当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営方針
当社グループは引き続き「Payment to the People, Power to the People.」のミッションのもと、個人及びスモールチーム、スタートアップ企業をエンパワーメントすることは変わらず、すべての人が活躍できる社会基盤を提供してまいります。
当社グループは、対象顧客の拡大及び付加価値の向上による価値創造を通じて、中長期的な企業価値の向上に努めることを経営の基本方針としております。
この実現に向け、既存プロダクトの強化によるトップライン成長及び収益性向上を両立させることでEBITDA成長を目指してまいります。具体的には、プロダクトのAI化に取り組み、顧客への新たな付加価値提供を図ってまいります。
加えて、グループシナジー創出への取り組みを強化し、トップラインの成長及び収益性向上を実現してまいります。
さらに、M&A及び提携等を推進し、グループの非連続な成長(インオーガニック)を目指してまいります。

①既存プロダクトの成長に向けた取り組み
ⅰ) BASE事業
プロダクトのAI化及び付加価値の高い新機能の開発により、個人やスモールチームへの価値提供を継続して行い、GMV成長及びテイクレート向上を通じて、売上高及び売上総利益の成長を目指してまいります。
また、中長期のGMV成長及び競争力の維持を目的に、マスマーケティングを含むプロモーションを継続し、新規ショップ開設数の増加を図ってまいります。
加えて、ショッピングアプリ「Pay ID」の購入体験を強化し、ショッピングアプリ「Pay ID」を介したGMVの増加による手数料収入の獲得を通じて、売上総利益の成長を目指してまいります。
ⅱ) PAY.JP事業
プロダクト開発(決済手段のラインナップ拡充等)及びセールス&マーケティングの強化により、新規加盟店の増加を目指し、さらにEストアーショップサーブ加盟店への導入により、売上高及び売上総利益の成長を目指してまいります。
また、決済原価の低減を通じた売上総利益率の向上を目指してまいります。
ⅲ) YELL BANK事業
プロダクトの機能拡充及び健全な運営基盤の強化による買取債権総額の増加を目指してまいります。
ⅳ) want.jp事業
BASE事業との共同開発による越境EC機能「かんたん海外販売」の提供を通じて、「BASE」ショップの越境EC取扱高の拡大を通じて、BASE事業の売上総利益成長を目指してまいります。
ⅴ) Eストアーショップサーブ事業
コンサルティング、ソリューション提供力を強化し、トップラインの安定成長を図ってまいります。また、決済基盤の統合等を通じて、各種原価低減による売上総利益率の向上を目指し、中長期ではグループシナジーを創出し、トップライン成長を目指してまいります。
②シナジー創出に向けた取組み
グループシナジー創出への取り組みを強化し、トップラインの成長及び収益性向上の実現を目指してまいります。
具体的には、BASE事業で展開している金融機能(将来債権ファクタリング「YELL BANK」)をPAY.JP事業へ展開しております。
また、want.jp事業とBASE事業との共同開発による越境EC機能「かんたん海外販売」をBASE事業のショップ向けに展開しております。
さらに、PAY.JP事業で展開しているクレジットカード決済の機能をEストアーショップサーブ事業へ展開してまいります。
上記以外のグループシナジー創出も検討してまいります。

③M&A及び提携等の推進によるグループの非連続な成長(インオーガニック)を目指す取組み
既存事業の成長を引き続き最優先に追求しながらも、グループの非連続な成長(インオーガニック)の実現に向けて、M&A及び提携等の推進による対象顧客の拡大と、拡大した顧客層に対して「YELL BANK」、「Pay ID」及び「want.jp」等を活用したBASEグループ独自のバリューアップにより、価値創造の最大化を目指してまいります。

具体的なM&Aの検討領域としては、対象顧客(GMV)の拡大を目的として、モノ領域(物販)物販領域を中心にサービス及びデジタルコンテンツ領域(非物販)で展開するEC事業者(非対面型のストアフロントサービス)をM&Aの候補先として優先的に検討してまいります。
さらに、付加価値(レイクレート)の向上を目的として、加盟店のEC運営をサポートする機能を展開する事業者についてM&Aの候補先として検討してまいります。

④グループのAIに向けた取り組み
当社グループのAIに関する戦略は、グループアセットであるマーチャント及び購入者の2サイドトランザクションデータ及びコンテキストデータを活用し、Commerce InterfaceとAIをかけ合わせ、マネタイズポイントのPayment及びFinanceの優位性を強化していく戦略です。
BASE事業においては、累計250万を超える顧客及びトランザクションデータ、シンプルなUIと自社の決済基盤を活用し、マーチャント向けECバリューチェーン全体を対象に、プロダクトにAIを実装していく方針です。
プロダクトにおけるAI活用例として、BASE事業の「かんたん海外販売」において、国内外のトランザクションデータを活用した独自のAIモデルにより、商品情報の特定から発送可否判定までを高度に自動化しており、グループ独自のAI、Interface、Payment基盤を活用し、越境ECにおける利便性を提供しております。
当社グループでは、売上総利益(売上高から流通総額に応じて決済会社へ支払う決済手数料を控除した金額)の成長を重視した経営を行っております。
当社グループの主な収益は、BASE事業においては、BASEショップの流通総額に対して発生する決済手数料及びサービス利用料であり、PAY.JP事業においては、PAY.JP加盟店の流通総額に対して発生する決済手数料であります。そのため収益の源泉である流通総額の最大化と、さらに提供するサービスの高付加価値化及び売上原価の低減により実現される売上総利益の最大化を目指しております。
経済産業省発表の「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2024年における日本のBtoC-EC市場規模は約26.1兆円(前年比+5.15%)(物販系約15.2兆円(前年比+3.70%)、サービス系約8.2兆円(前年比+9.43%)、デジタル系約2.6兆円(前年比+1.02%))と拡大をしており、今後も堅調に拡大をしていくものと認識しております。
上記の経営環境の下、当社グループが対処すべき主な課題として考える事項は以下のとおりであります。
① サステナブルな社会の実現
当社グループは「Payment to the People, Power to the People.」をミッションとして掲げ、インターネットテクノロジーによって、多くの方が必要としながらもまだ享受できずにいる決済や金融領域へのアクセシビリティを高め、これにより個人やスモールチームをエンパワーメントすることで、すべての人が活躍できる社会の実現を目指して企業活動を行っております。当社グループは、1日も早いミッションの実現を目指して、社会に開かれた決済・金融を提供するプラットフォーマーとしての責任と役割に向き合い、サステナブルな社会を実現するためにグループ全体を通じてESGに関する取組みを推進することが重要な課題であると考えております。
