当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「-BEING-存在しつづける」を企業理念に掲げ、「会社をつくる。人間をつくる。社会をつくる。」という経営目的のもと、時代や文明とともに進化するロジスティクス事業を探求し、時代にあわせた社会インフラの提供を通じて、企業、さらには社会システムのイノベーションを起こすような『リアルロジスティクス』の体現を目指してまいります。
マーケティングコンセプトとしては、「ロジスティクスのプロフェッショナルたれ」「必要を発見し、本質を発見する」「価値あるものしか、価格はつけない」の3つを掲げております。ロジスティクス事業を通し、社会インフラを支え、経済のライフラインを担うプロとして、お客様の真の問題を発見し、お客様にとって価値のあるサービスだけを提供できるよう、最善を尽くしてまいります。また、マネジメントコンセプトとして、「雇用は最大の社会貢献」を掲げ、雇用をすることが社会貢献の始まりと捉え、誰もが働ける企業グループとして雇用を守り抜くことを命題とし、人が仕事する場所を安易に奪うことのないように、最大限の努力を惜しまないことを約束しております。
(2)経営環境
政府の積極的な財政政策や賃上げ要請、インバウンド消費の増加などにより、社会・経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復となっております。一方で、世界的な政情不安や為替相場の急激な変動、継続する物価上昇などにより、依然として先行き不透明な状態が続いております。
また、物流業界においては、極めて多層的なピラミッド型の業界構造が形成されているのが特徴で、単純な輸送サービスのみでの生き残りは厳しい状況にあり、今後は事業者の淘汰が進む可能性が高いとみられております。
一方、近年ではこのような物流業界の現状を背景にして大きな変革の動きも見られています。まず、物流の需要者側の変化として、ネット通販市場の拡大や単身世帯の増加等による消費者の購買スタイルの変化に伴い、小口・多頻度の輸送ニーズが高まっております。また、物流の供給者側の変化として、小売業等の荷主企業は、店舗網の拡大や店舗運営の効率性向上のため、商品保管機能や輸配送機能の高度化を進めており、物流事業者においても大量の配送物を短期間で処理するための物流施設や保管・流通加工機能を備えた物流施設等の新設が増加しております。
このように、物流に関するニーズの多様化・高度化やインフラの整備が進む中で、当社グループの主軸事業である3PL事業の重要性は年々高まっており、その市場規模は10兆円を超える水準まで拡大しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは中長期的な安定した成長を遂げるため、「卸売業者の持つ物流センターの下請業者」から「卸売・小売業者向けの3PL事業者」への移行を進め、1:1の部分最適な物流ではなく、1:Nの全体最適な消費者向けの物流サービスの提供を展開してまいります。
また、当社グループの強みである拠点間物流を合理化するサプライチェーンの全体デザイン力をさらに拡充する技術・システム開発を推進し、モノを運ぶだけでなく、モノに関する様々なデータを収集・管理・分析し、サプライチェーンに携わる事業者同士を繋げ、クラウド上で管理する『データネットワークセンター』を構築し、当社グループの用意したDX(注1)プラットフォームを同業他社へと提供する、『小売ビジネスの物流プラットフォーマー』を目指します。
その中で、技術面とビジネスモデル面の研究開発を重要課題と捉え、AIやIoTを使った省力化設備や高生産性・高品質の業務フロー等の技術面及びDtoC(注2)、オムニチャネルに対応する物流ビジネスの研究開発に取り組んでまいります。
(注1)「DX」(Digital transformation)とは、デジタルトランスフォーメーションの略であり、「デジタル技術が進化し、人々の生活をより豊かにする」ことを指します。
(注2)「DtoC」(Direct to Consumer)とは、製造者が直接消費者と取引を行うビジネスを指します。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、上記のような経営戦略に基づき、小売・卸売事業者向けの3PL事業に注力し、顧客数拡大と事業エリア拡大を進め、データネットワークセンター実現に向けた技術面・ビジネスモデル面の変革に取り組んでまいります。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては次の3点を掲げております。
① 顧客数・・・顧客数の増加による事業の拡大を進めてまいります。
② 拠点数・・・拠点数の増加による事業の拡大を進めてまいります。
③ 輸送力・・・協力会社を含むグループ全体の取扱車両数の拡大を進めてまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、国内外における政治・経済情勢の変動等の懸念が払拭されておらず、今後も先行きの不透明感から積極的な投資が抑えられ、景気の膠着状態が続くものと思われます。また、少子高齢化による労働人口の減少、長時間労働や働き方等の労働問題、自動運転、AI、IT化・グローバル化による商流の変化や異業種からの物流参入など、時代の流れを捉えて早々に対応すべき大きな課題であると考えております。
このような状況のもと、当社グループは、将来的な物流事業者の在り方を見据えた経営資源の選択と集中による効率化・合理化を図ってまいります。今後、当社グループが対処すべき課題として、成長率の確保、利益率の向上、技術革新への対応、人財の育成、持続可能な社会の実現、物流業界の2024年問題への対応を掲げており、その取組については次のとおりであります。
① 成長率の確保
3PL業界は成長市場であり、物流の2024年問題への対応をはじめ、持続可能な物流網の構築が課題となっております。そのような中、当社グループ独自のビジネスモデル「運ばない物流」を推進し、新規獲得により既存エリア内の受託業務の拡大及び既存顧客内の当社シェアアップに注力し、関東から全国への展開を見据えた物流基盤の拡大を推進いたします。引き続き、年間4~8の新規業務開始を目標としてさらなる成長率の確保に努めてまいります。
② 利益率の向上
資源エネルギーの高騰により燃料費や光熱費の高止まり、賃金や外注費単価の引き上げなど、物流原価の上昇が続いております。そのような中、当社グループは自社開発の物流総合システム「Jobs」による物流DX化を推進し、各種物流データの蓄積・分析を進め、生産性を向上させ、予想される物量に対して適正な人員配置や配送コースを合理化するなど、原価コントロールの徹底により、利益率を向上させております。今後についても「Jobs」を活用した更なる生産性向上、原価コントロールの徹底を継続し、利益率の向上に努めてまいります。
③ 技術革新への対応
AI、IoT、自動運転等、物流業界を取り巻く環境は、ドラスティックな転換期を迎えており、時代を見据えた明確な成長戦略と先行投資が必要になると考えております。そのために、新しい技術を積極的に導入し、更なる機能拡充に努め、ロジスティクスの新しい価値を創造してまいります。
また、小ロット多頻度化する物流に対応していくためには、在庫管理を全体最適化することが不可欠であると考えております。各エリアで消費される物資のデータを蓄積し、分析に基づいた消費データによる「在庫モデル」をもとに、詳細に予測された地域在庫を管理する体制を構築することにより、小ロットの輸送コストの削減及び分散された労働力の集約を図ることが可能と考えており、実現化に向けてしくみを構築してまいります。
