当社グループは「最高の品質で社会に貢献」という使命のもと、ビジョンに「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」を掲げております。この使命・ビジョンに沿って、質を伴った成長を実現することで、企業と社会の双方の持続可能性を高めていくことを目指してまいります
(2026年通期連結業績予想 売上収益4兆5,000億円、調整後営業利益5,150億円、調整後営業利益率11.4%、親会社の所有者に帰属する当期利益3,400億円)。
■経営環境認識と対応方向性
当社グループを取り巻く経営環境は、サステナビリティへの対応や地政学リスクによるサプライチェーンへの影響、デジタル化・生成AIの進展などの技術革新、さらにモビリティ・タイヤ業界における新興メーカーの台頭など、大きな変化が継続しております。このような環境下において、収益性・生産性の向上と共に、変化を先取りしながら持続的な成長を実現していくことを目指してまいります。また、いかなる経営環境においても、当社グループの経営基盤である安全・品質・環境の継続的な改善・強化に取り組んでまいります。
■事業戦略
当社グループは、タイヤ事業を中核とし、魅力的な商品・サービス開発とコスト競争力向上の両立を成長の中心に据えております。加えて、ソリューション事業の価値創造の拡大及びタイヤを原材料に戻すリサイクル事業を推進することで価値循環の実現を目指してまいります。タイヤ事業では、商品力の強化を徹底しながら、様々な環境変化に対応するため、グローバルな生産・販売ネットワークを活用し、最適なサプライチェーンの構築を推進しております。地産地消を基本としつつ、日本をモノづくりの中核として位置づけ、鉱山車両用や航空機用など高い技術力が求められるタイヤのグローバル供給拠点として活用してまいります。ソリューション事業では、お客様のオペレーションの安全性・生産性の向上に加え、タイヤ使用本数の低減やCO2削減などを通じてサステナビリティにも貢献してまいります。リサイクル事業につきましては、タイヤのケミカルリサイクルの早期社会実装、事業化を推進してまいります。化工品・多角化事業につきましても、当社グループの強みが活きる領域において成長を図ってまいります。また、ブランド力の向上にも注力をしてまいります。
■サステナビリティに向けた取り組み
当社グループは、商品を創って売る、使う、原材料に戻すという、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブ(自然再興)の推進とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立を、経営戦略及び中期事業計画に織り込んで推進しております。カーボンニュートラル化へ向けては、2030年にCO2の総量(Scope(スコープ)1、2)(注)を2011年対比50%削減という明確なターゲットを掲げており、2025年は2030年目標を上回る約62%の削減を見込んでおります。また、グローバル各地域において、太陽光発電パネルの設置や外部から購入する電力の再生可能エネルギー由来の電力への切り替えなどを推進し、2025年の再生可能エネルギー(電力)の比率は約73%を見込んでおり、2030年目標の100%へ向けた挑戦を着実に進めてまいります。バリューチェーン全体のCO2排出量(Scope3)(注)については、2030年までに商品・サービス・ソリューションのライフサイクルを通じて、Scope1、2における排出量の5倍以上のCO2削減に貢献(基準年:2020年)することを目標として活動を進めており、2025年は約3.3倍の着実な進捗を見込んでおります。サーキュラーエコノミーの実現に向けては、2030年までに再生資源・再生可能資源比率を40%に向上することを目標としており、2025年にはこの目標を前倒しで達成する見込みであります。加えて、ネイチャーポジティブ(自然再興)への貢献においては、当社グループの事業に直結している天然ゴムや水資源の持続可能な利用を推進する活動に注力してまいります。特に、天然ゴムの生産を支えている小規模農家の生産性を向上させ、森林破壊ゼロの実現に貢献するために、自社農園で培った技術や病害対策に有効なノウハウを展開するなど、小規模農家の支援に取り組んでおります。小規模農家支援軒数の目標を2026年までに累計12,000軒としておりましたが、2025年は累計約24,400軒と大幅に上回る活動を実施しております。2026年のターゲットを累計30,000軒に引き上げ、地域社会への貢献も強化してまいります。
■グローバル経営リスクとその対応
当社グループは、グローバル経営リスクとして、現在、4つの重点管理アイテムを設定しております。1つ目は、地政学リスク対応であります。2026年現時点においては、米国関税影響や中東情勢などにおいて、その動向を注視し、当社ビジネスへの影響を見極めながら迅速に対策を進めてまいります。2つ目は、サイバーリスクへの対応であります。当社グループでは、グローバルでサイバーリスク対応チームを立ち上げ、グループ会社や工場も含めて包括的な対策を強化してまいります。3つ目は、6PPD(タイヤ産業で一般的に使用されている老化防止剤)及びTRWP(Tire and Road Wear Particles、タイヤ・路面摩耗粉じん)についての対応であります。業界全体での取り組みをリードすると共に、当社グループとしての対応も進めてまいります。4つ目は、EUDR(欧州森林破壊防止規則)への対応であります。天然ゴムパートナーとのサステナビリティを中核とした関係を強化してまいります。これら以外にも、経営環境の変化を常に注視し、新たな経営リスクの把握や迅速な対応など、グローバルで体制を整備し進めてまいります。
■人財戦略
当社グループは、個人の成長を通じて会社が成長していくこと、会社の成長を通じて個人が成長していくことを基本的な考え方として、人財育成や人財投資の強化を進めております。人的創造性(調整後営業利益(付加価値)を人財投資(労務費、教育訓練費、福利厚生費の和)で割った値)を、2024年からグローバル経営指標として導入し、生産性・創造性の向上を基本として、人財投資を強化し付加価値を上げ、価値創造の好循環を生むことを目指しております。その取り組みの一つとして、自ら課題を見つけ、現場において改善及び解決に取り組む「現場100日チャレンジプログラム」を2023年にスタートし、2024年からはアジア・大洋州・インド・中国へと拡大し、推進しております。また、次世代経営リーダー育成プログラムとして、グローバルで毎年約100名(日本30名、米州30名、欧州20名、アジア20名)を選抜するBridgestone NEXT(ネクスト)100(ハンドレッド)を設け、各地域経営陣とのタウンホールミーティングや各経営報告会議体への参画等を通じ、多様な視点でのリーダー重点育成を推進しております。DE&Iの推進も着実に進めてまいります。日本においては、女性採用の強化や「女性基幹職登用促進プログラム」等のキャリア支援強化にも取り組んでおります。加えて、育児との両立支援、女性特有の健康課題をテクノロジーを活用し解決するフェムテックプログラム導入等、様々なライフステージに応じて従業員が自分らしく働き続けるための支援も行っております。今後も、持続的な成長に向けた人財育成を推進してまいります。
当社グループは、様々なステークホルダーとの調和を図りながら、2031年の創立100周年へ向けて成長を加速させ、タイヤ・ゴム業界における世界No.1の奪回を目指すと共に、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を価値創造の軸として、従業員、社会、パートナー、お客様と共に、持続可能な社会を支えることにコミットしてまいります。
(注) Scope1は企業が直接排出するCO2(自社工場のボイラーなどからの排出)、Scope2はエネルギー起源間接排出(電力など他社から供給され、自社で消費したエネルギーに伴うCO2排出)、Scope3はライフサイクルにおける原材料調達、流通、顧客の使用と廃棄・リサイクル段階のCO2排出量等を指します。
(1) サステナビリティ全般
当社グループは創業以来、変わりゆく社会のニーズに対応し、それぞれの時代において一人ひとりの安心・安全な移動や暮らしを支え続けるために事業を拡大・進化させてきました。社会の変化を先取りし、変化をチャンスに変え、事業活動・社会貢献活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することは、「最高の品質で社会に貢献」を使命とする当社グループの果たすべき役割・責任だと考えております。
2020年を初年度とした「第三の創業」Bridgestone 3.0では、サステナビリティを経営の中核に据えた中長期事業戦略を発表し、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」をビジョンとして掲げました。同時に、2020年に、当社グループ自身の持続的な成長のためにも、社会価値と顧客価値の創造を両立させ、社会、お客様、ブリヂストンが共にWin-Win-Winとなる「サステナビリティビジネス構想」を発表しました。現在は、当社グループのバリューチェーン全体でカーボンニュートラル化やサーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進とビジネスモデルを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立を、経営戦略、中期事業計画に織り込んで推進しております。
① ガバナンス
当社は、企業理念に掲げた使命である「最高の品質で社会に貢献」の下、ビジョンの実現に向け中長期事業戦略をもとに、3ヶ年毎に作成する中期事業計画に沿って経営を進めており、その一環としてガバナンス体制の整備も進めております。当社は、内部統制のより一層の強化によるガバナンス体制の向上に継続的に取り組み、サステナブルなソリューションカンパニーへの進化を実現してまいります。
当社の取締役会は、執行部門からの業務執行状況の進捗報告・情報共有等を通じて、多様な視点から執行部門と議論し、監督機能を発揮することで、中長期事業戦略の実現を目指すコーポレート・ガバナンス体制となっております。カーボンニュートラル化やサーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進などのサステナビリティに関する取り組みについて定期的に報告を受け、進捗状況のレビューを実施しております。
執行部門については、2024年1月より、Global CEOの下、当社グループのビジネスを主に米欧を中心とするWEST、日本・アジアを中心とするEASTの2つのリージョンとして区分しております。2つのリージョンの下に、複数のSBU(戦略的事業ユニット)を設置し、より現場に密着し、課題に深く入り込めるよう、細かく事業エリアとしてブレークダウンしております。2026年1月にGlobal CEOが交代し、さらに、2026年3月以降の新体制では、急速に変化する事業環境下で、企業競争力を一層強化し、変化へのより俊敏な対応を実現するため、これまで重視してきた事業責任と横串・グローバル最適責任の明確化を引き続き維持いたします。そのうえで、ゴム・タイヤメーカーとして長年培ってきた技術基盤をさらに強固なものとするため、素材開発・製品開発・モノづくり(生産技術)の3軸からなるグローバル技術プラットフォームに執行役 Chief Innovation Officer、Chief Product Officer、Chief Manufacturing Officerを配置いたします。また、経営戦略・事業管理におけるグローバル総合力を強化するべく、グローバル経営プラットフォームの各機能に常務役員を配置し、全社最適の意思決定体制を一層明確にしてまいります。今後も、魅力的な商品・サービス開発とコスト競争力向上の両立を成長の中心に据え、世界各地に広がる事業のポートフォリオマネジメントを通じて、グローカル最適経営のさらなる強化に取り組んでまいります。
そして、これらのメンバーを中心に構成する、当社グループにおける最上位の経営執行会議体であるGlobal EXCOにおいて、グローバルな視点から経営戦略や経営課題について議論、審議することにより、当社グループとしてのチェック&バランス機能の強化、意思決定プロセスでの透明性の向上を図ってまいります。サステナビリティを経営の中核に据えた中長期事業戦略をもとにした中期事業計画、年度予算、重要な投資案件などの合意、計画の進捗を共有しております。
取締役及び執行役の報酬体系は「優秀人材の確保と啓発」、「競争力のある水準」、「事業戦略遂行の動機付け」、「株主価値増大への動機付け」という報酬原則に基づいて設計されており、2022年度よりサステナビリティ及びトランスフォーメーション推進と中長期事業戦略実現を後押しすることを目的とした中長期インセンティブを導入しております。2025年度は、報酬委員会で以下6つの目標を設定したうえで、取り組みを評価しております。
