第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針について

当社グループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念とし、大地(ゼオ)と永遠(エオン)からなるゼオンの名にふさわしく、独創的な技術・製品・サービスの提供を通じ、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを目指しております。

その企業理念のもと、当社が社会とともに持続的な成長を続けていくために「サステナビリティ基本方針」を定め、これを当社企業活動の基本的な考え方と位置付けております。今後も当社グループでは、社員一人ひとりがより良い未来を考えた行動・活動を実践し、ステークホルダーとの対話・協働を行っていくことで、社会と当社の持続的な発展を目指します。

(2) 経営環境について

①全般

2024年度決算は、シクロオレフィンポリマーおよび光学フィルムの販売が堅調に推移したことに加え、エラストマー素材における販売価格改定の進捗、為替円安の進行などにより、前期比増収・経常増益という結果となりました。2025年度は為替影響や原料価格下落による製品販売価格への影響など、厳しい経営環境を予測していますが、中期経営計画「STAGE30」第3フェーズ初年度として『選択と集中』を旗印に掲げ、さらなるスペシャリティケミカル企業への飛躍を遂げるべく、事業構造の転換の歩を着実に進めたいと考えています。

 

②2030年のビジョンと中期経営計画『STAGE30』

私たちゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」、すなわち「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを企業理念に掲げています。この理念を実現すべく2030年のビジョンを「社会の期待と社員の意欲に応える会社」と定めています。そして、「まずやってみよう」「つながろう」「磨き上げよう」を大切にする価値観として掲げ、この3つの行動を大切にすることで2030年のビジョン実現を目指します。

また、2021年度から2030年度までの中期経営計画を『STAGE30』(ステージ30)と名付け、「サステナビリティ基本方針」の下、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現を目指します。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。

①CO2排出量42%削減(2020年度比、当社グループのScope1+2を対象)

②SDGs貢献製品の売上高比率50%

③既存事業のROIC9.0%

④新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)

⑤従業員エンゲージメント75%

⑥外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)

なお、上記2030年度の目標値に対する2024年度の進捗状況は以下の通りです。

①CO2排出量:23年度削減率12%(23年度実績86万トン、24年度実績集計中)

②SDGs貢献製品の売上高比率:35%

③既存事業のROIC:6.3%

④新規事業の売上高:64億円増加

⑤従業員エンゲージメント:52%(2024年9月調査時点)

⑥外国人/女性役員比率:25%

 

(4) 対処すべき課題について

当社グループは、中期経営計画を2021年度から2030年度までの10年間の経営計画と定め、社員の投票で決めた『STAGE30』という名称で、2030年のビジョンである「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を目指します。2023年度から2026年度を「STAGE30 第2フェーズ」と位置付け、以下の4つの全社戦略によりガバナンス強化を重視して企業価値の向上を実現してまいりました。

①カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する

②「既存事業の磨き上げ」と「新規事業の探索」の両立で社会課題解決に貢献する

③個々の強みを発揮できる「舞台」を全員で創る

④経営基盤を「磨き上げる」

 

今後は2025年度から2028年度を「STAGE30 第3フェーズ」と位置付け、新たに制定したマテリアリティを軸に「選択と集中」による成長事業比率の拡大に向けた事業構造の転換と企業体質の強化を進め、更なるスペシャリティケミカル企業への転換と企業価値向上を目指します。当社の取り組むマテリアリティは以下の通りです。

・心からワクワクできる会社の実現

・イノベーションでほかにない価値を提供

・強固なガバナンスの構築

・社会の変化に対応した事業構造の転換

・循環型社会への貢献

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ共通

ゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念に掲げ、2021年にスタートした中期経営計画では、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を2030年のビジョンとし、サステナビリティ経営の実現に向け取り組んでいます。サステナビリティに関する基本的な考え方や対応の組織的な枠組みを明確にするため、2022年度に「サステナビリティ基本方針」を制定しました。

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①ガバナンス

サステナビリティに関する取組みを全社的に検討・推進するため、「サステナビリティ会議」と、その下に「サステナビリティ委員会」を設置しています。「サステナビリティ会議」は代表取締役が議長を務め、サステナビリティに関する諸施策を議論・決定し、必要に応じて取締役会への報告を行っています。

2024年度には「サステナビリティ委員会」の下に、既設の「統合報告部会」に加え、新たに「TCFD部会」「SDGs貢献製品認定部会」を設置しました。「TCFD部会」では、TCFDの枠組みに基づき、気候変動に対してリスクや機会を特定・識別して事業・戦略・財務計画に及ぼす影響を試算し、効果的な対応や開示を進めています。また「SDGs貢献製品認定部会」では、「SDGs貢献製品認定制度」に基づき、SDGs貢献製品の認定や制度のさらなる充実に向けた検討を行っています。

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(2025年3月末時点)

※ゼオングループの製品のうち、特に社会課題解決への寄与度が高いと考えられるものを「SDGs貢献製品」として認定する制度。それらの開発・製造・販売に注力することで、社会への貢献と企業としての持続的な成長の両立を図り、サステナビリティ経営を一層推進していくことを目的としています。

 

②戦略

ゼオングループは、中期経営計画の中で注力するSDGsのゴールを定め、それらに対応した全社戦略を展開してきましたが、2024年に企業理念「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」の実現に向けて優先的に取り組むべき重要課題をより明確にし、メリハリのある実効性の高い施策を打ち出せるよう、マテリアリティを特定しました。2025年度からの中期経営企画第3フェーズにおいては、これらのマテリアリティを軸として具体的な施策展開を行っていきます。