そのため、当社グループではサステナビリティ委員会を設置し、当該委員会においてサステナビリティに関する事項の審議、推進施策及び設定したKPIの遂行状況のモニタリングを行い、定期的に取締役会に報告することで、ESGに関する取組みを推進する体制を確保しており、当連結会計年度は、PRIDE指標2024におけるゴールド認定取得やスコープ3(GHG排出量)の開示義務化に備えた一部カテゴリの算出及び情報開示等、DE&Iや気候変動関連の取組みを実施いたしました。
今後も、2022年に特定した当社グループの重点課題であるマテリアリティに関する取組みを中心に、ESGに関する取組みを推進してまいります。
なお、特定したマテリアリティは以下の通りです。

② 企業価値向上に向けた規律ある成長戦略の推進
当社グループは、対象顧客の拡大及び付加価値の向上による価値創造を通じて、中長期的な企業価値の向上に努めることを経営の基本方針としております。
この実現に向け、資本効率を意識した規律ある投資を前提に、既存プロダクトの強化及びシナジー創出、並びに非連続な成長を目的としたM&A等を積極的に推進していくことが、経営の重要な課題であると考えております。
既存事業につきましては、トップラインの成長と収益性向上の両立を引き続き推進し、EBITDAの持続的な成長を目指します。そのために、既存プロダクトを強化するとともに、グループ全体での連携を一層強化しシナジーを創出することで、顧客への提供価値の最大化を目指してまいります。
M&Aにつきましては、対象顧客及びGMVの拡大を主目的として実施し、拡大した顧客層に対して既存事業を活用したBASEグループ独自のバリューアップを行い、価値創造の最大化を目指してまいります。さらに、テイクレートの向上やグループシナジーの創出に資する案件についても積極的に検討してまいります。
③ AI技術の活用による提供価値の向上と生産性の最大化
近年、生成AIをはじめとするAI技術の進化により、インターネットサービスのあり方や開発手法は劇的な変化を迎えております。当社グループにおきましても、ミッションである「Payment to the People, Power to the People.」の実現に向け、AI技術の活用は不可欠な要素であると認識しております。
プロダクト面におきましては、AIを活用した新たな付加価値を積極的に提供し、利用者の皆様がより創造的な活動に注力できる環境を構築してまいります。
また、社内業務や開発プロセスにおきましても、AIによるコーディング支援や業務自動化を推進することで、開発スピードの向上や業務効率の最大化を図り、より筋肉質な組織体制の構築を目指してまいります。
④ 人的資本の強化
当社グループは、持続的な成長や事業価値の向上を実現する上で、人材は唯一無二の中核的な経営資源であると考えております。従業員が自身の仕事やキャリアに主体性を持ち、新たなスキル習得や業務改善に挑戦し続けることを支援することが重要であると考え、教育体制や人事制度の整備、具体的な人事施策の実施を行っています。
具体的には、各種研修の企画と実施、DE&I推進による多様性と公平性のある環境の整備、人材育成計画の企画と実施、育児支援策の導入などの取り組みを行っています。
これらを通じて、人材育成や自律的なキャリア構築を支援しています。
⑤ 開発力・技術力の強化
当社グループの事業はインターネット業界と深くかかわっており、競争力のあるプロダクトをEC市場へ提供していくためには、その情報技術やサービスをタイムリーに採用し、常に新しいプロダクトを創造し続けていくことが重要な課題であると考えております。
そのために、EC環境の変化や当社グループのサービス利用者の要望を効率よく吸収し、質の高いプロダクトを提供してまいります。
⑥ サービスの安全性・健全性の確保
当社グループは、取引の場や決済サービスを提供する事業者として、あらゆるステークホルダーが安心して取引を行うことができるよう、サービスの安全性・健全性を確保することが重要な課題であると考えております。
そのため、BASE事業においては、365日対応の専門部署を設置することはもちろん、当社グループが保有する取引データの機械学習の活用等による分析やクレジットカード会社の不正配送先データベースの活用、3Dセキュアの導入等による不正決済や不適切な商品の販売を検知・防止、ネットショップ運営者に対するログイン認証方法の強化等を実施しており、また、PAY.JP事業においては、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準であるPCI DSSに完全準拠した運用でクレジットカード情報を管理することで、サービスの安全性・健全性の確保を図っております。
⑦ 情報管理体制の強化
当社グループが提供するサービスにおいては、サービス利用者の個人情報をはじめとした様々な情報を預かっており、これらの情報を適切に管理するための体制強化が重要な課題であると考えております。そのため、当社グループでは情報セキュリティ基本方針や情報セキュリティ基本規程等の社内規程を制定し、これらに基づいて情報の適切な管理を徹底しております。
また、情報セキュリティ専門部署の設置や、全社員向けの情報セキュリティ研修実施による情報セキュリティ対策の強化を図ることはもちろん、情報セキュリティ委員会を定期開催して情報セキュリティ上のリスクの洗い出し及び議論を実施しております。
今後も、グループ全体の教育・研修の実施やシステムの強化・整備を推進し、情報管理体制を強化してまいります。
⑧ 内部管理体制の強化
当社グループは今後もより一層の事業拡大を目指しており、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値の向上を図るために、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。
そのため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、リスクマネジメント及びコンプライアンス委員会を設置の上、業務運営上のリスクの把握及び管理の実施、役職員に対する定期的な研修等による啓蒙活動の実施、定期的な内部監査の実施等によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図っております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、サステナビリティ基本方針、マテリアリティ、サステナビリティに関連する施策案その他サステナビリティに関する重要事項の審議、調整及びモニタリングを行うとともに、経営会議へ上程すべき重要事項を審議・検討することを目的に、2022年3月からサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会を経由して経営会議で審議・決定された事項及び進捗状況については、定期的に取締役会に報告しております。
経営会議において決定した対応方針・施策等は、サステナビリティ委員会委員長である代表取締役上級執行役員CEOを中心として、社内の各部門が主体となって推進しております。
BASEグループは「Payment to the People, Power to the People.」をミッションに掲げ、インターネットテクノロジーによって、多くの方が必要としながらもまだ享受できずにいる決済や金融領域へのアクセシビリティを高め、それにより個人・スモールチームをエンパワーメントすることですべての人が活躍できる社会の実現を目指して企業活動を行っております。
創業当初から、「インターネットによって個人・スモールチームがより強くなったその時に、世界がもっともっとよくなる。」ということを誰よりも信じ続けてプロダクトの企画・開発に取り組んでまいりました。その想いはこれからも変わりません。
