文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループでは、以下を経営方針とし、基本理念である「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」の実現を目指しております。
・技術の先端に挑戦し、新しい価値を創り出す
・独自の領域を切り拓き、事業の広がりを追求する
・人を大切にし、人を磨き、人が活躍する場をつくる
・社会に対する公正さと、環境との調和を大切にする
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、2026年度までの中期経営計画において以下の財務目標の達成に向けて取り組んで参ります。
(3) 経営環境及び経営戦略・対処すべき課題
当社グループは、2024年から2026年までの3カ年計画として、中期経営計画「Yokohama Transformation 2026 (YX2026)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーロク)の取り組みを2024年度より開始しております。
既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、次世代に負の遺産を残さないという 強い意志を持って変革の「総仕上げ」を行います。こうした考えの下、各事業で定めた成長戦略を断行し、「Hockey Stick Growth」(「うなぎ昇り」の成長)を果たすことを目指します。
各分野での戦略と取り組み内容は、次の通りです。
■タイヤ消費財
タイヤ消費財では近年、低コスト・低価格な新興タイヤメーカーが生産能力を拡大し、市場シェアを伸ばしています。これに対し「YX2026」では高付加価値品比率の最大化を積極的に推進し、収益率の向上を目指します。これに加え「Hockey Stick Growth」を果たすため、新興タイヤメーカーのコスト競争力に対抗すべく低コスト・高効率な生産体制の構築を目指します。その象徴的な取り組みである、1年で工場を立ち上げる「1年工場」への挑戦においては、現在、立上げ中の中国新杭州工場にて、建設着工から試作タイヤの生産開始までを11カ月で行い、目標を1カ月前倒しで達成しました。今後も引き続き、中国・メキシコ新工場だけでなく、既存工場においても低コスト・高効率化を推進します。高付加価値品比率の最大化では、プレミアムカーへの新車装着の推進およびグローバルでのモータースポーツへの参戦を継続しブランド価値向上に取り組みます。また、各地域の市場動向に沿った開発・供給・販売体制などを強化する「商品・地域事業戦略」を引き続き推進します。
■タイヤ生産財
OHT事業
OHT市場の長期での市場成長率は年6%と予測されており、消費財タイヤ市場の年2%と比較し高い成長が期待できます。OHT市場の約40%を占めると予測される農業・林業用機械向けタイヤでは、当社グループがトップシェアを誇っており、Tier(ティア)1~Tier3までティアごとに持つ生・販・技の強みを活かした「マルチブランド戦略」でさらに市場地位を強化します。市場の25%と予測され、当社グループが市場2位のシェアを持つ産業・港湾用車両向けタイヤでは、専門スタッフによるタイヤメンテナンスサービス「Interfit」のさらなる展開地域の拡充を図ります。また、当社グループが僅かなシェアに留まっている建設・鉱山用車両向けタイヤでは、2025年2月に全世界で高いプレゼンスを持つGoodyear社のOTR事業の買収を行いました。この買収は、中期経営計画 「YX2026」で掲げる「Hockey Stick Growth」に向けた、OHT事業全体での「Programmatic M&A」(プログラマティックM&A)戦略に沿って検討を進めてきたもので、建設・鉱山用車両向けタイヤにおける販路拡大・生産能力の増強のみならず、Goodyear社のOTR事業の持つ生産技術を含む高い技術力を、当社グループがトップシェアを持つ農業・林業用機械向けタイヤを含む既存カテゴリーで培った技術と融合することにより、OHT事業でのさらなる成長を目指します。
TBR事業
TBR(トラック・バス用)タイヤにおいても新興タイヤメーカーが生産量や市場への供給量を拡大しており、これに対し、欧米政府はアンチダンピングや相殺関税といった保護政策を実施しています。当社グループはこうした措置により適正な価格が維持された国や地域での販売強化を図り、収益を伴った成長を目指します。
■MB事業
MB(マルチプル・ビジネス)事業は、事業再編や収益改善策の実行により収益を生み出す事業基盤を整えました。 その結果、2025年度の事業利益率は10.5%となり、「YX2026」の当初目標値である10%を1年前倒しで達成しました。 引き続き、ホース配管事業は、バリューチェーンの再構築や北米での生産構造の改革を行います。工業資材事業は、コンベヤベルトでは国内における確固たる市場地位の確立、マリンホースでは高収益体制の安定化に向けた内部改善を進め、航空部品では防衛装備品の強化と生産体制構築の準備を推進し、MB事業の存在感を高めていきます。
■技術・生産
「YX2026」では「よいものを、安く、スピーディーに」をモットーに当社グループ全体の基盤強化に取り組みます。「よいもの」では次世代プレミアムカーへの新車装着の強化を、「安く」では他社に負けない抜本的コストダウンを、そして「スピーディー」ではタイヤ消費財戦略で目指す「Hockey Stick Growth」の目玉である「1年工場」への挑戦を遂行し、早期量産立上げによる投資金額の早期回収と収益の最大化を図るとともに、AI・シミュレーション技術の活用によるタイヤ開発のスピードアップを図ります。
■サステナビリティ
当社グループでは、サステナビリティの取り組みは、企業の成長と企業価値の向上に資するものであるべきと考えています。環境投資においても十分な検討を重ね、企業収益と両立していくことを目指します。重要課題の一つである温室効果ガス排出量の削減では、買収前のY-TWSの排出量を加算した2019年の排出量を2026年に30%、2030年に40% 削減することを新たな目標とし、追加コストをかけることなく目標達成を目指す計画を策定しました。再生可能・リサイクル原料の利用拡大によるサーキュラーエコノミーへの貢献では、温室効果ガス排出量(Scope3)の削減の観点からも再生可能・リサイクル原料の使用比率の向上を加速させ、2026年に28%、2030年に40%とすることを新たな目標として設定しました。当初、2030年の目標は30%でしたが、さらなる使用比率の向上を目指し、40%に引き上げました。
■財務
「YX2026」でも引き続き「Hockey Stick Growth」を目指す積極的な戦略投資によって企業価値を高めていきます。資産効率化では政策保有株式売却および遊休不動産などの資産売却をさらに推進し、資本構成では事業構造に合った最適な資本バランスの実現 (自己資本比率50%を目安)に取り組みます。また、PER(株価収益率)向上では、経営陣によるIRイベントを拡充し、情報発信と対話の強化を通じて資本コスト低減や期待成長率の向上に努めます。キャピタルアロケーションでは、3年間累計のキャッシュイン約4,750億円のうち、約3,100 億円を戦略投資および経常投資に充てる予定です。 株主還元については、「YX2026」で当初計画していた配当性向20%・総還元性向30%を、2026年度より配当性向を30%に、総還元性向を30%以上に上方修正しました。引き続き、持続的な利益成長に向けた投資を積極的に実施する中においても、安定的なキャッシュフローの創出と資産売却により、成長投資と株主還元の両立を行います。
当社グループのサステナビリティに係る考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
