独立監査人の四半期レビュー報告書

 

2023年12月15日

株式会社ビジョナリーホールディングス

取締役会  御中

監査法人アリア

 東京都港区

 

 

 代表社員

業務執行社員

 

公認会計士

茂  木  秀  俊

 

 

 

 代表社員

業務執行社員

 

公認会計士

山  中  康  之

 

 

 

 

限定付結論

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられている株式会社ビジョナリーホールディングスの2023年5月1日から2024年4月30日までの連結会計年度の第2四半期連結会計期間(2023年8月1日から2023年10月31日まで)及び第2四半期連結累計期間(2023年5月1日から2023年10月31日まで)に係る四半期連結財務諸表、すなわち、四半期連結貸借対照表、四半期連結損益計算書、四半期連結包括利益計算書、四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び注記について四半期レビューを行った。

当監査法人が実施した四半期レビューにおいて、上記の四半期連結財務諸表が、「限定付結論の根拠」に記載した事項の四半期連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響を除き、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して、株式会社ビジョナリーホールディングス及び連結子会社の2023年10月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する第2四半期連結累計期間の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかった。

 

限定付結論の根拠

追加情報に記載されているとおり、2022年12月下旬に前任監査人の通報窓口に届いた前代表取締役社長に関する匿名の通報を受けて会社の社外取締役である監査等委員が調査を行った後、2023年3月7日に会社は第三者委員会を設置し、第三者委員会が調査の対象とした会社(以下「調査対象会社」という。)が会社の連結子会社に該当するか、調査対象会社との取引を関連当事者との取引に関する注記に開示する必要があるか、及び調査対象会社に対する業務委託取引の合理性について調査が実施されたが、前代表取締役社長や調査対象会社等より協力が受けられず、調査に必要な情報が入手できないため、会社の連結範囲の適切性等及び財務報告に対する影響の有無を確定できなかった。会社は、当該調査結果等を受け、遅延していた2023年4月期の有価証券報告書を2023年8月30日に提出したが、第三者委員会が調査対象とした会社について、前連結会計年度及びそれ以前の会計期間の連結の範囲や関連当事者に該当するかを判断する情報及び根拠等も入手できなかったため、子会社又は関連会社の範囲、関連当事者の範囲に含めておらず、これらの修正や追加の開示は行っていない。また、第三者委員会が調査対象とした会社との間の業務委託取引が前連結会計年度及びそれ以前の会計期間にかかる虚偽表示に該当するかどうかを判断、及び影響が及んでいる対象となる会計期間の特定に必要な情報や根拠等が入手できなかったため、前連結会計年度において販売費及び一般管理費に含まれる業務委託費並びに関連する未払金に係る修正を行っていない。これらの状況を受け、後述の「その他の事項」で強調するとおり、前連結会計年度の前任監査人の会計監査においては、会社が決定した連結の範囲や関連当事者の範囲が適切であるか否かに係る監査手続、及び調査対象会社に対する前連結会計年度に係る販売費及び一般管理費1,140,646千円並びに過去の会計期間(会計期間を特定できない)に係る販売費及び一般管理費(金額を特定できない)並びに上記の連結財務諸表の注記における未発見の虚偽表示の特定及び金額の妥当性に係る監査手続を実施できず、前任監査人の監査意見は、意見不表明となった。

当監査法人は、前任監査人の指摘事項を踏まえ、期首残高含めた当連結会計年度の第2四半期の四半期連結財務諸表についての潜在的な虚偽表示の存否を検討するために、第三者調査委員会の調査や前任監査人の監査結果等を検討の上、当連結会計年度の第2四半期連結累計期間への影響を慎重に検討した。