Payment to the People, Power to the People.
私たちは1日も早いこのミッションの実現を目指して、社会に開かれた決済・金融を提供するプラットフォーマーとしての責任と役割に向き合い、サステナブルな社会を実現するためにグループ全体を通じてESGの取り組みを推進してまいります。
基本方針に基づき、当社グループのサステナビリティ経営を加速させていくためのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。今後は、マテリアリティを中心に施策を推進してまいります。
なお、マテリアリティの特定プロセスは以下の通りです。
STEP1 マテリアリティ候補の抽出
GRIスタンダード、SDGs (国連の持続可能な開発目標) 、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)といった国際的な指標および、ISOや国際的なESG格付基準を参照し、当社の事業特性などを踏まえ、環境・社会・ガバナンスに係る重要課題候補を抽出いたしました。
STEP2 マテリアリティ候補の絞り込み・評価
社内外の取締役、上級執行役員、監査役および株主・投資家にインタビューを実施いたしました。その結果をもとに、“自社にとって重要な課題”および“ステークホルダーにとって関心度が高い課題”の観点より総合的に判断し、マテリアリティ候補の絞り込み・評価を実施いたしました。
STEP3 マテリアリティの特定
取締役会および経営会議における議論を通じて、当社ビジョンや経営戦略との関連性を評価し、取締役会決議を経て優先的に取り組むべき重要課題を特定いたしました。
特定したマテリアリティは、
当社は、持続的な成長や事業価値の向上を実現していくうえで、人材は最も重要な経営資源であると考えております。そのためには、従業員が自身の仕事やキャリアに主体性を持ち、挑戦し続けることを支援することが従業員の育成のために重要であると考えております。
多様性を尊重する企業文化のもと、一人ひとりの個性や能力が最大限に発揮できる制度や職場環境を整備し、ワークライフバランスの推進とDE&I環境を醸成し、社員のエンゲージメントの向上を実現します。
■具体的な取り組み
人材育成
当社グループは、人的資本を重要な経営資源と位置づけ、戦略実行力の強化と持続的な組織能力の向上を図るための投資を継続しています。個人の専門性を引き出す「点」の支援として、役割別スキルの定義や「人材育成会議」の運用を通じたテーラーメイド型のキャリア支援を実施する一方、組織を「面」で捉えたマネジメント層の育成や、事業組織ごとの組織開発にも注力しています。これらの施策を通じて、従業員一人ひとりがオーナーシップを持って挑戦し続ける環境を醸成し、プロダクトおよび事業の競争力を中長期的に高めていく方針です。
当社グループは、ミッション「Payment to the People, Power to the People」のもと、社会的マイノリティを含むあらゆる個人・スモールチームをエンパワーメントする社会の実現を目指しており、DE&Iの推進を経営の根幹に据えています。このミッションを体現する組織として、性別、年齢、国籍、宗教、性自認・性的指向、障がいの有無等に関わらず、多様なバックグラウンドを持つメンバーが能力を最大限に発揮できる体制を堅持しています。なかでも、社会構造的に課題を抱える女性セグメントの活躍に向けては、戦略的な採用広報、リーダーシップコーチングによる次世代層の育成、ライフステージに応じた定着支援、および心理的安全性の高い環境整備を包括的に実施しています。多様な社員の視点を活かしてロングテールな市場のニーズに応え続けることが、当社グループの持続的な成長における重要な競争優位性になると考えています。
ワークライフバランス
ハイブリッドな働き方を提供するため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を継続して運用しており、『有給休暇5日以上の取得率100%』『平均残業時間が10時間未満』等の実績がでております。また従業員のライフステージに合わせた補助制度の導入やテスト運用を定期的におこなっており、2025年度では『育児休暇取得率は女性100%、男性70%以上』を実現し、職場復帰率も『女性、男性ともに100%』となりました。今後も多様な従業員が働ける仕組みを提供し、すべての人材が活躍できる環境を持続的に整備して参ります。
当社では「リスクマネジメント及びコンプライアンス委員会」において、事業活動を行う上で対処すべきリスクを認識・特定し、重点対応の協議を行っています。「リスクマネジメント及びコンプライアンス委員会」は代表取締役上級執行役員CEOを委員長とし、委員長により選任された委員で構成されており、四半期毎に開催され、特に重要と認識されたリスクについては定期的に取締役会へ報告されます。
当社では、決済・金融を提供するプラットフォーマーとして、大規模災害の発生を事業継続に影響をもたらす重要リスクの一つと捉え、従業員およびその家族の安全の確保、事業活動への影響の最小化を最優先事項として速やかな復旧に努められるよう、事前に想定されるリスクを抽出し、リスクの防止や低減等の各種施策を講じております。 2023年6月には、BASEグループとして事業継続計画(BCP)規程の策定を行い、代表取締役CEOを危機対策責任者とする危機管理体制の構築や安否確認システムの導入、各種マニュアル(防災・災害対策マニュアル、重要業務復旧計画書等)を整備する等、緊急事態が発生した場合に迅速な初動対応と事業の継続・早期復旧・正常化を図ることを可能にしております。 また、BCP主管部署にてBCP年間活動計画を策定し、平時から非常事態の発生を想定した安否確認訓練や自衛消防隊訓練を定期的に実施して非常時における各部署の役割と連絡体制が正しくスムーズに機能しているかを確認しており、必要に応じて随時見直しをしております。それらの結果については、四半期に一度開催されるリスクマネジメント及びコンプライアンス委員会に報告され、必要な対応方針の協議および対応状況のモニタリングを行う仕組みを構築しております。
引き続き、事業継続計画(BCP)規程に基づいたPDCAサイクルを回し、リスク管理強化に取り組んでいきます。
今後はサステナビリティに関する事項を所管する部門にて、社内の関係部門の協力の下、特定・評価した気候変動に関するリスクと機会を「サステナビリティ委員会」に報告・提言し、全社的な気候変動への対応を推進してまいります。また、「サステナビリティ委員会」で挙がった気候変動問題に関わる重要な環境リスクや社会課題については、「リスクマネジメント及びコンプライアンス委員会」と連携し、全社リスクに統合していきます。
当社グループの女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差に関する指標については、以下の通りです。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
当社では、人材の育成及び社内環境整備に関する方針に基づき、以下の指標及び目標を定めております。なお、2030年までに下記を達成することを目標としております。
女性役員比率30%以上
女性管理職比率30%以上