当社グループは「心と技術をこめたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献します」を基本理念とし、世界各地のステークホルダーと協調しながら事業活動を展開しております。また、サステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げ、事業活動を通じた社会課題への貢献を持続的な企業価値向上につなげるべく、マテリアリティ(重要課題)に基づいた取り組みを推進しております。
前連結会計年度(2024年度)においては、当社グループを取り巻く事業環境及び社会課題の変化を踏まえてマテリアリティの見直しを行い、事業活動が社会及び環境に与える影響と社会及び環境が事業活動にもたらす影響の双方を考慮し、新たなマテリアリティを特定いたしました。当連結会計年度におきましても、これらのマテリアリティに基づいた取り組みを進めることにより、持続可能な社会の実現への貢献と事業の持続可能性の向上を目指しております。
①ガバナンス
当社グループは、代表取締役会長兼CEOが議長を務め、社内取締役(監査等委員を含む)全員が出席する「CSR会議」を年に2回(5月及び11月)開催しております。当該会議においては、当社グループが取り組むべきサステナビリティ課題(環境、労働安全衛生、防災、品質、人的資本、人権及び社会貢献等)に係る方針の策定、並びに施策の立案及び検討を行う体制を整えております。
また、重要事項、迅速な意思決定を要する事項、若しくは報告又は審議が必要な事項については、経営会議において報告及び審議を行い、その重要性に応じて取締役会に付議又は報告しております。取締役会は、これらの会議体からの報告を通じて、サステナビリティに係るリスク及び機会が経営戦略に与える影響を定期的に監督しております。
個別のサステナビリティ課題について専門的に検討する会議体として、「環境推進会議」、「中央安全衛生委員会」及び「中央防災会議」を設置し、詳細な活動計画の策定及び施策の実行を推進しております。加えて、年2回、海外拠点を含むグループ全役員が参集し経営戦略について議論する「役員合宿」においても、カーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーに係る課題を継続的なテーマとして議論を行っております。
サステナビリティ課題の進捗状況については、毎月、代表取締役会長兼CEO、代表取締役社長兼COO、CSR本部担当取締役及び社内取締役監査等委員に対して報告を行っております。なお、重大かつ緊急性の高い事案については、「リスクマネジメント委員会」と連携し、迅速に対処する体制を構築しております。
<サステナビリティに関するガバナンス体制>

②戦略
当社グループは、CSR・サステナビリティ経営を推進するため、2008年に「CSR経営ビジョン」及び「CSR行動指針」を定め、責任部門としてCSR本部を設置いたしました。さらに2014年には、国連グローバル・コンパクトの4分野10原則等の国際規範に基づき「横浜ゴムグループ行動指針」を制定し、当社グループとステークホルダーの双方にとって影響が大きく、かつ関心の高いテーマをマテリアリティとして特定いたしました。以降、その達成のためにPDCAサイクルを循環させ、継続的な改善を図ってまいりました。創立100周年にあたる2017年には、サステナビリティ・スローガン(当時の名称はCSRスローガン)として「未来への思いやり」を制定し、持続的な成長の実現を目指しております。
前連結会計年度(2024年度)におきましては、当社グループを取り巻く事業環境及び社会課題の変化を踏まえ、マテリアリティの見直しを実施いたしました。見直しにあたっては、国際的な規範及び枠組み、並びにステークホルダーへの影響といった「外部要因」と、企業理念及び事業への影響といった「内部要因」の双方から課題を抽出及び整理いたしました。次に、整理された各課題につきまして、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、事業活動が社会及び環境に与える影響、並びに社会及び環境課題が事業活動に及ぼす財務的影響を評価し、リスク及び機会の分析を行いました。これらの評価及び分析を踏まえ、各課題の影響の大きさ、並びにリスク及び機会の観点から重要性を評価し、課題の優先順位付けを実施いたしました。
優先順位付けを行った課題につきましては、社内各部門及び外部有識者からの意見聴取を行い、その結果を課題の優先順位に反映いたしました。最終的に、重要度の高い課題について社内で議論の上、経営会議での承認及び取締役会への報告を経て、社会及び環境の持続可能性と当社グループの持続的成長に必要なマテリアリティを新たに特定いたしました。また、目指す姿の実現のために、中長期的視点で達成すべき具体的な指標を非財務目標として設定しました。
今後につきましても、事業環境及び社会課題の変化等を踏まえ、同様のプロセスにより定期的にマテリアリティの見直しを実施していく方針であります。
<横浜ゴムグループのマテリアリティ>
(注)1.MaaSとは、Mobility as a Serviceの略称であり、情報通信技術の活用により、多様な移動手段を一つの移動サービスとして統合する新たな移動の概念であります。
2.CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング及びサービス)及びElectric(電動化)の頭文字を繋げた造語であり、自動車産業における次世代の主要な技術動向を指す用語であります。
③リスク管理
当社グループは、当社グループを取り巻くさまざまなリスクからの防衛体制を強固にするため、リスクマネジメント担当役員を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、経営に重大な影響を及ぼすリスクを横断的に管理し、適切に評価及び対応を行っております。また、サステナビリティに係るリスク及び機会についても、適切に識別及び評価し、管理するためのプロセスを構築しております。
環境、労働安全衛生、防災・BCP、品質管理、コンプライアンスなどの重要度の高いリスクに関しては、それぞれを専門に統括する部門と会議体を設置して重点的に管理する体制を構築しており、事業活動におけるリスク管理体制の強化を図っております。例えば、気候変動や生物多様性保全等をはじめとする環境関連リスクに関しては「環境推進会議」、労働災害リスクをはじめとする労働安全衛生関連リスクに関しては「中央安全衛生委員会」、自然災害及び火災リスクに関しては「中央防災会議」が、それぞれリスク及び機会について分析を行い、対応方針、計画及び施策を立案しております。これらは「CSR会議」における審議及び決定を経て、実行に移されております。
これらのプロセスで識別されたリスク及び機会は、環境マネジメントシステムを通じた環境目標の進捗管理、並びに労働安全衛生におけるリスクアセスメントの計画的実施及び改善状況のフォロー等を通じてモニタリングされ、重大な影響を及ぼすものについては全社的なリスク管理プロセスに統合して管理を行っております。また、従業員のコンプライアンス・リスク及び人権に係るリスクに関しては「従業員意識調査」の定期的な実施、サプライチェーンの人権に係るリスクについては「横浜ゴムグループ人権方針」に基づく人権デューデリジェンスの継続的な実施を通じて管理を行い、その内容については「コンプライアンス委員会」や「CSR会議」に報告しております。
「リスクマネジメント委員会」及び「コンプライアンス委員会」等の活動状況は、取締役会に定期的に報告されるとともに、その他の会議体の活動状況についても経営会議に適宜報告しております。また、必要と判断された事項については、取締役会へ報告される体制となっております。
④指標及び目標
