第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

私たち積水ハウスグループは、企業理念として、根本哲学を「人間愛」、基本姿勢を「真実・信頼」、目標を「最高の品質と技術」、事業の意義を「人間性豊かな住まいと環境の創造」に据えています。

根本哲学である「人間愛」とは、「人間は夫々かけがえのない貴重な存在であると云う認識の下に、相手の幸せを願いその喜びを我が喜びとする奉仕の心を以て何事も誠実に実践する事」であり、積水ハウスグループは、この「人間愛」に根差し、「真実・信頼」を旨として、「最高の品質と技術」の提供を通して、「人間性豊かな住まいと環境の創造」という使命を担ってまいります。

このような企業理念のもと、1960年の創業以来、第1フェーズ(1960年~1990年)「住宅性能の向上」では「安全・安心」な住宅を、第2フェーズ(1990年~2020年)「先進的技術の開発」では「快適性・環境配慮」を追求し続けてきました。

現在は、“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、2020年からの30年を第3フェーズ「高付加価値の提供」として、「健康・つながり・学び」を追求し、事業を通じて「お客様の幸せ」「社会の幸せ」「従業員の幸せ」を提供することで「人生100年時代の幸せ」を担う社会づくりを目指しています。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ならびに中長期的な会社の経営戦略 

世界経済は、各国のインフレ継続や金融引き締め政策、ならびに為替変動や地政学リスクが、エネルギーや原材料価格及び調達コストに与える影響に注視が必要な状況が継続するものと見られます。

国内の住宅市場では、人生100年時代の到来やWith/Afterコロナ等によるライフスタイル・価値観の多様化、気候変動に伴う自然災害の激甚化、及び長期優良住宅の認定制度の見直しや建築物省エネ法の改正等を背景に、省エネルギー性能が高い住宅等、安全・安心と快適性・環境配慮を両立する高品質な住宅へのニーズが高まることが想定され、多様化する顧客のニーズへの対応が求められます。

また、アメリカの住宅市場では、インフレと金利上昇の影響により住宅市場は調整局面にあるものの、良質な住宅の供給不足を背景とした潜在的な需要は強く、経済環境の安定とともに回復することが想定される新築住宅需要の顕在化への対応が求められます。

当社は、このような事業上の課題認識に基づき、2050年を見据えたグローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”のもと、「国内の“安定成長”と海外の“積極的成長”」を基本方針とする第6次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定しました。

当社グループのコアコンピタンスである「技術力」「施工力」「顧客基盤」と、商品・技術開発から、営業・設計・施工・アフターサービスまで、住まいづくりに関わるすべてのプロセスを当社グループが担う独自のバリューチェーンを活かし、既存事業の深化と拡張を図ります。

また、日本で培った積水ハウステクノロジーの移植による海外での事業展開や、社会・事業環境の変化への対応やデジタル技術の活用による新規事業の開拓と拡張を推進します。

加えて、従業員のキャリア自律支援やベクトルの一致、ダイバーシティ&インクルージョンの推進等の取り組みを通じ、当社グループの更なる人財価値の向上を図り、グローバル企業としての成長を加速させます。

財務面においては、資本効率を意識した成長投資の推進と財務健全性のバランスを保つことが重要という認識のもと、キャッシュリターン創出力の強化によるROE向上と、ESG経営推進の相乗効果により企業価値の向上を目指します。

成長投資は、国内外の不動産投資と、人財、IT・DX、研究開発、M&A等への成長基盤投資を積極的に実施します。財務健全性は、D/Eレシオと債務償還年数(Net Debt/EBITDA倍率)を適正な水準でコントロールすることで国内信用格付AA格、ならびに外国信用格付A格を維持しつつ、更なる成長に向けた投資余力の確保に努めます。株主還元については、中期的な平均配当性向を40%以上とする従来方針に加え、株主還元の更なる安定性向上を図るべく第6次中期経営計画期間の一株当たり配当金の下限を年間110円(2022年度実績)とするとともに、機動的な自己株式取得の実施により株主価値向上を図ります。

 

■各ビジネスモデルの事業方針と戦略

上記の事業上及び財務上の課題に対応するため、事業戦略と組織の連動性を高め、資本効率の向上を図ることを目的として2023年度よりセグメント構成を見直し、以下のとおり事業戦略(*1)を策定しました。

セグメント

事業方針と戦略

請負型

ビジネス

モデル

戸建住宅

価格レンジ別戦略の深化により戸建住宅ブランドの強化を図る

■  3ブランド戦略の深化

■  CRM(*2)戦略の推進

■  ハード・ソフト・サービスの融合

賃貸・

事業用建物

エリア戦略に基づく高付加価値物件を供給し、シャーメゾンブランド向上を図る

■  エリアマーケティング強化

■  高付加価値シャーメゾン

■  CRE(法人)・PRE(公共団体)事業(*3)強化

建築・土木

環境対応・技術力をドライバーに、顧客・社会への持続的な価値創出の安定基盤を築く

■  建築:受注チャネルの拡大・深化

■  土木:環境・技術による差異化

ストック型

ビジネス

モデル

賃貸住宅管理

オーナー様・入居者様への充実したサービスを提供するプロパティ・マネジメントを実践する

■  オーナー向け:資産価値の最大化

■  入居者向け:サービスの強化

リフォーム

累積建築250万戸から形成される住宅ストックの資産価値向上と長寿命化を提案

■  戸建住宅:大型リフォーム強化

■  賃貸住宅:資産価値向上リノベーション

開発型

ビジネス

モデル

仲介・不動産

徹底したエリアマーケティングと中長期視点の投資判断により、都市と地方の開発を実施

■  四大都市圏の都市再開発

■  地方創生に資する開発事業

マンション

都市再開発

国際事業

開発事業中心型から開発事業・戸建住宅事業を両輪とする2本柱の事業ポートフォリオとするべく、戸建住宅事業の積極的な成長戦略を継続する。米国・豪州を中心に戸建住宅事業で、2025年までに海外での供給戸数1万戸を目指す。開発事業においてはパートナーとの連携強化及び多様化により利益最大化と安定化を目指す。

■  アメリカ

 戸建住宅・コミュニティ開発:M&Aにより販売エリアを拡大し、商品・生活提案を含む一気通貫のテクノロジー移植を総合的に進める

 賃貸住宅開発:事業エリアとパートナーシップの多様化を図りながら新規開発を推進する

■  オーストラリア

 エリア戦略とブランド確立で、国際事業の2本目の柱に拡大

■  シンガポール

 有力なアジア企業との緊密なパートナーシップ

■  英国

 M&Aによる技術・事業の進出

 

*1 第6次中期経営計画の詳細は、当社ホームページにてご確認ください。

<中期経営計画>

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/plan/index.html

*2 CRM:Customer Relationship Management。顧客から得られた情報を一元的に管理し、適時適切に活用することによって、顧客との良好な関係を構築・維持し、価値創出と収益向上をめざすマネジメントの仕組み・手法

*3 CRE・PRE事業:Corporate Real Estate(企業不動産)、Public Real Estate(公的不動産)を指し、法人・企業・公共団体・行政機関の保有する不動産の有効活用を提案する事業

 

 

(3) 目標とする経営指標

①資本効率及び財務健全性

ROE          :11%以上を安定的に創出

信用格付け      :国内AA格・外国A格の確保

 

当社は、国内AA格・外国A格を確保すべくD/Eレシオ0.5倍程度、債務償還年数(Net Debt/EBITDA 倍率)1.5年を下回る水準を目途とし、積極的な成長投資と財務健全性のバランス保持に努めます。

 

②2024年1月期 業績目標

(単位:億円)

 

2023年1月期

実績

2024年1月期

計画

増減額

増減率

売上高

29,288

30,800

1,511

5.2%

営業利益

2,614

2,650

35

1.3%

経常利益

2,572

2,590

17

0.7%

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,845

1,930

84

4.6%

EPS(1株当たり当期純利益)

276.58円

295.05円

18.47円

6.7%

ROA(総資産事業利益率)

9.1%

8.8%

ROE(自己資本利益率)

11.9%

11.6%

1株当たり配当金

110.00円

118.00円

8.00円

7.3%

配当性向

39.8%

40.0%

 

 

(4)サステナビリティに関する考え方及び取組み

①サステナビリティの基本方針と取組み

当社グループは、長期ビジョンの目標年である2050年に向けたNEXT SEKISUI HOUSE「30年ビジョン」を基礎として、“「わが家」を世界一幸せな場所にする”をグローバルビジョンとして掲げ、住を基軸に、融合したハード・ソフト・サービスを提供するグローバル企業として、お客様、社会、従業員の「幸せ」を最大化する取り組みを推進します。

ビジョンの達成のために「ESG(環境・社会・ガバナンス)経営のリーディングカンパニー」を目指し、取締役会は、ESGの取組みを当社グループの経営基盤を支える重点項目と定め、中期経営計画に織り込んで推進しています。

当社グループは、取締役会での決議を経て、ESG経営を進めるにあたってのマテリアリティ(重要課題)として「良質な住宅ストックの形成」、「持続可能な社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン」を特定し、マテリアリティの取り組みに向けたテーマとKPIを掲げています。

