当社の本書提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下のとおりです。また、文中の将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「すべてのお店の『マーケティングプラットフォーム』に」という経営理念を掲げ、店舗のCXの向上を目的としたソリューションを通じて、店舗事業者の事業成長に貢献することを目指しています。この経営理念の背景には、デジタルマーケティングの重要性が増す現代において、多くの店舗事業者が依然として「マーケティングの知識や施策を実施できる人材不足」や「効果の可視化の難しさ」といった課題を抱えており、このような課題に対し、当社は「GMOマーケティングDX」や「GMOマーケティングコネクト」といった主要サービスを軸に、店舗事業者が専門的な知識や人手を要することなく、効率的かつ最適なマーケティング施策による包括的な集客支援を提供することで、店舗事業者のDX推進を支援しております。
(2) 目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、店舗マーケティングのプラットフォーマーとして、継続的かつ予測可能性の高い収益モデルを構築しております。経営上の最重要指標としてARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)の最大化を掲げ、その達成状況を判断する上で、基盤となる顧客数、顧客単価、顧客解約率を重要な指標としております。顧客数は当社サービスを月額固定費で提供している店舗数、顧客単価は当社サービスを通して店舗から得られる1顧客当たりの売上高、顧客解約率は月次のカスタマーチャーンレートとして管理しております。
-店舗数:17,011店舗(2025年12月末時点)前年同期比10.7%
-顧客単価:12,205円(2025年第4四半期の期中平均)前年同期比19.4%
-顧客解約率:1.7%(2025年1月~2025年12月平均)前年同期比△0.4%
当社は、強固な顧客基盤(顧客数)に対し、自社および連携サービスにテクノロジーと伴走型支援を融合させた高付加価値サービス(顧客単価)を掛け合わせることで、ARRの圧倒的な成長スピードを追求してまいります。
(3) 経営環境
当社の事業は店舗向けの販促に関連するDX(デジタルトランスフォーメーション)およびCXソリューションが主な関連市場となっております。当社が提供するサービスは大手チェーン店を中心に、小売、飲食、アパレルなど顧客接点を持つ多くの業界で利用されております。
① 市場環境と成長ポテンシャル
国内のDX関連市場は、慢性的な労働力不足を背景とした業務効率化需要により、右肩上がりの拡大を続けております。富士キメラ総研の調査(注1)によると、国内のDX市場は2023年に約4.5兆円に達しました。中でも、当社がコアターゲットとする「顧客接点DX市場」は、2023年から2030年にかけて1.8倍の9,451億円へと急成長することが予測されています。この巨大な成長市場において、当社はデジタルマーケティングのプラットフォーマーとして、市場平均を上回る成長を実現しております。
② 店舗事業者の構造的課題
店舗事業者は現在、限られたリソースで収益を最大化させるための「店舗運営の効率化(DX)」と、一見客をファン化し安定収益へ繋げる「顧客体験の向上(CX)」の両立という、極めて難度の高い経営課題に直面しています。特に、デジタルを使いこなす「人材やノウハウの不足」が大きな壁となっており、集客からファン作りまでをシンプルかつ一気通貫で支援する当社のプラットフォームへの期待は、日々高まっております。
③ AI時代における当社の優位性と「SaaSの先」を見据えた戦略
生成AIの台頭により「単に機能を提供するだけのSaaS(Software as a Service)」の付加価値が低下するとの議論がなされています。しかし、当社は以下の「AIが代替困難な3つの強み」により、AI時代をむしろ追い風として事業を拡大させております。
a 店舗に密着した「ラストワンマイル」のサポート体制
AIはコードや文章を生成できますが、店舗現場のオペレーションに深く入り込み、DXを定着させることはできません。当社は専任チームによる伴走支援を通じて、技術を「現場で動く成果」へと変換しており、これが高い継続率の源泉となっています。
b 内製化のハードルが高い「マルチチャネル×多店舗」の独自データ保有
AIの精度はデータの質に依存します。当社はLINE、Instagram、アプリなど、10年間にわたる運用ナレッジや店舗が自社で統合管理しづらい複数チャネルの独自データを横断的に保有しています。この「データの厚み」によりマーケティングの精度を向上し、スイッチングコストを高めることで顧客の定着を図っております。