中期経営計画「YX2026」においては、それぞれのマテリアリティにおける目指す姿を実現するためのサステナビリティ指標(KPI)、並びに識別されたリスク及び機会の双方に対処するためのサステナビリティ目標を設定することで、企業価値向上、並びに持続的な社会及び環境への貢献を目指しております。特定された各マテリアリティに係る指標及び目標、並びに2024年度及び2025年度の実績は以下の通りであります。
(注)1.農作物の根への影響を最小限に抑える低圧走行可能なタイヤの規格です。
2.第三者検証意見書を取得した確定値による算出を予定しております。2026年6月発行予定の統合報告書における記載をご参照下さい。
3.65歳に到達した事務職、技術職及び技能職の従業員のうち、当社又は子会社にて65歳以降も継続雇用された従業員の割合(直近3年移動平均)を示しております。
4.DXリーダー育成教育は、2024年度の期中から開始しております。
5.提出会社(単体)の従業員を対象とした「従業員意識調査」の結果から算出しております。
(2) 気候変動
当社グループは、持続可能な社会の実現に向け、カーボンニュートラルの達成を重要な経営課題の一つとして位置づけております。2022年1月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明して以降、同提言の枠組みに沿って、気候変動に係るリスク及び機会が経営に与える影響の評価、並びに情報開示を継続的に推進しております。今後もステークホルダーの皆様との信頼関係の構築に努め、持続的な企業価値の向上を図る方針であります。
①ガバナンス
当社グループは、気候変動に関連するリスク及び機会の監督、並びに管理を行うためのガバナンス体制を構築しております。代表取締役会長兼CEOが議長を務める「CSR会議」を年に2回(5月及び11月)開催し、気候変動を含む重要なCSR課題の立案及び検討を行っております。
特に「気候変動の緩和と適応」に関しては、CSR本部長を議長とする「環境推進会議」を設置し、当社グループの環境活動を統括しております。当該会議の下部組織として4つの委員会、2つの部会及び2つの会議を設け、具体的な環境活動の推進、並びに各課題の審議及び決定を行っております。
環境推進会議等における活動状況は、サステナビリティ全般を所管するCSR会議へ報告されます。重要事項や早期の意思決定を要する事項については、経営会議において報告及び審議を行います。さらに、その重要性に応じて取締役会へ随時報告を行うことで、全社的な経営戦略と連動した監督体制を整えております。
<気候変動に関するガバナンス体制>

②戦略
当社グループは、気候関連のリスク及び機会について、低炭素経済への移行に関連するリスク(移行リスク)及び気候変動の物理的影響に関連するリスク(物理的リスク)の二つに分類し、財務的影響の大きさを評価した上で、事業に及ぼすリスク及び機会を整理いたしました。
また、気温上昇につき、国際エネルギー機関(IEA)及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示すシナリオを用いてシナリオ分析を実施し、1.5℃シナリオ並びに4℃シナリオそれぞれのリスク及び機会を踏まえた適応策、並びに財務的影響等について検証いたしました。
今後も引き続き、リスク及び機会の検討、並びにシナリオ分析の精緻化を進めていく方針であります。
<気候変動に関する主なリスクと機会>
<シナリオ分析の結果概要>
③リスク管理
気候変動に係るリスク及び機会については、「環境推進会議」の下部組織である「カーボンニュートラル推進委員会」等の各組織が、それぞれの専門領域において識別及び評価を実施し、その低減に向けた活動を行っております。特定された重要なリスクは、環境推進会議において対応方針、計画及び施策を立案し、サステナビリティ全般を所管する「CSR会議」にて審議及び決定を経て、組織的に管理しております。
自然災害等の物理的リスクについては、「中央防災会議」において防災並びにBCPの方針、計画及び施策を立案し、CSR会議における審議及び決定を経て、リスクアセスメントを通じたリスクの低減を推進しております。
これらの中で重大かつ緊急性の高い事案については、「リスクマネジメント委員会」において審議を行い、適切に評価及び対応を行っております。同委員会の活動状況は、定期的に取締役会へ報告されております。
④指標及び目標
当社グループは、環境関連のマテリアリティとして「脱炭素社会・循環型経済への貢献」及び「自然との共生」を掲げ、気候変動に係るリスク及び機会を適切に管理するため、以下の指標及び目標を設定しております。主要な指標及び目標、並びに2022年度から2024年度までの実績は、以下のとおりであります。
■温室効果ガス排出量実績(Scope1、2)(連結)
(注)各年度の温室効果ガス排出量実績(Scope1、2)には、買収前のYokohama TWSの排出量実績を含んでおります。また、2024年度よりATC Tires AP Private Ltd.(インド)のヴィシャカパトナム工場を算定範囲に追加いたしました。
■温室効果ガス排出量実績(Scope3)(連結)
(注)Yokohama TWSの温室効果ガス排出量実績(Scope3)については、2024年度より算定範囲に含めております。なお、カテゴリ8、13、14に分類される排出量実績はございません。
■ 第三者検証について
2024年度の温室効果ガス排出量実績(Scope1、Scope2及びScope3)(連結)については、データの信頼性向上を目的として、SGSジャパン株式会社による第三者検証(注)を受けております。
(注)当社が算定したデータ及び算定方法について、検証基準(ISO14064-3:2019及びSGSジャパン株式会社の検証手順)に基づき実施された検証であります。
(3)人的資本(人材の多様性を含む)
人的資本に関するガバナンスについては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。
②戦略
■ 求める人材像
当社グループは、経営戦略の実現及び持続的な企業価値の向上を図るため、基本理念、経営方針、行動指針及び企業スローガンからなる企業理念の浸透、並びに事業の方向性の共有を基盤としております。
その上で、求める人材像として「世代・性別・国籍に関わらず、厳しくとも結果にコミットし、自らの成長をもって会社の成長に貢献できる人材」を掲げ、当該人材の育成及び社内環境整備に取り組んでいく方針であります。
■ 人材育成方針
<プロ人材の育成と「適所」適材の人員配置>
グローバルに事業展開を行う当社グループにおいて、高い達成意欲及び幅広い視野を有し、周囲に影響を及ぼしながら能力を発揮する「プロ人材」の配置は不可欠であります。当社グループでは、個人の成長が企業の発展をもたらすとの考えに基づき、プロ人材の育成及び選抜、並びに「適所」適材の人員配置等の施策を推進しております。従業員一人ひとりが教育機会を積極的に活用し、自律的に成長することを全面的に支援するとともに、将来の経営を担う経営人材の確保及び育成に注力しております。
<人材育成プログラム>
グローバルな事業環境の変化に対応するため、重層的な人材育成プログラムを通じて人的資本の強化に取り組んでおります。的確に物事を判断及び実行するのに必要なマインド、能力及びスキルの習得、並びに階層別のリーダーシップや交渉力等の個別スキルの開発を目指し、実体験から学ぶ「三現教育」を実施しております。また、将来の経営人材の育成を目的とした管理職層の国内MBA派遣、並びに事務及び技術系従業員のDX人材化促進のためのDXリーダー育成教育等により、求める人材像の育成に取り組んでおります。
<コア人材の育成>
中期経営計画「YX2026」の実現を人材面から支えるため、人事制度を通じたコア人材の育成を強化しております。次世代経営者の育成に向けた施策として、次世代経営者サクセッションプランを導入し、各役員の後継者候補を指名するとともに、社外の知見も踏まえた育成計画を策定しております。当該施策の内容については、役員人事・報酬委員会及び取締役会における審議を経て実行されております。また、将来を担う部課長クラスのMBA等経営教育及び海外のプロフェッショナル経営者の下での研鑽等、インプットと実践の両面での次世代経営者の育成を行っております。
