当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、《日本電気硝子 企業理念体系》の下、世界一の特殊ガラスメーカーを目指し、材料設計、溶融、成形、加工といった技術により様々な特性や機能を持つガラス製品を開発、生産し、市場に潤沢に供給することにより、社会のニーズに対応していくことを経営の基本においています。
同時に、事業活動を行うにあたり重要と認識するサステナビリティのマテリアリティ(重点課題)を設定し活動を推進することにより、「環境」「社会」「経済」の調和を図った事業活動を行い、持続的な成長を実現し、企業価値の向上を図ってまいります。
《日本電気硝子 企業理念体系》
わたくしたちは、“文明の産物”の創造を通して社会に貢献するという創業の精神を、企業理念の底流をなすものと位置付けています。
(企業理念)
ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。
(スローガン)
GLASS FOR FUTURE
(目指すべき企業像)
世界一の特殊ガラスメーカー
(大切にしている価値観)
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・お得意先第一 |
お得意先のご要望を理解し、そのご要望にどこまでもお応えすること。 |
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・達成への執念 |
執念をもって、課題を為し遂げること。 |
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・自由闊達 |
前例にとらわれない自由な発想と、部門や世代にとらわれない自由な発言を尊重すること。 |
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・高い倫理観 |
いかなる局面においても、常に高い倫理観を持って誠実に行動すること。 |
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・自然との共生 |
自然と共存することを常に意識し、環境負荷の低減に努めること。 |
(2)サステナビリティの取り組み
(基本的な考え方)
当社グループは、「環境」「社会」「経済」の調和を図った事業活動を行い、持続的な成長を実現し、企業価値の向上を図ります。
これらの取り組みを支えるため、「人材」「資金」「モノ」「技術」「情報」といった経営資源を有効に活用し、コーポレート・ガバナンスの強化を通じて、サステナビリティ経営の実行力を高めていきます。
(マテリアリティ(重点課題))
環境
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マテリアリティ |
背景と課題 |
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気候変動への対応 |
溶融に多くのエネルギーを使用するガラス製造においては、溶融炉から排出される温室効果ガス量の削減は重要な課題です。また、気候変動に関するリスクの低減と機会の獲得を通じて、事業活動の強化に努めます。 |
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資源の有効活用 |
大量の天然資源を使用するガラス製造業にとって、資源の使用を最小化し、生産効率を最大化することで廃棄物の発生を最小化することは最重要課題のひとつです。 |
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自然との共生 |
琵琶湖の周辺に複数の製造拠点を持ち事業展開をしてきた当社は、「世界一のモノづくり」による環境負荷の低減により、持続可能な発展や生物多様性の保全に努めます。 |
社会
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マテリアリティ |
背景と課題 |
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多様性 |
多様な人材の総合力が企業成長の原動力と考えています。多様な人材の採用と、従業員がお互いの人権を尊重し、モチベーションをもって働ける仕組みづくりを行います。 |
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人材 |
目指す人材像「あらゆるステージで世界一のパフォーマンスを発揮できる人」の実現に向けて、人材のレベルアップを図ります。 |
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安全と健康 |
個々人がいきいきと、安全で健康に働ける職場づくりや、作業リスクの継続的な改善を図ることで、従業員のモチベーションや定着率の向上、ひいては企業全体の生産性・創造性の向上につなげます。 |
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責任調達 |
環境、人権等に関してサプライチェーン全体で社会的責任を果たします。 |
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地域社会との共生 |
事業活動の継続には、地域社会との良好な関係が不可欠です。地域社会との信頼関係を築き、教育、福祉、環境等の支援を通して、地域社会の発展に貢献します。 |
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ガラス科学の発展 |
当社の持続的成長には基盤技術であるガラスの基礎研究と人材育成への支援が不可欠と考えています。当社は高等教育機関との連携や教育支援を通して、ガラス科学の発展に貢献します。 |
ガバナンス
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マテリアリティ |
背景と課題 |
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コンプライアンス |
海外での製造及び販売比率が高い企業として、国際ルール、法令を遵守し、常に高い倫理観をもって誠実に行動します。 |
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コーポレート・ ガバナンス |
取締役会の多様性を確保することで監督機能を強化し、事業活動の競争力を高めます。 |
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機密情報管理 |
情報漏洩やサイバー攻撃による企業活動停止のリスクを最小限に抑え、重大な影響を及ぼす事象の発生がない状態を目指します。 |
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情報開示 |
各ステークホルダーとの良好な関係を構築するため、必要な情報を適時、適切に開示します。 |
(3)目標とする経営指標
将来に亘る事業の存続と発展を期するためには、継続的な研究開発と設備投資並びにこれらの活動を支える売上と利益が不可欠であると考えています。また、企業価値を高めるためには、効率的な事業運営や資本の効率的な活用が重要になります。このため、当社グループでは、売上高、営業利益、営業利益率、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標と位置付けています。
(4)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
<経営環境>
○事業内容