c オフラインを起点とした「SNSフォロワー獲得」のノウハウ
デジタル上での集客コストが高騰する中、当社は実店舗でのPOP活用など、オフラインでのフォロワー獲得施策に強みを持っています。この「リアルな接点」からデジタルへ誘導し、集客からリピーター作りまではツール提供のみでは難しい、当社の参入障壁です。
当社は、これらの強みをAI技術と融合させることで、単なるソフトウェアの提供を超えた、「AIエージェントが店舗のマーケティングを自律的に遂行する次世代プラットフォーム」への進化を加速させ、市場での圧倒的な優位性を堅持してまいります。
(注) 1.富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、店舗マーケティングのプラットフォーマーとして、ARR(年間経常収益)の最大化を最重要視しております。これを実現するため、「顧客店舗数の拡大」と「顧客単価の向上」を成長ドライバーとし、さらに非連続な成長をもたらす「アップサイド施策」を掛け合わせた成長戦略を推進することで、持続的な成長と企業価値向上を目指します。
① 顧客店舗数の拡大
広大な市場において、圧倒的なシェアを獲得するための営業・推進体制を強化します。
a 直販営業の強化:
AI活用による業務効率化で1営業担当者当たりの営業リソースを現状の1.2倍に改善、さらに新規採用による営業人員の増員により、提案の「量」を拡大します。また、ミドルマネジメント層の採用を通じて「質」を向上させ、大手チェーン向け提案力の強化を行い、新規獲得を10%以上増加させることを目指します。
b パートナー連携の促進:
従来の飲食・小売業に加え、理美容・宿泊・医療などの新業種へパッケージ展開を広げます。代理店網を全国の地方チェーンへ展開するとともに、GMOインターネットグループ各社からの顧客紹介を最大化させ、効率的な領域拡大を実現します。
c 顧客維持の強化
1.7万店舗超の店舗販促データを活用し、データ蓄積・分析からオンボーディング改善、伴走支援までのサイクルを回すことで、既存顧客との取引拡大による安定的な成長を担保します。
② 顧客単価の向上
あらゆる顧客接点におけるCX向上を実現するため、AI技術を取り込んだ既存プロダクトの機能拡張、追加開発を推進し、サービスの横展開とデータ活用による配信数増加を推進し、2025年第4四半期末時点で約12,500円の顧客単価を2028年に16,000円まで引上げることを目指します。
a サービス拡充
LINE公式アカウントに加え、Instagramダイレクトメッセージや販促メッセージ、SMSなど、マルチプロダクト展開を加速させます。勝ちパターンの型化により、店舗側にとって導入・利用ハードルの低いサービス提供を推進します。
b 配信数の増加
機能改善によりAIが顧客の好みを予測して配信対象者を自動で補完・抽出することで、効果的に配信対象数を増加させます。
③ さらなる成長のためのアップサイド施策
当社が保有する顧客基盤とユーザーデータのアセットを最大限活用し、以下の領域での積極的な投資により成長を加速させます。
a GMOインターネットグループのシナジー
金融系(決済データ・会員証連携)、広告系(AIマーケティング技術活用)、アプリ系(顧客接点DXプロダクト強化)など、当社事業と親和性の高い領域においてプロダクトやデータの連携、顧客紹介など、グループ独自の資産を最大限活用してまいります。
b M&Aへの投資によるプラットフォーム基盤の拡充
SNSツールや予約・注文システムなどの「マーケティングチャネル強化」、POS・CRM連携による「データ統合強化」、および「AI・技術力強化」を目的とした戦略的M&Aを行い、飛躍的な価値創造を目指します。
c 新規事業開発
当社の店舗ネットワークとデータを活用した「店舗メディア(リテールメディア)」の構築や、次世代の店舗運営を見据えた「ヒューマノイド(フィジカルAI)」活用など、新たな領域における収益の創出に向けた研究開発を推進します。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当社は、上記の経営戦略を推進する上で、以下の課題に優先的に対処していく必要があります。
① 競争優位性の強化:
競争が激化するデジタルマーケティング市場において、競合他社との差別化を図り、優位性を維持・強化していく必要があります。当社はデジタルマーケティング領域におけるプラットフォーマーとして、最新の技術やトレンドを常に把握し、顧客企業に最先端のソリューションを提供し、競争優位性を高める施策を積極的に推進します。
② 人材確保と育成:
デジタルマーケティング領域における優秀な人材の確保と育成が急務です。採用活動の強化に加え、社員のスキルアップを支援する研修制度の充実など、人材育成にも注力します。
③ 財務基盤の強化:
安定的な収益基盤の構築と、今後の事業拡大のための資金調達など、財務基盤の強化に取り組みます。
当社は継続的な商品開発とサービス品質の向上、戦略的な人材投資、そして堅固な情報セキュリティ体制の構築とAIの活用やデータ分析の高度化に取り組み、これらの課題を克服し、全社一丸となって邁進してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する関連事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社は、店舗向けのCX向上ソリューション事業を通じて、「すべてのお店の『マーケティングプラットフォーム』に」を経営理念に掲げ、あらゆる店舗のデジタル化支援を通じて店舗消費の活性化に貢献し、持続可能な社会の実現を目指しております。上記を実現するとともに、株主や顧客をはじめとするステークホルダーに対して、企業経営の透明性および公平性を担保するとともに、企業価値の継続的な向上を図ることが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しております。
当社では、取締役会を経営の基本方針、法令や定款で定められた事項、経営に関する重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催しております。サステナビリティ関連のリスクおよび機会の監視・管理は、コーポレート統括本部が担当しており、内部統制部門である管理本部が、業務執行の管理、コンプライアンスや社内規程の整備・運用など、業務活動が適正性かつ有効に運用される統制を担当しております。
また、社外取締役が、経営会議にオブザーバーとして参加し、会社意思決定に参加する機会も設けております。
更に、監査等委員会と内部監査室による、各種監査を実施しております。
詳細は、「
(2) 戦略
当社は、持続可能な事業の成長および企業価値の向上を図るためには、多様性ある人材採用、育成および組織形成が重要であると認識し、多様なバックグラウンドを持つ人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる環境を整備する方針です。具体的には、全ての従業員に合った柔軟な働き方や働きやすい環境を整えた上で、スキルアップ支援やセミナー支援などの継続的な成長機会の提供により仕事への意欲を高めることで、生産性の向上を実現してまいります。
(3) リスク管理
当社では、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会・コンプライアンス委員会を設置し、全社的なリスク管理を行っております。サステナビリティに関するリスクの識別、および機会の識別、評価、管理、優先的に対応すべきリスク等についても、重要性に応じてリスク管理委員会・コンプライアンス委員会にて協議を行い、その内容を踏まえ経営会議による審議を経て適宜取締役会へ報告しております。
(4) 指標および目標
当社では現在、女性、外国人、中途採用者等の区分で管理職の構成割合や人数の目標値等は定めておりませんが、その具体的な目標設定や状況の開示については、今後の課題として検討してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の経営成績および財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のとおりです。また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当該記載事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、将来においての発生可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および、発生した場合は迅速な対応に努めてまいります。
(1) 事業環境に関するリスク
① 経済環境の変化等について 顕在化の可能性:低 影響度:中
国内外の経済状況の悪化や金融市場の混乱が生じた場合、企業のマーケティング予算が削減され、当社のサービス需要が減少する可能性があります。当社は、景気変動の影響を受けにくいストック型の収益モデルを構築し、顧客基盤の多様化を図ることで、このリスクを軽減しております。
② 市場の競争激化について 顕在化の可能性:低 影響度:小
CX向上ソリューション市場およびデジタルマーケティング市場は競争が激化しており、競合他社がより革新的なサービスや低価格なサービス、AI技術を活用したサービスなどを提供する可能性があります。当社は、AI技術の積極的な活用や汎用AIが持たない店舗単位の独自運用データ、リアルならではのきめ細かい支援、顧客基盤を生かしたニーズの吸い上げによって顧客満足度向上への継続的な取り組みを通じて、競争優位性を維持・強化しております。