 

ゼオングループのマテリアリティ(ゼオンを動かす5つの歯車)

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心からワクワクできる会社の実現

一人ひとりが持てる能力を発揮しワクワクしながら働ける場を作っていくことが会社として最も根本的な課題であり、これが当社の成長の要であるイノベーションにつながります。具体的な要素の例としては、「DI&B」「働きがい・エンゲージメントの向上」「業務の効率化・見直し」などが挙げられます。

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イノベーションでほかにない価値を提供

イノベーションは当社が社会の期待に応えながら成長していくための最も重要なキーワードであり、5つの歯車の中央に位置づけています。他者に真似のできない当社にしか生み出せない価値を世の中に提供していくことが、社会とゼオンの持続的な成長につながります。また「イノベーションを起こす仕組み・風土作り」と「独創的な技術・製品・サービス」については、歯車全体を動かしていくうえでのカギとなると考えています。

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強固なガバナンスの構築

サステナビリティ基本方針に掲げる「公正で誠実な活動を貫き、信頼される企業であり続ける」ためには、会社としての基盤を強固なものにしていく必要があります。例えば「経営の透明性」「安定・安全な生産」「品質」「腐敗防止」などに加え、近年世の中で重要な課題と認識されてきている「情報セキュリティ」「持続可能な調達」「人権」などの要素も含まれます。

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社会の変化に対応した事業構造の転換

イノベーションを起こすことで、社会の期待に対応する製品・サービスを生み出し、事業の軸足を移していくことで、事業構造の転換を図っていきます。サステナビリティの観点から「社会の情報化」「モビリティの進化」「健康と福祉」などの分野が社会的にニーズが高い領域であり、これらの領域を中心に積極的にイノベーションを起こしていくことで、社会の変化に対応した事業構造の転換を進めていきます。

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循環型社会への貢献

「循環型社会」とは、例えばリサイクルや廃棄物の削減などにより、限りある資源を最大限に活用し、環境への影響を最小限にする社会を言います。

私たちの製品・サービスやその生産においてイノベーションを起こし事業構造を変えていくことで、循環型社会の実現に貢献し、さらにはその先にある企業理念の実現につながると考えます。

 

 

 

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③リスク管理

ゼオングループでは、サステナビリティに関わるリスクを全社リスク管理の枠組みの中で管理しています。

特にサステナビリティ経営実現のための重要な基盤の一つと位置づけている人権尊重については、自らの事業活動において影響を受ける全ての人の人権を尊重するべく、2021年度より本格的に取組みを開始し、ビジネスの全体像の中から人権リスクマップを策定して人権リスクを特定しました。さらに、勉強会等を通じて人権尊重の重要性を社内に浸透させた上で、外部専門家からのアドバイザリーを受けながら、課題を日本ゼオン、グループ企業、サプライチェーンの3つに分類し、関係部署で具体的な取組みを進めています。

2023年度には「サステナブル調達基本方針」を制定した上で、ゼオングループが取引先とともに持続可能なサプライチェーンの構築に向けた考え方を共有するため、同方針を含めたゼオングループの様々な方針類をパッケージ化した「サステナブル調達ガイドライン」をとりまとめました。

また2024年1月にはサプライチェーン上での法令・コンプライアンス違反や人権侵害等があった場合に通報を受け付ける窓口として、ゼオングループのサプライチェーン通報窓口を当社ホームページ上に設置しました。

引き続き人権尊重に向けた取組みを計画的に進めていきます。

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 気候変動に関わるリスクのうち、全社リスクとして管理すべきものを特定した上で、2024年度より、それらを全社リスク体系の中に統合して統制を開始しました。詳細は、「(2)気候変動③リスク管理」をご参照下さい。

 

④指標及び目標

指標及び目標については、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。

 

(2)気候変動

ゼオングループでは、気候変動が事業に及ぼす影響は非常に大きいと考えており、2020年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。TCFD提言を踏まえ、気候変動が当社事業に及ぼすリスク・機会を分析し、それを経営戦略に反映させることで経営基盤の強化を図り、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

 

①ガバナンス

〇気候関連リスクおよび機会の評価・管理における経営者の役割

2021年7月にコーポレートサステナビリティ推進本部を設置し、当社のサステナビリティ推進とその結果および進捗の開示を行うとともに、中期経営計画での全社戦略である「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する『ものづくり』への転換を推進する」ための活動を行っています。これらの体制整備は、取締役会承認のもとに行っています。

サステナビリティ会議およびサステナビリティ委員会では、重要なサステナビリティ課題の一つとして「TCFD活動を含めた気候変動への対応」を掲げて必要な審議・決定を行っています。またサステナビリティ会議の内容については、取締役会において年4回行われる「サステナビリティ報告」の中で報告されており、取締役会での指摘事項をTCFD活動に反映しています。なお、2024年度からは、前述の通りサステナビリティ委員会の下に「TCFD部会」を設置し、全社的な検討体制を強化しました。

 

〇気候関連リスクおよび機会の評価・管理における経営者の役割

当社はサステナビリティに関する課題を当社の中長期的な方向性に反映させるために、前述のサステナビリティ会議を設置し、議長である当社の代表取締役会長が責任を負う体制としています。

 

②戦略

○組織が特定・識別した、短期・中期・長期の気候関連リスクおよび機会

当社は2020年度にゴム事業部において2℃・4℃シナリオ(RCP2.6/8.5)分析を行った上で、リスクと機会の特定・識別を実施しました。2021年度にはその取組みを全社に展開し、同様のシナリオ分析を実施しました。また2023年度には全社的な体制を構築した上で、1.5℃シナリオ分析を実施し、さらに2024年度には、従来から分析を行っていた高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場に加え、新たに氷見二上工場・敦賀工場を含めた全6工場において、物理リスクを中心に4℃シナリオ(RCP8.5)におけるリスクの特定・識別を実施しました。

