代表取締役社長 進藤大資は、当社の財務報告に係る内部統制の整備および運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備および運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止または発見することができない可能性があります。
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2025年4月30日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備および運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社および連結子会社ならびに持分法適用関連会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、財務報告に対する金額的および質的影響ならびにその発生可能性を考慮して決定しております。
その結果、当社および連結子会社計11社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。なお、その他の連結子会社および持分法適用関連会社については、金額的および質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲について、全社的な内部統制の評価結果が良好であることを踏まえ,各事業拠点の当連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、当連結会計年度の連結売上高のおおむね3分の2程度に達している事業拠点を「重要な事業拠点」といたしました。当社グループはプロセスソリューション事業、ファクトリーオートメーション事業、システムインテグレーション事業、制御部品事業等を主な事業として展開しております。当社は複数事業を営む一般的な卸売業の連結グループであり、経営管理上、各事業拠点における売上高が事業活動の規模を示す指標として重視されていることから、事業拠点の重要性を判断する指標として売上高が適切であると判断し、売上高を重要な事業拠点の選定指標として用いております。
選定した重要な事業拠点において、当社グループの事業目的に大きく関わる勘定科目については卸売業を営んでいることを鑑み、事業目的に密接に関わる勘定科目として売上高、売掛金、仕入高、買掛金および棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。
なお、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点も含めた範囲について、見積りや予測を伴う勘定科目を含めた重要な虚偽記載の発生可能性が高い勘定科目(のれん、繰延税金資産等)に係る業務プロセスを追加的に評価の対象としております。
また、当社では当事業年度において、元業務委託社員が個人的に不正に代金を得る領得行為、複雑な商流による循環取引、実体のない架空の発注を実体のある案件に紛れ込ませる付替行為が行われていた事実が判明し、2025年2月14日に提出した前事業年度に係る内部統制報告書の訂正報告書(訂正内部統制報告書)にて特定の業務プロセス(販売・購買プロセス、在庫管理プロセス)において財務報告に係る開示すべき重要な不備がある旨の報告を行っております。当該不正事案は、重要な事業拠点として選定している会社(当社)で発生しており、関連する業務プロセスも経営者評価の対象としておりますが、再発防止に関連する内部統制を統制上の要点として追加選定しております。
以下に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしました。
記
当社は、2025年2月14日に提出した訂正内部統制報告書において特定の業務プロセスに財務報告に係る開示すべき重要な不備がある旨の報告を行っておりますが、そのうち、下記「4 付記事項」の(C)に掲げる内部統制上の不備に関しては当事業年度末日時点において是正されておりません。これは、実効性のある内部統制の整備の検討に時間を要したためであります。
なお、当該開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、全て連結財務諸表および財務諸表に反映しております。
訂正内部統制報告書に記載したとおり、前事業年度末日において売上高および仕入高ならびに棚卸資産に至る業務プロセスに開示すべき重要な不備を識別しておりました。
(A)納品確認制度の不徹底
仕入取引では根拠証憑として仕入の実在性を示す証憑の入手が求められていたものの、上長による決裁の対象が100万円以上とされており、100万円未満の仕入や設備販売および設置に係る部材の販売(セット品販売)に対して証憑による得意先への納品事実の確認が徹底されておりませんでした。
(B)預け在庫に対する危機意識の不足
当社が商社として取引を行う場合は、売上と仕入が同時に発生し在庫が発生するのは稀であるにもかかわらず、当社では期末棚卸時以外に預け在庫について適切な管理を行っておらず、営業担当者任せになっておりました。また、本来異例なはずの商社取引による預け在庫の存在について、得意先に対する照会や現物確認の実施等が行われておりませんでした。
(C)決裁処理の形骸化