■ 社内環境整備方針
<多様な働き方を認める組織風土の醸成>
激変する事業環境において持続的な成長を果たすためには、人的資本の価値向上が不可欠であります。当社グループでは、多様な人材がそれぞれの分野において能力を最大限に発揮できるよう、従来の慣行や考え方にとらわれない柔軟な働き方の導入、並びに全従業員が共に活力を持ち、生き生きと職務に従事できる職場環境の整備等を通じ、働き方改革を推進しております。
ワークライフバランスを尊重し、多様な働き方を互いに認め合う組織風土を醸成することで、全ての従業員が成長を継続し、仕事と生活を両立しながら着実にキャリアを形成できるよう支援していく方針であります。
<場所・時間にとらわれない働き方の推進>
当社グループは、機能集約による業務効率化及び働き方改革を目的として、2023年3月に本社機能を東京都港区から神奈川県平塚市の平塚製造所に移転及び統合いたしました。在宅勤務制度等の諸制度の適用を拡大し、多様な状況に対応できる勤務体制を整えるとともに、企画、生産、販売、技術、及び物流の一体運営並びに迅速な意思決定を実現しております。
<ホームオフィス制度の導入>
2023年3月、本社機能の統合により遠距離通勤となった従業員及び配偶者の転勤に同行する従業員を対象に、自宅を基本的な就業場所とする「ホームオフィス制度」を導入いたしました。オフィスに固定デスクを持たず、会社負担で自宅の就業環境を整備することで、場所にとらわれない働き方を推進しております。また、配偶者の転勤に同行する従業員も本制度を利用できるように整備し、家庭の事情によるキャリアの中断を防止するとともに、多様な人材が活躍できる基盤の構築に取り組んでおります。
<東京事務所、サテライトオフィスの設置>
本社機能の平塚製造所への統合に合わせ、東京都品川区に東京事務所及びサテライトオフィスを設置いたしました。東京事務所には、株式会社ヨコハマタイヤジャパン、横浜ゴムMBジャパン株式会社の本社及び横浜ゴム株式会社の販売部門の一部を移転させております。また、フリーアドレス制を採用したサテライトオフィスの設置により、組織の壁を越えた従業員間のコミュニケーション活性化を図っております。
<在宅及びフレックス勤務の拡充>
業務効率の向上、育児及び介護等と仕事の両立支援、並びに健康への配慮に向けた長時間労働の抑制を目的として、2018年より在宅勤務制度を導入しております。2023年からは通勤負担の軽減目的でも利用できるよう要件を拡大するとともに、利用回数の上限を撤廃し、各職場で最も成果及び効率を高められる運用へ移行いたしました。また、事務及び技術系従業員については、原則として全てフレックスタイム制度の適用対象とし、コアタイムを撤廃いたしました。加えて、短時間勤務フレックスタイム制度を拡充するなど、場所や時間を問わず成果を創出できる仕組みを整えております。
<労働安全衛生>
当社グループは、事業の特性上、生産工場において大型機械を取り扱うため、設備不具合及び誤操作が重大な事故に直結するリスクを有しております。そのため、全ての設備及び作業を対象としたリスクアセスメントを計画的かつ継続的に実施し、設備面からの未然防止策を徹底しております。
また、国内外33拠点が労働安全衛生マネジメントシステム(JISHA/OSHMS又はISO45001)認証を取得しており、グループで働く全ての人が安全かつ安心して職務に従事できるよう、安全衛生環境のさらなる向上を目指した取り組みを推進しております。
さらに、従業員が健康で長期にわたり活躍できる職場づくりのため、健康保険組合と連携した「コラボヘルス(注)」による健康経営に取り組み、健康及び体力向上を推進しております。
(注)保険者及び事業者が積極的に連携し、明確な役割分担及び良好な職場環境のもと、加入者の疾病予防及び健康増進を効率的かつ効果的に実行すること。
<従業員エンゲージメント>
中期経営計画「YX2026」の戦略及び方針が従業員に深く浸透し、実行熱意をもって遂行されているか、並びに自らの成長を通じて会社の発展に貢献できる多様な人材が活力を持ち、生き生きと職務に従事できる職場環境及び企業風土であるかを把握するため、「従業員意識調査」を継続的に実施しております。当該調査においては、単なるスコアの比較にとどまらず、その内容を重視しており、特に「戦略理解」及び「実行熱意」に重点を置いて分析を行っております。
2025年度の調査結果、及び認識された課題に対する取り組みは以下の通りであります。
(ⅰ)回答率
2025年度の回答率は94.6%(2024年度:95.7%)と引き続き高い水準を維持しており、多くの従業員が会社の方針や自らの職場環境に対して高い関心を持ち、組織への参画意欲が高いことが確認されました。
(ⅱ)従業員エンゲージメントスコア
ワークエンゲージメントの主要項目(働きがい、やりがい、誇り及び勤続意欲)のスコア合計を100点満点に換算した「従業員エンゲージメントスコア」は、2025年度において69.0(前年度比0.2ポイント向上)となりました。
(ⅲ)「YX2026」浸透度(戦略理解度)
2024年度の調査結果において、管理職層と比較した一般従業員層の戦略理解の不足、及びスタッフ部門と比較した製造部門の理解不足が課題として認識されました。この解決に向け、個人の行動と戦略の結びつきを重視し、各本部長主導による組織内の対話強化に取り組みました。
その結果、全社スコアは69.6(前年度比12.6ポイント向上)と大幅に改善いたしました。また、スタッフ部門と製造部門のスコアギャップについても19.6から6.6へと大幅に縮小しており、全社的な一体感の醸成が進んでおります。
(ⅳ)今後の展望
今後は、本調査の対象範囲を段階的に子会社及び海外拠点へも拡大していく予定であります。また、企業成長に対し、特に若手従業員自身の成長実感との結びつきが不十分な点を課題とし、戦略実現と各社員の貢献との関係理解を深めると共に、育成施策の充実に努めてまいります。
■ 人材の多様性の確保
<目指すべき姿>
当社グループでは、多様な人材が互いの価値観や働き方を認め合い、従来の慣行及び考え方にとらわれない柔軟な働き方の導入、並びに全従業員が共に活力を持ち、生き生きと職務に従事できる職場環境の整備等を通じ、人材の多様性を推進することを重要な経営課題と認識しております。国籍、性別及びLGBTQ+等の属性、並びに学歴及び経験にとらわれない採用を行い、中期経営計画「YX2026」における事業戦略及び技術戦略の実現に向けて、最適な人材配置を継続してまいります。また、ワークライフバランスを尊重し、全ての従業員が成長を継続し、着実なキャリア形成を実現できる職場の構築を目指しております。
<女性の活躍推進>
諸制度の拡充、施策の実施、並びに管理職における女性比率の向上等の取り組みを通じ、女性にとって働きやすい環境づくりを推進しております。当社の2025年12月末現在における女性管理職(課長以上)比率(単体)は3.5%ですが、次期管理職候補である係長クラスは18.9%、早期登用で管理職への配置が可能な主任クラスは43.3%の女性比率となっており、将来的に女性管理職が着実に増加していくパイプラインを構築しております。今後は、キャリア開発支援セミナーの実施、仕事及び生活の両立支援制度の整備、並びに早期登用制度のさらなる活用により、女性管理職比率の一層の向上を目指してまいります。
<障がい者の雇用>
障がい者の雇用の場を創出することを目的とし、2012年に特例子会社としてヨコハマピアサポート株式会社を設立いたしました。同社では、知的障がい者を中心に32人(2025年6月1日現在)を雇用しております。横浜ゴム株式会社、ヨコハマピアサポート株式会社、株式会社ヨコハマタイヤジャパン、並びに横浜ゴムMBジャパン株式会社の4社において「関係会社特例」の認定を受けており、4社合算の障がい者雇用率は、2025年報告実績(2025年6月1日現在)で2.6%となりました。今後も、職域の拡大に向けた新たな業務開発を継続してまいります。