また、当社グループは、サステナビリティを軸に、当社の価値創造に影響をもたらす中長期の課題を分析し、リスク要因を洗い出すとともに、リスクを将来の事業創出の機会と位置付け、中長期の事業戦略立案に繋げています。

取締役会は、専門的な知見を有する2名以上の社外委員を含むESG推進委員会を設置し、ESG経営の取り組みの進捗と課題等についての意見交換を通じて実効性を高めています。ESG推進委員会は3ヵ月に1回のペースで開催し、内容は取締役会に報告され、審議されています。また、リスクに関する内容については、リスク管理委員会にも共有し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。

ESG推進委員会では、その推進を担う3つの部会、「E:環境事業部会」「S:社会性向上部会」「G:ガバナンス部会」を設置、ESG3部会長には、それぞれ職責者を任命し、目標・KPIを設定しています。本3部会は、各部門・国内外のグループ会社と連携しながら、ESG経営の旗振り役として先導していくとともに、実効性ある取り組みを行います。そして、その取り組みについて、進捗報告と普及に向けた課題・改善提案のフィードバックを通じて、全従業員の理解・浸透を図ります。

 

さらに、2020年6月に発足したESG経営推進本部が主管部署となり、ESG推進委員会での議論を踏まえ、当社内及び国内外のグループ会社と連携の上、ESG経営のさらなる推進を図っています。また、「全従業員参画」「先進的な取り組み」「社外評価向上」をESG経営推進の3要素として位置づけました。加えて、最大のポイントとなる「全従業員参画」のため、ESG経営の基盤づくりを実践する基本的な活動を「ESGベーシック」として従来の対話や研修を体系化するなど、全従業員が認知・理解・共感して行動につなげるためのプラットフォームを構築しました。

また、当社グループは、社会課題へのアプローチを通じて、顧客価値最大の社会づくりとSDGsへの貢献を目指しています。

 

サステナビリティについての取組み内容の詳細については、Value Report2022を発行し、当社WEBサイトで開示を行っていますのでご参照ください。なお、Value Report2023の発行は2023年6月を予定しています。

<Value Report>

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/library/annual/

 

②気候変動に対する取組み(TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示)

◇ガバナンス

当社グループでは、ESG経営に関わるあらゆる取り組みが社会の常識や期待と合致しているかをチェックしながら、その活動方針を定め推進する「ESG推進委員会」を取締役会諮問機関として設置し、3ヵ月に1回開催しています。気候変動対応は本委員会の重要議題の一つとして位置づけており、活動方針の妥当性や進捗状況の評価を行うとともに、重要事案については取締役会に報告しています。

ESG推進委員会の傘下に、環境経営に関わる本社部門の職責部長および各事業部門の環境責任者を中心とした全社横断の「環境事業部会」を設置し、適時に開催しており、より具体的で詳細な検討を行っています。また、ESG推進委員会の決定事項は環境事業部会を通じて、関連会社を含む全グループに展開し浸透させています。

ESG推進委員会を通じた経営層の監視の実効性確保のために、取り組みの推進は、各業務の担当取締役や経営層への日常的な報告と指示を経て進めており、これによってタイムリーな監視・監督機能を確保しています。

 

◇戦略

当社グループは目指すべき事業全般の脱炭素化への歩みを着実に進めるために、今後起こり得るさまざまな事態を想定し、戦略の妥当性や課題を把握すべく、事業活動および資源の固有の状況や、物理的リスクについて想定される事業活動・期間・資産の耐用年数などを考慮したシナリオ分析を行っています。また、移行リスクについて法制化、技術開発、市況に係る潜在的なシナリオに基づき評価し、事業活動に与える気候関連のリスク(物理的リスクおよび移行リスク)と機会を抽出し、対応しています。

2021年度は、カーボンニュートラル達成に向けた日本の新たな温室効果ガス排出量削減目標として2030年までに2013年比46%削減が設定され、これに基づき住宅産業に関わる中長期にわたるさまざまな方向性も示されました。そのため、全事業を対象としてあらためて大規模なシナリオ分析を実施し、戦略の見直しを行っています。シナリオ分析により特定した、財務影響が大であると想定された主要なリスク・機会と対応を示します。

なお、ここで財務影響と想定期間については以下のとおり定義します。

財務影響 大:200億円以上、中:100億円以上、小:100億円未満

想定期間 短期:現在より3年まで、中期:2030年まで、長期:2050年まで

 

 

(主な移行リスク)

[影響]カーボンプライシングは世界で広く採用されている。日本においても政府による炭素税導入の検討がなされており、比較的早期に導入される可能性がある。(財務影響 大、想定時期 中期)

[対応]グループ全体やサプライヤー企業の事業活動における脱炭素に向けた取り組みは中期では道半ばであり、仮に炭素税や排出権取引単価が1万円/t-CO2程度かかると、その影響は大きい。RE100の推進、事務所や生産設備などの省エネルギー化、サプライヤーとの協働による建材製造段階のCO2排出削減など、すでにバリューチェーン全体においてさまざまな取り組みを始めており、この影響をできるだけ早期に減らしていく考え。

 

[影響]長期的には、カーボンニュートラルに求められる規制強化に対応するための住宅価格の高騰、また省エネルギー性能や耐震性能に劣る住宅が減り、良質な住宅ストックの住み継ぎが増えることにより、新築市場自体が縮小する可能性がある。(財務影響 大、想定時期 長期)

[対応]当社の取り組みは先行しているため、短中期の規制強化に対する影響は小さい見込みだが、長期のさらなる規制強化に対しては、コストを抑えた脱炭素住宅の開発に計画的に取り組む必要がある。また、あわせて新築市場縮小に備え、ストック型ビジネスを強化する考え。

 

[影響]管理物件の脱炭素化性能が十分でない物件は競争力を失い、入居率・家賃の低下につながる。(財務影響 大、想定時期 長期)

[対応]管理物件のZEH住戸比率を高めるとともに、非ZEH住戸の脱炭素化リフォームを推進し、借り手に訴求力のある賃貸住宅の価値の維持・向上に努める。

 

(主な物理的リスク)

[影響]全国規模での気象災害により、当社グループで保有する資産(工場、オフィスビルなどの事業拠点、生産設備や車両など)が罹災し、事業が継続できなくなる、また、補修や交換のための大きなコストが発生する可能性がある。(財務影響 大、想定時期 中期)

[対応]当社グループは日本国内では沖縄県を除く全国で事業展開しており、本社機能を含み一部エリアで災害が起こった場合は、被害のないエリアがサポートすることで事業を継続できる体制をすでに構築済み。このような事業継続性に関するBCP対応は、リスク管理委員会により適切に管理され、必要に応じて更新している。なお、日本国内の5工場について河川氾濫ハザードマップまたは内水氾濫シミュレーションにより浸水深を想定して被害額を算定したところ、浸水被害を受ける可能性のあるのは兵庫工場を除く4工場であり、最も大きい被害が想定される関東工場についてIPCC(*1) RCP8.5シナリオに基づくさらに詳細な分析を行った結果、すでに加入済みの保険の補償範囲内であることを確認済み。ただし、今後、さらに自然災害の激甚化が増加し、大規模災害が全国で同時に発生した場合を想定すると、当社事業も甚大な被害が想定されることから、災害へのレジリエンス性強化の検討は継続する。

 

*1 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change。気候変動に関する政府間パネル

 

(主な機会)

[影響]日本政府が家庭部門の温室効果ガス排出量を2030年までに2013年度比で66%削減することを目標に掲げるなど、ZEH・ZEBの普及は重要施策として位置づけられている。また、消費者のエシカル志向や、事業者の脱炭素指向が進み、今後ますますZEH・ZEBの需要が高まると考えられる。(財務影響 大、想定時期 中期)

[対応]当社の戸建ZEH比率は90%を超えており、すでに標準仕様の状況。現在は、賃貸住宅・分譲マンションでも積極的に推進を始めている。これまで培った日本一のZEH受注実績を活かし、グループ全体においてZEH・ZEB受注を拡大していく。

 

 

[影響]日本政府は2030年以降に新築されるすべての建物でZEH水準の省エネルギー性能を求める考えであり、いずれは賃貸住宅のZEH化が一般化する中、消費者のエシカル志向の高まりとともに、ZEH賃貸住戸のニーズが飛躍的に高まる可能性がある。(財務影響 大、想定時期 中期)

[対応]当社は2018年に日本で初めて全住戸ZEH基準を満たす賃貸住宅を竣工して以来、入居者様に訴求できるZEH住戸の普及に取り組んでいる。すでに2万7千戸以上の受注実績があり、将来のエシカル消費者を中心とした賃貸ZEHの需要拡大に備えている。

 

[影響]2030年までの政府目標「家庭部門の温室効果ガス排出量2013年比66%削減」の達成にはストックの省エネ改修も不可欠であり、さまざまな政策支援策も想定されるため、脱炭素リフォームの受注増加が見込まれる。(財務影響 大、想定時期 中期)

