第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 経営方針

当社グループの経営ビジョンは、「創業の精神」を時代と社会の変化に合わせて再定義し、そのDNAの昇華で、未来の産業振興・発展を支える「なくてはならない企業」であり続けることである。また、描く「ブランドストーリー」は、未来のConstruction をつくる「New Business Contractor」への変革である。その意味するところは、共創の精神で繋がるビジネスプラットフォームの形成で、建設業の枠を超えて、自らが新たなビジネスを創造するとともに、多様な人々のビジネスの創造を支援し、その実現を約束するビジネスパートナーとしてあり続けることである。

建設業の新たな「成長の在り方」と「ビジネスフィールド」を追求するために、複合企業体として、ドメイン・ポートフォリオ・戦略・ビジネスモデル・オペレーションの変革を推進し、事業成長、資本効率、サステナブルへの適合、これら3つの視点とその最適解の組み合わせで、グループとして企業価値の向上を図り、トランスフォーメーションの実現を目指している。

 

(2) 経営環境

当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移した。一方で、中国経済の先行き懸念や米国の政策動向、中東地域の地政学的リスクなどにより、依然として先行き不透明な状況が続いている。国内建設市場においては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資にも持ち直しの動きが見られたが、労務費及び資機材価格の高止まりが継続しており、引き続き注視が必要な状況となっている。

今後の我が国経済の見通しについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に、国内経済は緩やかな回復基調を維持することが期待される。一方で、物価上昇の継続や、米国の政策動向、金融資本市場の変動などが景気を下押しするリスクとして懸念されており、引き続き十分な注意が必要となっている。国内建設市場においては、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資も堅調な企業収益を背景に持ち直しの動きが続くと見込まれる。しかしながら、建設技能労働者の不足が深刻化しており、注視が必要な状況となることが予想される。

 

 

(3) 会社の対処すべき課題等

中長期的な企業価値の向上と持続的成長を図るため、ホールディングカンパニーへの移行を契機に、飛島グループの経営指針として「未来を革新するStory」を策定した。主な構成は、『グループビジョン』『企業変革の道筋である「Innovate the future plan」』『中期経営計画(~2027年度)』となる。『中期経営計画(~2027年度)』は、企業価値の向上と持続的成長の実現に向けた具体的なアクションプランを示すもので、収益基盤の拡充、株式市場から求められている資本コストや株価を意識した経営、その実現にむけて経営ガバナンスの強化等を図り、「Innovate the future plan」を実現していく。

アクションプランの実践に当たっては、ホールディングス機能を活用し、資本効率、事業成長、サステナビリティへの適合という3つの問いとその解の組み合わせで、事業ポートフォリオの不断の見直しを行い、企業価値向上と持続的成長を目指していく。

 

◇中期経営計画(~2027年度)

 <企業価値向上へのアクションプラン>


 

 

 


 

 <重要業績評価指標(KPI)>


 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) サステナビリティ全般

① 戦略

当社グループは、サステナビリティ基本方針として、グループビジョンで掲げた「New Business Contractor」になるための3つのバリュー、「創造」「共創」「共生」を通じ、グループ各社が持つ力を結集し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指している。

 

② ガバナンス・リスク管理

サステナビリティ全般に関し、経営又は事業活動に重大な影響を与える可能性がある事項について、課題の整理、施策の立案、展開、進捗管理を行う「リスクマネジメント部会」「コンプライアンス部会」をそれぞれ設置しており、各部会等での検討内容は、執行役員社長を委員長とする内部統制委員会を通じ、取締役会へ報告(4回/年)される。

 


 

③ 指標及び目標(KPI)

当社グループの目指す姿「New Business Contractor」の実現に向けて、当社グループ全体の取組みや現状分析を踏まえ長期的に取組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、進捗を見える化するためのKPIを設定した。

 


 

 


 


 

 

(2) 気候変動

① 戦略

気候変動が当社グループに与えうる財務的影響について分析を行い、今後の脱炭素社会への「移行」において影響が想定される項目と、平均気温の上昇により気象災害等が激甚化する等の「物理」的変化において影響が想定される項目を特定し、それぞれの項目における財務的影響をリスク・機会に分け検証を行い、対応している。