a.社内外へのコミュニケーションと「Bridgestone E8 Commitment」を軸とした具体的な価値創造
b.付加価値と働き甲斐を向上させるための人への投資と育成
c.CO2排出量の削減をはじめとしたカーボンニュートラル化
d.再生資源・再生可能資源比率の向上を含むサーキュラーエコノミーの実現
e.天然ゴム、水資源にフォーカスしたネイチャーポジティブへ向けた活動
f.業界リーダーとしてのTRWP(タイヤ・路面摩耗粉じん)及び6PPD(タイヤ業界で一般的に使用される老化防止剤)への対応
2026年3月24日開催予定の定時株主総会及びその後の取締役会終了後のコーポレート・ガバナンス体制の概要図は次のとおりです。
コーポレート・ガバナンス体制及び報酬体系の詳細につきましては、
また、経営・執行では、経営戦略や経営課題に基づいたコミッティを設置し、各コミッティが地域や組織を横断して、課題解決に向けた取り組みを推進しております。サステナビリティについては、グローバルサステナビリティコミッティ(GSC)をはじめとして、関連する各コミッティがサステナビリティの各種取り組みの計画・実行を推進する役割を担っており、各取り組みにおける進捗管理や、目標値及びKPI、測定基準の策定を進め、PDCAを回しながら継続的に取り組みを強化しております。GSCでは、サステナビリティ優先課題を定期的に見直すと共に、主要なテーマごとに傘下のワーキンググループが活動を推進し、計画と進捗を定期的に経営に報告しております。
② 戦略・リスク管理
社会やお客様へ新たな価値を創出し、お客様・パートナーの皆様と共に持続的に成長していくためには、責任ある企業として不可欠な基盤となる取り組みを継続的に推進しながら、ステークホルダーの皆様と強い信頼関係を構築していくことが重要であると考えております。当社グループのサステナビリティ戦略は、その基盤となる取り組みの一つとして、事業活動や社会貢献活動、あらゆるパートナーとの共創活動を通じて社会やお客様への価値を創出していくための方向性を示したものであり、社会価値・顧客価値を両立しながら持続的に創造していくために取り組むべきサステナビリティ優先課題を明確にしております。
取り組むべきサステナビリティ優先課題
・サステナビリティビジネスモデルの確立・進化:カーボンニュートラルへの対応力強化、サーキュラーエコノミービジネス活動の推進、ネイチャーポジティブの推進(「天然ゴム・水資源の持続可能な利用に向けた活動」に注力)
・お客様やパートナー、地域との信頼の醸成:地域社会の課題解決に貢献、世界各地での交通安全啓発活動の推進
・人権の尊重:グローバル人権方針に沿った取り組みの推進・活動レベルの継続強化
・TRWP(タイヤ・路面摩耗粉じん)・6PPD(タイヤ業界で一般的に使用される老化防止剤):業界リーダーとして、業界団体や学術機関などと連携し、タイヤのライフサイクルにおける環境への影響についての調査を推進。また、ロングライフ商品などの拡充やソリューション事業との連携を含め、タイヤを「創って売る」「使う」バリューチェーン全体でTRWP発生量削減の取り組みを継続的に推進。タイヤの安心・安全を担保できることを大前提とした6PPD代替品開発への取り組みを推進。
サステナビリティビジネスモデル
当社グループはビジョンとして掲げる「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」の実現に向けて、サステナビリティを中核に据えた中長期事業戦略構想を策定し、具体的な実行計画である中期事業計画に沿って、取り組みを進めております。
経営の中核に据えているサステナビリティについては、商品を「創って売る」「使う」、原材料に「戻す」という、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進と、ビジネスを連動させるブリヂストン独自のサステナビリティビジネスモデルの確立を進めております。
当社グループは、2011年にリファインした「環境宣言」を起点に、「自然と共生する」ために、「資源を大切に使う」技術を開発・活用し、喫緊の課題である地球温暖化に対して「CO2を減らす」ことに取り組み、長年にわたり自然共生に向けて包括的に取り組んでまいりました。2050年を見据えた環境長期目標を2012年に策定し、これを達成するために、2030年を目標とした環境中期目標「マイルストン2030」を2020年に公開しました。カーボンニュートラル化については、2030年にCO2の総量(Scope1、2)を2011年対比50%削減、2050年にカーボンニュートラルへという明確なターゲットを掲げております。サーキュラーエコノミーについては、2030年までに使用する原材料に占める再生資源・再生可能資源比率を40%に向上、2050年に100%サステナブルマテリアル化を目標にしております。
また、自然生態系の損失を食い止め、回復させていくネイチャーポジティブの実現に向けて、自然環境毀損につながる行動を回避し(Avoid)、できるだけ低減し(Reduce)、自然の再生及び回復に貢献し(Restore and Regenerate)、根本的なシステムを変革していく(Transform)といったSBTs(注) for Natureフレームワークの考え方に沿って、このサステナビリティビジネスモデルをより循環型・再生型のビジネスモデルとして進化させており、中期事業計画(2024-2026)では、事業に直結する「天然ゴム・水資源の持続可能な利用に向けた活動」に注力してまいります。サステナビリティへの取り組みをバリューチェーン全体で推進し、「Bridgestone E8 Commitment」の「Energy カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えること」や「Ecology 持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと」にコミットしてまいります。
リスク管理につきましては、
(注) Science-based targets
③ 指標及び目標
当社グループは、社会価値・顧客価値を両立しながら持続的に創造していくために取り組むべき優先課題について指標及び目標を設定しております。課題解決に向けた活動については、これらの指標及び目標に基づいて、中長期事業戦略の実現を目指す当社のコーポレート・ガバナンス体制のもとで適切に進捗管理を行っております。
バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立に向けた取り組みの進捗は以下の通りであります。
|
取り組むべき優先課題 |
サブカテゴリー |
目標 |
進捗 (2025年) |
SDGsへの貢献 |
Bridgestone E8 Commitmentに掲げる価値の創出 |
|
サステナビリティビジネスモデルの確立・進化 |
カーボンニュートラルへの対応力強化 |
Scope1、2におけるCO2排出量削減:2030年 50%削減(2011年対比) 2050年 カーボンニュートラル化 |
Scope1、2:約64%削減(2011年対比)(注1) 再生可能エネルギー比率(電力):約73%(注1) |
|
・Energy:カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えることにコミットする ・Ecology:持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐことにコミットする |
|
Scope3におけるCO2削減貢献:2030年 排出量の5倍以上 |
|||||
|
サーキュラーエコノミービジネス活動の推進 |
資源生産性の向上、長寿命・省資源商品の開発 サーキュラーエコノミーへの貢献:2030年 再生資源・再生可能資源比率40%(注2) 2050年 100%サステナブルマテリアル化 |
再生資源・再生可能資源率:約40%(注1) |
|||
|
ネイチャーポジティブの推進 |
天然ゴムの小規模農家支援強化:2026年 累計支援数30,000軒(注3) |
累計約24,400軒の小規模農家への研修・技術支援を実施(注1) |
|||
|
水ストレス地域における生産拠点でのウォータースチュワードシッププランの策定・実行:2030年 全対象拠点で実行 |
対象となる全16拠点で実行中 |
(注1) 2026年3月18日時点の見込値であり、第三者機関による保証審査を経た確定時に修正する可能性があります。
(注2) リトレッド用台タイヤを含むタイヤの総原材料重量に占める比率
(注3) 2023年以降の累計件数
(2) 気候変動及び自然資本損失に関する取組
気候変動及び自然資本損失への対応に世界的な関心が高まり、パリ協定に代表される脱炭素社会への動き、ならびに、昆明・モントリオール生物多様性枠組として採択された、生態系や自然資本の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せることを目指すネイチャーポジティブの達成に向けた動きが加速する中で、当社グループは気候変動及び自然資本損失によるリスクと機会を統合的に認識し、事業戦略への反映を進めております。
主なリスクとしては、脱炭素社会や自然と共生する社会への転換に伴う「移行リスク」並びに気候変動及び自然資本損失による「物理的リスク」を認識しております。「移行リスク」には、気候変動や自然資本損失のために、国内外において、炭素税やCO2排出削減義務・排出量取引制度、タイヤの低燃費性能等に関する制度・規制、使用済タイヤのリサイクルに関する制度・規制、取水に関する制度・規制、持続可能な天然ゴムに関する制度・規制などの導入が進む際に、社会や顧客の急速なニーズ変化に対して研究開発費を十分な事業成果に結びつけることができない場合は、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。「物理的リスク」には、台風の大型化、洪水や渇水の発生頻度の増加による事業活動中断のリスク、降雨パターンの変化に伴う天然ゴムの収穫不良による原材料調達に関するリスク、降雪量の減少により冬タイヤの需要が減少するリスクがあります。反面、これらの社会や顧客のニーズ変化を新たな成長機会とも捉えており、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立を、経営戦略、中期事業計画に織り込んで推進しております。
「移行リスク」及び機会への認識を踏まえ、2030年目標として「私たちが排出するCO2の総量(Scope1、2)を50%削減する(2011年比)」「ソリューションの提供により、商品・サービスのライフサイクル、バリューチェーン全体(Scope3)を通じて、私たちの生産活動により排出するCO2排出量(Scope1、2)の5倍以上のCO2削減に貢献していく(2020年比)」「再生資源または再生可能資源に由来する原材料の比率を40%に向上する」「水ストレス地域における生産拠点において、水リスク低減に向けたウォータースチュワードシッププランを推進する」を設定し、CO2削減に貢献する新技術の開発、当社グループの生産拠点におけるCO2排出や水ストレス地域での取水などによる自然資本への影響の低減、低燃費タイヤの開発・販売、リトレッドタイヤビジネスの拡大、取引先との協働によるサプライチェーンのCO2排出量及び自然資本への影響の低減など、目標の達成へ向けた活動を進めております。
また、森林に関わる移行リスクへの対応として、森林破壊禁止を含む「グローバルサステナブル調達ポリシー」の展開や、サステナビリティに関する第三者調査・評価機関を活用したサプライヤーアセスメントの実施、天然ゴムサプライチェーンの包括的な現地監査及びトレーサビリティ向上施策を進めております。さらに、取引先と協働して上流の農家を訪問することでトレーサビリティを高めると共に、農家へのアセスメントや改善支援を行うなど、生産現場の実態を確認しながら農園レベルでの責任ある調達活動に取り組んでおります。森林破壊防止に向けて当社グループでは、欧州法令に対応するための包括的な体制をグループ全体で整え、対応を進めております。天然ゴムの生産地は東南アジアの熱帯雨林に集中しており、多くの小規模農家によって支えられていることにより、天然ゴムの持続可能なサプライチェーンの構築が当社の持続性においても重要であると考えています。小規模農家の生産性向上や森林破壊ゼロの実現に貢献するために、自社農園で培った技術や病害対策に有効なノウハウを活用し、2026年末までに累計30,000軒を目標に、天然ゴム小規模農家の支援に取り組んでおります。知見を有する国際NGOとの協働を積極的に推進すると共に、当社が支援した小規模農家グループが講師となって現場でノウハウと技術を持続的・自律的に継承していけるように、戦略的に支援に取り組んでおります。個社としての取り組みに加え、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム(GPSNR)の設立及び推進を主導し、マルチステークホルダーとの対話や協働を通じてサプライチェーンの透明性やトレーサビリティ向上のための基準づくりを進めるなど、天然ゴムの持続可能な利用に向けた取り組みを強化しております。
