第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、前連結会計年度において、営業損失220,355千円、親会社株主に帰属する当期純損失256,105千円、営業活動によるキャッシュ・フローの赤字352,396千円を計上し、当第3四半期連結累計期間においても営業損失127,110千円、親会社株主に帰属する四半期純損失126,692千円を計上したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当社グループでは、このような状況を解消するために、以下の対策を講じてまいります。

① 利益至上主義の経営

当社グループでは、競争優位性のあるプロダクトの開発、独自性継続性のある事業、そしてそれを担う人材の創造を強みとした事業展開により安定的収益を確保し、売上至上主義の経営から利益至上主義の経営を目指してまいります。また、M&Aによる投資機会があった場合には、既存事業の収益性向上を考慮し、投資を行います。投資機会が当社グループの非関連事業の場合においても、相当の収益性が見込まれる場合には投資を行ってまいります。

② 販売チャネルの開拓とチャネル別の顧客ニーズを考慮した新商品開発

当社グループでは、美と健康を事業領域として定め、化粧品販売において新たな販売チャネルを開拓してまいります。また、販売チャネル別の新商品開発を行い、エステティックサロン及び美容サロンへの販売やECサイト及び定期便によるダイレクトマーケティングでの販売による安定的収益基盤を構築してまいります。新商品の開発を更に進め、収益性の改善を図るとともに、顧客ニーズにあった商品を市場に投入してまいります。

③ ビューティ&ウエルネス商品の拡充

当社グループでは、テレビショッピングにおいて需要が見込まれるビューティ家電、ウエルネス家電、フィットネス器具、健康雑貨の商品開発を独自マーケティングにより行い競争優位性のある自社開発商品の売上構成比を増やし、売上総利益の拡充をしてまいります。

④ 微細藻類由来の希少原料の開発、販売及びサスティナブル事業への投資

当社グループは、美と健康に関わる微細藻類由来の希少原料である「フコキサンチン」の開発と販売を行なっております。微細藻類培養時の光合成によりCO2(二酸化炭素)と水から酸素を発生させることに着目し、微細藻類によるCO2削減を目的とした培養設備の投資を行い、CO2削減のバイオリアクターとして企業に提供しております。

また、海藻である「カギケノリ」を牛の飼料に数%混ぜて与えることで、牛の消化過程で発生するメタンガスを最大98%減少させることができる「カギケノリ」による牛のゲップ由来メタンの削減を目指す「The Blue COWbon Project」を立ち上げ、「カギケノリ」の海洋養殖、陸上養殖を行い、「カギケノリ」を使ったGHG削減効果のある飼料添加物を開発し、世界的な課題となっているカーボンニュートラルに貢献してまいります。

⑤ ヒト由来化粧品原料の販売及び再生医療関連事業への投資

当社グループは、再生医療関連事業の更なる拡大を目指し、当該事業でのヒト由来化粧品原料の販売を促進するため、2023年1月に株式会社RMDCを連結子会社化しました。ヒト由来化粧品原料を、化粧品メーカー及び原料メーカー等に販売しております。

新型コロナウイルス感染症の規制緩和により、訪日外国人が急増している中、インバウンドによる再生医療の需要も高まってきております。日本国内では、再生医療の導入を実施する医療機関も増加しており、治療件数も増加しております。株式会社RMDCでは、それらの需要に対応し事業拡大を目指すため、細胞培養加工施設及び自動細胞培養ロボットへの投資を促進してまいります。

⑥ 経費削減

広告及び販促活動の効果を見極め、非効率な広告・販促投資を控えることにより、販売費の削減や、収益に悪影響を与えるその他の経費の見直しを行い、またグループシナジーによりクロスチャネル効果を実現し、売上高に対する販売管理費率50%を目指してまいります。

⑦ 財務基盤の強化

当社グループでは、従来からの経営課題の一つでもある財務基盤の強化ために、2022年4月に発行した第12回新株予約権の行使により、継続的に資金調達を進めております。

今後も、手元流動性を確保して安定的な事業運営を行うとともに、中長期にわたる成長を見込んだ投資を行えるような財務基盤を確立してまいります。

以上のような対応策を実施していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は収束しつつあり、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド消費や国内の経済活動は緩やかな回復基調となりました。しかしながら、物価の上昇、世界的な金融引き締め政策などによる景気の下振れリスクをはらむものであり、依然として先行きは不透明な状況にあります。