 


 


 

② ガバナンス・リスク管理

気候変動に関するリスクの管理については、「リスクマネジメント部会」において各部門における事業への影響の確認を行うとともに、定期的にモニタリングを実施し、必要な対策が講じられているかについて確認しており、「リスクマネジメント部会」での検討内容は、執行役員社長を委員長とする内部統制委員会で組織全体のリスク管理プロセスに統合され、取締役会に報告される。

 

③ 指標及び目標(KPI)

マテリアリティ「脱炭素の取組み」において、KPIを設定している。

 

 

(3) 人的資本・多様性

① 戦略

<人財育成方針>

当社グループは、「未来の産業振興・発展を支える企業グループ」を目指す人財として、現状に満足せず常に革新と挑戦の精神を持ち続け、積極的に学び新しいアイデアを大胆に提案し、自発的に考え行動できる能力を持ち、かつ、高度な専門知識と広い視野を兼ね備えた優れたプロフェッショナルを育成する。

 

<人権尊重>

人権基本方針として、当社グループは、1.未来の Construction を「創造」、2.多様なパートナーと「共創」、3.これからの地球環境や地域社会と「共生」の3つをバリューとして、多様な人々のビジネスを支援・実現し、更なる進化のために直面する社会課題の解決に貢献していくこととしている。そして、企業に求められる社会的責任として、人権尊重を重要な課題の一つと捉え、持続可能な社会の実現のためグループ全体で取り組みを推進、その責務を果たす。

 

<ダイバーシティ基本方針>

当社グループは、従業員一人ひとりの多様性を尊重し、その能力を最大限に発揮できる環境を提供することで、ダイバーシティを推進する企業文化の醸成・浸透に取り組む。

 

<健康経営>

健康経営方針に基づき、グループ各社が一丸となって、従業員の健康づくりに積極的に取り組んでいる。これにより、活気に満ちた職場環境を整え、誰もが快適に働ける組織づくりを目指している。

なお、グループ会社である飛島建設は、働きやすい労働環境も提供のため「健康経営」に取り組んでおり、2020年度から6年連続で健康優良法人の認定を受け、心身の健康を向上させるための各種施策に取り組んでいる。

 

     (注)   健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標である。

 

② ガバナンス・リスク管理

人的資本・多様性に関するリスクの管理については、「リスクマネジメント部会」及び「コンプライアンス部会」において各部門における事業への影響の確認を行うとともに、定期的にモニタリングを実施し、必要な対策が講じられているかについて確認しており、各部会での検討内容は、執行役員社長を委員長とする内部統制委員会で組織全体のリスク管理プロセスに統合され、取締役会に報告される。

 

③ 指標及び目標(KPI)

当社グループでは、上記「① 戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いている。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりである。

 

指 標

目 標

実績(当事業年度)

人権啓発研修受講率

毎年度100%

100%

ワークエンゲージメント

2028年3月まで偏差値51.0以上

50.1

ダイバーシティ率(従業員のうち
 女性・キャリア採用・外国人の割合)

2028年3月まで30以上

26.6%

 

(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の状況  5  従業員の状況  (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載している。

 

 

3 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 企業買収、資本提携及び事業再編

当社グループは、更なる成長の実現のための企業買収、資本提携等を実施しているが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリットを獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがある。

また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす恐れがある。

当該リスクに対し、事業ポートフォリオの見直しにより、リスクの最小化を図る。

 

(2) 法令等に係るリスク

当社グループでは、企業活動に関してさまざまな法的規制を受けており、これらの法的規制により行政処分等を受けた場合、また、法律の新設、改廃、適用基準の変更等があった場合には、業績及び企業評価等に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、法令改正等を注視し、社内規程類を適宜改定するとともに、役職員にコンプライアンス教育を実施し、コンプライアンス体制の充実に努めている。

 

(3) 情報セキュリティ

サイバー攻撃等による機密情報の流出や誤送信、誤操作、危機紛失、内部不正による情報漏洩は企業の社会的信用を失墜させ、顧客や取引先に損害を与える等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、物理的・人的・IT等の各側面から情報セキュリティ対策、役職員向けセキュリティ教育を実施している。