当社グループは、電子・情報の分野におけるガラスをはじめとする特殊ガラス製品及びガラス製造機械類の製造、販売を行っています。「電子・情報」の分野ではディスプレイ事業、電子デバイス事業などのビジネスを、また、「機能材料」の分野では複合材事業、医療事業、耐熱事業、建築事業などのビジネスを展開しています。中期経営計画の推進を通して、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築していきます。
(主要製品)
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区 分 |
製 品 分 類 |
主 要 製 品 名 |
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電子・情報
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ディスプレイ
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液晶ディスプレイ用ガラス 有機ELディスプレイ用ガラス 超薄板ガラス G-Leaf® 化学強化専用超薄板ガラス Dinorex UTG® 紫外線遮蔽超薄板ガラス |
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電子デバイス
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半導体プロセス用ガラス LTCC製品 機能性粉末ガラス イメージセンサ用板ガラス 小型電子部品用管ガラス 光エレクトロニクス用ガラス 蛍光体ガラス ルミファス® |
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機能材料
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複合材
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機能樹脂強化用チョップドストランド 建築材料用ウェットチョップドストランド 樹脂強化用ロービング セメント強化用耐アルカリ性ガラスファイバ WizARG® 電子材料用低誘電ガラスファイバ |
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医療
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医薬用管ガラス 放射線遮蔽用ガラス LXプレミアム |
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耐熱
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超耐熱結晶化ガラス ネオセラム® 調理器トッププレート用超耐熱結晶化ガラス StellaShine® |
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建築
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防火設備用ガラス ファイアライト® ガラスブロック 結晶化ガラス建材 ネオパリエ® |
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その他
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照明用ガラス ガラスエンジニアリング |
○当連結会計年度の経営環境
当連結会計年度においては、米国の関税政策の動向や中国経済の減速、中東地域での地政学的緊張の一層の高まり等、世界経済は不透明な状況が続きました。
このような環境ではありましたが、当社グループにおいては、ディスプレイ事業の堅調な需要が継続したほか電子デバイス事業が好調に推移したことから、売上高は前連結会計年度(2024年1月1日~12月31日)を上回りました。営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、生産性の改善や高付加価値製品の拡販等により、前連結会計年度を大きく上回りました。
<展開する市場分野>
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自動車 |
:軽量化材料、照明、ディスプレイ、自動運転(カメラ・センサ等)、各種電子機器 |
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エネルギー |
:二次電池、再生可能エネルギーシステム |
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医療 |
:先進医薬容器、先端医療機器・設備 |
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半導体 |
:次世代半導体材料(小型高精細・高機能)、半導体製造プロセス |
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ディスプレイ |
:高機能ディスプレイ(高精細・薄型軽量・フレキシブル) |
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情報通信 |
:光通信デバイス(次世代高速通信対応) |
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社会インフラ |
:高機能防火設備、高性能構造材料(安全・耐久・軽量) |
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家電・住設 |
:高機能家電・住設材料、多機能壁材 |
<中期経営計画EGP2028>
当社グループは、2024年度から2028年度までの5か年を対象期間とする中期経営計画EGP2028を策定しています。
(スローガン)
STRONG GROWTH
(基本方針)
既存事業の収益基盤強化と成長分野への積極的なリソース投入を推進し、持続的成長と企業価値向上を実現する。
(期間)
2024年1月1日~2028年12月31日(5か年)
(経営目標)
売上高 4,000億円(電子・情報1,900億円、機能材料1,600億円、新規事業500億円)
営業利益 500億円
営業利益率 12.5%
ROE 8%
目標達成年度 2028年度
(事業戦略)
①既存事業の強化(競争力向上による収益基盤強化)
・高付加価値製品の開発、事業化を強化する。
・全電気溶融技術を活用し、生産性・品質の向上を図る。
・強固な事業基盤を構築する(リソースの効率的な運用、DXの推進、調達の見直し、業務/製造プロセス改革等)。
・事業収益性の分析を徹底し、投資や縮小、撤退を判断する。
②戦略事業の拡大(成長分野へのリソース拡充)
・自社の強みを活かし、成長が期待できる分野へリソースを積極的に投入し戦略事業を拡大する。
・ガラスの付加価値を高めるデバイス事業を拡大する。
・エネルギー、医療、環境、食料分野を中心に、研究開発のリソースを拡充するとともに、大学や研究機関、ベンチャー企業等との連携を積極的に活用する。
・戦略的投資枠(5年間で500億円)を設定し、M&Aや戦略的提携、事業投資等を積極的に行う。
③調達リスクマネジメント
・経済情勢や物流の混乱等による調達リスクへ対応する(調達先・物流ルートの複数化、取引先との戦略的提携等)。
(財務戦略)
①政策保有株式の縮減
事業環境の変化等を考慮し、資本コストを踏まえた定量面と経営戦略等の定性面から保有の適否を検証し一層の縮減を進める。
②資産の圧縮
EGP2028や事業改革等の過程で生じたノンコア資産については、適宜、処分し資産効率の向上を図る。
③バランスシートの管理と株主還元の充実
財務の安定性と資本効率性を考慮してバランスシートを管理するとともに、将来の成長に期した内部留保を確保しながら、株主還元の充実を図る。
- 自己株式の取得