[対応]カスタマー対応、リフォーム提案などにより、断熱改修や燃料発電・蓄電池の受注は増加傾向にある。特に、居住エリア中心の部分的な断熱強化を行う「いどころ暖熱」は、工期やコストのお客様負担が少なく好評。これらのリフォームは災害レジリエンス性を高める点も訴求している。今後も現実的に普及可能なリフォーム提案を推進していく考え。

 

◇リスクマネジメント

当社グループでは、グループ全体のリスクマネジメントプロセスの一環として、気候変動関連リスク及び機会を判断するための評価をTCFDの提言に基づき実施しています。リスクと機会の抽出は、グループ全体を対象に各事業の主幹部署を中心に行い、その結果は環境事業部会で集約し、財務影響評価を行っています。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、取締役会の諮問機関であるESG推進委員会において検討した後に、取締役会に報告し、必要に応じてリスクの緩和・移動・受容・コントロールについて検討します。さらに、この結果はリスク管理委員会にも共有し、グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。

 

◇指標とターゲット

当社グループでは、2008年に、2050年までに住まいからのCO2排出ゼロを目指す「2050年ビジョン」を宣言し、事業活動全体において、再生可能エネルギーの利用も含めてCO2排出収支ゼロを目指し、すでにさまざまな取り組みを開始しています。

この目標達成へのマイルストーンとして、2030年までに企業が自社で直接排出するスコープ1(直接排出量:自社の工場・オフィス・車両など)とスコープ2(間接排出量:電力など自社で消費したエネルギー)、およびスコープ3(カテゴリ11:供給した住宅の使用段階)におけるCO2をそれぞれ2013年度比で50%、45%削減することを目指し、SBTより認定を受けています。さらに、スコープ1,2については、1.5℃目標に整合させるべく75%削減に目標を上方修正しています。

 

スコープ1・スコープ2のGHG排出量

分類

排出量合計 t-CO2e

対象

スコープ1

55,483

積水ハウス(単体)、国内外の主要な連結子会社(51社)

スコープ2

26,319

同上

合計

81,802

同上

 

集計期間=2022年2月より2023年1月末

 

※ 当社グループでは、2022年6月に発行したValue Report 2022において、詳細なTCFD提言に沿った情報開示を行っています。当社WEBサイトをご参照ください。

<Value Report>

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/library/annual/

 

※ また、Value Report 2023を2023年6月に発行する予定であり、本誌でより詳細なTCFD提言に沿った情報開示を行います。また、上記表のスコープ1・スコープ2のGHG排出量については有価証券報告書作成時点での暫定値であり、確定値、ならびに算定基準、スコープ3に掛かるGHG排出量等はValue Report 2023にて開示する予定です。

 

③人的資本・多様性に関する取組み

◇人財の育成、社内環境整備に関する方針

<人財開発基本方針>

グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”を実現するための人財理念として「積水ハウスを世界一幸せな会社にする」を掲げています。この実現に向け、「人財価値を最大化し、知と経験のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)で事業成長を牽引する」を当社グループの人財開発基本方針と新たに定めました。

創業以来、創意と挑戦のDNAを受け継いだ当社グループでは、「人生100年時代の幸せ」を担うべく、人財価値と社会価値の向上により、さらなる企業価値の向上を目指します。

<社内環境整備方針>

「誰もが働くことに、やりがいや幸せを感じられる会社」を目指し、諸施策の整備を進めます。

 

◇人財育成・社内環境整備の考え方及び主な取り組み

従業員の自律を支援し、自律した従業員と組織のベクトルを合わせて人財価値を最大化することで、お客様の幸せと社会の幸せを実現したいと考え、“人財価値の向上=「従業員の自律」×「ベクトルの一致」の向上”をグループ共通言語と新たに定め、トップメッセ―ジを通じて、従業員への周知・浸透を図っています。

また、人財価値向上のため、1)キャリア自律支援 2)DE&Iの推進 3)多様な働き方の推進 4)幸せの基盤づくり 5)企業理念と戦略を浸透するリーダーの育成 6)戦略に応じた人財の確保と適正配置 を重点項目として、2021年に着手した人事制度改革とともに、人財関連施策を立案・推進しています。

 

1)キャリア自律支援

従業員が自らのキャリアビジョンを描き、その実現に向けて主体的にチャレンジできるよう、強力にサポートしています。2003年に開始したキャリア自律意識を醸成する各種研修については累計16,987名が受講し、自律的なキャリア形成に意欲を高めています。また、マネージャー職の責任範囲、職務内容、必要な知識・スキルを定めた職務記述書を作成し、従業員に公開しています。さらに、2022年からは人財公募制度もスタートし、グループ会社を含む多くの従業員が新たなキャリア機会にチャレンジしています。

2021年から開始した創発型表彰制度第2回「SHIP」では、初年度よりも68.9%増の6,295名が参加、組織の壁をこえ、自ら提案したアイデアを具現化するプロセスをメンバーと楽しみ、数々の新たな価値を生み出しています。

 

2)DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進

すべての人財がそれぞれの多様性を尊重し活かし合い、自身の能力を最大限に発揮することで生み出されるイノベーションを通じて従業員と企業がともに持続的に成長することを目指しています。

従業員と企業のサステナブルな成長を図るため、2006年に「人材サステナビリティ」を宣言しました。「女性活躍の推進」「多様な人財の活躍」「多様な働き方の推進」をダイバーシティ推進方針の三つの柱とし、取り組みを進めてきました。

2016年には「女性活躍推進法」に基づく「積水ハウスグループ女性活躍推進行動計画」を定めて活動を強化しました。2019年に目標を前倒しで達成し、2021年に新たな目標を設定し、着実に実行しています。

当社の女性活躍推進に向けた取り組みが評価され、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「なでしこ銘柄」に6度選定されています。

 

また、2020年4月には「積水ハウスグループ人権方針」を策定しました。従業員一人ひとりがお互いの多様性や価値観、働き方を認め合い、自由闊達なコミュニケーションが行われる職場環境づくりを目指して、具体的な方針や推進体制を定め、実行しています。

 

i)女性活躍推進

「住まい」を通じて社会課題の解決に貢献し、新たな価値を創造するために「女性の活躍」を重要な経営戦略のひとつと位置づけています。「積水ハウスグループ女性活躍推進行動計画目標」において、2025年度までにグループ全体※1で女性管理職を310名以上登用することを目標値としています。2023年1月末時点の女性管理職数は302名(4.6%)で第5次中期経営計画期間の目標に対し、116.2%の達成状況となっています。

柔軟な働き方に代表される諸制度の整備の結果、2022年度には女性従業員正社員比率は、28.9%となり、建設業界平均14.2%※2の2倍超となっています。

※1 積水ハウス㈱、積水ハウス不動産グループ、積水ハウス建設8社(2023年2月より積和建設15社を合併・商号変更)、
積水ハウスリフォーム㈱、積水ハウス ノイエ㈱の合計

※2 2021年度建設業平均

 

ii)社会人採用

社会人採用も積極的に進めており、2022年度実績は603名を採用し、採用者全体に占める社会人採用者の割合は43.5%です。

今後も引き続き、経営人財、DX人財、ガバナンス強化にかかわる人財等、多様性を強化する方針のもと、毎年の新規採用者に占める社会人採用者の割合を高めていく予定です。

 

iii)グローバル人財の活躍推進

国籍を問わない人財採用と能力適性を考慮した積極的な登用を進めています。海外子会社においては、人員強化の観点から、現地採用を積極的に行い、優秀な現地採用者の重要ポストへの登用を進めています。2022年には、米国戸建住宅事業持株会社にて現地採用者を社長に登用、その他重要ポジション※3へ5名登用しました。

※3 現地法人のC-Suiteポジション

 

3)多様な働き方の推進

従業員総活躍を目指し、さまざまな両立支援の推進は非常に重要であると考えます。介護や治療と仕事との両立を支援する制度整備、昼休憩時間を活用した事例紹介や外部専門家による情報提供機会の設定等を行っています。

育児と仕事の両立については、制度整備に加え、本人ならびに上司向けに職場の配慮事項等をまとめた情報の提供、メンターとつながる場の提供、職場復帰にむけた保育園情報の提供、復帰後の一時保育への補助金制度の拡充等に取り組んでいます。引き続き、人財活躍促進につながる諸施策の検討を進めます。

 

4)幸せの基盤づくり

従業員の幸せの源泉は健康の維持・増進であると位置づけ、「幸せ健康経営」に取り組んでいます。具体的には、ESG推進委員会の社会性向上部会の幸せ健康プロジェクト(2021年6月発足)が中心となり、健康保険組合、外部アドバイザー等と連携して、課題の抽出、全社方針の策定、具体施策の立案、全従業員への周知・浸透を図っています。AIによる健康診断結果活用サービスや自身の組織幸福度を可視化できる幸せ度調査を活用するなど、「幸せ健康経営」に取り組んだ結果、健康経営優良法人(ホワイト500)に3年連続(2020年~2022年)認定されています。

 

