【要約四半期連結財務諸表注記】
1. 報告企業
当社は、日本国に所在する株式会社です。当社及び国内外の連結子会社(以下まとめて「連結会社」)は、国内外のネットワークを通じて、天然資源開発から多種多様な商品の売買や製造、コンシューマー向け商品やサービスの提供を行うほか、広い産業接地面やグローバルインテリジェンスによる総合力を活かし、新しいビジネスモデルや新技術の事業化、新たなサービスの開発・提供など、広範な分野で多角的に事業を展開しています。
連結会社の主な事業活動内容は、注記5にて開示しています。当社の連結財務諸表は、連結会社、並びに連結会社の関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されています。
2. 作成の基礎
当社の要約四半期連結財務諸表はIAS第34号に準拠して作成しており、年次連結財務諸表で要求されている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。
3. 重要性のある会計方針
当要約四半期連結財務諸表において適用する重要性のある会計方針は、以下を除き、前連結会計年度の連結財務諸表において適用した会計方針と同一です。
新たに適用する主な基準書及び解釈指針
IAS第12号「法人所得税」(改訂)
連結会社は、第1四半期連結会計期間よりIAS第12号(改訂)を適用しています。同基準の適用により、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、「持分法で会計処理される投資」及び「利益剰余金」並びに連結持分変動計算書の「利益剰余金」の期首残高がそれぞれ5,381百万円減少しています。
なお、連結持分変動計算書における、前連結会計年度の「利益剰余金」の「会計方針の変更に伴う累積的影響額」22,384百万円の減少には、上記のIAS第12号(改訂)適用に伴う5,381百万円の減少に加えて、前連結会計年度より適用したIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」(改訂)の影響17,003百万円の減少が含まれています。
IAS第12号(改訂)の適用に伴い、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせる取引に関する当初認識時の会計処理が明確化され、当該将来加算一時差異と将来減算一時差異について「繰延税金負債」及び「繰延税金資産」が連結財政状態計算書にそれぞれ認識されることになります。持分法で会計処理される投資の一部事業において、繰延税金資産の回収可能性がないと判断した結果、繰延税金資産が認識されない一方で、繰延税金負債のみが認識されることによる差額について、上記のとおり、「持分法で会計処理される投資」及び「利益剰余金」を遡及修正しています。
これらを除く新たな基準書及び解釈指針の適用による当要約四半期連結財務諸表への重要な影響はありません。
4. 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの改訂による影響は、その見積りが改訂された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当要約四半期連結財務諸表の金額に重要な影響を与える会計上の判断、見積り及び仮定は、注記13に含まれているものを除き、前連結会計年度の連結財務諸表と同様です。なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響に関する直近の状況については以下のとおりです。
ロシア・ウクライナ情勢の影響
連結会社のロシアにおける主たる事業は自動車・モビリティセグメントにおける販売金融事業及び天然ガスセグメントにおけるLNG関連事業への投資です。当第3四半期連結会計期間末における連結会社のロシアにおける事業に関する資産総額は186,674百万円(内、国際送金規制の対象となる現金及び現金同等物の残高は53,093百万円)です。
(ロシアにおけるLNG関連事業)
連結会社は、ロシアでLNG関連事業を行うSakhalin Energy LLC(以下SELLC)に対して10%持分を有しており、その他の投資(FVTOCIの金融資産)として会計処理を行っています。関連するロシア大統領令及び政府令に基づく当該LNG関連事業の権利義務に係る会計処理については、前連結会計年度の有価証券報告書の第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記2「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
2023年4月11日付けのロシア政府令(第890号)によってSELLCの新たな出資者が承認されましたが、 会社定款及びSELLCの出資者間協定書の条件など事業運営に係る詳細については、新たな出資者への持分移転手続きが完了し、SELLCの出資者構成が確定した後に協議する必要があり、当該投資に係る不確実性は依然として継続しています。連結会社は、当該状況を勘案し、確率加重平均による期待現在価値技法を用いたインカム・アプローチで当該投資の公正価値を測定しており、測定に用いる割引率はロシアのカントリーリスクプレミアムを考慮した上で決定しています。SELLCへの投資を通じて当該プロジェクト期間にわたる配当収入を見込む一方、その他シナリオも加味し、当第3四半期連結会計期間末における当該投資の公正価値(レベル3)を111,580百万円として測定し、当第3四半期連結累計期間において28,370百万円のその他の包括利益の増加(税前)を認識しています。