このような状況の中、当社グループでは、2022年4月8日に「新中期経営計画」を策定し、競争優位性のあるプロダクトの開発と事業と人材を創造する会社に生まれ変わり、安定的収益を確保し、売上至上主義の経営から利益至上主義の経営を目指し事業を進めてまいりました。

資金調達と経費削減により資金を創出し、その資金を、コスメ・ビューティ&ウエルネス事業においては専門性のある新商品を開発し新たな市場に投入することで、競争優位性を更に進化させてまいります。また、成長分野である再生医療関連事業及びサスティナブル事業においては新たな設備や研究等に投資することで企業価値の向上を図っております。

なお、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社RMDCの業績は、当連結会計年度より寄与しております。

これらの結果、売上高は1,771,129千円(前年同四半期比22.4%増)、営業損失は127,110千円(前年同四半期は154,830千円の営業損失)、経常損失は123,925千円(前年同四半期は164,980千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は126,692千円(前年同四半期は193,782千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

また、当第3四半期連結累計期間における事業セグメント別の業績は、次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、「コスメ・ビューティ&ウエルネス事業」「サスティナブル・再生医療関連事業」の2区分から、「コスメ・ビューティ&ウエルネス事業」「再生医療関連事業」「サスティナブル事業」の3区分に変更しております。

 

(コスメ・ビューティ&ウエルネス事業)

コスメ・ビューティ&ウエルネス事業につきましては、著名人と共同開発のビューティ&ウエルネス商品については、新たな販売チャネルでの販売が好調でありました。コスメ商品については、医薬部外品などを新商品として開発して新たな市場に投入することにより売上高の増加を見込んでおりましたが、販売促進を行ったものの需要回復が鈍く、売上高1,474,008千円(前年同四半期比1.9%増)、営業損失33,109千円(前年同四半期は27,432千円の損失)となりました。

(再生医療関連事業)

再生関連事業につきましては、再生医療関連事業を営む株式会社RMDCを前連結会計年度に連結子会社化したことにより、事業化が急速に進みました。また、自動細胞培養ロボットの開発、細胞培養加工施設の建設など積極的な投資を行っております。ヒト由来の原料や化粧品OEM製品の受託が好調だったため、売上高261,025千円、営業利益10,404千円となりました。

なお、株式会社RMDCは2023年1月に連結子会社化したため、前年同四半期との比較は記載しておりません。

(サスティナブル事業)

サスティナブル事業につきましては、今後の当社グループの成長領域に位置付けており、大学との研究の継続や環境プロジェクトとして海藻である「カギケノリ」によるGHG削減効果のある飼料添加物を開発し、牛のゲップ由来メタンの削減を目指す「The Blue COWbon Project」を立ち上げております。また、微細藻類の培養装置についても継続的な営業活動の結果、企業等からの引き合いが増加し、新たな取引が開始されております。これらの結果、売上高36,094千円(前年同四半期比35,515千円増)、営業損失45,252千円(前年同四半期は52,440千円の営業損失)となりました。

 

② 財政状態

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,226,819千円となり、前連結会計年度末に比べ33,282千円増加いたしました。これは主に、商品及び製品が31,523千円減少したものの、現金及び預金が83,348千円増加したことによるものであります。

 固定資産は276,686千円となり、前連結会計年度末に比べ20,064千円増加いたしました。これは主に、のれんが18,739千円減少したものの、建設仮勘定が37,180千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は1,503,506千円となり、前連結会計年度末に比べ53,347千円増加いたしました。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は334,865千円となり、前連結会計年度末に比べ8,561千円減少いたしました。これは主に、買掛金が10,594千円増加したものの、未払金が19,117千円減少したことによるものであります。

 固定負債は20,817千円となり、前連結会計年度末に比べ13,694千円増加いたしました。これは主に、資産除去債務が10,243千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は355,683千円となり、前連結会計年度末に比べ5,133千円増加いたしました。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,147,822千円となり、前連結会計年度末に比べ48,213千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失126,692千円を計上した一方で、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ94,379千円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率75.8%(前連結会計年度末は74.3%)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の金額は、14,576千円です。

 

(5)主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は次のとおりです。

会社名

事業所名

所在地

セグメントの

名称

設備の内容

投資予定額

資金調達

方法

着手及び

完了予定年月

完成後に

おける

増加能力

総額

(千円)

既支払額

(千円)

着手

完了

㈱RMDC

兵庫CPF

(兵庫県尼崎市)

再生医療

関連事業

細胞培養

加工施設

190,000

26,937

自己

資金等

2024年1月

2024年7月

(注1)

(注)1.完成後の増加能力については、合理的な算出が困難なため、記載しておりません。

   2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。