 

○気候関連リスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響

・事業インパクト評価

2020年度・2021年度のTCFD活動で、4℃シナリオでは原材料調達コストの増加が、また2℃シナリオでは、原材料調達に加えて炭素税が大きなリスクであると認識しました。さらに自動車のEV化の加速によりエナジー材料の領域で事業機会に大きなインパクトがあると認識しました。2024年度には、中期経営計画第3フェーズの利益計画策定上重要なEVなどの自動車販売台数について前提条件を見直した上で、再評価を行いました。

・リスク重要度評価(リスクおよび機会の認識)

2024年度には、これまでの活動に加え、新たに工場を中心に当社の気候変動に関するリスク・機会を識別した上で、利益へのインパクトを下表の通り試算しました。

 

[シナリオ分析の概要(特定・識別したリスク・機会、発現時期、影響度、対応策)]

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    ※1 発現時期 短期:0~3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年以上。

※2 影響度 大:50億円以上の利益へのインパクトの概算、中:10億~50億円の利益へのインパクトの概算、

小:10億円未満の利益へのインパクトの概算。-は定量評価の具体化を今後検討。

※3 4℃シナリオについてはIEAのSTEPSシナリオを、1.5℃シナリオについてはIEAのNZEシナリオにおけるEV販売台数や原油価格、炭素税価格にてそれぞれ試算。

※4 国土交通省「重ねるハザードマップ」から、日本ゼオンの全6工場における想定最大規模降雨時(1000年に一度)の浸水深を調査し、その結果を国道交通省「治水経済調査マニュアル」にて被害率を試算し、実際に想定最大規模降雨が発災したベースにて被害想定額を算出。

※5 水使用量が多い高岡工場、川崎工場、徳山工場、水島工場において、渇水時に他地域から水を輸送した場合のコストを試算。

 

○2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオに基づく検討を踏まえた、組織の戦略のレジリエンス

当社は2024年3月にSBT認定を取得し、1.5℃水準を目標としています。2023年度は全社的な体制のもとで1.5℃シナリオ分析を実施し、その中で特定・識別されたリスク・機会について対応策を定義しました。

2024年度は、この活動を上述の通り工場に展開し、中期経営計画第3フェーズの議論の中で従来の活動を踏まえ、戦略の強化を図っています。

 

③リスク管理

○気候関連リスクを識別・評価するプロセス

これまでに進めてきた4℃・1.5℃におけるシナリオ分析や、2030年およびそれ以降を想定した気候変動に伴う移行リスク・物理的リスクの特定、重要度に応じた分類のレビューを毎年行い、取組みのさらなる強化に努めています。特に2024年度は、上述の通りこれまで分析を行ってきた4工場に新たに2工場を加えて移行リスク・物理リスクを抽出した上で影響度評価を実施しました。

○気候関連リスクを管理するプロセス

気候関連リスクについては、TCFD活動で特定・識別されたリスクおよびその対応をサステナビリティ委員会において議論し、サステナビリティ会議で審議・決定します。リスク管理については、該当部門において発生頻度と影響を掛け合わせてリスク評価を実施した上で、潜在リスクの事前抑止策および顕在リスクの事後対策を明確にして、リスクの低減・管理を行っています。

○気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが、組織の総合的なリスク管理にどのように統合されているか

当社は、リスク管理委員会で全社リスクを把握・議論し、代表取締役を責任者とするCSR会議に報告する体制となっています。2024年度には、TCFD部会の中で工場を中心に抽出された夏場の気温上昇による熱中症や渇水による水不足などの気候変動リスクについて、全社リスクを評価する枠組みの中に追加しました。全社リスク、気候変動リスクは取締役会に報告し、管理しています。

2025年度以降も、引き続き気候変動に関わるリスクについて必要に応じて見直しを行い、上位のサステナビリティ委員会・サステナビリティ会議での議論・審議を通じてリスクの低減、管理を進めていきます。

 

④指標及び目標

○GHG排出量

2022年4月に第1次カーボンニュートラルマスタープランを設定しました。2030年度における日本ゼオン単体のScope1+2のCO2排出量を2019年度比で50%削減することを目標としています。Scope1・2の削減方策として、①省エネルギー、②プロセス革新、③エネルギー転換の3つのアプローチを採用しています。

さらに2023年度には、ゼオングループ全体でScope1+2、およびScope3の削減目標を以下の通り設定しました。

 

基準年

目標年

削減目標

Scope1,2

2020

2030

42%減(1.5℃水準)

Scope3

25%減(WB2.0℃水準)

2024年3月にはSBT認定取得し、グループ全体の目標を2023年度に設定した上記表の削減目標に一本化しました。GHG排出量の算定方法は、GHGプロトコルに準拠しています。

 

[ゼオングループScope1,2,3排出量の推移]

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※排出量の算定に用いた排出係数

  Scope1:温室効果ガス排出量SHK制度で定められた排出係数

  Scope2:温室効果ガス排出量SHK制度で定められた排出係数および電気事業者別排出係数

  Scope3:環境省 サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース

 

○報酬制度

当社は、2023年度に取締役、執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度を導入しました。中期経営計画各フェーズの最終年度の目標値として設定したものと連動した財務指標および非財務指標(ESG関連指標を含む)を評価指標としています。

