当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、オフィスビルにおける内装工事、駐車場の管理・運営、衛生消耗品の供給をはじめ、さまざまなビル管理業務により培ってきた技術、ノウハウを活かし、時代のニーズに応じた快適な都市環境・オフィス空間の提供を通じて、持続的な社会の実現に貢献することを経営の基本方針としております。
当社を取り巻く事業環境につきましては、企業の設備投資意欲は底堅いものの、受注獲得競争の激化や原材料価格の高騰ならびに労務費上昇に伴う利益の圧迫が懸念されるなど、厳しく推移するものと予想されます。
このような状況下、当社が認識している事業上及び財務上の対処すべき当面の課題とその対処状況については次のとおりであります。
(1) 前事業年度において、対処すべき課題として記載した重要な事項の経過等について
継続的な株主配当ができるよう、安定的な収益基盤を確立する一方、これまで蓄積された内部留保資金を成長
資金として有効活用し、事業規模の拡大を図ることを重要な課題として取り組んでまいりました。
その結果、業績は安定的に推移し、株主配当につきましては、昨年に引き続き期末配当(1株当たり40円)を実施することができました。
(2) 現在の事業上及び財務上の対処すべき課題について
引き続き安定的な収益基盤の維持と、これまで蓄積された内部留保資金を用いた成長投資と配当による株主還
元のバランスをとりながら、将来にわたる企業価値の向上を図ることを重要課題と認識し、取り組んでまいりま
す。M&Aにつきましては、対象会社の企業価値測定、シナジー効果、減損リスク等に関して十分な検討を行い、
投資判断については慎重な姿勢で検討することを継続いたします。
また、事業規模の拡大、グループ外顧客獲得のための営業強化ならびに一層のサービス品質の向上、技術力の向
上を図るべく人財育成にも注力してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化してお
り、代表取締役鈴木均がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。取締役会はサステ
ナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。経営会議、各事業部門で協
議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針および実行計画等に
ついての協議・決定を行っております。
①行動準則の制定と浸透の徹底
当社は、取締役及び従業員がとるべき行動規範を示した「企業倫理規程」を制定し、定期的にコンプライアンスセルフチェックを実施するなど、全社的に法令遵守の徹底に努めております。また、当社の取締役及び従業員一人一人が社会における存在意義(Purpose)を認識し、健全な事業活動を遂行するにあたっての最も基本的な姿勢を示す「行動準則」を制定し、入社時研修等において浸透の徹底を図っております。
②多様な人材の活躍支援、職場環境づくり
当社は、管理職等の中核人材の登用につきましては、性別、国籍、学歴、採用経緯に縛られることなく、能力、実績、見識等、総合的な観点に基づく適正な評価により登用する方針です。したがって多様性の確保についての測定可能な目標や上限等(人数・構成割合等)は定めておりません。
また、女性の活躍を支援する一環として、育児休業・介護休業・時短勤務制度の拡充と各種ハラスメント防止対策の強化を図っております。
③キャリア形成支援
人材が組織の持続的成長や価値創造の担い手であると認識し、人材活用・育成費をコストとしてではなく、知識やスキル、能力(知的財産)を開発するための経営戦略上重要な資本政策の一環として位置付けております。このような認識のもと、中長期的な企業価値の向上を図るには、人材の育成は不可欠と判断し、すべての社員を対象に業務に関連する資格取得を奨励・支援するなど、社員のスキル向上や能力を遺憾なく発揮できる職場環境の整備に努めております。
また、社員の新たな挑戦への後押しとキャリアの幅を広げることを目的に、他事業部の研修・体験プログラムを実施し、社員自身の就業希望と各部門の人材ニーズのマッチングを図っております。
(3) リスク管理
当社グループは、様々なリスクに対応するため、損失に結びつく社内外のリスクを識別・分類し、それぞれについての社内規程ないし対応手順と主管部署を定めることで、リスク発生を防ぐとともにリスク発生時の損害を最小限に留めるために、早期に適正な対応をとる体制を整えております。
各取締役は、自らの分掌範囲について、責任を持ってリスク管理を行っております。
また、当社グループ全体に影響を与える重要なリスクについては、経営会議、取締役会において協議・決定され、事業方針や経営計画に反映しております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
また、当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(注) 育児休業取得対象者が不在の場合、「-」を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
(1) 特定の法人への依存について
当社は森トラスト株式会社の子会社でありますが、同社及び同社グループ各社より駐車場運営管理業務、オフィスビルの内装工事業務、ビル管理業務、損害保険契約等を受注しており、当社の安定的な収益基盤の確保に寄与しております。今後、同社のグループ各社に対する事業ならびに取引形態の見直しによっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定地域への依存について
当社グループが運営・管理する駐車場及び不動産は東京都内に集中しております。このため事業活動に大きな影響を及ぼすような大規模な地震等の災害、その他不測の事態が東京近郊において発生し、当社グループが運営・管理する駐車場及び不動産が損壊・閉鎖となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 小規模組織であることについて
当社(提出会社)の従業員(臨時雇用者含む)は30名であり、効率性を重視した運営組織となっております。今後急速な事業の拡大、新規事業への進出等があった場合、即応して適切かつ十分な組織的対応ができず、事業の展開速度に影響を及ぼす可能性があります。
(4) M&Aについて
当社グループは、事業拡大や新規事業への参入を目的としたM&Aを重要な経営戦略の一つとしております。M&Aの実施にあたりましては、対象企業の財務内容や法令遵守状況、契約関係等について詳密なデューデリジェンスを行いつつ、事業計画の策定や将来価値の測定について十分な検討を行うなど、投資判断については慎重な姿勢で取り組んでまいりますが、買収後において予期せぬ偶発債務等の発生や、事業環境の変化等により、当社グループが想定したシナジーや事業拡大の成果が得られず、減損損失が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、日本銀行による政策金利の段階的な引き上げが進む中、物価上昇を背景とした賃金上昇や価格転嫁の動きに広がりが見られ、緩やかな景気回復が継続しました。一方で世界経済では、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や中国での景気停滞、米国の関税引き上げ等により今後の先行き不透明感がより一層増しています。オフィスマーケットにつきましては、在宅勤務の見直しによる出社回帰の促進により、都心の空室率は低水準を維持しています。建設業界におきましては、工事受注は底堅く推移しているものの、建築資材価格の高止まり、労働者不足に伴う人件費の高騰等の影響を受けて依然として厳しい事業環境が続いております。
このような状況下、当社は、人材確保のために機能や設備が充実したオフィス空間を求める各企業の新たなニーズにも応えながら、オフィス利用者の快適性と資産価値の向上に努めてまいりました。