なお、今後の更なる状況の変化により、その他シナリオで加味してきた不確実性が一部解消することで、確率加重平均による期待現在価値技法に用いるシナリオを再評価する必要があり、これによりSELLC宛て投資の公正価値は増加又は減少する可能性があります。
5. セグメント情報
事業セグメント情報
事業セグメントは、連結会社の最高経営意思決定者である当社の代表取締役 社長が経営資源の配分や業績評価を行うにあたり通常使用しており、財務情報が入手可能な企業の構成単位、として定義されています。
事業セグメントは商品及び提供するサービスの性質に基づき決定されています。連結会社の報告セグメントは以下の10グループにより構成されています。
各事業セグメントにおける会計方針は、注記3に記載のとおりです。
経営者は管理上、当社の所有者に帰属する当期純利益を主要な指標として、いくつかの要素に基づき各セグメントの業績評価を行っています。
なお、セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。
連結会社の各セグメントの情報は以下のとおりです。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
前第3四半期連結会計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
6. 売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、売却の可能性が非常に高く、かつ1年以内に引渡しが予定されているため、売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループは以下のとおりです。
売却目的保有に分類された非流動資産
前連結会計年度末において、複合都市開発セグメントにおける投資不動産(賃貸用のオフィスビル及び商業施設等)44,953百万円を売却目的保有に分類し、帳簿価額で測定していましたが、2023年5月31日に当該資産の売却が完了し、これに伴う売却益18,246百万円及びこれに係る法人所得税費用4,562百万円を、要約四半期連結損益計算書の「固定資産除・売却損益」、「法人所得税」に計上しています。また、現金による受取対価63,200百万円を、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書の「投資不動産の売却による収入」として計上しています。
当第3四半期連結会計期間末において、FVTOCIの金融資産13,963百万円を売却目的保有に分類し、公正価値(レベル2)で測定しています。
売却目的保有に分類された処分グループ
前連結会計年度末において、自動車・モビリティセグメントの連結子会社であるMCE Bank GmbH(以下、MCE Bank)が保有する資産及び負債を売却目的で保有する処分グループに分類し、連結財政状態計算書の「売却目的保有資産」及び「売却目的保有資産に直接関連する負債」にそれぞれ141,382百万円、7,714百万円を計上しておりましたが、2023年5月31日に、連結会社が保有するMCE Bankの全株式(発行済株式数の100%)について、Santander Consumer Bank AG宛てに売却が完了しました。本株式売却に伴い、連結会社はMCE Bankに対する支配を喪失しました。なお、当第3四半期連結累計期間において計上された支配喪失に伴う損益に重要性はありません。
当第3四半期連結会計期間末において、金属資源セグメントの連結子会社であるMitsubishi Development Pty Ltdが権益の50%を保有するブラックウォーター炭鉱、及びドーニア炭鉱に関する資産(主に鉱物資源関連資産などの有形固定資産)189,542百万円を売却目的保有に分類し、帳簿価額で測定しています。
これは、豪州のWhitehaven Coal Ltdに当該資産を売却することについて2023年10月18日に合意に至り、通常又は慣例的な条件にのみ従って1年以内の売却が見込まれることになったものです。なお、当該資産に直接関連する負債(主に資産除去債務)65,120百万円についても売却目的保有に分類しています。
当第3四半期連結会計期間末において、食品産業セグメントの連結子会社が保有する資産及び負債を売却目的で保有する処分グループに分類し、当該処分グループを売却コスト控除後の公正価値(レベル2)で測定しています。これは、株式の売却交渉が進捗し、当該事業に関する資産及び負債に対する支配の喪失が1年以内に見込まれることなどによるものです。
この結果、34,256百万円の「固定資産減損損失」を含む税後39,151百万円の損失を要約四半期連結損益計算書に計上しています。
売却目的保有の処分グループに分類された資産及び負債の内訳は以下のとおりです。
7. 有形固定資産
取得及び処分