<シニア人材の活用>
60歳の定年後も高い就業意欲を持つ人材に対し、豊富な知識及び経験を活かす機会を提供するため、定年退職者を再雇用し、最長70歳まで活躍できる制度を導入しております。事務及び技術系従業員については、100%出資子会社であるヨコハマビジネスアソシエーション株式会社が再雇用を行い、当社へ派遣する形態をとることで、シニア人材の継続的な活躍を支援しております。
<性的マイノリティに関する取り組み>
LGBTQ+を含む多様な人材の活躍を支援するため、同性パートナー及び事実婚のパートナーを配偶者とみなし、その家族についても配偶者の家族と同等に扱う「パートナー&ファミリーシップ制度」を2023年10月に導入いたしました。また、外部有識者による「LGBTQ+セミナー」の開催を通じて従業員の理解を深めるとともに、社内外に専用の相談窓口を設置し、制度の利用や個別の悩みに対応できる体制を整備しております。
従業員のコンプライアンス及び人権に関するリスク管理のため、定期的に「従業員意識調査」を実施しております。コンプライアンスの観点では、従業員一人ひとりのコンプライアンス意識の浸透状況を確認するとともに、当社のコンプライアンス体制が有効に機能しているかを検証しております。また、人権の観点では、人権尊重に関する意識の状況、人権侵害の有無、及び潜在的な人権侵害のリスクの把握を行っております。
調査結果は、取締役会へ報告後に各職場へのフィードバックを実施しております。フィードバックを受けた各職場においては、認識された課題に対する改善施策を主体的に検討及び推進しております。また、重大なリスクが認識された場合には、担当部門が迅速に防止又は軽減に向けた取り組みを実施する体制を構築しております。
④指標及び目標
当社グループでは、人的資本関連のマテリアリティとして「持続的な企業価値向上を実現する人材力」を掲げ、主要な施策について、指標(KPI)及び目標を設定しております。人的資本に関連する指標及び目標は、当社グループの各連結子会社においてそれぞれ独自に設定されていることから、以下に当社グループにおける主要な事業を営む提出会社(単体)の指標、実績及び目標を記載しております。
(注)1.「―」表示は実績なしを示しております。
2.65歳に到達した事務職、技術職及び技能職の従業員のうち、当社又は子会社にて65歳以降も継続雇用された従業員の割合(直近3年移動平均)を示しております。
3.DXリーダー育成教育は、2024年度の期中から開始しております。
4.提出会社(単体)の従業員を対象とした「従業員意識調査」の結果から算出しております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは下記のようなものがあります。なお、文中における将来等に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車用タイヤの需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアなどの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の減少、また、各国による通商政策の動向は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、競業他社との販売競争激化による市場シェアダウン及び価格競争の熾烈化による販売価格の下落も、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの影響
当社グループは主として円建で一般商取引、投融資活動等を行っておりますが、米ドルその他の外国通貨建でもこれらの活動を行っております。今後一層の事業のグローバル化の進行に伴い、海外事業のウエイトが高まることが予想されます。したがって、従来以上に外国通貨建の一般商取引、投融資活動等が増加し、外国為替の変動により当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける度合いが大きくなります。為替予約の実施等、為替レートの変動によるリスクを最小限にとどめる努力を行っておりますが、当該リスクを完全に回避することはきわめて困難であります。
(3) 季節変動の影響
当社グループの業績は上半期と下半期を比較した場合、下半期の業績がよくなる傾向にあります。特に、寒冷地域で冬場の降雪時に使用する自動車用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の販売が下半期に集中することが主な理由であります。従って、降雪時期の遅れや降雪量の減少等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の影響
当社グループの製品の主要な原材料は、天然ゴム及び石油化学製品であります。従って、天然ゴム相場の大幅な上昇及び国際的な原油価格の高騰があった場合、当社製品の製造コストが影響を受ける可能性があります。これらの影響を最小限にとどめるべく各種対策を実施しておりますが、吸収できる範囲を超えた場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資金調達力及びコストの影響
当社グループは資金調達の安定性及び流動性の保持を重視した財務運営を行っておりますが、日本を含めた世界の主要な金融市場で混乱が発生した場合、計画通りに資金調達を行うことができない可能性があります。また、格付会社より当社グループの信用格付けが大幅に下げられた場合、資金調達が制約されるとともに調達コストが増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 有利子負債の影響
当社グループの資産合計に占める有利子負債の割合は、約26.8%(2025年12月31日現在)であります。グループファイナンスの実施によりグループ資金の効率化を行うことで財務体質の改善に取り組んでおりますが、今後の金利動向によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの一部の借入契約には財務制限条項が付されております。
(7) 保有有価証券の影響
当社グループが保有する市場性のある有価証券のうち日本株式への投資が大きな割合を占めております。従って、日本の株式市場の変動及び低迷等による有価証券評価損の計上等で、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 投資等に係る影響
当社グループは世界的な自動車用タイヤの需要に対応すべく、北米、中国での新たな生産拠点の建設を進めております。また、日本、アジアを中心に生産能力の増強及び市場ニーズに対応するための設備投資を行っております。この投資により製品の品質向上を図るとともに需要増やニーズの多様化にも対応でき、当社グループの信頼を高め、シェアアップが期待できます。しかしながら、現地の法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態が生じた場合、期待した成果を得ることができなくなるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) M&A、資本・業務提携による影響