(3)人材戦略

①戦略

○人材育成および社内環境整備に関する方針

当社が求める人材像は「高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材」です。そうした人材をさらに確保し、育成していくために「従業員一人ひとりの能力を引き出し、育成し、活用する」組織づくりや環境づくりを進めています。「心からワクワクできる会社の実現」をはじめとする当社のマテリアティ(ゼオンを動かす5つの歯車)の実現に向けて、引き続き個々の強みを発揮できる「舞台」づくりを進めていきます。

 

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「個々の強みを発揮できる『舞台』づくり」の全体像は、①社員の成長と意欲を引き出す人材マネジメントの推進、②経営戦略と人材戦略の連動強化、③働きやすくキャリアを断絶させない職場環境の整備です。2028年度までのKPIを設定し、達成に向けて図中に示すようなアクションに取り組んでいきます。

 

②指標及び目標

a.社員の成長と意欲を引き出す人材マネジメントの推進

◆エンゲージメント調査を通じた課題の可視化

課題を可視化し、人材戦略の打ち手につなげるための「エンゲージメント調査」を2021年度より毎年実施しています。従業員と会社の相互信頼の度合いを測る「従業員エンゲージメント」と、個人の能力を発揮し活かせる組織状況を測る「従業員を活かす環境」の2つのカテゴリー計75問の調査を行い、従業員と組織の能力をともに最大化させ双方の成長につながる施策を検討・展開しています。当社が実施するエンゲージメント調査はグローバルに活用されているもので、好業績のグローバル企業や日系企業の平均値をベンチマークにしています。これにより感覚的に捉えがちであった組織の課題を、より客観的に可視化できるようになりました。

2024年度の従業員エンゲージメントは52%、従業員を活かす環境は51%となり、前年度の結果の横ばいとなりました。2030年の目標値である75%達成に向け、従業員が求められる以上のことをやろうという気持ちにさせる、より前向きな後押しが継続的に必要と考えており、そのための鍵である人事制度改革を核とした「人材マネジメント変革」を進めていきます。

 

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◆「自分らしさ」を発揮できる人事制度を運用する

・幹部職新人事制度の導入

当社は2023年7月に幹部職の人事制度を改定し、「職務」を起点とした新人事制度を導入しています。旧制度では「人」の職務遂行能力に基づきマネジメント職へのステップアップを目指した等級・報酬運用をしていましたが、社員に期待される役割(=職務)が多様化する中、社員の意欲に応え、「個々の強みを発揮できる『舞台』づくり」には、一人ひとりの多様な強みと成長を引き出す人事制度への転換が不可欠と考え、制度改定を行いました。

まずは職能資格も残しながらハイブリッド型での幹部職の新しい人事制度を運用していく中で、経営・事業戦略達成のための適正人員確保に向けた人材ポートフォリオ構築、幹部職の各職務遂行のための人材要件の明確化を進めながら、等級体系をつくりこみ、2025年度には職能資格を完全に廃止した当社にあった職務型人事制度を導入予定です。

また、2025年度以降には一般職の人事制度改定を予定しています。対話を通じて働き方・キャリア形成における課題を把握し、若手から自律的なキャリア形成の機会を支援するため検討を進めていきます。

 

 

 

◆人材育成

・人材育成における「ありたい姿」と人材育成の仕組み

当社では「ありたい人材」を『高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材』と掲げています。各人が目標となる「ありたい人材」像を描くことで、現状とのギャップを埋めていき、また日常の具体的な行動につながるように教育・訓練の仕組みを変えています。その行動を通じて達成された成果を公正に評価し、処遇反映することで、さらに高いレベルを目指す人材となることを支援していきます。

人材育成では、経営理念の自覚や相互に協力するマインドの醸成、共通知識の習得を中心とする基本教育を実施するとともに、それぞれの仕事に必要な能力を開発・向上させる職種別専門教育、評価者のスキル強化を目的とした評価者研修や職場で実施するOJT など階層に応じた教育を実施しています。

職種別専門教育の一例に、「安定的かつ安全な生産を徹底的に追及する生産革新活動」を支える人材育成を目的とした「ものづくり研修」があります。製造現場で働く入社後1~3年目までのオペレーターを対象とし、「工場のルール」や「プラント運転の基礎知識」などの各製造現場共通の知識や技能の実技訓練を行い、ゼオンのものづくりに必要な技術の伝承や安全教育も含めた現場教育の充実を図っています。

 

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・女性活躍支援

当社は多様な人材が個々の強みを発揮・活躍できる会社を目指し、女性の活躍を支援する取り組みを進めています。

女性従業員数が絶対的に少ないことを課題として捉え、近年、大学卒業以上の新卒採用に占める女性の割合を事務系で50%以上、技術系で30%以上にすることを目標にするなど女性採用を積極的に進めてきました。これにより、女性従業員の人数は10年前と比較して2.2倍、比率は9.8%から13.8%に増加しました。管理職に占める女性比率は2025年3月末時点で6.4%に留まっていますが、今後はこうした女性従業員のすそ野の広がりが、女性管理職の増加につながっていくと考え、取り組みを強化しています。

2023年7月に幹部職人事制度を一新したことで、管理職ポジションの職務と人材要件がより明確にできるようになりました。今後は登用に向けた人材要件やギャップを確認し、管理職候補者人材プールの整備を行うとともに、スポンサーシップ制度等を通じた女性管理職・女性管理職候補者層への支援を強化していきます。

 