有形固定資産の取得及び処分の金額は、前第3四半期連結累計期間においてそれぞれ305,097百万円、14,073百万円、当第3四半期連結累計期間においてそれぞれ339,974百万円、210,209百万円です。なお、これらの金額には、連結範囲の変更に伴う増減は含まれていません。また、処分の金額には、売却目的保有資産への振替額を含めています。
8. 社債
前第3四半期連結累計期間において110,580百万円の社債を償還しています。
当第3四半期連結累計期間において72,185百万円の社債を発行しています。
当第3四半期連結累計期間において39,876百万円の社債を償還しています。
9. 資本
配当金
当社は、前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間において、配当金を以下のとおり支払いました。なお、「配当金の総額」には、株式付与ESOP信託及び関係会社が保有する自己株式に対する配当が含まれます。
(注)当社は、2024年1月1日付けで普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記の「1株当たり配当額」は株式分割前の株数を基準にしています。
自己株式
当社は、2023年2月3日及び同年5月9日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式(普通株式)を取得するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。同決議に基づき、以下のとおり自己株式を取得、消却しています。
(注)当社は、2024年1月1日付けで普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記は株式分割後の株数を基準にしています。
10. その他の資本の構成要素
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間におけるその他の資本の構成要素(当社の所有者に帰属)の各項目の内訳(税効果後)は以下のとおりです。
(単位:百万円)
11. その他の損益-純額
要約四半期連結損益計算書における「その他の損益-純額」は、前第3四半期連結累計期間において、その他の収益51,787百万円とその他の費用50,842百万円の純額となっており、また当第3四半期連結累計期間において、その他の収益50,901百万円とその他の費用35,653百万円の純額となっています。
12. 1株当たり情報
1株当たり四半期純利益(当社の所有者に帰属)及び希薄化後1株当たり四半期純利益(当社の所有者に帰属)の調整計算は以下のとおりです。
(注)当社は、2024年1月1日付けで普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記は株式分割後の株数を基準にしています。
(注)当社は、2024年1月1日付けで普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。上記は株式分割後の株数を基準にしています。
13. 公正価値測定
継続的に公正価値で測定される資産及び負債
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末における、継続的に公正価値で測定される資産及び負債の内訳は、以下のとおりです。
(前連結会計年度末) (単位:百万円)
(当第3四半期連結会計期間末) (単位:百万円)
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における、継続的に公正価値で測定されるレベル3の主な資産及び負債の調整表は以下のとおりです。
(前第3四半期連結累計期間) (単位:百万円)
(当第3四半期連結累計期間) (単位:百万円)
短期運用資産及びその他の投資(FVTPL)について四半期純利益で認識した損益は、要約四半期連結損益計算書の「有価証券損益」に含まれており、その他の包括損益で認識した金額は、要約四半期連結包括利益計算書の「在外営業活動体の換算差額」に含まれています。
短期運用資産及びその他の投資(FVTOCI)についてその他の包括損益で認識した金額は、要約四半期連結包括利益計算書の「FVTOCIに指定したその他の投資による損益」及び「在外営業活動体の換算差額」に含まれています。なお、当第3四半期連結累計期間にその他の包括損益で認識した金額には、中長期事業計画の見直し等を主因とする銅事業宛て投資の公正価値の減少87,992百万円、ロシアにおけるLNG関連事業の公正価値の増加28,370百万円が含まれています。また、前第3四半期連結累計期間にその他の包括損益で認識した金額には、ロシアにおけるLNG関連事業宛て投資の公正価値の減少78,741百万円、マレーシアにおけるLNG関連事業宛て投資の配当見通しの下方修正等による公正価値の減少40,072百万円、及びHERE Technologies宛て投資の事業計画の見直し等を主因とする公正価値の減少33,970百万円が含まれています。ロシアにおけるLNG関連事業の見積り及びその基礎となる仮定については、注記4及び前連結会計年度の有価証券報告書の第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記2「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