③ 法令による規制について 顕在化の可能性:中 影響度:中
個人情報保護法やその他の関連法規(GDPR、CCPAなど)が改正された場合、当社の事業活動に制約が生じたり、追加的なコストが発生する可能性があります。特に、Cookie規制の強化やプライバシー保護意識の高まりは、当社のサービス提供に影響を与える可能性があります。当社は、専門家による助言や社内研修などを通じて、法規制に関する知識を深め、コンプライアンス体制を強化することで、これらのリスクに対応しております。
④ 主要SNSのプラットフォームの規制変更等について 顕在化の可能性:低 影響度:小
当社サービスは、顧客接点としてLINEやInstagramなどのSNSを重要なチャネルとして活用しています。そのためLINEヤフー株式会社やMeta Platforms, Inc.等の主要SNSのプラットフォームの規制変更や仕様変更、あるいはサービス終了などが発生した場合、当社のサービス提供に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、複数のSNSプラットフォームを活用し、特定のプラットフォームへの依存度を低減するとともに、常に最新の情報収集と対応を行い、事業への影響を最小限に抑えるよう努めます。
⑤ 社会情勢の不安定化について 顕在化の可能性:低 影響度:小
新型コロナウイルス感染症のような新たな感染症の蔓延や、既存の感染症の再流行、あるいは、自然災害、政情不安、国際紛争、テロ行為等の発生といった社会情勢の不安定化は、顧客企業の事業活動の停滞や、消費者の購買意欲の減退を招き、その結果、当社のサービス需要が減少する可能性があります。当社は、社会情勢の急激な変化に対応できるよう、事業継続計画 (BCP) を策定し、定期的な見直しを行い、リモートワーク体制の整備やオンラインでのサービス提供など、事業継続性を確保するための対策を講じることで、このリスクに対応しております。
⑥ 自然災害等による店舗の需要動向の変化に関するリスク 顕在化の可能性:低 影響度:大
自然災害の発生は、顧客企業が営業する店舗の物理的な損害に留まらず、消費者の外出自粛や購買行動の変化を引き起こし、店舗の需要動向に大きな影響を与える可能性があります。特に、当社顧客に多い小売業や飲食業は、来店客数の減少や営業時間の短縮を余儀なくされ、売上が減少するリスクがあります。その結果、顧客企業の経営状況が悪化し、当社のサービス利用料の支払いが滞ったり、サービス解約につながる可能性があります。また、自然災害が広範囲に及ぶ場合、当社自身の事業継続にも支障が生じる可能性があります。当社は、自然災害発生時におけるリスクを低減し、事業継続性を確保するために、事業継続計画 (BCP) を策定し、定期的な見直しを行い、リモートワーク体制の整備やオンラインでのサービス提供など、事業継続性を確保するための対策を講じることで、このリスクに対応しております。
(2) 事業に関するリスク
① 当社サービスの競争力について 顕在化の可能性:低 影響度:中
デジタルマーケティング技術や顧客ニーズは常に変化しており、当社のサービスが陳腐化したり、顧客ニーズとの乖離やマーケティングの方針変更により、当社サービス利用が減少するリスクがあります。当社は、市場調査や顧客とのリレーションを強化し、技術革新や顧客ニーズの変化をいち早く捉え、サービスの改善・拡充を継続的に行い当社サービスの有効性を訴求することで、競争力を維持・強化しております。
② 外部パートナーとの経済条件の悪化について 顕在化の可能性:低 影響度:大
当社サービスの一部は、LINEヤフー株式会社やMeta Platforms, Inc.等のプラットフォーム事業者と提携・連携し、各社のサービスを活用したマーケティング支援のサービスを提供しております。しかしながら、これらのプラットフォーム事業者との契約条件の変更により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、特定のプラットフォームへの依存度を低減するため、独自サービスの開発や複数のプラットフォーム活用を通じてリスクを最小限に抑え、安定的な事業運営を継続しております。
③ 人材確保について 顕在化の可能性:低 影響度:中
当社のビジネスを支えている最大の資産は人材であり、新規顧客獲得や、各種サービスの品質向上、新規サービスの企画・開発には優秀な人材の採用・育成が欠かせません。しかしながら、デジタルマーケティング業界は人材獲得競争が激化しており、優秀な人材の確保・育成が困難になる可能性があります。特に、AIやデータ分析などの専門知識を持つ人材の確保は、当社の競争力維持に不可欠です。当社は、魅力的な職場環境の整備、研修制度の充実、競争力のある報酬体系の導入などを通じて、優秀な人材の確保・育成に努めております。