 

(4) 金融リスク

予期せぬ経済情勢の変化やマーケットの急激な変化等により、金利の変動又は株式の減損の必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、市場の動向を注視し、資金の安定調達に努めている。

 

(5) 自然災害・気候変動等

地震、津波、風水害等の大規模自然災害や感染症の世界的流行が発生し、当社グループの従業員や保有資産に対する損害のほか、事業環境の悪化或いはその懸念が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、事業活動を継続ないしは速やかに復旧し、必要な体制を構築できるよう事業継続計画(BCP)を整備している。

なお、気候変動に関するリスク及び対応等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりである。

 

(6) 当社グループの主力事業である建設事業に係るリスク

国内建設市場の動向

国内建設市場の急激な縮小や競争環境の激化は、当社グループの業績への懸念材料となる可能性がある。

当該リスクに対し、取り巻く事業環境の変化に対応すべく、中長期の経営戦略、中期経営計画を策定した上で事業活動を営んでいる。

 

 

資機材価格及び労務単価の変動

建設資機材価格、労務費等の高騰、あるいは資機材の納期遅延が生じた場合、工事採算が悪化し業績に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、資機材価格及び労務費の動向を常に注視し、価格変動条項の導入、集中購買の活用、原価管理の徹底を通じて、コスト上昇の影響抑制に取り組んでいる。

 

取引先の信用リスク

建設業は、一取引における請負金額が多額であり、また、支払条件によっては、工事代金の回収に期間を要する場合がある。当社グループの取引先に信用リスクが顕在化し、追加的な損失や引当ての計上が必要となる場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、取引に際して与信管理、債権管理を徹底し、可能な限り信用リスクの軽減に努めている。

 

品質不良及び工事災害の発生

建設業においては、品質不良及び工事災害が発生した場合には、社会的に大きな影響を及ぼす場合がある。契約不適合責任若しくは工事災害等による損害賠償が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。

当該リスクに対し、ISO活動及び安全管理活動により、仮設も含めたあらゆる面での品質の向上に取り組んでいる。

 

技能労働者の確保困難

少子高齢化の影響により、建設業に従事する作業員の減少が顕著になってきている。建設市場の動向によっては、確保が困難になることが想定され、当社グループとして想定すべきリスクであると認識している。

当該リスクに対し、計画的な技能労働者の確保に努めるとともに、デジタル技術を活用した省力化施工を推進し、効率化に取り組んでいる。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

なお、当社は、2024年10月1日に単独株式移転により飛島建設㈱の完全親会社として設立されたが、当社の連結範囲は統合以前の飛島建設㈱の連結範囲と実質的な変更はない。ただし、当連結会計年度は当社設立後最初のものとなるため、前連結会計年度との実績比較は行っていない。

また、当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となった飛島建設㈱の連結財務諸表を引き継いで作成している。

 

(1) 経営成績

当社グループの当連結会計年度の連結業績については、売上高は、概ね予定通りに進捗したことにより、計画値135,000百万円に対し2.4%増の138,259百万円となった。

売上総利益は、15,797百万円となり、販売費及び一般管理費9,370百万円を控除し、営業利益は、計画値5,500百万円に対し16.9%増の6,426百万円となった。

営業外損益は、696百万円の損失となり、経常利益は、計画値4,900百万円に対し16.9%増の5,730百万円となった。なお、売上高経常利益率は4.1%、総資産経常利益率は3.7%となった。

特別損益は、4百万円の損失となり、法人税、住民税及び事業税1,881百万円及び法人税等調整額149百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、計画値3,100百万円に対し20.1%増の3,723百万円となった。

 

報告セグメント別の経営成績は、次のとおりである。

 

(建設事業(土木事業))

建設事業(土木事業)については、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高は68,669百万円セグメント利益は5,507百万円となった。

 

(建設事業(建築事業))

建設事業(建築事業)については、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高は51,106百万円セグメント利益は2,570百万円となった。

 