受注の承認に関して、入手書類上の疑わしい状況が十分に把握されておらず、不正が介在し得るという点での視点が不足しておりました。また、決裁処理が形式的な確認に留まり、取引実態の把握や取引の合理性に関する審査ができる仕組みが整備されておりませんでした。
上記の内部統制の不備のうち、(A)および(B)について、当事業年度に実施した措置および開示すべき重要な不備の是正状況は以下のとおりとなります。なお、(C)については、当事業年度末日において開示すべき重要な不備は是正されておりませんでしたが、当事業年度末日以降に是正措置を講じており、内部統制報告書提出日までに、開示すべき重要な不備が是正されていると判断しております。
● 当事業年度末日までに実施した是正措置および開示すべき重要な不備の是正状況
(A)仕入高に至る業務プロセス(納品確認制度の徹底)
実務上、一定額未満の納品事実の確認を行う運用が疎かになっていたことから、仕入計上の証憑類具備の規程をより明確にしました。また、当該規程に基づく実務研修・勉強会を実施しました。
納品確認制度の不徹底に対し、第三者による商品が実際に配送されたか否かを示す証憑類を入手することが明確化されたこと、当該規程に基づく実務研修・勉強会を実施したことにより、担当者以外の者により納品事実の確認が徹底され、重要な虚偽記載の発生を防止しました。
(B)棚卸資産に至る業務プロセス(預け在庫の適正管理と異常性の検証)
預け在庫の異常性を早期に識別し、適正に管理するために以下の仕組みを新たに構築しました。
・月次で預け在庫を含む全在庫のリストを出力・作成し、営業管理職が当該リストの各在庫について、残高、滞留期間、仕入先、エンドユーザーなどの観点からリスク評価を実施すること
・在庫の実在性、仕入の合理性に異常を識別した預け在庫については、当該預け在庫の営業担当者以外の人員が、預け先への照会や預け先に赴き現物確認を行うこと
・期末時には営業管理職の確認結果を管理部門が検証すること
預け在庫に対する危機意識の不足に対し、預け在庫の異常性を早期に識別する仕組みを構築し、異常性を識別した預け在庫に対する現物確認の規程が適切に整備され、当事業年度末日において異常性を識別した預け在庫に対して、営業担当者以外の人員が現物確認を実施しました。また、当該規程に基づく実務研修・勉強会を実施しました。
その結果、適時に預け在庫の状況を把握できるようになり、異常性を識別した場合には現物確認を実施することにより、預け在庫が存在する場合の合理性について批判的に検証するとともに、存在する場合には管理状況を確認することで、重要な虚偽記載の発生を防止しました。
以上のような是正措置を実施し、当事業年度末日までに適切な財務報告を担保しました。当該是正措置については、当社の内部監査部門がその内容を検討し、不正の発生原因に対応するものであることを確認しました。また、是正措置に関連して新たに整備・運用した内部統制に対する評価手続を実施した結果、不備事項は識別されず、当事業年度末日において適切に内部統制が整備・運用されているものと判断しました。
● 当事業年度末日以降、内部統制報告書提出日までに開示すべき重要な不備を是正するために実施した是正措置
売上高および仕入高に至る業務プロセスにおいて、取引の事業上の合理性を審査する仕組みが十分に整備されていなかった内部統制上の不備に関しては当事業年度末日時点において是正されておりません。しかし、当事業年度末日以降に以下のような是正措置を実施しております。
(C) 売上高および仕入高に至る業務プロセス(実効性のある決裁処理)
実質的な決裁処理を定着させる取組みの実施として本件事案を踏まえて、循環取引をはじめとした不正が起こり得るという観点から、決裁者や申請を行う営業担当者を対象とした決裁の意義や本件事案の特徴を踏まえた上での案件の実質的な審査を行うためのポイントを習得させるための実務研修・勉強会を当事業年度末日までに開催し、内容の浸透状況を確認するために、確認テストを実施しております。当該実務研修・勉強会において示したポイントに基づき、取引の決裁処理に使用するチェックリストを整備し、対象の取引の決裁処理に使用しております。
当該是正措置については、当事業年度末日以降、内部統制報告書提出日までの期間において、当社の内部監査部門が是正措置に関連して新たに整備・運用した内部統制に対する評価手続を実施しました。特に実務研修・勉強会において示したポイントについて決裁者が理解しているかどうか、決裁処理に必要な入手書類が具備され疑わしい点がないかどうか、チェックリストが漏れなく確認されているかどうか、取引実態を把握してその合理性が認められるかに関して正当な注意を払って決裁処理を実施しているかどうかを主眼において、質問や書類の検討を行いました。その結果、不備事項は識別されず、循環取引や付替行為の防止策が強化され、内部統制報告書提出日において取引実態の把握や取引の合理性に関する審査ができる仕組みが整備・運用されているものと判断しました。
以上のことから、当事業年度末日時点において財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり開示すべき重要な不備に該当するため、当社の財務報告に係る内部統制は有効ではないと判断いたしましたが、内部統制報告書提出前までに全ての開示すべき重要な不備の是正状況が確認されたことにより、当該報告書提出日時点では財務報告に係る内部統制が有効であると判断いたしました。
該当事項はありません。