資本効率向上に向けて、2023年11月から2028年12月末までの間(約5年間)、総額1,000億円の自己株式の取得を計画
- 継続的な配当の拡大:目標DOE3%
安定配当を基本とし、業績、財務状況、成長投資等を踏まえ配当を拡充
(サステナビリティ戦略)
①カーボンニュートラルの推進
全電気溶融技術をはじめとする技術開発等を推進し、地球温暖化防止に貢献するとともに、持続的な成長と企業価値の向上を図る。
・全プロセスの電化を進める
・再生可能エネルギーへの投資と調達
・CO2フリーエネルギー(水素等)の技術開発
②人材戦略
経営の基盤となる人材への投資を拡大するとともに、多様な人材が十分に能力を発揮できる職場環境を確保し、競争力の向上を図る。
・高度な知識や技術を持つ人材の採用と育成
・多様な人材の登用
・多様な人材が働きやすく、働きがいを感じる職場の整備
③サプライチェーンマネジメント
サプライチェーン全体で、環境、生物多様性、人権等に関して社会的責任を果たす取り組みを推進し、持続的な成長と企業価値の向上を図る。
<中期経営計画EGP2028の進捗>
(事業戦略)
・既存事業
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ディスプレイ事業 |
・生産性改善による収益基盤の強化 ・全電気溶融技術の活用(導入比率7割弱。2025年12月末現在) ・高耐熱性低熱収縮ガラス基板の生産拡大 ・超薄板ガラスの用途拡大 フォルダブルスマートフォン用カバーガラス スピーカー振動板(ダイヤフラム) 人工衛星ソーラーパネル用カバーガラス ・中国市場でのシェア拡大(第10.5世代等の大型基板) ・オーバーフロー技術を活用した新製品の開発 ・薄膜技術を活用した事業育成(フッ素フリーコーティング技術等) |
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電子デバイス事業 |
・半導体関連製品の販売拡大(半導体用サポートガラス、プローブカード用基板等) ・無機コア基板(GCコア®、ガラスコア基板)の開発 ・成長分野での製品開発と早期の事業化(パネルタイプの半導体用サポートガラス、無機コア基板等) ・M&Aを含めた高付加価値事業の拡大 |
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複合材事業 |
・各拠点(マレーシア、米国、日本)での収益改善取り組み ・電気溶融技術の導入推進 ・低誘電ガラスファイバ D2ファイバの開発・販売開始 ・高付加価値製品の開発(低膨張ガラスファイバ等) |
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医療・耐熱・建築事業 |
・医薬用管ガラスの全電気溶融炉導入による高品質・高効率プロセスの確立及び海外市場での拡販・新規顧客開拓 ・放射線遮蔽用ガラスの拡販 ・トッププレート用耐熱ガラスにおける独自の印刷技術を生かした高付加価値製品の開発・拡販(StellaShine® Mono) ・防火設備用ガラス ファイアライト®の拡販 |
・戦略事業
当連結会計年度においては、世界各国で重要な環境問題として認識されているPFAS規制に対応したフッ素フリーコーティング技術を開発し、販売を開始しました。高い撥水・撥油性能に加えて、「可視光透過性」「耐熱性」に優れており、半導体、医療、電気・電子、自動車など様々な分野で高い関心を得ています。
また、新たな事業領域の探索や見極め、ベンチャー企業とのオープンイノベーションによる革新的な技術開発を目的にベンチャーキャピタルファンドへの出資を行いました。このほか、エネルギー、環境、食料等の分野において研究開発を進めています。
(財務戦略)
政策保有株式については、この2年間で6銘柄の株式を全数売却するとともに、1銘柄は継続的に株式の売却を進めており、連結純資産に占める政策保有株式の割合は、7.3%の水準まで低下しています。また、藤沢事業場跡地の売却や事業改革に伴い不要となった固定資産の売却等ノンコア資産の圧縮も進めています。
株主還元については、前連結会計年度及び当連結会計年度と継続して増配を行うとともに、自己株式の取得も実施しました(2023年11月~2025年12月の間で約600億円を実施)。また、当連結会計年度に一部の自己株式を消却しました。
今後もバランスシートの管理と株主還元の充実を図っていきます。
文中における将来に関する事項は、提出日現在(2026年3月26日)において当社グループが判断したものです。
⑴サステナビリティ全般
①ガバナンス
サステナビリティに関する当社のガバナンス体制は次のとおりです。
(サステナビリティ推進体制図)
(取締役会)
当社グループの経営に係る重要な事項の意思決定を行うとともに、業務執行を監督しています。サステナビリティに係る経営課題においては、体制の構築、優先して取り組むべき課題とその解決に向けた施策及び目標の設定、業務執行責任者として社長が遂行する施策の評価、助言等を行います。取締役会には、社外役員(社外取締役4名、社外監査役2名)が参加しています。
(社長)
業務執行責任者としてその任にあたり、取締役会の決定及び助言に基づき施策を実行しています。
(経営会議)
会社の経営上の重要案件や取締役会の決定事項の具体的な実施施策等についての審議を行っています。
(サステナビリティ委員会)
主な活動は、サステナビリティに関わる基本方針の策定、当社グループにとって重要なサステナビリティのリスクと機会を含む課題(マテリアリティ)の設定、各マテリアリティに対応するための諸施策の立案・審議・推進及び情報開示の方針や開示内容等の立案・審議であり、適宜、経営会議及び取締役会への提言・報告を行っています。また、マテリアリティを軸に、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続的な開発目標)等幅広い課題に取り組んでいます。
サステナビリティ委員会は、コーポレートコミュニケーション担当役付執行役員を委員長として、サステナビリティに関係する部門長等で構成され、事務局をコーポレートコミュニケーション部に置いています。また、各マテリアリティの取り組みの実効性を高めるため、4つのワーキングチームを設置しています。「環境チーム」は気候変動対応や環境保全、「人的資本チーム」は人材の採用・教育及び安全衛生、「調達チーム」はサプライチェーンにおける環境や人権等、「地域貢献チーム」は教育支援等を主要テーマに取り組んでいます。
※CSR委員会は2026年1月1日付けでサステナビリティ委員会へ改組しました。
(執行役員及び所轄のスタッフ機能部門、事業部門)
サステナビリティ委員会が立案・審議・推進する諸施策の遂行等を通じてマテリアリティに関わるリスクの低減と機会の獲得に努めています。
②戦略
当社グループは、中期経営計画EGP2028において、サステナビリティ戦略としてカーボンニュートラルの推進、人材戦略、サプライチェーンマネジメントを掲げ、様々な取り組みを推進しています。
EGP2028のサステナビリティ戦略の詳細は、「
③リスク管理
当社グループでは、「内部統制の基本方針」に基づき定期的にリスク調査を行い、経営上のリスクの把握、対応等を行います。また、当社が重要と認識している当社グループの事業に関するリスクについては、担当部門又は専門委員会が、必要に応じて、規程・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成等の対応を行います。新たに生じたリスクについては、社長が速やかに対応責任者を決定し対策を講じます。経営上特に重要な事項については、取締役会、経営会議で審議・報告します。サステナビリティ委員会の活動を通して特定・評価されたサステナビリティに関するリスクについては、当該リスク調査に統合されます。
経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、「
⑵気候変動