当社グループでは、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題のーつと捉え、マテリアリティ(重要改題)の一つとしてグループ全体で気候変動対策に取り組んでおり、2023 年3月には、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。TCFD 提言にある「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の開示推奨項目に沿って、 気候関連情報を開示いたします。
当社グループでは、気候変動がもたらすリスク及び機会につき、TCFD が提唱するフレームワークに基づいて当社グループ事業の特性を踏まえたシナリオ分析を行った結果、現時点においては以下のとおり認識しております。
当社グループでは、気候変動に関する評価指標として GHG(※1)排出量を算定しております。直近 2 か年における GHG 排出量の実績は下表の通りです。
当社グループにおけるGHG排出量
(※1)Green House Gas(温室効果ガス)の略称
(※2)マーケット基準で算定
(※3)連結子会社であるwant.jp株式会社、株式会社Eストアーの別拠点の使用電力を含めた形で算出
なお、Scope1およびScope2については、2023年9月より本社オフィス並びに、2024年以降は連結子会社であるwant.jp株式会社、2025年以降は株式会社Eストアー(支社含む)のオフィスの使用電力を全て再生可能エネルギー由来の電力に切り替えております。また、都内の商業施設で展開しているネットショップ作成サービス「BASE」が運営するリアル店舗出店スペース(「BASE」利用ショップに提供しているポップアップストアができるスペース)で使用している電力についても、再生可能エネルギー(電力)由来のクレジットを購入することによるカーボンオフセットを実施しており(2025年3月のリアル店舗出店スペース縮小に伴って正確な数値取得が困難となったことから、昨年と同水準のGHG排出量を算出済み。)、2023年12月期以降、当社グループにおけるScope1+2のGHG排出量実質ゼロを実現しています。Scope3は2024年12期より段階的に開示をしており、開示範囲はカテゴリ5(事業から出る廃棄物)、カテゴリ6(出張)、カテゴリ7(雇用者の通勤)、カテゴリ9(下流:輸送配送)を対象としています。カテゴリ9(下流:輸送配送)のGHG排出量はヤマト運輸株式会社からデータ提供を受けており、当社プラットフォーム利用に伴って発生する輸送配送(下流)の全体の4割相当(当社調べ)のGHG排出量となります。
引き続き、当社グループにおけるScope1+2のGHG排出量実質ゼロの実現、その他範囲のScope3算出については、当社事業の特性を踏まえた形で、算出可能な範囲についての検討および議論を進めていきます。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については積極的に開示することとしております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
前述のとおり、電子商取引(BtoC-EC)市場は拡大を続けており、今後も堅調に拡大を続けるものと考えております。しかしながら、上記の予測通りに電子商取引(BtoC-EC)市場が拡大しなかった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業が属する電子商取引市場においては、ネットショップ作成サービスやショッピングアプリの開発・提供、及び決済代行サービス等のいずれの分野でも現在複数の競合会社が存在しており、相互に競争関係にあり、機能競争、価格競争が活発化しております。当社グループは引き続き、創業以来培ってきたノウハウを活かし、サービスの機能強化等に取り組んでいくほか、大手企業にはないサービスの開発に注力することで、差別化を図ってまいります。
しかしながら、当社グループと同様のサービスを提供する事業者の参入増加や、資本力、ブランド力、技術力を持つ大手企業の参入、競合他社の価格競争力、サービス開発力、又は全く新しいビジネスモデルや技術によるサービスを提供する事業者の参入等により、当社グループのサービス内容や価格等に優位性がなくなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
同様に、オンライン決済サービス市場においても、複数の競合他社が存在しております。当社グループでは引き続き一歩先を行くスピーディーな事業展開と、プロダクト開発体制の強化を進めていくことで、他者との差別化を図ってまいります。
しかしながら、今後競合他社が当社グループのサービスを模倣・追随し、これまでの当社グループの特徴が標準的なものとなり差別化が難しくなること、これまでにない全く新しい技術を活用した画期的なサービス展開をする競合他社が出現することなどの事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
インターネット・情報セキュリティ・AIの技術革新は著しく、EC市場においても決済手段の多様化やスマートフォン利用の拡大、AIによる技術開発等常に進化しております。当社グループでは、安心で便利なEC環境を創造するため、より堅牢なセキュリティの整ったサービスの追求・新たなサービスの開発・AI技術の活用による新たな価値提供を行い、競争力を維持するため技術革新への対応を進めております。
しかしながら、今後当社グループが新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合、当社グループのショップオーナーや購入者に対するサービスが陳腐化し、その結果競合他社に対する競争力が低下する恐れがあり、そのような場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが運営する「BASE」、「Pay ID」、「PAY.JP」、「YELL BANK」、「want.jp」及び「Eストアーショップサーブ」では、加盟店及び購入者の決済を円滑化するサービス、加盟店のキャッシュ・フロー改善に資する早期入金サービス、将来債権の買い取りによる資金調達サービス等を提供しており、これらのサービスを提供するにあたっては「個人情報の保護に関する法律」、「割賦販売法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「貸金業法」等の法令を遵守する必要があります。
そのため、当社グループでは、社内の管理体制の構築等によりこれらの法令を遵守する体制を整備するとともに、当社グループのサービスを利用するショップに対しても、これらの法令遵守を促すよう利用規約に明記しております。また、規制当局の動向及び既存の法規制の改正動向等を踏まえ、適切に対応しておりますが、かかる動向を全て正確に把握することは困難な場合もあり、当社グループがこれに適時適切に対応できない場合や、当社グループが事業を展開するEC業界やオンライン決済サービス業界に関する規制等の新たな制定又は改定が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
地震・雷・台風・津波・悪天候その他の自然災害、長時間の停電、火災、疫病・感染症の蔓延、放射能汚染、その他の予期せぬ自然災害が発生した場合、当社グループの事業の運営又は継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、感染症が拡大した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、政変、戦争、テロリズム、クーデター、外国軍隊からの一方的な攻撃又は占領、政府等による当社グループ設備の接収、第三者による当社グループ設備の不法占拠その他の事故によっても、当社グループの事業の運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、あらゆる事態を想定して事業継続のための計画策定等を進めておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合は当社グループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。