投資の判断においても「移行リスク」及び機会が評価できるように、社内カーボンプライシングによるCO2排出コストと削減効果を加味した投資判断を行っております。また、使用済タイヤを原材料などに「戻す」リサイクル事業の構築、天然ゴム事業における生産性向上に向けた取り組みを通じて、バリューチェーン全体でのCO2排出量及び各種環境負荷による自然資本への影響の低減にも取り組んでおります。
「物理的リスク」及び機会に対しては、事業継続計画(Business Continuity Plan、以下BCP)を策定して事業の継続又は再開に向けて適切な危機対応や支援が行えるように体制を整えております。また、気候変動に起因する天然ゴムの収穫不良のリスクに対しては、天然ゴムの生産性向上技術の開発や小規模農家の生産性向上支援等を通じて影響の低減に取り組んでおります。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)最終提言及びTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)最終提言V1.0が推奨する開示内容に沿った当社グループの対応状況は以下の通りであります。
① ガバナンス
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストングループの対応状況 |
|
|
TCFD |
TNFD |
|
|
依存関係・影響・リスク・機会に対する取締役会の監督体制 |
・取締役会はカーボンニュートラル化やサーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進に向けた活動を含むサステナビリティへの取り組みの状況について定期的に報告を受け、進捗状況のレビューを実施 |
|
|
依存関係・影響・リスク・機会の評価と管理における経営者の役割 |
・最上位の経営執行会議体であるGlobal EXCOでカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進に向けた中長期の戦略・目標、実行計画の承認、計画の進捗を管理 ・2025年は、2026年に設定予定の次期CO2排出削減目標を含む議論を実施 |
|
|
先住民族・地域社会・影響を受けるステークホルダー・その他ステークホルダーに向けた人権方針とエンゲージメント活動、取締役会・経営者の監督 (TNFD推奨開示内容) |
- |
・「グローバル人権方針」及び当社グループの「グローバルサステナブル調達ポリシー」を策定し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など国際基準が掲げる人権の尊重に対して強いコミットメントを表明。取引先に必ず実施いただきたい事項として、国連「先住民族の権利に関する宣言」に従った合法的な手段での土地取得・利用、土地取得時や森林開発評価・実行方針策定時のFPIC原則の遵守を定め、当社グループ内・取引先・サプライチェーン全体への浸透活動を推進 ・サプライチェーンが「グローバルサステナブル調達ポリシー」に準拠しているかどうかを確認するデューディリジェンスプロセスを検討・開発するために公益財団法人世界自然保護基金(WWF)ジャパンと協働。WWFと連携して開発したSAQ(Self-Assessment Questionnaire)を使って、天然ゴムの小規模農家を含む取引先のESG現地監査を行い、FPIC原則の遵守含め、リスク評価を実施。 今後も、2025年にGPSNRで正式に決議されたFPIC義務遵守を含むGPSNR保証システムへ準拠していく。 ・天然ゴムのサプライチェーンを対象としたグリーバンスメカニズムを構築し、標準作業手順書と苦情(グリーバンス)への対応状況を公開。先住民族・地域社会に関連するリスクも本メカニズムを活用し確認 ・人権の尊重を含むサステナビリティへの取り組みの実行計画や進捗状況は経営執行会議体であるGlobal EXCOで承認・管理され、取締役会がレビューを実施 |
② 戦略
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストングループの対応状況 |
|
|
TCFD |
TNFD |
|
|
短期・中期・長期の依存関係・影響・リスクと機会 |
・気候・自然資本への依存関係と影響、気候変動及び自然資本損失によるリスクと機会を統合的に評価・管理。以下の依存関係・影響・リスク・機会を特定 ・バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立に取り組んでおり、重要度の高いリスク・機会を経営戦略、中期事業計画に織り込んで推進
気候・自然資本との依存関係(注) ・原材料調達段階における水やバイオマスを供給するサービス、生態系が持つ気候・良好な土壌等を維持調整するサービスへの依存 ・タイヤ製造段階における水を供給するサービスへの依存
気候・自然資本への影響(注) ・原材料調達段階における土地利用による影響 ・タイヤ製造段階における水資源の使用、廃棄物の排出による影響 ・バリューチェーン全体での温室効果ガスの排出、水資源の使用、大気・水質・土壌への排出、廃棄物の排出による影響
気候変動・自然資本損失による物理的リスク・機会 ・台風の大型化、洪水や渇水の発生頻度の増加による事業活動中断のリスク ・降雨パターンの変化に伴う天然ゴムの収穫不良による原材料調達に関するリスク ・降雪量の減少により冬タイヤの需要が減少するリスク ・天然ゴムの安定生産に関するニーズの高まり及び生産性向上技術や小規模農家支援による供給安定性の向上機会
脱炭素社会や自然と共生する社会への移行リスク・機会 ・気候変動や自然資本損失のために制度・規制などの導入が進む際、社会や顧客の急速なニーズ変化に対して研究開発費を十分な事業成長に結びつけることができない場合における事業活動の制約やコストの上昇など、業績や財務状態に悪影響を及ぼすリスク(炭素税やCO2排出削減義務・排出量取引制度、タイヤの低燃費性能に関する制度・規制、使用済タイヤのリサイクルに関する制度・規制、取水に関する制度・規制、持続可能な天然ゴムに関する制度・規制など) ・モビリティニーズの変化に伴う競争要因変化に伴う機会(EV向けタイヤの需要増加、お客様のCO2排出量削減に貢献するタイヤ及びソリューションの需要増加等) ・使用済タイヤのリサイクルに関する規制地域拡大に伴うリサイクル事業の事業化機会 (注) 国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)他の「ENCORE」の産業グループ別評価で重要性が「非常に高い」又は「高い」と評価された、タイヤ事業のバリューチェーンにおける主な依存関係及び影響 |
|
|
ビジネスモデル・バリューチェーン・戦略・財務計画に及ぼす影響 |
||
|
様々なシナリオを考慮した組織戦略のレジリエンス |
・2023年に複数の気候関連シナリオ・自然関連シナリオに基づいてリスク・機会を評価し、対策について事業計画に織り込み毎年レビューを実施(注) ・特定された重要度の高いリスク・機会について、既に対応を開始 (注) 事業に大きく影響を与え得る政策動向や技術革新、気候変動の物理的影響など、重大な不確実性の領域を考慮 |
|
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストングループの対応状況 |
|
|
TCFD |
TNFD |
|
|
直接事業・上流・下流において次に該当する地域 ・生態系の完全性が高い又は低下している地域 ・生物多様性の重要性が高い地域 ・水ストレスのある地域 ・大きな依存関係や影響を持つ可能性がある地域 (TNFD推奨開示内容) |
・荒廃地緑化によるCO2吸収・固定化の拡大 |
・水資源の量や質の低下リスクのある水ストレス地域に立地する生産拠点を定期的に評価。2025年末時点で水ストレス地域に立地する16生産拠点のすべてで、地域の水事情を踏まえたウォータースチュワードシッププランを策定し、実行中 |
③ リスクと影響の管理
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストングループの対応状況 |
|
|
TCFD |
TNFD |
|
|
直接事業、バリューチェーンの上流及び下流における依存関係・影響・リスク・機会の特定・評価・優先順位付けプロセス |
・グループ会社の事業規模や特性を考慮に入れながら、グループ共通のリスク・機会に包括的且つ適切に特定及び対処するよう努めており、気候及び自然資本に関しては、国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)他の「ENCORE」及び一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)の「企業と生物多様性の関係性マップ®」を活用して評価したバリューチェーン全体における依存関係・影響を考慮の上、リスク・機会を特定 ・中長期事業戦略の実行に直接関連するビジネス戦略リスク・機会については、2022年に「グローバル経営リスクコミッティ(GMRC)」を設置、リスク対応を強化。GMRCは、各グローバルコミッティ及び機能の代表者や組織内の関連する専門知識を持つメンバーで構成。Global EXCOや取締役に定期的に報告の機会を持ち、グローバルリスク管理がブリヂストンの戦略策定や意思決定に組み込まれるように経営層に関与 ・GMRCは、様々なグローバルリスクを短期、中期、長期の視点から評価し、重点管理すべきグローバル経営リスクを特定。GMRCの下にグローバルでのワーキンググループや優先度の高い経営リスクへの対応を推進するタスクフォースを設置し、組織横断的なグローバル経営リスク対応を推進 ・サプライチェーンのレジリエンスや森林破壊に関する規制への対応などを重点管理すべきグローバル経営リスクとして位置づけ、リスク対応に関する取組を監督 |
|
|
管理プロセス |
||
|
組織全体のリスク管理への統合・伝達状況 |
||
④ 指標及び目標
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストングループの対応状況 |
|
|
TCFD |
TNFD |
|
|
リスクと機会の評価・管理に用いる指標 |
・気候関連リスク・機会・影響を評価・管理する指標の一つとして温室効果ガス排出量(Scope1、2、3、及び商品・サービスのライフサイクル・バリューチェーン全体を通じた温室効果ガス排出量の削減貢献量)を設定し、定期的にモニタリング ・投資の判断においてもリスク・機会が評価できるよう、社内カーボンプライシングによるCO2排出コスト(US$100/t-CO2)と削減効果を加味した投資判断を実施 |
・自然関連リスク・機会・影響を評価・管理する指標として、水ストレス地域における取水量、環境負荷(有害/非有害廃棄物排出量・埋立量、VOC排出量、SOx/NOx排出量)、生息地の保全・管理面積、天然ゴムの小規模農家の支援軒数などを設定し、定期的にモニタリング |
|
依存関係と影響の評価・管理に用いる指標 |
||
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストングループの対応状況 |
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
TCFD |
TNFD |
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
依存関係・影響・リスク・機会の管理に用いる目標と実績 |
・カーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進に向けた中長期環境目標(2050年以降、2030年)を設定し、毎年実績を評価・開示 ・2030年に向けた目標として「私たちが排出するCO2の総量(Scope1、2)を50%削減する(2011年比)」「ソリューションの提供により、商品・サービスのライフサイクル、バリューチェーン全体(Scope3)を通じて、私たちの生産活動により排出するCO2排出量(Scope1、2)の5倍以上のCO2削減に貢献していく(2020年比)」「再生資源または再生可能資源に由来する原材料の比率を40%に向上する」「水ストレス地域における生産拠点において、水リスク低減に向けたウォータースチュワードシッププランを推進する」を設定 ・森林破壊抑制に向けた天然ゴム小規模農家支援については「2026年末までに12,000軒の支援を行う」目標を設定。支援活動が順調に推移していることから、2025年末に目標を「2026年末までに30,000軒」へ更新
・2030年に向けた目標に対する主な実績は以下の通りであります。