当社グループは、さらなる成長の実現に向けた競争力強化の為、他社の買収や他社との資本・業務提携を行うこと があります。2025年2月4日付にて建設・鉱山用車両向けタイヤなどの生産販売をグローバルに展開するGoodyear社のOTR事業の買収(事業譲受)を行っております。対象事業や過去に買収した会社・事業の業績が買収時の想定を下回る場合、または事業環境の変化や競合状況等により期待する成果が得られないと判断された場合にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は割引率、年金資産の期待運用収益率等の一定の前提条件に基づいて数理計算を行っております。実際の割引率、運用収益率等が前提条件と異なる場合、つまり、金利低下、年金資産の時価の下落、運用利回りの低下等があった場合や退職金制度、年金制度を変更した場合、将来の退職給付債務の増加により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 災害等の影響
当社グループは地震等の自然災害、疾病、テロに直接又は間接的に影響を受ける可能性があります。特に、自然災害については災害に備え、各種対応策を検討し、計画的に実施しております。しかしながら、生産拠点及び原材料の主要な仕入先が所在する地域でこれら事象が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11-2) 感染症の大流行
当社グループは新型コロナウイルスなどの全世界的な感染症の流行に備え、従業員の安全と社内外への感染拡大抑止を第一に対策を講じておりますが、感染症の拡大や長期化の状況によっては、当社グループが事業を展開している国・地域における活動規制や企業活動の停滞等により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11-3) 地政学リスク
現下のウクライナ情勢により、ロシアの乗用車用タイヤ生産会社の生産については、状況を注視しながら判断する 方針ですが、進展状況や対応によっては今後当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、中東情勢を始めとした地政学リスクの高まりや、それに伴う今後の各国・地域の情勢の変化により、当社グループが事業を展開している国・地域における企業活動や物流の停滞等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11-4)気候変動
当社グループは温室効果ガス排出量の削減などを通じて気候変動への対策を講じておりますが、各国の温室効果ガス排出量削減目標や炭素税の導入による調達・製造コスト上昇などの「移行リスク」や気候変動による洪水や渇水による工場操業停止などの「物理的リスク」により、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスク管理プロセス及び詳細な分析結果については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動 ②リスク管理 および ③戦略」をご参照ください。
(12)人権侵害
当社グループは「横浜ゴムグループ人権方針」に基づき、人権デューデリジェンスや苦情処理メカニズムの整備を進めておりますが、サプライチェーンにおける人権侵害や潜在的な負の影響の防止・軽減を適切に行うことができなかった場合、レピュテーションの毀損などにより、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 知的財産権の影響
当社グループは技術ノウハウの蓄積と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者の知的財産権の侵害を効果的に防止できないことがあります。また、当社グループの製品または技術が、第三者から知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、それが認められた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 製品の品質による影響
当社グループは、品質管理を経営の最重要課題とし、品質管理体制の万全を期しておりますが、製品の欠陥や不良を皆無にすることは困難であります。大規模なリコールや欠陥に起因する多額の損害賠償が起きた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 法律・規制・訴訟の影響
当社グループは、事業活動を行っている各国において、投資、貿易、為替管理、輸出管理、独占禁止、個人情報保護、環境保護など、当社グループが、展開している様々な事業に関連する法律や規制の適用を受けております。
将来において、国内外における新たな法律や規制の施行又は予期せぬ法律や規則の変更などにより、事業活動の制約やコストの上昇など当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他、当社グループは国内外の事業活動に関連して、訴訟や各国当局による捜査・調査の対象となる可能性があります。重大な訴訟が提起された場合や、各国当局による捜査・調査が開始された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 情報セキュリティリスク
当社グループは、グローバルな事業展開に伴うサイバーリスクへの対策を進めておりますが、外部攻撃や災害等によるシステム障害の発生可能性を完全に排除することは困難です。万一、重要な業務の停止や情報の漏洩が生じた場合、当社グループ全体の事業活動、業績、及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当期における当社グループをとり巻く環境は、国内では、米国関税引き上げを巡る影響はあったものの、年後半にかけて影響は一巡し、雇用や所得環境の改善により、個人消費は緩やかに持ち直しています。また、エネルギー価格の低下などによるコスト減を背景に景況感は全体としては底堅く推移しています。
海外においては、米国は、関税政策を巡る動きが落ち着きつつあるものの、個人消費を中心に景気は減速傾向にあります。欧州は、関税引き上げによる外需の不振が景気の重しとなり、また、中国では外需は好調を維持しているものの、消費や固定資産投資がマイナス成長となるなど内需は減速傾向にあります。
こうした状況の中、当社グループは、既存事業における強みの「深化」と新しい価値の「探索」をさらに推し進め、変革の「総仕上げ」を目指す中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」の取り組みにより、全事業領域で好調な実績となりました。当期の連結売上収益は、1兆2,349億59百万円(前期比12.8%増)、利益面では、連結事業利益は1,665億77百万円(前期比24.0%増)、連結営業利益は1,529億1百万円(前期比28.3%増)、また、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,053億98百万円(前期比40.7%増)と、5期連続の増収増益かつ過去最高の業績を更新しました。
タイヤセグメントの売上収益は1兆1,212億84百万円(前期比14.3%増)で、当社グループの連結売上収益の90.8%を占めました。YX2026で掲げる「Best Alternative戦略」が、OHT(オフハイウェイタイヤの略)を含むタイヤセグメント全体で成果を創出し収益構造が大きく転換しています。
タイヤ消費財における新車用の売上収益は、国内での新規納入車種の拡大に加え、欧米においてもSUV・CUV車種を中心に、プレミアムカーへの新車装着の獲得や、その他の新規納入も増加したことにより前期を上回りました。
タイヤ消費財の市販用の売上収益は、戦略的なOE(新車装着)リターンの刈り取りに加え、国内におけるかねてからの丁寧な販売活動の効果や、欧州各国におけるハイインチ品販売への注力、北米におけるオンロード系SUV・CUV用タイヤ販売の強化などにより高付加価値商品販売が伸長したほか、各地域で新規取引先の開拓や既存顧客との取引拡大が順調に進んだことで前期を上回りました。