溶融に多くのエネルギーを使用するガラス製造においては、溶融炉から排出される温室効果ガス量の削減は重要な課題であり、最優先で対応を進めています。
当社は、2021年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD※)の提言への賛同を表明し、気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会を分析し、財務面への影響とその対応について、当社グループのカーボンニュートラル実行計画に基づいた指標と目標、目標達成に向けた取り組みを当社ウェブサイトに開示しています。この取り組みを進めることにより、世界一の効率と世界一環境にやさしいガラスづくりを目指していきます。
※2023年10月に解散し、国際財務報告基準(IFRS)財団がその役割を引き継いでいます。
URL:https://www.neg.co.jp/sustainability/environment/climate/
①ガバナンス
サステナビリティ委員会「環境チーム」が、TCFDの枠組みに基づき、スタッフ機能部門と事業部門へのヒアリングを行い気候関連のリスクと機会を特定又は見直し、シナリオ分析により事業インパクトを評価・レビューしています。当該リスクと機会の責任部門が、戦略のレジリエンスの要であるカーボンニュートラル実行計画等を推進し、その進捗を環境チームが定期的にサステナビリティ委員会に報告します。
②戦略
サステナビリティ委員会「環境チーム」は、シナリオ分析に1.5℃/2℃シナリオ及び4℃シナリオを使用し、2030年時点を想定した事業インパクトを評価しました。当社グループでは、気候関連リスクの主たる対応として、カーボンニュートラル実行計画を推進しています。気候関連のリスクと機会及び対応策の詳細は、当社ウェブサイトに掲載しています。
③リスク管理
上記①及び②のプロセスを経て特定及び評価された気候関連のリスクと機会及び対応策は、「内部統制の基本方針」に基づき、定期的に行われる当社グループのリスク調査に統合されるとともに、担当部門が対応策を推進します。
④指標及び目標
今日、気候変動への対応が地球規模の重要課題となる中、今後も持続可能なモノづくりを追求するとともに、気候変動に的確に対応するため、2022年2月に2030年度におけるCO2排出量削減目標(Scope1+2)と2050年度までのカーボンニュートラル達成を公表し、全電気溶融設備の水平展開や省エネ設備への切り替え、再生可能エネルギーへの投資等、野心的な施策を推進しています。また、Scope3についても排出量算定のための仕組み構築し、排出量を開示しています。
(CO2排出量の削減目標(Scope1+2))
2030年度に CO2排出量(Scope1+2)36%削減、排出量原単位※(Scope1+2)60%削減 (2018年度比)
2050年度までに カーボンニュートラルの達成
※生産重量比
(目標達成に向けた取り組み事項)
CO2排出量の削減目標を達成するために、当社グループでは2021年度に部門横断チーム「カーボンニュートラルプロジェクト」を立ち上げ、「カーボンニュートラル実行計画」を策定しました。各部門が同計画に基づき、様々な取り組みを行っています。各取り組みにより2030年度に所期の目標を達成し、その後も2050年度までのカーボンニュートラル達成に向けて改善活動を推進していきます。
主な取り組みとその進捗については、当社ウェブサイトに掲載しています。
参考 CO2排出量(Scope1+2)
当連結会計年度は、主にディスプレイ事業における生産性改善及び複合材事業における事業構造改革により、CO2排出量(Scope1+2)は前連結会計年度と比べて減少しました。CO2排出量原単位(Scope1+2)は基準年度比72%と前連結会計年度から横ばいとなりました。
なお、CO2排出量(Scope1+2)は2030年度の目標を達成しています。今後、各国のCO2排出量削減目標の見直しやGX政策の動向を見極めつつ、当社における目標と取り組み事項の見直しを進めていきます。
※ 暫定値に基づいた分析です。
・2025年度の数値は暫定値です。確定値は2026年5月発行予定の「
・GHGプロトコル、ISO14064-1を参考に算定しています。Scope2はマーケット基準による算定値を掲載しています。
⑶人的資本
①ガバナンス
サステナビリティ委員会「人的資本チーム」の主管部門である人事担当部門が、人事統括役付執行役員の下、人材採用、人材育成及び社内環境整備に関する諸施策の取り組みを、また、「調達チーム」の主管部門である資材担当部門が、資材統括役付執行役員の下、サプライチェーンにおける人権や環境等のリスクの特定・評価と対応を行い、各々当該取り組み状況を定期的にサステナビリティ委員会に報告します。
②戦略
当社では、目指すべき企業像「世界一の特殊ガラスメーカー」を実現するため、「あらゆるステージで世界一のパフォーマンスを発揮できる人」を“目指す人材像”として設定し、人材育成に努めています。また、性別、人種、障害の有無を問わず多様な人材による総合力が企業成長の原動力であると考え、多様な人材の採用や、各々が健康で安全に働ける職場環境の整備に努めています。当社の人材採用、人材育成、社内環境整備、サプライチェーン管理の各方針については次のとおりです。
(人材採用方針)
当社では、新卒採用人数の拡大に加え、高い専門性を持つ人材のキャリア採用や研究者のつながりを通じた採用、リファラル採用による地域に根差した人材の獲得などを行っています。さらに、一度退職した従業員の再入社の窓口を設けるなど、人材流動化が加速する中においても、幅広い入り口で多様な人材の確保を目指しています。また、当社グループは1980年に全国6番目となる障害者雇用促進のための特例子会社を設立するなど障害者雇用にも積極的に取り組んでいます。
(人材育成方針)
当社が目指す人材像には、豊かな教養・高い倫理観・誠実な行動といったビジネスパーソンとして必須の要件に加え、プロ意識・チャレンジ精神・主体的行動力・変革力・達成への執念といった強いマインドが必要であると考えています。このような人材を育成するため、実戦経験を積めるOJTを基本に据え、若手層から経営層に至る定期的な階層別研修、グローバル人材研修、業務直結型のスキル系研修、自己啓発・資格取得支援プログラムなど、中長期スパンで着実に成長を実現できる研鑽の場を設けながら、人材のレベルアップを図っています。
(社内環境整備方針)
当社グループでは、性別、人種、障害の有無を問わず多様な人材による総合力が企業成長の原動力であると考え、各々が健康で安全に働ける職場環境の整備に努めています。これを実現するため、多様な人材の採用を進めるとともに、職場環境や制度の整備を進めています。
・人材の定着・活躍推進
人材の定着・活躍推進では、「多様な働き方の拡大」、「次世代育成支援・女性活躍推進」、「高齢者人材の活用」、「海外にルーツを持つ従業員の活躍推進」を主要テーマに取り組んでいます。
「多様な働き方の拡大」については、在宅勤務制度、フレックスタイム制度など働き方の選択肢を増やし、多様で柔軟な働き方を実現する制度の導入を積極的に進めています。「次世代育成支援・女性活躍推進」では、管理職を含む女性リーダーの育成や、“プラチナくるみん”(子育て支援優良企業)認定を取得し、女性従業員の活躍を後押ししています。「高齢者人材の活用」では、意欲と能力のある人材が活躍できるよう、給与水準の引き上げとともに、職務の大きさや評価に応じた処遇制度の整備を進めています。「海外にルーツを持つ従業員の活躍推進」では、増加する国内拠点の外国人従業員に対するメンター制度や日本語教育の充実等によるコミュニケーション支援を行っています。
・健康経営
当社では、全ての従業員の健康増進を図ることが企業成長につながるとの「健康経営」の考えを基本とした活動を展開しています。健康経営戦略マップを策定し、「一人ひとりがいきいきと働くことができる会社に」を旗印に、従業員意識調査、メンタルヘルスケア等の研修、健康づくり活動、災害ゼロを目指す安全衛生活動等の取り組みを推進しています。これらの効果を測定するため、KPIを設定し目標管理をしています。