(注1) 2025年実績より算定範囲はGHGプロトコルで定める経営支配力アプローチに基づく組織境界にて算定。また2024実績は一部の非生産拠点を含んでおりません。 (注2) 2026年3月18日時点の見込値であり、第三者機関による保証審査を経た確定時に修正する可能性があります。 (注3) 非継続事業を除く生産拠点からの排出を対象とした目標(持分法適用会社のBrisa Bridgestone Sabanci Lastik Sanayi ve Ticaret A.S.工場を含む)であり、2025年に譲渡契約を締結したタイ、メキシコのカーボンブラック事業は算定範囲から除外。 (注4) リトレッド用台タイヤを含むタイヤの総原材料重量に占める比率 (注5) 2023年以降の累計件数 |
|||||||||||||||||||||||||||||||
移行計画(Transition Plan Taskforce開示フレームワーク及びTNFD自然移行計画に関するガイダンスを参照して整理)
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストンの対応状況 |
||
|
気候関連移行計画 |
自然関連移行計画 |
||
|
基礎 |
戦略的野心 |
・「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして、社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向け、「中長期事業戦略構想」を策定 ・気候変動に関しては、パリ協定に即した2050年長期目標に加え、2030年の中期目標を設定 |
- |
|
枠組みと範囲 |
- |
・商品のライフサイクル、バリューチェーン全体を通して、事業活動が環境に与える影響と貢献の両面で重要な課題を特定し、活動を推進 |
|
|
ビジネスモデル、バリューチェーン、移行資金調達戦略 |
・事業を通じて社会価値・顧客価値の創出を両立させ、社会、お客様、ブリヂストンが共にWin-Win-Winとなるために、商品を「創って売る」、「使う」、原材料に「戻す」という、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立について、経営戦略、中期事業計画(2024年-2026年)に織り込んで推進 |
||
|
計画の優先順位 |
- |
・自然資本への依存関係と影響、自然資本損失によるリスクと機会を踏まえながら、優先順位を検討 ・中期事業計画(2024年-2026年)においては、ネイチャーポジティブに向けて、ブリヂストンの事業に直結している「天然ゴム・水資源の持続可能な利用に向けた活動」に注力 |
|
|
主な前提条件と外部要因 |
・複数の気候関連シナリオ・自然関連シナリオを用いて統合的に評価した依存関係・影響・移行リスク、物理リスク及び機会に基づく |
||
|
実行戦略 |
事業計画と運営 |
・CO2排出量(Scope1、2)の削減においては、再生可能エネルギーのポートフォリオの最適化による安定調達、BCMA(Bridgestone Commonality Modularity Architecture)とも連動した生産性向上の推進、エネルギー原単位の改善を進めることで、ビジネスの成長とCO2排出量の削減を高いレベルで両立しながら、更なる削減に向けた技術開発・実証を進め、高まる社会期待への対応力を強化し、社会価値・顧客価値を持続的に提供 |
・マイルストン2030に基づく環境インパクトの改善推進 ・「ウォータースチュワードシップポリシー」に基づき、水ストレス地域に立地する生産拠点を中心に、2030年までにそれぞれの地域環境に応じた具体的なウォータースチュワードシッププランを策定・実行 ・小規模農家の生産性向上、森林破壊ゼロの実現に貢献するために、自社農園で培った技術や病害対策に有効なノウハウを活用し天然ゴム小規模農家を支援 |
|
製品とサービス |
・商品設計基盤技術ENLITENの拡大を含む、低燃費タイヤの開発・販売、リトレッドタイヤビジネスの拡大、再生資源・再生可能資源の活用、モビリティソリューションの提供等によりCO2削減貢献を拡大及び自然資本への影響の低減を推進 |
||
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストンの対応状況 |
||
|
気候関連移行計画 |
自然関連移行計画 |
||
|
実行戦略 |
方針と条件 |
・環境宣言において活動の方向性(自然と共生する、資源を大切に使う、CO2を減らす)を規定し、2050年を見据えて環境長期目標に向けたアプローチを設定し、「ブリヂストン環境マネジメントポリシー」に反映 ・CO2削減のため社内カーボンプライシング(ICP、企業内炭素価格)を導入し、CO2排出量の低減や増加の影響を投資の意思決定に反映 ・「グローバルサステナブル調達ポリシー」に基づきサプライヤーエンゲージメントを推進 ・「グローバル人権方針」に基づき、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など国際基準が掲げる人権の尊重に対して強いコミットメントを表明 |
|
|
財務計画 |
・実行戦略は中期事業計画(2024年-2026年)に織り込み実施 |
||
|
エンゲージメント戦略 |
ランドスケープ、流域、シースケープへのエンゲージメント |
- |
・水ストレス地域に位置するブリヂストンの生産拠点において「ウォータースチュワードシップポリシー」に基づき、地域の水事情を踏まえたウォータースチュワードシッププランを策定 ・森林保護と天然ゴムの小規模農家の生産能力向上を目的とした支援を強化していくために、「キャパシティビルディングタスクフォース」を設立し、小規模農家向けに研修と技術サポートを実施 ・地域やパートナーの皆様と連携し、世界中の生産拠点での様々な生物多様性貢献活動を促進する「生物多様性貢献活動推進プログラム」を運用 ・WWFジャパン及びデロイト トーマツ グループと協働でSBTs for Nature(SBTN)トライアル分析を実施し、インドネシアで実施している持続可能な天然ゴムに関するプロジェクトにおいて、SBTs for Natureのガイダンスに示されるランドスケープエンゲージメント目標で求められる指標、目標、対応策との合致を確認 |
|
バリューチェーンへのエンゲージメント |
・「グローバルサステナブル調達ポリシー」において、お取引先様に対するエネルギーの使用量と温室効果ガスの排出量削減、削減計画の策定、排出量の報告を要請 ・お取引先様の活動支援のため、CO2削減に焦点を当てた勉強会を開催 ・CO2削減目標及びCO2排出量の状況に関するアンケート等によりモニタリング |
・「グローバルサステナブル調達ポリシー」に記載されている、環境への取り組み、人権の尊重、公正な労働慣行の支援、透明性の向上を推進 ・調達・生産活動を通じて、気候変動や野生生物の保全にとって極めて重要な原生林や高保護価値(HCV:High Conservation Value)、高炭素貯蓄(HCS:High Carbon Stock)地域の保護・再生を推進 |
|
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストンの対応状況 |
||
|
気候関連移行計画 |
自然関連移行計画 |
||
|
エンゲージメント戦略 |
業界へのエンゲージメント |
・持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD:World Business Council for Sustainable Development)傘下のタイヤ産業プロジェクト(TIP:Tire Industry Project)を通して、世界のタイヤ生産能力のおよそ65%を占めるタイヤメーカー10社で協力し、グローバルな取り組みを展開 ・各地域のゴム・タイヤ業界団体への参画 ・GPSNR(持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム)を通じて、人権尊重の促進、土地収奪や森林破壊の回避、生物多様性や水資源の保全、天然ゴムの収量の向上、サプライチェーンの透明性とトレーサビリティ向上のための基準づくりを進めると共に「小規模農家ワーキンググループ」での活動に参画 |
|
|
政府、公共部門、市民社会へのエンゲージメント |
・TCFDに賛同 ・気候変動イニシアティブ(JCI)、日本の経済産業省が主導する仕組みであるGXリーグなどへの参画 |
・TNFDフォーラムへの参画 ・Business for Natureや企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)への参画 |
|
|
測定指標とターゲット |
依存とインパクトの測定指標とターゲット |
- |
・森林破壊抑制に向けた天然ゴム小規模農家支援については、「2026年までに30,000軒の支援を行う」目標を設定 ・水資源の持続的な利用に関しては、水資源の量や質の低下リスクのある水ストレス地域に立地する生産拠点を定期的に評価し、水ストレス地域における生産拠点の取水量を定期的にモニタリング ・WWFジャパンとのパートナーシップを通じて、インドネシアで実施している持続可能な天然ゴムに関するプロジェクトにおいて、SBTNのランドスケープエンゲージメント目標についてトライアル分析を実施し、指標を設定、指標毎にベースラインの確認、目標、対応策を設定 |
|
ガバナンス、事業及び運営、財務、GHGの指標と目標 |
・CO2排出量(Scope1、2、3)、CO2削減貢献量、再生可能エネルギー(電力)を定期的にモニタリング、データの信頼性担保のため、第三者保証を取得 ・環境長期目標と中期目標を設定し、中期目標に関しては、SBT認定を取得 |
- |
|
|
カーボンクレジット |
・CO2削減目標の達成において、カーボンクレジットは未使用 |
- |
|
|
推奨される開示内容 |
ブリヂストンの対応状況 |
||
|
気候関連移行計画 |
自然関連移行計画 |
||
|
ガバナンス |
取締役会の監督と報告 |
・取締役会では、カーボンニュートラル化やサーキュラーエコノミーへの貢献促進、自然共生に向けた活動を含むサステナビリティへの取り組みの状況について定期的に報告を受け、進捗状況のレビューを実施 |
|
|
経営陣の役割、責任、説明責任 |
・Global EXCOでカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーへの貢献促進、自然共生に向けた中長期の戦略・目標、実行計画の承認、計画の進捗を管理 |
||
|
文化 |
・価値創造の軸及びベクトルとして位置づける企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」の中で、カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブに関する価値を定義 ○Energy カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支えることにコミットする ○Ecology 持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐことにコミットする |
||
|
インセンティブと報酬 |
・役員報酬における中長期インセンティブとして、毎期のサステナビリティ及びトランスフォーメーションに係る取組みに応じて、RSU等を付与 |
||
|
スキル、能力、研修 |
・各地域で研修やEラーニング等を通じた教育を実施 ・日本では、全社員を対象にしたサステナビリティ研修(Eラーニング、対面研修)を年1回実施 |
||
(3) 人的資本・多様性に関する取組
① 戦略
当社グループでは、事業戦略と連動した付加価値創造により企業価値向上を図ると共に、個人の成功・自信の波及を通じて多様な人財が輝ける様になることを人財戦略の軸とし、事業戦略と連動した人財戦略の推進に取り組んでおります。
持続的な成長に向けては、
・企業理念体系とブリヂストンDNA(「品質へのこだわり」「現物現場」「お客様の困りごとに寄り添う」「挑戦」)に共感し、体現するブリヂストンらしい人財を基盤に、
・困難な状況を克服するレジリエンスと強い現場マインド、事業戦略を構築し実行するビジネス感覚を持ち合わせたグローバル経営リーダー人財
・当社グループがこれまで培ってきた現場力などの強いリアルに、デジタルを融合させ、価値創造を進化させるデジタル人財
・社会/お客様の困りごとをより深い理解によって解決し、断トツ商品と組み合わせた新たな価値を提案するソリューションエンジニア人財
など、多様な人財が必要であると考えております。
中期事業計画(2024-2026)においては、グローバルで現物現場を大切に、価値創造に、よりフォーカスすることで変革を加速させていくため、経営・業務品質の向上を最優先に、変革の原動力である人財一人ひとりの生産性・創造性の向上に向けて様々な取り組みを進めております。