これら検討の結果、当第2四半期連結累計期間においては、前任監査人の意見不表明の原因となった前代表取締役社長が2023年3月に会社の代表取締役及び取締役を辞任しており、当連結会計年度の期首時点では、前代表取締役社長の会社経営への関与が完全になくなっていることを確認した。また、会社は、今後、前代表取締役社長へ法的に責任追及をしていく方針であることを確認した。このため、当連結会計年度の期首時点及び当第2四半期連結累計期間においては、前代表取締役社長は会社の緊密な者又は同意している者に該当せず、第三者委員会調査で前代表取締役社長等が意思決定機関を支配していることが窺われ、連結子会社として取扱うことが適切であると推測された会社は、会社の子会社に該当しないことから会社の連結の範囲に含まれず、関連当事者の範囲にも含まれないと判断した。また、当第2四半期連結累計期間に、疑義のある業務委託費が販売費及び一般管理費に47百万円計上されており、関連する未払金174百万円(流動負債「その他」に計上)が支払保留となって残っているが、会社は疑義の生じた業務委託関係を当第2四半期連結累計期間に全て解消させた。しかし、会社は前連結会計年度と同様の理由で、これらの業務委託費や未払金について修正を行っていない。当監査法人の四半期レビューにおいても、これら業務委託費及び関連する未払金について修正が必要か否か判断するための十分かつ適切な証拠が入手できなかった。

このため、当第2四半期連結累計期間の比較情報となる前連結会計年度の数値には、前任監査人指摘の連結範囲や業務委託費等に関する未発見の虚偽表示が潜在している可能性があり、当第2四半期連結累計期間も疑義のある業務委託費が一部生じており、これらに修正が必要となるか否か判断できない状況が継続している。

しかし、上記の未発見の虚偽表示が潜在する可能性は、当第2四半期連結累計期間においては、特定の取引と勘定残高に限定され、問題を生じさせていた前代表取締役社長が会社経営から完全に排除されており、疑義の生じた業務委託関係も解消したことから、未発見の虚偽表示が当第2四半期連結累計期間に与える可能性のある影響は極めて限定的となったと判断した。このため、これらの事項が、当連結会計年度の第2四半期連結会計期間及び第2四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表全体に及ぼす可能性のある影響は重要ではあるが、広範ではなくなったと判断した。

従い、当監査法人は、当連結会計年度の第2四半期連結会計期間及び第2四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表に対して限定付結論を表明することとした。

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に準拠して四半期レビューを行った。四半期レビューの基準における当監査法人の責任は、「四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、限定付結論の表明の基礎となる証拠を入手したと判断している。

 

強調事項

重要な後発事象(Horus株式会社による公開買付けと株式併合について)に記載のとおり、公開買付者Horus 株式会社による公開買付けが成立し、会社は、2023年12月12日開催の取締役会において、2023年1月10日開催の臨時株主総会に株式併合に関する議案を付議することを決議した。当該手続が予定どおり行われた場合、会社の発行する普通株式は上場廃止となる見込みである。

当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

 

その他の事項

会社の2023年4月30日をもって終了した前連結会計年度の第2四半期に係る四半期連結財務諸表及び前連結会計年度の連結財務諸表は、それぞれ、前任監査人によって四半期レビュー及び監査が実施されている。前任監査人は、当該四半期連結財務諸表に対して2022年12月15日付で無限定の結論を表明しており、また、当該連結財務諸表に対して2023年8月30日付で意見不表明としている。前任監査人は、前連結会計年度の監査報告書において、意見不表明の根拠として、「追加情報に記載されているとおり、2022年12月下旬に当監査法人の通報窓口に届いた前代表取締役社長に関する匿名の通報を受けて会社の社外取締役である監査等委員が調査を行った後、2023年3月7日に会社は第三者委員会を設置し、第三者委員会が調査の対象とした会社(以下「調査対象会社」という。)が会社の連結子会社に該当するか、調査対象会社との取引を関連当事者との取引に関する注記に開示する必要があるか、及び調査対象会社に対する業務委託取引の合理性について調査が実施された。

