を伸長させ、利益成長を目指してきましたが、外部環境が大きく変化する中で、市場が一旦縮小、かつ消費者の購買行動が変容した場合も営業キャッシュ・フローによる十分な債務返済能力を有することを前提として、設備投資や研究開発費等での成長投資に資金の配分を行ってまいります。

 

(資金需要の主な内容)

当社グループの資金需要は、金型及び筐体の購入費用のほか、仕入代金の支払、製造費、広告宣伝費、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主として新製品の開発・製造のために必要な設備投資及び物流設備投資等であります。

 

(経営資源の配分に関する考え方)

当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。売上高の3ヵ月以上を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フロー、そして有利子負債の活用により創出された追加的に配分可能な経営資源については、当社グループの事業の維持拡大、株主還元のさらなる充実に活用する考えです。

株主還元に関しては、安定的な配当の継続を基本に業績及び配当性向などを勘案したうえ配当金額を決定していく方針です。

 

(資金調達)

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。短期運転資金は自己資金を中心に賄い、一部金融機関からの短期借入金として資金調達を行うことを基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としており、一部リースによる設備投資を行っております。

また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また、利用にあたっては信用リスクを軽減するために格付けの高い金融機関とのみ取引を行っております。加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。

 

(d) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2024年5月に公表しました「中期経営戦略 2030」において、「高い品質とクリエイティブ性を持ち、世界中で愛される総合アソビメーカーに成長する」ことをBusiness vision 2030として設定し、2030年3月期に売上高3,000億円、営業利益300億円、並びに自己資本利益率(ROE)継続11%以上等の目標数値達成を目指すことといたしました。

2025年3月期の経営成績は「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであり、売上高は計画比202億円増(8.8%増)、営業利益は計画比48億円増(24.4%増)と、計画を大きく上回る達成状況となりました。また、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点における重要な経営指標として位置付けている自己資本利益率(ROE)については15.8%となり、翌連結会計年度以降も継続して自己資本利益率(ROE)11%以上を維持することに努めてまいります。

 

各指標の過去5年間の推移は以下のとおりです。

回次

70期

71期

72期

73期

74期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高          (億円)

1,412

1,654

1,872

2,083

2,502

営業利益         (億円)

70

123

131

188

248

自己資本利益率(ROE)    (%)

7.9

12.3

10.0

10.5

15.8

 

各指標はいずれも当社連結べ-スの財務数値を用いて算出しております。

 

5【重要な契約等】

 

(1)スポンサー契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

㈱タカラトミー

㈱オリエンタルランド

日本

1.アトラクション並びにその近辺において当社がスポンサーであること及び商号、その他のシンボル、商標、意匠等を表示する権利の許諾契約

2022年8月2日から

2027年8月1日まで

(契約満了前の協議により合意された場合更新可能)

 

 

 

2.「東京ディズニーランド」及び「東京ディズニーシー」のスポンサーであることの広報、宣伝、又は参加製品の宣伝、販売促進のためにのみ、東京ディズニーランド、東京ディズニーシー、東京ディズニーリゾートの名称とマーク及びそのシンボル、又はその他パークからのシーンとそのシンボルを使用する権利、東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーのオフィシャル(又は公認)企業として、自らを表示する権利の許諾契約

 

(2)ライセンス契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

㈱タカラトミー

ウォルト・ディズニー・ジャパン㈱

日本

先方の保有・管理するディズニーキャラクターの形状や名称等を一般玩具、ベビー商品に使用して日本国内で販売する権利及びその権利の範囲内でサブライセンスする権利の許諾契約

 

2025年4月1日から

2026年3月31日まで

(契約満了前の協議により合意された場合には更新可能)

㈱タカラトミー

㈱小学館集英社プロダクション

日本

著作物「ポケットモンスター」に登場するキャラクターの形状や名称等を玩具(ハイターゲットトイ、ベビートイ含む)、アパレル、雑貨の契約商品に使用して日本国内で販売する権利の許諾契約

 

2025年4月1日から

2026年5月31日まで

※許諾期間は2026年3月31日まで

(契約満了前の協議により合意された場合には更新可能)

 

(3)販売契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

㈱タカラトミー

 

HASBRO,INC.

米国

カーロボット等のロボット玩具の日本以外の地域における独占的販売権の許諾と対価の受取り

1983年11月1日から

2025年12月31日まで

(契約満了前に当事者から契約違反等特定の事由に基づく異議の申し出がない限り自動更新)

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、Purposeである「アソビへ懸ける品質は、世界を健やかに、賑やかにできる。」を実現するための研究開発活動を行っています。当社グループがこれまでに育成した商品・ブランド及びそれらの開発過程で蓄積した経験・ノウハウを活かし、新たなコンテンツの創出に注力しています。

 当連結会計年度においては、幅広い世代に向けた魅力ある商品の企画開発に引き続き努め、各種ブランドを活用した商品開発を進めました。

 なお、商品開発においては、厳格な独自の社内基準のもと自社検査体制を充実させ、商品の品質向上とお客様の安全確保を最優先する商品開発を進めるとともに、商品の企画開発段階から機能とコストの最適化を図るデザインレビュー(DR)を通して、バリューエンジニアリング(VE)活動を推進しています。

 当連結会計年度における研究開発費は5,852百万円です。なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っていません。