その他の金融負債(デリバティブ)についてその他の包括損益で認識した金額は、主に要約四半期連結包括利益計算書の「キャッシュ・フロー・ヘッジ」に含まれています。当第3四半期連結累計期間に、その他の金融負債(デリバティブ)についてその他の包括損益で認識した金額は、主に電力市況の下落に伴う、N.V. Enecoにおける長期電力供給契約に係るデリバティブの公正価値の変動によるものです。また、前第3四半期連結累計期間に、その他の金融負債(デリバティブ)についてその他の包括損益で認識した金額は、主に電力市況の高騰に伴う、N.V. Enecoにおける長期電力供給契約に係るデリバティブの公正価値の変動によるものです。
その他の金融負債(デリバティブ)について、当第3四半期連結累計期間で認識した損益は、主に電力に関連するデリバティブの公正価値の変動によるものです。これらの損益は、主に要約四半期連結損益計算書の「収益」に含まれています。また、その他の金融資産(デリバティブ)及びその他の金融負債(デリバティブ)について、前第3四半期連結累計期間で認識した損益は、主に電力市況の高騰に伴う、長期電力契約及び関連するデリバティブ(販売・調達)の公正価値の変動によるものです。これらの損益は、主に要約四半期連結損益計算書の「原価」に含まれています。
上記の公正価値測定においては、観察可能な市場価格などのインプットに加え、エネルギー政策や将来の電力需給に関する予測などの観察不能なインプットを用いて先物時価を見積っていることなどから、レベル3に分類しています。
継続的に公正価値で測定される資産及び負債の測定方法
継続的に公正価値で測定される資産及び負債の測定方法は、前連結会計年度の有価証券報告書の第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記30に記載した内容と同一です。
レベル3に分類される資産に関する定量的情報
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、レベル3に分類される継続的に公正価値で測定された資産のうち、重要な観察不能なインプットを使用して公正価値を測定した資産に関する主要な定量的情報は以下のとおりです。
(前連結会計年度末)
(当第3四半期連結会計期間末)
非上場株式の公正価値測定で用いている重要な観察不能なインプットは割引率です。これらのインプットの著しい上昇(低下)は、公正価値の著しい低下(上昇)を生じさせることとなります。なお、個別の非上場株式について割引率の変動がない場合においても、各銘柄の公正価値が変動することにより、上記の加重平均の割引率が変動する可能性があります。レベル3に分類される非上場株式の公正価値の変動については「継続的に公正価値で測定されるレベル3の主な資産及び負債の調整表」をご参照ください。
レベル3に区分される公正価値測定に関する評価プロセスは、前連結会計年度の有価証券報告書の第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記3「(17)公正価値の測定」に記載した内容と同一です。
償却原価で測定される金融商品の公正価値
償却原価で測定される金融商品の帳簿価額及び公正価値に関する情報は以下のとおりです。
現金同等物及び定期預金
償却原価で測定される現金同等物及び定期預金の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、それぞれ333,290百万円、432,794百万円です。比較的短期で満期が到来するため、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、公正価値は帳簿価額と近似しています。
短期運用資産及びその他の投資
償却原価で測定される短期運用資産及びその他の投資は、主に国内及び海外の債券、並びに差入保証金などの市場性のない資産で、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末における帳簿価額は、それぞれ216,624百万円、217,830百万円です。債券については、金利スワップ契約等をヘッジ手段として公正価値ヘッジを適用する方針としており、帳簿価額には当該ヘッジ会計の効果も含まれていることから、また、差入保証金については、主に国内低金利が続く状況下、当初認識以降、公正価値測定に適用される割引率に重要な変動がないため、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、公正価値は帳簿価額と近似しています。
営業債権及びその他の債権
償却原価で測定される営業債権及びその他の債権の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、それぞれ4,283,129百万円、4,487,997百万円です。短期分が大部分を占めており、帳簿価額と公正価値の乖離をもたらす長期分の残高に重要性がないことから、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、公正価値は帳簿価額と近似しています。
社債及び借入金
