当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「資材調達ネットワークを変革する」という企業理念を掲げております。事業者を取り巻く資材調達環境を変革することにより、株主を含めた全ての利害関係者の期待と信頼に応え、継続的に企業価値を向上させていくことを経営の基本方針としております。
日本の間接資材市場は、多品種・少量購買という特性から、価格の不透明さやプロセスの非効率さが課題となっていました。これを膨大な商品データと独自のアルゴリズムを活用したデータドリブン経営により変革し、生産性を向上させ、顧客である事業者がより本業に集中できる「時間価値」を提供していくことが、当社グループの存在意義であり、利益の源泉であると考えております。そして当社グループは、日本で一定規模にまで成長するに至ったビジネスモデルを海外にも応用し、世界規模での資材調達ネットワークの変革に取り組んでまいります。
当社グループでは、企業規模の拡大、利益の極大化と、株主価値の拡大という視点に立ち、収益に関する指標としては「売上高」「売上高営業利益率」を、また株主価値に関する指標として「株主資本当期純利益率(ROE)」を重視してまいります。
当社グループは、短期的ではなく継続的に好業績を得ていく企業、企業価値においても社会から高く評価される企業を目指し、お客様からみてよりシンプルな流通体制への変革を始めとした戦略を、より一層スピードをあげて進めてまいります。そして、一物一価の市場を目指して、次の戦略を実施してまいります。
① 非合理的な流通構造の中で、情報弱者となり十分なサービスを受けていない中小の事業者に、インターネットを主とする効率的な通信販売で高いサービスレベルを実現する。
② 価格よりも調達における利便性が重視される商材に高い検索性を与えるとともに、業界随一の幅広い品揃えと在庫を備え、サービスレベルとコスト面から最適な物流網を通じて提供することにより、差別化と効率化を図る。
③ 累積する受注・顧客データベースを整備・分析したマーケティングで顧客の囲い込みを行う。
④ 自社にてソフトウエア開発からコンテンツ制作までを行う一方、必要に応じて最先端の第三者提供サービスも用いることにより、低コストで機動性の高いシステムを構築する。
⑤ 従業員のモチベーションと自主性を重視することで高い生産性をあげる。
また、当社グループは、事業展開のスピードを重視するうえで、絶えず企業モデルを進化させることが重要であると考えており、それを支える人材の採用と教育にも十分な投資を行ってまいります。
当社グループでは、インターネットを通じた国内外の間接資材の販売におけるビジネスモデルの進化と、それを進化させるうえで必要となるサービスを展開するための成長投資により、中長期的に15%超の売上成長率とそれを超える利益成長の実現を目指します。
また、当社として認識する株主資本コストの水準を踏まえ、ROE30%以上の実現を目指して事業を推進してまいります。そのため、国内外での事業拡大に向け、技術革新とオペレーション進化への投資を行ってまいります。
当社グループにとって、新規顧客の獲得は引き続き大きな成長の源泉となります。当社グループは、検索エンジンへのインターネット広告の出稿と当社ウェブサイトを検索エンジンにおいて上位に現すための検索エンジン最適化(SEO)の取り組みを主軸とし、当社グループ事業の成長に伴い蓄積させたデータと知見を活用して、今後も顧客獲得活動を積極的に展開いたします。また、商品検索傾向等から推論した顧客の生涯価値をベースに、マーケティングへ投下するリソースを最適化することで、顧客のご利用の定着率を向上することにより新規獲得顧客の生涯価値の向上を図ります。加えて、販促基盤を活用しチラシなどのプロモーションにより顧客の離脱防止を図るとともに、休眠顧客に対してはご利用再開を促すことにより、顧客基盤の拡大を図ります。
大企業向けのエンタープライズ事業は、売上構成比の約3割を占め、当社グループの成長ドライバーとなっております。当社はより多くの大企業顧客に対して当社サービスの利用を促し、生産性の向上、ひいては競争力の向上に役立てていただけるように、積極的な営業活動を展開し、一層のサービス水準の向上に努めます。
当社グループにおける顧客基盤の拡大に伴い、顧客需要のある商品は多様化します。多様化する顧客需要を的確に捉え、一般的にはロングテールといわれる購買頻度の少ない商品も含め、取扱商品を拡大させ、新規カテゴリへの拡張、更なる顧客基盤の拡大へと展開してまいります。また、当社グループ事業の成長に伴う取扱数量増を基に、プライベートブランドを積極的に採用することにより、顧客に対して低価格かつ安定的品質の商品を提供し、当社グループの利益率改善にも努めてまいります。
当社グループ事業の成長に伴い蓄積するデータを活用し、その分析を深めていくことで、より顧客の購買ニーズに合致し、効果の高いプロモーション活動を展開してまいります。また、進歩が著しい情報解析分野における先端技術を吸収し、各々の顧客が必要な商品を可能な限り容易に見つけて注文できるように、当社グループにおけるウェブサイトの商品検索性及び利便性を継続的に高めてまいります。
当日出荷により、注文された商品を顧客に早く届けることは、当社の重要な強みの一つであります。従って、当社グループが成長する上では、物流センターにおける出荷能力の向上及び在庫商品の拡充による顧客への迅速かつ安定的な商品提供が不可欠であります。当社グループは、2017年から稼働している「笠間ディストリビューションセンター」に加え、2021年に「茨城中央サテライトセンター」、2022年に「猪名川ディストリビューションセンター」を開設しました。「水戸ディストリビューションセンター」の建設を進め、更なるオペレーションの効率化を推進してまいります。当社グループは、投資及びコストを適切にコントロールしつつ、より高い利便性を実現できる物流網を構築してまいります。
当社韓国子会社であるNAVIMRO Co., Ltd.は、2013年に営業を開始して以来、積極的な顧客獲得活動を推進し、順調に顧客基盤を拡大させるとともに、取扱商品及び在庫商品の拡充を進めております。2016年に株式取得しましたインドネシア子会社であるPT MONOTARO INDONESIA及び2020年に株式取得しましたインド子会社であるIB MONOTARO PRIVATE LIMITEDにつきましても、事業基盤の確立及び成長に向けた取り組みを一層推進してまいります。
当社は、サステナビリティについての取り組みを強化するため、サステナビリティ委員会を設置し、資材調達ネットワークの変革による、事業者であるお客様の生産性向上に加え、当社における重要性と社会からの期待度の見地から、以下の5項目を重点課題として取り組んでまいります。
a.気候変動対策としての二酸化炭素排出量の削減
b.廃棄物削減・リサイクルを通じた資源循環型モデルの実現
c.環境や人権に配慮した産業社会の発展に向けたサプライヤーとの協調
d.ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進
e.環境配慮型商品の開発と提案
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、「資材調達ネットワークを変革する」という企業理念のもと、あらゆる事業者の間接資材調達プロセスを効率化し、生産性の向上を実現することを目指しております。その成長の源泉は、お客様、お取引先様、従業員らであり、その存立基盤である社会が持続可能であることは、当社の持続的な成長にとって不可欠であると考えております。当社は、環境や人権など社会の存立の基盤を重視し、適正な企業統治(コーポレート・ガバナンス)のもと、健全な事業活動を行い、持続可能な産業社会の発展を目指してまいります。
当社は、サステナビリティ基本方針を以下のとおり定めております。
<サステナビリティ基本方針>
当社は環境・人権など社会の存立の基盤を尊重します。健全な事業活動を通じ、また適正な企業統治のもとに、持続可能な産業社会の発展を目指します。また、拠点ごとの現地雇用の促進や、CSR活動などの地域貢献活動を通じて、地域の発展と共に成長を目指します。
●環境・社会との共存共栄を図る
当社は、事業者の皆様に、確実かつ短い納期で何でも揃う間接資材調達サービスを提供することで、社会の存続に必要な産業発展と技術革新に不可欠な基盤となることを目指します。その上で、当社は、環境・人権など社会の存立の基盤を重視した事業活動を行います。
・環境・人権に配慮した調達活動
持続可能な社会の実現に向けて、環境及び人権に配慮した調達を行います。
・多様性と包括性(D&I)の推進活動
多様性を経営資産と捉え、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進に取り組みます。
・気候変動対策
環境負荷の低い物流オペレーションの推進や事業活動からのCO2排出削減を目指します。
・資源循環の取り組み
廃棄物を削減し、資源の有効活用とリサイクル等の資源循環活動に取り組みます。
●サステナビリティに取り組み、事業の成長に活かす
当社は、環境への配慮と事業の成長を融合させた取り組みとして、再生材利用や環境負荷が低い商品を積極的に取り扱い、商品・サービスの開発や提案活動を行うことで、お客様の環境配慮活動を資材調達の側面から支援していきます。
また、当社は、新しいアイデアや技術を絶えず生み出せる組織を目指し、「他者への敬意」・「挑戦」の風土を持続させていきます。更なる成長を促すための人材育成に取り組み、公正で透明性のある人事評価・報酬制度を運用し、従業員の自律した働き方を推進します。人材の多様性を包括し、各人が活躍できる環境の整備や仕事と家庭の両立が可能な環境作りにも力を入れて取り組みます。
<取り組みについて>
基本方針に則り、中長期のリスクを軽減し、機会を積極的に活用することが、事業活動のレジリエンスと持続可能性を高め、国内外のお客様の間接資材調達になくてはならない存在として、当社の社会的・経済的価値の向上に繋がると認識しております。
以降に、(1) サステナビリティ共通、(2) 気候変動、(3) 人的資本について、それぞれ①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標の4項目を記載しております。
なお、サステナビリティの取り組みについては、当社グループ売上の95%以上を占める株式会社MonotaRO(日本)を対象にしております。
(1) サステナビリティ共通
① ガバナンス
当社は、社会課題の解決に貢献し、社会と当社の持続的成長を目指すため、事業活動を通じたサステナビリティ活動の推進・管理・統括を目的として、代表執行役社長をはじめとしたメンバーで構成されるサステナビリティ委員会を設置しております。また、同委員会傘下に具体的な施策の検討・実行・推進などの実務を担う4つの作業部会を設置し、各重要課題への対応を行っております。作業部会は、課題関連部門の部門長が部会長を務め、部会内で選任された実務リーダーを中心に取り組みを推進しております。
作業部会の活動状況は、年2回以上を原則としてサステナビリティ委員会に報告を行い、サステナビリティ委員会での進捗状況や新たな課題に関する議論内容は、年1回以上を原則として取締役会に報告し、取締役会において議論・審議・監督しております。2025年においては、各作業部会からサステナビリティ委員会へ計9回、サステナビリティ委員会から取締役会へ計2回の報告を行い、それぞれ審議いたしました。
図:サステナビリティ推進体制

② 戦略
当社は、持続可能な産業社会の発展を目指し、環境や人権など社会の存立基盤を重視するとともに、適正なコーポレート・ガバナンスのもとで健全な事業活動を行っております。こうした方針のもと、サステナビリティ課題に取り組み、重要課題(マテリアリティ)を特定しております。その上で、「社会からの期待度」と「当社にとっての重要度」の双方の観点から、影響度の高い重要課題(マテリアリティ)を特定しました。更に、事業成長の持続可能性を高めるための新たな取り組みとして、優先取組分野を決定しております。優先取組分野は、サステナビリティ委員会との連携のもとに各作業部会が取り組みを実行しております。
a.重要課題(マテリアリティ)の特定プロセス
当社は、社会と共存しながら事業成長を継続できるよう、様々な視点から議論を深め、以下のプロセスを経てサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を特定しております。
(a) 社会課題の認識とマテリアリティ候補の選出
当社は2021年にサステナビリティプロジェクトを立ち上げました。外部のコンサルタントを交え、プロジェクトメンバー及び経営陣が社会課題についての認識の共有を行い、「SDGsの17の目標と169のターゲット」と「事業」との関連性におけるアクション案を抽出いたしました。合計114案を整理し、マテリアリティ候補を選出いたしました。
(b) マテリアリティの特定と優先取り組み分野の選定
「社会からの期待度」(縦軸)と「当社にとっての重要度」(横軸)の観点から、プロジェクトメンバー及び経営陣がマテリアリティ候補をマトリックス図にプロットしました。その後、サステナビリティ委員会にて整理と評価を行い、13項目(2025年に14項目へ改定)のマテリアリティを特定いたしました(図:マテリアリティマップ)。
マテリアリティについては、当社が日々の事業活動の中で取り組んでいる内容に加え、サステナビリティ分野において新たに部門横断的な取り組みが必要となる項目を「優先取組分野」として整理し、サステナビリティ委員会にて選定いたしました。
(c) 承認
当社経営戦略との関連性を評価し、取締役会の決議を経て、マテリアリティ及びその中での優先取組分野を特定・公表いたしました。
b.マテリアリティの見直し
2021年のマテリアリティ特定から約3年が経過したことから、2024年に外部環境の変化や国際的なサステナビリティ基準(SASB、GRI、ISO26000)を参照し、マテリアリティの見直しを実施いたしました。検討の結果、販売事業者として当社が取り組むべき重要な要素である「商品の品質信頼性と安全性」を、14項目目のマテリアリティとして2025年に追加いたしました。今後も、事業環境や社会の変化を注視し、定期的に見直しを行ってまいります。
図:マテリアリティマップ

c.優先取組分野
当社は、マテリアリティに基づく優先取組分野として、以下の5項目を掲げております。
(a) 気候変動対策としての二酸化炭素排出量の削減
(b) 廃棄物削減・リサイクルを通じた資源循環型モデルの実現
(c) 環境や人権に配慮した産業社会の発展に向けたサプライヤーとの協調
(d) ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進
(e) 環境配慮型商品の開発と提案
これらの優先取組分野の対応を進めるため、関連する部門の部門長を部会長とした作業部会を設置し、取り組みを推進しております。
・CO2排出削減・資源循環部会
気候変動リスクの原因の一つとなる二酸化炭素排出の抑制及び削減に注力しております。加えて、資源循環型社会の実現を目指し、廃棄物削減及びリサイクルを促進しております。
・サステナブル調達推進部会
お取引先様との協働を基盤に、環境や人権に配慮した持続可能な産業社会の発展へ寄与することを目指しております。
・ダイバーシティ&インクルージョン推進部会
持続的成長と社会の発展に向け、多様な人材の活躍支援やインクルーシブな企業文化の醸成、柔軟な働き方を選択できる制度の整備、働きがいのある職場環境の構築などに取り組んでおります。
・環境配慮型商品部会
環境配慮型商品の取り扱いを拡充し、お客様が「資材調達から環境配慮に取り組みやすくなる」ことをきっかけに、環境に配慮した産業社会への発展を目指してまいります。
③ リスク管理
当社は、リスク管理担当執行役の任命とリスクマネジメント室の設置により、全社的なリスクマネジメント状況をモニタリングし、必要な支援を行う体制を構築しております。サステナビリティに関するリスクは、作業部会から執行役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会に報告され、更にリスクマネジメント室、監査委員会に連携されることで、リスクの特定と対策の状況がモニタリングされる体制を運用しております。

④ 指標及び目標
a.二酸化炭素排出量の削減目標
当社グループ売上高の95%以上を占める株式会社MonotaRO(日本)を対象に算定しております。当社は、Scope1及び2に関して、2030年までにCO2排出量を2020年比で50%削減することを目標に取り組みを進めております。
当社は、2020年~2024年において、事業の拡大に伴い物流拠点の新設及び本社移転を実施しております。2022年の猪名川ディストリビューションセンターの稼働開始、2024年の本社移転に伴い、電力使用量が増加したことでロケーション基準の排出総量が増加しております。2022年から順次再生可能エネルギー利用プランへの契約変更や非化石証書の購入を行い、CO2排出量削減目標に向けた取り組みを促進しております。なお、詳細につきましては、(2) 気候変動に掲載しております。
(注) CO2排出量算定結果は、一般社団法人非財務情報保証協会による第三者保証を受けております。
なお2020年、2022年のScope2(ロケーション基準)の数値は社内で検証した参考値であります。
当社は、ダイバーシティ&インクルージョンの一環として、多様な人材の登用と成長を見据え、女性管理職の割合を2030年に25%とすることを目標にしております。この目標達成に向け、当社では、社内制度の整備や各種セミナーの開催などにより一層の多様性の受容を進めるとともに、取り組みの対外的な発信を通じ、採用における更なる母集団形成に努めております。
(注)係長級はチームリーダー、管理職はグループ長、室長、センター長、部門長補佐、部門長を指しております。
当社は、優先取組分野の一つとして、「気候変動対策としての二酸化炭素排出量の削減」に取り組んでおります。ガバナンス、リスク管理、指標及び目標については、前記「(1) サステナビリティ共通 ①ガバナンス、③リスク管理、④指標及び目標」をご参照ください。
当社では、TCFD提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を基にシナリオ分析を実施し、気候変動リスクへの対応を行っております。
なお、詳細につきましては、当社ウェブサイト
(https://corp.monotaro.com/ir/sustainability/sustainability_02.html#anchor4)
② 戦略
a.TCFD提言に基づくシナリオ分析
(a) 経緯
当社では、気候変動がもたらす事業変化を予測するため、外部有識者の協力のもと、21世紀末における世界の平均気温上昇が工業化以前に比べて4℃以上となる「4℃シナリオ」と、2℃未満に抑える「2℃未満シナリオ」を採用し、2022年にシナリオ分析を実施いたしました。
(b) 分析の前提
当社では、移行リスクについてはIEA NZE 2050、IEA SDSを、物理的リスクについてはRCP2.6、RCP8.5 を参照しております。
(c) 対象年
事業・財務への影響は、物理的リスクについては2050年頃、移行リスクについては2030年頃を対象として想定いたしました。
(d) 対象範囲
当社グループでは、売上高の95%以上を占める株式会社MonotaRO (日本) を対象としてシナリオ分析を実施いたしました。
(e) 事業環境に関連する社会変化の想定
ⅰ.4℃シナリオ:温暖化の進行
温室効果ガス排出抑制に向けた大幅な規制の強化はなく、再生可能エネルギーの普及などが限定的であると想定しております。それにより温室効果ガス排出が十分に抑制されず、自然災害の発生増加や激甚化、気象パターンの変化が顕著に表れ、社会的な被害が拡大することを想定しております。また、気温上昇対策として各拠点における労働環境改善のための費用増加を想定しております。
ⅱ.2℃未満シナリオ:カーボンニュートラルの推進
積極的な気温上昇への対策として、炭素税を含むカーボンプライシング制度の導入や増額、リサイクル規制などの法規制が強化されると想定しております。その結果、同シナリオでは、温室効果ガスの排出抑制に関係する原材料やエネルギー価格が高騰する可能性が高くなる一方で、再生可能エネルギーは一層普及していくことを想定しております。
b.リスク・機会の想定
(a) リスク
・4℃シナリオのリスクといたしまして、慢性リスク (猛暑による労働環境対策コストの増加や欠勤増等)、急性リスク(風水害による物流拠点の停止や配送遅延等) を想定しております。これらに対しまして、オペレーションの自動化や複数地域への拠点設置によるリスク分散の対応を取ることでリスクを最小化することに努めております。
・2℃シナリオのリスクといたしまして、移行リスク (カーボンプライシングに関連したエネルギー調達コスト増、化石燃料由来商品の忌避による該当商品の売上減等) を想定しております。これらに対しまして、省エネ設備や再生可能エネルギーの導入、環境配慮型商品の開発と供給、適切な情報開示でリスクを最小化することに努めてまいります。
(b) 機会
・4℃シナリオに対しまして、オペレーションの自動化による効率化を行っております。また、防災・災害復旧対策商品や熱中症対策商品などの需要拡大を想定しております。
・2℃シナリオに対しまして、環境配慮型商品への需要のシフトによる売上拡大、物流効率化による輸送コストの削減を見込んでおります。
当社はこれらの機会を積極的に活用し、顧客ニーズに応じた環境配慮型商品や関連商品の開発・供給体制を強化するとともに、物流効率の向上を図ってまいります。
c. 取り組み
(a) 再生可能エネルギーへの切替
・2025年12月末現在、笠間ディストリビューションセンター、茨城中央サテライトセンター及び猪名川ディストリビューションセンターの各拠点において、トラッキング付き非化石証書の活用により実質再生可能エネルギーに切り替えております。
・2024年に、猪名川ディストリビューションセンターが入居するプロロジスパーク猪名川による太陽光発電プランを契約し、利用を開始しております。
・2025年4月より、本社が入居するJPタワー大阪による再生可能エネルギーECOプランを契約し、利用を開始しております。
(b) 省エネ対策
・2020年から2023年にかけて、笠間ディストリビューションセンター及び茨城中央サテライトセンターの屋根に断熱塗料を塗布し、室内温度変化を低減することにより空調電力使用量の抑制を行っております。
・2023年より、猪名川ディストリビューションセンターの無人エリアの照度適正化を行っております。
・2024年より、当社の物流拠点において、空コンテナの輸送距離の削減を通じた輸送効率を高めるため「コンテナラウンドユース」を開始いたしました。効率化に加え、配送ドライバーの負担や環境負荷の軽減に寄与しております。
・2025年より、猪名川ディストリビューションセンターにおいて電力の見える化を行い、無人時間の空調管理スケジュールの見直しと変更を実施いたしました。
(3) 人的資本
当社は、優先取組分野の一つとして、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」に取り組んでおります。ガバナンス、リスク管理、指標及び目標については、前記「(1) サステナビリティ共通 ①ガバナンス、③リスク管理、④指標及び目標」をご参照ください。
② 戦略
a.ダイバーシティ&インクルージョン (D&I) の推進
当社は多様性を、共に成長したいと願う一人ひとりの社員が持つ各個性と捉えております。また、当社はそのような多種多様な個性を持つ人材が協力し合い、主体的に能力を活かせる環境を構築することで、革新的かつ創造的な思考が生まれ、イノベーションを起こし続けられると考えております。
当社は「お互いを認め合う文化(MonotaRO Recognizes Each Other's differences)」を強みとし、「もっと(MoRE)」私たちの個性を最大限に活かしあい、長く活躍できる職場環境の実現に取り組んでおります。D&I推進にあたっては「MoRE!ちがいを価値に」「MoRE!みんなで一緒に」「MoRE!働き続けたい会社に」という3つのスローガンを掲げ、多様性の尊重と包括的な組織風土の醸成に向けた各種施策を行っております。
なお、当社における女性労働者及び女性管理職の割合は、同業種の中で平均以上の水準となっており、2025年には厚生労働大臣から以下の2つの認定を受けております。
・「プラチナえるぼし」:「女性活躍推進法」に基づき、優良な「女性活躍の推進企業」として評価された最高位の認定。
・「プラチナくるみん」:「次世代育成支援対策推進法」に基づき、優良な「子育てサポート企業」として評価された最高位の認定。
b.公正な評価・報酬制度、安心して当社で働くことのできる制度による従業員エンゲージメントの向上
当社では、中長期的な企業価値の向上には各従業員の貢献が重要であると考えており、従業員一人ひとりが会社に対して高い貢献意欲を持ち、自発的に能力を発揮できる環境の整備に取り組んでおります。
(a) 評価・報酬制度
当社では、年齢、在籍年数、性別、国籍などに関わらず、従業員各自の取り組み内容を基に仕事力を評価し、報酬を決定する考え方を基本とし、公正で透明性のある人事評価・報酬制度を運用しております。
(b) 従業員エンゲージメント
組織の現状及び今後の課題の把握並びに解決策の検討のため、2024年よりエンゲージメントサーベイを実施しております。分析の結果、組織運営、行動規範、事業指向性のいずれの分野においても良好なスコアとなりました。
サーベイ結果からは、特に行動規範の浸透により、良い職場環境及び良好な対人関係があると感じている従業員が多いことが判明いたしました。一方で、これらの状態を更に向上させるための課題把握も進みました。今後もサーベイ結果から得られた課題を真摯に受け止め、従業員エンゲージメントの向上と、より良い企業風土の醸成につなげてまいります。
c.安全と健康への取組
当社は、健康経営の推進として、各種取り組みを通じた心と身体の健康づくり、治療と仕事の両立・復職支援、ストレスチェックなどのサーベイの実施と1on1などの対話の機会を持つことなどを通じて、職場環境の改善と働きがい向上を図っております。これらにより、従業員が健康で安全に活躍できる職場環境の実現を目指しております。
加えて、当社の物流拠点では、「労働安全衛生法」に基づく安全衛生管理体制を整備するとともに、労働安全衛生マネジメントシステムに基づく安全管理を導入し、安全衛生委員会を毎月開催しております。労働災害の防止と労働者の健康増進、快適な職場環境の形成を通じて、事業場の安全衛生水準の向上を図っております。また、「物流部門安全衛生方針」のもと、安全なオペレーションを推進しております。
なお、詳細につきましては、当社ウェブサイト
(https://corp.monotaro.com/ir/sustainability/sustainability_03.html#anchor4)
d.人材育成
当社は、中長期的な企業価値向上における従業員一人ひとりの貢献を、より実質的なものとしていくためには、今後いっそう各自が仕事力を高めていくことが重要であると考えております。ここでいう仕事力とは、「自走する力」「プロジェクトや組織をけん引する力」「当社サービスを通じて社会を革新していく力」を指します。そのため、これらの仕事力を日々の業務を通じて習得できることを基本としつつ、研修によって補完・体系化する体制のもと、事業成長に向けた人材育成を行っております。
具体的には、職位・等級に応じて、思考力基礎、フレームワーク思考・アナロジー思考、プロジェクトマネジメント手法、業務課題解決の成果と学びを共有するワークショップ等の研修を実施しております。
2025年に行った各種研修の受講延べ人数は1,176人、総受講時間は5,331時間で、1人あたり平均研修時間は5.7時間となりました。
また、対話を通じて個人の成長を支援する「1on1」や「成長計画制度」、「キャリアアップ休職制度」など、様々な側面から従業員の成長を支援する環境整備も進めております。
なお、詳細につきましては、当社ウェブサイト
(https://corp.monotaro.com/ir/sustainability/sustainability_03.html#anchor3)
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際と異なる可能性があります。
インターネットを通じた商品の販売は、流通構造の簡素化、販売コストや事務コスト削減などの効果を販売者にもたらします。従って、インターネットを媒介とする売買によって、取引コストの合理化に伴う商品価格の低下を招く可能性があると考えられます。
また、購入者にとっても、価格比較サイトの発展によって、インターネット上で価格情報を収集するコストは低下し、事業者間の価格比較が容易となったことから、複数の事業者がインターネット上で価格情報を公表している場合、価格競争は激化しやすいと考えられます。
本報告書提出日現在、当社グループは約2,800万種類に及ぶ商品を取り扱っているため、インターネット上の販売において他社と競合する割合は低く、また、当社グループ取扱商品は現時点では他の通信販売事業者との競合も少ないため、価格比較サイトでの比較は現実的ではないと考えております。しかしながら、当社グループの取扱商品において、他社がインターネット上で販売する商品の割合が増加した場合には、当社グループ取扱商品の一部が価格競争に陥ることにより収益力が低下し、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
多くの技術発展が当社グループのビジネスモデルの前提を崩す潜在的な脅威と成り得ます。例えば、他社の商品価格や需要と供給のバランスを見ながら、柔軟に商品価格を変化させることが可能なプライシング機能を有するビジネスモデルが新たに登場した場合には、当社グループにとって脅威と成り得ます。仮に競合者が、顧客別に全く異なる価格体系によって、常に顧客のベンチマーク商品のみを当社価格より下回るように設定し、それ以外の商品で利益を最適化するモデルを確立した場合には、当社グループ取扱商品の競争力が相対的に低下します。また、こうしたモデルに対し、当社グループは顧客毎に個別の価格設定を行いませんので、競合価格の設定で常に後手にまわることになります。
上記のような新たなビジネスモデルの出現及び技術の進展に対して、対応を図っていく方針でありますが、当社グループのビジネスモデルが脅かされる技術発展が起こった場合には、収益力が低下し、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行っている通信販売事業という分野で見た場合には、多数の競合会社が存在しております。また、販売形態は異なるものの、工場用間接資材の販売という分野で見た場合には、更に多数の競合会社が存在します。これら両方を兼ね備えた競合会社は、現在のところ多くは存在しませんが、今後、既存の通信販売事業者が、当社が取り扱う商品に領域を広げたり、また、既存の工場用間接資材販売事業者が販売形態を通信販売にも拡大していった場合、これらの事業者との競争の激化が予想されます。
当社グループは、早期事業参入による先行者メリットを活かしながら、顧客ニーズに合致した商品の取扱拡大や価格面等において、競合他社との差別化を図ってまいりますが、他に優れたビジネスモデルの競合会社が現れた場合等、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上高は、当社グループの提供するサイトの登録会員数、登録会員の利用率、登録会員の平均購入額により変動し、事業の成長の一部は登録会員数の順調な増加に依存しております。当社グループはマーケティング手法別に効果測定を行いつつ、新規顧客の獲得、既存顧客への追加販売、既存顧客の離脱防止を図る施策を継続的に実施しております。しかしながら、社会・経済情勢による顧客ニーズの変化、他の事業者との競合の激化、あるいは当社グループのマーケティング手法が効果的でない等の要因によって当社グループの登録会員数の伸びが従来と比べて低いものとなった場合には、売上高の増加ペースが鈍ること、あるいは、マーケティング費用が上昇することにより、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは2025年12月期の連結貸借対照表において商品21,321百万円を計上しており、総資産に対する比率は11.0%となっております。当社グループは受注予測システムを利用して適正在庫水準の実現を図るとともに、一定期間受注のない商品を定期的に把握し不稼働在庫の圧縮に努めております。また、当社グループが商品を輸入する場合やプライベートブランド商品を採用する場合など比較的まとまった額を仕入れる場合には慎重な検討を経て実施をしております。しかしながら、これらの施策にも関わらず、当社グループが在庫として保有する商品について販売状況が想定していたものと大きく異なる結果となった場合には、販売価格の切下げや棚卸資産の評価減を通じて、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商品の納入から出荷に至るまでの一連の業務機能を主に笠間ディストリビューションセンター、猪名川ディストリビューションセンター及び茨城中央サテライトセンターの3か所で行っております。この3か所の物流拠点に7割以上を依存しており、業務機能の集中によるリスクが存在します。リスク発生時の対応体制の整備は常に行っておりますが、万が一対応能力を超えるような大災害が発生した場合は、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが取り扱う商品の一部は海外から輸入しているため、製造国における電力等のインフラの不足や環境対応の政策変更等によってサプライチェーンが停滞した場合に、顧客からの需要増に対応できない可能性があります。その影響により、欠品による受注停止や注文のキャンセル等の販売機会の損失が生じる可能性があります。
当社グループが取り扱う商品の調達価格及び調達に係る費用は、原材料費や燃料価格の高騰、外国為替相場の影響(円安)、輸送費用の高騰により上昇する可能性があります。当社グループでは、最適な価格での仕入れを実現するために必要に応じ仕入先の変更を行うほか、積載効率の改善を図り、また、定期的に販売価格の見直しを行っておりますが、商品調達コストの上昇が販売価格の見直しに先行する場合には、売上総利益率が低下する可能性があります。
当社グループでは、多くのアルバイト・パート従業員が物流倉庫での業務に従事しております。当社グループでは、オペレーションの自動化・機械化を進めておりますが、アルバイト・パート従業員の採用難が、賃金の上昇や直雇用比率の低下に繋がり、その結果、人件費・業務委託費が増加する可能性があります。
当社グループの注文受付の99%以上は、インターネットによるものであり、システム(業務委託先等の第三者のシステムを含みます。)は、事業を行う上で非常に重要な要素の一つであります。
システムは、業務の拡大やデジタル戦略を推進している中で特に高い重要性があり、適切な設計やテストの実施等によりシステム障害等を未然に防止し、セキュリティ面に配慮したシステムの導入に努めておりますが、システム障害やサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、人為的ミス、機器の故障、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、新技術、新たなシステムや手段への不十分な対応等を完全には防止できない可能性があります。
システムの不具合や不備、自然災害等が生じた場合、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じ、業務の停止、その他の損失が発生する可能性、当社グループの信頼が損なわれ又は評判が低下する可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。
当社グループは、自社ウェブサイト上のカタログに商品を掲載しており、受発注管理においては主にインターネットを利用しております。また、販売促進活動に関しては、インターネットを通じた広告の掲載、電子メールによるダイレクトメールの送信などを顧客への主要なアプローチ手法としております。
上記のとおり、当社グループは主にインターネットを使用した営業形態をとっているため、インターネットを通じた商取引の信頼性が失われた場合、もしくはインターネットを通じた商取引の利便性が顧客に十分に受け入れられない場合には、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取扱商品の一部は海外より輸入しており、輸入商品の仕入に占める比率は、当連結会計年度で6.2%となっております。当該輸入の決済につきましては、現在、その代金の半分以上はドル建等外貨で決済されているため、外国為替相場の変動により為替差損益が生じる可能性があります。当社グループは、原則として為替リスク低減のための為替予約等を行っておらず、為替レートが円安に推移すれば商品調達コストを押し上げることとなる等、為替レートの変動が当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは会員登録制をとっている関係上、決済情報を含む多くの顧客情報を保有しております。また、当社グループの顧客の中には、個人事業主も多く含まれており、顧客情報には個人情報も含まれております。顧客情報の保護については、厳正かつ厳重に管理し、細心の注意を払っておりますが、万が一個人情報の漏洩等の「個人情報保護法」に抵触するような事態を含めて、顧客情報の漏洩等が発生した場合には、当社グループに対する社会的信用度が低下し、当社グループの事業活動、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの行っている事業は通信販売事業であり、「特定商取引に関する法律」の規制を受けております。当社グループが取り扱うカタログ及びウェブサイト上に掲載された商品情報に関しましては、「不当景品類及び不当表示防止法」及び「不正競争防止法」の規制を受けており、当社グループの取扱商品の一部に関しましては、品質等に関する問題について「製造物責任法」等により規制を受けております。また、当社グループの顧客に関しましては、主に事業法人向けの販売でありますが、2006年6月より個人消費者向けの販売についても開始しており、当該事業は「消費者契約法」の規制を受けております。上記の法的規制以外に、商品輸入に関連した貿易関連法令及び商標権や意匠権等の知的財産権に係る法令に関しましても、一部規制を受けることとなります。
当社グループでは、社員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備、販売管理体制の構築、また、適宜、顧問弁護士のアドバイスを受ける等、法的規制を遵守する管理体制の整備に努めておりますが、クレームやトラブル等が生じた場合、これらの法令に違反する行為がなされた場合及び法令の改正や新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業に関しましては、顧問弁護士とも相談しながら事業推進しておりますが、当社グループの事業分野のすべてにおける法的な現況を完全に把握することは非常に困難であり、当社グループが把握できないところで法律を侵害している可能性は、完全には否定できません。従いまして、特に当社グループ事業に関係の深い、「不正競争防止法」「製造物責任法」及びその他の法律や権利に関連して訴訟を提起され、損害賠償又は商品の販売差止等の請求を受ける可能性があり、そのような場合には、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内の中小製造業者を主要な顧客対象として、eコマースを利用した通信販売により間接資材約2,800万種類の商品を販売しております。近年において当社グループの登録会員(企業)数が拡大傾向にあることに加えて、景気悪化時においても顧客企業における部品の交換需要や消耗品需要は継続的に発生すること等から、当社グループの業績は相対的に景気変動の影響は受け難い傾向にあるものと考えております。
しかしながら、国内における景気動向の変化に伴い、当社グループの主要な顧客対象である中小製造業者の業績が急速に悪化する可能性は否定できず、かかる場合において、当社グループが迅速かつ十分に対応できない場合には、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
現在当社グループは韓国、インドネシア、インド及び中国にて事業を行っており、今後も事業拡大を図っていく方針です。海外進出している諸外国において政治・経済の不安定化、法律・規制の改正、不利な租税賦課及びテロ等の要因による社会的混乱等、予期しない事態が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社の親会社はW.W.Grainger, Inc.(以下「Grainger」という)であり、同社の100%子会社であるGrainger International, Inc.(以下「Grainger International」という)及びGrainger Global Holdings, Inc.(以下「Grainger Global Holdings」という)を通じて当社議決権の50.34%を保有しております。Grainger International及びGrainger Global HoldingsはGraingerグループにおける投資会社であり、当社普通株式の議決権行使等に関する実質的な判断については、Graingerが行っております。
Graingerは、ニューヨーク証券取引所に上場する同グループの中核会社(当連結会計年度末現在の資本金は54,830千米ドル)であり、米国において事業所向けにメンテナンス、修理及び業務(MRO)用の間接資材及び消耗品等の販売を事業としております。同グループにおいては、Graingerが米国において事業を展開しているほか、関係会社(子会社及び現地資本との合弁会社)等を通じて、カナダ、イギリス及びメキシコ等の地域においても同種の事業等を展開しております。
当社グループは、Graingerグループにおいて日本国内を中心にMRO業務を展開する企業として位置付けられております。また、当社グループは、現在、Graingerグループにおいて当社以外の事業体が日本国内で自ら事業を展開する方針を有していないものと認識しております。なお、Graingerは、一部について海外向けの輸出販売も行っており、日本に向けて商品を輸出する場合もありますが、日本国内における販売先は一部の米国系企業等に限定されていることから、当社グループとの間に競合関係は生じていないものと考えております。
しかしながら、将来において、Grainger及び同グループの経営方針や事業戦略等に変更が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(人的関係)
本報告書提出日現在、Graingerグループより取締役1名を招聘しております。招聘の理由は、グローバル・サプライチェーンに知見が深く、当社グループ経営に有益な意見を提示することが期待できるためであります。
また、当社取締役会長代表執行役鈴木雅哉は、本報告書提出日現在、Graingerのオンラインビジネス担当マネージングディレクターを務めております。
なお、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役10名選任の件」を提案し、この議案が承認可決された場合、株主総会後の人的関係は以下のとおりとなります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復の動きがみられました。しかし一方で、不安定な国際情勢を背景とした原材料価格の高騰や、金融政策の不確実性など、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境下、当社は、検索エンジンへのインターネット広告の出稿と当社ウェブサイトを検索エンジンにおいて上位に表示するための検索エンジン最適化(SEO)の取組みを主軸とした新規顧客の獲得や、eメールや顧客ごとに掲載商品を最適化した郵送チラシによるダイレクトメール、日替わりでの特価販売等による販促活動を積極的に展開するとともに、テレビCMを放映し更なる認知度向上に努めました。
また、より利便性の高い顧客フルフィルメント・サービスの実現に向けて、間接資材調達の効率化と迅速かつ確実な商品のお届けに努めており、置き配サービスの対象を拡大、配送日時の指定サービスの実施、平日17時までのご注文で最短当日出荷の対象地域の拡大に取り組んでおります。当連結会計年度においては、平日17時までのご注文で最短当日出荷の対象地域を42都府県に拡大いたしました。
商品戦略においては、顧客の多様なニーズに対応するため、ウェブサイトでの取扱商品点数の継続的な拡充に取り組んでおります。加えて、プライベートブランド商品の開発も推進しております。当連結会計年度末時点におきましてウェブサイト上の取扱商品としては約2,885万点、当日出荷を可能とする在庫商品点数としては約68.8万点を取り揃えました。
一方、エンタープライズ事業に関しましても、新規連携企業の獲得に向けた営業活動の展開及び、既存顧客拠点浸透・利用拡大を通じて、顧客数、売上共に順調に拡大いたしました。
これらの施策により、当社は、当連結会計年度中に1,114千口座の新規顧客を獲得し、当連結会計期間末現在の登録会員数は11,262千口座となりました。
加えて、当社韓国子会社であるNAVIMRO Co., Ltd.等、各子会社においてインターネット広告の出稿を中心とした積極的な顧客獲得活動を推進して顧客基盤を拡大させるとともに、取扱商品及び在庫商品の拡充を進めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は333,880百万円(前期比15.9%増)、営業利益は46,192百万円(前期比24.6%増)、経常利益は46,057百万円(前期比23.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は32,434百万円(前期比23.1%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して48,215百万円増加し、193,243百万円となりました。これは主に、建設仮勘定の増加18,481百万円、現金及び預金の増加16,566百万円及び売掛金の増加8,828百万円等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して29,548百万円増加し、70,310百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加13,000百万円、未払金の増加9,987百万円及び買掛金の増加5,193百万円等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して18,666百万円増加し、122,933百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加32,434百万円及び配当金の支払による減少12,422百万円等によるものであります。
以上の結果、当連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末と比較して8.1ポイント低下し、63.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末から16,625百万円増加し、46,995百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は33,726百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額12,741百万円及び売上債権の増加9,047百万円等による資金減少の一方で、税金等調整前当期純利益46,038百万円、減価償却費6,685百万円、仕入債務の増加5,188百万円等による資金増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は17,093百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11,938百万円、無形固定資産の取得による支出4,131百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は27百万円となりました。これは主に、配当金の支払12,424百万円等による資金減少の一方で、長期借入金の増加13,000百万円等による資金増加によるものであります。
該当事項はありません。
当社グループは工場用間接資材販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の仕入実績は次のとおりであります。
(注) 上記の販売諸掛は、主として商品送料であります。
該当事項はありません。
d.販売実績
当社グループは工場用間接資材販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注) 主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資金需要の主なものは、事業規模拡大に伴う設備投資資金であり、資金調達に関しては自己資金又は金融機関からの借入により対応する方針であります。
(定期建物賃貸借契約)
(注) フロアごとに契約の締結時期が異なるため、契約締結日については、当該契約のうち最も早いものを記載しております。
(株主間協定書の締結)
2023年3月に当社の親会社であるW.W.Grainger, Inc.(以下「Grainger」という)との間で、株主間協定書(以下「本協定書」という)を締結しております。本協定書により、親会社からの独立性を確保する一方、安定株主としての親会社を尊重する見地から、①当社はGraingerの事前の書面による同意なく、同社の株式保有割合が50%以下となるような新株発行等を行わないこと、②Graingerが当社の取締役として1名または相互に書面で合意した人数を指名する権利を有すること、③Graingerが当社の株式保有割合を50%以下にする場合、当社に対し事前の通知を行うことについて合意しております。
引き続き、Graingerグループとの安定した関係の元で技術交流及び情報交流を深め、当社の事業拡大への取り組みを促進してまいります。
記載すべき重要な研究開発活動はありません。