(サプライチェーン管理)
サステナビリティの実現には、サプライチェーン全体で取り組みを進めることが必要です。当社グループでは、グループ企業行動規範において、サプライチェーン全体で環境、生物多様性、人権等に関して社会的責任を果たす取り組みに努めることを定めています。また、サプライチェーンガイドラインを策定し、法令遵守、人権・労働、安全衛生、環境等に関してサプライチェーンで問題が発生しないように取引先調査等を行うとともに、取引先説明会を開催し取引先とのコミュニケーション向上に努めています。また、サプライチェーンにおける人権問題についての相談窓口を開設し、相談受付範囲をサプライチェーン全体へ拡大しています。
③リスク管理
上記①のプロセスを経て特定・評価された人的資本・多様性に関するリスク及び対応策は、「内部統制の基本方針」に基づき定期的に行われる当社グループのリスク調査に統合されるとともに、担当部門が対応策を推進しています。
④指標及び目標
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指標 |
目標 |
実績(2025年度) |
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女性採用比率(新卒総合職)(注1) |
25%以上 |
25.8% |
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法定雇用率(2024年:2.5%)を超える |
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プレゼンティーイズム損失割合(注1)(注3) |
2026年に23%未満 |
24.9% |
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メンタル休業割合(注1)(注4) |
2026年に1%未満 |
1.5% |
(注)1.目標と実績は提出会社のものです。
2.目標と実績は提出会社及び国内連結子会社の合計です。
3.プレゼンティーイズム損失割合とは、出社しているものの、何らかの健康問題に起因して生産性が損失している割合をいいます。
4.メンタル休業割合とは、全従業員に占めるメンタル不調による休業者数の割合をいいます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(2026年3月26日)において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 発生の可能性(中)、影響度(大)
① 資材等の調達に関するリスク
当社グループの生産活動においては、調達先との良好な関係を維持するとともに、調達先の開拓や複数化、汎用品への転換等に努めていますが、原燃料、資材について供給の逼迫や遅延、価格の高騰、また、物流費の高騰等が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 自然災害、事故災害、感染症に関するリスク
当社グループは、BCP(事業継続計画)の推進や耐震建築・防災活動・製造拠点の分散などにより災害等のリスクの軽減に努めていますが、当社グループ及び当社グループの構築するサプライチェーンにおいて、地震、台風、大雨等の自然災害、火災、停電等の事故災害や感染症が発生した場合、設備等の損壊、電力、ガス、水の供給困難や感染症の流行による従業員の自宅待機、原燃料、資材の調達困難等により、一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復や、その他生産及び出荷の回復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 発生の可能性(中)、影響度(中)
① 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業の過程で顧客又はその他団体や個人(従業員を含む)に関する機密的な情報を入手することがあります。これらの情報の管理には細心の注意を払っており、情報管理委員会等を設置し、情報の漏洩が生じないようにセキュリティシステムの活用や従業員の情報管理意識の向上及び知識の習得を目的とした社内研修実施等の対策を講じていますが、これらの情報が外部に漏洩する可能性は否定できません。また、ウイルス感染やサイバー攻撃等により、情報システムが使用できなくなり、事業活動が中断する可能性があります。
情報が外部に漏洩した場合には、被害を受けた者から損害賠償請求を受ける可能性及び当社グループの企業イメージが損なわれる可能性があります。また、情報漏洩や情報システムの停止により事業活動が中断した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 需要及び市場構造の急変に関するリスク
当社グループの事業分野は、技術革新によってデバイスや部品、材料の転換が急速に進む可能性があります。当社は、広範かつ高度な特殊ガラス技術の蓄積を背景に研究開発を促進するとともに積極的な営業展開により、新規のニーズへの対応に努めていますが、新規のデバイス等への転換によって既存製品の需要が急激に縮小に転じ、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、需給バランスの悪化、競合他社との競争の激化等により製品価格又は供給量が大幅に変動した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 設備投資に関するリスク
当社グループでは、特殊ガラス製品を製造していますが、これらの生産設備の新設には多額の資金と相当の期間を要します。また、既設の設備についても生産性改善等のために継続的な改良や定期的な大規模修繕が必要です。
当社グループでは、適時かつ適切な生産設備の新設、継続的な改良や定期的な大規模修繕に努めていますが、需要予測に大きな変化が生じた場合、生産性等所期の設備能力が得られなかった場合、あるいは主要設備部材の価格が市況により急激に変動した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 環境に関するリスク
当社グループは、資源とエネルギーを大量に使用する環境負荷の高いガラス事業を主に行っています。そのため、環境に配慮した製品のさらなる開発を行うほか、環境への影響を低減するための設備や管理体制の充実を図る一方、生産効率すなわち資源やエネルギーの原単位向上や3R(Reduce、Reuse、Recycle)の推進などの環境負荷低減に取り組んでいます。また、炭素税やエネルギーコストの増加等が重大なリスクとの認識のもと、カーボンニュートラルに向けたCO2排出削減の取り組みを強化し、TCFD提言に基づく開示に取り組んでいますが、今後環境に関する規制や社会が求める環境責任が厳しくなることにより、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 一部製品の販売に関するリスク
当社グループでは、売上の安定を図るため顧客の多様化に努めていますが、一部製品の販売については特定の主要顧客に依存しており、このような製品については、当該顧客の投資・販売計画及び資材調達の方針等が当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 海外活動に伴うリスク
当社グループの事業活動は、世界の市場を対象に行われています。これら海外における事業活動には以下に掲げるようなリスクが内在しています。当社グループは、現地の当局や在外連結子会社と緊密なコミュニケーションをとるとともに各国の情勢に詳しい専門家の助言を得ることなどによりリスクの軽減を図っています。
・予期しない法令又は規制の変更
・移転価格税制等の国際税務リスク
・特有の取引慣行
・政治及び社会情勢の変化