また、「社員に幸せになってもらいたい」という想いに基づき、2018年より「男性社員1ヶ月以上の育児休業完全取得」を推進しています。社内全体の意識改革への取組みを強力に推進し、制度整備、家族や職場とのコミュニケーションツールの開発、申請システム整備等を行った結果、2019年2月の本格運用開始以降、期限を迎えた対象者全員(2023年1月末1,571人)が1ヶ月以上の育休取得を完了(2021年4月以降はグループ会社も全員取得)しています。また、「日本でも男性の育児休業取得が当たり前になる社会」を目指し、2019年より社外への情報発信も積極的に行っています。

 

5)企業理念と戦略を浸透するリーダーの育成

当社グループとしてお客様と社会に幸せを届けるためには、自律した従業員に企業理念と事業戦略を浸透させ、組織力を生み出すリーダーの存在が不可欠です。

組織成果創出力・人財育成力・組織活性化力等の強化のためのマネジメント対象の階層別研修を強化、実施しています。また、支店長・本社部長・工場長等の組織リーダー候補の選抜と育成を目的に2018年から実施している経営塾、2019年にスタートした若手(30~35歳)リーダー候補者を育成する「SHINE! Challenge Program」によって、次世代のビジネスリーダーを計画的に生み出す土壌を作り、継続的に実施しています。

2021年からは執行役員、業務役員およびキーポジションの後継者候補を挙げ、全社的かつ多様な視点で透明度の高い議論を行うサクセッションプラン会議を開始しました。候補者全員の個別育成計画を立案し、定期的な進捗レビューを実施することでリーダーパイプラインのさらなる充実に努めています。

また、グループリーダー以上の全マネージャー職を対象に多面観察を実施しています。フィードバックされた結果を基に、マネジメント行動の変革に向けたアクションプランを作成し、定期的なコーチングによる内省を通じてマネジメント力の向上に取り組んでいます。

 

6)戦略に応じた人財の確保と適正配置

各ビジネスユニットの事業戦略に基づく人財ニーズを把握し、適正配置を実現すべく、持続的成長に必要な人財の採用・育成を計画的に進めています。リファラル採用をはじめとする多様な手法や媒体を活用し、入社直後からの活躍を支援するオンボーディングプログラムを積極的に拡充しています

 

人的資本・多様性に関する取組み内容の詳細は当社WEBサイトの「Value Report2022」「ダイバーシティ&インクルージョン」をご参照ください。なお、Value Report2023の発行は2023年6月を予定しています。

<Value Report>

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/library/annual/

<ダイバーシティ&インクルージョン>

https://www.sekisuihouse.co.jp/diversity_inclusion/

 

 

2 【事業等のリスク】

◆リスク管理体制について

当社グループの事業活動における重要なリスクを的確に把握するとともに、万一リスクが顕在化した際にはグループ事業への影響の低減に向けて適正に対応する体制を構築しています。事業運営上重要な「戦略リスク」や「財務リスク」については取締役会や経営会議等の会議体で検討しています。また、その他「事業運営リスク」や「ハザードリスク」に関しては、取締役会の諮問機関として、「リスク管理委員会」(委員長:代表取締役副社長執行役員)を設置して、リスク管理状況のモニタリングを進めています。

当委員会は取締役会決議で選任された委員を中心に構成されており、原則月1回開催されています。委員会の活動として、関係部署へのヒアリング等からリスク評価を行い、重要リスク項目を選定した上で、その項目を主管する本社専門部署や会議体に対するモニタリング内容を踏まえ、リスク管理体制の整備状況の集約・検証及び必要な助言を行い、その内容を定期的に取締役会へ報告しています。委員会には内部監査部門からも委員として参加しており、定期監査の実施内容との連携も図っています。

また、「品質管理」及び「情報セキュリティ」の重要性を鑑み、傘下に「品質管理委員会」及び「情報セキュリティ委員会」を設置し、より専門的視点におけるリスク認識及び対応策について部署横断的に審議しており、両委員会における審議内容については、定期的にリスク管理委員会に報告されています。

 

リスク管理体制図


 

◆リスク管理のプロセスについて

当社グループの国内事業所・国内子会社・海外子会社を対象として、前年度に実施したモニタリング内容及び本社各部署からのヒアリング内容をもとに、「品質管理」「情報セキュリティ」「コンプライアンス」「人権」「危機管理」「環境」「労働法制・労務管理」等においてリスク課題を抽出します。その中から発生可能性及びグループに対する影響度を、リスク管理委員会で評価し、その評価に基づいて重要リスク項目を選定しています。各重要リスク項目を主管する部署又は会議体は、期初にリスク管理基本計画を策定し、その進捗についてリスク管理委員会へ報告し、委員会で出た意見を踏まえ改善を進めるという、リスク管理におけるPDCAサイクルを推進しています。

 

 


 

グループ会社に関して、グループ各社の経営全般を管理する「経営管理主管部署」と専門領域について横断的に管理する「専門機能部署」を当社内で明確化して、マトリックスでのリスク管理を推進しています。グループ全体のリスク情報の把握に向けて、国内外のグループ各社における総務責任者による牽制機能の強化及び監査部・人事総務部・人財開発部・法務部等の当社管理・人事部門との情報共有の活性化に向けて、「ガバナンスネットワーク」の構築に努めています。主要な事業グループ会社に関しては、一定以上の重要な業務執行について、当社の稟議決裁または取締役会決議を経ることとしています。また主要グループ会社のリスク認識を把握するため、当社と同様にリスクマップにより重要リスクの評価を行い、その内容についてはリスク管理委員会で共有・審議することとしています。

 

全社レベルで影響を及ぼすおそれのある事案が発生した際には、「クライシス対応マニュアル」に則って本社主管部署よりリスク管理委員会へ報告されます。報告を受けたリスク管理委員会は、本マニュアルに規定された基準に基づいてクライシスレベルの判定を行い、クライシスレベルにおいて一定レベル以上の重大な内容が認められる場合には、リスク管理委員会委員長の判断のもと、専門チーム「クライシス対策本部」を立ち上げて、事態の拡大防止と早期収束に向けて具体的対応を検討する体制を整えています。また、定期的にクライシス対応トレーニングを実施し、本マニュアルが機能するかどうかの検証・改善を行っています。

 

◆個別のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある事項については、以下のようなものが挙げられます。

なお、これらについては、提出日現在において判断したものです。

  昨年度と比較して重要性が高まったテーマ

** 今年度新設されたテーマ

 

 

[特に重要なリスク]

(1)法令遵守について

当社グループは、宅地建物取引業法、建設業法、建築士法等の法令に基づく許認可を受けるとともに、建築、労働、環境その他事業の遂行に関連する各種の法令及び条例に則り事業活動を行っています。これらにおいて違反が生じた場合に、改善に向けて多額の費用が発生すること、又は業務停止等の行政処分を受けることで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対策として、設計における建築基準法上のチェックミス・手続き漏れを防ぐための法規制チェックシステムを導入し、型式認定不適合の発生を抑えるために、事業所及び本社でのダブルチェック体制を構築しています。又、建設業法上の専任の配置技術者の適正運用に向けて、配置状況のチェックを専門機能部署で行うとともに有資格者の人財確保・能力向上に継続して取り組んでいます。

 

(2)品質管理について

当社グループは、設計・生産・施工上の品質において万全を期すとともに、主要な戸建住宅及び共同住宅においては、長期保証制度及び定期的な点検サービスを実施していますが、長期にわたるサポート期間の中で、予期せぬ人的ミス等により重大な品質問題が生じた場合には、多額の費用発生や当社グループの評価を大きく毀損することになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対策として、リスク管理委員会傘下の「品質管理委員会」により、製品・設計・生産・施工・CSの5つの検討会をまとめる組織として、品質に関する一元的な管理を進めています。特に施工品質不具合の発生を抑えるために、期初に策定する「全社施工品質管理年間計画」に基づく「品質管理重点項目」に対する改善に取り組んでおり、その管理状況については定期的にリスク管理委員会へ報告されています。また、施工品質と密接な関わりのある「施工力の確保」に向けて、工事量の平準化、現場生産性の向上、建設技能者の積極的な育成等多角的な取り組みを進めています。

 

(3)情報セキュリティについて

コンピューターウィルスの侵入や高度なサイバー攻撃等により、個人情報・機密情報の漏洩や改竄、システム停止等が生じることで、お客様等からの損害賠償請求を受ける可能性やお客様及び市場等からの信頼を失い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対策として、リスク管理委員会傘下の「情報セキュリティ委員会」において、情報セキュリティに関するグループ内の基本方針「情報セキュリティポリシー」や秘密情報管理規則に基づき、情報セキュリティ及び情報管理に関する施策を検討・実施しています。併せて、コンピューターウィルス等サイバー攻撃や秘密情報の漏洩・改竄を防止するために、社内外からのアクセス制御システムを強化するとともに、標的型メール訓練や研修、情報セキュリティ監査などを通じてITリテラシーの向上を図っています。また、ITデザイン部セキュリティシステム推進室にセキュリティインシデントに対応する専門チーム(CSIRT)を設置しました。インシデント対応力を上げるため、各部門参加による、セキュリティインシデント発生を想定した訓練を実施し、万一の事態に備えています。さらに、定期的に外部機関によるセキュリティアセスメントを実施して、更なるセキュリティガバナンス体制の強化に取り組んでいます。