④ 人財の育成
将来の人財確保のために、多様化する従業員のやりがいに応える取り組みや制度を導入するとともに、当社グループの強みである現場力や物流品質の向上及び生産性の向上にプラスに働くしくみを構築してまいります。人財育成においては、集合研修及びオンライン研修の実施、eラーニングなど、育成環境の整備を進めております。育成内容につきましては、多様なスキルアップをはじめ、マネジメントなどの業務に関連したものに加え、リスク・コンプライアンスや従業員の自立や成長を促す教育プログラムを実施しております。
⑤ 持続可能な社会の実現
当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題の一つと認識し、2050年のカーボンニュートラル(Scope1およびScope2)の実現を長期目標として掲げております。
中長期的な目標としては、Scope1およびScope2の温室効果ガス排出量を対象に、2030年度に2019年比48%削減、2040年度に同80%削減することを目指しております。これらの目標は、世界的な脱炭素の動向や事業環境の変化等を踏まえて設定しております。
これらの目標達成に向けた主な取組として、2030年までに当社グループが自社所有する事業所における使用電力について、再生可能エネルギー由来の電力への転換を進めてまいります。また、低環境負荷車両の導入を段階的に進めるとともに、その導入効果の検証を行ってまいります。さらに、当社グループの事業特性を活かした取組として、「運ばない物流®」の推進を通して、顧客およびサプライヤーにおけるCO2排出量の削減に貢献してまいります。
Scope3の排出量に向けては、「責任ある調達」方針に基づき、サプライチェーン全体での排出量削減に向けた取組を推進してまいります。当社グループは、これらの取組を着実に進めることで、事業活動を通じた温室効果ガス排出量の削減を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
⑥ 物流業界の2024年問題への対応
物流業界の2024年問題といわれている、ドライバーの時間外労働時間規制において、当社グループでは、2019年より上限時間の段階的引き下げを実施し、ドライバーの労働時間管理体制を強化しております。2025年度よりさらに月間時間外労働時間70時間以内を目標として取り組んでおります。今後も段階的に時間外労働時間削減を進め、将来的には年間720時間以内(月間時間外労働時間60時間以内)を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次の通りです。
<ビーインググループ・サステナビリティ基本方針>
ビーインググループは、グループ理念のもとで、「社会の持続的発展への貢献」と「ビーインググループの持続的な企業価値の向上」を目指します。
<ビーインググループ・ESG行動指針>
1.環境(Environment)
・脱炭素社会の実現の為に積極的に地球温暖化ガスの排出量削減に取り組みます。
・循環型社会を目指し、資源の3R(Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再生))に取り組みます。
・「運ばない物流」など当社の特徴を活かしたサービスを提案し、お客様の環境価値の創出に貢献します。
・関係会社様とともに環境貢献活動を拡大します。
2.社会(Social)
・個人の人権と多様性(性別、国籍、障がいの有無、社会的地位、性的指向・性自認、価値観等)を尊重し、働きがいのある職場環境・風土づくりに努めます。
・公正・適切な評価を実施するとともに、ワークライフバランスに配慮します。
・地域社会とのコミュニケーションを深め、協力して環境課題へ取り組みます。またスポーツや文化活動などに積極的に参画し、地域社会の活性化に取り組みます。
3.ガバナンス(Governance)
・法令等の遵守を徹底し、取引先様と公正・適切な取引を行います。
・全てのステークホルダーに対し、適切な情報開示と責任ある対話を行います。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理
■ガバナンス
<サステナビリティ推進体制>
代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を四半期毎に開催し、サステナビリティに関する課題についての情報共有や審議を行います。重要な議題は適宜、取締役会で議論・決議を行います。
また、グループ全体のサステナビリティ推進・統括のための専任部署(サステナビリティ推進室)を当社に設けています。
サステナビリティ委員会の開催や運営は、グループ全体のサステナビリティ推進部署であるサステナビリティ推進室が担当しております。また、各グループ会社と連携した各種分科会活動を実施し、全社でサステナビリティ活動を推進しています。
■リスク管理
当社は、サステナビリティ経営を推進していく上での課題やリスクをサステナビリティ委員会で審議・決議しています。また、重要事項については、適宜、取締役会で審議・決議をしています。
(2)重要なサステナビリティ項目
上記ガバナンスおよびリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下の通りです。
① 気候変動
② 人的資本多様性
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次の通りです。
① 気候変動
当社グループは、気候変動への対応は「社会の持続的発展への貢献」および「ビーインググループの持続的な企業価値の向上」に関わる特に重要な経営課題の一つと位置付け、全社的に取組を進めております。また、気候変動の対応状況を適切に開示するため、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言およびサステナビリティ基準委員会(SSBJ)の基準に沿った情報開示に努めております。
当社は、2023年9月にTCFDへの賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムへ加盟いたしました。TCFDの枠組みに基づき、気候変動に伴うリスクおよび機会の特定・分析を行い、その結果を事業戦略および目標設定に反映させることで、持続可能な成長の実現および気候変動関連リスクへの適切な対応を目指しております。
■気候変動の取組に関するガバナンス
当社グループにおける気候変動への対応に関するガバナンス体制は、サステナビリティ全般を統括するサステナビリティ推進体制に基づいて構築しております。
具体的には、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を四半期ごとに開催し、気候変動への対応を含むサステナビリティに関する重要課題について、方針の検討、進捗状況の把握および情報共有を行っております。サステナビリティ委員会において審議された重要事項については、必要に応じて取締役会へ付議・報告され、取締役会において最終的な意思決定または監督が行われております。また、サステナビリティ委員会の下部組織としてサステナビリティ環境分科会を設置し、各グループ会社と連携のうえ、気候変動に関する具体的施策の検討および実行を進めております。
当社グループは、これらの体制を通じて、全社横断的に気候変動への対応を推進しております。
■戦略
気候変動に関する当社グループのリスクと機会の評価結果は下表の通りです。
※1:国連気候変動に関する政府間パネル(以下、IPCC)や国際エネルギー機関(以下、IEA)の