④ システム障害について 顕在化の可能性:低 影響度:大
当社が提供するサービスは、ITシステムに大きく依存しています。システム障害が発生した場合、サービス提供が中断し、顧客企業の事業活動に影響を与えるだけでなく、当社の信頼性低下にもつながる可能性があります。当社は、システムの冗長化やセキュリティ対策の強化、定期的なメンテナンスなど、システムの安定稼働に向けた取り組みを強化しております。
⑤ 情報セキュリティについて 顕在化の可能性:低 影響度:大
当社は、顧客企業の重要な情報を取り扱っています。情報漏洩や不正アクセスが発生した場合、顧客企業の信頼を失い、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、サイバー攻撃の高度化・巧妙化に伴い、セキュリティ対策の強化が常に求められます。当社は、情報セキュリティポリシーの策定、社員教育の実施、セキュリティシステムの導入など、情報セキュリティ対策を強化しております。
⑥ 取引先拡大のための継続的な投資に関するリスク 顕在化の可能性:低 影響度:小
当社が今後成長を持続するためには、新規取引先の獲得や既存取引先の維持、販売の拡大が必要となりますが、人材確保や販売促進の活動が功を奏しなかった場合など、当社のコントロールの及ばないものを含む内外の要因によって、これらが達成できない可能性があり、その場合には計画外の採用費や販促費の増加など、当社の事業および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は顧客企業のニーズや市場の変化を常に把握し、適切な販売活動を通して持続的な成長に努めております。
⑦ 資金使途の変更に関するリスク 顕在化の可能性:低 影響度:中
当社の公募増資による調達資金の使途は、主としてプロダクトの機能強化に係るシステム開発等への充当を考えております。しかしながら、事業環境の変化に伴い、現在計画している資金使途を変更する可能性があります。また、現在の計画どおり資金を使用したとしても、期待どおりの効果をあげられない場合があり、当社の業績に影響を及ぼすおそれがあります。仮に資金使途に変更が生じた場合には速やかに適時開示を行います。
(3) GMOインターネットグループとの関係についてのリスク
① GMOインターネットグループにおける当社の位置付けについて 顕在化の可能性:低 影響度:小
当社の親会社はGMOインターネットグループ株式会社であり、本書提出日現在において当社発行済株式総数の65.04%を保有しております。
GMOインターネットグループ株式会社は「すべての人にインターネット」というコーポレートスローガンのもと、インターネットインフラ事業、インターネットセキュリティ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業およびインキュベーション事業を行っております。
当社は、GMOインターネットグループにおけるインターネットインフラ事業に属しており、店舗におけるCXの向上およびデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の支援を担う会社と位置付けられており、GMOインターネットグループ各社とは事業の棲み分けがなされております。
しかしながら、将来においてGMOインターネットグループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② GMOインターネットグループ各社との取引について 顕在化の可能性:低 影響度:小
当社は、GMOインターネットグループ各社と取引を行っております。2025年12月期における主な取引は次のとおりです。
これらの取引は、当社関連当事者取引規程に基づき、取締役会にて、一般的な取引条件となっているか等、取引の合理性、妥当性等を検討し、承認を得ております。また、取引開始後の取引の継続に当たりましては、毎事業年度末時点にて継続している関連当事者取引について、その取引の継続の合理性、必要性等について取締役会にて報告を行っております。
(注)1.ブランド使用料、運営費等は、GMOブランドの価値向上及び維持並びに運営業務に関する委託を主な取引内容としております。
2.事務所建物の賃料及び施設利用料等の支払は、当社本社および宮崎hinataオフィスの転貸を主な取引内容としております。
③ GMOインターネットグループ株式会社との役員の兼務関係について 顕在化の可能性:低 影響度:小
有価証券報告書提出日現在における当社の役員7名のうち、GMOインターネットグループ株式会社の役員または従業員を兼ねる者は2名おります。当社における役職、氏名およびGMOインターネットグループ株式会社における役職は以下のとおりです。
④ GMOインターネットグループ株式会社からの独立性の確保について 顕在化の可能性:低 影響度:小