当社グループでは、あらゆる事態を想定して事業継続計画(BCP)の策定を行い、危機対策事務局にて、平時から非常事態の発生を想定した安否確認訓練や自衛消防隊訓練を定期的に実施して非常時における各部署の役割と連絡体制が正しくスムーズに機能しているかを確認しており、必要に応じて随時見直しをしておりますが、これらのリスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合は当社グループの事業の継続自体が不可能となる可能性があります。
⑥ 経済情勢について
当社グループが運営するサービスは、日本国内を主たるマーケットとして事業を展開しており、日本国内の経済情勢の変動による影響を受ける可能性があります。具体的には、国内の景気動向、個人消費の変化、金利の動向、物価の動向、金融政策の変更等が当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが運営する「want.jp」は、海外市場向けの越境ECサービスを提供しており、為替レートの変動による影響を受ける可能性があります。特に、円高が進行した場合、海外の購入者にとっての価格競争力が低下し売上が減少するリスクがあります。
このような日本国内の経済情勢の変動や為替レートの変動により、当社グループの業績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの運営するサービスにおいては、ショップオーナーや購入者等のサービス利用者による法令により禁止されている物品の取引、詐欺等の違法行為、他人の所有権、知的財産権、プライバシー権等の権利侵害行為、法令や公序良俗に反するコンテンツの設置その他不適切な行為が行われる危険性が存在しております。かかる事態が生じることを防止すべく、当社グループのカスタマーサポートが随時、利用状況の監視や、利用規約に基づく警告・違法情報の削除等を行っております。
しかしながら、万が一、かかる事態が生じることを事前に防止することができなかった場合には、当社グループの運営するサービスの信用及びブランドイメージが低下し、ユーザー離脱等が発生する可能性があります。また、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループにおいても取引の場を提供する者として責任追及がなされるおそれがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、加盟店に対して簡単にクレジットカード決済等を導入できるサービスを提供しております。当社グループでは、ショップオーナーの債務不履行、購入者が第三者のクレジットカード等を不正に利用する不正決済を防止するために、365日対応の社内の担当部署により取引状況の監視を行うとともに、システムによる不正決済の検知を行っております。
また、当社グループでは、クレジットカード情報や住所等の購入者情報等を登録することで、都度クレジットカード番号や住所を登録することなく、IDとパスワードでログインするだけでスムーズに決済を行うことができる購入者向けショッピングサービス「Pay ID」を提供しております。「Pay ID」にログインする際に二段階認証を要求する等の対応を行うことにより、第三者による不正ログインや、それに伴う不正決済が行われることを防止しております。
しかしながら、万が一、これらの事態を事前に防止できなかった場合、クレジットカード等の売上の取消しによる決済代行会社への売上金の返金、被害者から当社グループへの損害賠償請求、当社グループの信用の下落等による損害が発生し、業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループは、第三者による当社グループのサーバー等への侵入に対して、ファイヤーウォール等の情報システム対策を施すほか、専門のチームを設置することにより組織的な情報セキュリティ強化を推進しております。
しかしながら、悪意をもった第三者の攻撃等により顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手されるといった機密性が脅かされる可能性、顧客サイトの改ざん等のデータの完全性が脅かされる可能性、及びいわゆるサービス不能攻撃によってサービス自体が提供できなくなる等のシステム障害の可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループに対する法的責任の追及、企業イメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、24時間365日安定したサービスを提供する必要があります。そして、当社グループのサービスを構成しているプログラム及び情報システムは、通信ネットワークに依存しております。そのため、当社グループでは、サービスの情報システムの監視体制やバックアップ等の対応策をとっております。
しかしながら、災害や事故等の発生により通信ネットワークが切断された場合、急激なアクセス数の増大によりサービス提供のためのサーバーが一時的に作動不能になった場合、又はサーバーハードウェアに不具合が発生した場合には、安定したサービス提供ができなくなる可能性があります。この場合、当社グループの顧客への代金支払等に直接的な障害が生じる可能性があることから、信用低下や企業イメージの悪化等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業を通じて取得した個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成したプライバシーポリシーに沿って個人情報を管理し、その遵守に努めております。また、当社ではショップが購入者から取得した個人情報について委託を受けて管理しており、ショップによる個人情報流出を防止するため、管理画面へのログインについて2段階認証やパスキー認証を導入しています。PAY株式会社はクレジットカード情報を保有しているため、JCB・American Express・Discover・MasterCard・VISAの国際クレジットカードブランド5社が共同で策定した、クレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準であるPCI DSS Version4.0に準拠した運用でクレジットカード情報を管理しております。なお、当社ではクレジットカード情報を保有していないものの、必要に応じてPCI DSS Version4.0に準拠しております。
しかしながら、不測の事態により個人情報が漏洩した場合や個人情報の収集過程で問題が生じた場合、クレジットカード情報が漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の下落等による損害が発生し、業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑥ 知的財産権について