情報などをもとに2つのシナリオ(1.5℃シナリオ、4℃シナリオ、1.5℃のシナリオがない項目は
2℃シナリオにより補完)を想定。
IPCC…SPP5-8.5/SSP3-7.9(4℃シナリオ)、SSP1-1.9(1.5℃シナリオ)
IEA…STEPS:Stated Policies Scenario(4℃シナリオ)
NZE…Net Zero Emissions by 2050 Scenario(1.5℃シナリオ)
2: 各シナリオにおける全体の財務的影響額のうち80%を占めるものを「大」、95%までを占めるものを
「中」、残りを「小」の3段階で評価。 財務影響の算定対象外は「-」。
3:短期:~2025年、中期:2026~2030年、長期:2031~2050年
なお、発現時期(短期・中期・長期)の期間設定については、これまでのTCFD分析及び取組との継続性を踏まえ、本有価証券報告書においては、従来の定義を用いております。今後は事業環境や中期経営の進展を考慮し、期間設定の見直しを検討してまいります。
■リスク管理
当社グループは、社会の持続的発展への貢献と、当社グループの持続的な成長および企業価値の向上を実現するため、事業を取り巻くさまざまなリスクについて、事業への影響度および重要度を踏まえ、中長期的な視点で施策を立案し、対応していくことが重要であると認識しております。
特に気候変動は、重要性および緊急性の高い社会課題であるとの認識のもと、気候変動に関連するリスクおよび機会については、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ環境分科会において調査・洗い出しを行っております。同分科会で整理されたリスクおよび機会については、サステナビリティ委員会において評価・審議され、財務への影響が大きいと判断される事項については、適宜、取締役会へ報告し、審議を行っております。
また、特定されたリスクおよび機会への対応については、気候変動対応に関する各種計画や取組に反映するとともに、その実施状況を継続的に管理しております。さらに、下表に示す評価および管理活動を通じて、気候変動に関する個別リスクについてリスクマネジメントを実施しております。
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リスク中分類 |
リスク小分類 |
対応策 |
評価と管理活動 |
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政策・法規制 |
カーボンプライシング等の規制など |
全社でのCO2排出量削減への取組 (既存取組の延長) |
省エネをはじめとしたCO2排出量の削減に向けた取組状況は、毎月拠点部門や主管部門からサステナビリティ環境分科会に報告されます。最新の取組状況やグッドプラクティスをサステナビリティ環境分科会にて共有し、横展開を図っています。 |
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技術 テクノロジー |
低環境負荷車両の導入等低炭素輸送の実現要請 など
顧客のCO2を排出するサービス需要の縮小および環境意識の高まり |
計画的な設備投資などによるCO2排出量削減取組
EV、FCVなどの低環境負荷車両の調査・導入検討
協力会社のCO2削減取組支援 |
当社グループ内の車両選定を担当する物流事業本部は車両メーカーと定期的な打ち合わせを行い最新のテクノロジー情報を収集し、市場状況や評価情報はサステナビリティ環境分科会に報告され確認します。
事業拠点および各主管部門は設備投資の年度計画に環境対策を作成します。サステナビリティ環境分科会での確認およびサステナビリティ委員会での審議の後、稟議にて投資効果・損益への影響を報告し決裁(稟議決裁者は稟議規定に定めています)を得て実行します。また財務影響の大きな事案の投資計画は取締役会に報告いたします。
各拠点および物流事業本部は協力会社を定期評価し継続的な改善の仕向けと協力会社の方針や戦略への反映・整備をしていきます。 |
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市場 |
再エネの普及およびエネルギー資源の高騰 など |
車両や施設で使用するエネルギー費用の増加リスクの確認 |
燃料代や電力料金の損益への影響は定期的に経営管理部から経営層および関係部門に報告されます。また当社グループ組織の1つで北陸地区のグループ会社への燃料販売を行っている「北陸物流効率化事業協同組合」から毎月燃料価格情報が発信され各部門にて損益影響を確認します。 |
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評判 |
脱炭素への取組状況の遅延による風評被害 |
気候関連への取組状況の適切な情報開示 |
企業に求められるサステナビリティに関する活動や開示情報は、定期的にサステナビリティ環境分科会にて確認および対応策を協議し、必要に応じてサステナビリティ委員会において意思決定を行います。 |
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急性・慢性 |
異常気象の激甚化と頻度の上昇 海面上昇 豪雨長雨の定常化
平均気温の上昇 |
BCPを充実させ気象災害影響を最小限にできる取組
労働環境の整備 |
BCP主管部門と各事業拠点にて、ハザードマップを整備し気象情報等を展開しリスク回避を図っていきます。サステナビリティ環境分科会では その有効性を確認していきます。
災害が危惧される場合には、各事業拠点と物流事業本部でグループウェアを用いリアルタイムに安全安否など状況確認し、拠点・店舗・配送ルートへの影響や物量情報を共有します。在庫等情報はシステムで共有します。
各事業拠点管理者が 作業環境(室温など)が、管理範囲内であることを確認するとともに、生産管理システムを用い適切な休憩の取得などを管理していきます。 |
気候関連ガバナンス体制における会議体
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会議体 |
構成 |
役割 |
開催頻度 |
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取締役会 |
当社取締役、当社監査役 |
業務執行全般の意思決定を行う。 |
月1回 |
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サステナビリティ 委員会 |
委員長:当社 代表取締役社長 委 員:当社 各部責任者、 グループ会社 社長 |
気候変動対応を含むグループのサステナビリティに関する課題の共有と諸施策を審議、意思決定をする。 |
年4回 必要に応じて臨時開催あり |
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サステナビリティ 環境分科会 |
分科会長:当社 物流事業本部 副本部長 会 員:当社 関係部署担当者、 グループ会社 社長 もしくは担当者 |
サステナビリティ委員会の下部組織としてグループの気候変動関連の取組の検討と課題抽出・対策の立案と実働を担う。 |
月1回 必要に応じて臨時開催あり |
■指標と目標
2050年度のカーボンニュートラル達成を目指し、環境負荷低減に向けた活動を推進しています。
目標
▶2050年 カーボンニュートラルの実現(Scope1,2)
▶2030年 2019年比 Scope1,2 48%削減
▶2040年 2019年比 Scope1,2 80%削減
行動目標
▶2030年までに自社所有の事業所での使用電力を再生可能エネルギー由来に転換します。
▶低環境負荷車両を積極的に導入し効果を検証していきます。
▶「運ばない物流®」を通してお客様やサプライヤーのCO2排出量の削減に貢献します。
▶Scope3はサプライチェーン全体での排出削減に取り組みます。2050年度のカーボンニュートラル達成を目指し、環境負荷低減に向けた活動を推進しています。
※当社グループで排出する地球温暖化ガスはCO2であり、この削減に取り組んでおります。
CO2排出量
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2019年 (基準年) |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
2030年 目標 |
2040年 目標 |
2050年 目標 |
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Scope1+2 [t-CO2/年] |
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2019年比 48%削減 |
2019年比 80%削減 |
カーボンニュートラルの 実現 |
[2025年度のCO2排出量削減の取組]
当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題の一つと位置付け、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、Scope1およびScope2を中心とした温室効果ガス排出量削減の取組を推進しております。
1. Scope1(燃料起因排出)に関する取組
当社グループのScope1排出は、車両の燃料消費が大宗を占めております。このため、燃費向上運転の徹底、配送コースの最適化、アイドリングの抑制等、運行効率の改善を通じて燃料使用量の抑制に努めております。これらの取組により、前年比2%以上の排出削減を継続的な目標として設定し、改善活動を推進しております。また、脱炭素社会の実現に資する将来選択肢として、EV(電気自動車)・FCV(燃料電池車)・HV(ハイブリッド車)等の低環境負荷車両の導入に向けた検討を進めております。とりわけ、当社グループの主力である3t・4t級車両の電動化に関し、車両メーカー各社と定期的な協議・情報交換を行い、技術・供給動向を注視しつつ導入可能性を検討しております。さらに、既存の内燃機関車両や燃料供給インフラを活用しつつCO2排出削減を図り得る新技術として、合成燃料の導入可能性についても調査・検討を進めております。合成燃料は、製造コストや供給体制の構築といった課題が残る一方、将来的な有力オプションと認識しております。当社グループは、販売事業者、関連自治体、業界団体・協会等と連携し、最新の技術・制度動向や導入上の課題を把握するとともに、実装に向けた具体的な可能性を探る協働を進めております。
2. Scope2(電力起因排出)に関する取組
Scope2排出削減に向けて、当社は2025年度末までに、全ての自社センターにおける太陽光発電設備の設置を完了しました。これにより、各センターにおいて使用電力の一部を自家発電により賄っております。
2025年度においては、グループ全体の電力使用量の約18%相当を自家発電により供給しました。
また、夜間など太陽光発電が行えない時間帯や、外部倉庫(賃貸)など自社設備の設置が困難な拠点については、再生可能エネルギーに由来する電力の調達により対応しております。
これらの取組により、全ての自社センターにおける再生可能エネルギー由来電力への切替率は83.9%となり、電力使用に起因するCO2排出量を合計で約3,814[t-CO2]削減しました(ロケーション基準)。
3. 2025年度の削減実績
上記の取組の結果、2025年度のScope1および2におけるCO2排出量は前年度比18.0%、2019年比で18.8%の削減となりました。
※ESGデータの詳細につきましては当社ウェブサイトにて公開しております。
② 人的資本多様性
当社グループでは、物流現場を担う人財こそがサービスの原点であり、社会への貢献であることから、「人財の重要性」とその人財を育成する企業の責任を強く認識しております。人財の価値を最大限引き出すべく、社内環境の整備や従業員満足度の向上と組織の活性化を推進することを通じて、「社会の持続的発展への貢献」と「当社グループの持続的な企業価値の向上」を実現してまいります。
■戦略[基本的な考え方・方針]
<人財育成方針>
・教育とは、教えて育てることにあらず。自ら育つことを教える。それが「教育」である。
自ら育つ意欲があれば、誰もが成長できる。
Being Groupは、社員が成長する機会を惜しまず提供します。
・『会社をつくる。人間をつくる。社会をつくる。』
300年つづく企業となり、社会に対して永続的に貢献するために、Being Groupは人財育成に尽力します。
<社内環境整備方針>
・働きがいのある職場環境・風土づくりを進めます
・公正・適切な評価制度を導入します
・ワークライフバランスに配慮します
・健康経営を推進します
■人的資本にかかる「戦略」(方針)に関連した「指標と目標」
当社グループは、人財を持続的な企業成長を支える基盤と捉え、従業員一人ひとりの能力開発と成長支援を重要な経営課題として位置付けております。
当社グループは、労働市場の逼迫による人材確保・定着の困難化や、多様性の不足による組織力・競争力の低下を、事業の持続的成長に影響を及ぼす重要なサステナビリティ関連リスクとして識別しております。
一方で、多様な人材の活躍促進および従業員エンゲージメントの向上は、生産性の向上並びに中長期的な企業価値向上に資する重要な機会であると認識しております。
上記のリスク及び機会に対応するため、当社グループは、人財育成並びにダイバーシティ推進を人的資本戦略の中核に位置付け、以下の指標及び目標(実績・目標値を含む)を設定しております。
人財育成の強化を目的として、集合研修、オンライン研修、eラーニング等の多様な学習機会の提供並びに育成環境の整備を進め、継続的な能力開発を推進しております。育成内容については、業務遂行に必要な専門スキル及びマネジメント能力の向上に加え、リスク・コンプライアンス等を含む教育プログラム※を導入し、従業員の自立性や主体的な成長を促す体系的な人財育成を推進しております。
当該取組の成果及び人的資本戦略の進捗を測る指標として「女性管理職比率」を設定するとともに、多様性の確保及び働きやすい職場環境の整備状況を把握する指標として、「外国籍従業員数」「育児休業取得率」「有給休暇取得率」を選定しております。各指標については、中長期的な向上を目指し、継続的なモニタリング並びに施策の改善に取り組んでおります。
また、従業員エンゲージメントを、働きやすい職場環境の整備状況及び組織の持続的成長を把握する上で重要な要素と捉え、定期的な把握を通じて、職場環境や制度の改善につなげております。
※教育プログラムの詳細につきましては、当社ウェブサイトにて公表しております。
<人財育成の成果指標>
女性管理職比率
女性管理職登用を加速するためには、ワークライフバランスの充実を課題と捉え、性別に関係なく全社員が働きやすい制度面の充実と多様な価値観を受け入れる組織風土の醸成を進め、社員が継続的に能力を発揮できる環境整備に取り組んでおります。当社グループでは、女性管理職比率の改善は取り組むべき重要な社会課題の一つと認識しており、今後も引き続き管理職の女性比率の向上を進めてまいります。
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項目 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
目標 |
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3.7% |
3.3% |
8.0% |
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<ダイバーシティ及び働きやすさの指標>
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項目 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
2030年 目標 |
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外国籍従業員 |
183名 |
219名 |
268名 |
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全従業員の 10%相当 |
2025年度の目標は380名に相当し、目標未達となっております。
育児休業取得率
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項目 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
目標 |
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12.5% |
66.7% |
57.1% |
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50.0% |
100% |
100% |
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注1)男性育児休業取得率:当該期間の対象者※1名、取得者0名のため、0%となっています。
※対象者:当該期間に子の出生等により育児休業の取得要件を満たした男性従業員
注2)当社グループの人的資本に関する目標値については、社会動向や制度動向を踏まえ、日本政府が掲げ
る目標水準に整合させる形で、2030年を目標年次として設定しております。
有給休暇取得率
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項目 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
目標 |
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77.1% |
66.9% |
68.2% |
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従業員エンゲージメント
当社グループは、従業員エンゲージメントの向上を重要事項の一つと位置付け、経営戦略に基づく人財育成と組織基盤の強化を推進しています。従業員エンゲージメントの向上は、「社会の持続性への貢献」、「当社グループの持続的成長」および「企業価値の向上」に大きく寄与するものと認識しております。
当社グループでは、2023年度より、全従業員を対象とした従業員エンゲージメントアンケートを毎年実施し、組織の現状把握と改善に向けた重要指標として活用しています。アンケート結果の分析にあたっては、経営層が目指す組織像と従業員の職場満足度や意識とのギャップを可視化し、抽出された課題について緊急度や重要度の観点から整理し、これらの分析結果をもとに、改善施策の検討から実行、進捗管理までを継続的に推進しております。
施策の一例として、組織拡大に伴い重要性が高まっている「コミュニケーションの充実」に着目し各職場における情報共有の強化や、上司・同僚間の対話機会の確保・促進に取り組んでいます。これにより、円滑な組織運営と働きやすい職場環境の整備を進めるとともに、従業員一人ひとりが安心して能力を発揮できる環境づくりを推進しています。
当社グループは、今後もこれらの取組を深化させることで、従業員エンゲージメントの一層の向上を図ってまいります。
※当社グループではウェブサイトのサステナビリティページにおいて、一部2019年度からのデータを掲載しております。
当社グループの事業活動において財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。ただし、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。以下においては、将来に関する事項が含まれております。当該事項は本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1)法的規制について
国土交通省は、自動車運送事業者の適正化を図るため、自動車運送事業者の法令違反に対する点数制度を導入しております。そのため、当社グループが使用する車両に対し、過積載などによる累積点数により車両の使用停止・事業の停止・許可の取消処分等の罰則を受ける場合があります。そこで、当社グループでは、安全衛生会議を毎月開催し、適正な業務活動を継続するよう努めております。安全衛生会議では、法令違反・事故の情報共有、再発防止策の周知徹底、ヒヤリ・ハット事例による教育を実施し、安全かつ適正に業務を遂行するために、社内免許制度や総務部安全管理課による業務確認やチェーン装着などの定期的な講習を行い、安全品質の向上を図っております。さらに、協力会社に関しても、当社グループと同様の安全教育を実施し、当社グループが請け負う業務全般に対する安全管理、品質の維持に努めております。このような体制の下、現状において許認可等が取消しとなる事由等は発生しておりませんが、今後、許認可等の取消しや事業停止等の処分を受けた場合には、停止期間の営業収益減少リスクが生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
主要な許認可等の概要は、以下のとおりであります。
|
許認可等の名称 |
法律名 |
監督省庁 |
有効期限 |
取消事由 |
|
一般貨物自動車運送事業 |
貨物自動車運送事業法 |
国土交通省 |
なし |
同法第33条 |
|
第一種貨物利用運送事業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
なし |
同法第16条 |
|
倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
なし |
同法第21条 |
|
一般乗用旅客自動車運送事業 (タクシー) |
道路運送法 |
国土交通省 |
なし |
同法第40条 |
|
一般貸切旅客自動車運送事業 |
道路運送法 |
国土交通省 |
5年 |
同法第40条 |
|
普通自動車分解整備事業 |
道路運送車両法 |
国土交通省 |
なし |
同法第92条他 |
|
揮発油販売業者登録 |
揮発油等の品質の確保に関する法律 |
総務省 |
なし |
同法第11条 |
(2)人財確保に関する影響について
当社グループは、労働集約型の事業を展開しているため、事業を拡大していくうえで質の高い人財の確保が必要であります。また、将来的な労働人口の減少への対策として、物流センターにおいてはロボットの導入等による自動化への対応、車両においては自動運転技術の対応等、省人化に向けての準備を進めております。しかしながら、適正な人財を確保できない、又は人財確保に係る費用が大幅に増加する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特定取引先への依存について
当社グループは、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアの物流業務を、小売・卸売企業から受託する3PLを主たる事業としております。営業収益の中心である取扱物量だけでなく、事業拠点の拡大及び縮小など、特定の取引先に対する依存度が高くなる傾向にあります。2025年12月期における営業収益に占める上位2社(連結営業収益に占める割合)は、株式会社クスリのアオキ(35.5%)、株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズ(三菱食品株式会社)(11.7%)であります。取引関係維持のため、競争力の維持・強化など最大限の努力をしておりますが、取引先が事業戦略を変更した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害等による影響について
当社グループの事業拠点は、北陸、関東、関西、東海、東北エリアの複数箇所に点在しております。万一、地震や火災が発生しますと、取引先はもとより当社グループの事業活動に影響を及ぼすことが予測されます。さらに、近年の豪雪や猛暑等の異常気象が当社グループの事業活動に影響を及ぼすことも予測されます。事業活動の継続のために災害等に備えておりますが、災害の規模によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)経済動向等による影響について
当社グループの物流センターで取り扱う商品は、食品・医薬品・日用雑貨が中心であります。そのため、国内景気の大幅な落ち込みによる廉価品の普及や、病気・災害等により購買活動が自粛・制限等される場合には、当社グループの取引先である卸売・小売企業の売上に影響を及ぼし、当社グループの取扱物量や通過金額(注)が減少することが予測されます。そのような経済動向の場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)通過金額とは、物流センターから出荷された商品の金額(卸売金額)であり、通過金額に契約により定められた料率を乗じて算出した料金が当社グループの営業収益となります。
(6)重大な事故等による影響について
当社グループは、公道を利用してトラックによる商品の配送を行っております。さらに当社グループが所有するトラックを使用するだけでなく、協力会社に配送業務を委託しております。交通安全・事故防止のために、デジタルタコグラフ(注1)やセーフティレコーダー(注2)を使用した運行管理を実施する他、当社グループ及び協力会社に対して安全運転教育を実施する等、様々な取組を行っております。しかしながら、万一、重大な事故や違反等が発生した場合には、被害者からの訴訟や、顧客からの信頼喪失及び社会的信用の低下の他、車両の使用停止又は業務停止あるいは認可取消などの行政処分等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注1)デジタルタコグラフとは、自動車運転時の速度・走行時間・走行距離などの情報をメモリーカード等に記録するデジタル式の運行記録計のことを指します。
(注2)セーフティレコーダーとは、安全運転・燃費向上を目的に、「いつ」「どこで」「どういう運転」をしたか運行状況が確認できる車載機のことを指します。
(7)原油価格等の変動について
当社グループは、事業用車両の燃料として軽油及びガソリンを使用しております。そのため、原油価格・為替レートの変動による軽油及びガソリンの購入価格の変動に備えたコスト管理をしております。しかしながら、配送コスト増加相当分を料金に転嫁できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)規制緩和等による影響について
当社グループは、物流事業及び旅客事業を展開しており、トラック、バス、タクシーを保有しております。近年のドライバー不足等解消を目的として、道路運送法及び貨物自動車運送事業法等が改正され、事業参入障壁が緩和された場合には、物流事業者と旅客事業者間での業務提携やM&Aが加速する可能性があります。さらに、小規模事業者の参入が増加した場合には、競争激化に伴う輸送費及び3PL業務委託費の見直し等が発生し、営業収益減少が予測されます。このような規制緩和への対応が遅れた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)競合先の多様化による影響について
当社グループの取引先は、卸売企業、小売企業が中心であります。取引先が卸売企業の場合は物流事業者間の競合となりますが、取引先が小売企業の場合は物流事業者間のみならず卸売企業とも競合することとなります。また、ネット販売の拡大により、生産者と消費者の間にある小売、卸売、物流企業の垣根が希薄化し、異業種からの参入や、新たな商流及び流通スタイルの登場により競合が激化することが予測されます。このような競合先の多様化への対応が遅れた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)有利子負債依存度及び金利等の変動による影響について
当社グループは、事業拠点の新設や車両の入替のために継続的な設備投資を行っております。設備投資に係る必要資金については、主に金融機関からの借入金を充当しており、2025年12月31日現在において有利子負債残高は6,784百万円であり、有利子負債依存度は33.4%と高い水準にあります。また、一部の借入金については変動金利で調達しております。
当社グループでは、健全な企業経営の目的のもと、有利子負債の削減に努め、借入金は金利の固定化を進めておりますが、今後の市場金利の動向により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)システムダウンによる影響について
当社グループでは、コンピューターシステムを使用して物流センター業務、運送業務等を管理しております。システム管理については、当社グループ全事業所の管理を一元化しており、システムダウンなどのリスク回避のための体制を講じております。しかしながら、予期せぬシステムダウンが生じ、あるいはシステムそのものを破壊された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報漏洩による影響について
当社グループは、物流業務受注に際し、取引先の商品情報等を取り扱うことがあります。そこで、情報の重要度によってアクセス制限を設け、許可者のみが顧客の商品情報等を取り扱いできるように社内体制を整備しております。また、社外への情報漏洩を防ぐことを目的として、ノートパソコン等の情報機器及び端末の持ち出しを許可制度とし、管理を徹底しております。しかしながら、情報漏洩やデータ破損の事態が生じた場合には、顧客からの信頼喪失や社会的信用の低下を招くほか、損害賠償請求等を受け、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)環境規制による影響について
当社グループは、物流事業における配送手段として多数のトラックを使用しており、排出ガス規制等の環境関連法令の適用を受けております。当社グループでは、関係法令及び通達等を基準とした環境対策を自主的に進める目的のもと、低公害車を導入し、セーフティレコーダーを利用したエコドライブの教育及び実践を取り入れております。しかしながら、想定を上回る環境規制が実施された場合には、対応する費用の増加により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)M&Aによる影響について
当社グループは、既存事業の規模拡大や新規エリアへの事業進出に際し、事業戦略の一環として資本参加や資本提携、M&Aを行っております。それらの実行に先立ち、慎重かつ綿密に分析・検討を行っております。しかしながら、事業計画が大幅に遅れて収益計画への影響等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)自動化への対応による影響について
物流業界を取り巻く環境は、物流倉庫の大型化、自動化、トラックの自動運転化など大きく変化しております。当社グループは、人の代わりとなる設備投資としての自動化・ロボット化への対応ではなく、主に生活物資を取り扱う物流事業者として、緊急時や災害時においても対応が可能な「人を補助する」設備を中心に開発・導入していく方針としております。その場合、独自の機器、設備を開発・導入する投資が増え、投資回収や収益性を実現できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)支配株主との関係について
当社の代表取締役社長である喜多甚一は支配株主に該当しております。喜多甚一は、同氏の資産管理会社である株式会社喜多商店及び二親等内の親族との合算対象分を含めて、本書提出日時点で当社株式の60.86%を保有しております。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、今後、市場で当該株式の売却が行われた場合、又は売却の可能性が生じた場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先へ譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社グループの経営戦略等に影響を与える可能性があります。
(17)業績の季節変動について
当社グループの物流センターで取り扱う商品は、食品・医薬品・日用雑貨が中心であります。そのため、12月には各種イベントや年末商戦によって年間で一番の繁忙期となり物流センターで取扱物量が増加致しますが、その反動により1月は閑散期となり取扱物量が減少する傾向にあります。また、2月は他の月と比べると日数減の影響を受け取扱物量が少なくなる傾向にあります。これらの季節変動による取扱物量及び営業収益の増減を踏まえて、当社グループの利益計画を策定しておりますが、各種イベントや年末商戦等の生活習慣や慣例の予期せぬ変更が生じ、当社グループの取扱物量が減少し営業収益に影響が出た場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における経済状況としては、雇用・所得の改善を背景に個人消費が持ち直し、インバウンド需要
も堅調に推移するなど、景気は緩やかな回復基調を維持しております。一方で、資源・エネルギー価格の高止まり
や、米国の関税政策をはじめとする各国の経済政策の影響により、為替相場は依然として不安定な動きを見せてお
り、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
物流業界においては、物流の2024年問題による時間外労働の規制や人口減少による人手不足の影響から物流業者
の倒産は過去最多となっており、物流業界のM&AやTOBなどによる物流再編の動きが活発化しております。ま
た、資源エネルギーの高騰、賃金ベースアップ、時間外労働時間の規制による外部委託費用の値上げなどの影響に
よって物流コストが上昇していることに加え、ドライバー不足や労働時間規制により、従来の運用のままでは配送
出来ない事態が訪れることが懸念されております。
このような社会情勢の下、当社グループは、クリーンエネルギーへの転換、従業員の賃金の見直し、2024年問題
に係るドライバーの時間外労働時間の改善を図るとともに、「生活物資に特化した物流への経営資源の集中投資」
「関東から全国への展開を見据えた物流基盤の構築」「量の拡大と質の変革による長期成長イメージ」の3つを成
長戦略とし、業務に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、自社保有の物流センターへの太陽光パネルの設置やCO2を排出せずに発電された
電力の調達を行い、再生可能エネルギーの活用を進めております。また、自社開発システム「Jobs」でこれまで蓄
積した物流センターにおける物流情報とAIによる物量予測を活用し、既存センターの業務の見直し及び適正人員
の配置を進めております。
前年稼働拠点や既存拠点で獲得した新規業務は安定稼働しており、既存業務と併せて堅調に事業を拡大しており
ます。3月には「野田センター」、「金沢鞍月センター」、4月には「富山SCMセンター」、「金沢海浜センタ
ー」、6月には「三重低温センター」、「富谷DC」「常総DC」「芳賀DC」「伊勢崎DC」、8月には「厚木
猿ケ島センター」、9月には「福島DC」、10月には「小牧LC」、「岩槻センター」、11月には「金沢TT
C」を開設しております。また、取扱業務の拡大や合理化に対応するため、4月には「富山低温センター」を閉鎖
し、「富山SCMセンター」に統合、9月には「東海SCMセンター」を移転、10月には「名古屋物流センタ
ー」を閉鎖し、「小牧LC」に統合、11月には「金沢流通センター」を閉鎖し、「金沢SCMセンター」に統合
しております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、営業収益33,515百万円(前年同期比11.0%
増)、営業利益2,304百万円(前年同期比2.7%増)、経常利益2,266百万円(前年同期比0.3%増)、親会社株主に
帰属する当期純利益1,402百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
なお、当社グループは「物流事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は9,145百万円となり、前連結会計年度末に比べ468百万円増加いたしまし
た。これは主に営業未収入金が340百万円および現金及び預金が44百万円増加したことによるものであります。固
定資産は11,121百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,574百万円増加いたしました。これは主に建設仮勘定が
378百万円減少した一方で土地が1,298百万円、建物及び構築物が447百万円及びリース資産が255百万円増加した
ことによるものであります。
この結果、総資産は20,266百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,043百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は6,187百万円となり、前連結会計年度末に比べ279百万円減少いたしまし
た。これは主に営業未払金が294百万円増加した一方で、短期借入金が500百万円および未払法人税等が157百万円
減少したことによるものであります。固定負債は5,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,159百万円増加
いたしました。これは主に長期借入金が846百万円およびリース債務が259百万円増加したことによるものであり
ます。