 

b.経営戦略と人材戦略の連動強化

 2023年7月に導入した「職務型人事制度」により、従来「人」に紐つきがちであった幹部職の職務を戦略起点で見直し、明確化を進めています。また、人材要件の言語化と行動特性情報の蓄積により、次世代経営人材・幹部職人材パイプラインを整備しています。これらにより事業戦略を牽引する人材を戦略的・機動的に配置していく能力を高め、経営戦略の実現に向けた組織能力の向上を図っていきます。

 

 c.働きやすくキャリアを断絶させない職場環境の整備

◆DI&Bの考え方を浸透させる

 当社ではD&IにBelongingを加えたDI&Bを推進しています。多様性を尊重したうえで活かし(D&I)、誰もが受け入れられている安心感や信頼感を持っていること(Belonging)を目標として施策を実施しています。また、ゼオンのマテリアリティ「心からワクワクできる会社の実現」の要素として、社員が動く原動力にもなっています。誰もが「ここで働いていてよかった。ここが私の居場所だ」と思えるようなDI&Bな組織風土を推進していくことは、中期経営計画の(個々の強みを発揮できる)「『舞台』を全員で創る」プロセスそのものです。今後は多様性を変革の推進力に変え、イノベーションの創出にも貢献していきます。

 推進体制としましては、人事統括部門の中にDI&B推進室という専門の部署を設けると共に「DI&B推進プロジェクト」を組織横断的に展開し、トップダウンとボトムアップの両方から施策を行っています。特にDI&B推進プロジェクトではプロジェクトメンバーが自ら取り組みたいDI&Bに関する課題に取り組みながら、多様性を活かすリーダーに成長していく教育を行っています。このようにメンバーへのリーダーシップ教育を通じて、チェンジエージェントの育成にも取り組んでいます。

 

DI&Bの取り組み実績

取り組み

内容

心理的安全性に関する教育

心理的安全性理解のためのワークショップ(経営~部門長レベル、管理職層)、社内報記事の掲載、講演会、コミュニケーション研修等

DI&Bに関する教育

DI&Bカルチャーリーダーシッププログラム、アンコンシャスバイアス研修、セルフリーダーシップ研修、1on1導入研修

社内広報(専用WEBサイト)

心理的安全性教育記事、上司向けの産休育休対応記事、その他DI&Bの取組紹介

DI&B推進プロジェクト

社内各部門から集まったメンバーで、リーダーシップ教育を受けながらDI&Bの課題に取組み

シニア活動推進

ミドルシニア向けのキャリアデザイン講演会

社員同士がつながる仕組みの展開

つなサポ(つながるサポート)ルーム、中途採用者インクルージョン交流会、日本以外出身社員の交流会、子育てパパの交流会等

子育て支援

子育て社員とそれに関わる人の相互理解ワークショップ

中途採用者支援

事業所見学会、対話会

働き方改革

働き方改革に関する講演会

キャリアづくり

社員がキャリアを考える機会の提供・ゲーム要素を用いた研修

DI&Bウィークの実施

DI&Bをゼオンの全員が理解し、DI&Bでゼオンがつながることを目標とした全社キャンペーン週間。DI&Bプロジェクトメンバーが企画・運営を実施

経営との対話会

DI&B推進プロジェクト報告会及び対話会

 

 

DI&Bウィークイベント実施の様子

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◆健康で意欲的に働ける環境を整える

・健康経営宣言

 健康経営の一般的な考え方は「従業員の健康への投資が、企業の成長につながる」とされており、当社でも健康経営を行うことが「ひとり一人がいきいきと活躍し続けること」につながり、「心からワクワクできる会社の実現」につながると考え、取り組みに力をいれています。

 当社では2021年に「健康経営宣言」ならびに「Well-beingのための行動指針『わたしが幸せでいるために』」を定め、会社・従業員が共に健康経営に取り組むことを宣言し取組みを本格化しました。2023年からは健康経営推進担当者会議を設置し、従業員目線での施策立案・実行に注力する体制を整えました。今後も会社と従業員が一体となり健康経営を進めていきます。

 

・健康経営における課題と取り組み

 当社では健康経営の取り組みを①心の健康づくり ②体の健康づくり ③健康リテラシーの向上 ④健康推進体制とワーク・ライフサポート制度の強化の4つに整理し、従業員に示しています。

 2023年には健康経営の課題のひとつである「生活習慣病リスク割合の低下」達成に向け「日本ゼオン健康行動指標」を設定しました。これにより、行うべきこと・目指すものが明確になり、より健康を自分事として捉えてもらうことができています。

「日本ゼオン健康行動指標」の向上に向けた健康行動の後押しにより「生活習慣病リスク割合の低下」を実現し、「ゼオングループで働くひとり一人がいきいきと活躍し続ける」ことの実現につなげていきます。

 

健康経営の目標と課題・施策

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日本ゼオン健康行動指標

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・年次有給休暇取得率の向上

Well-beingのための行動指針「わたしが幸せでいるために」の行動を促す目標値の一つが年次有給休暇の取得率であり、エンゲージメント向上に寄与するKPIであると考えています。2026年度の年次有給休暇取得率70%に向けて、年次有給休暇の取得奨励期間・奨励日の設定、1時間単位および半日単位での取得を可能とする制度整備を行い、2024年度の年次有給休暇取得率は75.6%と2023年度に引き続き2026年度目標を前倒しで達成することができました。一方で個人ごとに目を向けるとまだまだ目標の70%に達していない社員もいるため、全員が年次有給休暇を取得しやすい環境づくりを継続して進めています。

 

 

※当社の人材戦略の具体的な取り組みについては当社サステナビリティwebサイトをご参照ください。

(https://www.zeon.co.jp/csr/social/)