償却原価で測定される社債及び借入金の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、それぞれ4,889,881百万円、5,255,085百万円です。連結会社は、特に金利変動リスクを受けやすい長期の固定金利条件の調達について、金利スワップ契約等をヘッジ手段として公正価値ヘッジを適用する方針としており、帳簿価額には当該ヘッジ会計の効果も含まれていることから、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、公正価値は帳簿価額と近似しています。金利リスクに関するリスク管理方針については、前連結会計年度の有価証券報告書の第一部 企業情報 第5 経理の状況 連結財務諸表注記33をご参照ください。
営業債務及びその他の債務
償却原価で測定される営業債務及びその他の債務の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、それぞれ3,424,965百万円、3,682,375百万円です。短期分が大部分を占めており、帳簿価額と公正価値の乖離をもたらす長期分の残高に重要性がないことから、前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、公正価値は帳簿価額と近似しています。
14. 連結子会社
前第3四半期連結累計期間
前第3四半期連結累計期間において、連結子会社の支配喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益(税前)は、128,250百万円であり、要約四半期連結損益計算書上、「有価証券損益」に計上されています。このうち、残存保有持分を公正価値で再測定することにより認識した損益(税前)に重要性はありません。
(三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社)
連結会社は、前第3四半期連結累計期間において、連結会社が保有する三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(以下、MC-UBSR)の全株式(発行済株式数の51%)について、KKR & CO. INC.の間接子会社である76株式会社宛てに売却が完了しました。本株式売却に伴い、連結会社はMC-UBSRに対する支配を喪失しました。支配喪失に伴う売却益は112,018百万円、これに係る法人所得税費用は27,940百万円であり、それぞれ前第3四半期連結累計期間において、要約四半期連結損益計算書の「有価証券損益」、「法人所得税」に計上しています。また、現金による受取対価115,652百万円は、前第3四半期連結累計期間において、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書の「事業の売却による収入(売却時の現金保有額控除後の純額)」に含まれています。
(DGA SEG B.V.)
連結会社は、前第3四半期連結会計期間において、インドネシア地熱発電投資事業会社に出資する電力ソリューションセグメントの100%出資子会社DGA SEG B.V.(以下、SEG B.V.)の50%の持分を売却しました。
この結果、連結会社はSEG B.V.に対する支配を喪失し、SEG B.V.は連結会社の共同支配企業となりました。当売却に伴う売却益12,017百万円及び支配の喪失に伴い残存保有持分を公正価値で再測定することにより認識した損益7,618百万円は、前第3四半期連結累計期間において、要約四半期連結損益計算書の「有価証券損益」に計上しています。
当第3四半期連結累計期間
当第3四半期連結累計期間において、連結子会社の支配喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益(税前)は、20,978百万円であり、要約四半期連結損益計算書上、「有価証券損益」に計上されています。このうち、残存保有持分を公正価値で再測定することにより認識した損益(税前)に重要性はありません。
(MC AUTOMOBILE (EUROPE) N.V.)
連結会社は、当第3四半期連結会計期間において、自動車・モビリティセグメントの100%出資子会社MC AUTOMOBILE (EUROPE) N.V.(以下、MCAE)を清算し、MCAEに対する支配を喪失しました。支配喪失に伴い、在外営業活動体の換算差額の累計額による利益など18,655百万円を、要約四半期連結損益計算書の「有価証券損益」に計上しています。
15. ジョイント・アレンジメント(共同支配の取決め)及び関連会社
食品産業セグメントの関連会社の株式譲渡
前連結会計年度において、連結会社は、食品産業セグメントの関連会社に関する株式全量を売却目的保有資産に分類していました。当第3四半期連結累計期間において、当該投資に関する配当金の受領及び当該投資の売却に伴う、株式売却益39,660百万円、受取配当金11,849百万円及びこれらに係る法人所得税費用12,078百万円を、それぞれ「有価証券損益」、「金融収益」及び「法人所得税」として計上しており、食品産業セグメントの連結純利益に含まれています。
Mozal SA