当社が事業活動を行う上で、グループ連結運営に影響を与える、株主総会議案、企業再編、予算、役員人事、本社移転等の「重要な決議」に限り親会社であるGMOインターネットグループ株式会社に事前通知することとなっておりますが、当社は各事業における営業活動等、全ての業務を独自に意思決定し事業展開しております。
また、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役3名が就任しており取締役会においてより多様な意見が反映される状況にあります。それにより、GMOインターネットグループ株式会社からの役員の兼務状況は当社独自の経営判断を妨げるものではなく、経営の独立性は確保されていると認識しております。
当社は、これらのリスク管理を継続的に実施・改善していくことで、持続的な成長と企業価値向上を目指します。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社の事業は、CX向上ソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国の経済環境は、インバウンド需要の回復等により緩やかな持ち直しの動きが見られた一方、継続的な物価上昇や賃上げに伴う人件費の増大、深刻な人手不足など、店舗経営を取り巻くコスト環境は依然として厳しい状況にあります。
このような環境下、店舗事業者においては、限られたリソースで収益を最大化させるための「店舗運営の効率化(DX)」と、一見客のファン化によって安定収益に繋げる「顧客体験の向上(CX)」の両立が、重要な経営課題となっております。当社の事業領域であるデジタルマーケティング市場におきましても、こうした背景からデジタル活用のニーズが一段と高まっております。しかしながら、多くの店舗事業者において「デジタルを使いこなす人材やノウハウの不足」が大きな壁となっており、集客からファン作りまでをシンプルかつ一気通貫で支援する当社のプラットフォームへの期待は、ますます強まっております。
当社は、「すべてのお店の『マーケティングプラットフォーム』に」を経営理念に掲げ、小売・飲食・アパレル・サービス業等、あらゆる業種の店舗事業者に対し、AI等のテクノロジーと伴走型支援を融合させた独自のプラットフォームを提供しております。当社の強みは、集客からリピーター作りまでを一気通貫で支援できる「柔軟なプロダクト連携」と店舗単位での伴走支援による「豊富なナレッジとデータの資産化」、GMOインターネットグループの基盤を活かした「信頼性」にあります。
このような状況下において、当社では、事業成長の最重要KPIとして「顧客数」の拡大と「顧客単価」の向上を両輪で推進し、多様なプロダクトを組み合わせた最適なソリューション提案による長期的に成長し続ける収益基盤の構築に注力いたしました。
具体的な取り組みといたしましては、ストックの基盤となる「GMOマーケティングDX」において、LINEとInstagramの「友だち同時登録機能」などの新機能を追加し、店舗事業者の運用負荷を下げつつ集客効果を最大化いたしました。また、2025年2月には、顧客単価向上の起爆剤となる新サービス「GMOマーケティングコネクト」の提供を開始いたしました。本サービスは、AIを活用した高精度なパーソナライズ配信により、従来の画一的な配信よりも高い販促効果を実現するものです。これにより、配信数などの利用実績が伸長し、従量課金型の収益が大きく拡大いたしました。
営業面におきましては、これら複数のサービスを顧客の課題に合わせて提案できる体制を強化するとともに、販売パートナーとの連携を深め、顧客基盤の拡大(顧客数の最大化)に努めました。また、既存の顧客に対しても、新たな機能やサービスの導入を促進することで、顧客単価の向上を図りました。これにより、解約率を低水準に抑えながらストック収益を積み上げ、さらに利用実績に応じた従量収益が上乗せされる「再現性の高い成長モデル」が確立されました。
この結果、ストック型の固定収益が堅調に推移したことに加え、配信数などの利用実績に応じた収益が上乗せされ、当期の業績は、売上高2,459,803千円(前期比24.0%増)、営業利益523,639千円(前期比50.2%増)、経常利益508,660千円(前期比44.8%増)、当期純利益342,790千円(前期比57.1%増)となり、過去最高益を達成いたしました。
<資産、負債及び純資産の状況>