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

1.外部事業環境に係るリスク

日本、北米、欧州、アジアの当社グループの主要市場の経済状況は、当社グループの製品販売に大きな影響を与えます。当社グループは、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減を進めるとともに、エラストマー素材事業においては採算性の向上と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業においては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に努めておりますが、これらの市場における景気後退(金融・資本市場の混乱や大規模な自然災害、感染症の蔓延等に起因するものを含みます)、およびそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

当社グループの事業には、主に日本、北米、欧州、アジアにおける生産と販売が含まれております。各地域における売上高、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時のレートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受けるおそれがあります。

当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における生産と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等により短期的な変動による悪影響を最小限にとどめる努力はしておりますが、急激な短期変動もしくは中長期的な通貨変動により、計画された調達、生産、流通及び販売活動が確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

当社グループは、事業活動上の関係の深化や原材料の安定調達等を目的に取引先の株式を保有しております。当社グループは毎年個別銘柄ごとに保有目的の適切性や保有に伴う便益およびリスクが資本コストに見合っているか等を精査して保有の適否を検証するとともに、保有株式の縮減目標を定めています。しかしながら、大幅な市場価格の下落、又は株式保有先の財政状態の悪化によりその評価が著しく下落した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

当社グループの事業、特にエラストマー素材事業では、原油価格、ナフサ価格及び主要原材料価格の動向が製造コストに大きな影響を与えます。当社グループは、当該価格の変動分を適時適切に製品価格に転嫁すること等による収益性の維持に努めておりますが、地政学的要因等による想定を超える市況の高騰や資源ナショナリズム等により需給が逼迫し、製造コストが急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

当社グループは、研究開発・生産・販売・管理等のさまざまな分野にわたり、高度の専門性を有する多様な人材の計画的な採用・育成に努めております。しかし、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等が見込まれるところ、必要な人材を継続的に獲得するための競争が激化し、人材確保や育成が計画通りに進まない場合には、将来の成長が阻害され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

2.投資に係るリスク

当社グループの将来の成長は、継続して新製品を開発し販売することに依存すると予想しております。

特に高機能材料事業においては、その主要マーケットであるエレクトロニクス業界の技術革新のスピードが著しいため、顧客のニーズを的確に把握し、タイムリーかつスピーディに新製品を上市すべく研究開発投資を行っておりますが、予測を超えた市場の変化や技術の急速な進歩等によりこれらの投資が奏功せず、魅力ある新製品を開発できない場合は、将来の成長と収益性が低下し、業績と財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

当社グループは、将来の事業拡大を目的とした成長投資を行っております。その判断にあたっては社内基準に基づく厳格な審査を行い、案件の事後管理に係る手続も整備・運用しておりますが、外部環境の急激な変化等により期待通りの収益が上がらなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

3.事業のグローバル化に伴うリスク

当社グループの生産および販売活動の一部は、米国、欧州、ならびにアジア各国市場等の日本国外で行われており、さらなる事業展開を計画しております。これらの海外市場への進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在します。

① 予期しない法律または規制の変更

② 不利な政治または経済要因

③ 人材の採用と確保の難しさ

④ 未整備な技術、基盤インフラが、生産等の当社グループの活動に悪影響を及ぼす可能性、または当社グループの製

   品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性

⑤ 潜在的に不利な税制

⑥ 戦争、テロ、その他の要因による社会的混乱

当社グループは現地駐在員の教育や本社-現地間のコミュニケーションの活性化等によるリスク低減に努めておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

4.知的財産保護に係るリスク

当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、他社が類似する、もしくは当社より優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密を模倣、または解析調査したりすることを防止できない可能性があります。さらに、当社グループの製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされるおそれがあります。これらのリスク低減のため、当社グループでは国内外における自社技術の権利化、ノウハウのブラックボックス化、新製品上市前の他社知的財産の調査・対応などに取り組んでおります。

 

5.製品の品質に係るリスク

当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を生産しております。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売り上げが減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

6.コンプライアンスに係るリスク

当社グループは、サステナビリティ基本方針において公正で誠実な活動を貫くことを標榜し、コンプライアンスを法令遵守にとどまらず、社会の構成員として求められる価値観・倫理観によって誠実に行動することと考え、継続的な教育などによりコンプライアンス体制の強化を図っております。しかし、さまざまな環境問題や人権問題をはじめ、企業の社会的責任がより広範かつ高度に求められていくことにより、当社や当社のサプライチェーンの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、公務員に対する不正な利益の供与・贈収賄規制、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な公的規制の適用を受けております。これらの規制を遵守できなかった場合や、今後当社グループに関連する法令の改正や規制の強化があった場合、事業活動が制限され、或いはコストの増加につながるなどの可能性は否定できず、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

7.環境に係るリスク

各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、環境影響物質の排出抑制に継続的に取り組んでおりますが、今後環境に関する国内外の規制強化等により、事業活動の制限あるいは追加の設備投資を余儀なくされるなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

8.訴訟に係るリスク

当社グループが様々な事業活動を行うなかで、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクも想定されます。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

9.気候変動に係るリスク

当社グループはサステナビリティ基本方針において「持続可能な地球への貢献」を標榜し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進するために、省エネルギーや燃料転換等の施策を推進するとともに長期的な研究開発を実施しております。また、気候変動が事業に及ぼすリスク・機会を分析し経営戦略に反映することで経営基盤の強化を図り、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すとともに、その内容について「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿った開示をしております。しかし気候変動に起因する、異常気象の激甚化による事業所やサプライチェーンの被災、原材料やユーティリティ価格の上昇、顧客の行動変化あるいは気候変動対応に係る社会的責任の発生などは当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