OHT(オフハイウェイタイヤ)の売上収益は、2025年2月に買収したGoodyear社のOTR(Off-The-Road)事業の業績が加わったこともあり、前期を上回りました。農機用タイヤは、新車用においては、厳しい環境の中でも顧客との関係強化を図ることでシェア向上を実現したほか、市販用においては、当社のマルチブランド戦略の強みを活かし、「Mitas(ミタス)」「Alliance(アライアンス)」「Galaxy(ギャラクシー)」ブランドを中心に、各地域において継続して販売拡大に努めたことで、欧州・北米の主要市場で需要を上回る販売伸長を果たしました。
MB(マルチプル・ビジネス)セグメントの売上収益は1,055億52百万円(前期比0.3%増)で、当社グループの連結売上収益の8.5%を占めました。
ホース配管事業の売上収益は、国内建設機械メーカーの需要減はあったものの、北米自動車メーカーの需要増により前年同期を上回りました。
工業資材事業の売上収益は、コンベヤベルトの安定的な受注や、海洋商品における旺盛な需要の取り込み、防衛装備品の受注増などにより、前年同期を上回りました。
全社の事業利益は、Goodyear社OTR事業の連結化に伴う一過性費用の計上はありましたが、タイヤ消費財での販売数量増や、「ADVAN(アドバン)」、「GEOLANDAR(ジオランダー)」、ウィンタータイヤをはじめとする高付加価値商品(AGW)やハイインチ品の販売増に加え、MB事業における既存事業の収益性改善、抜本的コスト改善の積み増しや構造改革などの内部努力が寄与し大幅な増益となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて2,628億16百万円増加し、1兆9,983億60百万円となりました。
流動資産は営業債権の増加等により、8,261億68百万円(前期比10.2%増)となりました。非流動資産は有形固定資産の増加等により、1兆1,721億92百万円(前期比18.9%増)となりました。
流動負債は有利子負債の増加等により、4,470億41百万円(前期比19.3%増)となりました。また、非流動負債についても有利子負債の増加等により、5,110億89百万円(前期比11.9%増)となりました。
資本合計は親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により1兆402億31百万円(前期比15.1%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて288億23百万円減少し、1,073億91百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、1,356億30百万円(前連結会計年度比411億33百万円の収入増加)となりました。
これは主として、税引前利益1,571億86百万円、退職給付信託の一部返還を受けたこと等による退職給付に係る資産及び負債の増減額191億56百万円、法人税等の支払額571億25百万円の計上等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、2,412億98百万円(前連結会計年度比2,399億6百万円の支出増加)となりました。
これは主として、子会社の取得を含む事業譲受による支出1,405億27百万円、有形固定資産の取得による支出1,116億26百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、683億17百万円(前連結会計年度は632億13百万円の支出)となりました。
これは主として、長期借入れによる収入1,424億87百万円、長期借入金の返済による支出556億49百万円、配当金の支払額158億61百万円等であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(4)生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格を基礎として算出しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、ごく一部を除いてすべて見込生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の判断、見積り及び仮定は、「第5.経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(企業結合等関係)
「第5 経理の状況 連結財務諸表注記(33.企業結合)」に記載しております。
(金銭消費貸借契約)
当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。
契約に関する内容等は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記(19.社債及び借入金)」に記載しております。
当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。また、機械学習(AI)を活用した開発の高度化や効率化にも積極的に取り組んでいます。
研究先行開発本部の研究開発費の金額は、929百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)タイヤ
既存事業における強みの「深化」と、大変革時代のニーズに応える新しい価値の「探索」を同時に推進し、「YX2026」の次世代の成長に向けた「変革」を図ることを目標とし以下のような活動をしました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、
1)AIでタイヤ打音から空気圧を判定する技術の実証実験を開始
トラック・バス用タイヤの打音からAI(人工知能)を活用して空気圧状態を判定する技術を開発し、実証実験を開始しました。
トラック・バス用タイヤの空気圧の日常点検において、依然としてハンマーによる打音点検が主流となっています。しかし、打音のみで空気圧が適正かを判断することは熟練のドライバーでも容易ではなく、手軽かつ正確に空気圧の状態を判定できる方法が求められています。こうしたニーズに応え、㈱METRIKAと協力して、さまざまな環境音の中からタイヤの打音を識別し、打音に基づいて空気圧を予測するAIアルゴリズムを開発しました。さらに、専用のアプリケーションを試作し、専用機器の設置や判定スキルの習得なしで、誰でも高精度な空気圧点検が可能になります。今後は実証実験を通じて、IoTを活用して最適な商品および運用プランの提案を迅速に行う横浜ゴム独自の次世代タイヤマネジメントシステム「T.M.S(ティーエムエス)」との連携も計画しています。
2)植物原料由来などのエタノールから高効率でブタジエンを生成する技術のベンチ設備を導入
当社と日本ゼオン㈱(以下、ゼオン)は、植物原料由来などのエタノールからブタジエンを高効率で生成する技術を実証するためのベンチ設備※1を山口県周南市のゼオン徳山工場内に建設することを決定しました。ベンチ設備は、2026年から稼働を開始し、ブタジエンの確保並びに量産に向けた各種データを収集していきます。
今回実施する実証実験は、植物原料由来などのエタノールを高効率な触媒によってブタジエンに変換する技術を実証するもので、植物原料由来などの合成ゴムを量産化する技術確立の第一歩となります。ゼオンはベンチ設備で生成したブタジエンからポリブタジエンゴム(ブタジエンゴム)を試作し、当社はそのブタジエンゴムを使用したタイヤの試作および走行テストを実施し、大規模実証に向けたデータ収集を行います。
※商業化に向けた連続実証設備(パイロット設備)へ移行するために必要なデータを取得する大規模設備
3)ゴム摩擦研究の第一人者であるB. N. J. Persson博士とマルチスケール凹凸路面でのゴム摩耗予測に関する世界初の理論モデルを構築