これらの取り組みを表す指標として、人的創造性を2024年からグローバル経営指標として導入し、生産性・創造性の向上を基本として、人財投資を強化し付加価値を上げ、価値創造の好循環を生むことを目指しております。グローバル共通の一本の軸として、人的創造性KPI(調整後営業利益(付加価値)を人財投資(労務費、教育訓練費、福利厚生費の和)で割ったもの)でグローバルの推移を把握しながら、地域別・国別の課題に取り組んでおります。
人的創造性KPI
個人の成長を通じて会社が成長していくこと、会社の成長を通じて個人が成長していくこと、従業員一人ひとりが豊かで充実した人生を送ることなくして会社の持続的な成長はない、を基本的な考え方として、多様な人財が“輝く”、多様な挑戦の場や学びの機会を一人ひとりが最大限活用し、成果創出や価値創造に取り組むことを重視しております。それらを支えるべく、経営・業務品質向上の追求、人財一人ひとりの生産性・創造性向上を図り、事業戦略と連動した人財戦略を推進してまいります。
ブリヂストンらしい人事・組織変革(B-HRX)
a.経営・業務品質向上の追求
当社グループは、価値創造の基盤として、「良いビジネス体質を創る」ことを、中期事業計画(2024-2026)の最優先課題としております。1960年代に卓越した総合的品質管理を実施している企業に与えられるデミング賞実施賞の受賞に向けて策定した、ブリヂストン独自のデミング・プランに沿って、イノベーションと継続的改善に取り組み、グローバルで経営・業務品質の向上を追求しております。このデミング・プランは、当社DNAを反映しているものであります。当社グループは、この経営・業務品質の向上を図るため、当社DNAへの共感を育み、行動変革を促進するデミング・プラン再浸透施策(経営・業務品質向上)、創業の地研修、当社DNAを次世代に繋ぐ上で重要な次世代グローバル経営リーダー育成「Bridgestone NEXT100」プログラムを通じた経営人財の重点育成に取り組んでおります。
グローバルの取り組み
|
デミング・プラン再浸透施策 (経営・業務品質向上) |
デミング・プラン再浸透施策(経営・業務品質向上): 「ブリヂストン独自のデミング・プラン」をグローバルで再確認・再浸透する活動について、中期事業計画(2024-2026)2年目活動として以下を実施 - 「ブリヂストン独自のデミング・プラン」研修体系の構築 - 各機能部門による業務実例PDCA・なぜなぜ分析を持ち寄ったワークショップ - グローバルアセスメントによるデミング・プランの浸透と活動の有効性のモニタリング |
|
創業の地研修 |
当社創業の地である久留米(久留米工場、石橋文化センター等)を訪問し、創業者の想いや受け継いできたDNA、企業理念を体感し、より一層理解を深めることで、当社グループで働く誇りを醸成し、業務へのマインドセットにつなげる機会を整備。日本で開催するGlobal EXCOやリーダー育成研修の機会を活用し、海外SBU人財も多数、当プログラムに参加 |
|
Bridgestone NEXT100 |
各地域・国別リーダー開発と共に、グローバルで毎年約100人(規模:日本30名、米州30名、欧州20名、アジア20名)を選抜し、3階層(Next/Advancing/Developing Executive)に分け、各地域経営陣とのタウンホールミーティングや各経営報告会議体への参画等を通じた重点育成を推進。2026年1月に就任した森田代表執行役Global CEOはNext Executive経験を有するほか、これまで常務役員以上へ4名を選任 |
b.人財一人ひとりの生産性・創造性向上(人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)
当社グループは、激動の経営環境に対応するため、収益性や生産性の向上などを図ると共に、持続的な価値創造に取り組んでまいります。
これらの実現には、人財一人ひとりの生産性・創造性(人的創造性)の向上が必要であり、当社DNA強化を進めていくと共に、会社の成長と従業員一人ひとりの成長の実現が両輪をなすものであるよう、ブリヂストンらしい人財育成と職場環境整備に取り組んでおります。具体的には、多様な人財が自身のキャリアを自覚的に捉え、ブリヂストンの幅広い業務領域で現物現場を大切に、価値創造に主体的に挑戦する人財づくり(挑戦・成長支援)、働きがいと働きやすさを両立した職場環境づくり(多様な人財が輝く場づくり)を重視し、様々な取り組みを加速させております。
また、当社グループは、断トツ商品を創って売るタイヤ事業を中核とし、お客様が使う段階で価値を更に増幅させるソリューション事業を成長事業として価値創造を拡大してまいります。そのためには、当社の断トツ商品や現場力などの強いリアルにデジタルを組み合わせ、社会やお客様の困りごとに寄り添い、解決することが重要であると捉えております。そうした「リアル×デジタル」を加速させるブリヂストンらしいデジタル人財やソリューションエンジニア人財の育成に取り組み、新たな価値創造を支えてまいります。
これらの取り組みが、質を伴った成長への基盤となると考えております。
当社グループの企業経営の基盤は、「安全宣言」に掲げております「安全はすべてに優先する」であります。お客様をはじめとするステークホルダーの皆様からも期待されており、高い安全基準の適用により当社グループの従業員や協力会社の労働安全・衛生を確保する上で、一層重要となっている、この安全宣言に基づき、従業員一人ひとりが安全な職場で安心して働くための環境整備にも取り組んでおります。
・多様な人財の挑戦・成長支援
グローバルの取り組み
|
自律的キャリア開発支援 |
すべての事業所で従業員にキャリア計画や能力開発計画の策定を推奨し、従業員が上司や経営陣の協力・支援を得て意義とやりがいのある業務を完遂し、自律的なキャリア開発に取り組むことを支援 - 適切且つオープンなフィードバック文化の推進 - 定期的なキャリア開発面談や360度評価等の多面評価の導入 |
|
幅広い層に対する学びの機会提供 |
当社グループで長期的に活躍してもらうべく、従業員の継続的な学習と成長文化の促進、学習する組織づくりを目指し、地域別・国別の状況を踏まえながら、グループ全体で人財育成投資の継続的強化に取り組み。従業員の自発的な学びを促進するラーニングアクティビティも地域別に開催 |
|
自ら挑戦・成長する意欲のある人財への重点機会支援 |
自ら手を挙げて在籍国の内外の現場において、自分で立てた課題・仮説の現場での検証、改善、解決に取り組む「現場100日チャレンジプログラム」を通じた挑戦を後押しし、挑戦風土を醸成 - 2023年に日本からスタート、2024年にBSAPIC(アジア・大洋州・インド・中国)へ拡大、今後も更なるグローバル展開を推進 |
日本の取り組み
|
若手従業員への早期マネジメント機会支援 |
マネジメントへのチャレンジ意欲のある若手従業員が、マネジメント補佐として早期にマネジメント経験に挑戦する「マネジメント・チャレンジ制度」を2023年より導入 |
|
部下の挑戦・成長を後押しするマネジメントビヘイビア強化支援 |
全ライン長(部課長)を対象に、自身のマネジメント行動におけるリーダーシップ促進或いは阻害要素についての気づきを得て改善につなげる「360度評価」や、1on1等のメンバーとの対話においてメンバーの主体的な行動や成長への挑戦を支援する上で必要なコーチングスキルと実践方法を習得する「コーチング研修」を実施 |
・多様な人財が輝く場づくり
グローバルの取り組み
|
安全な職場で安心して働くための活動 |
高齢化に伴う人間工学的リスクの増加、規制の変更、機械や設備の老朽化、新技術の現場への導入にも対応するように安全基準を継続的に更新すると共に、当社グループの新規事業においても安全に対する意識を真摯に醸成。安全な職場づくりに向け、安全成熟度評価により課題を顕在化し、継続的な改善を推進 |
|
カルチャーチェンジ推進、その基盤となるエンゲージメント向上活動 |
「Bridgestone E8 Commitment」と連動したグローバルカルチャーチェンジを推進するうえで、従業員エンゲージメントの向上を重要課題のひとつと位置付け、地域毎にパルスサーベイ等を行ないながらPDCAを回すと共に、2023年からグローバル統一のエンゲージメントサーベイも定期的に実施。各地域の文化、特性の違いを尊重しながらも、グローバル共通の強みや改善アイテムを確認し、各地域の事例を共有し合う等、取り組みを深化・進化 - グローバル共通の強み:品質及び顧客志向/ビジョン・戦略の浸透 - グローバル共通の改善アイテム:コラボレーション(サイロの打破)/迅速なオペレーションの実行/DE&I/人財開発 |
|
グループグローバルでの女性リーダー育成 |
多様な人財が相互に尊重し合う職場環境の実現を目指すと共に、組織としての意思決定の多様化を進める観点から、事業活動を行う地域別・国別の状況も踏まえながら、女性リーダー育成を推進 |
日本の取り組み
|
生産現場でのモノづくり進化とカルチャーチェンジ推進を支える環境整備 |
現場最前線の声を反映した即効性がある投資を実施し、福利厚生の充実化、職場環境改善、労働負荷軽減策を引き続き実施 - 事業所・休憩所の環境整備などによる多様な人財がモノづくりに従事しやすいインフラ整備 - 継続的な暑熱対策、重量物運搬対策に加え、デジタル技術、センシング技術、ロボット技術を活用したスキルレス化などによる、誰もが働きやすい作業環境整備 |
|
多様な人財活躍基盤の整備、女性基幹職登用促進 |
当社グループ海外拠点と比べ、ギャップのある日本では、多様な人財が活躍するための各種取り組みを推進 - 全ライン長(部課長)を対象としたDE&Iマネジメントワークショップ - 女性特有の健康課題を、テクノロジーを活用し解決するフェムテックプログラムと、それを通じた従業員一人ひとりが輝ける職場づくりに向けた啓発活動 - 当社役員や社外の専門家がメンターとなり女性基幹職や登用候補者のキャリア形成をサポートするメンター制度 |
|
健康経営推進による人財のパフォーマンス最大化に向けた取り組み |
従業員が心身共にいきいきと働ける職場づくりと健康の維持・増進を目指し、生活習慣病、がん、喫煙、メンタルヘルスへの対応をはじめとした健康経営施策を推進。2026年に改定した新・健康経営方針の下、策定した健康経営戦略マップに基づく施策の実践を通じて心身の不調による業務パフォーマンス低下の低減や傷病による欠勤・休職の低減、仕事に対する働きがいの向上を目指すと共に、人財のパフォーマンス最大化に向けて取り組みを進化 |
|
起業家精神を持った人財が挑戦する場づくり |
探索事業の一つとして、2023年に社内ベンチャー「ソフトロボティクス ベンチャーズ」を設立。新しい事業をゼロから創り出したいという起業家精神を持った人財が集結、「ゴムを極めたブリヂストンの新たな挑戦 -“いい感じ”にモノをつかむソフトロボティクス、ゴムの力で、すべての人の生活を支える-」の早期事業化に挑戦 |
・強いリアル×デジタルを加速させる人財強化
グローバルの取り組み
|
デジタル人財の育成・獲得 |
デジタルフリートソリューション事業を担うWebfleet、Azugaと当社グループ人財との融合を図りながら、社会価値・顧客価値の創造のために不可欠な、現物現場を重視するブリヂストンらしいデジタル人財の裾野を広げるべく、育成・獲得をグローバルで推進 |
|
ソリューションエンジニア人財育成 |
当社グループの戦略の根幹である断トツ商品をコアに、「創って売る」から「使う」段階で価値を増幅させていくために、当社グループの強みである、現場に密着してお客様の困りごとを深く理解する技術サービス活動を更にグローバルで強化。その実行を支える人財として、商品の価値とお客様のニーズ双方への深い理解を有するエンジニア育成に向けて、地域毎の市場特性やニーズに応じて必要なソリューションスキルの体系的習得を推進 |
日本の取り組み
|
幅広いスキルレベルに対応したデジタルスキル強化への挑戦機会提供 |
デジタルスキルの必要性や習得意欲のある従業員が、自分に合ったレベルを組み合わせることでデジタルスキル習得・強化に挑戦できる機会「デジタル100日研修」を2023年に導入。座学だけでなく、自分の担当業務に関わるデジタル技術の演習をベースにより深く学ぶ機会も提供。さらに、中級(ソリューションフィールドエンジニア)、上級(AI/アルゴリズムエキスパート)向けの習熟度別研修コースを整備 |
② 指標及び目標
|
|
グローバル 2026年目標 |
グローバル 2025年実績 |
|
人的創造性KPI (注)2019年を100とした場合のindex推移 |
130レベル |
107 (前年比+5) |
|
人的創造性 重点活動指標 |
グローバル
|
グローバル 2025年実績 |
経営 業務 品質 向上 |
生産性・ 創造性向上 |
|||
|
挑戦・ 成長 支援 |
働く 環境 整備 |
リアル×デジタル人財強化 |
|||||
|
ⅰ.経営・業務品質向上活動 |
ブリヂストンらしい品質経営研修 -2024年より当社幅広い層へ拡大、グローバル展開開始 |
「ブリヂストン独自のデミング・プラン」冊子とともに、デミング・プラン再確認・再浸透活動をグローバルで展開。浸透度アセスメントも実施し、活動のPDCAを推進 |
● |
|
|
|
|
|
ⅱ. |
|
約 (前年比 約450人増) |