前連結会計年度において、連結会社は、100%出資子会社のMCA Metals Holding GmbHが25%出資していたアルミ製錬事業会社Mozal SA宛ての投資について、2022年10月31日までに全量の売却を完了しました。前第3四半期連結累計期間において、売却などに伴う利益を「有価証券損益」として12,223百万円計上しており、金属資源セグメントの連結純利益に含まれています。
16. 重要な後発事象
連結会社は、後発事象を当四半期報告書提出日である2024年2月14日まで評価しています。
自己株式取得及び消却
2024年2月6日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを、以下のとおり決議しました。
1. 取得の内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②取得する株式の総数 :417,000,000株を上限とする
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する上限割合 10%)
③株式の取得価額の総額 :5,000億円を上限とする
④取得する期間 :2024年2月7日~2024年9月30日(予定)
⑤取得する方法 :東京証券取引所における市場買付
2. 消却の内容
①消却する株式の種類 :当社普通株式
②消却する株式の数 :上記1.より取得した自己株式全数
③消却予定日 :2024年10月31日
株式分割
2023年11月2日開催の取締役会において、株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更について決議し、2024年1月1日に実施しました。
1. 分割の目的
株式分割による投資単位当たりの金額を引き下げることにより、投資家の皆様がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としました。
2. 分割の概要
(1)分割の方法
2023年12月31日(同日は株主名簿管理人の休業日につき、実質は2023年12月29日)を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する普通株式を、1株につき3株の割合をもって分割しました。
(2)分割により増加した株式数
(3)分割の日程
3. 定款の一部変更
(1)変更の理由
今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づく取締役会決議により、2024年1月1日をもって、当社定款の一部を以下のとおり変更しました。
(2)変更の内容
(下線は変更部分を示す)
(3)変更の日程
株式会社ローソン
当社は、2024年2月6日付けで、KDDI株式会社(以下、KDDI)との間で、コンシューマー産業セグメントの連結子会社である株式会社ローソン(以下、ローソン)の株式に対する、KDDIによる公開買付け(1株当たり10,360円)実施に関する取引基本契約及び取引完了後の会社運営などに関する株主間契約を締結することにつき、決議しました。
本取引基本契約に沿って、KDDIによる公開買付け成立後、ローソン臨時株主総会にてローソン株式の株式併合を用いたスクイーズアウト手続きを決議する予定です。また、同手続き完了後(ローソン非上場化後)、当社及びKDDIの出資比率を50%へ調整する予定です。
上記全ての取引完了に伴い株主間契約の効力が発生することにより、当社はローソンに対する単独支配を喪失し、ローソンは共同支配企業に分類される見込みです。また、これに伴い、翌連結会計年度において、主に支配の喪失に伴い残存保有持分を公正価値で再測定することにより認識する利益1,841億円及びこれに係る法人所得税費用608億円が、それぞれ連結損益計算書の「有価証券損益」及び「法人所得税」に計上される見込みです。なお、上記全ての取引完了までの簿価の変動等により、当該損益の見込値と実績値は異なる場合があります。
欧州委員会からの異議告知書受領
食品産業セグメントの連結子会社であるCermaq Group AS(以下、Cermaq)は、ノルウェー産アトランティックサーモン養殖・販売事業における、欧州競争法違反の疑いに関する異議告知書(Statement of Objections)を、欧州委員会より現地時間2024年1月25日に受領し、当社も親会社として異議告知書を同日に受領しました。異議告知書の内容及び影響については現在精査中です。
なお、異議告知書とは、欧州競争法違反の疑いに関する欧州委員会の暫定的な見解を示した調査途中の文書であり、欧州委員会の最終決定ではありません。本文書の受領者は、反論等を含め、意見を述べることが認められています。また、欧州委員会の最終決定については、欧州裁判所へ上訴することが可能です。
異議告知書に対する当社及びCermaqの対応方針は現在検討中です。
海外電力事業会社における資本取引
連結会社は、電力ソリューションセグメントの海外電力事業に関する連結子会社について、当第3四半期連結会計期間末後に、持分比率の低下による単独支配の喪失を伴う資本取引の実施を機関決定しました。これにより、当該連結子会社が保有する資産及び負債を売却目的保有へ分類する要件を満たしました。
17. 要約四半期連結財務諸表の承認
要約四半期連結財務諸表は、2024年2月14日に当社代表取締役 社長 中西勝也及び最高財務責任者 野内雄三によって承認されています。