(グロース事業等)

グロース事業等については、既存の建設関連事業、不動産関連事業、建設DXサポート事業等の事業が順調に進捗したことにより、グロース事業等売上高は18,483百万円セグメント利益は2,072百万円となった。

 

(注)セグメント別の記載において、売上高については「外部顧客への売上高」の金額を記載しており、セグメント利益については連結損益計算書の営業利益と調整を行っている。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。

当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

 

① 受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

2025年3月31日)

金額(百万円)

建設事業

土木事業

59,032

建築事業

55,755

グロース事業等

合計

114,787

 

(注) 受注実績のグロース事業等については、当社グループ各社の受注概念が異なるため記載していない。

 

② 売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

2025年3月31日)

金額(百万円)

建設事業

土木事業

68,669

建築事業

51,106

グロース事業等

18,483

合計

138,259

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去している。

2  売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。

 

なお、参考のため飛島建設㈱個別の事業の状況は次のとおりである。

① 受注高、売上高、繰越高及び施工高

期別

種類別

前期
繰越高
(百万円)

当期
受注高
(百万円)


(百万円)

当期
売上高
(百万円)

次期繰越高

当期
施工高
(百万円)

手持高
(百万円)

うち施工高

(%)

(百万円)

前事業年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

建設事業

土木工事

136,564

54,727

191,292

64,180

127,111

0.1

68

63,780

建築工事

65,612

55,405

121,017

50,376

70,641

0.7

521

50,523

202,177

110,132

312,309

114,557

197,752

0.3

590

114,303

グロース事業等

1,223

1,223

1,223

合計

202,177

111,355

313,533

115,780

197,752

当事業年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

建設事業

土木工事

127,111

59,032

186,144

68,669

117,474

68,600

建築工事

70,641

54,887

125,528

51,131

74,397

0.6

432

51,042

197,752

113,920

311,672

119,800

191,872

0.2

432

119,643

グロース事業等

1,129

1,129

1,129

合計

197,752

115,049

312,802

120,929

191,872

 

(注) 1  前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。

2  次期繰越高の施工高は支出金により手持高の施工高を推定したものである。

3  当期施工高は(当期売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致する。

 

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別される。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業
年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

土木工事

32.1

67.9

100

建築工事

44.8

55.2

100

当事業
年度

(自 2024年4月1日

2025年3月31日)

土木工事

11.4

88.6

100

建築工事

43.1

56.9

100

 

(注) 百分比は請負金額比である。

 

③ 売上高

期別

区分

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)


(百万円)

前事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

建設事業

土木工事

45,939

18,241

64,180

建築工事

9,385

40,990

50,376

55,325

59,231

114,557

グロース事業等

80

1,142

1,223

合計

55,405

60,374

115,780

当事業年度

(自 2024年4月1日

2025年3月31日)

建設事業

土木工事

46,031

22,638

68,669

建築工事

12,570

38,560

51,131

58,601

61,199

119,800

グロース事業等

63

1,066

1,129

合計

58,664

62,265

120,929

 

(注) 1  完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

    前事業年度請負金額10億円以上の主なもの

国土交通省

 

令和2年度 北勢BP坂部トンネル工事

八千代市

 

村上給水場施設改良(土木・建築)工事

兵庫県

 

県立総合射撃場(仮称)整備事業 敷地造成・整備工事

TOBISHIMA BRUNEI SDN.BHD.

 

金融庁ビル新築工事

安芸市

 

安芸市新庁舎建設工事

 

    当事業年度請負金額10億円以上の主なもの

北千葉広域水道事業団

 

導水管更新に伴うトンネル築造工事

中日本高速道路株式会社

 

伊勢自動車道 雲出第三高架橋他3橋耐震補強工事

国土交通省

 

令和3年度 1号号藤枝BP潮トンネル工事

大和ハウス工業株式会社

 

(仮称)ロイジェント横川5丁目PJ新築工事

株式会社ファイネス

 

株式会社ファイネス本社物流センター建設計画

 

2  前事業年度及び当事業年度ともに、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。

 

 