当社グループは、当社グループのサービスに関する知的財産権の取得に努め、当社グループが使用する商標、技術等についての知的財産権による保護を図っております。また、インターネットビジネス業界における技術革新、知的財産権ビジネスの拡大等に伴い、知的財産権の社内管理体制を強化しております。
しかしながら、契約条件の解釈の齟齬、当社グループが認識し得ない知的財産権の成立等により、当社グループが第三者から知的財産権侵害の訴訟、使用差止請求等を受けた場合、解決まで多額の費用と時間がかかることにより、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、今後の更なる事業拡大と収益源の多様化を図るため、引き続き、積極的に新サービスや新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより人材、情報システム投資や広告宣伝費等の追加投資が発生し、損益が悪化する可能性があります。また、新サービスや新規事業を開始した際には、その新たなサービス固有のリスクが加わり、当初想定とは異なる状況が発生することにより当初の計画通りに進まない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑧ M&A等の投融資について
当社グループでは、今後の事業拡大のために、国内外を問わず出資、子会社設立、業務提携(アライアンス)、M&A等の投融資を実施する可能性があります。投融資の実行にあたっては、リスク及び回収可能性を十分に事前評価した上で決定してまいります。
しかしながら、投融資先の事業環境の変化、想定していたシナジー効果の未達、PMI(Post Merger Integration)の遅延・失敗、経営陣・従業員の統合・適応の困難さ、業務プロセスの統合の失敗等により、期待した事業成果を得られない可能性があります。また、投融資先の財務状況の悪化や事業環境の急変、法規制の変更等により、投融資額を回収できなくなるリスクや、取得した資産の減損処理を行う必要が生じるリスクもあります。特に、M&Aに伴い発生した「のれん」の減損リスクは、当社グループの財務指標や収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。
このような要因により、当社グループの業績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 特定の業務提携先への依存について
当社グループが提供しております、クレジットカード決済を主とする決済代行サービスやオンライン決済サービスは、特定の業務提携先との契約によるものであります。これら業務提携先からの、手数料引き上げ要求、契約打ち切り、取引内容変更等が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、業務提携先が受領したネットショップ売上金の当社グループへの入金が、何らかの理由で不能又は遅延した場合、当社グループのキャッシュ・フロー及び業績に支障をきたす可能性があります。
当社代表取締役上級執行役員CEOである鶴岡裕太は、創業者であり、創業以来代表を務めております。同氏は、EC及びオンライン決済サービスに関する豊富な知識と経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社グループは、取締役会における役員の情報共有や経営組織の強化を図り、また、執行役員制度を導入することにより、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、今後の成長戦略上必要なプロダクト開発計画の達成のため、従業員の育成、人材の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合は、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループは、今後更なる事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。
しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、今後の事業運営又は事業拡大に支障をきたし、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
第13期連結会計年度末時点において、税務上の繰越欠損金が存在しております。当社グループの業績が事業計画に比して順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当社グループの業績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社グループの役員及び従業員等に対して新株予約権(インセンティブを目的とした新株予約権(ストック・オプション)を含む)及び譲渡制限付株式を付与しております。また、今後においても当社グループ役員及び従業員の士気向上や優秀な人材の確保を図るため、ストック・オプションの発行や譲渡制限付株式の発行を実施する可能性があります。
2025年12月末日現在において、これらの新株予約権による潜在株式数は3,888,000株であり、発行済株式総数(自己株式を除く)115,096,321株の3.3%に相当します。
今後、これら新株予約権が行使された場合や、譲渡制限付株式を発行した場合には、将来的に既存株主が保有する株式価値の希薄化や需給関係に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは「Payment to the People, Power to the People.」をミッションとして掲げ、ネットショップ作成サービス「BASE」及び購入者向けショッピングサービス「Pay ID」を提供するBASE事業、オンライン決済サービス「PAY.JP」を提供するPAY.JP事業、資金調達サービス「YELL BANK」等を提供するYELL BANK事業、越境ECサービス「want.jp」を提供するwant.jp事業及び伴走型ネットショップ構築システム「Eストアーショップサーブ」を提供するEストアーショップサーブ事業を展開しており、これらのサービスを通して、個人及びスモールチームをエンパワーメントすること、スタートアップ企業を支援することに注力しております。
「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内物販系分野のBtoC-EC市場規模は、COVID-19の影響を受けた2020年や2021年と比べると緩やかではあるものの、堅調に増加しており、スマートフォンの普及率は一段落したものの、スマートフォン経由の販売は依然として全体平均よりも高水準で成長しました。国内サービス系分野は非常に力強く成長しており、2024年はCOVID-19感染拡大前の水準を上回る市場規模に成長しました。これらの状況は、当連結会計年度においても継続していると認識しており、物販ECを主軸とするBASE事業と、サービス系の加盟店が一定の比率を占めるPAY.JP事業が、持続的な成長を続ける要因となっております。
さらに、日本から他国へ輸出する越境EC市場規模も成長を続けており、今後も越境EC事業に参入する事業者は増加していくものと認識しております。
このような事業環境においてBASE事業では、幅広い個人及びスモールチームから圧倒的に選ばれるポジションを維持し、中長期にわたる持続的な成長を実現するために、引き続きプロダクトの強化に努めております。