会社は、同5月31日に第三者委員会の調査報告書を受領し、調査対象会社について連結の範囲に含めるべきか、及び関連当事者の範囲に含めるべきか並びに調査対象会社に対する業務委託取引の合理性について、上記の連結財務諸表に与える影響を検討した。しかし、調査対象会社について、連結の範囲に含めるべきか判断するために必要な会計資料等を入手することができなかったことから、会社は上記の連結財務諸表において、子会社又は関連会社の範囲に含めなかった。同様に、調査対象会社について、株主構成等関連当事者の範囲に含めるべきか判断するために必要な情報及び根拠等を入手することができなかったことから、会社は、関連当事者の範囲に含めず、上記の連結財務諸表における関連当事者取引との取引に関する注記に含めなかった。また、会社は、調査対象会社に対する業務委託費の金額に当連結会計年度及び過去の会計期間に係る虚偽表示が含まれているかどうか、並びに虚偽表示が含まれている場合にその影響が及んでいる会計期間を特定するために必要な情報や根拠等を入手することができなかったことから、上記の連結財務諸表において販売費及び一般管理費に含まれる業務委託費並びに関連する未払金に係る修正を行わなかった。会社は、以上による影響の有無やその金額が確定できる状況になく、当連結会計年度に係る連結財務諸表項目及び金額並びに注記に反映するべきか、また、反映する場合における連結財務諸表項目及び金額並びに注記の影響の程度が判明していないため、関連する連結財務諸表項目及び金額並びに注記に重要な虚偽記載が存在する可能性がある旨を追加情報に記載している。

調査対象会社の一部又は全部が会社の連結の範囲に含まれる場合における上記の連結財務諸表に対する影響を算出することは困難であるため、当監査法人は、調査対象会社の一部又は全部が会社の連結の範囲に含まれた場合における上記の連結財務諸表に対する影響が重要でないという判断をすることはできない。同様に、当連結会計年度に係る販売費及び一般管理費に含まれる調査対象会社に対する業務委託費1,140,646千円並びに過去の会計期間(会計期間を特定できない)に係る業務委託費に係る未発見の虚偽表示の金額を算出することは困難である。したがって、当監査法人は、未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが上記の連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要であると判断した。

また、当監査法人は、会社が決定した連結の範囲や関連当事者の範囲が適切であるか否かに係る監査手続、及び調査対象会社に対する当連結会計年度に係る販売費及び一般管理費1,140,646千円並びに過去の会計期間(会計期間を特定できない)に係る販売費及び一般管理費(金額を特定できない)並びに上記の連結財務諸表の注記における未発見の虚偽表示の特定及び金額の妥当性に係る監査手続を実施できなかった。

そのため、過去の会計期間(会計期間を特定できない)に係る連結財務諸表及び上記の連結財務諸表に未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが連結財務諸表全体に及ぼす可能性のある影響が、財務諸表の特定の構成要素、勘定又は項目に限定されないと判断した。また、上記の連結財務諸表の注記において未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが及ぼす影響が利用者の財務諸表の理解に不可欠であると判断した。

したがって、当監査法人は、未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが上記の連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は広範であると判断した。

以上から、当監査法人は、上記の連結財務諸表において未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが及ぼす可能性のある影響が重要かつ広範であると判断した。

その結果、当監査法人は、会社の上記の連結財務諸表に何らかの重要な修正が必要かどうかについて判断することができなかった。」ことを指摘している。

 

四半期連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して四半期連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない四半期連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

四半期連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき四半期連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した四半期レビューに基づいて、四半期レビュー報告書において独立の立場から四半期連結財務諸表に対する結論を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に従って、四半期レビューの過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・主として経営者、財務及び会計に関する事項に責任を有する者等に対する質問、分析的手続その他の四半期レビュー手続を実施する。四半期レビュー手続は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して実施される年度の財務諸表の監査に比べて限定された手続である。

・継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められると判断した場合には、入手した証拠に基づき、四半期連結財務諸表において、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められないかどうか結論付ける。また、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、四半期レビュー報告書において四半期連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する四半期連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、四半期連結財務諸表に対して限定付結論又は否定的結論を表明することが求められている。監査人の結論は、四半期レビュー報告書日までに入手した証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・四半期連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠していないと信じさせる事項が認められないかどうかとともに、関連する注記事項を含めた四半期連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに四半期連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示していないと信じさせる事項が認められないかどうかを評価する。

・四半期連結財務諸表に対する結論を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する証拠を入手する。監査人は、四半期連結財務諸表の四半期レビューに関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査人の結論に対して責任を負う。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した四半期レビューの範囲とその実施時期、四半期レビュー上の重要な発見事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以  上

 

 

(注) 1.上記の四半期レビュー報告書の原本は当社(四半期報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは四半期レビューの対象には含まれていません。

 

E33346-000 2023-12-15