お客様情報の管理については、「お客様情報保護方針」に基づき、各組織において個人情報取扱責任者を定めて、安全対策の実施、周知徹底を図る体制を整えるとともに、全従業員を対象に個人情報の取扱いに関するEラーニングを継続的に推進し、個人情報保護に関する従業員一人ひとりの役割・責任の認識を高めています。

各事業所、各グループ会社におけるセキュリティ意識を高めるため、情報セキュリティ委員会の下に、グループ全社事業所で構成する「情報セキュリティ推進部会」を設置し、幹部から従業員一人ひとりへのセキュリティ意識啓発や対策の徹底を図っています。

 

 

(4)人権について

当社グループを取り巻く国内外のステークホルダーの人権課題について対応が不十分である場合、当社グループの社会的評価が低下する可能性があります。

対策として、当社グループでは、2020年4月に「積水ハウスグループ人権方針」を策定し、ヒューマンリレーション研修等を通じて国際規範に基づく人権に対する考え方及び取り組みについて発信し、全従業員に繰り返し周知しています。また、人権方針の実践として、事業活動において「人権デュー・デリジェンス」のプロセスを採用し、人権リスクマップの作成により重要な人権課題を特定して、対応を進めています。

 

(5)気候変動について

気候変動に関する主要なリスクと機会については、本社部署・事業部門参画のもと洗い出しを行い、取締役会の諮問機関であるESG推進委員会及びリスク管理委員会における審議を経て、取締役会に報告され、必要に応じてリスクの緩和・移動・受容・コントロールの決定を検討することとしています。

その内容につきましては、TCFDのフレームワークに基づいてまとめており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)サステナビリティに関する考え方及び取組み②気候変動に対する取組み」に記載しています。

 

(6)労務管理について

従業員の長時間労働は、精神疾患を含めた健康障害につながる恐れがあり、場合によっては長期休業につながるリスクがあります。

対策として、労務管理においては総労働時間の削減に向けて、部門毎に1人当たりの月平均総労働時間の目標を設定し、各事業所において働き方の改善に取り組んでいます。さらに、本社、工場、事業所の組織ごとに勤務状況の確認を月次で行うとともに、必要に応じて本社人事総務部によるモニタリング、労務管理研修を実施して適正な労務管理を促しています。

また、事務所及び施工現場における労働災害は抑制すべき課題であり、特に施工現場では作業環境や作業手順・作業方法の誤りが負傷につながることも多く、死亡災害など重篤な事故が発生すると、損害賠償負担に加えて社会からの信用失墜を招く可能性もあります。

労働災害の抑制に向けて、各組織で安全営衛生委員会を開催し、災害予防に向けた定期点検及び災害発生事案に対する検証・再発防止策の推進等を行っています。特に施工現場では、「全社施工安全衛生年間計画」に基づき、安心安全な施工環境の整備に努めているとともに、発生頻度の高い事故の削減に向けて、本社施工本部の指揮のもと作業手順の遵守・確認体制の整備など対策に取り組んでいます。

 

(7)人財確保について *

当社グループの持続的成長を実現するためには、既存事業の深化と新規事業への挑戦を担う優秀な人財を国内外で獲得し、雇用を維持していく必要があります。採用競争力が低下した場合や離職による人財流出が深刻化した場合には、成長力が鈍化し、社会的評価が低下する可能性があります。

対策として、事業戦略に必要な人財を明確にし、採用ブランディングの強化、採用活動における募集経路・選考手法の多様化を積極的に進めています。また、人事制度改革においては、選択制の複線型キャリアコースをはじめ、公正で透明性の高い人事評価制度等を導入し、従業員の自律的なキャリア形成を支援しています。上司と部下が定期的に対話する機会である「キャリア面談」により、従業員のキャリア意識の涵養に加え、心理的安全性の高い組織風土の構築を目指します。引き続き採用機能の強化と成長機会の充実の両面で人財確保に取り組んでいます。

 

 

[重要なリスク]

(1)住宅市場環境の変化について

当社グループは、国内及び海外において住宅を中心とした事業活動を行っているため、個人消費動向、金利動向、地価動向、住宅関連政策や税制の動向、それらに起因する賃料相場の変動、さらには地方経済動向等に影響を受けやすい傾向があり、今後これらの事業環境の変化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対策として、市場環境の変化に対応した諸施策を機動的に実施するため、事業本部長・営業本部長を中心とした国内執行会議を月1回開催し、市場動向を踏まえた施策の進捗状況や現場で発見された課題を共有し、次の施策の立案に活かしています。

また海外進出国における市場環境についても、海外各拠点と本社が継続的に情報連携を重ね、本社専門部署において市場分析のうえ、戦略立案を行っています。

 

(2)保有する資産について

当社グループが国内及び海外において保有している販売用不動産、固定資産、投資有価証券及びその他の資産について、時価の下落等による減損損失又は評価損の計上や、為替相場の変動によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

対策として、当社グループでは、一定金額以上の投資案件の場合、積水ハウス本社における稟議審査ならびに経営会議での十分な議論を踏まえ、各案件に対する投資の可否を慎重に検討しています。不動産については、優良土地の取得及び資産回転率の向上による安定経営を図り、政策保有株式については、資本・資産効率向上の観点から必要最小限の保有を基本とし、保有の妥当性について、毎年、取締役会において検証するとともに、定量的な目標を設けて段階的に縮減を図っています。為替相場の変動に対しては、為替予約等必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、その影響を低減しています。なお、保有する資産については、減損及び評価損のリスクを定期的に把握し、必要に応じ適宜会計処理を実施しています。

 

(3)資金調達コストについて **

当社グループは、金融機関からの借入、社債の発行等によって資金調達を行っています。市場金利の急激な変動や金融市場の混乱、格付機関による信用格付けの大幅な引下げ等が生じた場合には、資金調達コストが増加する可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

対策として、財務健全性を確保し、適切な水準の格付けを維持することで資金調達コストを低減するとともに、資金調達手段の多様化及び年限の適切な分散を進めることで金利変動リスクの軽減に努めています。

 

(4)原材料、資材等の調達について

大規模自然災害や社会不安(戦争、テロ、感染症、地政学的リスク等)により、資材調達先が被害を受け、資材の供給が困難になった場合、施工がストップして契約工期に影響が出る可能性があります。また、原材料やエネルギーの世界的な価格高騰が一層進み、調達価格がさらに上昇して、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対策として、当社グループでは、一つの資材調達先が被災等で調達が困難になった場合等を想定し、3つの側面から備えを進めています。

①供給面の備えとして、部材ラインナップ複数化、複数社調達、複数生産拠点化、国内供給拠点の強化を進めています。

②仕様面の備えとして、部材の汎用化等、調達の容易な材料や仕様への変更に取り組んでいます。

③情報面の備えとして、サプライヤー拠点のデータベース化により、迅速な対応を行う体制を構築しています。

さらに、サプライヤーに対しても自社サプライチェーンの強化を求めることで、備えの輪を広げ、サプライチェーン全体の強靭化に努めています。また資材の調達にあたっては、複数社調達による価格競合、調達先の再編や集約による有利購買、仕様の最適化等により、合理的な調達価格の実現に努めています。

 

 

(5)退職給付債務について

当社グループの従業員に対する退職給付債務は、割引率の数理計算に用いる基礎率や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されています。この基礎率が変更された場合、または期待運用収益率に基づく見積り計算が実際の結果と大きく異なった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

対策として、当社グループでは、退職給付債務については定期的に実績に基づいて見積りの検証と見直しを行っています。年金資産の運用については、外部コンサルタントの助言をもとに、リスク・リターン特性の異なる複数の資産クラス・運用スタイルへの分散投資を行っており、年金資産全体のリスク・リターンの分析を定期的に実施する事で分散効果の有効性について評価を実施しています。また、企業年金基金においてスチュワードシップ・コードの受け入れを表明し、運用機関に対するモニタリングを強化するとともに、企業年金基金の諮問機関である資産運用委員会では、市場環境や運用状況等について定期的に協議を行っています。

 

(6)BCP(事業継続計画)について

大規模自然災害やパンデミックの発生時などに対する対応計画が不明確なことにより初動対応が遅れた場合、各拠点における事業継続が困難になり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

対策として、当社グループでは、「事業継続計画管理基本方針」を定め、重大な事業運営・ハザードリスクが発生した場合にも、重要な事業を中断させず、また中断せざるを得ない場合でも可及的速やかに復旧させる手順と体制を整備しています。

大規模自然災害等の発生に対しては、「積水ハウスグループ災害対策基本方針」を定め、各組織の「災害マニュアル」を策定し、災害時の各事業拠点における事業継続に向けた準備を進めています。

また、大規模災害等により本社での業務継続が困難となった場合に備え、本社災害対策本部の設置等を規定した初動対応マニュアルの整備を行っており、本社被災時には、東京拠点(東京都港区赤坂)と総合住宅研究所(京都府木津川市)を代替本社として、本社における重要業務を継続できる体制を整えています。