PAY.JP事業では、スタートアップ企業やベンチャー企業をターゲットに、よりシンプルで導入や運用が簡単なオンライン決済機能を目指してプロダクトを強化し、既存加盟店の成長及び新規加盟店の拡大に努めております。
YELL BANK事業においては、当社グループのマーチャントを対象に低リスクな資金調達手段を提供し、全てのマーチャントのキャッシュ・フローにまつわる課題を解決することに注力しております。
want.jp事業においては、日本のEC運営者による世界中のローカルな販売網へのアクセスを容易にする越境ECサービスを提供しております。
さらに、2025年7月には、グループGMVの拡大を目的として、Eストアーショップサーブ事業を展開する株式会社Eストアー(以下、「Eストアー社」といいます)を子会社化しております。(注1)
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は20,729百万円(前年同期比29.7%増)、売上総利益は9,989百万円(前年同期比39.4%増)、営業利益は1,686百万円(前年同期比118.2%増)、経常利益は1,644百万円(前年同期比106.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,826百万円(前年同期比436.9%増)となりました。
なお、当連結会計期間より、Eストアー社を連結子会社化したことに伴い、「Eストアーショップサーブ事業」を報告セグメントとして追加しております。
(注1)当連結会計年度におけるEストアー社の連結損益計算書への取り込みは、10月から12月までの3か月分のみです。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度のBASE事業の流通総額は、月間売店数及び1ショップあたり月間平均GMVがともに増加し、前年同期比で増加しました。
また、BASE事業の収益性の向上を目的として、7月1日より、購入者向けショッピングサービス「Pay ID」のショッピングアプリを有料化しました。
以上の結果、当連結会計年度の流通総額は169,918百万円(注文ベース)、162,435百万円(決済ベース)(前年同期比10.2%増(注文ベース)、10.7%増(決済ベース))、売上高は10,832百万円(前年同期比19.1%増)、売上総利益は6,803百万円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は1,404百万円(前年同期比103.2%増)となりました。
PAY.JP事業では、オンライン決済サービス「PAY.JP」を提供しております。当連結会計年度における流通総額は、既存加盟店の流通総額が引き続き増加し、前年同期比で増加しました。さらに、売上総利益率も改善し、当事業においても、流通総額の成長を維持しながら、収益性を改善させることができました。
以上の結果、当連結会計年度の流通総額は229,427百万円(前年同期比10.5%増)、売上高は6,336百万円(前年同期比10.6%増)、売上総利益は929百万円(前年同期比23.3%増)、セグメント利益は329百万円(前年同期比34.0%増)となりました。
当連結会計年度におけるYELL BANK事業は、「YELL BANK」の事業成長及び機能改善等により、売上高及び売上総利益は前年同期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,120百万円(前年同期比24.1%増)、売上総利益は1,074百万円(前年同期比24.2%増)、セグメント利益は520百万円(前年同期比31.8%増)となりました。
当連結会計年度におけるwant.jp事業の売上高は1,139百万円(前年同期比340.9%増)、売上総利益は413百万円(前年同期比356.6%増)、セグメント損失は36百万円(前年同期は47百万円のセグメント損失)となりました。
なお、BASE事業と共同開発の越境EC機能「かんたん海外販売」を2026年1月に提供開始しております。
2025年7月にEストアー社を連結子会社化したことにより、2025年10月より連結損益計算書への取り込みを開始しております。当連結会計年度におけるEストアーショップサーブ事業の売上高は1,309百万円、売上総利益は767百万円、セグメント利益は187百万円となりました。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は57,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,514百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,137百万円、未収入金が5,120百万円、企業結合に伴いのれんが1,393百万円、顧客関連資産が1,183百万円増加したこと等によるものであります。なお、企業結合により流動資産3,143百万円、固定資産1,192百万円を受け入れております。
(負債)
当連結会計年度末における負債は42,683百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,995百万円増加いたしました。これは主に、営業未払金が8,623百万円、その他流動負債が715百万円増加したこと等によるものであります。なお、企業結合により流動負債2,774百万円、固定負債284百万円を引き受けております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は15,119百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,519百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,826百万円増加したこと、譲渡制限付株式報酬としての新株式発行等により資本金が112百万円、資本剰余金が112百万円増加したこと、新株予約権が190百万円増加したこと、企業結合により非支配株主持分が196百万円増加したこと等があった一方で、自己株式の取得による減少999百万円等があったことによるものであります。なお、2025年12月18日開催の取締役会決議に基づき行われた、剰余金の処分による欠損填補により、資本剰余金が456百万円減少し、利益剰余金が456百万円増加しております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、24,865百万円となり、前連結会計年度末に比べ864百万円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,283百万円(前年同期は3,657百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,644百万円、営業未払金の増加8,623百万円等であり、主な減少要因は、未収入金の増加5,127百万円、営業預り金の減少1,962百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,074百万円(前年同期は159百万円の使用)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入26百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出2,000百万円、新規連結子会社の取得による支出1,034百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,073百万円(前年同期は3百万円の獲得)となりました。主な減少要因は、自己株式の取得による支出1,007百万円、長期借入金の返済による支出80百万円等であります。