|
|
|
● |
|
|
ⅲ. |
2024年よりグローバル展開開始 2026年に |
2024年よりBSAPIC(アジア・大洋州・インド・中国)へ拡大、日本・BSAPICで2023-25年延べ |
|
● |
|
|
|
|
ⅳ.労働災害発生状況 |
① |
|
|
|
|
● |
|
|
②休業度数率(注1) |
2.50 |
2.49(前年比△0.15) |
|||||
|
ⅴ. |
2023年対比+3%レベル |
(注3) |
|
|
● |
|
|
(注1) 算出方法は、(死傷者数/延実労働時間数)×1,000,000としております。2025年実績は2026年3月18日時点の数値であり、労災判定により変動する可能性があります。
(注2) 生産現場を始めとする現場のチームを管理・監督するリーダーを含めたマネジメントポジションを対象にしております。
(注3) 当社グループのセグメント別の女性リーダーの割合は以下の通りとなっております。
|
(2025年12月31日現在) |
|
カテゴリー セグメント |
女性リーダーの割合 |
|||
|
トップ マネジメント |
マネジメント ポジション |
ジュニアマネジメント ポジション |
合計 |
|
|
日本 |
2.0% |
8.4% |
5.8% |
6.6% |
|
アジア・大洋州・インド・中国 |
10.1% |
20.5% |
17.7% |
17.9% |
|
米州 |
33.3% |
25.3% |
21.8% |
22.4% |
|
欧州・中近東・アフリカ |
16.7% |
23.7% |
19.8% |
21.2% |
|
連結 |
10.5% |
17.7% |
17.1% |
17.1% |
・就業人員に基づいた割合を示しております。
・「日本」には「その他」「全社(共通)」セグメントも含んでおります。
・各カテゴリーの当社及び連結子会社における定義は以下の通りであります。
トップマネジメント:役員相当の者(Executives & VPs)
マネジメントポジション:組織のマネジメントを担う立場にある者(ライン長)
ジュニアマネジメントポジション:個人の知見や経験で組織に貢献する、あるいは組織の日々の管理目標を指導する立場にある者
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、当該リスク発生の回避、及び発生した場合の対応に努めております。
ただし、記載された事項以外にも予見することが困難なリスクが存在し、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中に含まれる将来に関する記載は、有価証券報告書提出日(2026年3月18日)現在で判断したものであります。
(リスクの管理・評価プロセス)
当社グループでは、毎年各地域及びグループ全体で直面する可能性のあるリスクを影響度と発生可能性の観点から評価及び特定し、そのリスクに対してグループ全体だけではなく、事業・SBU・部門単位での責任者を明確にし、自律的且つ継続的にリスク管理を行うと共に、経営上重大なリスクに関しては、Global CEOの直接の指揮の下で対応する体制をとっております。
(1) 事業を取り巻く経済環境、及び需要動向に関するリスク
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、当社グループの業績及び財政状態は、事業活動を行っているそれぞれの国や地域における金利、為替、株式相場の変動などの経済環境や需要動向の変化により、さまざまな形で影響を受けております。当連結会計年度の当社グループの地域ごとの売上収益比率は、米州が51%、欧州・中近東・アフリカが20%、アジア・大洋州・インド・中国が15%、日本が14%の構成となっており、これらの地域の経済環境が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に特に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのビジネスは自動車産業と密接に関連していることから、当社グループの業績及び財政状態は、グローバルな自動車産業の景況による影響を受けております。自動車産業の動向以外にも、タイヤ市販用市場では各国の消費動向や自動車燃料価格の変動などによる影響を受けております。また、タイヤやタイヤ原材料を対象とした関税などによる影響を受ける可能性があります。これらの要因によりタイヤ需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの鉱山・建設車両用大型・超大型ラジアルタイヤや油圧ホース等一部の商品につきましては、資源産業及び土木・建築産業の景況による影響を受けており、これらの要因により需要が減少する、あるいは予想している需要増加が減速する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、日本、欧州、北米などさまざまな地域で冬用タイヤを販売しておりますが、これらの地域における降雪が少なく需要が減少する場合には、当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。
(2) 法律・規制・訴訟に関するリスク
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、移転価格を含む税制、独占禁止、環境保護、個人情報保護など、関連する法律や規制の適用を受けております。当社グループの事業活動に影響を及ぼすものとして、例えば、国内外においてタイヤ性能に関する表示制度・規制や化学物質規制などが制定・導入されております。したがって、将来においても、新たな法律や規制により、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
これらの他、当社グループは、国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重要な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業活動中断のリスク
・災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱など
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、さまざまな国や地域における大規模な地震や風水害などの自然災害や、戦争・テロ・暴動、ボイコット、感染症、エネルギー供給障害、交通機能障害を含む社会的・政治的混乱などのリスクにさらされております。さらに、国内外における政治的・経済的条件の急激且つ大幅な変動などの要因により、当社グループの事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動の中核として重要な拠点が多数所在している日本における地震災害リスクに対しては、当社グループは耐震診断の結果に基づき優先順位をつけて耐震補強工事を計画的に進めております。さらに、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させることを目的としたBCPを策定し、その運用を振り返ることで内容を継続的に改善しております。また、新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの未知なる病原体が引き起こす感染症の拡大に対しても、従業員・家族・関係者の生命と安全の確保を最優先しながら事業損失の最小化を図るためのBCPを策定し、その運用を通じて内容を拡充しております。しかしながら、実際に発生した場合には、操業の中断・縮小、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの特定商品や特定原材料を集中的に生産している拠点で事業活動の継続に支障をきたすような事態が生じた場合は、供給義務を果たせないことによる顧客からの信頼の喪失や賠償責任の追及につながる可能性もあり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・情報システム障害
当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めております。それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的要因や人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、重要な業務やサービスの停止、機密情報・データや個人情報の盗取や漏洩などのインシデントを引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・ストライキ
当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使間の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキなどが発生した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 気候変動及び自然資本損失に関するリスク
当社グループは気候変動及び自然資本損失によるリスクと機会を統合的に認識し、事業戦略への反映を進めております。主なリスクとしては、脱炭素社会や自然と共生する社会への転換に伴う「移行リスク」並びに気候変動及び自然資本損失による「物理的リスク」を認識しております。反面、これらの社会や顧客のニーズ変化を新たな成長機会とも捉えております。リスクとその対応の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動及び自然資本損失に関する取組」に記載しております。
(5) 企業イメージに関するリスク
当社グループは、事業活動を通じて企業イメージ・ブランドイメージの維持向上に努める一方、法令遵守や企業倫理に基づく事業活動、及び火災や労働災害などの企業災害の防止・対策活動に努めております。加えて、当社グループを取り巻く社会からの信頼をさらに高めていくことの重要性が高まっているとの認識の下、ステークホルダーの皆様への迅速且つ適切な情報発信の強化にも努めております。それにもかかわらず、社会的な信用を失墜させるような企業不祥事や企業災害が発生した場合、さらにはそれらの事象に対する迅速で適切な情報発信などの対応が実施できなかった場合には、顧客からの信頼喪失や株価の下落を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替変動に関するリスク
当社グループは、開発・調達・生産・流通・販売などの事業活動をグローバルに展開しており、原材料の調達や販売活動などにおいて、多種の通貨による取引を行っております。外貨建営業債権債務に対しては為替予約取引など、また、外貨建貸付金及び借入金に対しては通貨スワップ取引などを行うことにより、短期的な為替相場の変動影響を最小限にする努力をしておりますが、世界各地で国際間取引を行っていることから、為替相場の変動は、当社グループの業績に影響を及ぼすことになります。また、海外での売上収益、費用、資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、為替相場の変動による影響を受けることになります。一般に、他国通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの業績に好影響をもたらします。
(7) 競争激化に関するリスク
当社グループは、それぞれの市場で多数の企業と競合しており、販売価格競争を含む厳しい競争環境の中で事業を推進しております。また、原材料価格・エネルギー費・労務費の上昇等によって原価・経費面でマイナス影響を受けることがあります。このような事業環境に対し、当社グループは、顧客や市場への新しい商品価値の提案・提供などにより競争力を高める努力と共に、生産性の向上や経費マネジメントの強化などによる内部努力を継続しておりますが、それらの努力で利益低下を吸収できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、製造業者として従来から培ってきた製品開発力やモノづくり力に加え、技術イノベーションを核とした戦略を重視しており、新技術を搭載した製品の市場投入を積極的に進めております。これらの技術開発のための投資や費用は、最終的に高い商品価値を顧客や社会に認めていただくために投入しているものですが、競合他社との激しい競争において、事業として十分な成果に結びつけることができない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製品の欠陥に関するリスク