海外事業を展開する上において、海外子会社の従業員や出張者が自然災害やテロ・暴動等に巻き込まれるリスクに備えて、対応マニュアルを整備して迅速な情報共有体制の構築を図るとともに、海外専用の危機対応支援会社と提携して緊急事態発生時の現地従業員へのサポート体制も整えています。

 

(7)新型コロナウイルス感染症について

当社グループの全従業員に対して感染対策の徹底を図っていますが、グループ内各組織において、新型コロナウイルス感染者及び濃厚接触者が増大することにより、業務推進に影響が出る可能性があります。

対策として、新型コロナウイルス感染症対策本部において定例会議を開催し、各事業所ならびに生産拠点、施工従事者の感染状況のタイムリーな把握、状況変化に応じて機動的に対応する体制整備を進めるとともに、感染者または濃厚接触者になった場合の対処方法をグループ全体へ明確に発信し、職場・現場内クラスターの発生を抑止する施策・対応を推進しています。また、コロナ禍における働き方に関して、WEB会議システムの充実、在宅勤務者のモバイル端末の整備等環境整備を進めるとともに、従業員対象のアンケートに基づいた職種ごとの分析を進めて、一過性の対応ではなく、感染リスクを低減できる働き方改革を推進しています。

営業活動においては、WEB会議システムを利用したプラン提案等によるお客様との関係構築を進めるとともに、Withコロナに対応した商品展開を進めています。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。

① 財政状態及び経営成績の状況

当期における世界経済は、新型コロナウイルス感染症との共存により、社会経済活動の正常化が進む中、持ち直しの動きが継続しました。しかしながら、世界的なインフレや各国の金融引き締め政策及び為替変動、ならびに地政学リスクが原材料・資材価格やサプライチェーンに与える影響に、注視が必要な状況が続きました

住宅市場は、国内では、新設住宅着工戸数は底堅い状況が続きました。一方で、昨年3月の行動制限解除に伴う旅行や外食支出等の増加、加えて年後半は高水準の物価上昇による消費マインドの慎重化等を背景に、受注は減少傾向で推移しました。アメリカでは、住宅に対する潜在需要は強いものの、住宅ローン金利の上昇と住宅価格の高止まり等により、住宅着工及び販売戸数は減少傾向で推移しました

このような事業環境の中、当社グループは、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、ハード・ソフト・サービスを融合した様々な高付加価値提案等の事業戦略を推進しました。その結果、各ビジネスは順調に進捗し、加えて次年度以降の業績に寄与する受注が堅調に推移しました。

第5次中期経営計画(2020年度~2022年度)最終年度である当連結会計年度における業績は、連結受注高は2,809,277百万円(前期比3.2%増)、連結売上高は2,928,835百万円(前期比13.1%増)となりました。

利益については、連結営業利益は261,489百万円(前期比13.6%増)、連結経常利益は257,272百万円(前期比11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は184,520百万円(前期比19.9%増)となりました。

また、第5次中期経営計画3ヵ年の業績は、策定時の計画を大きく上回る結果となりました。

 

セグメント別の経営成績は次の通りです。

 

(戸建住宅事業)

当事業の当期における売上高は352,463百万円(前期比0.1%減)、営業利益は38,309百万円(前期比9.8%減)となりました。

 ハード・ソフトを融合した高付加価値提案により、中高級商品・高価格商品の拡販に注力しました。大空間リビング「ファミリー スイート」による生活提案、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)「グリーンファースト ゼロ」や次世代室内環境システム「スマート イクス」に加え、間取り連動スマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch」が好評で、受注は堅調に推移しました

 

(賃貸住宅事業)

当事業の当期における売上高は426,116百万円(前期比11.0%増)、営業利益は58,407百万円(前期比4.2%増)となり、順調な工事進捗が増収に寄与しました。

都市部中心のエリアマーケティング戦略を徹底し、強靭な構造と設計自由度を両立する当社オリジナル構法を用いた3・4階建て賃貸住宅の拡販に注力しました

また、収益性を高めながら、脱炭素に貢献するゼロエネルギーの賃貸住宅「シャーメゾンZEH」の普及に努めました。太陽光発電の電力を各戸に配分することで、入居者が利用し売電もできる等、ZEHのメリットを実感できるエシカルな選択肢として好評で、賃貸住宅受注に占めるZEH住戸割合は65%(15,064戸、累計27,371戸)となりました

これらの高付加価値提案に加え、高い入居率と賃料水準を実現する積水ハウス不動産各社の物件管理が奏功し、法人向け事業も含め受注は好調に推移しました

 

(建築・土木事業)

当事業の当期における売上高は298,777百万円(前期比14.1%増)、営業利益は13,214百万円(前期比12.8%減)となりました。

建築事業における複数の大型案件の売上計上等により増収となりました。一方、大型建設工事需要の減少、資材価格高騰の影響、及び前期における複数の大型案件受注の反動減により、受注は減少しました。

 

(リフォーム事業)

当事業の当期における売上高は165,910百万円(前期比6.2%増)、営業利益は27,561百万円(前期比7.9%増)となり、前期の好調な受注及び順調な工事進捗が増収に寄与しました。

 戸建住宅では、「ファミリー スイート リノベーション」等の提案型リフォーム、「いどころ暖熱」や創エネリフォーム等の環境型リフォームが好評で、大規模リフォームの受注割合が拡大しました。また、賃貸住宅では、資産価値を向上させ、高入居率と高水準の賃料を実現するリノベーション提案に注力しています。これらの取り組みにより、受注は好調に推移しました

 

(不動産フィー事業)

当事業の当期における売上高は619,271百万円(前期比5.9%増)、営業利益は50,659百万円(前期比0.4%増)となりました。

 好立地に建築した高品質・高性能な賃貸住宅「シャーメゾン」の供給により管理受託戸数が堅調に増加しました。積水ハウス不動産ホールディングス株式会社が積水ハウス不動産グループの更なる持続的成長と企業価値最大化に向け事業を推進し、長期安定経営をサポートする質の高い建物管理と入居者の生活を充実させるサービスを提供したこと等により、高水準の入居率と賃料を維持し、増収に寄与しました

 

(分譲住宅事業)

当事業の当期における売上高は238,252百万円(前期比24.4%増)、営業利益は20,777百万円(前期比42.8%増)となり、前期の好調な受注及び順調な工事進捗が増収に寄与しました

エリアマーケティングに沿った優良土地の積極仕入れと美しいまちなみづくりにより、土地取得から検討中の顧客への拡販に注力した結果、受注は好調に推移しました

 

(マンション事業)

当事業の当期における売上高は90,883百万円(前期比0.3%増)、営業利益は13,403百万円(前期比7.3%増)となり、「グランドメゾン新梅田タワー THE CLUB RESIDENCE」(大阪市北区)の引渡しを完了し、ZEH基準と快適居住性能を両立した超高層タワーレジデンス「グランドメゾン上町一丁目タワー」(大阪市中央区)の引渡しが順調に進む等、計画通りに進捗しました

また、家庭部門の脱炭素化への貢献を目指し、2023年以降に販売する分譲マンション「グランドメゾン」の全住戸をZEH仕様とすることとしました。東京・名古屋・大阪・福岡を中心とする好立地エリアに集中した高付加価値分譲マンション開発に加え、環境面の取り組みが評価され、「グランドメゾン白金高輪パークフロント」(東京都港区)、「グランドメゾン大濠公園 THE TOWER」(福岡市中央区)が完売する等、販売が好調に推移しました

 

(都市再開発事業)

当事業の当期における売上高は135,320百万円(前期比31.7%増)、営業利益は15,051百万円(前期比33.5%増)となりました。

積水ハウス・リート投資法人に「プライムメゾン江古田の杜」(東京都中野区)、「プライムメゾン早稲田通り」(東京都新宿区)等を売却し、その他、「赤坂ガーデンシティ」(東京都港区)の持分を売却する等、計画に沿い物件売却が順調に進捗しました。また、当社が開発した賃貸住宅「プライムメゾン」等の当社グループ保有物件の入居率は堅調に推移したことにより、増収となりました

また、スパ施設や総合ウェルネスフロア等、お客様の「ウェルビーイング」を促し、「健康になる旅」を可能とする施設を各種取り揃える「ウェスティンホテル横浜」(横浜市西区)を開業しました

 

 

(国際事業)

当事業の当期における売上高は521,124百万円(前期比34.0%増)、営業利益は73,860百万円(前期比47.3%増)となりました。

アメリカでは、住宅販売事業において、当期前半までの好調な受注に伴い引渡しが堅調に進捗しました。また、コミュニティ開発事業が順調に推移し、賃貸住宅開発事業では、「Volta on Pine」(ロングビーチ)、「Bromwell」(デンバー)及び「The Society」(サンディエゴ、全4棟のうち2棟)を引渡したことにより、増収となりました。一方、住宅ローン金利の上昇等により住宅販売事業の受注環境は悪化しました。また、積水ハウステクノロジーの海外展開を進めるという方針のもと、テキサス州の住宅販売会社であるChesmar Homes, LLCの持分をすべて取得し、事業規模及び展開エリアの拡大を図りました