④ 手持高(2025年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

建設事業

土木工事

75,115

42,358

117,474

建築工事

19,098

55,299

74,397

94,213

97,658

191,872

グロース事業等

合計

94,213

97,658

191,872

 

(注)  手持工事のうち請負金額40億円以上の主なものは、次のとおりである。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

 

北海道新幹線、札樽トンネル(富丘)

 

2028年1月完成予定

東日本高速道路株式会社

 

東北自動車道 胆沢川橋床版取替工事

 

2026年7月完成予定

田川広域水道企業団

 

白鳥浄水場(仮称)及び大浦調整池建設工事(土木工事・建築工事)

 

2026年3月完成予定

敦賀市

 

新清掃センター整備・運営事業 建設工事

 

2027年2月完成予定

徳島市

 

徳島市危機管理センター(仮称)新築工事

 

2026年2月完成予定

 

 

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に、当社グループを取り巻く経営環境については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境」に、当社グループの目標とする経営指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 会社の対処すべき課題等」にそれぞれ記載のとおりである。

 

(2) 財政状態

総資産は、157,166百万円となった。

報告セグメント別の資産は、次のとおりである。

 

(建設事業(土木事業))

建設事業(土木事業)については、77,237百万円となった。

 

(建設事業(建築事業))

建設事業(建築事業)については、27,607百万円となった。

 

(グロース事業等)

グロース事業等については、44,340百万円となった。

 

負債は、106,715百万円となった。なお、有利子負債残高は36,412百万円となり、自己資本に対する比率であるデット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ)は0.7倍となった。

純資産は、50,450百万円となった。なお、自己資本比率は32.0%となった。

今後も自己資本の充実を図りつつ新規事業を含めた事業投資を行うことで、将来的な収益基盤の拡充に向けた戦略推進を加速させていく。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、2,806百万円の資金増加となった。主な資金増加項目は、税金等調整前当期純利益の計上5,726百万円、未収消費税等の減少3,377百万円及び預り金の増加1,560百万円であり、主な資金減少項目は、立替工事の増加等による売上債権の増加5,114百万円及び未収入金の増加1,064百万円である。なお、営業活動によるキャッシュ・フローの売上高に対する比率である営業CFマージンは2.0%となった。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,294百万円の資金減少となった。主な内訳は、事業用資産投資等に伴う有形固定資産の取得による支出915百万円等である。なお、将来の成長のための投資については、配当政策、事業リスク等を勘案し剰余金の範囲内で実施する方針である。

財務活動によるキャッシュ・フローは、307百万円の資金増加となった。主な内訳は、長期借入れによる収入4,902百万円及び長期借入金の返済による支出3,564百万円である。

これらにより、現金及び現金同等物の期末残高は1,819百万円増加し、25,492百万円となった。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりである。

(資金需要)

当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、建設工事の立替資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、設備投資等によるものである。

(財政政策)

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。資金調達については、金融機関からのタームローンによる借入れをベースとして、不足が生じる場合には当座貸越或いはリボルビングラインによる借入れ等でそれを賄っている。また、これらの資金調達契約を締結することにより、必要な資金水準の維持や緊急的な資金需要に対応可能であることから、資金の流動性は確保しているものと思料する。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び仮定を用いている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合がある。

当社グループの重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、使用される当社の見積り等が、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えられるものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

 

 

5 【重要な契約等】

(シンジケーション形式タームローン契約)

当社は、取引金融機関とシンジケーション方式タームローン契約を締結している。

当該契約の概要は次のとおりである。

(1)借入金額           100億円

(2)契約締結日          2024年12月10日

(3)弁済期限           2026年9月25日

(4)借入金融機関         株式会社みずほ銀行、その他14社

(5)期末残高           100億円

(6)担保・保証          無担保、無保証

なお、当該契約には、財務制限条項が付されている。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」に記載のとおりである。

 

(シンジケーション形式リボルビングライン契約)