当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載を省略しております。
当社グループでは、概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
3.当連結会計年度において、want.jp事業の売上高に著しい変動がありました。これはwant.jp株式会社を前第3四半期連結会計期間末に連結の範囲に含めたことによるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は20,729百万円(前年同期比29.7%増)となりました。主に、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載の要因により、主にBASE事業及びPAY.JP事業において、流通総額が増加したことによるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は10,739百万円(前年同期比21.8%増)となりました。主な要因は、流通総額の増加により、決済代行業者等への支払手数料が増加したことによるものであります。
この結果、売上総利益は9,989百万円(前年同期比39.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は8,303百万円(前年同期は6,393百万円)となりました。主な要因は、マスマーケティング広告及びオンライン広告等の増加により広告宣伝費等が増加したこと、及び従業員数の増加等により給与手当や法定福利費等の人件費が増加したことによるものであります。
この結果、営業利益は1,686百万円(前年同期比118.2%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は85百万円となりました。主な内容は、受取利息39百万円、持分法による投資利益15百万円であります。また、営業外費用は127百万円となりました。主な内容は、暗号資産評価損57百万円、支払手数料37百万円であります。
この結果、経常利益は1,644百万円(前年同期比106.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は△187百万円となり、内容は、法人税、住民税及び事業税271百万円、法人税等調整額△458百万円であります。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,826百万円(前年同期比436.9%増)となりました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社サービスを拡大していくための開発人員の人件費、システム利用料、外注費等であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び銀行借入により調達することを基本方針としております。
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、人材確保・育成等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保するとともに、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
当社グループが今後の事業内容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
(注)1.契約締結時における相手先の名称は「ソニーペイメントサービス株式会社」でありましたが、2025年10月1日
付で社名が変更されております。
(注)1.契約締結時における相手先の名称は「SMBCファイナンスサービス株式会社」でありましたが、
同社グループの組織再編に伴い、「三井住友カード株式会社」に契約上の地位が承継されております。
2.契約締結時における相手先の名称は「株式会社イーコンテクスト」でありましたが、同社グループの
組織再編に伴い、「株式会社DGフィナンシャルテクノロジー」に契約上の地位が承継されております。
当社は、当社株主である牧寛之氏(以下「本株主」といいます。)との間で、当社の企業価値ひいては株主共同
の利益の最大化に向けた友好的なエンゲージメントの実施を目的として、2025年8月29日付で秘密保持契約(以下
「本秘密保持契約」といいます。)を締結し、また、2026年2月12日付で本秘密保持契約の有効期間を延長すること
に合意しております。
① 契約及び合意の内容
② 合意の目的
当社が、本株主との間で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の最大化に向けた友好的なエンゲージメント
を実施するにあたり、当社が本株主に開示する情報が当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に係るイ
ンサイダー情報に該当し又は該当する可能性があることを踏まえ、当該エンゲージメントを適切な環境の下で行う
ことを目的とするものです。
③ 意思決定の経緯
本株主が2025年5月7日から実施しておりました当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいま
す。)が、2025年8月14日をもって終了いたしました。
当社は、本公開買付けの結果を踏まえて本株主との間で協議を実施した結果、本秘密保持契約を締結することに
より、当社が従前有していた株主共同の利益に対する懸念はその有効期間中解消されることも踏まえ、本株主と友
好的なエンゲージメントを行うことができる環境が整ったものと判断し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益
の最大化に向けた友好的なエンゲージメントを開始することとし、本株主との間で、かかる友好的なエンゲージメ
ントを目的とする本秘密保持契約を2025年8月29日に締結いたしました。
当該判断にあたっては、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の意見も踏
まえて判断しております。
なお、2026年2月12日に、本秘密保持契約の有効期間を3か月延長することとしております。
当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結いたしました。
契約に関する内容等は、以下のとおりであります。
① 契約締結日
2020年8月31日
なお、当該契約は2025年8月31日が取引期限となっておりましたが、2026年8月31日に延長しています。
② 金銭消費貸借契約の相手方の属性
都市銀行
③ 金銭消費貸借契約に係る債務の期末残高及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容
該当なし
④ 財務上の特約の内容
各事業年度末日の決算期及び中間決算期のいずれかの末日における連結貸借対照表の純資産の部の金額が、
2019年12期の決算期の末日における連結賃借対照表の純資産の部の金額の70%未満とならないこと。
該当事項はありません。