・テロ、戦争、感染症、その他の要因による社会的混乱
⑦ 人材の確保及び労務関連のリスク
当社グループは、人材戦略を事業活動における重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しています。当社グループは、多様な人材の積極的な採用や育成、自動化などによる省力を通じて最適かつ効率的な人材の確保に努めていますが、適切な人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受け、又は機会損失が生じるなど当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは法令に基づく適正な労務管理などにより、労務関連のリスクの低減に取り組んでいますが、労務関連の各種コンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)が発生した場合、当社グループの企業イメージ低下や争訟の発生等、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 知的財産権に関するリスク
当社グループでは、競争力における優位性を確保するため、現在の事業活動及び将来の事業展開に有用な知的財産権取得に努める一方、他社の知的財産権の調査や監視を行い、必要に応じて代替技術の開発や他社の知的財産権の譲り受け又はライセンス取得により、問題発生の防止を図っていますが、当社グループが知的財産権に関連する争訟に巻き込まれた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 発生の可能性(中)、影響度(小)
① 法的規制等に関するリスク
当社グループが事業を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、独占禁止、製造物責任、環境、労務、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。当社グループは、こうした法令及び規制の遵守はもとより、法令改正の動向調査を行うとともに、定期的な社内教育や監査等も実施しながら公正な企業活動に努めていますが、万一法令・規制違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利な結果が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 為替及び金利等の変動リスク
当社グループでは、世界の市場を対象に事業活動が行われているため、為替予約などにより為替相場の変動に伴うリスクの軽減に努めていますが、当社グループの業績及び財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。
また、財務の健全性維持のための有利子負債の適切な管理や金利変動リスク回避を目的として借入金の一部を固定金利で調達することがありますが、金利情勢の変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末(2025年12月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2024年12月31日)と比較して62億49百万円増加し、7,014億13百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して23億72百万円減少し、2,052億31百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して86億22百万円増加し、4,961億81百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,114億2百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益341億31百万円(同457.6%増)、経常利益377億40百万円(同203.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益296億16百万円(同144.9%増)となりました。
部門別の経営成績は次のとおりです。
「電子・情報」の分野は、売上高1,737億51百万円(同10.3%増)となりました。「機能材料」の分野は、売上高1,376億51百万円(同2.8%減)となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて32億69百万円減少し、1,203億13百万円となりました。
営業活動によって得られた資金は520億29百万円(前連結会計年度比1億71百万円の収入減)となりました。
投資活動に使用した資金は103億97百万円(同529億98百万円の支出増)となりました。
財務活動に使用した資金は452億73百万円(同35億59百万円の支出減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)における生産実績をセグメントごとに示す
と、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ガラス事業 |
312,390 |
111.4 |
|
合計 |
312,390 |
111.4 |
(注)生産金額は、平均販売価額により算出したものです。
b.受注実績
基本的に見込み生産を行っています。なお、当連結会計年度において特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)における販売実績をセグメントごとに示す
と、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ガラス事業 |
311,402 |
104.1 |
|
合計 |
311,402 |
104.1 |
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、
いずれの相手先も当該割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在(2026年3月26日)において判断したものです。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
|
|
前連結会計年度末 (百万円) |
当連結会計年度末 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
総資産 |
695,163 |
701,413 |
6,249 |
|
負債 |
207,604 |
205,231 |
△2,372 |
|
純資産 |
487,559 |
496,181 |
8,622 |
(総資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して62億49百万円増加し、7,014億13百万円となりました。流動資産では、販売が拡大した一方で借入金を返済したこと等により、現金及び預金、商品及び製品等が減少し、受取手形、売掛金及び契約資産が増加しました。固定資産では、設備投資や本社機能移転に係る土地取得等により、有形固定資産が増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して23億72百万円減少し、2,052億31百万円となりました。借入金の返済を進めたことなどから流動負債が減少しました。また、償還期限が1年以内の社債を流動負債に振り替えた一方で新たに借入を行ったこと等から固定負債が増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して86億22百万円増加し、4,961億81百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方、自己株式の取得や配当金の支払い等を行いました。また、主要な通貨において円安に振れたこと等から、為替換算調整勘定が増加しました。
