当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (9)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載した、前連結会計年度末において存在していた継続企業の前提に疑義を生じさせるような事象または状況は、第2四半期連結累計期間において解消しております。なお、当第3四半期連結累計期間においても、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益ともに黒字を計上し、通期の黒字化に向けて改善策も継続しております。
以上を踏まえ、当第3四半期連結会計期間末においては、継続企業の前提に疑義を生じさせるような事象または状況は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、行動制限の解除により、個人消費やインバウンド需要の回復などで、経済活動が正常化に向かう一方、国際情勢に起因するエネルギー資源や原材料価格の高騰、および為替の変動などによる物価上昇が、消費マインドや企業活動に影響を及ぼしており、依然として不透明な状態が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、販売価格の見直しや在庫販売の促進に加え、得意先の店頭売上も増加傾向にあることから、業績は回復基調にあります。
また、売上の拡大と収益の回復を目的に、2023年度からスタートした「新中期3ヵ年経営計画」の施策を確実に実行していく中、売上高の増加とともに収益面でも黒字基調に転じております。なお、2023年度からスタートしている「新中期3ヵ年経営計画」の基本方針に対する進捗状況は、以下のとおりであります。
① オリジナルブランドの構築
百貨店チャネルのドレスシャツ売場におきましては、継続して実施している「CHOYA」ブランドのコーナー化・一社化・ショップ化の営業政策により、既製ドレスシャツのシェアは75%、同じくオーダーシャツのシェアも75%と高水準を維持しております。既製ドレスシャツにつきましては、「CHOYA」ブランドの超形態安定シャツ・スリムフィットに加え、地域特性・店舗特性に適応した新たなスタイルと価格のバリエーションを提案強化しており、さらなるFAN獲得を図ってまいります。オーダーシャツにつきましては、ライセンスブランドの絞り込みに伴い、「CHOYA」ブランドの品揃えを充実させるなど、店頭フェイスの拡大を図ることで、お客様への認知度をアップさせております。量販店チャネルにおきましては、「SHIRT HOUSE」ショップ名のコンセ売場が前連結会計年度末の109店舗から当第3四半期連結会計期間末では116店舗まで増加しております。復活を目指す「SWAN」ブランドにつきましては、2023年春夏物から展開しているお手入れが簡単なトリコット素材を使用した既製ドレスシャツが好調に売上を伸ばしており、さらにコンセプト・ラインを拡げることで、「SWAN」ブランドの売上拡大・FANづくりに努めてまいります。
② BtoCの強化による収益アップ
消費者直販型事業(BtoC)の強化におきましては、自社サイトである山喜オンラインショップの会員数が、前連結会計年度末の26,651名から、当第3四半期連結会計期間末では31,562名にまで増加し、売上も前年同期を上回っております。ネット販売における営業人員の補充が完了しており、今後はカスタマーサービス、およびエンジニアなどの人材補充による運営体制の強化を進めてまいります。また、システム面では、検索強化ツールなどの導入により、さらなる売上・収益の拡大を図ってまいります。
百貨店チャネルの既製ドレスシャツ・オーダーシャツ売場の消費者直販型事業におきましては、取引形態の消化売上移行による条件改定、小売価格のアップ等により、収益が拡大しております。今後は売上の大きい店舗での販売員増員によるシェアアップを図り、継続的に進めている消化売上店舗の拡大と、直営店の新規出店も視野に入れ、収益拡大に努めてまいります。
量販店チャネルの消費者直販型事業である「SHIRT HOUSE」におきましては、小売価格の見直し、コーディネイト販売の強化、店頭販売員のスキルアップのための教育などを徹底したことにより、売上・収益面ともに順調に推移しております。引き続き、1店舗あたりの運営効率を向上させるために、販売員付きのコンセ売場の坪数を拡げ、フェイスの拡大を図ってまいります。
③ ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大
ドレスシャツにおきましては、2023年秋冬物が残暑の影響を受け、一部苦戦を強いられましたが、前期から継続して実施している納品価格交渉の成果と、為替予約方法の見直しにより、粗利率は改善できました。
カジュアルにおきましても、防寒アウターなどは暖冬の影響を受けましたが、シャツアウターが好調で、厚手のシャツ生地を使った商品が拡大傾向にあります。レディースにおきましては、ウォーム感を持たせた微起毛素材に静電気防止加工を施したブラウスが好評で、ユニフォーム関連におきましても、トリコット素材を使用した商品が好調に推移しており、イージーケア性に優れた同素材を使用したスクールシャツの提案など、新商品を強化することで、売上の拡大を図っております。
また、2024年秋冬物に向けては、トリコット生地に微細な柄表現を施した昇華転写プリントのメンズシャツ&レディースブラウス、温感・調温加工素材、透湿撥水機能アウターなど、新商品の提案を強化し、受注拡大に努めております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、連結売上高86億92百万円(前年同期は85億38百万円)、営業利益2億99百万円(前年同期は1億4百万円の損失)、経常利益3億21百万円(前年同期は37百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益2億51百万円(前年同期は29百万円の損失)となりました。
事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
①国内販売
国内販売セグメントは上述の要因により、売上高74億78百万円(前年同期は75億22百万円)、セグメント利益2億72百万円(前年同期は1億13百万円の損失)となりました。
②製造
製造セグメントにおいては、得意先からの発注数減少により生産調整等を行ったことで、売上高は17億40百万円(前年同期は18億98百万円)、セグメント損失13百万円(前年同期は19百万円の利益)となりました。
③海外販売
海外販売セグメントにおいては、中国協力工場向けの受注増加やカジュアル製品の売上増等により、売上高は4億33百万円(前年同期は2億56百万円)、セグメント利益20百万円(前年同期は12百万円の利益)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は114億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億88百万円減少いたしました。この主な要因は、製品の減少等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債は72億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億1百万円減少いたしました。この主な要因は、短期借入金の減少等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は42億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億13百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金の増加等によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。
(6) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
特記すべき事項はありません。