第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

  ①経営成績の状況

 当連結会計年度は、半導体製造装置向け新製品立上費用の先行負担、処遇改善に伴う人件費増、エネルギー・資材価格上昇などのコストアップを、価格転嫁するとともに、連結売上高の3割強を占めるトナー事業と、前連結会計年度に新製品が立ち上がった機能性不織布事業を主とする増収によって、これらコストアップを一部相殺し、期初計画の達成を目指していました。

 当第3四半期連結累計期間においては、半導体・ディスプレイ関連事業が当初想定より販売が堅調に推移したほか、新規クレジットカードへの切り替えが継続するセキュリティメディア事業においても売上は好調を維持した一方で、中国経済の低迷が継続したことにより、トナー事業・機能性不織布事業では販売低迷が続いたことなどから、売上高は24,940百万円となり、トナー事業が特に好調だった前年同期比では924百万円の減収(前年同期25,865百万円、前年同期比3.6%減)となりました。

 利益面では、利益率が高い半導体・ディスプレイ関連事業及びセキュリティメディア事業の販売は堅調であったものの、販売不振のトナー事業と機能性不織布事業において生産調整による在庫圧縮を行ったことなどから、コストアップを計画通りに相殺しきれず、営業利益が977百万円と前年同期と比べ849百万円の減益(同1,827百万円、同比46.5%減)となりました。

 経常利益については、ディスプレイ向けフィルム加工を行う関連会社からの持分法投資利益の貢献が想定より大きかったことから、1,216百万円と前年同期と比べ716百万円の減益(同1,932百万円、同比37.1%減)に止まり、ほぼ計画通りの結果となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益についても、454百万円と、前第1四半期連結会計期間に計上した固定資産売却による特別利益などがなかったこともあり、前年同期比では1,295百万円の減益(同1,749百万円、同比74.0%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

a.トナー事業

 トナー事業においては、円安による海外関連売上高の嵩上げはあったものの、中国経済の低迷が継続した影響等により受注が伸び悩んだほか、海外競合他社との価格競争が拡大したことなどにより、特にモノクロトナーにおいて大幅減収となりました。

 利益面では、海外子会社を含む売上高の大幅な減少に加え、原燃料価格上昇によるコスト増加のほか、在庫調整に伴う生産量抑制の影響もあり大幅な減益となりました。

 この結果、売上高は8,614百万円(同10,586百万円、同比18.6%減)となり、セグメント(営業)利益は460百万円(同1,882百万円の利益、同比75.5%減)となりました。

b.半導体・ディスプレイ関連事業

 半導体・ディスプレイ関連事業においては、半導体実装用テープSBUの販売が堅調に推移したほか、光学フィルムSBUについて、当第3四半期連結累計期間においても子会社を含めて当初想定していなかったディスプレイ向けフィルム加工への注文も引き続き好調を維持したことにより増収となりました。

 利益面では、新製品開発コストの増加はあったものの新製品の試作・試験入金が当初予想を上回ったほか、光学フィルムSBUでの増収効果に加えて、事業共通の基幹設備である塗工機の稼働率が上昇したことなどにより、前年同期比で増益となりました。

 この結果、売上高は4,984百万円(同4,261百万円、同比17.0%増)となり、セグメント(営業)利益は416百万円(同157百万円の利益、同比163.7%増)となりました。

 

c.機能性シート事業

 機能性シート事業においては、事業全体で案件獲得や製品価格改訂を進めたものの、機能性不織布SBUについて中国経済の減速が持続した影響等により受注が伸び悩んだこともあり前年同期比で減収となりました。

 利益面では、原燃料価格上昇によるコスト増加があったものの、コスト上昇分の製品価格への反映に加え、各種コストダウン効果などにより、前年同期比で増益となりました。

 この結果、売上高は7,854百万円(同7,968百万円、同比1.4%減)となり、セグメント(営業)利益は22百万円(同65百万円の損失)となりました。

d.セキュリティメディア事業

 セキュリティメディア事業においては、コンビカードへの切り替えが進んだことに加え、通帳類等が増加したほか、宣伝印刷物などの受注が増えたことにより、売上高は3,269百万円(同2,869百万円、同比14.0%増)となりました。

 利益面では、エネルギー価格上昇の影響を受けたものの、増収効果が大きく、セグメント(営業)利益は353百万円(同120百万円の利益、同比194.3%増)となりました。

e.新規開発事業

 新規開発事業においては、主にiCas関連製品の開発と販売を進めており、特に半導体製造装置向け新製品群の上市に向け専心しております。売上高は41百万円(同38百万円、同比6.4%増)となり、セグメント(営業)損失は370百万円(同357百万円の損失)となりました。

f.その他の事業

 その他の事業においては、売上高は175百万円(同141百万円、同比24.0%増)となり、セグメント(営業)利益は63百万円(同62百万円の利益、同比1.5%増)となりました。

 

②財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は44,181百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,233百万円の増加となりました。流動資産は22,317百万円で、前連結会計年度末に比べ779百万円の増加となり、その主な要因は、前連結会計年度末に比べ受取手形及び売掛金や棚卸資産が減少したものの、当第3四半期連結会計期間末が金融機関の休日であったことなどにより、現金及び預金が増加したことなどによるものです。固定資産は21,864百万円で、前連結会計年度末に比べ454百万円の増加となり、その主な要因は、設備投資による有形固定資産の増加や、保有株式の時価評価による投資有価証券が増加したことなどによるものです。

負債合計は26,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,684百万円の増加となりました。このうち流動負債は18,023百万円で、前連結会計年度末に比べ1,944百万円の増加となり、その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が減少したものの、短期借入金が増加したことなどによるものです。固定負債は8,239百万円となり、前連結会計年度末に比べ259百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金の返済が進んだことなどによるものです。当第3四半期連結会計期間末における有利子負債残高は13,627百万円となり、前連結会計年度末に比べ914百万円の増加となりました。

また、純資産合計は17,919百万円となり、前連結会計年度末に比べ451百万円の減少となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に加え、その他有価証券評価差額金や為替相場の円安傾向による為替換算調整勘定の増加などがあったものの、A種優先株式の償還に伴い資本剰余金が減少したことによるものです。

なお、A種優先株式については、2023年9月に全部償還を行い、優先配当等の支払い負担を低減させ財務体質の健全化を図っております。償還後においても連結純資産比率は40.6%と、安定した財務基盤を維持しております。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の

分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、989百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。