b.経営成績
(当連結会計年度の経営成績)
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (%) |
|
売上高 |
299,237 |
311,402 |
4.1 |
|
営業利益 |
6,120 |
34,131 |
457.6 |
|
(営業利益率) |
(2.0%) |
(11.0%) |
- |
|
経常利益 |
12,417 |
37,740 |
203.9 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
12,091 |
29,616 |
144.9 |
(部門別の経営成績)
|
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
比率 (%) |
|
|
電子・情報 |
157,580 |
52.7 |
173,751 |
55.8 |
16,170 |
10.3 |
|
機能材料 |
141,657 |
47.3 |
137,651 |
44.2 |
△4,005 |
△2.8 |
|
合計 |
299,237 |
100.0 |
311,402 |
100.0 |
12,164 |
4.1 |
「電子・情報」分野では、ディスプレイ事業は、年間を通して堅調な需要が継続したことや販売価格を引き上げたことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。電子デバイス事業は、半導体向け及びデータセンター向け製品を中心に需要が好調に推移したことから、売上高は前連結会計年度を上回りました。これらの結果、電子・情報の分野の売上高は前連結会計年度比で増加しました。
「機能材料」分野では、複合材事業は、厳しい競争環境が続き販売が低迷したほか、事業構造改革に伴い英国子会社の事業活動を停止したことから、売上高は前連結会計年度を下回りました。医療、耐熱及び建築事業は、売上高は前連結会計年度並みでした。これらの結果、機能材料の分野の売上高は前連結会計年度比で減少しました。
これらにより、売上高は3,114億2百万円(前連結会計年度比4.1%増)となりました。
損益面では、ディスプレイ事業における生産性の改善や販売価格の引き上げ、電子デバイス事業の売上高増加に加え、複合材事業の収益改善の取り組みや物流費用の低下等により、営業利益は341億31百万円(同457.6%増)となりました。この結果、売上高営業利益率は11.0%と前連結会計年度と比べ、9.0ポイント上がりました。
経常利益は、為替差益が前連結会計年度を下回ったものの、営業利益の増加に支えられ377億40百万円(同203.9%増)となりました。
また、複合材事業に係る事業構造改善費用を特別損失に計上した一方で、前連結会計年度に計上した減損損失がなくなったことや、中期経営計画EGP2028に沿ってノンコア資産の処分と政策保有株式の縮減を行い固定資産売却益及び投資有価証券売却益を特別利益に計上したことなどから、税金等調整前当期純利益は419億25百万円(同76.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は296億16百万円(同144.9%増)となりました。
なお、1株当たり当期純利益は382円33銭(同169.9%増)となりました。
(2026年2月6日公表の2026年12月期の業績予想)
|
|
第2四半期(累計) |
通期 |
|
売上高 |
1,500億円 |
3,200億円 |
|
営業利益 |
110億円 |
330億円 |
|
(営業利益率) |
(7.3%) |
(10.3%) |
|
経常利益 |
110億円 |
330億円 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
80億円 |
230億円 |
世界経済は、米中の関税政策や中東情勢等先行き不透明な状況が続いています。
このような中、当社グループの電子・情報の分野においては、ディスプレイ事業は堅調な需要を見込んでいます。電子デバイス事業は、半導体用サポートガラスの競争環境がますます厳しくなるものの、プローブカード用基板やデータセンター向け等その他の製品の販売拡大が事業全体の売上高を押し上げる見込みです。
機能材料の分野においては、複合材事業は、機能樹脂強化用途の厳しい競争環境が継続する見込みです。低誘電ガラスファイバの能力増強と拡販に取り組んでまいります。医療、耐熱及び建築事業は、安定した需要を見込んでいます。
損益面では、ディスプレイ事業で全電気溶融設備の水平展開や生産性改善に係る費用の増加が見込まれますが、複合材事業の生産性改善や生産品種の適正化を進めるとともに、全社的にコスト削減を図り、利益の向上を目指してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
52,200 |
52,029 |
△171 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
42,601 |
△10,397 |
△52,998 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△48,832 |
△45,273 |
3,559 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
123,582 |
120,313 |
△3,269 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益を計上したことに加え、棚卸資産が減少したこと等により、営業活動によって得られた資金は520億29百万円(前連結会計年度比1億71百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
中期経営計画EGP2028に沿って不要となった固定資産や投資有価証券を売却した一方で、土地やディスプレイ事業の設備を取得したこと等により、投資活動に使用した資金は103億97百万円(同529億98百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の返済、自己株式の取得及び株主への配当金の支払いがあったこと等から、財務活動に使用した資金は452億73百万円(同35億59百万円の支出減)となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額3億71百万円を合わせ、当連結会計年度末の資金の残高は、前連結会計年度末と比べ32億69百万円減少し、1,203億13百万円となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業環境の変化に耐えうる強固な財務基盤を目指すとともに、経営全般のさらなる効率化を追求するべく、キャッシュ・フロー重視、資産効率重視(金融資産・棚卸資産の圧縮、設備の生産性向上と集約)、財務の健全性を財務方針に掲げています。
設備投資に関しては、設備の更新やガラス溶融炉の定期修繕のほか、マーケットの成長やカスタマーニーズに応じた投資を行うとともに、工場の強健化やカーボンニュートラルの実現に向けた投資を実行してまいります。研究開発に関しては、会社の成長基盤となる基礎的研究開発を継続的に行うとともに、成長分野への事業展開を見据えた製品開発を進めてまいります。
当社グループの所要資金は、設備資金及び運転資金であり、これらを自己資金、借入金等で賄っています。また、グループファイナンスを活用することで手許資金の活用を図っています。なお、当社グループは機動的な資金調達を行うため、国内金融機関と総額250億円のコミットメントライン契約を締結しています。当社としましては、主要な取引先金融機関と良好な取引関係を維持していることに加えて、日本格付研究所の格付は「シングルAプラス」となっていることから、安定的に資金調達ができるものと認識しています。