10.情報セキュリティに係わるリスク

当社グループは重要インフラ事業者としてプラント制御システムを有する他、各種の業務用システムを開発・運用し、また個人情報を含む営業秘密情報を保有しています。当社グループはシステムの保守更新や不正なアクセスからの防衛、ならびに情報管理の徹底を進めておりますが、サイバーテロなどによる悪意ある侵入や業務妨害行為、システムトラブルや情報漏洩などを完全に防止できる保証はなく、当社グループの生産をはじめとする事業活動が中断するなどして業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

11.事業継続に係るリスク

当社グループは生産ラインの中断による潜在的なマイナスの影響を最小化するために、定期的な災害防止検査と設備点検を行っており、また、事業継続計画(BCP)の策定や非常時を想定した訓練などにも取り組んでおります。しかし、生産設備で発生する災害、停電または地震その他の中断事象による影響、あるいは感染症の流行による事業活動の制限に伴う影響などを完全に防止または軽減できる保証はなく、当社グループの生産及び業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

当社グループの主原料は、ナフサに大きく依存しております。また、その供給を外部に依存しております。生産国の政治情勢が不安定になるなど日本が原油及びナフサの輸入が困難になる、もしくは購入先が事故や災害により操業困難となりそれが長期にわたるなどの状況は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当期の経営環境を振り返りますと、国内経済・海外経済ともに緩やかな回復の動きがみられる一方、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策をはじめとする米国の政策動向による影響などが景気を下押しする懸念は拭えず、また、金融資本市場の変動等の影響についても予断を許さない状況が続くなど、当社グループを取り巻く環境としては先行き不透明な状況で推移しました。

当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力するとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末のエラストマー素材事業の資産は、前連結会計年度末に比べ、39億86百万円増加し、2,372億19百万円となりました。当連結会計年度末の高機能材料事業の資産は、前連結会計年度末に比べ51億95百万円増加し、1,487億57百万円となりました。当連結会計年度末のその他及び全社資産等の資産は、前連結会計年度末に比べ、76億50百万円減少し、1,478億10百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、15億31百万円増加し、5,337億86百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、72億68百万円増加し、1,757億93百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、57億37百万円減少し、3,579億92百万円となりました。

 

b.経営成績

当期の連結売上高は4,206億47百万円と前年同期間に比べて383億68百万円の増収、連結営業利益は293億21百万円と前年同期間に比べて88億21百万円の増益、連結経常利益は330億51百万円と前年同期間に比べて61億46百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は261億99百万円と前年同期間に比べて49億2百万円の減益となりました。

 

セグメントの業績は、次の通りであります。

 

(エラストマー素材事業部門)

合成ゴム関連では、主要市場である自動車産業における一部生産停止や、国内主要工場の定期検査による減産の影響を受けたものの、原料価格高騰分の価格改定の進捗、為替影響などにより、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

合成ラテックス関連では、衛生用手袋用途向けの拡販に加え、為替影響および原料価格高騰分の価格改定の進捗により、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

化成品関連では、海外の粘着テープ・ラベル向けの需要回復や積極的な拡販政策により出荷量が増加したことに加え、為替影響や出荷量増に伴う固定費単価の改善効果により、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて212億73百万円増加し2,365億60百万円、営業利益は前年同期間に比べて42億96百万円増加し109億31百万円となりました。

 

(高機能材料事業部門)

高機能樹脂関連では、光学用途向け・半導体容器向けシクロオレフィンポリマーの需要が堅調に推移し、出荷量が増加しました。加えて、モバイル端末向け光学フィルムの新モデル生産開始時期の前倒しによる出荷量増および大型テレビ向け光学フィルムの需要堅調により、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

電池材料関連では、中国政府の補助金政策を背景に同国内における車載・民生用途向けの需要が堅調に推移し、電力貯蔵システム(ESS)用途向けの需要増および新規採用も進んだものの、欧州でのEV販売不振による在庫調整が継続したことから、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

化学品関連では、合成香料の需給緩和による出荷量減、市況価格下落の影響を受けたこと等から、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

電子材料関連では、半導体市況が緩やかな回復基調となり、売上高は前年同期間を上回りましたが、棚卸資産関連費用の発生により、営業利益は前年同期間を下回りました。

トナー関連では、プリンタ市場が堅調に推移した結果、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて142億44百万円増加し1,216億17百万円、営業利益は前年同期間に比べて43億19百万円増加し175億60百万円となりました。

 

(その他の事業部門)

その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を上回りました。

以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて32億76百万円増加し676億15百万円、営業利益は前年同期間に比べて62百万円減少し38億65百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ156億97百万円(前年度比36.9%減)減少し、268億36百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は207億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ266億32百万円の減少(前年度比56.2%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、棚卸資産の増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は220億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ165億98百万円の資金支出の増加(前年度比305.8%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が減少したことにより資金が増加したものの、投資有価証券の売却による収入が減少したことにより資金が減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は171億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ129億62百万円の資金支出の減少(前年度比43.1%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、自己株式の取得による支出が増加したものの、コマーシャル・ペーパーの純増減額が純減から純増へと転じたことにより資金が増加したこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

エラストマー素材事業

182,585

10.0

高機能材料事業

91,259

9.3

その他

7,364

△6.1

(注)連結会社間およびセグメント間の取引が複雑で、セグメントごとの生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。