当社グループは、製造業者として販売する製品の品質に万全を期すことに努めております。特に、タイヤなど人命にかかわる商品を主に扱っているという認識に立ち、製品品質の確保、市場情報の収集や品質に関する早期警報システムの構築など、品質保証体制の充実に努めておりますが、予測できない原因により製品に欠陥が生じた場合や、顧客の安全・安心を最優先に確保するという観点から大規模なリコールなどを実施する可能性は皆無ではありません。そのような事態が発生した場合には、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に米国の製造物責任訴訟や集団訴訟は、より重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 原材料調達に関するリスク
当社グループは、タイヤなどゴム製品の原材料として天然ゴムを使用しておりますが、天然ゴムの主要生産地である東南アジア諸国における災害、戦争・テロ・暴動、社会的・政治的混乱、ストライキ、あるいは収穫不良などにより、天然ゴムの安定供給に支障が生じた場合、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、天然ゴム以外の主要原材料調達においても、原料需給の逼迫や供給能力の制約により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、いくつかの主要原材料の調達について、グループ内の原材料生産拠点、又は一部のグループ外供給元に依存しております。このため、特定の原材料供給元の操業が停止するなどにより、必要な原材料の調達ができない状況が発生した場合は、当該原材料に依存している当社又はグループ会社の生産に著しい悪影響を及ぼし、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、需給の逼迫や投機目的の売買などにより、当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などにより吸収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付費用及び債務に関するリスク
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、年金資産等の制度資産の公正価値、金利の変動等により、これらの前提条件に大きな変動があった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産侵害に関するリスク
当社グループでは、知的財産を企業の競争力を高めるための重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防、及び保有している多数の知的財産権の保護に努めております。それにもかかわらず、当社グループの認識又は見解との相違から、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要になった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者による知的財産権侵害を当社グループが主張したにもかかわらず、侵害があったと認められない場合には、当社グループの製品差別化や競争優位性が確保されず、結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは防振ゴム事業を非継続事業に分類しており、前連結会計年度及び当連結会計年度の金額から非継続事業を控除しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において、判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.業績全般
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額 |
比率 |
|||
|
|
億円 |
億円 |
億円 |
% |
|
売上収益 |
44,295 |
44,301 |
△6 |
△0 |
|
調整後営業利益 |
4,937 |
4,833 |
+104 |
+2 |
|
営業利益 |
3,812 |
4,433 |
△621 |
△14 |
|
税引前当期利益 |
3,547 |
4,214 |
△668 |
△16 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
3,273 |
2,850 |
+423 |
+15 |
当連結会計年度は、変化が激しく不確実性が高まる事業環境において、事業再編・再構築やグローバルビジネスコストダウン活動を通じてビジネス体質を強化することに注力した1年でした。
事業環境については、米国の追加関税の影響が、当社グループにおける直材費や米国向け輸出タイヤに及んだほか、米国の景気減速などが業績に影響を与えました。主要市場におけるタイヤ需要は、北米では、前述の関税影響や景気減速などにより、新車用トラック・バス用タイヤ需要が大きく前連結会計年度を下回ったほか、市販用乗用車用及び小型トラック用タイヤにおいては、関税引き上げ前の廉価輸入品駆け込み需要の増加などの構造変化がありました。一方、日本及びアジア地域では、概ね堅調に推移し、欧州では、ほぼ前連結会計年度並みの需要となっております。
当社グループの売上収益については、上記の事業環境の中で、市販用プレミアムタイヤ(18インチ以上の高インチタイヤなど)、鉱山用超大型タイヤの販売が堅調に推移した一方で、新車用タイヤの販売本数減や南米事業、化工品事業の減収が影響し、売上収益はわずかに前連結会計年度を下回りました。なお、為替影響を除くと、前連結会計年度比増収となっております。
調整後営業利益については、原材料高や棚卸未実現利益が減益となるなどの減益要因を売値・MIXの改善でオフセットし、米国関税影響については様々な対策により打ち返すと共に、事業再編・再構築やグローバルビジネスコストダウン活動を通じてビジネス体質を強化した結果、為替影響の向かい風がある中でも前連結会計年度比増益となりました。
営業利益については、事業再編・再構築関連費用を計上したことに加え、前連結会計年度に固定資産売却益の計上があり、前連結会計年度比減益の着地となりました。
当期利益については、過年度に計上した不確実な税務処理(不確実な税務ポジション)の取崩による法人所得税費用の戻入れが当期に発生したことなどにより、前連結会計年度比増益での着地となりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は4兆4,295億円(前連結会計年度比0.01%減)、調整後営業利益は4,937億円(前連結会計年度比2%増)、営業利益は3,812億円(前連結会計年度比14%減)、税引前当期利益は3,547億円(前連結会計年度比16%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,273億円(前連結会計年度比15%増)となりました。
b.セグメント別業績
|
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額 |
比率 |
||||
|
日本 |
|
億円 |
億円 |
億円 |
% |
|
売上収益 |
12,659 |
12,261 |
+398 |
+3 |
|
|
調整後営業利益 |
1,981 |
1,873 |
+108 |
+6 |
|
|
アジア・大洋州・インド・中国 |
売上収益 |
5,178 |
5,297 |
△120 |
△2 |
|
調整後営業利益 |
596 |
585 |
+12 |
+2 |
|
|
米州 |
売上収益 |
21,305 |
21,800 |
△495 |
△2 |
|
調整後営業利益 |
2,015 |
1,801 |
+214 |
+12 |
|
|
欧州・中近東・ アフリカ |
売上収益 |
8,529 |
8,356 |
+173 |
+2 |
|
調整後営業利益 |
424 |
298 |
+126 |
+42 |
|
|
その他 |
売上収益 |
802 |
840 |
△38 |
△5 |
|
調整後営業利益 |
72 |
75 |
△3 |
△4 |
|
|
連結 合計 |
売上収益 |
44,295 |
44,301 |
△6 |
△0 |
|
調整後営業利益 |
4,937 |
4,833 |
+104 |
+2 |
|
[日本]
売上収益は1兆2,659億円(前連結会計年度比3%増)、調整後営業利益は1,981億円(前連結会計年度比6%増)となりました。
市販用乗用車用及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は順調に推移した一方で、新車用乗用車用及び小型トラック用タイヤの販売本数は前連結会計年度を下回りました。市販用タイヤの販売拡大に加え売値・販売MIXの改善が、原材料高騰及びインフレ影響、為替影響を吸収し、前連結会計年度比で増収増益となりました。
[アジア・大洋州・インド・中国]
売上収益は5,178億円(前連結会計年度比2%減)、調整後営業利益は596億円(前連結会計年度比2%増)となりました。
販売本数は、トラック・バス用タイヤでは前連結会計年度を大幅に下回った一方で、市販用乗用車用及び小型トラック用タイヤは堅調に推移しました。域内各国での売値・販売MIXの改善で原材料高騰・インフレ影響を吸収し、事業再編・再構築の効果もあり、前連結会計年度比減収ながら増益となりました。
[米州]
売上収益は2兆1,305億円(前連結会計年度比2%減)、調整後営業利益は2,015億円(前連結会計年度比12%増)となりました。
北米タイヤ事業において、販売本数は、市販用乗用車用及び小型トラック用タイヤは前連結会計年度並み、市販用トラック・バス用タイヤは堅調であった一方で、新車用タイヤは前連結会計年度を下回りました。また、南米タイヤ事業において、市販用乗用車用、小型トラック用及びトラック・バス用タイヤの販売本数が前連結会計年度を大幅に下回りました。米州事業全体では、インフレ及び米国関税、南米事業環境悪化による減益影響があったものの、売値・MIXを着実に改善し、事業再編・再構築の効果もあり前連結会計年度比減収も増益となりました。
[欧州・中近東・アフリカ]
売上収益は8,529億円(前連結会計年度比2%増)、調整後営業利益は424億円(前連結会計年度比42%増)となりました。
欧州事業において、販売本数は市販用乗用車用及び小型トラック用タイヤでは順調に推移した一方で、新車用乗用車用及び小型トラック用、トラック・バス用タイヤでは前連結会計年度を下回りました。販売本数減の影響はあるも、売値・MIXが前連結会計年度比改善したことに加え、事業再編・再構築の効果も収益性改善に貢献を開始し、前連結会計年度比増収増益となりました。
(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。
c.財政状態
(流動資産)
流動資産は、現金及び現金同等物が71億円、営業債権及びその他の債権が558億円増加したものの、棚卸資産が598億円減少したことなどから、前連結会計年度末並みの2兆8,632億円となりました。
(非流動資産)
非流動資産は、使用権資産が158億円減少したものの、有形固定資産が179億円、繰延税金資産が185億円増加したことなどから、前連結会計年度末比246億円増加(同1%増)し、2兆8,845億円となりました。
(流動負債)
流動負債は、リース負債が24億円、引当金が137億円増加したものの、社債及び借入金が440億円、主に過年度に計上した不確実な税務処理(不確実な税務ポジション)の取崩により未払法人所得税等が443億円減少したことなどから、前連結会計年度末比536億円減少(同5%減)し、1兆1,227億円となりました。
(非流動負債)
非流動負債は、リース負債が120億円減少したものの、社債及び借入金が1,529億円増加したことなどから、前連結会計年度末比1,444億円増加(同19%増)し、9,052億円となりました。
なお、流動負債及び非流動負債に計上された有利子負債(注)の合計は、前連結会計年度末比993億円増加(同14%増)し、8,270億円となりました。
(注) 有利子負債には社債及び借入金、リース負債を含んでおります。
(資本)
資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により3,273億円、その他の資本の構成要素が437億円増加したものの、配当金(親会社の所有者)により1,486億円、自己株式の取得により3,000億円、それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末比666億円減少(同2%減)し、3兆7,199億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて242億円増加(同0.4%増)し、5兆7,477億円となりました。また、当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は63.7%となり、前連結会計年度末比1.5ポイントの減少となりました。