ゴムの摩擦・接触に関する研究の第一人者であるBo Nils Johan Persson(ボ・ニルス・ヨハン・ペルソン)博士との共同研究により、凹凸路面上のゴム摩耗率と摩耗粉粒子のサイズ分布を予測する理論モデルを世界で初めて構築しました。本研究は2025年2月21日付、物理学術誌「The Journal of Chemical Physics」(米国物理協会)において、掲載論文の中で最も注目に値する研究が選ばれる表紙論文に選ばれました。
当社は長年のゴム研究における実績と高い技術開発力が認められ、マルチスケールコンサルティングと契約し、Persson博士と共にゴムと路面の摩擦・摩耗に関する研究を進めてきました。このたび世界で初めて、理論化が難しかった凹凸路面上のマルチスケール(ナノ~センチレベル)におけるゴム摩耗挙動の理論モデルを構築しました。ドライおよびウェット滑走下でのゴムの摩耗挙動を様々な接触圧と速度で計測した結果、理論モデルが予測する摩耗率(単位滑走距離あたりの質量損失)と摩耗粉粒子のサイズ分布が実験結果と合致し、本理論がそれらの予測に使用できることを確認しました。
当社は今後もPersson博士およびマルチスケールコンサルティングとの研究を進め、高次元の耐摩耗性能を実現したタイヤ開発を追求するとともに、EVなど高重量な電動車の増加に伴い、ますます重要性を増すタイヤ摩耗による環境課題の解決に貢献していきます。
4)天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指す国際共同研究に協力
当社が協力会社として参画する国際共同研究「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発(以下、本研究)」の成果が2025年12月9日、インドネシア大学で開催された「5th Joint Coordinating Committee Meeting (toward application of joint technologies for new breeding of natural rubber trees)」で発表されました。本研究はゴムノキの病害抑制により天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指すもので、外務省と文部科学省の支援のもと、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されています。
当社はプロジェクトが立ち上げられた2020年より協力会社として本研究に参画し、2024年からはスクリーニングにより選定された殺菌剤が天然ゴムの品質に与える影響の調査を開始。すでに大規模農園でのフィールド評価において、適切に散布・使用すれば殺菌剤がゴムの特性および加硫物性に影響を及ぼさないことが確認できており、現在は本研究がターゲットとする小規模農園での影響調査に協力しています。当社は「持続可能な天然ゴムの調達方針」の中で、小規模農家を含むサプライチェーンに関わる方々への支援を掲げており、本研究への参画により、天然ゴムの生産および農家の収入の安定化に貢献します。なお、SATREPSの研究課題では天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す「未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究」にも連携機関として参画しています。
<OHT事業>
OHTのすべてのカテゴリーにブランドを持つマルチブランド戦略に基づき、各ブランドの提供価値の最大化を目指して研究開発活動を行っています。
Trelleborg、Mitasの両ブランドで事業展開するYokohama TWSは、市場で最も先進的な技術の開発を通じて、農業機械用タイヤや産業車両用タイヤを中心にプレミアムサプライヤーとしての地位を強化し続けています。また、Alliance、Galaxy等のブランドの農業機械・建設車両用タイヤなどを展開するYokohama ATG(=Y-ATG、 =旧YOHT)は、開発リードタイムの短さを活かして、ニッチ商品の早期開発・投入などを通じて、バリューセグメントでのプレゼンスを高めています。
1)アダプティブ・タイヤ・マネジメント・システム(ATMS)
ATMSは、荷重、圧力、温度などの作業条件をリアルタイムに検知し、常に最適なトラクターの車両設定を提案することで、農業の生産性の向上を実現する当社独自のシステムです。対応車種の拡大に向け、現在OEM各社による検証が進められています。
2)製品・材料開発
厳しい使用条件下における農機用タイヤの耐久性と性能向上を目的とした先進材料技術への投資を行っています。また、持続可能なコストでバイオ素材とリサイクル素材の採用を推進する取り組みを継続しています。2025年6月には、特定製品の5,000時間走行保証プログラムを開始しました。
3)ラバートラック
世界的な需要拡大傾向にあるラバートラック市場にて、従来の農業における生産性の概念を再定義するような次世代ソリューションの提供を目指し、革新的な製品の開発に取り組んでいます。
(2)MB
「成長性・安定性の高いポートフォリオへの変革」をテーマに掲げ、安定収益の確保を目指した技術開発を積極的に行いました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、
1)柔軟性とコンパクト性を追求した高圧ホース「レベックスC(CWP)」シリーズを新発売
建設・土木機械や工作機械、産業機械まで幅広く使用できる高圧ホース「レベックス」シリーズの新たなラインアップとして、柔軟性とコンパクト性を追求した「レベックスC(CWP)」シリーズを2025年1月から日本国内で販売を開始しました。最高使用圧力35MPa、内径19mmと25mmの2サイズからスタートし、今後は他のサイズも拡充していく計画です。新商品の「レベックスC(CWP)」は、従来品である「レベックス(NWP)」の特徴である優れた耐久性※、耐熱性、耐摩耗性、耐候性を踏襲しながら、外径をよりコンパクトに、柔軟性の向上(曲げ剛性の低減)や10%以上の軽量化(25mmサイズの場合、当社比)などを達成。耐久性能と扱いやすさを高いレベルで両立させました。
※ISO18752 BC級相当のインパルス試験に合格。これにより、配管スペースが狭く屈曲が必要な内部配管など、これまで高圧ホースの取り回しが難しかった配管でもよりスムーズな作業が可能となります。
2)省エネルギー性能を高めた難燃性コンベヤベルト 「FLAME GUARD ECO」を発売
難燃性コンベヤベルトとして好評を博している「FLAME GUARD」シリーズから省エネルギー性能を高めたコンベヤベルト「FLAME GUARD ECO(フレイムガード・エコ)」を発売しました。
「FLAME GUARD ECO」は火災防止のために難燃性コンベヤベルトが必要とされる港湾や火力発電所の石炭搬送ラインでの使用を想定し開発しました。省エネ性能向上にあたっては、世界トップレベルの省電力性能を実現した横浜ゴムのコンベヤベルト「ECOTEX」で培った技術を活用し、ゴム配合を最適化。これにより、エネルギーロス発生の一因であるベルトがローラーを乗り越える時のゴム変形を小さくし、走行抵抗を抑制しコンベヤの消費電力削減に貢献します。難燃性と省エネ性能の両立により、安全な操業に貢献するとともに、エネルギーコスト削減やCO2排出量削減による環境負荷低減に寄与します。
特殊配合ゴムにより自己消火性を持つ「FLAME GUARD」シリーズとして、難燃性、難燃超耐摩耗性、難燃重耐油性、難燃中温耐熱性、難燃高温耐熱性のコンベヤベルトを品揃えしています。今回、ベルトがローラー上を通過する際に発生する乗り越え抵抗を大幅に低減させた「FLAME GUARD ECO」の発売により、さらに強力な商品ラインアップとなりました。
上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品に係る研究開発費が 216百万円あります。