当社は、取引金融機関とシンジケーション方式リボルビングライン契約を締結している。

当該契約の概要は次のとおりです。

(1)契約限度額          150億円

(2)契約締結日          2024年12月10日

(3)弁済期限           2025年9月30日

(4)借入金融機関         株式会社みずほ銀行、その他9社

(5)期末残高           120億円

(6)担保・保証          無担保、無保証

なお、当該契約には、財務制限条項が付されている。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結貸借対照表関係)」に記載のとおりである。

 

(単独株式移転による純粋持株会社の設立)

当社は、2024年10月1日に飛島建設㈱の単独株式移転により設立された。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりである。

 

(吸収分割による現金預金、子会社株式及び関連会社株式の承継)

当社は、当社の完全子会社である飛島建設㈱より、同社が保有する現金預金、子会社株式及び関連会社株式を吸収分割により取得した。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりである。

 

 

6 【研究開発活動】

 

当連結会計年度は建設事業を中心に研究開発を行い、研究開発費の総額は679百万円であった。

 

(建設事業)

連結子会社である飛島建設㈱においては、「ブランド・ストーリー」「バリュー」「目指すべき姿」からなる中長期経営ビジョンのもと、土木・建築・環境分野を柱に、「建設生産システムの革新」、「社会基盤施設の維持管理」、「Well-being」、「国土保全と防災・減災強化」を重点戦略とした技術の研究開発に取り組んでいる。

 

〔スライド型枠を利用した「Smart Lining System Type2」〕

㈱エム・シー・エス、㈱すばる建設、岐阜工業㈱と共同で、山岳トンネル建設工事の施工サイクルタイムの短縮による生産性の向上、坑内環境の改善、材料ロスの低減を目的に開発した専用把持型枠方式のSmart Lining Systemを改良し、型枠バイブレータを備えたトンネル上半断面対象のスライド型枠を利用して吹込む一次支保工構築工法「Smart Lining System Type2」を開発した。本工法を令和2年度北勢BP坂部トンネル工事(発注者:国土交通省中部地方整備局)の一部区間に適用した結果、従来の吹付けコンクリートに比べ、粉じん、及び、はね返りの大幅な低減が確認できた。また、スライド型枠を使用していることから上半部全周での仕上がりは平滑であり、内側に施工される覆工コンクリートへの拘束の低減が期待できる。さらに、従来のSmart Lining Systemに比べ、型枠バイブレータを備えたスライド型枠により、隅々まで充填した密実なコンクリートを型枠盛替えの労力や時間を要することなく構築することが可能となった。今後は、本工法の山岳トンネル建設工事への本格適用に向けて、スライド型枠のセット方法の改善や自動測量の導入などにより、設置時間の短縮について改善を進め更なる施工性の改善に取り組んでいく。

 

〔全自動型ドローンと衛星ブロードバンドインターネットを活用したインフラ遠隔自動点検システム〕

非GNSS環境下かつモバイル通信不感地域でも適用可能な、全自動型ドローンと衛星ブロードバンドインターネットを活用したインフラ遠隔自動点検システムを開発した。本システムは、あらゆる場所でのドローンの自律飛行、遠隔・リアルタイムな飛行制御や映像配信、並びに、空撮データの一元管理と空撮データに基づく物体検出・変状検出が可能で、点検の省力化・高度化が実現できる。本システムの有効性検証を目的として、飛島建設㈱と㈱オリエンタルコンサルタンツが共同で発電事業を行っている米沢大平小水力発電所(山形県米沢市)にて行った実証実験の結果、小水力発電所施設の遠隔・自動点検におけるシステムの有効性を検証した。今後は、人手不足や生産性向上といった建設工事の課題を解決するための手段として、屋内外を問わずあらゆる領域の工事現場を念頭に置き、本システムを活用していく。

 

〔サイバー建設現場〕

「サイバー建設現場」は、令和6年度土木学会賞において土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められ、技術賞(Iグループ)を受賞した。

当システムは、建設現場の理解促進のためにBIM/CIMモデルをベースとし、各種建設デジタルデータを統合し、クラウド上で情報共有できるデジタルツインプラットフォームとして開発した。

建設現場の施工工程を表現するためBIM/CIMモデルに時間軸を考慮した4Dモデルとし、工事関係者間の情報共有プラットフォーム及び遠隔支援プラットフォームとして機能するものである。