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ2,176,169千円増加し、4,038,268千円(前事業年度末比116.9%増)となっております。主たる変動要因は、上場による資金調達により現金及び預金が2,088,270千円増加したことであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ52,269千円減少し、1,262,203千円(前事業年度末比4.0%減)となっております。主たる変動要因は、税務申告に伴う納付により未払法人税等が54,480千円減少したことであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ2,228,438千円増加し、2,776,065千円(前事業年度末比406.9%増)となっております。主たる変動要因は、上場による資金調達等により資本金および資本剰余金がそれぞれ1,003,284千円増加、利益剰余金が221,869千円増加(当期純利益の計上により342,790千円増加、配当金の支払により120,920千円減少)したことであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2,088,270千円増加し、2,907,986千円となっております。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、361,039千円の資金流入(前事業年度は352,516千円の流入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上により508,302千円の資金流入があった一方、法人税等の支払により226,452千円の資金流出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、148,542千円の資金流出(前事業年度は73,757千円の流出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、1,875,773千円の資金流入(前事業年度は72,613千円の流出)となりました。これは、上場による資金調達によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当事業年度における販売実績は以下のとおりであります。なお、当社はCX向上ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産、負債、収益および費用の報告額ならびに開示に影響を及ぼす見積りを用いております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
また、当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高は、顧客数増加および顧客単価の上昇が好調に推移し2,459,803千円(前年比24.0%増)となりました。
営業利益は、AI等を活用した効率化により販売費及び一般管理費が減少し、売上高の増加により523,639千円(前年比50.2%増)となりました。
経常利益は、営業外費用において上場関連費用が増加したことにより508,660千円(前年比44.8%増)となりました。
当期純利益は、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)が165,511千円となり、342,790千円(前年比57.1%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要のうち主なものは、運転資金および事業領域拡大のための当社サービスの機能強化や新規開発投資であります。これらの資金需要は、原則として自己資金による充当および営業活動によるキャッシュフローを財源としますが、必要に応じて金融機関等からの借入等を活用する方針です。
手元流動性の水準については、日常の運営コストや突発的な支出に対応できるよう、最低でもおよそ1ヵ月~1.5ヶ月分の支出をカバーできる手元資金の維持を目標としています。これにより、急な市場の変動や予期しない経済状況に対しても柔軟に対応できる体制を整えています。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社における経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、売上拡大のための基盤となる顧客数、顧客単価、顧客解約率を重要な指標としており、店舗数および顧客単価の拡大と高維持率が重要と考えております。
2025年12月期における店舗数は17,011店舗(2025年12月末時点)となり、顧客単価は12,205円(2025年第4四半期の期中平均)、顧客解約率については1.7%(2025年1月~2025年12月平均)と低い水準で推移しております。
引き続き、これらの指標のさらなる改善に取り組み、持続的な成長に努めてまいります。
(1) 代理店基本契約
当社は、LINEヤフー株式会社と、同社が提供するサービスの利用希望者に当該サービスを販売する代理店基本契約を締結しております。
該当事項はありません。