 

b.受注実績

特記すべき事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

エラストマー素材事業

232,469

10.0

高機能材料事業

121,551

13.2

その他

66,627

4.8

合計

420,647

10.0

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債および連結会計年度における収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施する必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項について連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a.貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合など、追加引当が必要となる可能性があります。また、貸倒損失の発生により貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。

b.棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の、市場状況等に基づく正味売却価額の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。実際の市場状況等が見積りより悪化した場合、評価減の追加計上が必要となる可能性があります。

c.有価証券

当社グループは、価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の有価証券を所有しております。当社グループは、社内ルールに従って、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券の減損損失を計上しております。このため、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

d.繰延税金資産

当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。ただし繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合は、評価性引当額の計上を行い、将来実現する可能性が高いと考えられる金額を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。

e.固定資産

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

f.退職給付費用および債務

確定給付型の制度に関わる従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付費用および債務が変動する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高と営業利益

当連結会計年度の売上高は4,206億47百万円(前期比10.0%増)、営業利益は293億21百万円(前期比43.0%増)となりました。

詳細につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 に記載しておりますセグメントの業績をご参照願います。

b.営業外損益と経常利益

為替差益の減少等により、営業外損益は前期比で26億75百万円悪化し37億31百万円の利益となりました。

以上の結果、経常利益は、前期比22.8%増の330億51百万円となりました。

c.特別損益

投資有価証券売却益の減少等により、特別損益は前期比で170億81百万円悪化し1億37百万円の損失となりました。

d.親会社株主に帰属する当期純利益

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は65億59百万円となり、非支配株主に帰属する当期純利益は1億56百万円(前年同期は非支配株主に帰属する当期純損失△99百万円)となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比15.8%減の261億99百万円となりました。

③資本の財源及び資金の流動性

a.財務戦略の基本的な考え方

当社グループは、企業価値の向上のために経営資源の配分を行うこととしております。当社グループの企業価値の源泉は、独創的技術であると考えており、財務健全性と資本コストを踏まえ、独創的技術の強化・創出に繋がる設備投資や研究開発等を推進しております。

b.経営資源の配分に関する考え方

当社グループは、必要な手元現預金を確保しつつ、設備投資や独創的技術の開発等への継続的な経営資源の配分に努めます。また、安定的、継続的な配当等を通じた株主還元への配分を行うこととしております。

c.資金需要の主な内容

当社グループの営業活動に係る資金需要は、原材料費、物流費、研究開発費、人件費などがあります。投資活動に係る資金需要は、独創的技術の維持・強化・創出に繋がる設備投資およびIT投資などがあります。

d.資金調達

当社グループの継続と発展のために必要となる資金を安定的に確保するため、内部資金と外部資金を活用しております。運転資金および設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などを活用しております。財務健全性および信用格付の維持により外部資金調達能力を確保するとともに、必要に応じてコミットメントラインの設定により流動性を確保しております。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。

a.CO2排出量42%削減(2020年度比、当社グループのScope1+2を対象)

b.SDGs貢献製品の売上高比率50%

c.既存事業のROIC9.0%

d.新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)

e.従業員エンゲージメント75%

f.外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の研究開発部門として、当社が当社グループの研究開発の中枢組織として川崎地区に総合開発センター(12研究所および2スタジオより構成)、高岡地区に精密光学研究所、徳山地区にCNT研究所、トナー研究室、米沢地区に研究棟、加えて6工場(高岡、川崎、徳山、水島、氷見二上、敦賀)に所属する製造課内に技術グループを有するほか、国外関係会社等の研究部門として、Zeon Chemicals L.P. R&D Center(米国)並びにZeon Research Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)を有しております。

 

主な研究開発活動

エラストマー素材事業(ゴム、ラテックス、化成品等)

・H-NBR、NBR、ACMを中心とする特殊ゴムの世界のリーダーとして日・米の研究部門が緊密な協力体制を構築して新製品開発、新規用途開発、新規市場開拓を進めると共に、各種用途への最適な配合研究や技術サービスを推進いたしました。

・SBR、BR、IR等の汎用ゴムについては、圧倒的コスト優位の製造方法を確立すると共に、次世代をにらんだ低燃費タイヤ用新規ゴム開発を進めました。

・手袋用NBRラテックスやIRラテックスにおける、技術サービスおよび新規市場開拓に注力いたしました。

・ホットメルト接着剤用石油樹脂「クイントン®」や熱可塑性エラストマー「クインタック®」における、新規市場開拓や各種用途での技術サービスに注力いたしました。

 

高機能材料事業(化学品、高機能樹脂、高機能部材、電子材料、トナー、電池材料、健康、CNT)

・特殊化学品では、工業薬品、新規医薬・農薬の原料、特殊溶剤・洗浄剤として、新規用途開発、新規市場開拓に注力いたしました。

・非晶質環状オレフィンポリマーの「ZEONEX®」シリーズでは、光学、医療、通信分野を中心に開発を推進しております。

・非晶質環状オレフィンポリマーの「ZEONOR®」シリーズでは、新規用途開発を進めております。

・液晶ディスプレイに使用される光学フィルムや、その他機能性部材の開発を進めております。

・熱伝導性材料等の情報材料関係で製品開発を計画通り進めております。

・重合法トナーは、省エネルギー対応次世代カラートナーの開発を計画通り進めております。

・電池材料の研究では、リチウムイオン二次電池用の材料の開発を推進しております。

・カーボンナノチューブ(CNT)の研究では、リチウムイオン二次電池用途等の開発を進めております。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

エラストマー素材事業

3,256

高機能材料事業

5,699

その他

867

全社(共通)

8,402

合計

18,224