また、現場から収集した最新データを共有・分析して、課題発見・解決を図り、検討結果を施工へフィードバックする施工改善システムであり、既設の施工情報を蓄積し維持管理へとつなぐ情報共有システムでもある。既に国土交通省発注工事にて運用を開始しており、国土交通省が令和6年4月に提唱した「i-Construction 2.0」において「データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化)」に向けてBIM/CIMモデルを活用し、デジタルツイン技術による生産性向上を図っている。

今後は、更なる機能向上と適用現場の拡大を進めていく。

 

 

〔小型地震計測システム「NAMISIIL」〕

2024年4月以降着工の自社施工の建築物を対象に、導入費用無料で小型地震計測システム「NAMISIIL(ナミシル)」の標準装備を開始した。NAMISIILは設置が容易な小型地震計測システムであり、小型PCと低ノイズのMEMS加速度センサーを活用し、計測・記録・制御・分析を1つのハード機器に集約することができる。更に地震計自体も小型で、設備スペースにも設置が可能であることから、既存建物への設置も容易である。「NAMISIIL」の活用により、建築物の構造の状況をリアルタイムに計測する見守りサービスを実施し、顧客のBCP支援を行っていく。

 

〔主筋周囲拘束補強型RC梁工法「CCM-RC梁工法」〕

鉄筋コンクリート造建築物の大地震時の損傷を抑制する主筋周囲拘束補強型RC梁工法「CCM-RC梁工法」について、一般財団法人日本建築センターより評定(BCJ評定-SS0065-01)を取得した。CCM-RC梁工法は、梁端部のせん断補強筋間に拘束筋(CCM筋)を設け、主筋と周囲のコンクリートの一体性を高めることで、地震時のエネルギー吸収性能の向上や適用した梁部材の損傷低減に期待できる。このことから、地震後の建物の継続使用性を高めることが可能となる。また、特殊な材料や加工を必要としないため、低コストでの導入が可能である。巨大地震や繰り返される地震に対し、建物の継続使用に貢献できるよう、CCM-RC梁工法を積極的に提案していく。

 

(グロース事業等)

  1 グロース事業

◇ 「トビシマダッシュボード」<情報・作業所管理の可視化>

「e-Stand」を基盤に、様々な情報を共有し、作業所管理状況や工事進捗等を可視化する取組みを継続している。ダッシュボード機能を発展させ、ポータルサイトとしての機能強化を図り、本部と作業所間における情報共有及び作業管理に関する情報(入力・参照・進捗管理等)を一元的に集約・管理する体制の構築の推進。この対応を進め、更には後述するAI活用により、本部と作業所における双方向コミュニケーションの高度化を目指していく。

 

◇「自動化に向けたAI活用」

施工管理業務の効率化及び高度化を目的として、「AI現場監督」の開発を継続している。今年度においては、AIエージェント機能を追加することで、特定の業務への適用から、施工管理全体を支援対象とする取り組みに拡大している。

第1段階としては、社内に点在するデータや、安全管理に関する法令・ガイドライン等の社外情報を統合し、音声入力による情報検索を可能とするAIエージェントの開発に取り組んだ。この仕組みは若手職員を対象に検証を進め、「情報検索の大幅な時間削減」、更には若手職員への「知識・ノウハウ提供の支援環境」を整えることを進めていく。

また、作業所に設置した定点カメラ映像を活用し、不安全行動検出のAI技術の開発も継続して取り組んでいる。具体的には「脚立作業における不安全行動検出」の機能を追加した。

今後は、音声データを活用しデータ登録を簡便にするなど、AIエージェントの機能拡充及び対応領域のさらなる拡大を進めていく。

 

  2 その他の事業

当連結会計年度においては、研究開発活動は特段行っていない。

 

(注) 1  NAMISIILは、飛島建設㈱の登録商標である。

2  Smart Lining Systemは、飛島建設㈱、㈱エム・シー・エス及び㈱すばる建設の登録商標である。

3 サイバー建設現場は、当社の登録商標である。

4 AI現場監督は、飛島建設㈱の登録商標である。