当社グループの業績につきましては、売上高3,950,554千円(前期比4.2%増)、営業利益410,700千円(同6.3%減)、経常利益431,843千円(同4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益264,994千円(同4.5%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
財政状態の概要につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較し171,500千円増加し、2,007,270千円となりました。なお、各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、295,304千円(前年同期比6,312千円の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益 431,843千円、のれん償却額65,265千円、支出の主な内訳は、法人税等の支払額205,275千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、11,807千円(前年同期比172,067千円の増加)となりました。この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出18,048千円、投資有価証券の売却による収入8,113千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、111,995千円(前年同期比8,874千円の減少)となりました。この主な内訳は、長期借入金の返済による支出58,908千円、配当金の支払額42,883千円であります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用ならびに過去の実績や合理的な方法に基づく見積りが行われ、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。なお、これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績は、売上高3,950,554千円(前期比4.2%増)、売上原価2,943,912千円(同4.0%増)、売上総利益1,006,642千円(同4.7%増)となりました。この結果、売上高総利益率は、25.5%(同0.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は595,941千円(同13.9%増)となりました。この主な要因は、中長期的な視点に立ち、事業規模拡大を目指すための人財育成に伴う費用の増加やエムティアイテックが2024年1月に連結子会社化によるものです。この結果、営業利益410,700千円(同6.3%減)、売上高営業利益率は10.4%(同1.2%減)となりました。
営業外収益は、親会社への貸付金等に係る利息収入を14,341千円、投資有価証券売却益を3,871千円計上したため、21,673千円(同47.5%増)となりました。営業外費用は、530千円(同5.4%減)となりました。この結果、経常利益431,843千円(同4.6%減)となりました。
特別利益及び特別損失は、当連結会計年度におきまして計上はありません。この結果、税金等調整前当期純利益は、431,843千円(同4.4%減)となりました。
法人税、住民税及び事業税170,527千円、法人税等調整額△3,678千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は264,994千円(同4.5%減)となりました。
③セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(リニューアル事業)
前期の大規模オフィス内装工事の反動減やエムティアイテック株式会社の連結子会社化に伴うのれん償却費を計上した結果、売上高1,467,443千円(前期比2.5%増)、セグメント利益227,361千円(同27.7%減)となりました。
(駐車場事業)
月極駐車場や時間貸駐車場の稼働は堅調に推移しましたが、駐車場賃料の上昇を補うに至らなかった結果、売
上高1,458,786千円(前期比0.0%減)、セグメント利益272,407千円(同6.6%減)となりました。
(施設等保守管理事業)
オフィス向けの衛生消耗品の販売や電気設備システムの保守保全事業が好調に推移した結果、売上高955,298千円(前期比13.2%増)、セグメント利益80,080千円(同147.0%増)となりました。
(保険代理事業)
火災保険が堅調に推移した結果、売上高69,026千円(前期比20.1%増)、セグメント利益35,964千円(同36.2%増)となりました。
④財政状態に関する分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ120,072千円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が171,500千円増加、のれんが65,265千円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ99,037千円減少いたしました。主な要因は、工事未払金が61,268千円減少、長期借入金が43,294千円減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ219,110千円増加いたしました。これは主に剰余金の配当43,057千円、親会社株主に帰属する当期純利益264,994千円を計上したことによるものであります。
以上の結果、総資産は5,121,160千円、負債合計は992,694千円、純資産合計は4,128,465千円、自己資本比率は80.6%、1株当たり純資産額は3,835円61銭となりました。
⑤キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、運転資金として、工事下請業者等への外注費、駐車場賃料等の運営コスト、商品・材料の購入費等の仕入原価ならびに事業遂行に伴う販売費及び一般管理費の営業費用があり、設備資金としては、本社事務所及び駐車場の設備新設・改修等があります。また、事業規模拡大を企図したM&Aによる企業買収費用等があります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金にて対応していく予定であります。なお、現在のところ、社債の発行や金融機関等からの借入による資金調達を行う予定はありません。また、資金需要に備えて一時留保しております自己資金については、親会社への短期極度貸付を行うことで流動性を確保しつつ、利息収入を得ております。金利については市場金利を勘案して決定しております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営の効率化及び株主利益を重視する視点からROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として認識し、10%を目標値としております。内部留保資金につきましては、安定的な配当による株主還元を継続的に行うために備える一方、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的としたM&Aによる成長投資資金として有効に活用してくことを目的に蓄積していることから、当連結会計年度末におきましては、自己資本比率80.6%と高水準にあります。ROEにつきましては、6.6%と目標値の10%を下回る状況にあります。今後も中長期的な視点で企業価値の向上を図り、ROE10%を目指してまいります。
⑦経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、重要な契約等の決定または締結等はありません。
特記すべき事項はありません。