② キャッシュ・フローの状況
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
|
金額 |
|||
|
|
億円 |
億円 |
億円 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
6,604 |
5,488 |
+1,116 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△2,250 |
△2,551 |
+301 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△4,299 |
△3,433 |
△866 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
70 |
322 |
△252 |
|
現金及び現金同等物の増減額 |
126 |
△173 |
+298 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
7,067 |
7,246 |
△179 |
|
売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の増減額 |
△55 |
△6 |
△49 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
7,138 |
7,067 |
+71 |
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、全体で71億円増加(前連結会計年度は179億円の減少)し、当連結会計年度末には7,138億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、6,604億円の収入(前連結会計年度比1,116億円の収入増)となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増加額416億円(前連結会計年度は295億円)、法人所得税の支払額792億円(前連結会計年度は1,173億円)などがあったものの、税引前当期利益3,547億円(前連結会計年度は4,214億円)や、減価償却費及び償却費3,532億円(前連結会計年度は3,481億円)、棚卸資産の減少額792億円(前連結会計年度は棚卸資産の増加額163億円)などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、2,250億円の支出(前連結会計年度比301億円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入214億円(前連結会計年度は806億円)、貸付金の回収による収入122億円(前連結会計年度は110億円)などがあったものの、有形固定資産の取得による支出2,511億円(前連結会計年度は2,993億円)、無形資産の取得による支出361億円(前連結会計年度は380億円)などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、4,299億円の支出(前連結会計年度比866億円の支出増)となりました。これは、長期借入れによる収入1,000億円(前連結会計年度は収入なし)や、社債の発行による収入1,000億円(前連結会計年度は収入なし)などがあったものの、短期借入金の減少額1,021億円(前連結会計年度は短期借入金の増加額141億円)や、リース負債の返済による支出731億円(前連結会計年度は716億円)、自己株式の取得による支出3,000億円(前連結会計年度は11百万円)、配当金の支払額(親会社の所有者)1,486億円(前連結会計年度は1,403億円)などがあったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
日本 |
832,352 |
+3.3 |
|
アジア・大洋州・インド・中国 |
437,831 |
+1.7 |
|
米州 |
1,619,683 |
△1.2 |
|
欧州・中近東・アフリカ |
661,710 |
△0.2 |
|
合計 |
3,551,577 |
+0.4 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは、少数の特殊製品(特殊ホース等)について受注生産を行うほかは、すべて見込生産であります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
日本 |
993,635 |
+3.3 |
|
アジア・大洋州・インド・中国 |
478,733 |
+0.0 |
|
米州 |
2,107,190 |
△2.3 |
|
欧州・中近東・アフリカ |
831,840 |
+2.3 |
|
その他 |
18,045 |
△7.3 |
|
全社又は消去 |
10 |
△2.1 |
|
合計 |
4,429,452 |
△0.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月18日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(売上収益、調整後営業利益及び営業利益)
売上収益、調整後営業利益及び営業利益並びにセグメント別の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
この結果、調整後営業利益率は11.1%となり、前連結会計年度比0.2ポイントの上昇となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比423億円増加(同15%増)し、3,273億円となりました。これは、営業利益が621億円減益したものの、主に過年度に計上した不確実な税務処理(不確実な税務ポジション)の取崩により税金費用が987億円減少したことなどによるものです。
③ 資本の財源及び資金の流動性
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比71億円増加し、7,138億円となりました。なお、活動区分ごとのキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
資金調達にあたっては、金融機関からの借入れに加え、引き続き、国内普通社債やコマーシャル・ペーパーなどの直接金融手段や、売上債権の証券化、リースの活用など、リスク分散や金利コストの抑制に向けその多様化を図ってまいります。
資金使途につきましては、主に稼ぐ力の強化、価値創造へのフォーカス、サステナブルなプレミアムブランド構築のための戦略的成長投資による持続的な成長と企業価値向上の実現を優先しつつ、適正な財務体質の維持と株主還元に活用してまいります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度においては、売上収益4兆4,295億円(前連結会計年度比6億円減少)、調整後営業利益4,937億円(前連結会計年度比104億円増加)、調整後営業利益率11.1%(前連結会計年度比0.2ポイント上昇)、ROIC8.3%(前連結会計年度比0.2ポイント上昇)、ROE8.6%(前連結会計年度比0.5ポイント上昇)となりました。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「最高の品質で社会に貢献」という使命のもと、ビジョンに「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」を掲げております。この使命・ビジョンに沿って、質を伴った成長を実現することで、企業と社会の双方の持続可能性を高めていくことを目指してまいります(2026年通期連結業績予想 売上収益4兆5,000億円、調整後営業利益5,150億円、調整後営業利益率11.4%、親会社の所有者に帰属する当期利益3,400億円)。
(注) ROEにつきましては、親会社の所有者に帰属する当期利益のうち継続事業に係る金額に基づいて算出しております。
該当事項はありません。
当社グループは、商品力の強化を中心に、サステナビリティや次世代技術開発に向けた研究開発活動を推進しております。
タイヤ事業では、地域や顧客ニーズに対応した新商品の開発・展開を強化しております。その一例として2025年には、乗用車用タイヤにおいて、米国にて、ツーリング領域オールシーズンタイヤの旗艦商品であるTURANZA(トランザ) PRESTIGE(プレステージ)、ベーシックタイヤTURANZA EVERDRIVE(エバードライブ)、プレミアムCUV/SUV/ピックアップトラック向けオールシーズンタイヤのALENZA(アレンザ) PRESTIGEなど各領域の新商品を発売いたしました。日本においても、乗用車用プレミアムスタッドレスタイヤであるBLIZZAK(ブリザック) WZ-1を発売しております。今後も各市場・顧客に魅力的な商品の開発・展開を強化してまいります。また、モータースポーツ活動を「走る実験室」と位置づけ、モータースポーツの場で磨かれる技術開発を強化しております。2025年8月にオーストラリアで開催された世界的なソーラーカーレース「2025 Bridgestone World(ワールド) Solar(ソーラー) Challenge(チャレンジ)」では、タイヤ材料に再生カーボンブラックや再生スチールを初採用し、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に引き上げたタイヤを開発・提供しました。また、低炭素輸送や使用タイヤ本数の削減、レース後の使用済タイヤのゴムマットへの再利用など、バリューチェーン全体でサステナビリティ向上にも取り組みました。これらは、パートナー企業との共創により推進しております。
資源循環に向けては、使用済みタイヤを原材料へ戻すケミカルリサイクル技術の開発を進めております。2025年1月には、関工場(岐阜県関市)敷地内に使用済タイヤの精密熱分解パイロット実証プラントの建設を決定し、10月に起工式を行いました。2027年中の稼働開始を予定しております。このパイロット実証プラントにおいて、分解油や再生カーボンブラックなどの量産を見据えた技術の確立を目指してまいります。本取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」支援プロジェクトであります。
環境面では、TRWP(タイヤ・路面摩耗粉じん)への対応も推進しております。2025年には、Bridgestone Innovation(イノベーション) Park(パーク)内のテストコースB-Mobility(モビリティ)を活用して、TRWPを高効率で捕集することのできる当社独自の実車捕集法を開発し、TRWPの本質を理解することで環境影響を把握する取り組みを加速しております。また、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)傘下のタイヤ産業プロジェクトを通じて、TRWPの物理的・科学的特性とその影響の研究に取り組んでおります。各地域業界団体での取り組みにも積極的に参加し、グローバルで整合の取れた評価試験法の国際標準(ISO規格)策定に協力しております。加えて、当社グループ独自の取り組みとして、ロングライフ商品の拡大やソリューション事業との連携を含め、TRWPの削減に向けたアプローチを継続的に強化してまいります。6PPD(タイヤ産業で一般的に使用されている老化防止剤)についても、タイヤ産業プロジェクトなどを通じて業界全体での取り組みをリードすると共に、独自のアプローチを含めて代替品開発に取り組んでおります。
ソリューション事業では、生産財系BtoBソリューション(鉱山、航空、トラック・バス向けのソリューション)の開発を推進しております。特に、鉱山及び航空ソリューションにおいては、デジタルツールを活用した車両・タイヤモニタリングやタイヤ個体管理などのサービスを提供し、より安全で効率的なタイヤの使い方やメンテナンスを提案するなど、お客様のオペレーションの安全性や生産性を高めるサービスの開発に注力しております。
さらに次世代タイヤの開発も進めており、空気充填の要らない次世代タイヤAirFree(エアフリー)の社会実装に向け、富山県富山市や福岡県久留米市など地方自治体と連携した実証実験を推進しております。月面探査車用タイヤの研究開発も進めており、地上走行試験やシミュレーションを重ねております。
今後も、商品開発、生産、素材やソリューションなど各技術領域において、革新技術の創出や新たな価値創造に向けて、社内及び産官学民の様々なパートナーとの共創なども強化しながら、研究開発活動を推進してまいります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(注) 当社グループの研究開発活動には、特定のセグメントに紐づかないものがあり、またその成果はセグメント横断的に効果があるため、セグメント別の状況及び金額の記載を省略しております。