第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

 

 (1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しや企業収益の改善がみられ、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、継続的な物価上昇や世界的な金融引締めに伴う影響、中国経済の先行き懸念などによる景気後退リスクに注視する必要があり、先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループに関連する業界では、工作機械業界は内需、外需ともに受注総額の前年同月比割れが続くなど調整局面が続いております。また、防衛装備品に関しては、世界的な安全保障状況の変化に対応して政府より防衛産業基盤強化策が打ち出されました。

 このような状況の下、当社グループでは、営業活動の強化と生産性の向上などにより採算性改善に取り組みました。また、防衛産業基盤強化と今後の防衛省からの20式5.56mm小銃の増産要求に応えることを目的として、銃製造ラインの増設を進めております。

 この結果、当第3四半期の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

・財政状態

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、29,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,201百万円増加しました。これは、主として電子記録債権の増加1,397百万円、仕掛品の増加817百万円、投資有価証券の増加624百万円、有形固定資産の増加367百万円と受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,563百万円によるものであります。

 負債合計は、11,849百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,580百万円増加しました。これは、主として長期借入金の増加1,365百万円、短期借入金の増加685百万円と買掛金の減少318百万円によるものであります。

 純資産合計は、17,975百万円となり、前連結会計年度末に比べ620百万円増加しました。これは、主としてその他有価証券評価差額金の増加624百万円によるものであります。

・経営成績

 当第3四半期は、建材で防音サッシ、一般サッシの売上が増加し赤字幅が縮小しました。一方、工作機械関連では、工作機械が売上増加により採算性が改善しましたが、空油圧機器、電子機械の販売が低調に推移したことにより、工作機械関連全体では赤字幅が拡大しました。また、火器においても防衛省向け装備品の売上増加と円安進行により米国市場向けスポーツライフルの売上が増加したものの材料価格の高騰により減益となりました。さらに特装車両はトラックシャシの入手遅延による路面清掃車の販売台数減少および操業度低下による原価高で赤字幅が拡大しました。

 この結果、当第3四半期の連結業績は、売上高は14,423百万円(前年同四半期比8.0%増)、営業利益は196百万円(同45.2%減)となりました。また、営業外収益に受取配当金などを計上した結果、経常利益は270百万円(同50.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は212百万円(同54.6%減)となりました。

①工作機械関連

 売上高は、空油圧機器、電子機械は減少したものの、工作機械が増加したため、工作機械関連では、4,985百万円(前年同四半期比17.0%増)となりました。営業損益については、空油圧機器、電子機械の減収などにより、230百万円の営業損失(前年同四半期は113百万円の営業損失)となりました。

②火器

 売上高は、防衛省向け装備品、米国市場向けスポーツライフルが共に増加したため、火器全体では、3,012百万円(前年同四半期比4.5%増)となりました。営業損益については、原価高などにより、173百万円の営業利益(前年同四半期比26.1%減)となりました。

③特装車両

 売上高は、路面清掃車の販売台数が減少したため、1,329百万円(前年同四半期比3.4%減)となりました。営業損益については、減収や操業度が低下したことによる原価高により、95百万円の営業損失(前年同四半期は2百万円の営業損失)となりました。

 

④建材

 売上高は、防音サッシ、一般サッシが共に増加したため、建材全体としては2,293百万円(前年同四半期比20.3%増)となりました。営業損益については、増収などにより赤字が縮小し、50百万円の営業損失(前年同四半期は245百万円の営業損失)となりました。

⑤不動産賃貸

 売上高は、370百万円(前年同四半期比0.5%減)となりました。営業損益は、296百万円の営業利益(前年同四半期比3.1%増)となりました。

⑥国内販売子会社

 売上高は、1,674百万円(前年同四半期比5.9%減)となりました。営業損益は53百万円の営業利益(前年同四半期比40.1%減)となりました。

⑦国内運送子会社

 売上高は、652百万円(前年同四半期比5.6%増)となりました。営業損益は12百万円の営業利益(前年同四半期比35.3%減)となりました。

⑧その他

 売上高は、106百万円(前年同四半期比34.9%減)となりました。営業損益は、34百万円の営業利益(前年同

四半期比59.9%減)となりました。

 (2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 (3)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、248百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

(シンジケートローン契約の締結)

当社は、2023年12月18日付で株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとするシンジケートローン契約を締結しております。

(1)シンジケートローン契約締結の目的

当契約は、火器事業部の銃製造ラインの増設に伴う資金調達を目的としております。

 

(2)シンジケートローン契約の概要

契約形態          :実行可能期間付タームローン(コミットメント型)

総貸付限度額        :23.0億円

契約締結日         :2023年12月18日

コミットメント期間     :2023年12月21日から2025年5月30日

満期日           :2037年5月29日

担保            :工場財団に根抵当権を設定

アレンジャー兼エージェント :株式会社三菱UFJ銀行

参加金融機関        :株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社京都銀行、

               株式会社名古屋銀行、株式会社横浜銀行

 

(3)財務制限条項

上記の契約については、以下の財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合は、本契約上のすべての債務について期限の利益を喪失する可能性があります。

①各連結会計年度末日における連結貸借対照表における純資産の部の金額を、当該連結会計年度の直前の連結会計年度末日又は2023年3月期末日における連結貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること

②2023年3月期末日並びにそれ以降の各連結会計年度末日における連結損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと