第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  以下の文書における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)当社グループの企業理念

 当社は2023年に一部改定したトライアイズの3つの『 I 』を実現し企業価値を高めていきます。

Insight:洞察力  Integrity:誠実  Innovation:革新

 具体的には、「物事の本質を見抜く力」(Insight)を磨いて実行し、「誠実で常に正しいことを行なう態度、考え」(Integrity)をもち、「常に新しいことにチャレンジする精神」(Innovation)で業務に邁進します。

 

(2)当社グループの経営の基本方針

 当社は以下の経営方針の実現を目指しています。

1.顧客本位の技術革新と想像力を重視する企業グループとなる。

2.社会・環境に対し責任ある行動を取りながら、経済的な成功を収める企業グループとなる。

3.従業員に安全で快適な労働環境・成長と学習の機会を提供できる企業グループとなる。

4.全てのステークホルダー、株主・顧客・従業員・取引先・地域社会等と良好な関係を築く責任を全うする
  企業グループとなる。

 

(3)目標とする経営指標及び財務上の課題

 当社は、純粋持株会社として、グループ会社を通じて、これまで不動産投資事業、建設コンサルタント事業、ファッションブランド事業を軸に事業運営を行っております。ここ数年来、営業利益ベースでの赤字計上が続いており、営業利益を恒常的に黒字化することが課題となっております。

 

(4)中長期的な経営戦略

 中長期的な事業の柱として2023年度後半から不動産投資開発事業を据え、買取・再販業務や賃貸業務を強化しております。また、2025年度後半よりM&A並びに資本業務提携等の戦略的提携を重要施策の一つとして位置付け、積極的に収益をあげ、当社の健全性を取り戻していくと同時に、営業利益の継続的な黒字化を課題として捉え実現する体制を整備します。

 

(5)経営環境及び優先的に対処すべき事業上の課題

 当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、地政学リスクの長期化や円安に伴う原材料・エネルギー価格の高騰、物価上昇による個人消費への影響など、先行き不透明な状況が続いております。当社グループが属する各業界におきましては、不動産投資市場では都市部を中心とした価格の高止まりや、金利動向の変化、建設費の高騰など、投資判断に際してより慎重な見極めが求められる環境となっております。また、ファッションブランド事業ではブランド認知度のさらなる向上と顧客ニーズへの対応、建設コンサルタント事業では慢性的な技術者不足への対応が課題となっております。

 

1.収益性の向上

 不動産投資を当社の中核事業と位置付け、国内市場の動向を的確に把握し、買取・再販事業の拡充を最優先事項として推進いたします。具体的には、収益物件や築浅の区分所有物件等を厳選して取得し、概ね6カ月から1年程度を目途に付加価値の向上(バリューアップ)を図った上で売却いたします。このサイクルを継続的に回すことで回収資金を次なる投資へ再投下し、営業利益の増加とともに、売上高営業利益率および自己資本利益率(ROE)の向上を図ってまいります。

2.新規事業の探索と事業ポートフォリオの最適化

 既存事業の安定成長を図るとともに、将来の収益の柱となる新たな事業機会を柔軟に探索いたします。市場の変化に対応した機動的な投資判断を行い、グループ全体の事業ポートフォリオの最適化を目指します。

3.人的資本の充実と組織基盤の強化

 持続的な成長を支える基盤として、優秀な人材の確保と育成に注力いたします。教育・研修制度の充実、多様性の受容、働きやすい職場環境の整備に加え、正当かつ透明性の高い評価制度を運用することで、社員一人ひとりが最大限に能力を発揮できる環境を構築し、人的資本の価値向上を図ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略及び指標と目標について

 当社は不動産投資事業、建設コンサルタント事業、ファッションブランド事業を軸とし、SDGsが示した2030年までに達成すべき17の目標を意識して事業活動を行っています。具体的には全ての意思決定のプロセスにESGの視点を取り入れました。特にガバナンスに関しては2022年11月より内部管理体制構築のスペシャリストが当社に参画し(現代表取締役)、主要規程類や業務フローの改訂を積極的に行っています。特に、2024年度には内部統制システムを改訂し、すべてのステークホルダーに対して透明性のある、より強固な体制を築いています。

 

 

(1)ガバナンス

 代表取締役自らがサステナビリティに関する取組の責任者となり、2024年度には内部統制システムの全面改訂を行いました。具体的にはコンプライアンス・リスク管理委員会規程、コンプライアンス・リスク管理規程、経営会議規程、内部監査規程、内部通報規程等の改訂、改廃、新設を行っています。月2回開催される経営会議においては、各社および各部門の目標管理と進捗状況の確認に加え、リスクの評価、管理並びに対応状況の把握及び監督、各種社内規程の運用状況の検証及び見直し等、サステナビリティに関する取組についての検討を行い、3か月に1度開催のコンプライアンス・リスク管理委員会に報告しています。コンプライアンス・リスク管理委員会は必要に応じてサステナビリティに関連するリスクと機会の特定や評価をし、取締役会に報告します。また、サステナビリティに関連するリスクと機会、対応策の進捗状況についても、他の業務と同様にPDCAサイクル(PDCA:Plan・Do・Check・Action:以下同じ)を適切に機能させて適時見直しを行っています。

 

 

(2)戦略(サステナビリティに関する戦略及び取組)

 サステナビリティに関する取組に際しては、SDGsを意識するとともに、ESGの考え方も取り入れ、地方創生を見据えた上で社会課題を解決するビジネスの実現に向けて取組み、同時に企業価値を高めていきます。なお、ESGの考え方は具体的には以下のとおりです。

Environment(環境)

 建設コンサルタント事業を中心に、環境の保全・再生等に継続的に取り組んでいます。公共事業ではダムの維持管理や長期保全などを目的としたダム長寿命化計画に伴う維持管理・更新業務を中心に受注し、また民間事業においても既設構造物の点検や安全性評価など防災・減災関連業務を受注しています。今後も引続き防災・減災対策関連業務及びダム、河川、砂防分野の維持管理、設備更新業務等を中心とした継続性の高い業務の受注を獲得していきます。これはまさにESG経営におけるE(環境)の柱であり、環境の保全・再生等に積極的かつ継続的に取り組んでいます。

 

Social(社会)

 事業領域:SDGsを意識し、社会課題を解決するビジネスの実現に向けて、既存ビジネスの拡大に加え、新規事業への投資を積極的に行います。特に各社および各部門は地方創生の考え方を軸として、地域経済の活性化に貢献し、未来を切り拓く事業に邁進いたします。具体的には以下のとおりです。

・不動産投資事業

 買取・再販事業を通じて、地域における豊かな自然と眠る資源を活かし、持続可能な地方創生に貢献します。

・建設コンサルタント事業

 防災・減災・国土強靭化といった専門分野における社会的需要が一層と高まっている中、従来の活動に加え、2024年元旦に発生した能登半島地震の復興支援に積極的に参画し、港湾・河川・ダムなどの水系インフラを中心とした復興事業に携わってまいります。

 

Governance(統治)

 上述したとおり、コーポレートガバナンス体制の整備、積極的なIR活動に加え、各業務プロセスにおいてPDCAサイクルが適時・適切に機能しているかを随時評価することによって効果的な企業統治を行っています。

 

 サステナビリティに関する取組のうち気候関連問題については、建設コンサルタンツ協会の考え方と目標を参考に、建設コンサルタント事業については「港湾・海事分野におけるカーボンニュートラルの実現、グリーン化の推進」、不動産投資事業については「住宅・建築物のさらなる省エネ対策の強化、インフラなどを活用した地域の再エネ利用拡大、カーボンニュートラルを目指したまちづくり等を推進するとともに、気候変動リスクにも対応したスマートで強靭なまちづくりを推進します。

・国土交通省(国土交通グリーンチャレンジ)2030年まで

・環境省(脱炭素地域づくり)2030年まで

・経済産業省(GX:グリーントランスフォーメーション)2033年

 

(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)

 当社は、「第2 事業の状況 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載の企業理念を企業の考え方のトップに位置付けて実効性を伴った経営を行っています。また企業理念の下に経営方針、またその下に各部門の規程・マニュアル類を整備し、PDCAサイクルを適切に機能させて各種業務の常時見直しを実施しています。

 その中で経営方針「3.従業員に安全で快適な労働環境・成長と学習の機会を提供できる企業グループとなる。」にあるとおり、「従業員(人)」こそを、最も重視すべき資本のひとつとして考えております。「人」の成長なくして当社の事業目的は実現し得ないことから、当社は、とくに2023年下期よりその実現に向け人的資本への積極的な投資を行うことを方針としております。具体的には収益力を念頭に置きながら優秀な人材の確保に努めることに加え、社内では教育・研修の充実、多様性の受け入れ、働きやすい環境の整備、正当な評価制度の導入を通じて人的資本の充実を図ります。

 この方針に基づき、①目標管理制度の導入と定期チェック②多様性の確保③(社員目線に立った)就業規則の改訂④コンプライアンス教育の徹底⑤内部管理体制自己チェックシートの導入の5つの項目を継続的に行っております。

①目標管理制度の導入と定期チェック

 2023年度より目標管理制度を導入し、従業員のモチベーションアップにつなげています。具体的には会社が全社目標を設定し、各部門長が各部門にあわせた部門目標を設定、その部門目標を各従業員の担当業務に落とし込み、各従業員の目標とするものです。部門長は毎月従業員から「業績貢献目標」に関する月報を受領し、取り纏めたうえで部門長シートを作成し経営陣に送付します。また部門長は3か月に1度従業員各人と面談を行い、業務報告を受けたり問題点などを共有します。

 面談時に部門長は傾聴を主としながらも、四半期ごとに良かった点、改善すべき点を明確に打ち出し、改善すべき点については特にフォローします。年度末には「業績貢献目標」に加えて「行動評価」(協調性、規律性、 積極性、責任感、コンプライアンス)を実施し、昇給・昇格などの資料として管理職としての説明責任が果たせる体制を構築しています。

 

②多様性の確保

 当社では「ダイバーシティ」を掲げ、多様性を受け入れる文化づくりを行っております。現在新卒は採用しておりませんが、第二新卒の採用、前職の経験を活かした形での中途採用を積極的に行っており、金融業界、不動産業界等からの採用など多様なバックグラウンドを持つ社員が在籍し、活躍しています。

 また、2023年には障害者雇用コンサルタント会社と業務委託契約を結び、当社ホームページのリニューアルを委託する等、障害者雇用に対しても積極的に取り込んでおります。

 

③(社員目線に立った)就業規則等の改訂

 経営方針に「従業員に安全で快適な労働環境の提供」を謳っているものの、当社の就業規則は労働基準法等の最低レベルは満たしているものの他の上場企業に比べて見劣りする項目が非常に多かったため、2023年末以降、就業規則等を大幅に改定し、現在もPDCAサイクルを適切に機能させて改訂を続けています。

 

・就業規則の改訂

 2024年以降の継続的な取組として、従業員のエンゲージメント向上に向けた取組(リスキリング・資格取得支援制度)の導入、結婚等のライフステージを支援する取組(家庭応援特別休暇制度)を進め、家庭応援特別休暇制度とリスキリング・資格取得支援制度を新設しました。

 家庭応援特別休暇制度とは、家庭生活の充実・安定を目的としたセレモニー休暇、地域活動休暇で毎年付与される有給の休暇制度です。また、リスキリング・資格取得支援制度とは、資格取得時の受講料・教材費・受験料を支援する制度です。

 

・育児・介護休業規程の改訂

 2025年育児・介護休業法の改正に合わせて規程改訂を実施しました。

 子の看護等休暇の対象となる子の範囲が小学校3年生修了までに拡大し、取得理由に感染症に伴う学級閉鎖等と入園(入学)式、卒園式を追加しました。育児・介護のための所定外労働の免除の請求可能となる労働者の範囲を、小学校就学前の子を養育する労働者までに拡大し、育児短時間勤務の代替措置には、テレワークを追加しました。円滑な取得及び職場復帰、制度利用支援については、支援範囲に制度利用を追加しました。具体的には制度利用の意向確認、休業制度に係る研修の実施、情報提供です。柔軟な働き方を実現するための2つの講ずべき措置として、始業時刻等の変更と在宅勤務(10日/月)を追加しました。

 

・慶弔見舞金規程の改訂

 時流に即し、慶弔見舞金規程の見直しを行い、結婚祝金と出産祝金の支給額を1万円引き上げました。

 

④コンプライアンス教育の徹底

 全従業員に対して年間8回のコンプライアンス研修を実施しています。研修内容は「コンプライアンス研修基礎<年2回実施>」、「情報セキュリティ研修」、「内部監査体制自己点検チェックリストの結果を受けてのフォロアップ」、「育児介護休業法改正」、「インサイダー取引防止規程の周知」、「勤怠管理」、「生成AIと業務活用について」等です。

 引き続き各業務担当者に対しては外部の研修に積極的に参加すること、その結果を共有すること、業務に関する本を購入して勉強することを推奨しております。

 

⑤内部管理体制自己チェックシート

 内部監査室が主体となって全従業員に対して、年1回内部管理体制自己チェックシートの作成を実施しています。目的は1.研修で学んだことについて、各従業員がしっかり理解して実践しているか、2.各部門における統制環境・リスク評価・統制活動・情報と伝達・モニタリングという業務における内部統制システムが有効に機能しているか、3.各従業員の主要業務に関するマニュアルが整備され、PDCAサイクルに基づいて必要に応じて改訂がされているか、等についてです。

 各従業員が各項目に対して「〇△×」で自己評価しますが、自己評価するに及んだ理由等も記入し、管理職にも結果を共有してモニタリングを行ったり、教育指導のツールとしています。また集計結果は取締役会に報告するとともに、実効性を確保するために内部監査室による抜き打ち検査も実施しています。

 

(3)リスク管理

 サステナビリティに関連するリスクと機会については、今年度よりそれぞれの業務において発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価して重要度を決定しています。各部門で高い潜在リスクが想定される上位3件について、洗い出しを行いリスク対策を計画するとともに、それ以外で顕在化したリスクについては、発生した段階で速やかに対応する体制を構築しています。特に気候関連問題の評価にあたり、建設コンサルタント事業及び不動産投資事業については建設コンサルタンツ協会の考え方を参考に、リスク評価を行います。

 ファッションブランド事業については従前より自然環境に配慮するサステナブルへの取り組みを行いリスク管理を行っております。月2回開催される経営会議では各事業部門にヒアリングを行い、PDCAサイクルを適切に機能させて必要に応じて見直しを実施しています。

 サステナビリティに関連するリスクについては、自社のその他のリスクと統合的に管理(ERM)をするため、コンプライアンス・リスク管理委員会に適宜助言を求めます。また、リスクと機会のうち、重要度が高いものについては、代表取締役を通して取締役会に報告しています。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)において記載した人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 女性の管理職登用について

・女性の管理職登用について

2025年12月31日現在の当社単体における女性社員比率は38%、役員・管理職に占める女性社員比率は44%でした。またグループ全体に占める女性社員の比率は21%、役員・管理職に占める女性社員の比率は31%でした。働きやすい環境を実現するための制度の充実や育成を通じ、今後さらに管理職への積極的な引き上げを行いたいと考えております。なお、役員・管理職に占める女性社員比率については、2025年同様、2026年末時点で30%以上を維持することを目標としております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力を尽くす所存です。

 また、下記事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1)建設コンサルタント事業のリスクについて

 当社グループの㈱クレアリアが営む建設コンサルタント事業においては、特に、ダム・河川・海岸など水関連

の公共事業が主たるビジネスであるため、政府・国土交通省・地方自治体などの機関が公共事業の大幅な削減や

停止を決定した場合、当社グループの業績に大きな影響を受ける可能性があります。

 

(2)ファッションブランド事業のリスクについて

 当社グループが営むファッションブランド事業においては、商品企画、原材料市況、国内外の生産体制、為替市況、物流体制、販売拠点、消費者動向、天候、景気変動などにまつわるさまざまなリスク要因が考えられ、想定する範囲での対処は予め準備をしておりますが、想定範囲を大きく超える事象が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を受ける可能性があります。

 また、上記事業会社が扱うライセンスブランドの商品につきましても、上記リスク要因に加えて、ブランドそ

のものの人気・価値が大きく下落した場合、同じく当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

(3)不動産投資事業について

 当社グループのTRIIS INTERNATIONAL AMERICA INC.が営む不動産投資事業においては、米国における不動産市

況、世界経済動向、賃料等の変動リスクがあり、それによって、当社グループの業績に大きな影響を受ける可能

性があります。さらに長期的には外国為替市況の影響も受ける可能性があります。また、国内の不動産投資事業

については天候不良による工期の遅れ、行政による規制の変更等により、当社グループの業績に大きな影響を受

ける可能性があります。

 

(4)M&Aによる事業ポートフォリオの拡大に関するリスクについて

 現在当社グループは、事業ポートフォリオの獲得による業容拡大を目的に、適切な企業との資本提携、M&A

等を検討し、進めている最中ですが、M&A市場の状況により、当社グループの望む事業が適切な価格で買収で

きず、計画通り進まないリスクがあります。また、当社の風評リスクにより、M&Aによる事業拡大が影響を受

ける可能性があります。

 

(5)人材の獲得及び確保について

 当社グループにおいては、組織再編と今後の事業拡大、内部統制制度整備に伴い、質の高い人材の確保・増強

等を計画実行していますが、人材の流出や人材育成、及び人材の確保増強等が十分にできなかった場合には、長

期的視点から、当社グループの事業展開、業績及び成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)その他のリスクについて

 上記以外でも、当社グループの業績は、急激な社会インフラや市場競争の激化、現在進めているグループ規模

拡大に伴う当社グループの財務的・経営的状況の変動、国内外の主要市場における各種規制、株式市場や債券市

場の大幅な変動などにより多様な影響を受ける可能性があります。

 

(7)重要事象等について

 2021年12月期より断続的に営業損失が発生していると共に、マイナスの営業キャッシュ・フローが継続的に発生しております。当連結会計年度においては204百万円の営業損失を計上したほか、マイナスの営業キャッシュ・フローが継続している状態であります。マイナスの営業キャッシュ・フローについては主に税金等調整前当期純損失の計上及び不動産投資における棚卸資産の増加に起因していると認識しております。

 売上高については営業努力も手伝って前期より増加したものの、今のところ利益の急激な回復には結び付いていない状況であることから、当連結会計年度においても営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しており、現時点においては継続企業の前提に疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。

 このような事象又は状況を解消するため、不動産投資事業は国内不動産投資を中心に資本コストを再認識し、それ以上の投資利回りが期待できる投資に方向転換いたします。また不動産投資における棚卸資産の減少も営業キャッシュ・フローの増加に寄与すると認識しています。建設コンサルタント事業は人材の確保と強化に努め売上高及び営業利益の拡大を図ります。ファッションブランド事業については「CLATHAS」のロイヤルティビジネスの拡大を通じて売上高及び営業利益の拡大を図ります。

 また、当連結会計年度末において3,293百万円の現金及び預金を保有しており、当連結会計年度の資金繰りを考慮した結果、当面の事業資金を確保していることから当社グループの資金繰りに重要な懸念はありません。

 以上により、当社グループにおいては継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 2025年連結会計年度の国内経済は、エネルギー・原材料価格の高騰や物価上昇等の影響があったものの、雇用・所得 環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復の動きがみられました。一方、アメリカの通商政策の影響及び物価上昇の継続に伴う個人消費への影響などが国内経済を下押しするリスクとなっております。

 当連結会計年度は、不動産投資事業における収益物件の売上及び建設コンサルタント事業において売上高が堅調に推移したことを受け、売上高は1,424百万円(前期比48.1%増)と前期を上回る結果となりました。

 しかし、沖縄開発プロジェクトの進捗遅延に係る対応により棚卸資産評価損を計上したこと及び建設コンサルタント事業において原価率が相対的に高い案件が多かったことにより、売上総利益は188百万円(前期比54.0%減)と前期より減少する結果となりました。一方、前連結会計年度からの人員増強及びIT投資が一段落した結果、販売費及び一般管理費は393百万円(前期比3.6%減)と前期より減少しましたが、売上総利益の減少を補うには至らず、当連結会計年度は204百万円の営業損失(前期は2百万円の営業利益)と営業損失に転じました。

 営業外収益については、海外連結子会社の有償減資を行ったことにより発生した為替差益を含め、為替差益を407百万円計上した結果、461百万円(前期比79.1%増)と前期を大きく上回る結果となりました。営業外費用は、借入金に係る支払利息12百万円等を計上し、24百万円(前期比182.2%増)と前期より増加いたしました。この結果、231百万円の経常利益(前期比7.6%減)となりました。

 特別利益は、固定資産売却益等を計上した結果189百万円となりました。特別損失は、保有する固定資産に係る減損損失11百万円及び沖縄開発プロジェクトへの対応として674百万円の貸倒引当金を計上した結果、803百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純損失381百万円(前期は250百万円の税金等調整前当期純利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は423百万円(前期は194百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と純損失に転じました。当連結会計年度におけるセグメント別の取組みと業績につきましては次のとおりです。

 

(不動産投資事業)

 不動産投資事業は2016年にハワイにて開始いたしましたが、為替動向及びその他海外投資特有のリスクを考慮した結果、国内投資に経営資源を振り向け、不動産投資事業をより推進・強化するための社内体制を構築いたしました。当社グループでは、不動産投資事業として不動産買取再販事業と開発事業を営んでおります。

 不動産買取再販事業では収益性の高い優良物件の獲得及びその販売に努めているほか、開発事業は沖縄においてプール付きヴィラ、レンタカー等の提供を通じて沖縄を訪れる旅行者に最高の体験を提供いたします。

 当連結会計年度の売上高は収益物件の販売が堅調に推移したことを受け、926百万円(前期比99.8%増)と前期を大幅に上回る結果となりました。しかし、沖縄開発プロジェクトの進捗遅延に係る対応により棚卸資産評価損159百万円を計上したほか、不動産売上増加に伴い仲介手数料などの販売費及び一般管理費は前期より増加しました。この結果、当連結会計年度は65百万円の営業損失(前期は142百万円の営業利益)と営業利益から一転し、営業損失に転じる結果となりました。

 

(建設コンサルタント事業)

 建設コンサルタント事業は、ダムの維持管理や長期保全などを目的としたダム長寿命化計画に伴う維持管理・更新業務を中心に受注しました。民間事業においても既設構造物の点検や安全性評価など防災・減災関連業務の受注が増えています。次年度に向けて引続き防災・減災対策関連業務及びダム、河川、砂防分野の維持管理、設備更新業務等を中心とした継続性の高い業務の受注を獲得しています。また、これまでの受注実績や技術者の経験を活かした業務サポート、業務連携等により協力体制を強化することで、生産性の向上及び受注シェアの拡大を図っています。

 当連結会計年度は受注高が当初の予定どおり推移し、完成案件を概ね予定どおり取込めたため、売上高は333百万円(前期比16.5%増)と前期を上回る結果となりました。しかし、原価率が相対的に高い案件が多かったほか、販売費及び一般管理費も前年並みで推移しました。この結果当連結会計年度の営業利益は53百万円(前期比29.0%減)と前期を下回る結果となりました。

 

(ファッションブランド事業)

 ファッションブランド事業について、当連結会計年度においては同事業の中心である濱野皮革工藝㈱の保有する株式をすべて売却し、採算性の改善を図りました。

 また、ライセンシングビジネスについては、新たなライセンシーを獲得するとともに、既存のライセンシー各社が更に事業発展できるようビジネス面でのサポートに加え、SNSの積極的な配信やフォロワー数の拡大など、各種サポートを実施しています。

 当連結会計年度の売上高は164百万円(前期比22.1%減)と、前期を下回る結果となりました。しかし、濱野皮革工藝の売却により損失が減少した結果、25百万円の営業利益(前期比67.1%増)と前期より増加する結果となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,257百万円となり、前期末に比べ432百万円増加(前期比15.3%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果支出した資金は849百万円(前期は187百万円の支出)となりました。主な資金の減少要因としては、税金等調整前当期純損失△381百万円、棚卸資産の増加額△614百万円、長期未収入金の増加額△680百万円及び為替差益△407百万円等、支出項目の合計額が収入項目(貸倒引当金の増加額673百万円、固定資産から棚卸資産への振替747百万円及び関係会社株式売却損99百万円)の合計額を上回ったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は1,049百万円(前期比8,598.6%増)となりました。これは主に関係会社株式の売却による収入125百万円及び有形固定資産の売却による収入919百万円が発生したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は229百万円(前期は10百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入464百万円及び長期借入金の返済△234百万円によるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業(千円)

7,481

117.8

ファッションブランド事業(千円)

66,715

77.7

合計

74,196

80.4

(注)1.不動産投資事業及びその他投資事業につきましては、該当事項はありません。

 

②受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント事業

195,673

46.0

404,818

74.5

合計

195,673

46.0

404,818

74.5

(注)1.ファッションブランド事業、不動産投資事業及びその他投資事業につきましては、該当事項はありません。

 

③販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

  至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

不動産投資事業(千円)

926,111

199.8

建設コンサルタント事業(千円)

333,652

116.5

ファッションブランド事業(千円)

164,661

77.8

その他投資事業(千円)

合計

1,424,424

148.1

(注)1.当連結会計年度より、投資事業のうち国内外の証券投資事業を「その他投資事業」セグメントへ帰属させ、投資事業については、不動産投資に特化すべくその実態に応じ「不動産投資事業」セグメントへ帰属させることといたしました。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき開示しております。

2.セグメント間の取引については相殺消去しています。

3.建設コンサルタント事業及びファッションブランド事業に関する主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため、省略しております。なお、不動産投資事業の主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2024年1月1日

   至 2024年12月31日)

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

   至 2025年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱IKカンパニー

281,515

29.2

㈱オープンハウスリアルエステート

822,933

57.7

 

 

 

(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項については当連結会計年度末時点において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析

経営成績

(売上高及び営業損益)

 当連結会計年度においては、2025年10月の濱野皮革工藝㈱の株式売却の影響によりファッションブランド事業の売上高は前期を下回ったものの、不動産投資事業における収益物件の売上及び建設コンサルタント事業において売上高が堅調に推移したことを受け、売上高は1,424百万円(前期比48.1%増)と前期と比較して大幅に増加する結果となりました。

 しかし、沖縄開発プロジェクトの進捗遅延に係る対応により棚卸資産評価損を計上したこと及び建設コンサルタント事業において原価率が相対的に高い案件が多かったことにより収益性が低下したため、当連結会計年度の売上総利益は188百万円(前期比54.0%減)前期よりも減少する結果となりました。

 一方、前期からの人員増強及びIT投資が一段落した結果、販売費及び一般管理費については393百万円(前期比3.6%減)と若干減少したものの、売上総利益の減少を補うには至らず、当連結会計年度は204百万円営業損失(前期は2百万円の営業利益)と営業利益から営業損失に転じました。

 なお、セグメントごとの売上高及び営業損益の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

(営業外損益及び経常損益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前期より203百万円増加し461百万円となりました。海外連結子会社の有償減資を行ったことにより発生した為替差益を含め為替差益を407百万円計上した結果、前期よりも大幅に増加する結果となりました。

 当連結会計年度の営業外費用は、前期より15百万円増加し24百万円となりました。借入金に係る支払利息が増加したこと(前期比83.2%増)及び当該借入に係る財務費用(支払手数料)が発生したことが主要因です。この結果、当連結会計年度は231百万円の経常利益(前期比7.6%減)となりました。

 

(特別損益及び税金等調整前当期純損益)

 当連結会計年度は海外連結子会社の収益物件の売却に伴う固定資産売却益172百万円及び連結子会社の清算に伴う関係会社清算益15百万円等を計上した結果、特別利益は189百万円となりました。

 当連結会計年度は連結子会社の遊休資産及び事業資産に係る減損損失11百万円、遊休資産売却に伴う固定資産売却損17百万円、関係会社株式売却損99百万円及び沖縄開発プロジェクトへの対応として674百万円の貸倒引当金を計上した結果、特別損失は803百万円となりました。この結果、381百万円の税金等調整前当期純損失(前期は250百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。

 

(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純損益)

 当連結会計年度における法人税等合計額(過年度法人税等及び法人税等調整額を含む)は、前期より13百万円減少した41百万円となりました。これは、前連結会計年度と比較して課税所得が減少したことに伴い法人税が9百万円減少したことが主要因であります。

 この結果、最終的には423百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は194百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と前期から一転し、純損失に転じる結果となりました。

 

 

財政状態

 当連結会計年度末における総資産は4,969百万円で前期末に比べ703百万円減少し、負債は606百万円で前期末と比べ160百万円増加し、純資産は4,362百万円で前期末と比べ863百万円の減少となりました。

 

(流動資産)

 当連結会計年度における流動資産の残高は4,728百万円となりました。対前期比で24.1%、919百万円増加しました。主な要因は、「現金及び預金」が有形固定資産の売却及び新規借入等により414百万円増加したことに加え、「販売用不動産」が購入及び仕掛販売用不動産からの振替により1,114百万円増加した一方、「仕掛販売用不動産」を「長期未収入金」及び「販売用不動産」に振替えたことにより554百万円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度における固定資産の残高は240百万円となりました。対前期比で1,622百万円減少しました。主な要因は、棚卸資産(販売用不動産)への振替及び売却により「建物及び構築物」及び「土地」がそれぞれ547百万円、1,067百万円減少したことによるものであります。

 なお、沖縄開発プロジェクトに係る「仕掛販売用不動産」を「長期未収入金」に振替えたことにより「長期未収入金」が680百万円増加しておりますが、同未収入金に係る貸倒引当金の設定により「貸倒引当金」が672百万円増加しており、固定資産の増減としては軽微なものとなっております。

 

(流動負債)

 当連結会計年度における流動負債の残高は591百万円となりました。対前期比で181.9%、381百万円増加しました。主な要因は当年度における新規借入により「1年内返済予定の長期借入金」が453百万円増加した一方で、「前受金」が64百万円減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度における固定負債の残高は15百万円となりました。対前期比で93.4%、220百万円減少しました。主な要因は「長期借入金」が返済により222百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度における純資産863百万円減少の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失423百万円の計上、新株予約権1百万円の減少、自己株式0百万円の増加及び海外連結子会社の有償減資に伴う為替換算調整勘定438百万円の減少であります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況及びその分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要のうち主なものは、各事業セグメントにおける仕入資金、営業費用等の運転資金のほか、投資事業における収益物件取得のための資金等です。

 当社グループは事業運営上必要な資金を安定的に確保するための源泉として、自己資金及び金融機関からの借入によることを基本方針としています。当連結会計年度の現金及び預金は、資産合計の66.2%を占める3,293百万円となっております。

 当該残高及びこれまでの借入実績から勘案すると、現状の事業活動の維持の観点からは、将来資金に関して十分な財源が確保されていると考えております。

 

5【重要な契約等】

(1)以下のとおり、経営上重要な契約を締結しております。

会社名

相手方の名称

契約締結日

契約の内容

契約期間

株式会社トライアイズ
(当社)

沖縄リアルター

株式会社

2023年6月26日

不動産事業に関する業務提携

契約締結から3年間

以後1年ごとの自動更新

 

(2)連結子会社の異動(株式売却)

当社は、2025年9月16日開催の当社取締役会において、当社が保有する連結子会社濱野皮革工藝株式会社の全株式を株式会社UKETUGI(東京都渋谷区、代表者 黒越 誠治)に譲渡することを決議し、2025年10月1日に譲渡いたしました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。

 

 

6【研究開発活動】

  該当事項はありません。