この結果、負債合計は、11,604百万円となり、前連結会計年度末に比べ880百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,662百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,163百万円増加いたし
ました。これは主に利益剰余金が1,028百万円および非支配株主持分が126百万円増加したことによるものであり
ます。
この結果、自己資本比率は40.1%(前連結会計年度末は38.9%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ166百万円
減少し、当連結会計年度末には4,607百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,213百万円(前年同期は2,466百万円の収入)となりました。これは主に、
税金等調整前当期純利益2,269百万円、法人税等の支払額867百万円、減価償却費758百万円、売上債権の増加
340百万円及び仕入債務の増加294百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,110百万円(前年同期は767百万円の支出)となりました。これは主に、有
形固定資産の取得による支出2,023百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は269百万円(前年同期は974百万円の支出)となりました。これは主に、長期
借入による収入1,900百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出907百万円、短期借入金の純減額
500百万円、配当金の支払額373百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出335百万円等によるも
のであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
物流事業 |
32,659 |
11.08 |
|
その他 |
855 |
8.71 |
|
合計 |
33,515 |
11.02 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社クスリのアオキ |
10,529 |
34.8 |
11,921 |
35.5 |
|
三菱食品株式会社及びそのグループ会社 |
3,858 |
12.7 |
3,927 |
11.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(営業収益)
前連結会計年度末に立ち上げた業務が通年稼働したことや、既存業務の拡大により、堅調に増収しております。また、新規拠点として「野田センター」、「金沢鞍月センター」、「富山SCMセンター」、「金沢海浜センター」、「三重低温センター」、「富谷DC」「常総DC」「芳賀DC」「伊勢崎DC」、「厚木猿ケ島センター」、「福島DC」、「小牧LC」、「岩槻センター」、「金沢TTC」を開設し、新規業務にて増収しております。この結果、営業収益は33,515百万円(前連結会計年度比11.0%増)となりました。
(営業原価、営業総利益)
新規業務稼働に伴うイニシャルコストの発生や燃料単価高騰による燃料費及び水道光熱費の上昇、物流の2024年問題や最低賃金上昇による人件費高騰等の影響に加え、東海SCMセンターの移転に伴う初期費用等の影響によって営業原価が増加したことで、営業原価は29,733百万円(同11.8%増)となりました。この結果、営業総利益は3,782百万円(同4.6%増)となりました。また、営業総利益率は11.2%(前連結会計年度は11.9%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
管理スタッフの増員による労務費や新規立ち上げに伴う旅費交通費が増加した一方、昨年度発生した能登半島地震に関する義援金の減少等により、販売費及び一般管理費は1,477百万円(前連結会計年度比7.6%増)となりました。この結果、営業利益は2,304百万円(同2.7%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用及び経常利益)
受取保険金38百万円、助成金収入17百万円等を計上したこと等により営業外収益は86百万円となりました。また、支払利息62百万円、貸倒引当金繰入額57百万円、シンジケートローン費用等3百万円等を計上したことにより営業外費用は125百万円となりました。この結果、経常利益は2,266百万円(同0.3%増)となりました。
(特別利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
投資有価証券売却益27百万円、固定資産売却益9百万円を計上したことにより特別利益は37百万円となりました。また、固定資産除却損15百万円、賃貸契約解約損18百万円を計上したことにより特別損失は34百万円となりました。法人税等を689百万円、非支配株主に帰属する当期純利益177百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,402百万円(同2.0%増)となりました。
また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の各指標等の達成・進捗状況については、以下のとおりであります。
|
経営指標 |
前連結会計年度 (2024年12月31日) |
当連結会計年度 (2025年12月31日) |
|
|
実 績 |
計 画 |
実 績 |
|
|
顧客数(社) |
25 |
29 |
30 |
|
拠点数(拠点) |
59 |
67 |
71 |
|
輸送力(台) |
1,520 |
1,650 |
1,724 |
(注)1.顧客数は、年間の営業収益が1億円以上の取引先のみ記載しております。
2.拠点数は、既存の拠点を移転し、新たに11拠点開設したことにより、2025年12月31日現在71拠点となりました。
3.輸送力は、新規拠点開設に伴う自社車両の増加や新たな協力会社が増加した結果、2025年12月31日現在1,724台となりました。なお、総台数における自社車両台数は335台であります。
上記のとおり、当連結会計年度においては、順調に進捗しており、当社グループの中長期的な経営戦略は概ね計画どおりに進捗しているものと判断しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における資金需要としては、事業運営を円滑に行うための費用や一般管理費等の営業費用として充当される運転資金と物流センター等の事業拠点の新設や車両の入替のために充当される設備資金があります。なお、当社グループの設備投資計画等の内容については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
また、これらの必要資金の財源については、いずれも原則として内部留保による手元資金の充当及び社債や銀行借入れ等の有利子負債により調達しております。なお、設備資金のための銀行借入については、株式会社三菱UFJ銀行をエージェントとするシンジケートローンを締結しており、当連結会計年度末における借入金実行残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 貸借対照表関係」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
該当事項はありません。
該当事項はありません。