今後も、健全な財務基盤の下、事業環境の変化する中においても安定した事業運営が行えるよう努めてまいります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画EGP2028においては、売上高、営業利益、営業利益率、ROEを重要な指標と位置付けて経営目標に掲げています。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表で採用する会計方針や、連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益費用の報告金額に影響を及ぼす見積りのうち、下記のものが特に重要なものと判断しています。
・固定資産の減損
当社グループでは、減損損失の認識及び測定を行う単位として資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しています。減損損失の認識及び測定にあたっては、その時点における合理的な情報等を基に将来キャッシュ・フローの見積りを行っていますが、事業計画や市場環境等の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、材料開発・プロセス開発・製品開発の一体的な開発体制構築により製品開発と事業化のスピードアップを目指し、その成果を当社グループの中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。
当社の研究開発活動は、研究開発部門と製造部門が密接に連携をとりながら製品開発とプロセス開発を行っています。また、研究開発活動を支援するため、企業戦略部が中長期の事業戦略の企画立案を、マーケティング部が市場、製品、技術に係る情報の収集や分析、製品や技術のプロモーション、顧客獲得のための情報発信等を、知的財産部が知的財産の調査、権利化、活用等を担っています。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
研究開発部門には基盤技術部、研究開発本部、プロセス技術本部があります。基盤技術部は、ガラスの基礎研究(ガラス構造解析、強度、高温融体等)に取り組んでいます。研究開発本部及びプロセス技術本部は、科学的なアプローチに基づき、材料並びにプロセスの設計や開発、特性評価を行っています。また、これらのコア技術をベースに、ガラスの特長を最大限に活かしてより高い機能を引き出し、中長期に亘り社会や産業界のニーズに応える次世代ガラスによる新製品の創出を目指しています。
これらの研究開発には、計算科学(ICTやAI等を活用したデータ解析を含む)を用いるとともに、特定の領域で高い専門知識や技術を有する国内外の大学や研究機関、企業との共創を推進することで、開発力の強化を図っています。
研究開発部門では、以下のような取り組みを行っています。
○コア技術の開発・改良:ガラスの基礎物性や新プロセスの研究に基づく材料設計、シミュレーションや溶融清澄機構の研究などによる製造プロセス技術、高度な分析・測定・解析技術を用いた評価技術の研究開発。
○製品設計とプロセス設計:求められる製品の特性や用途に合わせ、コア技術を駆使し、ディスプレイ用ガラス、電子デバイス用ガラス、複合材用ガラス、医療用ガラス、耐熱ガラス、建築用ガラスなどの製品設計とプロセス設計における研究開発。
○プロセス開発:2050年までのカーボンニュートラルの達成に資する、全電気溶融の全社的水平展開、水素-酸素バーナーを用いた燃焼技術によるガラス溶融の実証等CO2フリー燃料の技術開発や再生可能エネルギーの活用等の推進、並びに、特殊な熱源による曲面成形やレーザー光を利用した精密加工など、ガラスの可能性を広げる加工技術開発。
○次世代ガラスによる新製品と将来事業の創出:AI社会を支える次世代メモリ用ガラス薄膜、従来材料の約2倍の磁気光学特性を有するガラスを用いた高性能な光アイソレーター、電池の主部材すべてに結晶化ガラスを用いたオール酸化物全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池、ダイヤモンドに匹敵する輝きとダイヤモンドを超えるファイアを併せ持つ宝飾ガラス「infiora®」など、従来にはない特性を有するガラスを新製品の創出に繋げる研究開発、及びEGP2028に掲げるエネルギー、医療、環境、食料分野での将来事業の創出に繋げる研究開発。
これらの結果、研究開発部門における研究開発費は3,391百万円となりました。
製造部門では、製造プロセス技術の維持や改善、その技術を活かしたガラスの高機能化を主たる目的に、各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、研究開発部門と密接に連携をとりながら行っています。
○製造プロセス技術の研究開発:超高精細ディスプレイ用ガラスや極限まで薄いガラス、高機能化する電子デバイス用ガラス、ガラスファイバ、医薬用管ガラスなどの製造を可能にする溶融・成形・加工・検査技術などの高度化。
○ガラスの高機能化:防眩や反射防止、汚れ防止など様々な機能を持たせた膜をガラスに付与する成膜技術や各種高性能ミラーなどの研究開発。ガラスを金属、セラミックス、樹脂などの有機材料と組み合わせる複合化技術の研究開発。他社との協業や提携を行うことにより、当社のガラスの機能をさらに高める研究開発や新規分野の開拓に繋がる研究開発。
これらの結果、製造部門における研究開発費は5,419百万円となりました。
具体的な状況は次のとおりです。
(電子・情報)
ディスプレイ事業においては、超高精細ディスプレイの需要に対応するため、得意先の製造工程での寸法変化を極力小さくする材料及び技術開発に取り組んでいます。また、薄いフィルムのような柔軟性を持つ超薄板ガラス「G-Leaf®」やフォルダブルディスプレイのカバー等に用いられる化学強化専用ガラス「DinorexUTG®」の改良を続けています。これらの製造技術を多様なガラス材質に応用し、宇宙や太陽光発電用途等ディスプレイ以外の新製品開発も推進しています。
電子デバイス事業においては、照明や家電、情報通信、半導体分野における新製品の研究開発に取り組んでいます。例えば、タブレットの書き心地を変える微細凹凸技術「nanoWave™」、大掛かりな光学機器が不要となる革新的な光シート顕微鏡用光源、イメージセンサやLEDなどの素子を封止するのに最適なリッドガラス、業界最小の誘電正接を有するLTCC用材料等様々な新製品の研究開発を進めています。半導体分野においては、製造プロセスで使用される半導体用サポートガラスやプローブカード用基板、無機コア基板等の研究開発を行っています。この他、高度な薄膜技術を駆使した車載、自動運転関連をはじめとする各種センサー用高機能膜の技術開発にも取り組んでいます。
(機能材料)
複合材事業においては、自動車の軽量化と燃費改善に役立つ主力のチョップドストランド、建築・土木分野でのセメント強化用として最適な耐アルカリ性ガラスファイバWizARG®、モバイル端末の筐体などの樹脂強化用として断面を楕円形状にすることで強度と外観品位を向上させるフラットガラスファイバ、最先端半導体材料に不可欠な低誘電ガラスファイバや低膨張ガラスファイバ、その他の市場開拓を目指した新製品の研究開発に取り組んでいます。
医療事業においては、医療の高度化に伴って反応性の高い新薬が開発されており、容器内面での反応による薬液の汚染への対策として化学的耐久性に優れた高品位の医薬用管ガラスの技術開発を進めています。
耐熱事業においては、調理器トッププレート等に使用されている結晶化ガラスの適用範囲の拡大を目指し、世界初の無色ガラス材質や用途に適した熱膨張係数をもつガラス材質の開発、次世代調理器に新たな価値を提供する加工及び印刷技術の開発に成功するなど、特性改善に関する開発に取り組んでいます。
建築事業においては、多様化する建築デザインのニーズに応える製品の開発に取り組んでいます。