オーストラリアでは、第1四半期に、「Melrose Park」(シドニー)のマンションResidences棟の引渡しが完了したことや、「Gledswood Hills」(シドニー)の土地売却が進捗したこともあり、増収となりました。中国では、太倉市第2期分譲のマンション引渡しが完了しました

 

(その他)

当事業の当期における売上高は80,715百万円(前期比6.2%増)、営業損失は439百万円となりました。

エクステリア事業では、戸建住宅、賃貸住宅等において、住宅と外構との一体提案を強化するとともに、地域の気候風土・鳥や蝶等と相性の良い在来樹種を中心とした植栽を提案する「5本の樹」計画の推進により、生物多様性保全に貢献しました(2023年1月時点累積植栽本数1,900万本)。

新規事業・イノベーションの創出に向けて、M&A・アライアンスを積極展開するという第5次中期経営計画の方針のもと、無垢木材のインテリア材を中心とした木質建材の輸入・企画・製造・販売を手掛け、高品質・高付加価値の商品力が強みである内装建材メーカーの株式会社マルホンの普通株式を全株取得しました。また、暮らしに役立つ、幸せが膨らむ生活サービスを当社が厳選し、戸建・賃貸住宅オーナーとそのご家族を対象に紹介するサイト「スイート コンシェル」をオープンしました。

 

ESG経営のリーディングカンパニーを目指す当社は、「全従業員参画」「先進的な取り組み」「社外評価向上」を三位一体のテーマとし、ESG経営を推進しています
 環境面では、新築戸建住宅ZEH比率が過去最高の92%(2021年度)となり、賃貸住宅や分譲マンションなどの集合住宅においてもZEHを推進しました。これらの取り組みにより、当社が2021年度に供給した住宅の年間CO2削減実績は2013年比で55%に達しました。また、「5本の樹」計画の成果について琉球大学久保田研究室他との共同検証を行い、世界初の都市の生物多様性の定量評価の仕組みを構築し、「ネイチャー・ポジティブ方法論」として公開しました。これをきっかけとして、様々な企業や団体、行政、学校との新たな連携や取り組みも開始しました

社会性向上に関しては、「自律的なキャリア形成」をサポートするため、キャリアコースの選択やマネジメント機会の早期創出を実現する人事制度改革を行いました。また、男性の育児休業取得推進に賛同する企業・団体と共に「育休を考える」プロジェクトを展開する等、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しました

ガバナンス面では、定時株主総会にて社外取締役比率を50%とし、取締役会の独立性と多様性を向上させ、取締役会の経営監督機能をさらに強化しました。また、中間持株会社体制による権限委譲と責任の明確化を図る積水ハウス不動産グループの再編などグループガバナンスの強化を推進しました

このような取り組みを含むESG経営を推進した結果、環境面では、国際環境非営利団体CDPから「気候変動」「フォレスト」両分野で最高評価「Aリスト」に選定、社会性向上では、UN Womenアジア太平洋地域事務所が主催する「WEPs AWARDS 2022」の「Community Engagement and Partnerships」部門において1位を受賞、ガバナンス面では、GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れたコーポレート・ガバナンス報告書」に選定されました。加えて、公益社団法人日本証券アナリスト協会が実施する「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」で2年連続第1位を獲得する等、高い社外評価を獲得しました

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動により125,464百万円増加し、投資活動により165,409百万円、財務活動により155,780百万円それぞれ減少した結果、前連結会計年度末と比較して182,426百万円減少となり、当連結会計年度末の資金残高は332,747百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は125,464百万円(前期比7,429百万円資金増)となりました。税金等調整前当期純利益を267,710百万円計上したこと等により、資金の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は165,409百万円(前期比51,702百万円資金減)となりました。賃貸用不動産等、有形固定資産の取得による支出が92,162百万円(前期比9,211百万円資金減)あったこと等により、資金の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は155,780百万円(前期比44,078百万円資金減)となりました。社債の償還による支出が120,000百万円(前期比90,000百万円資金減)や配当金の支払額が66,400百万円(前期比10,791百万円資金減)あったこと等により、資金の減少となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績

当社グループ(当社及び連結子会社)の展開する事業は多様であり、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載していません。

 

(ロ)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前期比(%)

金額(百万円)

前期比(%)

戸建住宅事業

344,040

△2.6

175,442

△4.6

賃貸住宅事業

426,479

9.3

379,253

0.1

建築・土木事業

301,649

△9.6

436,979

0.7

リフォーム事業

169,088

5.0

36,557

9.5

不動産フィー事業

619,271

5.9

分譲住宅事業

249,648

23.7

69,510

19.6

マンション事業

84,278

0.4

78,386

△7.8

都市再開発事業

112,859

14.1

2,596

△89.6

国際事業

418,510

△3.3

212,319

△18.5

報告セグメント計

2,725,827

3.2

1,391,046

△4.6

その他

83,450

2.8

56,740

5.6

合計

2,809,277

3.2

1,447,787

△4.3

 

 

(ハ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

戸建住宅事業

352,463

△0.1

賃貸住宅事業

426,116

11.0

建築・土木事業

298,777

14.1

リフォーム事業

165,910

6.2

不動産フィー事業

619,271

5.9

分譲住宅事業

238,252

24.4

マンション事業

90,883

0.3

都市再開発事業

135,320

31.7

国際事業

521,124

34.0

報告セグメント計

2,848,120

13.3

その他

80,715

6.2

合計

2,928,835

13.1

 

(注) 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載

    を省略しました。

 

 ※  1 当連結会計年度に連結子会社化したCHESMAR HOLDINGS, LLC及びその子会社の数値を、各指標の「国際事

     業」に含めて表示しています。

   2 当連結会計年度に連結子会社化した株式会社マルホン及びその子会社の数値を、各指標の「その他」に

     含めて表示しています。

 

(参考) 提出会社個別の事業の受注高、売上高、繰越高の状況は次のとおりです。

期別

事業別の名称

前期繰越高

(百万円)

当期受注高

(百万円)

(百万円)

当期売上高

(百万円)

次期繰越高

(百万円)

手持高

第71期

自 2021年
2月1日

至 2022年
1月31日

住宅請負事業

684,843

953,633

1,638,476

936,384

702,092

不動産事業

125,356

206,545

331,902

213,980

117,921

合計

810,200

1,160,179

1,970,379

1,150,364

820,014

第72期

自 2022年
2月1日

至 2023年
1月31日

住宅請負事業

702,092

977,239

1,679,332

968,642

710,690

不動産事業

117,921

214,561

332,483

235,162

97,321

合計

820,014

1,191,801

2,011,815

1,203,804

808,011

 

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、その増減額を「当期受注高」並びに「当期売上高」に含めています。

2 損益計算書において、住宅請負事業は「完成工事高」、不動産事業は「不動産事業売上高」として表示しています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

① 経営成績

当連結会計年度の連結売上高は、全てのビジネスモデルにおいて増収となり、前期比339,256百万円増加2,928,835百万円(前期比13.1%増)となりました。

連結営業利益は、M&Aも寄与したアメリカでの住宅販売事業の増収効果による国際ビジネスの増益、物件売却が順調に進捗した開発型ビジネスの増益、ストック型ビジネスの継続的な増収効果が寄与し、前期比31,328百万円増加261,489百万円(前期比13.6%増)となりました。

連結経常利益は、連結営業利益の増加等により、前期比27,178百万円増加257,272百万円(前期比11.8%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、中国事業における関係会社清算益等の特別利益の計上により、前期比30,614百万円増加184,520百万円(前期比19.9%増)となりました。

 

 

(参考) 連結売上高、連結営業利益をビジネスモデル及びセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

売上高

営業利益

2022年1月期

2023年1月期

前期比(%)

2022年1月期

2023年1月期

前期比(%)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

戸建住宅事業

352,732

352,463

△0.1

42,475

38,309

△9.8

賃貸住宅事業

384,022

426,116

11.0

56,047

58,407

4.2

建築・土木事業

261,930

298,777

14.1

15,146

13,214

△12.8

小計

998,685

1,077,357

7.9

113,668

109,931

△3.3

リフォーム事業

156,167

165,910

6.2

25,546

27,561

7.9

不動産フィー事業

584,969

619,271

5.9

50,480

50,659

0.4

小計

741,136

785,182

5.9

76,027

78,221

2.9

分譲住宅事業

191,488

238,252

24.4

14,548

20,777

42.8

マンション事業

90,612

90,883

0.3

12,486

13,403

7.3

都市再開発事業

102,736

135,320

31.7

11,276

15,051

33.5

小計

384,837

464,456

20.7

38,311

49,233

28.5

国際事業

388,936

521,124

34.0

50,147

73,860

47.3

その他

75,984

80,715

6.2

△1,208

△439

消去又は全社

△46,786

△49,317

連結

2,589,579

2,928,835

13.1

230,160

261,489

13.6

 

 

② 財政状態

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末と比較して7.4%増3,007,537百万円となりました。流動資産は、主に販売用不動産の増加等により、2,093,883百万円と増加(前期比7.2%増)しました。固定資産は、のれんの増加等により、913,653百万円と増加(前期比7.7%増)しました。

負債総額は、社債の償還等により減少する一方、借入金の増加等により、前連結会計年度末と比較して4.7%増1,339,990百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を184,520百万円計上したことによる利益剰余金の増加等により1,667,546百万円と増加(前期比9.6%増)しました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び不動産(棚卸資産を含む)の取得・開発をはじめとする投資資金等であり、運転資金については、自己資金の活用又は借入金、短期社債(コマーシャルペーパー)により調達し、投資資金等については、主に社債、借入金により調達しています。資金調達に際しては、これら多様な調達手段から時機に応じて最適な手段を選択することで、安定的な財源の確保及び調達コストの低減を図るほか、国内信用格付AA格・外国信用格付A格の維持を前提に、D/Eレシオ0.5倍程度及び債務償還年数(Net Debt/EBITDA倍率)1.5年を下回る水準を中期目標として財務健全性の維持に努めています。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結することで、十分な資金の流動性を確保しています。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおりです。

当連結会計年度においては、2022年9月に上方修正した2023年1月期の業績目標(連結売上高29,300億円、連結営業利益2,600億円、連結経常利益2,600億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,740億円)に対し、実績は連結売上高29,288億円、連結営業利益2,614億円、連結経常利益2,572億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,845億円となり、連結営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については目標を上回る結果となりました。また、ROAは9.1%(目標10%)、ROEは11.9%(目標10%)となりました。引き続き、目標数値の達成を目指します。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。

この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に不確実性がある場合、作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出するために見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに与える影響に関する情報は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 標章使用許諾に関する契約(提出会社)

① 相手方

積水化学工業株式会社

② 契約の内容

上記会社の所有する一定の標章(商標を含む)の使用許諾を受ける。

③ 期間

 

1990年8月1日より3年間。但し、期間満了後特別の事情のない限り更に3年継続し、以後この例による。

④ 対価

上記会社に対し一定の対価を支払う。

 

 

(2) M&Aに関する契約

当社は、当社の完全子会社、SEKISUI HOUSE US HOLDINGS, LLCの子会社 SH RESIDENTIAL HOLDINGS, LLCの子会社として新設した CHESMAR HOLDINGS, LLCが買収主体となり、米国テキサス州にて戸建住宅事業を行う持株会社 CHESMAR GROUP, INC.より、事業会社CHESMAR HOMES, LLC、金融サービス事業を行うCLM MORTGAGE, INC.、N TITLE, INC.及びENTITLED INSURANCE AGENCY, INC.の持分を全て取得することについて、2022年6月9日開催の取締役会において決議し、契約を締結しました。

なお、その概要については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)では、グローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向け、ハード・ソフト・サービスを融合させた住まいの研究開発が使命と考えています。創業以来積み上げてきた安全・安心・快適の技術を土台として、「健康」「つながり」「学び」をキーワードにした研究開発を推進しています。

住宅は個人資産であると同時に、社会資本であり、住まいが次世代に引き継がれるために、持続可能性、環境への配慮、美しさの追究は必須です。そのために、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」や「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の推進をはじめとする2050年カーボンニュートラルを見据えた研究、まちなみとの調和、住む人の感性や価値観に合わせたデザイン研究に積極的に取り組み、研究開発成果を国内事業とともに海外事業にも展開し、幸せなわが家づくりを通して積水ハウステクノロジーが世界のデファクトスタンダードとなるように推進していきます。

また、研究開発における当社の強みは、「総合住宅研究所」の徹底した技術検証によるエビデンス構築とともに、「住生活研究所」の調査・分析に基づいた「幸せ住まい」の提案力です。「最高の技術と品質」を技術開発の根本に据え、業界のトップランナーとして、経営戦略にベクトルを合わせた研究開発を行っています。

ハードとソフトの融合により、家族の「幸せ」を実現する「ファミリー スイート」は、当社の研究開発の成果の一つです。柱をなくし、最大スパン7mの大空間リビングを支えるオリジナル構法「ダイナミックフレーム・システム」は、業界随一の技術であり、「ファミリー スイート」の新築戸建住宅での採用率は60%を超えています。また、ウイルスや花粉等の汚染物質に配慮した、次世代室内環境システム「スマート イクス」の採用率は80%を超えました。このほか、住宅内の温湿度環境、玄関、窓の施錠状態がスマートフォンで確認できるサービス「PLATFORM HOUSE touch」を発売する等、ハード・ソフト・サービスを融合した研究開発成果が続々と新たな生活提案として実現しています。

当社グループでは、R&D本部において、「総合住宅研究所」や「住生活研究所」による建築新技術、住生活の研究開発に加え、住を基軸としたデザイン、商品開発並びに知的財産戦略の立案に関する事項を掌握し、技術開発の更なる推進を図っています。

今後はR&D領域をさらに拡大し、「住」を基軸としたあらゆる分野の情報を収集・分析するとともに、1つの事象をより深掘りし多くのエビデンスを取得しながら研究開発を進める体制を強化していきます。そのために、社内だけでなく社外のリソースを有効的に活用することが必要であり、オープンイノベーションやM&A等による同業種・異業種との交流・連携の強化を推進していきます。

当連結会計年度の研究開発活動の概況と成果は以下のとおりであり、研究開発費総額は9,562百万円です。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、各事業に共通するものであり、セグメントに分類することができません。そのため、研究開発活動の概要は、以下のとおり研究開発の項目別に記載します。

 

(1)商品開発

・2022年4月に住宅性能表示制度が改正され、断熱等性能等級及び一次エネルギー消費量等級にZEH基準相当の上位等級が新設されました。当社の戸建住宅、共同住宅においては断熱等性能等級「5」、一次エネルギー消費量等級「6」を標準仕様としました。さらに、同年10月には、戸建住宅の「断熱等性能等級」に上位等級が新設されたことに伴い、軽量鉄骨及び木造の戸建住宅において、断熱等性能等級「6」に対応できる仕様を追加しました。

・2022年4月、ZEH対応仕様である「グリーンファースト ゼロ」に、防災機能を充実させました。従来からの地震対策に加え、強風対策として、飛来物の衝突でも割れにくい窓ガラスを採用しました。さらに、近年頻繁に発生している豪雨への対策として、床下浸水配慮仕様を開発しました。

・2022年4月、オーナー様向けのサービス紹介サイト「スイート コンシェル」をオープンしました。幸せ体験価値の高いサービスを提供することで、住まい手価値を高めることを目指します。

・2022年10月、夫婦それぞれの幸せな時間に着目したリフォーム提案「パーソナル スイート リノベーション」を発売しました。ライフステージや社会環境の変化により、おうち時間や夫婦二人の時間が増えている中、使わなくなった子ども室や収納などを主寝室に取り込んで「大人夫婦のほどよい距離感」「自分らしい時間と空間」「心地よい眠りと目覚め」等を実現するための、新たな暮らし方を提案しています。

・2020年発売の次世代室内環境システム「スマート イクス」について、戸建住宅だけでなく、より良質な空気環境が要求されるクリニック物件にも展開しました。

・当社の2022年度の新築戸建住宅ZEH比率は93%となり、第5次中期経営計画目標の90%を上回り、供給を開始した2013年以降の累積棟数も76,509棟(2023年3月末現在)となりました。また、集合住宅においても、「賃貸ZEH」をシャーメゾンブランドで展開し、2022年度の受注戸数は15,064戸、住戸ZEH比率は65%と前年の8,501戸、35%を大きく上回り、累計戸数も27,301戸となりました

 

 

(2)技術開発

・既存木造住宅の耐震リフォームに向けたオリジナルの「形状記憶耐力壁」を開発し、2022年3月より販売開始しました。これにより、耐震性能の向上に加え、繰り返しの地震にも強い家にすることができます。

・2022年4月に、人々の健康的な暮らしを支える住まいの在り方に関する検討を進めるため、『ゼロ次予防』住環境創造を目指し、千葉大学予防医学センターと共同研究を開始しました。

・2020年6月にスタートした、東京大学×積水ハウス「国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)」は、研究施設「T-BOX(2021年10月運用開始)」を活用し、次世代の人財育成及び住宅イノベーションの実現に向けた研究を継続しています。

・庭などに地域の在来樹種を中心とした植栽を行う「5本の樹」計画による累計植栽数は1,900万本となりました(2023年1月末時点)。また、琉球大学と2021年度に共同検証した、この活動による広域エリアにおける生物多様性保全効果の定量評価の仕組みを用いて、都市緑化機構や自治体などと連携し、都市のネイチャー・ポジティブにつながる活動を行いました。

・2023年1月、空気環境配慮仕様「エアキス」の10年間の実績を基にした分析・評価で得られたエビデンスをオーナー様向けウェブサイトで公開しました。

・積水ハウステクノロジーの海外移植を推進すべく、アメリカではラスベガスにおいてパイロットプロジェクト等を経て本格展開に向け着実に歩みを進めています。また、オーストラリアではシャーウッド構法の品質再現性をさらに高める検証を行っています。